JPH0892583A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JPH0892583A
JPH0892583A JP25443894A JP25443894A JPH0892583A JP H0892583 A JPH0892583 A JP H0892583A JP 25443894 A JP25443894 A JP 25443894A JP 25443894 A JP25443894 A JP 25443894A JP H0892583 A JPH0892583 A JP H0892583A
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JP
Japan
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acid
weight
oil
lubricating oil
compound
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JP25443894A
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English (en)
Inventor
Shigeo Terada
茂穂 寺田
Teruaki Onishi
輝明 大西
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)基油として鉱油若しくは合成油から選
ばれる1種又は2種以上を40〜99.8重量%、
(B)リン化合物から選ばれる1種又は2種以上を0.
1〜30重量%、及び(C)硫黄化合物又は(D)脂肪
酸若しくは脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以
上を0.1〜30重量%の割合で含有する潤滑油組成
物。 【効果】 優れた塑性加工性を付与でき、薄肉管などの
製品の表面の仕上がり性を良好にし、かつ引抜き工程を
始め各種塑性加工工程を減らすことでさらに加工時間の
短縮を図ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、引抜き加工性などの塑
性加工性に優れる潤滑油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高品位複写機の感光ドラムに用いられる
アルミニウム製高精度薄肉管は、高い寸法安定性が要求
されている。従来、この高い寸法安定性を付与する方法
として、厚肉の押出し素管を精密切削加工により仕上げ
る方法が行われている。しかし、この精密切削加工で
は、高精度な薄肉管が得られるが、加工時間が長く、か
つ精度向上のために大きな削り代が必要となる。このた
め、材料歩留りが悪くなるなどコスト高になるという欠
点がある。これらを改善する方法として、肉厚の押出し
素管を引抜き加工によりある程度の精度まで加工し、最
終的に仕上げ精密切削加工を施すことで精度の高い薄肉
管を得る方法がある。この方法は、加工時間の短縮が図
れ、かつ大きな削り代を必要としないため、材料歩留り
が改善されるものであり、また、引抜き回数を削減する
ことにより、さらに加工時間の短縮に寄与する。このよ
うな長所を有する方法において、引抜き加工により得ら
れる被加工材が、寸法精度に優れ、又、表面に焼き付き
などの損傷がなく、表面粗さの小さいものであれば、精
密切削加工を入念にする必要がなくなり、極めて優れた
方法と言える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
潤滑油では、例えば、引抜き回数を4回から3回に削減
した場合、目標とする表面粗さが得られないという欠点
があった。本発明は、引抜き加工を4回から3回に減ら
すなどの過酷な塑性加工条件においても塑性加工性に優
れ、薄肉管を始めとする製品の表面の仕上がり性に優
れ、かつ引抜き工程などの塑性加工工程を減らすことで
さらに加工時間の短縮を図ることができる潤滑油組成物
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、リン化合物と、硫
黄化合物又は脂肪酸若しくは脂肪酸エステルと基油を組
み合わせた潤滑油組成物により、上記課題を解決するこ
とができることを見出し、これらの知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)基油として鉱
油若しくは合成油から選ばれる1種又は2種以上を40
