JP3462753B2 - ラチェット式テンショナ - Google Patents
ラチェット式テンショナInfo
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属するの技術分野】本発明は、車両用エンジン
のタイミングベルト、または、タイミングチェーン等に
適正な張力を付与するために用いられるラチェット式テ
ンショナに関する。 【０００２】 【従来の技術】エンジンのクランクシャフトとカムシャ
フトとの間で回転を伝達するチェーン伝動装置には、タ
イミングベルトやタイミングチェーンの弛み側に適正な
張力を付与してチェーンの走行時に生じる振動を抑止す
るために、図２に示すようなラチェット式テンショナが
従来より広く用いられている。 【０００３】同図において、ラチェット式テンショナＡ
１は、エンジンのクランクシャフトＡ２で回転される駆
動側スプロケットＡ３と、カムシャフトＡ４に固定され
ている被駆動側スプロケットＡ５の間に掛け渡されてい
るチェーンＡ６（タイミングチェーン）の弛み側でエン
ジン本体に取り付けられている。 【０００４】前記ラチェット式テンショナＡ１は、その
テンショナハウジングＡ７の前面からプランジャＡ８が
出没自在に突出しており、前記プランジャＡ８の先端Ｆ
が支軸Ａ９でエンジン本体側に揺動自在に支持されてい
るテンショナレバーＡ１０の揺動端近傍の背面を押圧す
ることにより、前記テンショナレバーＡ１０のシュー面
Ａ１１がチェーンＡ６の弛み側に摺動接触して張力を付
加している。テンショナハウジングＡ７には、プランジ
ャＡ８が出没自在に嵌挿されるプランジャ収容穴Ａ１２
が形成されている。 【０００５】プランジャＡ８の内部には中空部Ａ１３が
形成されており、前記中空部Ａ１３はプランジャ収容穴
Ａ１２の底部と対向している端面が開口され、プランジ
ャ収容穴Ａ１２の底部とこれに対向する中空部Ａ１３の
底部との間にプランジャばねＡ１４が弾装され、前記プ
ランジャばねＡ１４がプランジャＡ８をテンショナハウ
ジングＡ７から突出する方向に常時付勢している。 【０００６】また、テンショナハウジングＡ７には、ラ
チェット軸Ａ１５によってラチェットＡ１６が揺動自在
に軸支されていて、前記ラチェットＡ１６には、図３に
示すようにプランジャＡ８の側面に刻設されているラチ
ェット歯Ｔに噛合う第１のラチェット爪Ａ１７と第２の
ラチェット爪Ａ１８が形成されている。 【０００７】ラチェットＡ１６は、テンショナハウジン
グＡ７との間に設けられたラチェットばねＡ１９によっ
て、常時これらのラチェット爪Ａ１７、Ａ１８がプラン
ジャＡ８のラチェット歯Ｔと噛合う向きにラチェット軸
Ａ１５回りの回動付勢力を与えられていて、主に第１の
ラチェット爪Ａ１７とラチェット歯Ｔとの噛合いによっ
てプランジャＡ８の後退方向の変位が阻止されている。 【０００８】また、第２のラチェット爪Ａ１８は、第１
のラチェット爪Ａ１７がラチェット歯Ｔと噛合っている
位置からプランジャＡ８が前進変位して隣のラチェット
歯Ｔに噛合うまでのバックラッシュ量を増やすために設
けられており、このような２つのラチェット爪が形成さ
れたラチェットを有するテンショナは、例えば、実用新
案登録公報２５１６２７１号公報や特公平３−８４１５
号公報に記載されている。 【０００９】また、図２に示すラチェット式テンショナ
Ａ１では、走行中のチェーンＡ６に作用する衝撃的な張
力の脈動を緩和するため、プランジャ収容穴Ａ１２とプ
ランジャＡ８の中空部Ａ１３によって画成される高圧室
Ｈ内に、テンショナハウジングＡ７の外部から油路Ａ２
０とボールチェック弁Ａ２１を通じて油が供給されるよ
うになっている。 【００１０】そして、テンショナレバーＡ１０を介して
チェーンＡ６側からプランジャＡ８の前端Ｆに衝撃力が
作用すると、プランジャＡ８は前記バックラッシュの範
囲内で後退する。 【００１１】その際、高圧室Ｈ内部の油は圧縮されて急
激に圧力が上昇し、ボールチェック弁Ａ２１はそのチェ
ックボールＡ２２がボールシートＡ２３の油路Ａ２０に
連通する開口部を塞ぐ。 【００１２】その結果、高圧室Ｈ内の油はさらに圧力が
上昇し、プランジャＡ８の外周面とプランジャ収容穴Ａ
１２の内周面との間の僅かな隙間からテンショナハウジ
ングＡ７の外部へリークし、その際生じる油の流動抵抗
によってプランジャＡ８に作用する衝撃力が緩衝され
る。 【００１３】長期間の使用によってチェーンＡ６が伸び
てきて、プランジャＡ８がバックラッシュの範囲を超え
てさらに突出方向へ変位すると、第１のラチェット爪Ａ
１７と第２のラチェット爪Ａ１８はそれぞれ新たなラチ
ェット歯Ｔへ噛合い、テンショナレバーＡ１０はプラン
ジャＡ８に押されてチェーンＡ６の伸びに追従するよう
に揺動変位する。 【００１４】 【発明が解決しようとする課題】前述したように構成さ
れている従来のラチェット式テンショナにおいては、図
