JP3462523B2 - 製紙用添加剤およびその製造方法ならびに紙の抄造方法 - Google Patents

製紙用添加剤およびその製造方法ならびに紙の抄造方法

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JP3462523B2 JP06034493A JP6034493A JP3462523B2 JP 3462523 B2 JP3462523 B2 JP 3462523B2 JP 06034493 A JP06034493 A JP 06034493A JP 6034493 A JP6034493 A JP 6034493A JP 3462523 B2 JP3462523 B2 JP 3462523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製紙用添加剤およびその
製造方法、ならびに製紙用添加剤を用いた紙の抄造方法
に関する。より詳しくは、アクリルアミド系重合体を、
アルカリ性領域下で次亜ハロゲン酸塩と反応させて製造
される、いわゆるホフマン分解アクリルアミド系重合体
を有効成分とする製紙用添加剤およびその製造方法、さ
らには、紙力増強効果、填料、サイズ剤の歩留り向上効
果或は地合悪化抑制効果の高い紙の抄造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙産業においては、紙力増強、サイズ
剤の定着、填料の歩留り向上などを目的として、種々の
製紙用添加剤が使用されている。具体的には、アニオン
性またはカチオン性のアクリルアミド系重合体、ポリエ
チレンイミンおよびカチオン化澱粉等が、それぞれ、単
独あるいは併用により使用されている。その中でも、ア
クリルアミド系重合体は、その高い性能ならびに使いや
すさ等から、最も一般的に使用されており、特にカチオ
ン性のアクリルアミド系重合体は、紙力増強、サイズ剤
の定着、填料歩留り向上など多くの機能を有することか
ら、近年特にその使用量が増加してきている。カチオン
性アクリルアミド系重合体として、アルカリ性領域下で
次亜ハロゲン酸塩と反応させることにより製造されるい
わゆるホフマン分解アクリルアミド系重合体が、アクリ
ルアミド系重合体のマンニッヒ反応物、カチオン性モノ
マーとの共重合物などとともによく知られている。ホフ
マン分解アクリルアミド系重合体の製造方法としては、
例えば、高分子論文集第33巻、No.6(1976)に
示されているように0℃のような低温で長時間反応させ
る方法や、特開平02−195706に示されているよ
うに、50℃以上の高温で数秒〜数十秒の短時間で反応
させる方法などがある。それら反応により1級アミノ基
を導入されたホフマン分解アクリルアミド系重合体は、
パルプスラリー中へ添加した場合、スラリーpHが弱酸
性〜アルカリ性にかけて、他のカチオン性アクリルアミ
ド系重合体と比較して、パルプ繊維への定着性が極めて
高く、その結果、高い紙力増強効果、微細繊維等の歩溜
り率も高い、高性能な製紙用添加剤となることが知られ
ている。
【0003】しかしながら、ホフマン分解アクリルアミ
ド系重合体は、パルプスラリーがpH5以下の比較的低
いpH領域、あるいは、硫酸バンドの添加量が多い場合
には、パルプへの定着性が低下し、紙力発現性など、製
紙用添加剤として充分満足する効果をもたらすに至らな
かった。また、ホフマン分解アクリルアミド系重合体
は、定着性が極めて高く、凝集力も強いことから、パル
プスラリー中のパルプ繊維などを凝集させ、製造される
紙の地合を大きく損なう場合もある。さらに、各種サイ
ズ剤、填料など、有機、無機のアニオン性物質の存在下
では、パルプ繊維よりそれら物質に優先的に吸着するた
め、所望する性能をバランスよく発現することができな
かった。ホフマン分解アクリルアミド系重合体からなる
製紙用添加剤の改良に関する提案は、これまでにも数多
く見られるが、その大部分は、特開昭55−10840
5で代表されるように、その1級アミノ基の経時的な劣
化に伴う性能低下を改良する目的で、1級アミノ基を化
学修飾することに関するものである。しかしながら、ホ
フマン分解アクリルアミド系重合体からなる製紙用添加
剤の本来の特徴は、主として、1級アミノ基によって発
現されるものであり、1級アミノ基の特徴を生かしたま
ま性能向上をはかる提案は、特開昭61−182689
等、一部知られているだけで、非常に少ない。さらに上
述した製紙上の機能向上の観点から、ホフマン分解アク
リルアミド系重合体の改良を試み、それらを解決する提
案はこれまで行われていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ホフマン分
解アクリルアミド系重合体からなる製紙用添加剤の性能
向上を本質的に達成するものである。具体的には、製紙
工程中で使用されることにより、従来公知のホフマン分
解アクリルアミド系重合体より、(a)紙力増強、
(b)填料及びサイズ剤等の歩留まり向上などの効果が
高く、さらに、(c)紙の地合悪化抑制効果も同時に有
する製紙用添加剤およびその製造方法、ならびに紙の抄
造方法を提供するものである。
【0005】特に、従来ホフマン分解アクリルアミド系
重合体が充分に性能を発揮できなかった、例えばpH5
以下のような酸性領域での抄紙条件における上記(a)
〜(c)の機能を向上させることに加え、近年のよう
に、雑誌古紙の使用量の増大、抄紙原料へのコート損紙
の混入などによる原料パルプスラリー中の炭酸カルシウ
ム分溶出、それに伴う硫酸バンド量の増大、あるいは、
白水のクローズド化率の増大など、抄紙条件が悪化して
いる状況において、さらには、パルプ繊維以外に填料、
サイズ剤など、アニオン性物質の存在する系において、
上記(a)〜(c)の機能を、本質的には、酸性からア
ルカリ性までの、通常行われている幅広い抄紙pH領域
において、バランスよく達成することができる製紙用添
加剤およびその製造方法、ならびに紙の抄造方法を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
点に鑑みホフマン分解アクリルアミド系重合体の改良に
関し鋭意検討した結果、従来、全く試みられなかった、
スルホン酸基をホフマン分解アクリルアミド系重合体の
一成分として含有させることにより、従来公知のホフマ
ン分解アクリルアミド系重合体の性能を大幅に向上させ
ることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すな
わち、本発明は、スルホン酸基を0.1〜20mol%含
有するアクリルアミド系重合体を、アルカリ性領域下で
次亜ハロゲン酸塩と反応させて製造される、スルホン酸
基および1級アミノ基を有する、両性の重合体を有効成
分とする製紙用添加剤を提供するものである。
【0007】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
におけるスルホン酸基は、アルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩などの塩であってもなんらさしつかえなく、
A)α,β‐不飽和スルホン酸または、それらの塩類の
共重合、もしくはB)アクリルアミド系重合体への化学
反応により、アクリルアミド系重合体中に導入される。
【0008】A)のα,β‐不飽和スルホン酸または、
それらの塩類とは、例えば、ビニルスルホン酸、アリル
スルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、2‐アクリルアミド‐2‐フェニルプロパンスルホ