〜99.8重量%、(B)リン化合物から選ばれる1種
又は2種以上を0.1〜30重量%、及び(C)硫黄化
合物又は(D)脂肪酸若しくは脂肪酸エステルから選ば
れる1種又は2種以上を0.1〜30重量%の割合で含
有することを特徴とする潤滑油組成物を提供するもので
ある。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明の潤滑油組成物において使用される
(A)成分の基油は、鉱油、合成油の何れでもよく、こ
れらの1種又は2種以上を組み合わせて用いられる。こ
こで、鉱油としては、例えば白灯油、スピンドル油、マ
シン油、タービン油、シリンダー油などが挙げられ、合
成油としては、例えばポリブテン、ポリアルファオレフ
ィン(PAO)、エステル類などが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。これらの基油のうち、組
成物の仕上がり粘度を調整するのに、ポリブテン、ポリ
アルファオレフィン、マシン油、タービン油、及びシリ
ンダー油などが好ましい。基油の粘度範囲としては、4
0℃での粘度が、通常0.5mm2/s〜25000m
2/sの範囲であり,好ましくは20mm2/s〜30
00mm2/sの範囲であり、さらに好ましくは、10
0mm2/s〜2500mm2/sの範囲である。
【0007】本発明の潤滑油組成物において使用される
(B)成分のリン化合物は、例えば第二級ホスファイト
類、第三級ホスファイト類、酸性リン酸エステル類、酸
性リン酸エステルの金属塩類、酸性リン酸エステルアミ
ン塩類、チオホスフェイト類、ホスフェイト類の1種又
は2種以上の混合物が挙げられる。第二級ホスファイト
類は、(R1O)2PHOで表される化合物であり、R1
はアルキル基、芳香族炭化水素基(フェニル基、アルキ
ルフェニル基など)などの有機基であり、好ましいR1
は炭素数12〜18のアルキル基、芳香族炭化水素基
(フェニル基、アルキルフェニル基など)であり、特に
好ましいR1は炭素数12〜18のアルキル基である。
第二級ホスファイト類の具体例としては、例えばジ−2
−エチルへキシルハイドロゼンホスファイト、ジラウリ
ルハイドロゼンホスファイト、ジオレイルハイドロゼン
ホスファイトなどが挙げられる。
【0008】第三級ホスファイト類は、(R2O)3Pで
表される化合物であり、R2はアルキル基、芳香族炭化
水素基(フェニル基、アルキルフェニル基など)などの
有機基であり、好ましいR2は炭素数12〜18のアル
キル基、芳香族炭化水素基(フェニル基、アルキルフェ
ニル基など)であり、特に好ましいR2は炭素数12〜
18のアルキル基である。第三級ホスファイト類の具体
例としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、トリイソオクチルホ
スファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェ
ニルジイソデシルホスファイト、トリステアリルホスフ
ァイト、トリオレイルホスファイト、トリラウリルトリ
チオホスファイトなどが挙げられる。
【0009】酸性リン酸エステルは、アシッドホスフェ
イト類とも呼ばれ、ジエステル〔(R3O)2P(O)O
H〕とモノエステル〔R4OP(O)(OH)2〕の混合
物であり、R3及びR4はアルキル基、芳香族炭化水素基
(フェニル基、アルキルフェニル基など)などの有機基
であり、好ましいR3及びR4は炭素数1〜20、好まし
くは炭素数10〜18、特に好ましくは炭素数12〜1
8のアルキル基、芳香族炭化水素基(フェニル基、アル
キルフェニル基など)であり、特に好ましいR3及びR4
は炭素数12〜18のアルキル基である。ジエステルと
モノエステルの割合は、等モル又はモノエステルの方が
多いのが通常である。また、これらの酸性リン酸エステ
ル類は、製造段階で生成する少量のピロ型化合物、ポリ
型化合物を含んでいてもよい。
【0010】酸性リン酸エステルの具体例としては、例
えばメチルアシッドフォスフェイト、エチルアシッドフ
ォスフェイト、イソプロピルアシッドフォスフェイト、
ブチルアシッドフォスフェイト、2−エチルへキシルア
シッドフォスフェイト、イソデシルアシッドフォスフェ
イト、ラウリルアシッドフォスフェイト、トリデシルア
シッドフォスフェイト、ステアリルアシッドフォスフェ
イト、オレイルアシッドフォスフェイト、ジ−2−エチ
ルへキシルアシッドフォスフェイトなどが挙げられる。
【0011】また、酸性リン酸エステルのアミン塩とし
