JP3463119B2 - ステンレス鋼用熱間圧延油組成物 - Google Patents

ステンレス鋼用熱間圧延油組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はステンレス鋼用熱間
圧延油組成物に関し、ステンレス鋼熱間圧延時の圧延材
とワークロールの焼付を防止し、ロール肌荒れを抑制す
ると共に、圧延材とワークロールの摩擦係数を高くして
安定な噛み込みを達成し得る熱間圧延油組成物を提供せ
んとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間圧延油として油脂、脂肪酸、
合成エステル、鉱物油等が使用され、ウォーターインジ
ェクション方式によりバックアップロール、ワークロー
ルに塗布され、圧延荷重低減、ロール摩耗抑制、ロール
肌荒れ防止等を目的として適用されてきた。しかし乍
ら、ステンレス鋼の場合、普通鋼と比較して熱間圧延時
の表面酸化スケールが非常に薄いため、圧延ロールと金
属間接触を起こし易く、焼付きが発生して、ロール肌荒
れと圧延材の疵が出やすく、この表面疵が発生した製品
は研磨作業が増え、コスト高を招き、ロール原単位も上
がるという難点があった。
【0003】従来の熱間圧延油ではこれ等難点に対処し
きれず、焼付を防止できる熱間圧延油が強く求められて
いた。また、塗布方法として従来のウォーターインジェ
クション方式が何等の支障無く適用できる熱間圧延油が
求められていた。
【0004】この要求に対処するものとして、例えば特
公平6−136381号が提案されているが、このもの
は「酸化鉄粉末+炭酸カルシウムの粘性水溶液」であ
り、別系統の塗布装置が必要となる。また、特公平6−
62980号による提案では、「酸化鉄粉+高分子化合
物」の組み合わせからなるものであって、ウォーターイ
ンジェクション方式が適用できる。しかしながらこれ等
両提案は、共に粉末の分散液のため、安定供給が難し
く、粉末を分散状態に保護するのにメンテナンスを必要
とし、あまり効果的ではない。
【0005】また特公平5−179276号では、温間
(150〜400℃)圧延において、ポリサルファイド
の耐焼付効果は認められているが、摩擦係数が高いた
め、亜リン酸エステルを併用して是正している。この圧
延油組成物を熱間圧延に使用した場合は摩擦係数が低す
ぎ、噛み込み性を低下させるため、使用できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のこの種ステンレス鋼用熱間圧延油の
難点を解消することであり、更に詳しくは、高耐焼付き
性を必要とするステンレス鋼の熱間圧延に適用できる高
耐焼付を有する熱間圧延油を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため、高温のステンレス鋼とロールの接触面に於
いて、耐焼付き性を有する熱間圧延油を開発すべく鋭意
研究を行った結果、鉱油、油脂及び合成エステルの1種
以上の基油に、イオウ含有量10重量%以上の硫化エス
テル単独、又はこれとイオウ含有量20重量%以上のポ
リサルファイドとを含有せしめた熱間圧延油組成物が、
ステンレス熱間圧延時の焼付き防止に効果があり、熱間
チムケン試験において摩擦係数0.12以上を示し、熱
間での摩擦係数が高いため、従来通りの塗布方法でも安
定した通板性を維持しながら、高耐焼付き性を発揮する
ことを見出した。
【0008】また、添加量としてはこの硫化エステル単
独、又は上記硫化エステルとポリサルファイドとを全組
成物を100重量%として40〜90重量%含有せしめ
ることにより、熱間圧延時のステンレス鋼の焼付きを防
止できるとの知見を得、ここに目的の熱間圧延油を開発
した。
【0009】
【発明の実施態様】本発明に於いて使用される硫化エス
テル及びポリサルファイドは、いずれも鉱物油、油脂及
び合成エステルの夫々に可溶であり、単独又は混合した
基油に含有せしめて使用する。含有すべき量は組成物を
100重量%として40〜90重量%であり、40重量
%未満では耐焼付性の効果が小さく、90重量%を越え
て含有させてもそれ以上の効果は無くコスト的に不利で
ある。
【0010】本発明に於いては、硫化エステルの一部を
イオウ含有量20重量%以上のポリサルファイドで置換
することができる。この置換量は硫化エステル:ポリサ
ルファイドが0.6:1.0〜8.0:1.0(重量
比)である。
【0011】硫化エステルとしてはS分を10重量%以
上含む硫化ラード、硫化ナタネ油等の不飽和脂肪酸基を
持つ油脂やエステルの硫化物単体及びこれらの複合物が
挙げられる。
【0012】更に具体的には、その他、例えば硫化油脂
や硫化エステルとしては、硫化低融点ラード、硫化大豆
油メチルエステル、硫化マッコウ油、硫化大豆油、硫化
ヌカ油等を例示できる。
