JP3461471B2 - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JP3461471B2
JP3461471B2 JP22421999A JP22421999A JP3461471B2 JP 3461471 B2 JP3461471 B2 JP 3461471B2 JP 22421999 A JP22421999 A JP 22421999A JP 22421999 A JP22421999 A JP 22421999A JP 3461471 B2 JP3461471 B2 JP 3461471B2
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恵里 秋山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素系油剤及び
フッ素化合物処理粉体が水中に均一かつ安定に分散さ
れ、さっぱりとして良好な感触で、しかも耐水性及び耐
油性に優れた水中油型乳化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料に耐水性及び耐油性を付与するた
め、フッ素系油剤とフッ素化合物処理粉体が用いられて
いる(特開平4−91008号等)。しかし、これら
は、水中油型化粧料中に安定に分散させるのが困難であ
り、例えばアクリル酸系ポリマー等を併用する試みがな
されているが(特開平9−143023号等)、乳化性
や使用感の点で未だ十分満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素系油剤及びフッ素化合物処理粉体が水中に安定に分散
され、さっぱりとして良好な感触で、耐水性及び耐油性
に優れた水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フッ素系
油剤及びフッ素化合物処理粉体とともに、特定の水溶性
多糖誘導体を用いれば、前記課題を解決した優れた水中
油型乳化化粧料が得られることを見出した。
【0005】本発明は、(A)パーフルオロデカリン、
パーフルオロアダマンタン、パーフルオロブチルテトラ
ハイドロフラン、パーフルオロオクタン、パーフルオロ
ノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロデカン、
パーフルオロドデカン、一般式(1)で表わされるパー
フルオロポリエーテル、及びフッ素変性シリコーンから
選ばれる常温で液体のパーフルオロ有機化合物、
【化3】 (式中、R1、R3、R4及びR5は同一又は異なって、フ
ッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロア
ルキルオキシ基を示し、R2はフッ素原子又はパーフル
オロアルキル基を示し、a、b及びcは分子量が500
〜100,000となる0以上の数を示す) (B)フッ素化合物処理粉体、並びに (C)多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原
子の一部又は全てが、(a)炭素数8〜40の直鎖又は
分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル
基及びアルキルアリール基から選ばれる疎水部を有する
置換基、及び(b)メチル基、ヒドロキシエチル基、ヒ
ドロキシプロピル基、ポリオキシエチレン基、ポリグリ
セリン基及びヒドロキシル基が置換していてもよいスル
ホアルキル基から選ばれる置換基で置換されており、置
換基(a)と置換基(b)の置換度の比が1:1000
〜100:1である水溶性多糖誘導体を含有する水中油
型乳化化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる成分(A)のフッ
素系油剤としては、常温で液体のパーフルオロ有機化合
物で、例えばパーフルオロデカリン、パーフルオロアダ
マンタン、パーフルオロブチルテトラハイドロフラン、
パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフル
オロペンタン、パーフルオロデカン、パーフルオロドデ
カン、一般式(1)で表わされるパーフルオロポリエー
テル、及びフッ素変性シリコーンなどが挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】(式中、R1 、R3 、R4 及びR5 は同一
又は異なって、フッ素原子、パーフルオロアルキル基又
はパーフルオロアルキルオキシ基を示し、R2 はフッ素
原子又はパーフルオロアルキル基を示し、a、b及びc