ン酸、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホ
ン酸等の不飽和スルホン酸及びそれらの塩を示すことが
できる。それらを、2種類以上、同時に、共重合に供す
ることもできる。これら、α,β‐不飽和スルホン酸ま
たは、それらの塩類の量は、通常、アクリルアミド系重
合体に対し、0.1〜20mol%であり、好ましくは、
0.5〜10mol%である。
【0009】B)のアクリルアミド系重合体の化学反応
によりスルホン酸基を含有せしめる方法としては、B−
1)アクリルアミド系重合体のアミド基に、ホルムアル
デヒドと亜硫酸水素ナトリウムとを反応する方法、B−
2)アクリルアミド系重合体の一成分として、メチロー
ル(メタ)アクリルアミドを共重合し、亜硫酸水素ナト
リウムを反応する方法などのスルホメチル化反応を例示
することができる。B−1)のホルムアルデヒドおよび
B−2)のメチロール(メタ)アクリルアミド量は、ア
クリルアミド系重合体に対し、いずれも0.1〜20mo
l%であり、好ましくは、0.5〜10mol%である。亜
硫酸水素ナトリウム量は、ホフマン分解反応の際用いら
れる次亜ハロゲン酸塩を完全に還元反応せしめる量でな
い限り、B−1)のホルムアルデヒド、B−2)のメチ
ロール(メタ)アクリルアミド量いずれに対しても、当
モル以上であればよい。B−1)の反応において、アク
リルアミド系重合体とホルムアルデヒドおよび亜硫酸水
素ナトリウムの反応順序は、アクリルアミド系重合体と
ホルムアルデヒドを反応させたのち、亜硫酸水素ナトリ
ウムを反応させてもよく、あるいは、アクリルアミド系
重合体に、ホルムアルデヒドと亜硫酸水素ナトリウムの
反応物を反応させてもよい。B−1)およびB−2)の
スルホメチル化反応は、一般には水溶液で、アルカリ性
領域下で行い、好ましくは、8〜12のpH範囲で行う
とよい。スルホメチル化の反応温度は、概ね、20〜8
0℃であり、反応時間は、反応温度により異なり、一概
に規定できないが、概ね、20分〜5時間の範囲であ
る。
【0010】以上のようにして得られた、スルホン酸基
を含有するアクリルアミド系重合体中のスルホン酸基含
有量は、通常、アクリルアミド系重合体に対し、0.1
〜20mol%であり、好ましくは、0.5〜10mol%で
ある。0.1mol%未満では、スルホン酸基を含有する
ことによる効果が不十分であり、すなわち、紙力増強効
果など、目的とする機能を発揮するに乏しく、20mol
%を越えると製紙用添加剤中のカチオン量とアニオン量
のバランスが問題となり、紙力効果をはじめ、性能が十
分に発揮できなくなる不都合が生じる。
【0011】次に、本発明のアクリルアミド系重合体と
は、重合体中に(メタ)アクリルアミドをその構成成分
として含有するものをいう。すなわち、スルホン酸基を
含有するアクリルアミド系重合体は、重合体中に、スル
ホン酸基成分および(メタ)アクリルアミド成分を含有
する重合体をいい、スルホン酸基成分および(メタ)ア
クリルアミド成分以外に、一種以上の、(メタ)アクリ
ルアミドと共重合可能な不飽和単量体を共重合させた重
合体、または、でんぷん等の水溶性重合体へのグラフト
共重合体をも含む。スルホン酸基を含有するアクリルア
ミド系重合体中の(メタ)アクリルアミド量は、40〜
99.9mol%が好ましく、さらに好ましくは、50〜
99.5mol%である。
【0012】ここで、アクリルアミドと共重合可能な不
飽和単量体としては、スルホン酸以外のイオン性単量
体、親水性単量体、親油性単量体などがあげられ、それ
らの一種以上の単量体が適用できる。イオン性単量体と
しては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸及びそれらの
塩、N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N‐ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N
‐ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N‐ジメチ
ルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N‐ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド等のアミン及びそれらの
塩等をあげることができる。
【0013】親水性単量体としては、例えば、アセトン
アクリルアミド、N,N‐ジメチルアクリルアミド、
N,N‐ジメチルメタクリルアミド、N‐エチルメタク
リルアミド、N‐エチルアクリルアミド、N,N‐ジエ
チルアクリルアミド、N‐プロピルアクリルアミド、N
‐アクリロイルピロリジン、N‐アクリロイルピペリジ
ン、N‐アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、各種のメトキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、N‐ビニル‐2‐ピロリドン等をあ
げることができる。
【0014】親油性単量体としては、例えばN,N‐ジ
‐n‐プロピルアクリルアミド、N‐n‐ブチルアクリ
ルアミド、N‐n‐ヘキシルアクリルアミド、N‐n‐
ヘキシルメタクリルアミド、N‐n‐オクチルアクリル
アミド、N‐n‐オクチルメタクリルアミド、N‐tert
‐オクチルアクリルアミド、N‐ドデシルアクリルアミ
ド、N‐n‐ドデシルメタクリルアミド等のN‐アルキ
ル(メタ)アクリルアミド誘導体、N,N‐ジグリシジ
ルアクリルアミド、N,N‐ジグリシジルメタクリルア
ミド、N‐(4‐グリシドキシブチル)アクリルアミ
ド、N‐(4‐グリシドキシブチル)メタクリルアミ
ド、N‐(5‐グリシドキシペンチル)アクリルアミ
ド、N‐(6‐グリシドキシヘキシル)アクリルアミド
等のN‐(ω‐グリシドキシアルキル)(メタ)アクリ
ルアミド誘導体、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、2‐エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリレート誘導体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレ
フィン類、スチレン、ジビニルベンゼン、αメチルスチ
レン、ブタジエン、イソプレン等をあげることができ
る。
【0015】共重合に供せられる不飽和単量体の使用量
は、不飽和単量体の種類、及びそれらの組合せにより異
なり、一概には言えないが、概ね0〜50mol%の範囲
にある。
【0016】また、アクリルアミド系重合体を構成する
上記単量体をグラフト共重合する水溶性重合体として
は、天然系及び合成系いづれのものも使用できる。天然
系として各種由来のでんぷん及び酸化でんぷん、カルボ
キシルでんぷん、ジアルデヒドでんぷん、カチオン化で
んぷん等の変性物、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸、寒天、ペ
クチン、カラギーナン、デキストラン、プルラン、コン
ニャク、アラビヤゴム、カゼイン、ゼラチン等があげら
れる。合成系としてはポリビニルアルコール、ポリビニ
ルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミ
ン、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリマレイン酸共重合体、ポ
リアクリル酸、ポリアクリルアミド等があげられる。上
記した水溶性重合体への前記した単量体の添加量は水溶
