JP3461715B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
トナーの製造方法Info
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Description
に関する。更に詳しくは、本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像を現
像するためのトナーの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】電子写真法、静電記録法、静電印刷法等
において形成される静電潜像の現像は、一般に光導電性
部材上に構成された静電潜像に、正または負に帯電させ
たトナーを静電的に付着させた後、紙にトナーを静電転
写し、転写されたトナーを熱ローラーで定着させること
によって行われる。静電潜像に用いられるトナーは、主
成分としてバインダー樹脂と着色剤を含む、平均粒子径
3〜20μmの着色粒子で、キャリアや帯電ローラーと
の摩擦により正または負に帯電する性質を有している。
トナーの帯電量は、適正値より大きいと画像濃度が低く
なり、逆に適正値より小さいとトナー飛散や地肌カブリ
等の問題が発生する。このトナーの帯電量を適正値に制
御するために、トナー中に4級アンモニウム塩やクロム
−アゾ錯体等の帯電制御剤を添加することが知られてい
る。 【0003】しかしながら、従来の帯電制御剤は、時間
経過とともにトナーの帯電量が増加し画像濃度が低下す
るといった欠点があった。更に、トナー全体の帯電量が
増加しなくても、連続コピーにより新規に補給されたト
ナーと長時間現像槽で攪拌されている残存トナーとの間
に帯電量の差が生まれ、その結果、帯電量分布がブロー
ドになり、転写効率が低下する欠点もあった。 【0004】上記帯電量の増加や帯電量分布のブロード
化を防ぐために、トナー粒子中に電荷が蓄積し帯電量が
上昇していかないように、トナーの抵抗を低くする方法
が考えられる。また、特開平3−231759号公報で
は、トナーへ電荷が蓄積し、帯電量が上昇することを防
ぐ方法として体積抵抗率が1012Ω・cm以下の樹脂微
粒子を表面に固着したトナーが開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の方法の
場合、転写工程におけるトナーの電気絶縁性が低下し転
写効率が悪化するといった欠点がある。一方、後者の特
開平3−231759号公報の方法の場合、樹脂微粒子
の作製上、必然的に残存する樹脂微粒子表面の親水基の
ために、これを使用したトナーの表面抵抗は湿度の影響
を受けやすい。従って、低湿条件下でのトナー帯電量上
昇や転写効率低下の防止と、高湿条件下での転写効率低
下の防止とを同時に満足させることが困難であった。 【0006】 【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、体積抵抗率が1010〜1012Ω・cmで、平均粒子
径が0.1μm以下の第1の疎水性無機微粒子を、少な
くともバインダー樹脂と着色剤からなる平均粒子径が5
〜20μmの着色粒子の表面に、着色粒子100重量部
に対して0.5〜2重量部の添加割合で、かつトナーの
BET比表面積が1m2/g以下の平滑な表面になるよ
うな条件下で、第1の疎水性無機微粒子がキャリアや感
光体表面へ移動することを防止するために、第1の疎水
性無機微粒子が着色粒子から離脱しない状態で固着させ
た後、第1の疎水性無機微粒子が固着したトナーの表面
に、10 10 〜10 12 Ω・cmの体積抵抗率、0.1μm
以下の平均粒子径を有する第2の疎水性無機微粒子を、
トナー100重量部に対して、0.05〜0.3重量部
の添加割合で、流動可能な状態で付着させることを特徴
とするトナーの製造方法が提供される。 【0007】本発明では、上記のように、所定の値の体
積抵抗率を有する疎水性無機微粒子を、着色粒子の表面
に適量固着することで、トナーの絶縁性を失うことな
く、帯電量の上昇を防止することが可能となる。 【0008】 【発明の実施の態様】本発明に使用される疎水性無機微
粒子は、1010〜1012Ω・cmの体積抵抗率を有する
ものであれば、特に限定されない。この範囲の体積抵抗
率を有する疎水性無機微粒子を使用することにより、ト
ナーの絶縁性を失わずにトナーの帯電量上昇を防ぐこと
