JP5277421B2 - 熱間圧延油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は熱間圧延油組成物に関し、ステンレス鋼等焼付を起こし易い被圧延材の熱間圧延時に、被圧延材とワークロールの焼付を防止し、ロール肌荒れを抑制すると共に、被圧延材とワークロールの摩擦係数を高くして安定な噛み込みを達成し得る熱間圧延油組成物を提供せんとするものである。
従来、熱間圧延油として油脂、脂肪酸、合成エステル、鉱物油等が使用され、ウォーターインジェクション方式によりバックアップロール、ワークロールに塗布され、圧延荷重低減、ロール摩耗抑制、ロール肌荒れ防止等を目的として適用されてきた。しかし乍ら、ステンレス鋼の場合、普通鋼と比較して熱間圧延時の表面酸化スケールが非常に薄いため、圧延ロールと金属間接触を起こし易く、焼付きが発生して、ロール肌荒れと被圧延材の疵が出易く、この表面疵が発生した製品は研磨作業が増え、コスト高を招き、ロール原単位も上がるという難点があった。
従来の熱間圧延油ではこれ等難点に対処しきれず、焼付を防止できる熱間圧延油が強く求められていた。また、塗布方法として従来のウォーターインジェクション方式が何等の支障無く適用できる熱間圧延油が求められていた。
この要求に対処するものとして、例えば特許文献1が提案されているが、このものは「酸化鉄粉末+炭酸カルシウムの粘性水溶液」であり、別系統の塗布装置が必要となる。また、特許文献2による提案では、「酸化鉄粉+高分子化合物」の組み合わせからなるものであって、ウォーターインジェクション方式が適用できる。しかし乍らこれ等両提案は、共に粉末の分散液のため、安定供給が難しく、メンテナンスを必要とし、あまり効果的ではない。
また特許文献3では、温間(150〜400℃)圧延において、ポリサルファイドの耐焼付効果は認められているが、摩擦係数が高いため、亜リン酸エステルを併用して是正している。この圧延油組成物を熱間圧延に使用した場合は摩擦係数が低すぎ、噛み込み性を低下させるため、使用できない。
また、特許文献4に記載した技術では、従来から大幅に熱延ステンレス鋼板の表面を向上できたが、高含有量の硫黄を含む熱間圧延油を熱間仕上スタンドに適用した場合に、ロール面への圧延油付着量が若干低下する問題があった。このためSUS444(C=0.003重量%,Cr=18.5重量%,Mo=2.0重量%,
Ti=0.2重量%,残部Feおよび不可避不純物)の焼付は防止できても、それ以上のCr、およびMoまたはAlを含有する鋼種の焼付を抑制することが困難であった。
特許文献5ではポリサルファイドのアルキル基の最も短いジターシャリーブチルであれば高い摩擦係数(熱間チムケン試験で0.22)を示したが、アルキル基の短いジターシャリーブチルポリサルファイドは分解し易く、実用が難しいという問題点があり、ジターシャリーブチル基に比しアルキル基は若干長いが、それでも一般的にはアルキル基が短い分類に入り、且つ実用上使用可能なジオクチルポリサルファイドでは、摩擦係数は熱間チムケン試験で0.19が限界であった。
特開平6−136381 特公平6−62980 特開平5−179276 特開2000−178575 特開2004−238491
本発明が解決しようとする課題は、従来のこの種ステンレス鋼用熱間圧延油の難点を解消することであり、更に詳しくは、高耐焼付き性を必要とするステンレス鋼の熱間圧延に適用できる高耐焼付を有し、且つ高摩擦係数で安定した噛み込み性と通板性を有する熱間圧延油を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため、高温のステンレス鋼とロールの接触面に於いて、耐焼付き性を有する熱間圧延油を開発すべく鋭意研究を行った結果、鉱油、油脂及び合成エステルの1種以上の基油に、イオウ含有量20重量%以上のポリサルファイドを含有せしめた熱間圧延油組成物が、ステンレス熱間圧延時の焼付き防止に効果があり、熱間チムケン試験において摩擦係数0.16以上を示し、熱間での摩擦係数が高いため、従来通りの塗布方法でも安定した通板性を維持しながら、高耐焼付き性を発揮することを見出した。