性重合体基準で0.1〜10.0倍の範囲である。
【0017】スルホン酸基を含有するアクリルアミド系
重合体の重合法としては、ラジカル重合が好ましい。重
合溶媒としては水、アルコール、ジメチルホルムアミド
等の極性溶媒が適用可能であるが、ホフマン分解反応を
水溶液中で行うので、水溶液重合が好ましい。その時の
単量体濃度は2〜30重量%好ましくは5〜30重量%
である。重合開始剤としてはとくに制限はないが、水溶
性のものであれば好ましい。具体的には過酸化物系で
は、たとえば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ、過酸化
水素、tert‐ブチルパーオキサイド等があげられる。こ
の場合、単独でも使用できるが、還元剤と組合せてレド
ックス系重合剤としても使える。還元剤としては、例え
ば亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルトなどの低
次のイオン化の塩、N,N,N’,N’‐テトラメチル
エチレンジアミン等の有機アミン、更にはアルドース、
ケートス等の還元糖などをあげることができる。
【0018】また、アゾ化合物としては、2,2’‐ア
ゾビス‐2‐アミジノプロパン塩酸塩、2,2’‐アゾ
ビス‐2,4‐ジメチルバレロニトリル、4,4’‐ア
ゾビス‐4‐シアノバレイン酸及びその塩等を使用する
ことができる。更に、上記した重合開始剤を2種以上併
用することも可能である。また、水溶性重合体にグラフ
ト重合する場合には重合開始剤として上記した重合開始
剤以外に、第2セリウムイオン、第2鉄イオン等の遷移
金属イオンを使用することも可能であり、前記した重合
開始剤と併用してもよい。
【0019】重合温度は単一重合開始剤の場合には、概
ね30〜90℃であり、レドックス系重合開始剤の場合
にはより低く概ね5〜50℃である。また、重合中同一
温度に保つ必要はなく、重合の進行に伴い適宜変えてよ
く一般に重合の進行に伴い発生する重合熱により昇温す
る。その時の重合器内の雰囲気は特に限定はないが、重
合を速やかに行わせるには窒素ガスのような不活性ガス
で置換したほうがよい。重合時間は特に限定はないが、
概ね1〜20時間である。
【0020】以上のようにして得られるスルホン酸基を
含有するアクリルアミド系重合体を貯蔵、もしくは、輸
送する場合は、一般に、固形分が1〜50重量%の水溶
液で行うが、メタノールなどの、スルホン酸基を含有す
るアクリルアミド系重合体が溶解しない有機溶媒中に沈
殿、乾燥させた粉末状で行うこともできる。
【0021】このスルホン酸基を含有するアクリルアミ
ド系重合体のブルックフィールド粘度は、10%水溶液
基準で、25℃において100〜100,000cpsで
あることが好ましい。
【0022】スルホン酸基を含有するアクリルアミド系
重合体のホフマン分解反応については、公知公用の反応
手法を用いるとよいが、以下に内容を説明する。原料と
なる、スルホン酸基を含有するアクリルアミド系重合体
は、水溶液であれば、そのままもしくは必要に応じ希釈
して、乾燥粉末状で貯蔵したものであれば、水に溶解し
て、反応に供することができる。また、グラフト共重合
体の場合、グラフトしないアクリルアミド系重合体も副
生するが、通常それは分離しないでそのまま反応に供す
る。
【0023】ホフマン分解反応はアクリルアミドのアミ
ド基に次亜ハロゲン酸塩をアルカリ性物質の存在下に作
用させて行うものであり、次亜ハロゲン酸塩としては、
次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸の金属またはア
ルカリ土類金属塩があげられる。具体的には、次亜塩素
酸塩として次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウ
ム、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜
塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸バリウム等が例示でき
る。次亜臭素酸塩及び次亜ヨウ素酸塩の場合も同様に例
示することができる。さらに、アルカリ溶液中にハロゲ
ンガスを吹き込んで次亜ハロゲン酸塩を生成させること
も可能である。
【0024】一方、スルホン酸基を含有するアクリルア
ミド系重合体をアルカリ領域下にするためのアルカリ性
物質としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属
水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等があげられ、それらの
中でもアルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等があげられ
る。
【0025】上記した物質の、スルホン酸基を含有する
アクリルアミド系重合体に対する添加量は次亜ハロゲン
酸では、1〜200mol%、好ましくは3〜100mol%
であり、アルカリ性物質では2〜400mol%、好まし
くは6〜200mol%である。その時のpHは概ね11
〜14の範囲にある。その時のホフマン分解アクリルア
ミド系重合体の濃度は概ね0.1〜17.5重量%であ
るが、反応濃度が高くなると撹拌が困難になることやゲ
ル化を起こし易くなる点から、通常は0.1〜10重量
%の範囲であることが好ましい。また、反応濃度が1%
未満の場合反応速度が遅くなる等の問題があるため、1
〜10重量%であることがさらに好ましい。
【0026】一方反応温度は0〜110℃の範囲であ
り、好ましくは0〜100℃の範囲である。また、ホフ
マン分解の反応時間は反応温度、及び反応溶液中の重合
体濃度に依存するため一概には言えないが、例えば重合
体濃度が1重量%の場合、20℃以下では数時間以内、
50℃では十数分以内、65℃では数分以内、80℃で
は数十秒以内で十分である。しかし、後述するように、
高温で反応した場合、反応停止後、直ちに連続して使用
が可能となり、1級アミノ基の経時劣化の極めて少な
い、製造直後の高性能の重合体を供給可能となるため、
50℃以上の反応温度であることが好ましい。上記した
条件で製造されるホフマン分解アクリルアミド系重合体
は、アニオン基であるスルホン酸基とカチオン基である
1級アミノ基の両者を少なくとも有するものであるが、
両者の量的なバランスは、同重合体が使用されるpHに
おいて、少なくともアニオン性を示さなければよく、そ
の範囲内において、最適な値を選ぶことが出来る。
【0027】また、ホフマン分解反応は、アルカリ性領
域で行うので、アミド基が加水分解され、カルボキシル
基が副生される場合がある。その副生量は概ね0〜5me
q/gの範囲にある。その副生量は添加するアルカリ性
物質の量により制御可能となる。
【0028】次に上記した条件で反応を行った後、副反
応の進行を抑制するために反応を停止することが好まし
い。ただし、反応後直ちに使用する場合には反応停止を
行わなくともよい場合がある。反応停止の方法として
は、(1)還元剤を添加する、(2)冷却する、(3)
溶液のpHを酸添加により低下させる、等の方法を単独
あるいは組み合わせて用いることができる。(1)は残
存する次亜ハロゲン酸塩などを還元剤との反応により失
活させる方法である。使用する還元剤としては、亜硫酸
ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、マロン酸エチル、チ
オグリセロール、トリエチルアミンなどが挙げられる。
還元剤の使用量は通常反応に使用された次亜ハロゲン酸
に対して0.005〜0.15倍モル、好ましくは0.