は分子量が500〜100,000となる0以上の数を
示す)なお、ここでカッコ内に示される各パーフルオロ
基はこの順でブロック状に並んでいる必要はなく、ラン
ダムでもよい。かかるパーフルオロポリエーテルとして
は、特に20℃における粘度が5〜5,000mm2/sの
液状のものが好ましく、例えばフォンブリンHC−0
4、HC−25、HC−R(以上、アウシモント社製)
や、デムナムS−20、S−65、S−100、S−2
00(以上、ダイキン工業社製)等の市販品を使用でき
る。
【0009】また、フッ素変性シリコーンとしては、例
えば下記一般式(2)〜(5)で表わされる構造単位の
1以上と下記一般式(6)で表わされる構造単位とを有
する変性シリコーンが挙げられる。
【0010】
【化2】
【0011】〔式中、Rf及びRf′は、同一又は相異
なって、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のパーフルオ
ロアルキル基又は次式:H(CF2)t-(tは1〜20の整数
を示す)で表わされるω−H−パーフルオロアルキル基
を示し;R11、R14及びR15は、同一又は相異なって、
炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10
の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R12は、水
素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数5
〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基、炭素数1〜
20のパーフルオロアルキル基又は次式:H(CF2)t-(t
は1〜20の整数を示す)で表わされるω−H−パーフ
ルオロアルキル基を示し;R13は、炭素数2〜6の2価
の炭化水素基を示し;X及びYは、単結合、-CO-又は炭
素数1〜6の2価の炭化水素基を示し;lは2〜16の
数を示し、m及びnはそれぞれ1〜16の数を示し、p
は1〜200の数を示し、rは0〜20の数を示し、s
は0〜200の数を示す。〕
【0012】本発明において、フッ素変性シリコーンの
好ましい例としては、一般式(3)及び一般式(6)で
表わされる構造単位を有する、特開平5−247214
号公報に記載された重合度2〜200のフッ素変性シリ
コーン、一般式(4)及び一般式(6)で表わされる構
造単位を有する、特開平6−184312号公報に記載
された重合度2〜200のフッ素変性シリコーン、市販
品である旭硝子社製のFSL−300、信越化学工業社
製のX−22−819、X−22−820、X−22−
821、X−22−822及びFL−100、東レダウ
コーニングシリコーン社製のFS1265等を挙げるこ
とができる。
【0013】成分(A)のフッ素系油剤は、1種以上を
用いることができ、全組成中に1〜50重量%、特に5
〜40重量%、更に5〜30重量%配合するのが、使用
感及び乳化安定性により優れるので好ましい。
【0014】本発明で用いる成分(B)のフッ素化合物
処理粉体は、粉体を例えばポリフルオロアルキルリン酸
(米国特許第3632744号)、フルオロアルキルジ
(オキシエチル)アミンリン酸エステル(特開昭62−
250074号)、パーフルオロアルキル基を有する樹
脂(特開昭55−167209号)、四フッ化エチレン
樹脂、パーフルオロアルコール、パーフルオロエポキシ
化合物、スルホアミド型フルオロリン酸、パーフルオロ
硫酸塩、パーフルオロカルボン酸塩、パーフルオロアル
キルシラン(信越シリコーン社製、LP−1T、LP−
4T、LP−8T等のシランカップリング剤)などのフ
ッ素化合物で常法により処理したものである。
【0015】処理される粉体としては、顔料、紫外線吸
収剤等の水及び油に実質的に不溶な物質であれば特に制
限されず、例えば酸化チタン、酸化鉄、群青、亜鉛華、
酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、マイカ、セリサ
イト、タルク、シリカ、カオリン、水酸化クロム、カー
ボンブラック等の無機顔料;ナイロンパウダー、ポリメ
チルメタクリレート、スチレン−ジビニルベンゼン共重
合体、ポリエチレン粉末等の有機粉体及び微粒子酸化チ
タン、微粒子酸化亜鉛、板状酸化亜鉛等の紫外線吸収剤
などが挙げられる。
【0016】フッ素化合物の処理量は、粉体及び処理剤
の種類によっても異なるが、粉体の0.1〜50重量
%、特に2〜20重量%であるのが、撥水性とのびの点
で好ましい。
【0017】成分(B)のフッ素化合物処理粉体は、1