ができる。ここで、体積抵抗率が1012Ω・cmより高
いと、トナーに注入された電荷が漏洩しにくく、トナー
の帯電量が時間の経過とともに上昇するため好ましくな
い。一方、体積抵抗率が1010Ω・cmより低いと、ト
ナーの電気絶縁性が低くなり、転写効率が低下するため
好ましくない。好ましい体積抵抗率は、2×1011〜1
012Ω・cmである。 【0009】また、疎水性無機微粒子は、50μc/g
以上の帯電量を有していることが好ましい。50μc/
g以上の帯電量を有することにより、帯電付与能力を改
善することが可能となる。より好ましい帯電量は、70
〜200μc/gである。更に、疎水性無機微粒子は、
0.1μm以下の平均粒子径を有していることが好まし
い。平均粒子径が0.1μmより大きくなると、疎水性
無機微粒子が着色粒子の表面に固着されにくくなり、長
時間トナーを使用することで、着色粒子の表面から離脱
し、帯電量等に悪影響を与えるため好ましくない。より
好ましい平均粒子径は、0.01〜0.05μmであ
る。 【0010】ここで、疎水性無機微粒子は、体積抵抗率
が109 Ω・cm以下の無機微粒子を表面処理剤で処理
することにより、帯電性を付与して体積抵抗率を1010
〜1012Ω・cmに調節したものを使用してもよい。こ
のようにして体積抵抗率を調節した疎水性無機微粒子
は、帯電性と絶縁性を表面で、抵抗調節機能を内部でそ
れぞれ分担させることができるため、疎水性無機微粒子
の内部に電荷が蓄積していくことなく安定した帯電量を
有するトナーを得ることができる。 【0011】体積抵抗率が109 Ω・cm以下の無機微
粒子としては、酸化チタンやマグネタイトの微粒子等を
使用することができる。無機微粒子に帯電性を付与する
表面処理剤としては、特に限定されることなく、公知の
ものをいずれも使用することができる。表面処理剤で無
機微粒子を処理することにより、得られる疎水性無機微
粒子の帯電性や疎水性等を表面処理剤を構成する分子の
構造に応じて所望の特性に制御することができる。 【0012】表面処理剤としては、例えば、フッ素化ア
ルキル基及び/又はアミノ基を含有するシランカップリ
ング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。特
に分子内にフッ素化アルキル基を含有するシランカップ
リング剤は、高湿環境下においても安定した帯電性を示
し、トナー内部に電荷制御剤を添加しなくとも十分な帯
電性をトナーに与えうる疎水性無機微粒子を提供するこ
とができるため好ましい。 【0013】フッ素化アルキル基を含有するシランカッ
プリング剤の具体的としては、CF 3 CH2 CH2 Si
(OCH3 )3 、CF3 CF2 CH2 CH2 Si(CH
3 )(OCH3 )2 、CF3 CF2 SiCl3 、CF3
CF2 CF2 CH2 SiCl 3 、CF3 CH2 CH2 S
i(CH3 )(OCH3 )2 、n−C8 F17CH2 CH
2 Si(OCH3 )3 、n−C8 F17CH2 CH2 Si
(CH3 )(OCH3)2 、n−C4 F9 CH2 CH2
Si(OCH3 )3 、CF3 CH2 CH2 Si(C
H3 )(OCH3 )2 、C7 F15CONHCH2 CH2
Si(OCH2 CH 3 )3 、C8 F17SO2 NHCH2
CH2 CH2 Si(OCH2 CH3 )3 、CF3 SO3
Si(CH3 )2 (OCH3 )、C7 F15COOCH2
CH2 Si(OCH3 )3 、C9 F19SCH2 CH2 S
i(OCH3 )3 、CF3 CF2 CH 2 COSCH2 S
i(OCH3 )3 等が挙げられる。 【0014】表面処理剤による無機微粒子の処理方法と
しては、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用す
ることができる。例えば、処理方法としては、ミキサー
中で無機微粒子を攪拌しながら、アルコールに溶かした
表面処理剤をスプレーで吹き付けた後、流動乾燥させる
方法等が挙げられる。次に、本発明に使用される着色粒
子は、少なくともバインダー樹脂と着色剤からなる。バ
インダー樹脂と着色剤は、トナーに使用することができ
るものであれば、特に限定されない。 【0015】バインダー樹脂としては、例えば、スチレ
ン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−
アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリル樹脂、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン−アクリル
−無水マレイン酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変成ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。 【0016】着色剤としては、例えば、カーボンブラッ
クや磁性粉の他、ニトロ系、スチルベンアゾ系、ジフェ
ニルメタン系、トリフェニルメタン系、メチン系、チア
ゾール系、アントラキノン系、イミダミン系、アジン
系、オキサアジン系、チアジン系、硫化染料系、インジ
ゴイド系、フタロシアニン系の有機染料や顔料等が挙げ
られる。 【0017】バインダー樹脂と着色剤は、それらの種類
により相違するが、着色剤がバインダー樹脂100重量
部に対して5〜50重量部の割合で着色粒子中に存在す
ることが好ましい。着色剤が、5重量部より少ない場
合、画像濃度が低下するので好ましくない。一方、50
重量部より多い場合、定着性が低下するので好ましくな
い。 【0018】着色粒子には、バインダー樹脂と着色剤以
外にも、帯電付与剤、定着離型剤等の他の添加物を加え
てもよい。ここで、帯電付与剤は、トナーが十分な帯電
性を有する場合は添加しなくてもよく、十分な帯電性を
有しない場合は、帯電性を補助するために、バインダー
樹脂100重量部に対して、例えば1〜2重量部程度添
加してもよい。また、定着離型剤は、例えば、バインダ
ー樹脂100重量部に対して、1〜5重量部程度添加し
てもよい。 【0019】更に、本発明では着色粒子は、5〜20μ
mの平均粒子径を有している。ここで、平均粒子径が、
20μmより大きい場合、解像度が低下するので好まし
くない。一方、5μmより小さい場合、トナー流動性が
低下するので好ましくない。好ましい平均粒子径は、5
〜10μmである。また、着色粒子は、1012Ω・cm
以上の体積抵抗率を有していることが好ましい。1012
Ω・cm以上の体積抵抗率を有することにより、電気絶
縁性を高めることができるため、トナーの転写効率を高
めることが可能となる。より好ましい体積抵抗率は、1
012〜1013Ω・cmである。 【0020】着色粒子の製造方法は、特に限定されず、
公知の方法をいずれも使用することができる。例えば、
バインダー樹脂、着色剤及び任意に他の添加物をヘンシ
ェルミキサー等の混合機で混合した後、2軸混練機で加
熱溶融混練する。得られた混練物を、ジェットミル等の
粉砕機により粉砕することにより着色粒子を得る混練粉
砕法が挙げられる。この方法以外にも、バインダー樹脂
製造用のモノマー中に着色剤及び任意に他の添加剤を分
散させる。得られた分散物を懸濁重合させることにより
着色粒子を得る重合法がある。 【0021】本発明のトナーは、疎水性無機微粒子が着
色粒子の表面に固着された構造を有している。疎水性無
機微粒子と着色粒子は、着色粒子100重量部に対し
て、疎水性無機微粒子が0.5〜2重量部の添加割合と
なるように使用される。ここで、疎水性無機微粒子の添
加割合が0.5重量部より少ない場合、帯電量の上昇を
防ぐことが困難なため好ましくない。一方、2重量部よ
り多い場合、定着性が悪化するため好ましくない。好ま
しい疎水性無機微粒子の添加割合は、着色粒子100重
量部に対して、0.7〜1.5重量部である。 【0022】疎水性無機微粒子の帯電性はトナーの初期
帯電を向上させるため、より帯電性の高い無機微粒子を
表面に固着することで、トナーの飛散を著しく減少させ
ることができる。着色粒子へ疎水性無機微粒子を固着す
る方法としては、例えば着色粒子と疎水性無機微粒子を
ヘンシェルミキサー等の混合機で混合した後、サフュー
ジョンシステムやスプレードライ装置を用いて高温気流
中で加熱処理する方法やハイブリダイザーやオングミル
等のメカノフュージョン装置を用いて固着する方法が挙
げられる。なお、着色粒子に対する疎水性無機微粒子の
固着状態によっては、トナーを長期使用する場合、疎水
性無機微粒子が離脱したりすることがあるため、トナー
のBET比表面積が1m2 /g以下の平滑な表面になる
ような条件下で固着することが好ましい。 【0023】なお、疎水性無機微粒子が着色粒子の表面
に固着されていない場合であっても、トナーの帯電量を