01〜0.10倍モルである。一般にホフマン分解反応
の反応終了時には未反応の次亜ハロゲン酸塩等の活性塩
素を有する化合物が残存している。かかる反応溶液を紙
力剤として用いると抄紙機の錆を引き起こす要因ともな
るため、通常は還元剤を用いて活性塩素を失活させる。
しかしながら、次亜ハロゲン酸塩は重合体のアクリルア
ミド単位モル数に対して当モル以下で反応を行い、かつ
高温度で反応を行うと反応終了時には未反応の次亜ハロ
ゲン酸塩はほとんど残存していない。従って、還元剤を
用いて活性塩素を失活させることなく紙力剤として使用
することも可能である。(2)は冷却により反応進行を
抑える方法であり、その方法としては、熱交換器を用い
て冷却する、冷水で希釈する等の方法がある。その時の
温度は通常50℃以下好ましくは45℃以下、更に好ま
しくは40℃以下である。(3)で、通常pH12〜1
3のアルカリ性を示す反応終了時の溶液を、酸を用いて
pHを下げることによりホフマン分解反応を停止させ、
同時に加水分解反応の進行を抑制する。その時のpHは
中性以下であればよく、好ましくはpH4〜6の範囲で
ある。pH調整で使用する酸としては、塩酸、硫酸、り
ん酸、硝酸等の鉱酸、あるいはぎ酸、酢酸、くえん酸な
どの有機酸が挙げられる。反応停止法は(1)〜(3)
の中から反応の条件により適宜選ぶことができ、またそ
れらの方法を組み合わせてもよい。
【0029】上記した方法で停止した反応液はそのまま
両性のアクリルアミド系重合体の水溶液として使用でき
るし、該水溶液をメタノール等の、両性のアクリルアミ
ド系重合体を溶解しない溶媒中に投入して、重合体を析
出させてその後乾燥して粉末状にすることもできる。ま
た、該両性のアクリルアミド系重合体水溶液をタンク中
に保存しておき、必要に応じ使用することもできる。そ
の時保存しておく温度は水溶液の凍結しない程度の低温
であればよく、好ましくは5〜15℃である。しかし比
較的短期間のうちに使用する場合には常温でも保存で
き、1カ月程度の保存は可能である。また、高温度で反
応した場合、極めて短時間で製造できるため、反応停止
後直ちに連続して使用することが可能である。このと
き、次亜ハロゲン酸塩の使用量がスルホン酸基を含有す
るアクリルアミド系重合体のアミド基に対して下回る条
件で反応を行ったときには、溶液中に遊離の次亜ハロゲ
ン酸イオンが残存していない場合がある。この場合には
反応を停止することなく使用することができる。
【0030】次に、紙の抄造方法について説明する。本
発明でいう紙とは、木材、わらなど、セルロースを成分
として含有するパルプ繊維および/または古紙パルプ繊
維を主原料とし、水を媒介として製造される全てのもの
を指し、具体的には、段ボール原紙、各種板紙、各種包
装用紙、各種印刷用紙、コート原紙、新聞用紙などがあ
げられる。本発明の製紙用添加剤は、抄紙ワイヤー上で
紙層が形成されるまでの、抄紙工程中の任意の場所の上
記パルプスラリーに添加することが可能である。パルプ
スラリーへ添加する際の本発明の製紙用添加剤の濃度
は、パルプの種類、抄紙のスピード等により、変化し、
一概には、述べられないが、概ね、0.1〜10重量%
であり、好ましくは、0.5〜5重量%である。
【0031】本発明の製紙用添加剤をパルプスラリー中
に添加した後、プレス、乾燥することにより、地合悪化
の小さい、紙力強度の高い紙を得ることができる。この
際、本発明の製紙用添加剤以外に何も添加しなくても、
pH4〜10までの広範囲のパルプスラリーpHにおい
て、上記効果は発揮されるが、一般に、硫酸バンドが添
加され、パルプスラリーpHが酸性を示す酸性抄紙の、
特に、パルプスラリーpHが5以下の条件で、本発明の
製紙用添加剤の改良効果が大きい。
【0032】また、抄紙工程中で添加される硫酸バンド
の量は、使用されるパルプ原料の種類によって異なる
が、一般に、硫酸アルミニウム水和物基準で、対パルプ
0〜10重量%の範囲であり、硫酸バンドが添加されて
いる場合、本発明の製紙用添加剤の改良効果は大きい。
この場合、硫酸バンドと本発明の製紙用添加剤の添加順
序は、使用する原料パルプの種類によって決める必要が
あるが、例えば、古紙を含有しない純粋なクラフトパル
プに対しては、本発明の製紙用添加剤、硫酸バンドの順
で添加する方が好ましい。
【0033】本発明の製紙用添加剤は、填料が添加され
る紙の抄造において、填料の高い歩留まり効果、地合悪
化抑制効果ならびに高い紙力増強効果を有し、製紙用添
加剤の改良効果が顕著である。この場合、填料は、一般
に製紙に使用されているものを指すが、具体的には、重
質あるいは軽質の炭酸カルシウム、タルク、カオリン、
ホワイトカーボン、酸化チタンおよび尿素ホルムアルデ
ヒド樹脂填料等が例示できる。これら填料は、古紙パル
プから原料パルプスラリー中に導入されるものもある
が、必要に応じ、一般に対パルプ0〜40重量%添加さ
れる。
【0034】また、本発明の製紙用添加剤は、サイズ剤
が添加される紙の抄造においても、サイズ効果、地合悪
化抑制効果ならびに高い紙力増強効果を有し、製紙用添
加剤の改良効果が顕著である。この場合のサイズ剤とし
ては、ロジン、強化ロジンおよびそれらのエマルジョ
ン、さらには、アルキルケテンダイマーやアルケニル無
水コハク酸のエマルジョンがあげられる。これらサイズ
剤は、必要に応じ、一般に対パルプ0〜1重量%添加さ
れる。
【0035】以上のような、填料あるいはサイズ剤と本
発明の製紙用添加剤の最適な添加順序は、填料あるいは
サイズ剤の種類によって異なり、一概には決められない
が、一般に本発明の製紙用添加剤を添加した後に添加す
ることにより、紙力強度とともに、填料歩留まりあるい
はサイズ効果に優れた紙を抄造することができる。
【0036】また、硫酸バンド、填料およびサイズ剤の
いずれか2種以上が、同一の抄紙工程中に添加される場
合においても、本発明の製紙用添加剤の効果は、本質的
に阻害されるものではない。
【0037】本発明の製紙用添加剤は、基本的には、単
独で上述した効果をもたらすが、アニオン性のアクリル
アミド系重合体など他の水溶性重合体、もしくは、水ガ
ラスなどの無機物などと併用使用することもできる。
【0038】紙の抄造において、本発明の製紙用添加剤
を上記のような条件で使用することにより、大きなメリ
ットを得ることができる。本発明の製紙用添加剤は、従