種以上を用いることができ、全組成中に1〜50重量
%、特に1〜30重量%配合するのが、粉体の分散性が
良好であり好ましい。
【0018】本発明で用いる成分(C)の疎水基と親水
基とを有する水溶性多糖誘導体としては、炭素数8以上
の炭化水素基を有するものが好ましく、例えば多糖類又
はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全
てが、(a)炭素数8〜40のアルキル基、アルケニル
基、アリールアルキル基及びアルキルアリール基から選
ばれる疎水部を有する置換基、及び(b)ヒドロキシル
基が置換していてもよいイオン性又は非イオン性の親水
部を有する置換基で置換されており、置換基(a)と置
換基(b)の置換度の比が1:1000〜100:1で
ある水溶性多糖誘導体等が挙げられる。
【0019】ここで、置換基(a)としては、例えば炭
素数8〜40のアルキル基、アルケニル基、アリールア
ルキル基、アルキルアリール基、アルキルエーテル基、
アルケニルエーテル基、アリールアルキルエーテル基等
が挙げられ、特に炭素数10〜40のアルキル基又はア
ルケニル基を有する置換グリセリルエーテル基が好まし
い。具体的には、2−ヒドロキシ−3−アルコキシプロ
ピル基、2−アルコキシ−1−(ヒドロキシメチル)エ
チル基、2−ヒドロキシ−3−アルケニルオキシプロピ
ル基、2−アルケニルオキシ−1−(ヒドロキシメチ
ル)エチル基が挙げられる。
【0020】また、置換基(b)としては、例えばメチ
ル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポ
リオキシエチレン基、ポリグリセリン基、スルホアルキ
ル基等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシル基が
置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又
はその塩が好ましく、具体的には2−スルホエチル基、
3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプ
ロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチ
ル基等が挙げられ、それらスルホ基の全てあるいは一部
がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン類等の有機
カチオン基、アンモニウムイオンなどとの塩となってい
てもよい。
【0021】置換基(a)の置換度は、構成単糖残基当
たり0.001〜1、特に0.002〜0.5、更に
0.003〜0.1であるのが好ましく、置換基(b)
の置換度は、構成単糖残基当たり0.01〜2.5、特
に0.02〜2、更に0.1〜1.5であるのが好まし
い。また、置換基(a)と置換基(b)の置換度の比は
1:1000〜100:1、特に1:500〜10:
1、更に1:300〜10:1であるのが好ましい。
【0022】また、成分(C)の多糖誘導体の基本骨格
は公知の多糖類から選択され、特にセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。ま
た、これら多糖類又はその誘導体の重量平均分子量は、
1万〜1000万、特に10万〜500万、更に30万
〜200万の範囲が好ましい。
【0023】このような水溶性多糖誘導体は、例えば特
開平11−12119号公報に記載の方法により、多糖
類又はその誘導体に疎水性置換基(a)及び親水性置換
基(b)を順次又は同時に導入することにより製造され
る。
【0024】また、成分(C)の水溶性多糖誘導体とし
ては、特開平3-12401号公報の実施例1〜3に記載され
ている変性セルロースエーテルや、米国特許第4228277
号に記載されている非イオン長鎖アルキル化セルロース
エーテル;市販品としてはナトロゾル・プラス(NAT
ROSOL PLUS)330やナトロゾル・プラスC
S(NATROSOL PLUS)D−67(アクアロ
ン・カンパニー社製)等のアルキル変性ヒドロキシエチ
ルセルロースや、疎水化変性スルホン化多糖誘導体など
も好適に使用できる。
【0025】成分(C)の水溶性多糖誘導体は、1種以
上を用いることができ、全組成中に0.01〜10重量
%、特に0.02〜5重量%、更に0.05〜3重量%
配合するのが、十分な分散性が得られるとともに、使用
感も良好であり好ましい。
【0026】本発明の化粧料には、前記成分のほか、通
常の化粧料に配合される成分、例えば界面活性剤、油
分、保湿剤、皮膜形成剤、油ゲル化剤、紫外線吸収剤、