３に示すように、第１のラチェット爪Ａ１７がラチェッ
ト歯Ｔと噛合った状態において、プランジャＡ８の軸線
へのラチェット軸Ａ１５の中心Ｏを通る垂線Ｎ上で第２
のラチェット爪Ａ１８がラチェット歯Ｔと噛合うように
なっており、前記中心Ｏから前記垂線Ｎ方向への第１の
ラチェット爪Ａ１７の突出量Ｓ１と第２のラチェット爪
Ａ１８の突出量Ｓ２´は製造上の公差の範囲内で略同一
に製作されている。 【００１５】しかし、製造上の公差の範囲内で製作され
ている場合でも、突出量Ｓ１より突出量Ｓ２´が大きく
なっている場合には、第２のラチェット爪Ａ１８が隣合
う２つラチェット歯Ｔの間の歯底と干渉して噛込み、そ
の結果プランジャＡ８がロックされた状態になってしま
う恐れがあった。 【００１６】そして、一度プランジャＡ８がロックされ
てしまうと、チェーンＡ６の伸びにテンショナレバーＡ
１０を追従させることができず、テンショナとしての機
能が損われる問題があった。 【００１７】一方、前記問題を回避するために、第１の
ラチェット爪Ａ１７の突出量Ｓ１と第２のラチェット爪
Ａ１８の突出量Ｓ２´とを高精度に一致させようとする
と、高い部品精度が要求されるため、テンショナの生産
性が低下する問題があった。 【００１８】さらに、第１のラチェット爪Ａ１７の突出
量Ｓ１と第２のラチェット爪Ａ１８の突出量Ｓ２´が厳
密に等しく製作されている場合であっても、テンショナ
ハウジングＡ７のプランジャ収容穴Ａ１２と、プランジ
ャＡ８のラチェット歯Ｔが刻設されている側と反対側の
外周面との間の僅かな隙間に、潤滑油に含まれるエンジ
ン等の摺動部分から発生した摩耗金属粉等の微細な異物
が侵入すると、プランジャＡ８がラチェットＡ１６側に
異物によって押し上げられるため、第２のラチェット爪
Ａ１８がラチェット歯Ｔの歯底と干渉して噛込み、前述
した場合と同様にプランジャＡ８がロックされた状態に
なる恐れがあった。 【００１９】そこで、本発明は、プランジャがバックラ
ッシュの範囲を超えて変位する際のラチェット爪とラチ
ェット歯間の干渉やテンショナ製造工程で生じる第２の
ラチェット爪の突出量のばらつきによるラチェット歯と
の干渉やプランジャ収容穴への摩耗金属粉の侵入による
プランジャのロック状態を防止してプランジャの円滑且
つ確実な動作を可能とするとともに、不良率を減少して
テンショナの生産性を向上できるラチェット式テンショ
ナを提供することを目的とする。 【００２０】 【課題を解決するための手段】前記目的のため、本発明
のラチェット式テンショナは、テンショナハウジングの
プランジャ収容穴に先端部が外部に突出するようにばね
付勢されて摺動自在に嵌挿されたプランジャと、前記テ
ンショナハウジングに設けられたラチェット軸に揺動自
在に軸支されたラチェットを備え、前記ラチェットに形
成されたラチェット爪をプランジャ側面に刻設されたラ
チェット歯に噛合わせてプランジャの後退変位を阻止す
るようにしたものにおいて、前記ラチェットが、ラチェ
ット軸中心を通る垂線上の位置からプランジャ先端側へ
偏倚した位置で前記プランジャのラチェット歯と噛合う
第１のラチェット爪と、第１のラチェット爪が前記プラ
ンジャのラチェット歯と噛合っている状態でラチェット
軸中心を通る垂線上の近傍位置で隣合う２つのラチェッ
ト歯間に侵入する第２のラチェット爪とを有しており、
前記ラチェット軸中心から垂線方向への第２のラチェッ
ト爪の突出量Ｓ２が、プランジャ先端側へ偏倚した位置
における第１のラチェット爪の突出量Ｓ１に対して製造
上の公差の範囲より短く設定されて、第２のラチェット
爪とラチェット歯との噛み込みによるプランジャのロッ
ク状態を回避している。 【００２１】 【作用】テンショナハウジングから突出する向きにばね
付勢されているプランジャは、チェーンの弛み側に適度
な張力を付与し、走行時の弛みや振れを防止する。前記
プランジャは、テンショナハウジングに対して第１のラ
チェット爪が一つのラチェット歯と噛合って後退を阻止
される位置と前記位置後方の次のラチェット歯へ噛合う
までのバックラッシュ量だけチェーンの張力変動に追従
して進退移動することができる。 【００２２】この際、第２のラチェット爪は、第１のラ
チェット爪がラチェット歯と噛合ってプランジャの後退
を阻止している位置からプランジャが僅かに前進したと
きにラチェット歯と当接し、このラチェット歯に第２の
ラチェット爪が押されることによってラチェットはラチ
ェット軸回りに揺動され、第１のラチェット爪はラチェ
ット歯から離間する。 【００２３】そして、第２のラチェット爪が現在噛合っ
ているラチェット歯から外れない範囲では、チェーンの
張力が高まって、プランジャをばね付勢力に抗して押戻
すと、ラチェットは第１のラチェット爪が再びラチェッ
ト歯に噛合うように復帰揺動される。 【００２４】プランジャのラチェット歯に対する噛合い