また、添加量としてはこのポリサルファイドを組成物全体に対して60〜90重量%含有せしめることにより、熱間圧延時のステンレス鋼の焼付きを防止できるとの知見を得、テルペン樹脂及び/又はロジンを添加することにより、熱間チムケン試験において摩擦係数0.19以上と更に摩擦係数を高くすることが出来、通板性が良好で且つ更に耐焼付き性良好にすることが出来、ここに目的の熱間圧延油を開発した。高分子化合物を添加することにより、エマルジョン中の油滴表面の粘度を大きくすることができ、また、カチオン抗乳化剤を添加することによりエマルジョン中の油滴粒径を大きくできるためロールへの付着量が向上することも見出した。
ステンレス鋼の熱間圧延時の焼付を従来油では完全に抑制できなかったが、本発明の熱間圧延油は焼付を防止でき、また、噛み込み性も良好のため、安定して全ステンレス材に塗布できる効果を発揮する。またステンレス鋼の熱間圧延の生産性、操業性も向上させられ、冷間圧延以後の工程での表面品質も向上できる。
加えて、基油には鉱油、油脂及び合成エステルの少なくとも1種を使用し、安定な液状タイプのため、作業上の問題もなく、既存のウォーターインジェクション或いはエアーインジェクション法によって、ロールに塗布して効果を発揮できるため、新たに給油、塗布設備等を作る必要もなく工業的に極めて有利である。
本発明に於いて使用されるポリサルファイドは、鉱油、油脂及び合成エステルの夫々に可溶であり、単独又は混合した基油に含有せしめて使用する。この基油中に含有すべき量は60〜90重量%であり、60重量%未満では耐焼付き性の効果が小さく、90重量%を越えて含有させてもそれ以上の効果は無くコスト的に不利である。
本発明に於いて使用されるポリサルファイドとしては、S分を20〜40重量%含むジドデシルポリサルファイド、ジヘキシルポリサルファイド、ジオクチルポリサルファイド及びジノニルポリサルファイドから選ばれる1種のジアルキルポリサルファイドが挙げられる。
この際、本願では、S分が20重量%未満では耐焼付効果が小さく、添加しても不経済となる傾向があり、20〜40重量%である。
本発明に於いて使用されるテルペン樹脂及び/又はロジンは、軟化点75℃〜150℃のテルペン重合体、βピネン重合体、芳香族変性テルペン重合体、テルペン系水素添加樹脂、テルペンフェノール共重合体等のテルペン(C10、H16)骨格を持ったテルペン樹脂、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジンが挙げられる。本発明に於いては、これ等テルペン樹脂及び/ロジンの少なくとも1種が使用される。
テルペン樹脂及び/又はロジンの添加量は0.5重量%未満では効果は小さく、10重量%より多くなると基油への溶解が難しくなり、好ましくは0.5〜10重量%である。
本発明に於いて使用される高分子化合物はポリブデン、ポリイソブチレン、ポリアルキレート等の分子量5千から50万の基油への溶解性良好な高分子化合物が挙げられる。なおこの際の高分子化合物には、テルペン樹脂及びロジンは含まれない。
高分子化合物の添加量は1重量%未満では増粘効果が小さく、ウォーターインジェクション塗布での付着効果が小さく、また10重量%より多くなると溶解性が悪くなる為、好ましくは1〜10重量%である。