来公知の製紙用添加剤と比較して、高い紙力強度、サイ
ズ度をもたらすことから、同一の薬品添加料で、より高
品質の紙を製造することができる。また、従来公知の製
紙用添加剤を使用して製造された紙と同一品質の紙を得
る場合には、製紙用添加剤そのものの添加料を大幅に削
減することが可能となり、あるいは、目的に応じて、サ
イズ剤、填料など他の添加剤の添加量を大幅に削減可能
である。これら添加剤の削減量は、紙の抄造条件によっ
て異なり、一概には言えないが、50%を越えることも
可能である。
【0039】これら、添加剤の大幅な削減により、紙の
製造コストを低下させることはもちろんであるが、発泡
など操業上の問題も減少させることができる。さらに、
添加剤の添加量の減少と、本発明の製紙用添加剤の高い
パルプ定着性により、排水処理の負荷も減少するなど、
製紙全体に与えるメリットは、莫大なものとなる。
【0040】上述したような本発明の製紙用添加剤の特
徴は、アニオン基であるスルホン酸基を含有することに
よって発揮される。しかしながら、同じアニオン基でも
アクリル酸のようなカルボキシル基ではこのような効果
は達成されない。この理由については、明かではない
が、つぎのように推定される。スルホン酸基とカルボキ
シル基の大きな違いは、その酸としての強さの差にあ
る。そのことが、ホフマン分解アクリルアミド系重合体
へ含有させた場合の効果の差となって現れているものと
考えられる。すなわち、スルホン酸基を含有するホフマ
ン分解アクリルアミド系重合体では、広範囲のpH領域
において、重合体の分子内あるいは分子間で、スルホン
酸基と1級アミノ基が強固に結合することにより、製紙
用添加剤として最適な構造形態をとることができ、さら
に、電荷の面からも、特に酸性pHで、重合体全体の荷
電量を最適化する能力が大きいのに対し、カルボキシル
基では、1級アミノ基との結合も弱く、pHによって解
離度も異なるため、安定した重合体構造をとることがで
きないことが考えられる。さらに、カルボキシル基で
は、抄紙工程中に存在するカルシウムイオンなどの無
機、有機のきょう雑イオンにより、その解離を抑制さ
れ、1級アミノ基との結合を阻害されることもその理由
の1つであろう。
【0041】以上のようなアニオン基の性質の差が、パ
ルプ、填料、サイズ剤などとの相互作用に現れ、結果と
して、スルホン酸基を有するホフマン分解アクリルアミ
ド系重合体は、安定して、定着に必要な最適な荷電量を
有し、紙力発現に最適で過度にサイズ剤、填料などを凝
集させない構造形態を有する製紙用添加剤となるものと
推定できる。
【0042】
【実施例】以下に、本発明を、製造例および抄造例にわ
け、具体的に説明する。なお、本発明は、これらの製造
例および抄造例に限定されるものではない。また、以下
において、%で示したものは、特に断らない限り重量%
を意味するものとする。
【0043】比較製造例1 撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えた
4つ口フラスコに、40%アクリルアミド水溶液17
7.5gおよび純水500gを仕込、ついで20%Na
OHでpH6に調整した。しかるのち、窒素ガスを吹き
込みながら内温を50℃に調整した後、保温材でフラス
コを覆った。撹拌しながら、重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウム0.22g、亜硫酸水素ナトリウム0.1g
を投入して重合を開始した。反応による発熱終了後同量
の開始剤を追加し、反応ピーク温度にて、60分間反応
を続けた後、純水を投入し重合反応を完了させたとこ
ろ、不揮発分10%、25℃におけるブルックフィール
ド粘度6800cpsのアクリルアミド単独重合体水溶液
A−1を得た。この重合体のアニオン化度(pH2.
5)は、コロイド滴定の結果、検出されなかった。
【0044】つぎに、純水で5%に希釈した重合体水溶
液A−1の100gを80℃に保ちながら、有効塩素1
2.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液2g(A−1に
対して5mol%)と次亜塩素酸ナトリウムに対し2倍モ
ルの30%水酸化ナトリウム水溶液の混合液を一度に添
加した。80℃で10秒反応した後、所定量の冷水を加
えて、重合体固形分濃度が1%のホフマン分解アクリル
アミド系重合体水溶液を得た。この重合体のカチオン化
度(pH2.5)は、コロイド滴定より、0.68meq
/gであった。このものは製造後5分以内に抄紙実験に
使用した。
【0045】比較製造例2〜4 比較製造例1のアクリルアミド単独重合体水溶液A−1
を用いて、次亜塩素酸ナトリウム及び水酸化ナトリウム
の量を変更した以外は、比較製造例1と同様の方法で、
反応を行い、ホフマン分解アクリルアミド系重合体水溶
液からなる製紙用添加剤を得た。反応させた次亜塩素酸
ナトリウムの量と、得られた重合体のカチオン化度は、
それぞれ、表1に示した。
【0046】比較製造例5 撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えた
4つ口フラスコに、40%アクリルアミド水溶液16
8.6g、80%アクリル酸4.5gおよび純水500
gを仕込、ついで20%NaOHでpH6に調整した。
しかるのち、窒素ガスを吹き込みながら内温を50℃に
調整した後、保温材でフラスコを覆った。撹拌しなが
ら、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.28g、
亜硫酸水素ナトリウム0.13gを投入して重合を開始
した。反応による発熱終了後同量の開始剤を追加し、反
応ピーク温度にて、60分間反応を続けた後、純水を投
入し重合反応を完了させたところ、不揮発分10%、2
5℃におけるブルックフィールド粘度7100cpsのア
クリルアミド単独重合体水溶液A−2を得た。この重合
体のpH2.5におけるアニオン化度は、コロイド滴定
の結果、検出されなかったが、pH10におけるアニオ
ン化度は、0.70meq/gであった。
【0047】つぎに、純水で5%に希釈した重合体水溶
液A−2の100gを80℃に保ちながら、有効塩素1
2.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液8g(A−1に