がプランジャの前進により第１のラチェット爪から第２
のラチェット爪に移ることでプランジャのバックラッシ
ュ量が増し、走行中のチェーンに過大な張力が加わるこ
とが防止される。 【００２５】一方、チェーンの経時的な伸びによって、
プランジャがバックラッシュ量を超えて前進変位する
と、第２のラチェット爪は噛合っているラチェット歯か
ら外れてラチェットは揺動し、第１のラチェット爪が一
つ後方のラチェット歯に噛合い、新たな噛合い位置から
後方へのプランジャの後退が阻止される。 【００２６】第２のラチェット爪の先端は、ラチェット
がラチェット軸回りに揺動してラチェット歯の歯底に最
接近する位置において、ラチェット歯の歯底との間に僅
かな隙間を残しており、両者が干渉して噛み込みを生じ
ることはなく、プランジャがロックされることがない。 【００２７】 【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は、本発明のラチェット式テンショナの１実
施例を示す要部断面図であって、このラチェット式テン
ショナに用いられるラチェット１は、従来のこの種のテ
ンショナと同様に、テンショナハウジング２に固定され
たラチェット軸３に軸孔４が外嵌されて、前記ラチェッ
ト軸３を中心に揺動自在に支持されている。 【００２８】また、前記ラチェット１には、プランジャ
５の外周面の一部に軸方向に沿って多数刻設されている
ラチェット歯Ｔにそれぞれ噛合う第１のラチェット爪６
と第２のラチェット爪７が設けられている。 【００２９】プランジャ５は、テンショナハウジング２
の外部に開口する図示していないプランジャ収容穴内に
摺動自在に嵌挿されていて、図示していないプランジャ
ばねによってテンショナハウジング２から突出する方向
に常時付勢されている。 【００３０】また、ラチェット１は、テンショナハウジ
ング２に形成されているバネ保持穴８に一部が挿入され
て保持されているラチェットばね９の突出側端部にばね
受け面１０で当接されており、前記ラチェットばね９の
弾発力によって、図１におけるラチェット軸３を中心と
した時計方向の回動付勢力を付与されている。 【００３１】第１のラチェット爪６は、ラチェット軸３
の中心Ｏを通る垂線Ｎ上の位置からプランジャ５突出端
側へ距離ａだけ偏倚した位置でラチェット歯Ｔと噛み合
い、また、第１のラチェット爪６がラチェット歯Ｔと完
全に噛合っている位置において、第２のラチェット爪７
の先端はプランジャ５の軸線に対する前記中心Ｏを通る
垂線Ｎ上で、隣合う２つのラチェット歯Ｔの間に侵入し
て歯底ｂと対向するようになっている。 【００３２】そして、図１に示すように、プランジャ５
突出端側へ距離ａだけ偏倚した位置における第１のラチ
ェット爪６の突出量Ｓ１に対して、前記ラチェット軸３
の中心Ｏから垂線方向Ｎへの第２のラチェット爪７の突
出量Ｓ２は、製造上の公差の範囲より短く設定されてお
り、第２のラチェット爪７の先端とラチェット歯Ｔの歯
底ｂとの間には僅かな隙間が生じるようになっている。 【００３３】前述した構成において、第２のラチェット
爪７の先端は、ラチェット１がラチェット軸３回りに揺
動して第１のラチェット爪６がラチェット歯Ｔと完全に
噛合う位置の近傍で、ラチェット歯Ｔの歯底ｂに最接近
するが、この位置で両者が干渉して噛込みを生じること
はなく、チェーンの張力が弱まると、プランジャ５はラ
チェット１をラチェット軸４を中心として反時計方向に
揺動させながら、突出方向に変位する。 【００３４】なお、テンショナハウジング２の内部に
は、プランジャ５が衝撃荷重を受けたときにこれを緩和
するための図２に示すようなボールチェック弁を用いた
周知の油圧緩衝機構を組込むことが望ましいが、このよ
うな油圧緩衝機構は省いて構造を簡略化してもよい。 【００３５】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、第２のラチェット爪が、第１のラチェット爪がプラ
ンジャのラチェット歯と噛合った状態で、プランジャ軸
線へのラチェット軸中心を通る垂線上の近傍位置で隣合
う２つのラチェット歯間に侵入し、ラチェット軸中心か
ら垂線方向への第２のラチェット爪の突出量Ｓ２が第１
のラチェット爪の突出量Ｓ１に対して製造上の公差の範
囲より短く設定されていることによって、従来のような
第１のラチェット爪Ａ１７の突出量Ｓ１と第２のラチェ
ット爪Ａ１８の突出量Ｓ２´とが製造上の公差の範囲内
で略同一に製作されているラチェット式テンショナに比
較すると、テンショナ製造工程で生じる第２のラチェッ
ト爪の突出量Ｓ２のばらつきによるラチェット歯との干
渉を確実に回避できるため、第２のラチェット爪がラチ
ェット歯に噛み込んで、プランジャがロックされる状態
を回避することができ、不良率を減少することができ
る。 【００３６】また、ラチェット軸中心からの垂線方向へ
の第２のラチェット爪の突出量Ｓ２が第１のラチェット