安定化させる効果は期待できる。しかし、着色粒子の表
面から多量の疎水性無機微粒子が、キャリアや感光体表
面に移動することによって、カブリやトナー飛散等の不
具合が生じるため、疎水性無機微粒子は、着色粒子の表
面に固着されている必要がある。 【0024】ここで、本発明でいう固着とは、キャリア
とトナーとを現像装置内で攪拌した時に、疎水性無機微
粒子が着色粒子から離脱しない状態にあることを意味す
る。この状態は、現像槽内で1分間攪拌したのち、SE
Mでキャリア表面を観察することにより確認することが
できる。上記本発明のトナーの流動性を更に向上させる
ために、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機微粒子
を流動可能な状態でトナーの表面に付着させてもよい。
なお、以下では、流動可能な状態の無機微粒子を、第2
の無機微粒子と称する。第2の無機微粒子は、トナー1
00重量部に対して、0.05〜0.3重量部の添加割
合で付着させることが好ましい。0.05重量部より少
ない場合、流動性が十分向上しないので好ましくない。
一方、0.3重量部より多い場合、トナーの表面からキ
ャリアの表面に移動する第2の無機微粒子の量が多くな
る。その結果、カブリやトナー飛散等が生じるため好ま
しくない。 【0025】第2の無機微粒子は、トナーの表面抵抗の
湿度依存性を低くするために、表面が疎水化処理されて
いることが好ましい(以下、疎水化処理された第2の無
機微粒子を、第2の疎水性無機微粒子と称する)。更
に、第2の疎水性無機微粒子は、1010〜1012Ω・c
mの範囲の体積抵抗率を有することが好ましい。体積抵
抗率が1012Ω・cmより大きい場合、第2の疎水性無
機微粒子内部に電荷が蓄積され、その結果トナーの帯電
量が上昇する。そのため画像濃度や転写効率の低下が起
こるので好ましくない。一方、体積抵抗率が1010Ω・
cmより小さい場合、絶縁性や帯電量の低下により、転
写効率の低下やトナーの悲惨が発生するため好ましくな
い。第2の無機微粒子は0.1μm以下の平均粒子径を
通常有する。 【0026】なお、流動状態で付着される第2の無機微
粒子の帯電性は、トナーの初期帯電を向上させるため、
より帯電性の高い第2の無機微粒子を付着させること
で、トナーの初期帯電性が向上し、トナーの飛散を著し
く減少させることができる。特に分子内にフッ素化アル
キル基を含有するシランカップリング剤で表面処理され
た疎水性無機微粒子を第2の無機微粒子として使用する
ことによって、高湿環境下においてもトナーの初期帯電
性を著しく高めることができる。 【0027】ここで、本発明における体積抵抗率は、次
のように測定される。即ち、測定対象の粒子約1gを温
度20℃、相対湿度85%の環境下に24時間放置する
ことにより調湿する。この後、粒子を直径1cmの円筒
状容器に入れて、100kg/cm2 の力で加圧し、こ
れを電極で挟み、誘電体損測定装置を用いて100V、
1kHzの交流電流を流した際の誘電体損を測定するこ
とにより求めた。 【0028】また、本発明における疎水性は、メタノー
ル度30%以上を意味する。なお、本発明のトナーは、
キャリアと混ぜ合わせて2成分系現像剤として使用して
もよく、1成分系現像剤として使用してもよい。 【0029】 【実施例】以下に本発明を実施例によって説明するが、
本発明の実施の形態はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、以下において『部』は『重量部』を表
す。 【0030】 実施例1 ・バインダー樹脂 100部 (スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体) (Tg=63℃、軟化点=118℃) ・カーボンブラック(リーガル330R、キャボット社製) 5部 ・帯電制御剤(ボントロンS−34、オリエント社製) 1部 ・ワックス 3部 (低分子量ポリプロレン、ビスコールTP32、三洋化成社製) 以上の材料をヘンシェルミキサーにて10分間混合し、
2本ロールミルにより溶融混練し冷却後、ジェットミル
にて粉砕し、風力分級機により分級して平均粒子径1
0.1μm、体積抵抗率1.0×1012Ω・cmの負帯
電性の着色粒子を得た。 【0031】次に、シランカップリング剤{(CH3 )
2 Si(OCH3 )2 }で表面処理された酸化チタン微
粒子(体積抵抗率2×1010Ω・cm、平均粒子径0.