本発明に於いて使用されるカチオン抗乳化剤はオクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩等のアミン塩タイプやオクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアンモニウムクロライドが挙げられる。
カチオン抗乳化剤の添加量は0.05重量%未満では抗乳化効果が小さく、3重量%より多いと溶解性が悪くなり、抗乳化性も悪くなる為、好ましくは、0.05〜3重量%であり、抗乳化性を良くすることによりウォーターインジェクション塗布による付着性を向上できる。
本発明に於いて使用される基油は鉱油、油脂及び合成エステルの1種以上である。これ等基油は従来からこの種圧延油組成物に於いて使用されてきたものであり、広く各種のものが夫々使用される。例えば、その代表例を例示すれば以下の通りである。
鉱油としては、例えばスピンドル油、マシン油、モーター油、シリンダー油等の10〜900mm/Sの動粘度(40℃)のものである。
油脂としては、例えば牛脂、豚脂、パーム油、ヤシ油、ナタネ油、大豆油等である。合成エステルとしては、通常脂肪酸とアルコールとから合成されるエステルであり、脂肪酸としてはC12〜C36の一塩基酸又は二塩基酸であり、アルコールとしてはC1〜C18の一価又は多価アルコールが挙げられる。
本発明の組成物を使用する際の被圧延材としては、ステンレス鋼が挙げられ、各種グレードのステンレス鋼に広く使用できる。例えば、SUS403を代表とするマルテンサイトステンレス(13クロム系)、SUS304を代表とするオーステナイトステンレス(ニッケル、クロム系)、SUS430を代表とするフェライトステンレス(18クロム系)、SUS444やSUS434を代表とする高純度フェライトステンレス及びSUS329の二相ステンレス等を例示できる。
本発明に於いては公知の添加剤、例えばエステル類、脂肪酸等を必要に応じて併用できる。
本発明の熱間圧延油は通常熱間圧延にて適用されているウォーターインジェクション法によりバックアップロール又はワークロールに塗布する供給方法、或いは原液のまま塗布、エアーインジェクション塗布する供給方法といずれの供給方法も採用できる。また、給油量、濃度も必要に応じて適宜に選択し供給すれば良い。
本発明を理解し易くするために以下に実施例並びに比較例を示す。
〔1〜8〕
下記表1に示す所定の成分を所定量配合して、本発明の熱間圧延油組成物を製造した。
比較例の1〜3
下記表1に示す所定の成分を所定量配合して、比較のための熱間圧延油組成物を製造した。
上記実施例1〜8及び比較例1〜3の夫々の組成物について、ホモミキサーによる乳化分散後の分離性(抗乳化性)、付着試験機による付着量、熱間チムケン試験による耐焼付試験及び摩擦係数測定を測定した。但し、その試験方法は下記の通りである。
〈抗乳化試験〉ホモミキサーによる乳化分散後の分離測定。
ミキシング液 400ml(500mlビーカー)
濃度 3%(水=388ml、油=12ml)
水温 30℃
攪拌条件 10,000rpm×10min
方法及び判定:500mlビーカーに入れたミキシング液400mlを
10,000rpm×10min攪拌した後、ビーカー内にて静置し、3分後の油分の分離状況を観察し、分離性(抗乳化性)にて判定する。
◎ :分離性の非常に良いもの
〇 :分離性の良いもの
△ :少し分離するもの
× :あまり分離しないもの
××:全く分離しないもの
〈付着試験〉付着試験機による付着測定。
ノズル フルコーンノズル KSF0365(エバーロイ社製)
給油量 40ml/min
塗布圧力 0.3MPa
濃度 0.67%
水温 30℃
塗布時間 5sec