着色顔料、他の疎水化処理粉体、無機金属塩類、有機金
属塩類、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐
剤、他の増粘剤、薬効成分、色素、香料、水等を、適宜
配合できる。
【0027】本発明の化粧料は、通常の方法に従って、
水中油型乳化化粧料として調製され、乳液、クリーム、
化粧用下地、ファンデーション、サンケア剤、口紅、ほ
お紅、アイシャドウ、脚用メイクアップ剤、腕用メイク
アップ剤、首用メイクアップ剤、指用メイクアップ剤等
として適用できる。
【0028】本発明の化粧料は耐水性に優れたものであ
るが、この耐水性の基準としては、化粧料塗布膜に対す
る水の接触角で評価することができる。すなわち、人工
皮革シート(ポリウレタン製、10cm四方)を用意し、
その表面5cm四方(25cm2)に均一になるようにサン
プル80mgを指で塗布し、40℃、湿度50%にて1時
間乾燥する。その後、シートを接触角測定装置に挿入で
きる大きさにカッターを用いて等分に分割し、20℃、
湿度50%の環境下でイオン交換水1滴をマイクロシリ
ンジの先端から試料面に滴下し、その時の接触角(度)
を1分後に測定する。
【0029】本発明においては、このようにして求めら
れる接触角が60度以上である耐水性の高い化粧料を得
ることができる。
【0030】また、本発明においては、スクワランを用
いて同様に求められる接触角が30度以上である耐油性
の高い化粧料が得られる。
【0031】
【発明の効果】本発明の水中油型乳化化粧料は、フッ素
系油剤及びフッ素化合物処理粉体が水中に均一かつ安定
に分散され、さっぱりとして良好な感触で、しかも耐水
性及び耐油性に優れたものである。
【0032】
【実施例】製造例1〜12 表1に示す原料多糖類、疎水化剤及びスルホン化剤を用
い、特開平11−12119号に記載の方法に準じて水
溶性多糖誘導体を製造した。
【0033】
【表1】
【0034】製造例13 容器に粉体105gと水500mLを入れ、これにフルオ
ロアルキルリン酸エステルジオキシエチルアミン塩[(C9
F19C2H4O)yP(=O)(ONH2(CH2CH2OH)2)3-y](2>y>1)
の15%水溶液40gを加え、40℃で攪拌した。次い
で、1N−塩酸を加えて水溶液のpHを4に下げ、粉体表
面にフルオロアルキルリン酸を析出させた。これを濾
過、水洗、乾燥して、フッ素化合物処理粉体を得た。
【0035】製造例14 容器に(C8F17CH2CH2O)2P(O)OH 17gとイソプロピル
アルコール1500gを入れ、60℃で加熱溶解し、こ
れに粉体150gを加え、60℃で4時間混合する。そ
の後、50〜60℃でイソプロピルアルコールを減圧留
去し、乾燥して、フッ素化合物処理粉体を得た。
【0036】実施例1〜13、比較例1〜12 表2〜表4に示す組成のファンデーションを製造し、乳
化性、保存安定性、使用感、耐水性及び耐油性について
評価した。結果を表2〜表4に示す。
【0037】(製法)室温にて水溶性多糖誘導体を精製
水に溶解し、次に他の水相成分を添加して混合する。一
方、粉体成分を油相に加え、ディスパーを用いて強分散
させておく。水相をアジホモミキサーに移し換え、50
℃にて高速攪拌を行いながら上記粉体と油相成分との混
合物をゆっくり添加し、30分間高速攪拌を行い、ファ
ンデーションを得た。
【0038】(評価方法) (1)乳化性:各ファンデーションを50mL入りガラス
瓶に充填し、以下の基準により、外観を肉眼で判定し
た。 ◎:良好。 ○:やや表面に油膜がある。 △:やや分離(〜2%)。 ×:分離(2%以上)。
【0039】(2)保存安定性:乳化性を評価したもの
を、40℃で1ケ月間保存した後、同様にして、乳化性
を評価した。
【0040】(3)使用感:10名の専門パネラーが実
際に各ファンデーションを使用したときの「さっぱり
感」と「べたつき感のなさ」について官能評価し、次の
基準により判定した。 ○:7名以上が良好と評価した。 △:4〜6名が良好と評価した。 ×:3名以下が良好と評価した。
【0041】(4)耐水性:水に対する接触角を前述の
方法で測定し、以下の基準で評価した。 ◎:接触角80度以上。 ○:接触角60〜80度未満。 △:接触角40〜60度未満。 ×:接触角40度未満。
【0042】(5)耐油性:スクワランに対する接触角
を前述の方法で測定し、以下の基準で評価した。 ◎:接触角50度以上。 ○:接触角30〜50度未満。 △:接触角10〜30度未満。 ×:接触角10度未満。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】表2〜表4の結果から明らかなように、本