対して20mol%)と次亜塩素酸ナトリウムに対し2倍
モルの30%水酸化ナトリウム水溶液の混合液を一度に
添加した。80℃で10秒反応した後、所定量の冷水を
加えて、重合体固形分濃度が1%のホフマン分解アクリ
ルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体のカチオン
化度(pH2.5)は、コロイド滴定より、2.51me
q/gであった。このものは製造後5分以内に抄紙実験
に使用した。
【0048】比較製造例6 比較製造例5のアクリルアミド単独重合体水溶液A−2
を用いて、次亜塩素酸ナトリウム及び水酸化ナトリウム
の量を変更した以外は、比較製造例5と同様の方法で、
反応を行い、ホフマン分解アクリルアミド系重合体水溶
液からなる製紙用添加剤を得た。反応させた次亜塩素酸
ナトリウムの量と、得られた重合体のカチオン化度は、
それぞれ、表1に示した。
【0049】製造例1 撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えた
4つ口フラスコに、40%アクリルアミド水溶液17
7.3g、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンス
ルホン酸0.208gおよび純水500gを仕込、つい
で20%NaOHでpH6に調整した。しかるのち、窒
素ガスを吹き込みながら内温を50℃に調整した後、保
温材でフラスコを覆った。撹拌しながら、重合開始剤と
して、過硫酸アンモニウム0.22g、亜硫酸水素ナト
リウム0.1gを投入して重合を開始した。反応による
発熱終了後同量の開始剤を追加した後、反応ピーク温度
にて、60分間反応を続けた後、純水を投入し重合反応
を完了させたところ、不揮発分10%、25℃における
ブルックフィールド粘度7200cpsのアクリルアミド
単独重合体水溶液C−1を得た。この重合体のアニオン
化度(pH2.5)は、コロイド滴定の結果、0.01
4meq/gであった。
【0050】つぎに、純水で5%に希釈した重合体水溶
液C−1の100gを80℃に保ちながら、有効塩素1
2.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液4g(A−1基
準に対して10mol%)と次亜塩素酸ナトリウムの2倍
モルの30%水酸化ナトリウム水溶液の混合液を一度に
添加した。80℃で10秒反応した後、所定量の冷水を
加えて、重合体固形分濃度が1%のホフマン分解アクリ
ルアミド系重合体水溶液からなる製紙用添加剤を得た。
この重合体のカチオン化度(pH2.5)は、コロイド
滴定より、1.29meq/gであった。このものは製造
後5分以内に抄紙実験に使用した。
【0051】製造例2〜9および比較製造例7〜8 製造例1の2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンス
ルホン酸の量、重合開始剤の量、次亜塩素酸ナトリウム
及び水酸化ナトリウムの量を変更した以外は、製造例1
と同様の方法で、反応を行い、ホフマン分解アクリルア
ミド系重合体水溶液からなる製紙用添加剤を得た。重合
体中のスルホン酸基組成、反応させた次亜塩素酸ナトリ
ウム量と、得られた重合体のカチオン化度は、それぞ
れ、表1に示した。
【0052】製造例10 撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えた
4つ口フラスコに、40%アクリルアミド水溶液17
5.7g、25%ビニルスルホン酸ナトリウム水溶液
5.2gおよび純水500gを仕込、ついで20%硫酸
でpH6に調整した。しかるのち、窒素ガスを吹き込み
ながら内温を50℃に調整した後、保温材でフラスコを
覆った。撹拌しながら、重合開始剤として、過硫酸アン
モニウム0.23g、亜硫酸水素ナトリウム0.105
gを投入して重合を開始した。反応による発熱終了後同
量の開始剤を追加した後、反応ピーク温度にて、60分
間反応を続けた後、純水を投入し重合反応を完了させた
ところ、不揮発分10%、25℃におけるブルックフィ
ールド粘度8400cpsのアクリルアミド系重合体水溶
液C−7を得た。この重合体のアニオン化度(pH2.
5)は、コロイド滴定の結果、0.14meq/gであっ
た。
【0053】つぎに、純水で5%に希釈した重合体水溶
液C−7の100gを80℃に保ちながら、有効塩素1
2.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液4g(A−1基
準に対して10mol%)と次亜塩素酸ナトリウムの2倍
モルの30%水酸化ナトリウム水溶液の混合液を一度に
添加した。80℃で10秒反応した後、所定量の冷水を
加えて、重合体固形分濃度が1%のホフマン分解アクリ
ルアミド系重合体水溶液を得た。この重合体のカチオン
化度(pH2.5)は、コロイド滴定より、1.15me
q/gであった。このものは製造後5分以内に抄紙実験
に使用した。
【0054】製造例11および製造例12 製造例10のビニルスルホン酸ナトリウムの量、重合開
始剤の量、次亜塩素酸ナトリウム及び水酸化ナトリウム
の量を変更した以外は、製造例10と同様の方法で、反
応を行い、ホフマン分解アクリルアミド系重合体水溶液
からなる製紙用添加剤を得た。重合体中のスルホン酸基
組成、反応させた次亜塩素酸ナトリウム量と、得られた
重合体のカチオン化度は、それぞれ、表1に示した。
【0055】製造例13 撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えた
4つ口フラスコに、40%アクリルアミド水溶液17
5.7g、86%スチレンスルホン酸ナトリウム2.4
gおよび純水500gを仕込、ついで20%硫酸でpH
6に調整した。しかるのち、窒素ガスを吹き込みながら
内温を50℃に調整した後、保温材でフラスコを覆っ
た。撹拌しながら、重合開始剤として、過硫酸アンモニ
ウム0.20g、亜硫酸水素ナトリウム0.09gを投
入して重合を開始した。反応による発熱終了後同量の開
始剤を追加した後、反応ピーク温度にて、60分間反応
を続けた後、純水を投入し重合反応を完了させたとこ
ろ、不揮発分10%、25℃におけるブルックフィール
ド粘度6800cpsのアクリルアミド系重合体水溶液C
−10を得た。この重合体のアニオン化度(pH2.