爪の突出量Ｓ１に対して製造上の公差の範囲より短く設
定されていることによって、従来のような第１のラチェ
ット爪Ａ１７の突出量Ｓ１と第２のラチェット爪Ａ１８
の突出量Ｓ２´とが製造上の公差の範囲内で略同一に製
作されているラチェット式テンショナに比較すると、第
１のラチェット爪と第２のラチェット爪間の突出量のば
らつきをある程度許容してもプランジャがロックされる
状態を回避することができるため、テンショナの生産性
を向上させることができ、テンショナの製造コストを低
減することができる。 【００３７】また、前記のようにラチェット軸中心から
の垂線方向への第２のラチェット爪の突出量Ｓ２が第１
のラチェット爪の突出量Ｓ１に対して製造上の公差の範
囲より短くなっていることによって、テンショナハウジ
ングのプランジャ収容穴と、ラチェット歯が刻設されて
いる側と反対側の外周面との間の僅かな隙間に潤滑油に
含まれるエンジン等の摺動部分から発生した摩耗金属粉
が侵入して、プランジャの軸線がラチェット側に押上げ
られた場合にも、第２のラチェット爪がラチェット歯に
噛み込んでプランジャがロックされる状態になる恐れが
ない。
のタイミングベルト、または、タイミングチェーン等に
適正な張力を付与するために用いられるラチェット式テ
ンショナに関する。 【０００２】 【従来の技術】エンジンのクランクシャフトとカムシャ
フトとの間で回転を伝達するチェーン伝動装置には、タ
イミングベルトやタイミングチェーンの弛み側に適正な
張力を付与してチェーンの走行時に生じる振動を抑止す
るために、図２に示すようなラチェット式テンショナが
従来より広く用いられている。 【０００３】同図において、ラチェット式テンショナＡ
１は、エンジンのクランクシャフトＡ２で回転される駆
動側スプロケットＡ３と、カムシャフトＡ４に固定され
ている被駆動側スプロケットＡ５の間に掛け渡されてい
るチェーンＡ６（タイミングチェーン）の弛み側でエン
ジン本体に取り付けられている。 【０００４】前記ラチェット式テンショナＡ１は、その
テンショナハウジングＡ７の前面からプランジャＡ８が
出没自在に突出しており、前記プランジャＡ８の先端Ｆ
が支軸Ａ９でエンジン本体側に揺動自在に支持されてい
るテンショナレバーＡ１０の揺動端近傍の背面を押圧す
ることにより、前記テンショナレバーＡ１０のシュー面
Ａ１１がチェーンＡ６の弛み側に摺動接触して張力を付
加している。テンショナハウジングＡ７には、プランジ
ャＡ８が出没自在に嵌挿されるプランジャ収容穴Ａ１２
が形成されている。 【０００５】プランジャＡ８の内部には中空部Ａ１３が
形成されており、前記中空部Ａ１３はプランジャ収容穴
Ａ１２の底部と対向している端面が開口され、プランジ
ャ収容穴Ａ１２の底部とこれに対向する中空部Ａ１３の
底部との間にプランジャばねＡ１４が弾装され、前記プ
ランジャばねＡ１４がプランジャＡ８をテンショナハウ
ジングＡ７から突出する方向に常時付勢している。 【０００６】また、テンショナハウジングＡ７には、ラ
チェット軸Ａ１５によってラチェットＡ１６が揺動自在
に軸支されていて、前記ラチェットＡ１６には、図３に
示すようにプランジャＡ８の側面に刻設されているラチ
ェット歯Ｔに噛合う第１のラチェット爪Ａ１７と第２の
ラチェット爪Ａ１８が形成されている。 【０００７】ラチェットＡ１６は、テンショナハウジン
グＡ７との間に設けられたラチェットばねＡ１９によっ
て、常時これらのラチェット爪Ａ１７、Ａ１８がプラン
ジャＡ８のラチェット歯Ｔと噛合う向きにラチェット軸
Ａ１５回りの回動付勢力を与えられていて、主に第１の
ラチェット爪Ａ１７とラチェット歯Ｔとの噛合いによっ
てプランジャＡ８の後退方向の変位が阻止されている。 【０００８】また、第２のラチェット爪Ａ１８は、第１
のラチェット爪Ａ１７がラチェット歯Ｔと噛合っている
位置からプランジャＡ８が前進変位して隣のラチェット
歯Ｔに噛合うまでのバックラッシュ量を増やすために設
けられており、このような２つのラチェット爪が形成さ
れたラチェットを有するテンショナは、例えば、実用新
案登録公報２５１６２７１号公報や特公平３−８４１５
号公報に記載されている。 【０００９】また、図２に示すラチェット式テンショナ
Ａ１では、走行中のチェーンＡ６に作用する衝撃的な張
力の脈動を緩和するため、プランジャ収容穴Ａ１２とプ
ランジャＡ８の中空部Ａ１３によって画成される高圧室
Ｈ内に、テンショナハウジングＡ７の外部から油路Ａ２
０とボールチェック弁Ａ２１を通じて油が供給されるよ
うになっている。 【００１０】そして、テンショナレバーＡ１０を介して
チェーンＡ６側からプランジャＡ８の前端Ｆに衝撃力が
作用すると、プランジャＡ８は前記バックラッシュの範
囲内で後退する。 【００１１】その際、高圧室Ｈ内部の油は圧縮されて急
激に圧力が上昇し、ボールチェック弁Ａ２１はそのチェ