方法及び判定:SPCC−SD(100×100×0.8mm)上に噴射塗布させ、エアーガンにより水分除去後、24時間ドレンし、付着油分量を測定する。
〈耐焼付試験〉
試験片:SUS−304
試験片温度:900℃
ロール:ハイスロール
回転数:300rpm
荷重:2min毎に49Nずつ上げて焼き付くまで荷重を上げる。
(max.490N)
給油方法:ウォーターインジェクション、150ml/min
給油量:3ml/min
方法:図1に示す装置にて(1)の試験片を(2)の高周波加熱コイルにより加熱し、その温度は(6)の熱電対により測定、記録し、(3)のロールと加熱された試験片(1)が接触し、荷重をかけた状態で(4)のウォーターインジェクションより給油し、(5)のエアー水切りを行って熱間状態で焼付までの最大荷重を測定する。
〈摩擦係数測定試験〉
試験片:SUS−304
試験片温度:900℃
ロール:ハイスロール
回転数:150rpm
荷重:392N一定
給油方法:ウォーターインジェクション、150ml/min
給油量:3ml/min
摩擦係数:トルク/荷重・ロール半径
方法:図1に示す装置にて(1)の試験片を(2)の高周波加熱コイルにより加熱し、その温度は(6)の熱電対により測定、記録し、(3)のロールと加熱された試験片(1)が接触し、荷重を392Nかけた状態で(4)のウォーターインジェクションより給油し、(5)のエアー水切りを行い、トルクを測定することにより摩擦係数を測定する。

但し、表1に於いて使用した各成分は以下のものである。
ポリサルファイド1:ジオクチルポリサルファイド(S=39%)
ポリサルファイド2:ジドデシルポリサルファイド(S=32%)
テルペン樹脂(YSレジンPX1150=ヤスハラケミカル)
テルペン水素添加樹脂(クリアロンM105=ヤスハラケミカル)
ウッドロジン(ウッドロジンMM=ハリマ化成)
硫化エステル:活性タイプ硫化ラード(S=15%)
合成エステル:ペンタエリスリトールオレイン酸フルエステル
鉱油:モーター油(動粘度150mm/S ,40℃)
カチオン抗乳化剤:オクタデシルアミノ酢酸塩
上記表1から次のことが明らかに判る。
(A)熱間圧延の潤滑状態をシミュレートさせ、熱間でのステンレス鋼の耐焼付荷重を測定した結果、比較例3の従来油では147N以下で焼付いてしまうが、ポリサルファイドを60〜90重量%、テルペン樹脂或いはロジン0.5〜10重量%、ポリイソブチレン1〜10重量%、カチオン抗乳化剤0.05〜3重量%添加した実施例1〜8は共に490N以上まで焼付かず、何れの実施例も比較例より大幅に優れた耐焼付性能を示した。
(B)同様に摩擦係数を測定した結果、実施例1〜8は0.19以上であり、アルキル基の短いジオクチルポリサルファイドの方が高い摩擦係数を示した。また、テルペン樹脂又はロジンを添加することにより更に摩擦係数は高くなり、ポリサルファイド1を使用した実施例1、3、4、6、8及びポリサルファイド2でもテルペン樹脂やテルペン水素添加樹脂を多く添加した実施例5、7は0.21以上の高い摩擦係数を示した。実機圧延において噛み込みやスリップ等の問題も無く、通板性良好と判断する。
(C)ポリサルファイドを含有してもテルペン樹脂もロジンも添加していない比較例1及び硫化エステルを使用している比較例2は、耐焼付荷重が392Nとやや低く、且つ摩擦係数が0.11〜13と低い為、実圧延に於いて噛み込み不良や通板不良が懸念される。粗圧延への適用や全長圧延油塗布での安定圧延のためには更に高い摩擦係数が望まれ、ポリサルファイドの使用とテルペン樹脂やロジンの添加がこの目的のためには適している。
(D)カチオン抗乳化剤を添加していない比較例3は抗乳化性も悪く、付着性も悪い為、耐焼付荷重が147Nと低く、また摩擦係数も低い.