ては、例えば前記酸性リン酸エステルを、一般式(1)
【0012】
【化1】NR567 ・・・・・(1)
【0013】(式中、R5、R6及びR7はそれぞれ一価
の炭化水素又は水素原子を示し、少なくとも一つは炭化
水素基である。)で表されるアミンで中和したものが挙
げられる。R5、R6及びR7はアルキル基、芳香族炭化
水素基(フェニル基、アルキルフェニル基など)などの
炭化水素基であり、好ましいR5、R6及びR7は炭素数
12〜18のアルキル基、芳香族炭化水素基(フェニル
基、アルキルフェニル基など)であり、特に好ましいR
5、R6及びR7は炭素数12〜18のアルキル基であ
る。アミンの具体例としては、例えばジブチルアミン、
オクチルアミン、ジオクチルアミン、ラウリルアミン、
ジラウリルアミン、ココナッツアミン、牛脂アミンなど
が挙げられる。また、酸性リン酸エステルのアミン塩と
しては、例えばOrtholeum535(商品名、デ
ュポン社製)、Vanlube 672(商品名、バン
ダビルド社製)、Irgalube 349(商品名、
チバガイギー社製)などの市販品を使用することができ
る。
【0014】また、酸性リン酸エステルの金属塩として
は、例えば前記酸性リン酸エステルのアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属などの金属塩が挙げられる。金属塩の好
ましいものとしては、アルカリ金属塩である。チオホス
フェイト類は、PS(SR83で表される化合物であ
り、R8はアルキル基、芳香族炭化水素基(フェニル
基、アルキルフェニル基など)などの有機基であり、好
ましいR8は炭素数12〜18のアルキル基、芳香族炭
化水素基(フェニル基、アルキルフェニル基など)であ
り、特に好ましいR8は炭素数12〜18のアルキル基
である。チオホスフェイト類の具体例としては、例えば
トリプロピルチオホスフェイト、トリブチルチオホスフ
ェイト、トリヘキシルチオホスフェイト、トリデシルチ
オホスフェイトなどが挙げられる。
【0015】ホスフェイト類は、PO(OR93で表さ
れる化合物であり、R9はアルキル基、芳香族炭化水素
基(フェニル基、アルキルフェニル基など)などの有機
基であり、好ましいR9は炭素数12〜18のアルキル
基、芳香族炭化水素基(フェニル基、アルキルフェニル
基など)であり、特に好ましいR9は炭素数12〜18
のアルキル基である。ホスフェイト類の具体例として
は、例えばトリブチルホスフェイト、トリヘキシルホス
フェイト、トリオクチルホスフェイト、トリデシルホス
フェイトなどが挙げられる。これらのうち好ましいリン
化合物しては、第二級ホスファイト類、第三級ホスファ
イト類、酸性リン酸エステル類、酸性リン酸エステルの
金属塩類が挙げられ、さらに好ましいリン化合物として
は、第二級ホスファイト類、第三級ホスファイト類が挙
げら、特に好ましいリン化合物としては、第三級ホスフ
ァイト類が挙げられる。これらのリン化合物は、1種単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。本発明の潤滑油組成物において使用される(C)
成分の硫黄化合物は、例えば(イ)一般式(2)
【0016】
【化2】 R10 −Sx−(R11 −Sxn−R10 ・・・・・(2)
【0017】(式中、R10 は一価の炭化水素基、R11
二価の炭化水素基、xは1以上の整数であって、繰り返
し単位中において各々のxは同一若しくは異なる数であ
り得る、nは0又は1以上の整数である。)で示される
炭化水素硫化物、(ロ)油脂と硫黄の反応生成物である
硫化油脂、及び(ハ)一般式(3)
【0018】
【化3】
【0019】(式中、R12 、R13 は二価の炭化水素基、
xは1以上の整数であって、繰り返し単位中において各
々のxは同一若しくは異なる数であり得る、nは0又は
1以上の整数である。)で示される炭化水素硫化物など
が挙げられる。一般式(2)の硫黄化合物の代表的なも
のは、硫化オレフィン、及び一般式R10−SX−R
10(xは2以上の整数である)で示されるポリサルファ
イド化合物である。一般式(2)の硫黄化合物の具体例
としては、例えばジイソブチルジサルファイド、ジオク
チルポリサルファイド、ジターシャリノニルポリサルフ
ァイド、ジターシャリノニルフェニルポリサルファイ
ド、ジターシャリブチルポリサルファイド、ジベンジル
ポリサルファイド、そしてポリイソブチレン、テルペン
類などのオレフィン類を硫黄などの硫化剤で硫化した硫
化オレフィン類、イソブチレンと硫黄との化合物で式
【0020】
【化4】 又は/及び