5)は、コロイド滴定の結果、0.14meq/gであっ
た。
【0056】つぎに、純水で5%に希釈した重合体水溶
液C−10の100gを80℃に保ちながら、有効塩素
12.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液4g(A−1
基準に対して10mol%)と次亜塩素酸ナトリウムの2
倍モルの30%水酸化ナトリウム水溶液の混合液を一度
に添加した。80℃で10秒反応した後、所定量の冷水
を加えて、重合体固形分濃度が1%のホフマン分解アク
リルアミド系重合体水溶液からなる製紙用添加剤を得
た。この重合体のカチオン化度(pH2.5)は、コロ
イド滴定より、1.18meq/gであった。このものは
製造後5分以内に抄紙実験に使用した。
【0057】製造例14および15 製造例13のスチレンスルホン酸ナトリウムの量、重合
開始剤の量、次亜塩素酸ナトリウム及び水酸化ナトリウ
ムの量を変更した以外は、製造例13と同様の方法で、
反応を行い、ホフマン分解アクリルアミド系重合体水溶
液からなる製紙用添加剤を得た。重合体中のスルホン酸
基組成、反応させた次亜塩素酸ナトリウム量と、得られ
た重合体のカチオン化度は、それぞれ、表1に示した。
【0058】製造例16 撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えた
4つ口フラスコに、40%アクリルアミド水溶液17
7.5gおよび純水500gを仕込、ついで20%Na
OHでpH6に調整した。しかるのち、窒素ガスを吹き
込みながら内温を50℃に調整した後、保温材でフラス
コを覆った。撹拌しながら、重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウム0.22g、亜硫酸水素ナトリウム0.1g
を投入して重合を開始した。反応による発熱終了後同量
の開始剤を追加し、反応ピーク温度にて、60分間反応
を行ったのち、内温を50℃に冷却した。次に、20%
NaOHで、フラスコ内をpH12に調整したのち、3
7%ホルマリン2.43gおよび亜硫酸水素ナトリウム
3.28gを加え、50℃で60分間撹拌しながらスル
ホメチル化反応させた。その後、純水を投入し、20℃
まで冷却し、硫酸にてpH調整、純水にて濃度調整を行
い、pH6、不揮発分10%、25℃におけるブルック
フィールド粘度7400cpsのアクリルアミド系重合体
水溶液C−13を得た。この重合体のアニオン化度(p
H2.5)は、コロイド滴定の結果、0.15meq/g
であった。
【0059】つぎに、純水で5%に希釈した重合体水溶
液C−13の100gを80℃に保ちながら、有効塩素
12.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液4g(A−1
基準に対して10mol%)と次亜塩素酸ナトリウムに対
し2倍モルの30%水酸化ナトリウム水溶液の混合液を
一度に添加した。80℃で10秒反応した後、所定量の
冷水を加えて、重合体固形分濃度を1%のホフマン分解
アクリルアミド系重合体水溶液からなる製紙用添加剤を
得た。この重合体のカチオン化度(pH2.5)は、コ
ロイド滴定より、1.10meq/gであった。このもの
は製造後5分以内に抄紙実験に使用した。
【0060】製造例17 製造例16の37%ホルマリン量を8.1g、ホルマリ
ンとともに添加する亜硫酸水素ナトリウム量を10.9
g、次亜塩素酸ナトリウムの量を8gに変更した以外
は、実施例16に記載の方法で反応を行い、ホフマン分
解アクリルアミド系重合体水溶液からなる製紙用添加剤
を得た。重合体の分析値は、表1に示した。
【0061】製造例18 製造例16の37%ホルマリン量を14.6g、ホルマ
リンとともに添加する亜硫酸水素ナトリウム量を19.
7g、次亜塩素酸ナトリウムの量を12gに変更した以
外は、実施例16に記載の方法で反応を行い、ホフマン
分解アクリルアミド系重合体水溶液からなる製紙用添加
剤を得た。重合体の分析値は、表1に示した。
【0062】抄造例1 500mlCSFであるL−BKP/N−BKP比が6
0/40の1%パルプスラリーに、硫酸バンドを対パル
プで1%(乾燥重量基準)添加して1分間撹拌し、次い
で、製造例1の製紙用添加剤の1%水溶液を対パルプで
0.2%(乾燥重量基準)添加した後さらに1分間撹拌
し、一部はJIS−P−8121に準じ、CSFを測定
し、残りはTAPPI角型シートマシンで抄紙した。次
いで、110℃のドラムドライヤーで3分間乾燥し、坪
量が80g/m2の手抄き紙を得た。比較製造例1〜
8、製造例2〜18の製紙用添加剤についても同様の操
作を繰り返した。また、製紙用添加剤を添加しないブラ
ンク紙についても同様の操作を行い調整した。手抄き紙
の評価に関しては、JIS−P−8113に準じて裂断
長を、熊谷理機製インターナルボンドテスターにてZ軸
強度測定を行った。また、手抄き紙の地合指数を野村商
事社製の地合測定機FMT−1000Aで測定した。結
果を添加後のパルプスラリーpHとともに表2に示し
た。
【0063】抄造例2 抄造例1の硫酸バンド量を対パルプで3%(乾燥重量基
準)に変更したほかは、抄造例1と同様の方法で手抄き
紙の調整、評価を行った。結果を添加後のパルプスラリ
ーpHとともに表3に示した。
【0064】抄造例3 400mlCSFである段ボール古紙の1%パルプスラ
リーに、硫酸バンドを対パルプで2%(乾燥重量基準)
添加して1分間撹拌し、つづいて、製造例1の製紙用添
加剤の1%水溶液を対パルプで0.2%(乾燥重量基
準)添加した後さらに1分間撹拌し、一部はJISP8
121に準じ、CSFを測定し、残りはTAPPI角型
シートマシンで抄紙した。次いで、110℃のドラムド
ライヤーで3分間乾燥し、坪量が150g/m2の手抄
き紙を得た。比較製造例1〜8、製造例2〜18の製紙
用添加剤についても同様の操作を繰り返した。また、製
紙用添加剤を添加しないブランク紙についても同様の操
作を行い調整した。手抄き紙の評価に関しては、JIS
−P−8112に準じて比破裂強さを、JIS−P−8
126に準じて比圧縮強さを測定した。結果を表4に添
加後のパルプスラリーpHとともに示した。
【0065】抄造例4 500mlCSFであるL−BKP/N−BKP比が6
0/40の3%パルプスラリーに、製造例1の製紙用添
加剤の1%水溶液を対パルプで0.2%(乾燥重量基
準)添加して後さらに1分間撹拌し、平均粒子径5.5
nmの軽質炭酸カルシウムを対パルプで20%(乾燥重量
基準)添加した後さらに1分間撹拌し、ゼータ電位+
9.6mV、平均粒子径260nmのアルキルケテンダイマ
ーサイズ剤を対パルプで0.2%(乾燥重量基準)添加
した後さらに1分間撹拌した。その後、硫酸でパルプス
ラリーのpHを約8に調整したのち、さらに1分間撹拌
し、一部はJIS−P−8121に準じ、CSFを測定
し、残りはTAPPI角型シートマシンで抄紙した。次
いで、110℃のドラムドライヤーで3分間乾燥し、坪
量が80g/m2の手抄き紙を得た。比較製造例1〜
8、製造例2〜18の製紙用添加剤についても同様の操