ックボールＡ２２がボールシートＡ２３の油路Ａ２０に
連通する開口部を塞ぐ。 【００１２】その結果、高圧室Ｈ内の油はさらに圧力が
上昇し、プランジャＡ８の外周面とプランジャ収容穴Ａ
１２の内周面との間の僅かな隙間からテンショナハウジ
ングＡ７の外部へリークし、その際生じる油の流動抵抗
によってプランジャＡ８に作用する衝撃力が緩衝され
る。 【００１３】長期間の使用によってチェーンＡ６が伸び
てきて、プランジャＡ８がバックラッシュの範囲を超え
てさらに突出方向へ変位すると、第１のラチェット爪Ａ
１７と第２のラチェット爪Ａ１８はそれぞれ新たなラチ
ェット歯Ｔへ噛合い、テンショナレバーＡ１０はプラン
ジャＡ８に押されてチェーンＡ６の伸びに追従するよう
に揺動変位する。 【００１４】 【発明が解決しようとする課題】前述したように構成さ
れている従来のラチェット式テンショナにおいては、図
３に示すように、第１のラチェット爪Ａ１７がラチェッ
ト歯Ｔと噛合った状態において、プランジャＡ８の軸線
へのラチェット軸Ａ１５の中心Ｏを通る垂線Ｎ上で第２
のラチェット爪Ａ１８がラチェット歯Ｔと噛合うように
なっており、前記中心Ｏから前記垂線Ｎ方向への第１の
ラチェット爪Ａ１７の突出量Ｓ１と第２のラチェット爪
Ａ１８の突出量Ｓ２´は製造上の公差の範囲内で略同一
に製作されている。 【００１５】しかし、製造上の公差の範囲内で製作され
ている場合でも、突出量Ｓ１より突出量Ｓ２´が大きく
なっている場合には、第２のラチェット爪Ａ１８が隣合
う２つラチェット歯Ｔの間の歯底と干渉して噛込み、そ
の結果プランジャＡ８がロックされた状態になってしま
う恐れがあった。 【００１６】そして、一度プランジャＡ８がロックされ
てしまうと、チェーンＡ６の伸びにテンショナレバーＡ
１０を追従させることができず、テンショナとしての機
能が損われる問題があった。 【００１７】一方、前記問題を回避するために、第１の
ラチェット爪Ａ１７の突出量Ｓ１と第２のラチェット爪
Ａ１８の突出量Ｓ２´とを高精度に一致させようとする
と、高い部品精度が要求されるため、テンショナの生産
性が低下する問題があった。 【００１８】さらに、第１のラチェット爪Ａ１７の突出
量Ｓ１と第２のラチェット爪Ａ１８の突出量Ｓ２´が厳
密に等しく製作されている場合であっても、テンショナ
ハウジングＡ７のプランジャ収容穴Ａ１２と、プランジ
ャＡ８のラチェット歯Ｔが刻設されている側と反対側の
外周面との間の僅かな隙間に、潤滑油に含まれるエンジ
ン等の摺動部分から発生した摩耗金属粉等の微細な異物
が侵入すると、プランジャＡ８がラチェットＡ１６側に
異物によって押し上げられるため、第２のラチェット爪
Ａ１８がラチェット歯Ｔの歯底と干渉して噛込み、前述
した場合と同様にプランジャＡ８がロックされた状態に
なる恐れがあった。 【００１９】そこで、本発明は、プランジャがバックラ
ッシュの範囲を超えて変位する際のラチェット爪とラチ
ェット歯間の干渉やテンショナ製造工程で生じる第２の
ラチェット爪の突出量のばらつきによるラチェット歯と
の干渉やプランジャ収容穴への摩耗金属粉の侵入による
プランジャのロック状態を防止してプランジャの円滑且
つ確実な動作を可能とするとともに、不良率を減少して
テンショナの生産性を向上できるラチェット式テンショ
ナを提供することを目的とする。 【００２０】 【課題を解決するための手段】前記目的のため、本発明
のラチェット式テンショナは、テンショナハウジングの
プランジャ収容穴に先端部が外部に突出するようにばね
付勢されて摺動自在に嵌挿されたプランジャと、前記テ
ンショナハウジングに設けられたラチェット軸に揺動自
在に軸支されたラチェットを備え、前記ラチェットに形
成されたラチェット爪をプランジャ側面に刻設されたラ
チェット歯に噛合わせてプランジャの後退変位を阻止す
るようにしたものにおいて、前記ラチェットが、ラチェ
ット軸中心を通る垂線上の位置からプランジャ先端側へ
偏倚した位置で前記プランジャのラチェット歯と噛合う
第１のラチェット爪と、第１のラチェット爪が前記プラ
ンジャのラチェット歯と噛合っている状態でラチェット
軸中心を通る垂線上の近傍位置で隣合う２つのラチェッ
ト歯間に侵入する第２のラチェット爪とを有しており、
前記ラチェット軸中心から垂線方向への第２のラチェッ
ト爪の突出量Ｓ２が、プランジャ先端側へ偏倚した位置
における第１のラチェット爪の突出量Ｓ１に対して製造
上の公差の範囲より短く設定されて、第２のラチェット
爪とラチェット歯との噛み込みによるプランジャのロッ
ク状態を回避している。 【００２１】 【作用】テンショナハウジングから突出する向きにばね
付勢されているプランジャは、チェーンの弛み側に適度
な張力を付与し、走行時の弛みや振れを防止する。前記
プランジャは、テンショナハウジングに対して第１のラ
チェット爪が一つのラチェット歯と噛合って後退を阻止