【0021】
【化5】 と推定される化合物などが挙げられる。
【0022】一般式(3)の炭化水素硫化物において、
12及びR13はアリーレン基、アルキレン基、アルキレ
ンアリーレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基な
どの二価の炭化水素基であり、好ましいR12及びR13
炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8の直鎖若
しくは分岐の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基
(例えばアルキレン基、アルケニレン基など)、炭素数
6〜18の芳香族炭化水素基(例えばフェニレン基、ト
リレン基、キシリレン基など)が挙げられる。
【0023】本発明の潤滑油組成物において使用される
(D)成分である脂肪酸としては、例えばカプリン酸、
ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸、ラ
ウロレイン酸、エルカ酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼ
テリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペト
ロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン
酸、パクセン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステア
リン酸、プニカ酸、リノレン酸、モロクチ酸、ステアリ
ドン酸、タリリン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、
キシメニン酸、マルバニン酸、ヒドノカルピン酸、ショ
ールムーグリン酸、ゴルリン酸、サビニン酸、イプロー
ル酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットー
ル酸、アリューリット酸、リシノール酸、カムロレイン
酸、リカン酸、牛脂脂肪酸などが挙げられる。これらの
脂肪酸のうち、炭素数10〜22の脂肪酸が好ましく、
潤滑性と基油への溶解性を考慮すると、特にオレイン
酸、牛脂脂肪酸が好ましい。
【0024】また、(D)成分である脂肪酸としては、
その他に炭素数8〜28の不飽和脂肪酸の2量体、3量
体が挙げられる。このような脂肪酸の具体例としては、
オレイン酸、リノール酸、ウンデシレン酸、ラウロレイ
ン酸、エルカ酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン
酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリ
ン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ヒ
ラゴ酸、エレオステアリン酸、プニカ酸、リノレン酸、
モロクチ酸、ステアリドン酸、タリリン酸、ステアロー
ル酸、クレペニン酸、キシメニン酸、マルバリン酸、ヒ
ドノカルビン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸、
カドレン酸、ブラシジン酸、アラキドン酸、ベヘノール
酸などの2量体、3量体が挙げられる。これらの2量
体、3量体には、製造の際当然生成される4量体、5量
体を含んでもよい。これらのうち、炭素数12〜18の
脂肪酸の2量体、3量体が好ましく、特にオレイン酸、
リノール酸の2量体、3量体が好ましい。これらの脂肪
酸のうち、2量体、3量体よりもモノカルボン酸が好ま
しい。これらの脂肪酸は、1種単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】本発明の潤滑油組成物において使用される
(D)成分である脂肪酸エステルとしては、例えば炭素
数1〜18のアルコールと炭素数1〜22のモノカルボ
ン酸との反応によって得られる脂肪酸モノエステルが挙
げられる。該アルコールとしては、メチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、n−アミルアルコール、ヘキシルアルコール、
2−エチルヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、
オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアル
コール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラ
ウリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルア
ルコール、イソステアリルアルコールなどを用いること
ができ、該酸としては、オレイン酸、ラウリル酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、牛脂脂肪酸な
どを用いることができる。これらの脂肪酸エステルのう
ち好ましいものとしては、ブチルラウリレート、ブチル
ステアレート、牛脂脂肪酸のイソブチルエステル、オレ
イン酸メチル又はこれらの混合物であり、特に好ましく
はオレイン酸メチルである。これらの脂肪酸エステル
は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0026】鉱油又は合成油から選ばれる基油に添加さ
れる(B)〜(D)成分の好ましい組み合わせは、表1
〜表3に示されるものである。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】 鉱油又は合成油から選ばれる基油に添加される(B)〜
(D)成分のさらに好ましい組み合わせは、表4及び表
5に示されるものである。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】 鉱油又は合成油から選ばれる基油に添加される(B)〜
(D)成分の特に好ましい組み合わせは、表6及び表7
に示されるものである。
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】本発明の潤滑油組成物においては、(A)
成分である基油の配合量は、40〜99.8重量%であ
り、好ましくは50〜90重量%である。(B)成分で
あるリン化合物の配合量は、0.1〜30重量%であ
り、好ましくは1〜10重量%である。(B)成分の配
合量が0.1重量%未満であると引抜き加工性が劣り、
30重量%より多くても効果が変わらず経済的に不利に
なる。(C)成分である硫黄化合物又は(D)成分であ
る脂肪酸若しくは脂肪酸エステルから選ばれる1種又は
2種以上の成分の配合量は、0.1〜30重量%であ
り、好ましくは1〜20重量%である。(C)成分又は
(D)成分の配合量が0.1重量%未満であると引抜き
加工性が劣り、30重量%より多いと腐食の問題が生じ
る。(C)成分及び(D)成分は、それぞれ単独で添加
できるが、好ましくは両成分とも配合することであり、
そのときの配合量は(C)成分を1〜20重量%、
(D)成分を1〜10重量%の範囲にすることが好まし
い。
【0035】また、本発明の潤滑油組成物においては、
前記成分以外に、通常の潤滑油組成物に用いられる成
分、例えば防錆剤、酸化防止剤、消泡剤などの各種添加
剤を適宜添加することができる。防錆剤としては、例え
ばアルケニルコハク酸及びその誘導体、ソルビタンモノ
オレートなどのエステル、ワックス酸化物、中性バリウ
ムスルホネート、ソルビタントリオール、パラフィン又
はその他アミン類などが挙げられ、酸化防止剤として
は、例えば2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾ
ールなどのフェノール系化合物、フェニル−α−ナフチ
ルアミンなどの芳香族アミンなどが挙げられ、消泡剤と
してはポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これ
らの添加剤の添加量は適宜選定すればよいが、通常防錆
剤は0.01〜30重量%、酸化防止剤は0.1〜1重
量%、消泡剤は10〜100ppm添加すればよい。
【0036】本発明の潤滑油組成物の粘度は、通常1〜
20000mm2/sの範囲であり、好ましくは50〜
2000mm2/sの範囲であり、特に好ましくは50
〜500mm2/sの範囲である。粘度が高過ぎると、
使用上の取扱が難しくなる傾向があり、また後工程の脱
脂性が劣ることがある。一方、粘度が低過ぎると、加工
性が劣ることがある。本発明の潤滑油組成物は、前記各
必須成分及び必要に応じて各種添加剤を所定量適宜配合
して混合することにより製造することができる。各種必
須成分及び各種添加剤の混合方法及び添加方法は、特に
制限されるものではなく、種々の方法により行うことが
でき、混合順序及び添加順序も種々の混合順序及び添加
順序で行うことができる。
【0037】本発明の潤滑油組成物は、引抜き成形、曲