発明のファンデーションはいずれも、乳化性及び乳化安
定性に優れるとともに、良好な使用感であり、しかも耐
水性及び耐油性も高いものであった。これに対し、水溶
性多糖誘導体を用いない場合(比較例1)には乳化性が
悪く、親水性界面活性剤を高濃度配合することによって
乳化性を良くした場合(比較例2、3)には乳化性はよ
くなるが使用感の低下・耐水性の低下をもたらした。ま
た、従来より増粘剤として知られている水溶性高分子を
用いた場合(比較例4〜9)には、乳化性及び乳化安定
性が低くなり、特にこれらの配合量を多くしたものでは
使用感及び耐水性の低下を招いた。更に、フッ素系油剤
以外の炭化水素系の油剤を用いた場合(比較例11)に
は、乳化性、乳化安定性は良好であるが、炭化水素系油
剤特有のべたついた感触があり、耐油性も得られなかっ
た。シリコーン系油剤(比較例10)やシリコーン処理
粉体を用いた場合(比較例12)には、耐油性が得られ
なかった。
【0047】実施例14(サンケアクリーム) 以下に示す組成のサンケアクリームを製造した。
【表5】 (成分) (重量%) (1)水溶性多糖誘導体(製造例10) 0.5 (2)ジメチルシロキサン・メチル (ポリオキシエチレン)シロキサン重合体 2.0 (3)ポリオキシエチレン(20EO)ソルビタン モノオレイン酸エステル 0.5 (4)パーフルオロポリエーテル(フォンブリンHC−04、 アウシモント社製) 11.0 (5)パルミチン酸デキストリン 0.5 (6)オクチルジメチルパラアミノ安息香酸 4.0 (7)フッ素化合物処理微粒子酸化チタン(製造例14) 5.0 (8)酸性ヘテロ多糖類 0.03 (9)硫酸マグネシウム 0.5 (10) グリセリン 5.0 (11)ジブチルヒドロキシトルエン 0.05 (12)水 バランス
【0048】(製法)精製水中に成分(1)を常法にて
攪拌溶解させ、成分(8)〜(10)を加えた後、予め
70℃にて加熱混合しておいた(2)〜(7)及び(1
1)をゆっくり添加して乳化し、サンケアクリームを得
た。
【0049】実施例15(化粧下地) 以下に示す組成の化粧下地を製造した。
【表6】 (成分) (重量%) (1)水溶性多糖誘導体(製造例11) 0.5 (2)パーフルオロアルキル変性シリコーン (特開平6−184312号、実施例4) 10 (3)メチルシクロポリシロキサン(2.3mm2/s) 10 (4)メチルポリシロキサン(2mm2/s) 5 (5)セチルアルコール 0.5 (6)ステアリルアルコール 0.5 (7)香料/防腐剤 適量 (8)精製水 バランス (9)グリセリン 2 (10)フッ素化合物処理セルロース粉体(製造例13) 1
【0050】(製法)精製水中に成分(1)を常温にて
攪拌溶解させ、成分(9)を加えた後、予め70℃にて
加熱混合しておいた成分(2)〜(7)及び(10)を
ゆっくり添加して乳化し、化粧下地を得た。
【0051】実施例16(乳化型アイシャドウ) 以下に示す組成の乳化型アイシャドウを製造した。
【表7】 (成分) (重量%) 粉体:(1)フッ素化合物処理マイカ(製造例13) 10.0 (2)雲母チタン 5.0 (3)顔料 3.0 油相:(4)ステアリン酸 3.0 (5)ミリスチン酸イソプロピル 3.0 (6)パーフルオロアルキル変性シリコーン (特開平6−184312号、実施例4) 10.0 (7)モノラウリン酸プロピレングリコール 3.0 (8)ジブチルヒドロキシトルエン 0.02 水相:(9)精製水 バランス (10)1,3−ブチレングリコール 5.0 (11)水溶性多糖誘導体(特開平3-12401号公報、 実施例2記載の変性セルロースエーテル) 0.3 (12)エチルパラベン 0.2 (13)エデト酸二ナトリウム 0.1
【0052】(製法)粉体部を、予め70℃で溶解混合
した水相部に加え、ディスパーにて高分散する。これ
に、70℃で溶解混合した油相部を攪拌しながら加え、
ホモミキサーで均一に分散混合し、室温まで冷却してア
イシャドウを得た。
【0053】実施例17(クリーム状ファンデーショ
ン):実施例1と同様にして、以下に示す組成のクリー
ム状ファンデーションを製造した。
【0054】
【表8】 (組成) (重量%) (1)フッ素化合物処理酸化チタン(製造例14) 6.0 (2)フッ素化合物処理セリサイト(製造例14) 8.0 (3)フッ素化合物処理酸化鉄(赤、黄、黒)(製造例14) 1.2 (4)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0 (5)フッ素変性シリコーン (特開平5−247214号、実施例5) 25.0 (6)水溶性多糖誘導体(製造例6) 0.2 (7)ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体 5.0 (8)グリセリン 2.0 (9)水 残量 (10)香料 微量