03μm)を疎水性無機微粒子として、前記着色粒子1
00部に対して0.5部の添加割合で加え、ヘンシェル
ミキサーにて15分間混合した。この後、NPK社製サ
フュージョンシステムにて320℃の熱風で着色粒子の
表面に酸化チタン微粒子を固着することにより、BET
比表面積が0.88m2 /gのトナーを得た。 【0032】上記トナーとアクリル樹脂でコートした平
均粒子径100μmのフェライトキャリアを混合して現
像剤を作製した。この現像剤を用いて、35℃/85%
の高湿環境下並びに5℃/20%の低湿環境下におい
て、シャープ製複写機AR−5030で5万枚の連続複
写試験を行った。その結果、安定した帯電量、画像濃度
が得られ、トナー飛散及び転写効率に問題はなかった。 【0033】実施例2 酸化チタン微粒子の添加量を2部にすること以外は、実
施例1と同様の方法でトナー及び現像剤を作製し連続複
写試験を行った。その結果、安定した帯電量、画像濃度
が得られ、トナー飛散、転写効率ともに問題はなかっ
た。 【0034】 実施例3 ・バインダー樹脂 100部 (スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体) (Tg=63℃、軟化点=118℃) ・カーボンブラック(リーガル330R、キャボット社製) 5部 ・ワックス 3部 (低分子量ポリプロピレン、ビスコールTP32、三洋化成社製) 以上の材料をヘンシェルミキサーにて10分間混合し、
2本ロールミルにより溶融混練し冷却後、ジェットミル
にて粉砕し、風力分級機により分級して平均粒子径1
0.1μm、体積抵抗率1.0×1012Ω・cmの着色
粒子を得た。 【0035】次に、体積抵抗率が109 Ω・cm以下
で、平均粒子径が0.03μmの酸化チタン微粒子をフ
ッ素化アルキル基を含有したシランカップリング剤{C
F3 CH2 CH2 Si(OCH3 )3 }で表面処理し
た。得られた酸化チタン微粒子(体積抵抗率2×1011
Ω・cm、平均粒子径0.03μm)を疎水性無機微粒
子として、前記着色粒子100部に対して0.7部の添
加割合で加え、ヘンシェルミキサーにて15分間混合し
た。この後、NPK社製サフュージョンシステムにて3
20℃の熱風で着色粒子の表面に固着することにより、
BET比表面積が0.89m2 /gのトナーを得た。 【0036】上記トナー粒子を用いて、実施例1と同様
の方法で現像剤を作製し、連続複写試験を行った。その
結果、安定した帯電量、画像濃度が得られ、トナー飛散
及び転写効率に問題はなかった。 【0037】実施例4 体積抵抗率が109 Ω・cm以下で、平均粒子径が0.
03μmの酸化チタン微粒子をフッ素化アルキル基を含
有したシランカップリング剤{CF3 CF2 CH2 CH
2 Si(CH3 )(OCH3 )2 }で表面処理した。得
られた酸化チタン微粒子(体積抵抗率8×1011Ω・c
m、平均粒子径0.03μm)を疎水性無機微粒子とし
て使用すること以外は、実施例3と同様の方法でトナー
及び現像剤を作製し連続複写試験を行った。その結果、
安定した帯電量、画像濃度が得られ、トナー飛散及び転
写効率に問題はなかった。 【0038】実施例5 体積抵抗率が109 Ω・cm以下で、平均粒子径が0.
03μmの酸化チタン微粒子をフッ素化アルキル基を含
有したシランカップリング剤{CF3 CH2 CH2 Si
(CH3 )(OCH3 )2 }で表面処理した。得られた
酸化チタン微粒子(体積抵抗率5×1011Ω・cm、平
均粒子径0.03μm)を疎水性無機微粒子として使用
すること以外は、実施例3と同様の方法でトナー及び現
像剤を作製し連続複写試験を行った。その結果、安定し
た帯電量、画像濃度が得られ、トナー飛散及び転写効率
に問題はなかった。 【0039】実施例6 体積抵抗率が109 Ω・cm以下で、平均粒子径が0.