実施例1〜8及び比較例の1〜3について熱間圧延試験機による耐焼付・肌荒れ試験と摩擦係数測定を図2の装置を用いて、下記の方法で行った。その結果を表2に示す。
但し、図2に於いて、(11)はワークロール(aは上ロール、bは下ロール)、(12)はミキシング装置、(13)はスプレーノズル、(14)はギアーポンプ、(15)は水用タンク、(16)は水用ポンプ、(17)は圧延油用タンク、(18)は圧延油用ポンプ、(19)は圧延材(ストリップ)を示す。
〈耐焼付・肌荒れ試験〉
(仕上ミル前段相当条件)
圧延材: SUH21(C=0.08重量%,Cr=19〜20重量%,AL=3.0重量%,残部Fe,レアメタルおよび不可避不純物)
寸法:厚15×幅100×長さ500mm
加熱温度:1000℃
圧下:15mm→7mmまで4パスで圧延
ロール径:200mm(バレル長200mm)
ロール粗度:1.0μmRa
給油方法:ウォーターインジェクション法
圧延油:30mL/min
温水(40℃):3L/min
評価:耐焼付・肌荒れ性は圧延後の圧延材表面の焼付面積の割合で評価した。
◎:焼付なし
○:焼付面積5%以下
△:焼付面積20%以下
×:100%焼付
〈熱間摩擦係数測定〉
(仕上ミル前段相当条件)
圧延材: SUS−444およびSUS−304
寸法:厚15×幅100×長さ500mm
加熱温度:1000℃
圧下:噛み込み可能な圧下率で圧延(1パス圧延)
ロール径:200mm(バレル長200mm)
ロール粗度:1.0μmRa
給油方法:ウォーターインジェクション法
圧延油:30mL/min
温水(40℃):3L/min
評価:噛み込み性を評価するため、圧延可能な噛み込み角度θを用いてμ=tan(θ)にて噛み込み摩擦係数を算出した。図3に噛み込み角度θを示す。 但し、図3の番号は図2と同じことを表す。

但し、摩擦係数は噛み込み時のものを表す。
表2から次のことが明らかに判る。
(E)熱間圧延の潤滑状態をシミュレートさせ、熱間圧延で焼付き易い材料であるステンレス鋼(SUS−444)の耐肌荒性を評価した結果、比較例3の従来油では圧延材全面に焼付疵が発生し、比較例1及び比較例2も軽い焼付きが見られたが、ポリサルファイドを60〜90重量%添加し、テルペン樹脂或いはロジンを0.5〜10重量%添加し、高分子化合物及びカチオン抗乳化剤添加で付着性を向上させた実施例1〜8は全く焼付かず耐焼付き性・肌荒れ性良好であった。
(F)同様に噛み込み時の摩擦係数を測定した結果、実施例1〜8は何れもSUS−444の場合、0.29以上を示し、SUS−304でも0.26〜0.28と高い摩擦係数を示した。実圧延にて噛み込み性及び通板性が良好であり、粗圧延・仕上全長圧延に使用可能と判断する。
(G)比較例1〜3の従来油はSUS−444の場合0.22〜0.25でSUS−304の場合は0.15〜0.20と何れも低い摩擦係数を示した。
熱間チムケン試験機の概略説明図である。 熱間圧延試験機の概略説明図である。 噛み込み角度を示す説明図である。
符号の説明
1.加熱試験片(30φ×長さ50mm円筒)
2.高周波加熱コイル
3.ロール(50φ×幅8mmのリング)
4.ウォーターインジェクション塗布
5.エアー水切り
6.熱電対
11.ワークロール
12.ミキシング装置
13.スプレーノズル
14.ギアーポンプ
15.水用タンク
16.水用ポンプ
17.圧延油用タンク
18.圧延油用ポンプ
19.圧延材(ストリップ)
a.ワークロールの上ロール
b.ワークロールの下ロール







Claims (2)

  1. 鉱油、油脂及び合成エステルの1種以上の基油に、組成物全体に対し、ジドデシルポリサルファイド、ジヘキシルポリサルファイド、ジオクチルサルファイド、ジノニルポリサルファイドから選ばれる一種のイオウ含有量20〜40重量%のポリサルファイドを60〜90重量%含有せしめると共に、テルペン樹脂及び/又はロジンを0.5〜10重量%を含有せしめ、高分子化合物及び/又はカチオン抗乳化剤を含有せしめたことを特徴とする熱間圧延油組成物。
  2. 熱間チムケン試験における摩擦係数が0.19以上である請求項1に記載の熱間圧延油組成物。
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