される位置と前記位置後方の次のラチェット歯へ噛合う
までのバックラッシュ量だけチェーンの張力変動に追従
して進退移動することができる。 【００２２】この際、第２のラチェット爪は、第１のラ
チェット爪がラチェット歯と噛合ってプランジャの後退
を阻止している位置からプランジャが僅かに前進したと
きにラチェット歯と当接し、このラチェット歯に第２の
ラチェット爪が押されることによってラチェットはラチ
ェット軸回りに揺動され、第１のラチェット爪はラチェ
ット歯から離間する。 【００２３】そして、第２のラチェット爪が現在噛合っ
ているラチェット歯から外れない範囲では、チェーンの
張力が高まって、プランジャをばね付勢力に抗して押戻
すと、ラチェットは第１のラチェット爪が再びラチェッ
ト歯に噛合うように復帰揺動される。 【００２４】プランジャのラチェット歯に対する噛合い
がプランジャの前進により第１のラチェット爪から第２
のラチェット爪に移ることでプランジャのバックラッシ
ュ量が増し、走行中のチェーンに過大な張力が加わるこ
とが防止される。 【００２５】一方、チェーンの経時的な伸びによって、
プランジャがバックラッシュ量を超えて前進変位する
と、第２のラチェット爪は噛合っているラチェット歯か
ら外れてラチェットは揺動し、第１のラチェット爪が一
つ後方のラチェット歯に噛合い、新たな噛合い位置から
後方へのプランジャの後退が阻止される。 【００２６】第２のラチェット爪の先端は、ラチェット
がラチェット軸回りに揺動してラチェット歯の歯底に最
接近する位置において、ラチェット歯の歯底との間に僅
かな隙間を残しており、両者が干渉して噛み込みを生じ
ることはなく、プランジャがロックされることがない。 【００２７】 【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は、本発明のラチェット式テンショナの１実
施例を示す要部断面図であって、このラチェット式テン
ショナに用いられるラチェット１は、従来のこの種のテ
ンショナと同様に、テンショナハウジング２に固定され
たラチェット軸３に軸孔４が外嵌されて、前記ラチェッ
ト軸３を中心に揺動自在に支持されている。 【００２８】また、前記ラチェット１には、プランジャ
５の外周面の一部に軸方向に沿って多数刻設されている
ラチェット歯Ｔにそれぞれ噛合う第１のラチェット爪６
と第２のラチェット爪７が設けられている。 【００２９】プランジャ５は、テンショナハウジング２
の外部に開口する図示していないプランジャ収容穴内に
摺動自在に嵌挿されていて、図示していないプランジャ
ばねによってテンショナハウジング２から突出する方向
に常時付勢されている。 【００３０】また、ラチェット１は、テンショナハウジ
ング２に形成されているバネ保持穴８に一部が挿入され
て保持されているラチェットばね９の突出側端部にばね
受け面１０で当接されており、前記ラチェットばね９の
弾発力によって、図１におけるラチェット軸３を中心と
した時計方向の回動付勢力を付与されている。 【００３１】第１のラチェット爪６は、ラチェット軸３
の中心Ｏを通る垂線Ｎ上の位置からプランジャ５突出端
側へ距離ａだけ偏倚した位置でラチェット歯Ｔと噛み合
い、また、第１のラチェット爪６がラチェット歯Ｔと完
全に噛合っている位置において、第２のラチェット爪７
の先端はプランジャ５の軸線に対する前記中心Ｏを通る
垂線Ｎ上で、隣合う２つのラチェット歯Ｔの間に侵入し
て歯底ｂと対向するようになっている。 【００３２】そして、図１に示すように、プランジャ５
突出端側へ距離ａだけ偏倚した位置における第１のラチ
ェット爪６の突出量Ｓ１に対して、前記ラチェット軸３
の中心Ｏから垂線方向Ｎへの第２のラチェット爪７の突
出量Ｓ２は、製造上の公差の範囲より短く設定されてお
り、第２のラチェット爪７の先端とラチェット歯Ｔの歯
底ｂとの間には僅かな隙間が生じるようになっている。 【００３３】前述した構成において、第２のラチェット
爪７の先端は、ラチェット１がラチェット軸３回りに揺
動して第１のラチェット爪６がラチェット歯Ｔと完全に
噛合う位置の近傍で、ラチェット歯Ｔの歯底ｂに最接近
するが、この位置で両者が干渉して噛込みを生じること
はなく、チェーンの張力が弱まると、プランジャ５はラ
チェット１をラチェット軸４を中心として反時計方向に
揺動させながら、突出方向に変位する。 【００３４】なお、テンショナハウジング２の内部に
は、プランジャ５が衝撃荷重を受けたときにこれを緩和
するための図２に示すようなボールチェック弁を用いた
周知の油圧緩衝機構を組込むことが望ましいが、このよ
うな油圧緩衝機構は省いて構造を簡略化してもよい。 【００３５】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、第２のラチェット爪が、第１のラチェット爪がプラ
ンジャのラチェット歯と噛合った状態で、プランジャ軸