げ成形、プレス成形、絞り成形などの各種塑性加工に使
用することができるが、特に高品位複写機の感光ドラム
に用いられるアルミニウム製高精度薄肉管の引抜き成形
に対して極めて有効に機能する。特に、厚肉の押出し素
管を薄肉管に引抜き成形するときに効果がある。引抜き
加工は、押出し素管を2〜5工程の引抜き工程を伴う加
工により、薄肉管に成形することをいう。本発明の潤滑
油組成物は、引抜き加工を室温で、引抜き速度10〜7
0mm/s、肉厚1〜3mm、外形φ30〜80mmの
押出し素管を、3〜4工程の引抜き加工を施して外形φ
25〜76mmの薄肉管を得る工程に好ましく使用でき
る。各塑性加工に使用する材料は、例えばアルミニウ
ム、アルミニウム合金、銅、銅合金、炭素鋼、合金鋼、
ステンレス鋼の押出し管などが挙げられ、特にアルミニ
ウム及びアルミニウム合金の押出し管が好適である。本
発明の潤滑油組成物は、塑性加工材の表面に塗布などの
方法により被覆されることにより使用される。本発明の
潤滑油組成物の使用量は、塑性加工条件に応じて適宜選
定すればよいが、通常0.1〜50g/m2の範囲にす
ればよい。
【0038】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。実施例及び比較例で
使用した硫化オレフィンは、一般式(3)で表されるも
ので、イソブチレンと一塩化硫黄の反応物をさらにナト
リウムメルカプチドと反応させて合成したもので、下記
の構造式を持つ化合物である。
【0039】
【化6】
【0040】実施例1 ポリブテンと鉱油の混合油(40℃の粘度:500mm
2/s)80重量%と、トリステアリルホスファイト5
重量%、硫化油脂10重量%及びオレイン酸5重量%を
混合して、40℃の粘度が340mm2/sの潤滑油組
成物を調製した。
【0041】実施例2 ポリブテンと鉱油の混合油(40℃の粘度:500mm
2/s)80重量%と、トリステアリルホスファイト5
重量%、硫化オレフィン10重量%及びオレイン酸5重
量%を混合して、40℃の粘度が301mm2/sの潤
滑油組成物を調製した。
【0042】実施例3 ポリブテンと鉱油の混合油(40℃の粘度:500mm
2/s)85重量%と、トリステアリルホスファイト5
重量%及び硫化オレフィン10重量%を混合して、40
℃の粘度が320mm2/sの潤滑油組成物を調製し
た。
【0043】実施例4 ポリブテンと鉱油の混合油(40℃の粘度:500mm
2/s)90重量%と、トリステアリルホスファイト5
重量%及びオレイン酸5重量%を混合して、40℃の粘
度が334mm2/sの潤滑油組成物を調製した。
【0044】実施例5 ポリブテン(40℃の粘度:500mm2/s)80重
量%と、トリステアリルホスファイト5重量%、硫化オ
レフィン10重量%及びオレイン酸5重量%を混合し
て、40℃の粘度が321mm2/sの潤滑油組成物を
調製した。
【0045】実施例6 鉱油(40℃の粘度:500mm2/s)80重量%
と、トリステアリルホスファイト5重量%、硫化オレフ
ィン10重量%及びオレイン酸5重量%を混合して、4
0℃の粘度が302mm2/sの潤滑油組成物を調製し
た。これらの実施例の潤滑油組成物の組成を表1に示し
た。
【0046】実施例7 ポリブテン(40℃の粘度:500mm2/s)82重
量%と、トリステアリルホスファイト3重量%、ジター
シャリノニルフェニルポリサルファイド10重量%及び
牛脂脂肪酸5重量%を混合して、40℃の粘度が320
mm2/sの潤滑油組成物を調製した。
【0047】実施例8 ポリブテン(40℃の粘度:500mm2/s)78重
量%と、トリイソオクチルホスファイト7重量%、ジタ
ーシャリノニルフェニルポリサルファイド10重量%及
びオレイン酸メチル5重量%を混合して、40℃の粘度
が315mm2/sの潤滑油組成物を調製した。
【0048】実施例9 ポリブテンと鉱油の混合油(40℃の粘度:500mm
2/s)85重量%と、トリステアリルホスファイト5
重量%及びジターシャリノニルフェニルポリサルファイ
ド10重量%を混合して、40℃の粘度が330mm2
/sの潤滑油組成物を調製した。
【0049】実施例10 ポリブテンと鉱油の混合油(40℃の粘度:500mm
2/s)75重量%と、ジオレイルハイドロゼンホスフ
ァイト5重量%、ジターシャリブチルポリサルファイド
15重量%及び牛脂脂肪酸5重量%を混合して、40℃
の粘度が325mm2/sの潤滑油組成物を調製した。
【0050】実施例11 ポリブテンと鉱油の混合油(40℃の粘度:500mm