【0013】この際、S分が10重量%未満では耐焼付
効果が小さく、添加しても不経済となる傾向があり、好
ましくはS分は10〜20重量%程度である。
【0014】ポリサルファイドとしてはS分を20重量
%以上含むジドデシルポリサルファイド、ジヘキシルポ
リサルファイド等のジアルキルポリサルファイドが挙げ
られる。
【0015】その他、この際のアルキルとは、炭素数6
〜15のものでも使用することができる。S分が20重
量%未満では耐焼付効果が小さく、添加しても不経済と
なる傾向があり、好ましくはS分は20〜40重量%程
度である。
【0016】本発明に於いては、硫化エステル単独使用
よりも硫化エステルとポリサルファイドの混合物がより
効果的である。
【0017】本発明に於いて使用される基油は鉱油、油
脂及び合成エステルの1種又は2種以上である。これ等
基油は従来からこの種圧延油組成物に於いて使用されて
きたものであり、広く各種のものが夫々使用される。例
えば、その代表例を例示すれば以下の通りである。
【0018】鉱油としては、例えばスピンドル油、マシ
ン油、モーター油、シリンダー油等の10〜900cs
tの粘度(40℃)のものである。
【0019】油脂としては、例えば牛脂、豚脂、パーム
油、ヤシ油、ナタネ油、大豆油等である。
【0020】合成エステルとしては、通常脂肪酸とアル
コールとから合成されるエステルであり、脂肪酸として
はC12〜C36の一塩基酸又は二塩基酸であり、アル
コールとしてはC1〜C18の一価又は多価アルコール
が挙げられる。
【0021】具体例としてはパルミチン酸エチルヘキシ
ルエステル、オレイン酸ブチルエステル、イソステアリ
ン酸ブチルカルビトールエステル、ベヘニン酸ラウリル
エステル、ネオペンチルグリコールオレイン酸エステ
ル、トリメチロールプロパンラウリン酸エステル、トリ
メチロールプロパンイソステアリン酸エステル、ペンタ
エリスリトールオレイン酸エステル、トリメチロールプ
ロパンダイマー酸エステル等を例示できる。
【0022】尚、本発明に於いては、従来基油として、
単独で使用されることのある脂肪酸は、単独では使用せ
ず、上記基油と必要に応じ併用して使用される。
【0023】この脂肪酸としても従来から使用されてき
たものが広く使用され、例えば、ラウリン酸、パルミチ
ン酸、オレイン酸、牛脂肪酸等の一塩基酸及びセバシン
酸、ダイマー酸等の二塩基酸を代表例として例示でき
る。
【0024】本発明の組成物を使用する対象物として
は、ステンレス鋼であり、各種グレードのステンレス鋼
が広く使用され、例えばSUS403を代表とするマル
テンサイトステンレス(13クロム系)、SUS304
を代表とするオーステナイトステンレス(ニッケル、ク
ロム系)、SUS430を代表とするフェライトステン
レス(18クロム系)、SUS444及びSUS434
を代表とする高純度フェライトステンレス及びSUS3
29の二相ステンレス等を例示できる。
【0025】本発明に於いては公知の添加剤、例えばエ
ステル類、脂肪酸等を必要に応じて併用できる。
【0026】本発明の熱間圧延油は通常熱間圧延にて適
用されているウォーターインジェクション法によりバッ
クアップロール又はワークロールに塗布する供給方法、
或いは原液のまま塗布、エアーインジェクション塗布す
る供給方法といずれの供給方法も採用できる。また、給
油量、濃度も必要に応じて適宜に選択し供給すれば良
い。
【0027】
【実施例】本発明を理解し易くするために以下に実施例
並びに比較例を示す。
【0028】
【実施例1〜7】下記表1に示す所定の成分を所定量
(重量%)配合して、本発明の熱間圧延油組成物を製造
した。
【0029】
【比較例1〜4】下記表2に示す所定の成分を所定量
(重量%)配合して、比較例のための熱間圧延油組成物
を製造した。
【0030】上記実施例1〜及び比較例1〜4の夫々
の組成物について、熱間チムケン試験による耐焼付試験
及び摩擦係数測定を測定した。但し、その試験方法は下
記の通りである。
【0031】〈耐焼付試験〉 試験片:SUS−304 試験片温度:900℃ ロール:ハイスロール 回転数:300rpm 荷重:2min毎に5kgずつ上げて焼き付くまで荷重
を上げる。 (max.50kg) 給油方法:ウォーターインジェクション、150ml/
min. 給油量:3ml/min. 方法:図1に示す装置にての試験片をの高周波加熱
コイルにより加熱し、その温度はの熱電対により測
定、記録し、のロールと加熱された試験片が接触
し、荷重をかけた状態でのウォーターインジェクショ
ンより給油し、のエアー水切りを行って熱間状態で焼
付までの最大荷重を測定する。
【0032】〈摩擦係数測定試験〉 試験片:SUS−304 試験片温度:900℃ ロール:ハイスロール 回転数:150rpm 荷重:40kg一定 給油方法:ウォーターインジェクション、150ml/