線へのラチェット軸中心を通る垂線上の近傍位置で隣合
う２つのラチェット歯間に侵入し、ラチェット軸中心か
ら垂線方向への第２のラチェット爪の突出量Ｓ２が第１
のラチェット爪の突出量Ｓ１に対して製造上の公差の範
囲より短く設定されていることによって、従来のような
第１のラチェット爪Ａ１７の突出量Ｓ１と第２のラチェ
ット爪Ａ１８の突出量Ｓ２´とが製造上の公差の範囲内
で略同一に製作されているラチェット式テンショナに比
較すると、テンショナ製造工程で生じる第２のラチェッ
ト爪の突出量Ｓ２のばらつきによるラチェット歯との干
渉を確実に回避できるため、第２のラチェット爪がラチ
ェット歯に噛み込んで、プランジャがロックされる状態
を回避することができ、不良率を減少することができ
る。 【００３６】また、ラチェット軸中心からの垂線方向へ
の第２のラチェット爪の突出量Ｓ２が第１のラチェット
爪の突出量Ｓ１に対して製造上の公差の範囲より短く設
定されていることによって、従来のような第１のラチェ
ット爪Ａ１７の突出量Ｓ１と第２のラチェット爪Ａ１８
の突出量Ｓ２´とが製造上の公差の範囲内で略同一に製
作されているラチェット式テンショナに比較すると、第
１のラチェット爪と第２のラチェット爪間の突出量のば
らつきをある程度許容してもプランジャがロックされる
状態を回避することができるため、テンショナの生産性
を向上させることができ、テンショナの製造コストを低
減することができる。 【００３７】また、前記のようにラチェット軸中心から
の垂線方向への第２のラチェット爪の突出量Ｓ２が第１
のラチェット爪の突出量Ｓ１に対して製造上の公差の範
囲より短くなっていることによって、テンショナハウジ
ングのプランジャ収容穴と、ラチェット歯が刻設されて
いる側と反対側の外周面との間の僅かな隙間に潤滑油に
含まれるエンジン等の摺動部分から発生した摩耗金属粉
が侵入して、プランジャの軸線がラチェット側に押上げ
られた場合にも、第２のラチェット爪がラチェット歯に
噛み込んでプランジャがロックされる状態になる恐れが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明のラチェット式テンショナの１実施例
を示す要部断面図。 【図２】 従来のラチェット式テンショナの一例を示す
断面図。 【図３】 従来のラチェット式テンショナの要部断面
図。 【符号の説明】 １ ・・・ ラチェット ２ ・・・ テンショナハウジング ３ ・・・ ラチェット軸 ４ ・・・ 軸孔 ５ ・・・ プランジャ ６ ・・・ 第１のラチェット爪 ７ ・・・ 第２のラチェット爪 ８ ・・・ バネ保持穴 ９ ・・・ ラチェットばね １０ ・・ ばね受け面 Ｓ１ ・・ 第１のラチェット爪の突出量 Ｓ２ ・・ 第２のラチェット爪の突出量
を示す要部断面図。 【図２】 従来のラチェット式テンショナの一例を示す
断面図。 【図３】 従来のラチェット式テンショナの要部断面
図。 【符号の説明】 １ ・・・ ラチェット ２ ・・・ テンショナハウジング ３ ・・・ ラチェット軸 ４ ・・・ 軸孔 ５ ・・・ プランジャ ６ ・・・ 第１のラチェット爪 ７ ・・・ 第２のラチェット爪 ８ ・・・ バネ保持穴 ９ ・・・ ラチェットばね １０ ・・ ばね受け面 Ｓ１ ・・ 第１のラチェット爪の突出量 Ｓ２ ・・ 第２のラチェット爪の突出量
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平９−60696（ＪＰ，Ａ)
特開 平７−151196（ＪＰ，Ａ)
特開 昭64−12165（ＪＰ，Ａ)
実開 平３−2950（ＪＰ，Ｕ)
特公 平３−8415（ＪＰ，Ｂ２)
米国特許5006095（ＵＳ，Ａ)
米国特許4874352（ＵＳ，Ａ)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 テンショナハウジングのプランジャ収容
穴に先端部が外部に突出するようにばね付勢されて摺動
自在に嵌挿されたプランジャと、前記テンショナハウジ
ングに設けられたラチェット軸に揺動自在に軸支された
ラチェットを備え、前記ラチェットに形成されたラチェ
ット爪をプランジャ側面に刻設されたラチェット歯に噛
合わせてプランジャの後退変位を阻止するようにしたラ
チェット式テンショナにおいて、 前記ラチェットが、ラチェット軸中心を通る垂線上の位
置からプランジャ先端側へ偏倚した位置で前記プランジ
ャのラチェット歯と噛合う第１のラチェット爪と、第１
のラチェット爪が前記プランジャのラチェット歯と噛合
っている状態でラチェット軸中心を通る垂線上の近傍位
置で隣合う２つのラチェット歯間に侵入する第２のラチ
ェット爪とを有しており、 前記ラチェット軸中心から垂線方向への第２のラチェッ
ト爪の突出量Ｓ２が、プランジャ先端側へ偏倚した位置
における第１のラチェット爪の突出量Ｓ１に対して製造