作を繰り返した。また、製紙用添加剤を添加しないブラ
ンク紙についても同様の操作を行い調整した。
【0066】手抄き紙の評価に関しては、JIS−P−
8122に準じてステキヒトサイズ度を、JIS−P−
8113に準じて裂断長を、熊谷理機製インターナルボ
ンドテスターにてZ軸強度測定を行った。また、手抄き
紙の地合指数を野村商事社製の地合測定機FMT−10
00Aで測定した。さらに、手抄き紙を900℃で、5
時間燃焼させた灰化物の測定から、軽質炭酸カルシウム
の歩留まり率を算出した。結果を添加後のパルプスラリ
ーpHとともに表5に示した。
【0067】抄造例5 500mlCSFであるL−BKP/N−BKP比が6
0/40の3%パルプスラリーに、平均粒子径7.6nm
のタルクを対パルプで20%(乾燥重量基準)添加した
後さらに1分間撹拌し、強化ロジンサイズ剤を対パルプ
で0.2%(乾燥重量基準)添加した後さらに1分間撹
拌し、硫酸バンドを対パルプで3%(乾燥重量基準)添
加して1分間撹拌し、次いで、水を加え1%のパルプス
ラリーとし、さらに1分間撹拌した。つづいて、製造例
1の製紙用添加剤の1%水溶液を対パルプで0.2%
(乾燥重量基準)添加した後さらに1分間撹拌し、一部
はJIS−P−8121に準じ、CSFを測定し、残り
はTAPPI角型シートマシンで抄紙した。次いで、1
10℃のドラムドライヤーで3分間乾燥し、坪量が80
g/m2の手抄き紙を得た。比較製造例1〜8、製造例
2〜18の製紙用添加剤についても同様の操作を繰り返
した。また、製紙用添加剤を添加しないブランク紙につ
いても同様の操作を行い調整した。
【0068】手抄き紙の評価に関しては、JIS−P−
8122に準じてステキヒトサイズ度を、JIS−P−
8113に準じて裂断長を、熊谷理機製インターナルボ
ンドテスターにてZ軸強度測定を行った。また、手抄き
紙の地合指数を野村商事社製の地合測定機FMT−10
00Aで測定した。さらに、手抄き紙を900℃で、5
時間燃焼させた灰化物の測定から、タルクの歩留まり率
を算出した。結果を表6に添加後のパルプスラリーpH
とともに示した。
【0069】抄造例6 400mlCSFであるL−BKP/コート損紙(A2
アート紙)比が70/30の3%パルプスラリーに、硫
酸バンドを対パルプで5%(乾燥重量基準)添加して1
分間撹拌し、つづいて、製造例1の製紙用添加剤の1%
水溶液を対パルプで0.2%(乾燥重量基準)添加した
後さらに1分間撹拌し、ゼータ電位が−18mV、平均粒
子径が300nmである強化ロジンエマルジョンサイズ剤
を対パルプで0.4%(乾燥重量基準)添加した後さら
に1分間撹拌し、一部はJIS−P−8121に準じ、
CSFを測定し、残りはTAPPI角型シートマシンで
抄紙した。次いで、110℃のドラムドライヤーで3分
間乾燥し、坪量が80g/m2の手抄き紙を得た。比較
製造例1〜8、製造例2〜18の製紙用添加剤について
も同様の操作を繰り返した。また、製紙用添加剤を添加
しないブランク紙についても同様の操作を行い調整し
た。手抄き紙の評価に関しては、JIS−P−8122
に準じてステキヒトサイズ度を、JIS−P−8113
に準じて裂断長を、熊谷理機製インターナルボンドテス
ターにてZ軸強度測定を行った。また、手抄き紙の地合
指数を野村商事社製の地合測定機FMT−1000Aで
測定した。結果を表7に添加後のパルプスラリーpHと
ともに示した。
【0070】
【発明の効果】本発明による製紙用添加剤は、従来公知
のホフマン分解アクリルアミド系重合体と比較して、抄
造例に示したように、さまざまな抄紙条件下において、
紙力強度発現効果、填料、サイズ剤の歩留まり効果にす
ぐれており、また、地合指数の値が小さいことから紙の
地合の悪化も少ないことがわかる。
【0071】例えば、表2および表3に示したように、
一般的な抄紙条件下において、本発明の製紙用添加剤
は、紙の地合悪化を抑制し、かつ、高い紙力向上をもた
らしており、pH5以下の酸性抄紙領域で、より、その
効果が大きい。また、パルプ原料の異なる古紙パルプ抄
紙系でも、同様の大きな効果を示すことが表4から明か
である。
【0072】さらに、表5のいわゆる中性抄紙(アルカ
リ抄紙)、表6の填料、サイズ剤を含んだ酸性抄紙の例
から、填料、サイズ剤に対して優れた相互作用を示し、
紙力強度発現効果、填料およびサイズ剤の歩留まり効
果、および地合調整効果に優れた製紙用添加剤であるこ
とが示される。
【0073】つぎに、表7では、コート損紙を含むパル
プの例を示した。このような系では、系中に、きょう雑
物が多く、また、硫酸バンドの使用量も多く、製紙用添
加剤の効果は、発揮されがたいものであるが、本発明の
製紙用添加剤は、高いサイズ度、紙力強度をもたらして
おり、その効果が優れたものであることは明白である。
【0074】抄造例1から6いずれにおいても、本発明
の製紙用添加剤と、スルホン酸基を全く含有しないホフ
マン分解アクリルアミド系重合体、あるいは、スルホン
酸基を20モル%より多く含有するものとの効果の差
は、歴然としている。また、これら効果が、スルホン酸
基特有の効果であることは、抄造例1から6に用いた、
比較製造例5および6のアクリル酸によるカルボキシル
基が同様の効果を示さないことからも明白である。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
フロントページの続き (72)発明者 阿部 鐘子 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 伊藤 博 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−41898(JP,A) 特開 平4−55405(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸基を0.1〜20mol%含有
    するアクリルアミド系重合体をアルカリ性領域下で次亜
    ハロゲン酸塩と反応させることを特徴とする製紙用添加
    剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法によって製造された
    製紙用添加剤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の製紙用添加剤を、紙の抄
    造工程中において、パルプスラリー中に添加することを
    特徴とする、地合悪化が小さく紙力強度の高い紙の抄造
    方法。
  4. 【請求項4】 紙の抄造pHが5以下である請求項3記
    載の紙の抄造方法。
  5. 【請求項5】 紙の抄造工程中において、硫酸バンドが
    添加される請求項3記載の紙の抄造方法。
  6. 【請求項6】 紙の抄造工程中において、填料が添加さ
    れる請求項3記載の紙の抄造方法。
  7. 【請求項7】 紙の抄造工程中において、サイズ剤が添
    加される請求項3記載の紙の抄造方法。
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