min. 給油量:3ml/min. 摩擦係数:トルク/荷重・ロール半径 方法:図1に示す装置にての試験片をの高周波加熱
コイルにより加熱し、その温度はの熱電対により測
定、記録し、のロールと加熱された試験片が接触
し、荷重を40kgかけた状態でのウォーターインジ
ェクションより給油し、のエアー水切りを行い、トル
クを測定することにより摩擦係数を測定する。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】但し、表1及び表2に於いて使用した各成
分は以下のものである。 硫化エステル:硫化ラード(S=10%) 硫化エステル:低融点硫化ラード(S=15%) 硫化エステル:活性タイプ硫化ラード(S=15%) 硫化エステル:複合硫化エステル(S=11%) ポリサルファイド:ジターシャリードデシルポリサルフ
ァイド(S=32%) 合成エステル:ペンタエリスリトールオレイン酸フルエ
ステル 油脂:液体ラード 脂肪酸:オレイン酸 鉱物油:モーター油(粘度150cst/40℃)
【0036】上記表1及び表2から次のことが明らかに
判る。 (1)熱間圧延の潤滑状態をシュミレートさせ、熱間で
のステンレス鋼の耐焼付荷重を測定した結果、比較例の
従来油では10kgで焼付いてしまうが、硫化エステル
を50〜80重量%添加した実施例1〜7は共に40k
g以上まで焼付かず、80重量%添加のものは50kg
(Max.)まで焼付かず比較例より大幅に優れた耐焼
付性能を示した。
【0037】(2)同様に摩擦係数を測定した結果、実
施例1〜7は0.12以上で、硫化エステル及びポリサ
ルファイドの添加量が多い方がやや高く、また、通常普
通鋼熱間圧延で適用されている合成エステル、油脂及び
脂肪酸より高いため、実機圧延において噛み込みやスリ
ップ等の問題も無く、通板性良好と判断する。
【0038】尚、普通鋼の荷重低減、摩擦係数低下を目
的とした熱間圧延油はこの熱間チムケン試験での摩擦係
数は0.08〜0.10であり、実機熱間圧延にて通板
性良好である。
【0039】
【実施例8〜9】下記表3に示す所定の成分を所定量
(重量%)配合して、本発明の熱間圧延油組成物を製造
した。
【0040】
【比較例5】下記表4に示す所定の成分を所定量(重量
%)配合して、比較のための熱間圧延油組成物を調製し
た。但し、表3及び表4に於いて使用した成分は表1と
同じものを表す。
【0041】実施例8〜9、実施例2、、6、7及び
比較例4〜5、比較例2について熱間圧延試験機による
耐焼付・肌荒れ試験と摩擦係数測定を図2の装置を用い
て、下記の方法で行った。その結果を表3及び表4に示
す。
【0042】但し、図2に於いて、11はワークロール
(aは上ロール、bは下ロール)、12はミキシング装
置、13はスプレーノズル、14はギアーポンプ、15
は水用タンク、16は水用ポンプ、17は圧延油用タン
ク、18は圧延油用ポンプ、19は圧延材(ストリッ
プ)を示す。
【0043】〈耐焼付・肌荒れ試験〉 (仕上ミル前段相当条件) 圧延材:SUS−444相当 C=0.003wt%、Cr=18.5wt% Mo=2.0wt%、Ti=0.2wt%、残部Fe 寸法:厚15×幅100×長さ500mm 加熱温度:1000℃ 圧下:15mm→7mmまで4パスで圧延 ロール径:200mm(バレル長200mm) ロール粗度:1.0μmRa 給油方法:ウォーターインジェクション法 圧延油:30mL/min 温水(40℃):3L/min 評価:耐焼付・肌荒れ性は圧延後の圧延材表面の焼付面
積の割合で評価した。 ◎:焼付なし ○:焼付面積5%以下 △:焼付面積20%以下 ×:100%焼付
【0044】〈熱間摩擦係数測定〉 (仕上ミル前段相当条件) 圧延材:SUS−444相当 C=0.003wt%、Cr=18.5wt% Mo=2.0wt%、Ti=0.2wt%、残部Fe 及びSUS−304 寸法:厚15×幅100×長さ500mm 加熱温度:1000℃ 圧下:噛み込み可能な圧下率で圧延(1パス圧延) ロール径:200mm(バレル長200mm) ロール粗度:1.0μmRa 給油方法:ウォーターインジェクション法 圧延油:30mL/min 温水(40℃):3L/min 評価:噛み込み性を評価するため、圧延可能な噛み込み
角度θを用いてμ=tan(θ)にて噛み込み摩擦係数
を算出した。図3に噛み込み角度θを示す。但し、図3
の番号は図2と同じことを表す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】但し、摩擦係数は噛み込み時のものを表
す。
【0048】表3及び表4から次のことが明らかに判
る。 (1)熱間圧延の潤滑状態をシュミレートさせ、熱間圧
延でのステンレス鋼(SUS−444)の耐肌荒性を評
価した結果、比較例の従来油では圧延材全面に焼付疵が
発生したが、硫化エステルを50〜80重量%添加した