2/s)85重量%と、トリイソオクチルホスファイト
5重量%、ジターシャリブチルポリサルファイド5重量
%及びオレイン酸メチル5重量%を混合して、40℃の
粘度が320mm2/sの潤滑油組成物を調製した。
【0051】実施例12 ポリブテンと鉱油の混合油(40℃の粘度:500mm
2/s)85重量%と、ジオレイルハイドロゼンホスフ
ァイト7重量%及びジターシャリブチルポリサルファイ
ド10重量%を混合して、40℃の粘度が318mm2
/sの潤滑油組成物を調製した。
【0052】実施例13 鉱油(40℃の粘度:500mm2/s)80重量%
と、トリイソオクチルホスファイト3重量%、硫化油脂
10重量%及び牛脂脂肪酸5重量%を混合して、40℃
の粘度が305mm2/sの潤滑油組成物を調製した。
【0053】実施例14 鉱油(40℃の粘度:500mm2/s)85重量%
と、トリステアリルホスファイト5重量%及び硫化油脂
10重量%を混合して、40℃の粘度が308mm2
sの潤滑油組成物を調製した。これらの実施例の潤滑油
組成物の組成を表8及び表9に示した。また、これらの
実施例の潤滑油組成物について、下記の評価試験を行っ
た。
【0054】(評価試験)図1の(a)に示す肉厚2.
85mm、外形φ64.3mmの押出し素管を(b)の
ようにスエージング加工を施した後、表8及び表9に示
された潤滑油組成物を用いて、塗布量10g/m2で押
出し管表面に塗布し、(c)のように3工程の引抜き加
工を施し、肉厚1.2mm、外形φ60.2mmの薄肉
管を得て試験に供した。3工程の引抜き加工により得ら
れた薄肉管の中心表面の表面粗さを測定し、Rmaxを求
めた。Rmaxの目標値は、1.0μmとし、下記の基準
で判定した。 合格:Rmaxが1.0μm以下である 不合格:Rmaxが1.0μmより大きい 実施例の評価試験の結果を表8及び表9に示した。
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】比較例1〜7 表10に記載したポリブテン及びポリブテンと鉱油の混
合物を用いて、表10に記載の組成の潤滑油を調製し、
実施例と同様にして評価試験を行った。その結果を表1
0に示した。
【0058】
【表10】
【0059】
【発明の効果】本発明の潤滑油組成物は、各種塑性加工
に使用することにより、過酷な塑性加工条件においても
優れた塑性加工性を付与でき、薄肉管などの製品の表面
の仕上がり性を良好にし、かつ引抜き工程を始め各種塑
性加工工程を減らすことでさらに加工時間の短縮を図こ
とができる。本発明の潤滑油組成物は、実用上極めて有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】引抜き評価試験の各加工工程における加工状態
を示した押出し管の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 137:02) C10N 40:24 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)基油として鉱油若しくは合成油か
    ら選ばれる1種又は2種以上を40〜99.8重量%、
    (B)リン化合物から選ばれる1種又は2種以上を0.
    1〜30重量%、及び(C)硫黄化合物又は(D)脂肪
    酸若しくは脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以
    上を0.1〜30重量%の割合で含有することを特徴と
    する潤滑油組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000178575A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Kawasaki Steel Corp 熱間圧延油組成物
JP2000230187A (ja) * 1999-02-09 2000-08-22 Kawasaki Steel Corp ステンレス鋼用熱間圧延油組成物
JP2002038181A (ja) * 2000-07-28 2002-02-06 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物
CN113462448A (zh) * 2021-06-08 2021-10-01 青岛华瑞泰格工贸有限公司 一种可生物降解的低发烟型金属挤压攻丝油

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