03μmの酸化チタン微粒子をフッ素化アルキル基を含
有したシランカップリング剤{CF3 CH2 CH2 Si
(OCH3 )3 }で表面処理した。得られた酸化チタン
微粒子(体積抵抗率2×1011Ω・cm、平均粒子径
0.03μm)を第2の疎水性無機微粒子として、実施
例3で製造したトナー100部に対して0.2部を加
え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合することによ
り、流動可能な状態で酸化チタン微粒子をトナー表面に
固着させた。 【0040】上記トナーを用いて、実施例1と同様の方
法で現像剤を作製し連続複写試験を行った。その結果、
安定した帯電量、画像濃度が得られ、トナー飛散及び転
写効率に問題はなかった。 【0041】 比較例1 ・バインダー樹脂 100部 (スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体) (Tg=63℃、軟化点=118℃) ・カーボンブラック(リーガル330R、キャボット社製) 5部 ・帯電制御剤(ボントロンS−34、オリエント社製) 1部 ・ワックス 3部 (低分子量ポリプロピレン、ビスコールTP32、三洋化成社製) 以上の材料をヘンシェルミキサーにて10分間混合し、
2本ロールミルにより溶融混練した。得られた混練物を
冷却した後、ジェットミルにて粉砕し、更に風力分級機
により分級することにより平均粒子径10.1μm、体
積抵抗率1.0×1012Ω・cmの負帯電性トナーを得
た。 【0042】上記トナーを用いて、実施例1と同様の方
法で現像剤を作成し、連続複写試験を行った。その結
果、特に低温低湿環境下で帯電量が上昇し、画像濃度が
低下した。 【0043】比較例2 酸化チタン微粒子を4部使用すること以外は、実施例1
と同様の方法でトナー及び現像剤を作製し、連続複写試
験を行った。その結果、コピー画像の定着汚れが発生し
た。 【0044】比較例3 酸化チタン微粒子を0.3部使用すること以外は、実施
例1と同様の方法でトナー及び現像剤を作製し、連続複
写試験を行った。その結果、特に低温低湿環境下で帯電
量が上昇し、画像濃度が低下した。 【0045】比較例4 体積抵抗率が109 Ω・cm以下の酸化チタン微粒子を
1部使用すること以外は、実施例1と同様の方法でトナ
ー及び現像剤を作製し、連続複写試験を行った。その結
果、転写効率が低く、トナー飛散が多く発生した。 【0046】比較例5 体積抵抗率が1013Ω・cmのシリカ微粒子(R97
2、日本アエロジル社製)を1部使用すること以外は、
実施例1と同様の方法でトナー及び現像剤を作製し、連
続複写試験を行った。その結果、特に低温低湿環境下で
帯電量が上昇し、画像濃度が低下するとともに転写効率
が低くなった。 【0047】上記実施例1〜6及び比較例1〜5の連続
複写試験における帯電量、画像濃度、転写効率の結果を
表1及び表2に記載した。なお、表1は、5℃、湿度2
0%の低温低湿環境下での結果を示しており、表2は、
35℃、湿度85%の高温高湿環境下での結果を示して
いる。 【0048】 【表1】 【0049】 【表2】 【0050】上記表1及び表2から明らかなように本実
施例のトナーは、比較例のトナーと比較して、低温低湿
度環境下及び高温高湿度環境下のいずれにおいても、帯
電量、画像濃度及び転写効率に優れていた。 【0051】 【発明の効果】本発明のトナーは、着色粒子の表面に最
適な体積抵抗率値をもつ疎水性無機微粒子が一定量固着
された構造を有しているため、長期の使用においても電
荷蓄積によるトナー帯電量の上昇や帯電量分布のブロー
ド化が少なく、高湿環境下において優れた電気絶縁性を
有する。従って、環境依存性が低く、画像濃度の安定性
と転写効率に優れたトナーを提供することができる。 【0052】更に、疎水性無機微粒子に特定の帯電性材
料を用いることにより、帯電量の立ち上がりを速め、ト
ナーの飛散を著しく減少させることができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 体積抵抗率が1010〜1012Ω・cm
で、平均粒子径が0.1μm以下の第1の疎水性無機微
粒子を、少なくともバインダー樹脂と着色剤からなる平
均粒子径が5〜20μmの着色粒子の表面に、着色粒子
100重量部に対して0.5〜2重量部の添加割合で、
かつトナーのBET比表面積が1m2/g以下の平滑な
表面になるような条件下で、第1の疎水性無機微粒子が
キャリアや感光体表面へ移動することを防止するため
に、第1の疎水性無機微粒子が着色粒子から離脱しない
状態で固着させた後、第1の疎水性無機微粒子が固着した トナーの表面に、1
0 10 〜10 12 Ω・cmの体積抵抗率、0.1μm以下の
平均粒子径を有する第2の疎水性無機微粒子を、トナー
100重量部に対して、0.05〜0.3重量部の添加
割合で、流動可能な状態で付着させることを特徴とする
トナーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7240298A JP3461715B2 (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | トナーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7240298A JP3461715B2 (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | トナーの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11272007A JPH11272007A (ja) | 1999-10-08 |
JP3461715B2 true JP3461715B2 (ja) | 2003-10-27 |
Family
ID=13488261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7240298A Expired - Fee Related JP3461715B2 (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | トナーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3461715B2 (ja) |
-
1998
- 1998-03-20 JP JP7240298A patent/JP3461715B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH11272007A (ja) | 1999-10-08 |
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