実施例2〜10は良好で、特に80重量%添加のものは
全く焼付疵が発生しなかった。
【0049】(2)同様に噛み込み時の摩擦係数を測定
した結果、実施例2〜10はSUS−444の場合、
0.29以上を示し、SUS−304でも0.25〜
0.26と高い摩擦係数を示した。また、比較例2及び
4の従来油は0.17〜0.18と低い摩擦係数を示し
た。
【0050】この噛み込み時の摩擦係数が0.20以上
であれば、噛み込み、スリップ等の問題が無く実機での
通板性は良好である。
【0051】
【発明の効果】ステンレス鋼の熱間圧延時の焼付を従来
油では抑制できなかったが、本発明の熱間圧延油は焼付
を防止でき、また、噛み込み性も良好のため、安定して
全ステンレス材に塗布でき、効果を発揮する。またステ
ンレス鋼の熱間圧延の生産性、操業性も向上し、冷間圧
延以後の工程での表面品質も向上できる。加えて、基油
には鉱油、油脂及び合成エステルの少なくとも1種を使
用し、安定な液状タイプのため、作業上の問題もなく、
既存のウォーターインジェクション或いはエアーインジ
ェクション法によって、ロールに塗布して効果を発揮で
きるため、新たに給油、塗布設備等を作る必要もなく工
業的に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は熱間チムケン試験機の概略説明図であ
る。
【図2】図2は熱間圧延試験材の概略説明図である。
【図3】図3は噛み込み角度を示す説明図である。
【符号の説明】
1.加熱試験片(30φ×長さ50mm円柱) 2.高周波加熱コイル 3.ロール(50φ×幅8mmのリング) 4.ウォーターインジェクション塗布 5.エアー水切り 6.熱電対 11.ワークロール 12.ミキシング装置 13.スプレーノズル 14.ギアーポンプ 15.水用タンク 16.水用ポンプ 17.圧延油用タンク 18.圧延油用ポンプ 19.圧延材(ストリップ) 11a.ワークロールの上ロール 11b.ワークロールの下ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 30:06 C10N 40:24 Z 40:24 (72)発明者 岡本 謙 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 川島 浩治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 住友 正実 奈良県大和郡山市額田部北町1021番地 大同化学工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 池田 治朗 奈良県大和郡山市額田部北町1021番地 大同化学工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 菅井 哲也 奈良県大和郡山市額田部北町1021番地 大同化学工業株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−33085(JP,A) 特開 平10−259391(JP,A) 特開 平10−231493(JP,A) 特開2000−178575(JP,A) 特開 平10−259392(JP,A) 特開 平5−179276(JP,A) 特開 平9−103803(JP,A) 特開 昭53−5057(JP,A) 特開 平8−92583(JP,A) 特開 平8−12989(JP,A) 特開 平8−239681(JP,A) 特開 平10−273688(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 135/06 C10M 101/00 - 101/04 C10M 105/32 - 105/48 C10M 135/00 C10M 135/20 - 135/30 C10M 169/04 C10N 20:00 C10N 30:00 C10N 30:06 C10N 40:24 B21B 27/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉱油、油脂及び合成エステルの1種以上の
    基油に、イオウ含有量10重量%以上の硫化エステルを
    組成物を100重量%として40〜90重量%含有せし
    めたことを特徴とするステンレス鋼用熱間圧延油組成
    物。
  2. 【請求項2】上記硫化エステルの一部をイオウ含有量2
    0重量%以上のポリサルファイドで置換した請求項1に
    記載のステンレス鋼用熱間圧延油組成物。
  3. 【請求項3】熱間チムケン試験における摩擦係数が0.
    12以上である請求項1又は2に記載のステンレス鋼用
    熱間圧延油組成物。
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