【0055】実施例14〜17で得られた化粧料はいず
れも、フッ素系油剤及びフッ素化合物処理粉体が水中に
均一かつ安定に分散され、さっぱりとして良好な感触
で、しかも耐水性及び耐油性に優れていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木附 智人 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 平9−143023(JP,A) 特開 平11−12119(JP,A) 特開 平11−71262(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)パーフルオロデカリン、パーフル
    オロアダマンタン、パーフルオロブチルテトラハイドロ
    フラン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、
    パーフルオロペンタン、パーフルオロデカン、パーフル
    オロドデカン、一般式(1)で表わされるパーフルオロ
    ポリエーテル、及びフッ素変性シリコーンから選ばれる
    常温で液体のパーフルオロ有機化合物、 【化1】 (式中、R1、R3、R4及びR5は同一又は異なって、フ
    ッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロア
    ルキルオキシ基を示し、R2はフッ素原子又はパーフル
    オロアルキル基を示し、a、b及びcは分子量が500
    〜100,000となる0以上の数を示す) (B)フッ素化合物処理粉体、並びに (C)多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原
    子の一部又は全てが、(a)炭素数8〜40の直鎖又は
    分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル
    基及びアルキルアリール基から選ばれる疎水部を有する
    置換基、及び(b)メチル基、ヒドロキシエチル基、ヒ
    ドロキシプロピル基、ポリオキシエチレン基、ポリグリ
    セリン基及びヒドロキシル基が置換していてもよいスル
    ホアルキル基から選ばれる置換基で置換されており、置
    換基(a)と置換基(b)の置換度の比が1:1000
    〜100:1である水溶性多糖誘導体を含有する水中油
    型乳化化粧料。
  2. 【請求項2】 成分(A)のフッ素変性シリコーンが、
    下記一般式(2)〜(5)で表わされる構造単位の1以
    上と下記一般式(6)で表わされる構造単位とを有する
    変性シリコーンである請求項1記載の水中油型乳化化粧
    料。 【化2】 〔式中、Rf及びRf’は、同一又は相異なって、炭素数
    1〜20の直鎖又は分岐鎖のパーフルオロアルキル基又
    は次式:H(CF2)t-(tは1〜20の整数を示す)で表わ
    されるω−H−パーフルオロアルキル基を示し;R11
    14及びR15は、同一又は相異なって、炭素数1〜20
    の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の脂環式若しく
    は芳香族炭化水素基を示し;R12は、水素原子、炭素数
    1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の脂環式
    若しくは芳香族炭化水素基、炭素数1〜20のパーフル
    オロアルキル基又は次式:H(CF2)t-(tは1〜20の整
    数を示す)で表わされるω−H−パーフルオロアルキル
    基を示し;R13は、炭素数2〜6の2価の炭化水素基を
    示し;X及びYは、単結合、-CO-又は炭素数1〜6の2
    価の炭化水素基を示し;lは2〜16の数を示し、m及
    びnはそれぞれ1〜16の数を示し、pは1〜200の
    数を示し、rは0〜20の数を示し、sは0〜200の
    数を示す。〕
  3. 【請求項3】 成分(C)の水溶性多糖誘導体におい
    て、置換基(b)がヒドロキシル基が置換していてもよ
    いスルホアルキル基又はその塩である請求項1又は2記
    載の水中油型乳化化粧料。
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