上の公差の範囲より短く設定されて、第２のラチェット
爪とラチェット歯との噛み込みによるプランジャのロッ
ク状態を回避していることを特徴とするラチェット式テ
ンショナ。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15277498A JP3462753B2 (ja) | 1998-06-02 | 1998-06-02 | ラチェット式テンショナ |
| US09/126,179 US6059678A (en) | 1998-06-02 | 1998-07-30 | Rachet tensioner |
| DE19834369A DE19834369B4 (de) | 1998-06-02 | 1998-07-30 | Klinkenspannvorrichtung |
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| GB9912722A GB2340202A (en) | 1998-06-02 | 1999-06-01 | Ratchet tensioner |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15277498A JP3462753B2 (ja) | 1998-06-02 | 1998-06-02 | ラチェット式テンショナ |
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|---|---|
| JPH11344086A JPH11344086A (ja) | 1999-12-14 |
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| US4874352A (en) * | 1987-08-06 | 1989-10-17 | Tsubakimoto Chain Co. | Fluidic tensioner |
| JP2516271Y2 (ja) * | 1989-05-31 | 1996-11-06 | 株式会社椿本チエイン | ラチェット式テンショナ |
| JP2503434Y2 (ja) * | 1989-05-31 | 1996-07-03 | 日産自動車株式会社 | エンジンのチェ―ンテンショナ装置 |
| JPH0775656B2 (ja) * | 1989-06-07 | 1995-08-16 | 正勝 平岡 | 排ガス処理方法 |
| JP3346963B2 (ja) * | 1995-08-29 | 2002-11-18 | ダイハツ工業株式会社 | タイミングチェーンのプランジャ機構 |
| JP3696340B2 (ja) * | 1996-08-26 | 2005-09-14 | 本田技研工業株式会社 | 無端伝動体のテンショナー |
-
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- 1998-06-02 JP JP15277498A patent/JP3462753B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1998-07-30 DE DE19834369A patent/DE19834369B4/de not_active Expired - Lifetime
- 1998-07-30 US US09/126,179 patent/US6059678A/en not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-10 GB GB9817382A patent/GB2338046B/en not_active Expired - Lifetime
-
1999
- 1999-06-01 GB GB9912722A patent/GB2340202A/en not_active Withdrawn
- 1999-06-02 DE DE19925454A patent/DE19925454A1/de not_active Withdrawn
Also Published As
| Publication number | Publication date |
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| GB9817382D0 (en) | 1998-10-07 |
| JPH11344086A (ja) | 1999-12-14 |
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| DE19925454A1 (de) | 1999-12-09 |
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