JP3460462B2 - ロックアップクラッチのスリップ制御装置 - Google Patents

ロックアップクラッチのスリップ制御装置

Info

Publication number
JP3460462B2
JP3460462B2 JP21926196A JP21926196A JP3460462B2 JP 3460462 B2 JP3460462 B2 JP 3460462B2 JP 21926196 A JP21926196 A JP 21926196A JP 21926196 A JP21926196 A JP 21926196A JP 3460462 B2 JP3460462 B2 JP 3460462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
lock
clutch
slip
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21926196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1047472A (ja
Inventor
亨 松原
邦裕 岩月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP21926196A priority Critical patent/JP3460462B2/ja
Publication of JPH1047472A publication Critical patent/JPH1047472A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3460462B2 publication Critical patent/JP3460462B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンと自動
変速機との間のトルク伝達経路に配置されたロックアッ
プクラッチをスリップ制御させるロックアップクラッチ
のスリップ制御装置に関し、特に、エンジンに供給する
燃料を遮断するフューエルカット制御とスリップ制御と
が並行して行われるロックアップクラッチのスリップ制
御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、エンジンと自動変速機とのトルク
伝達経路にロックアップクラッチが配置された車両にお
いては、減速走行中のエンジンの回転速度を、フューエ
ルカット制御を目的として設定された回転速度よりも高
く制御してフューエルカット領域を拡大するため、ロッ
クアップクラッチをスリップ制御させる技術が知られて
いる。このように、減速走行中にスリップ制御とフュー
エルカット制御とが並行して行われるロックアップクラ
ッチのスリップ制御装置の一例が特開平8−34265
号公報に記載されている。 【0003】この公報に記載されたロックアップクラッ
チのスリップ制御装置は、ロックアップクラッチを内蔵
したトルクコンバータを介して自動変速機がエンジンに
連結され、そのエンジンを制御する電子制御装置と自動
変速機およびロックアップクラッチを制御する油圧制御
装置と備えた車両を対象とし、そのロックアップクラッ
チを係合状態および解放状態ならびにスリップ状態に制
御する制御装置である。 【0004】そして、エンジン回転速度、スロットル開
度などの検出信号に基づいて、エンジン用電子制御装置
によりエンジン側の燃料噴射弁やイグナイタが制御さ
れ、スロットル開度、車速などの検出信号に基づいて、
変速用電子制御装置により油圧制御回路が制御される。
このエンジン用電子制御装置と変速用電子制御装置と
は、相互にデータ通信可能に接続されている。 【0005】また、油圧制御回路は、切換用信号圧を発
生する電磁弁と、切換用信号圧によってロックアップク
ラッチを係合・解放させるロックアップリレーバルブ
と、スリップ制御用信号圧を発生するリニアソレノイド
バルブと、スリップ制御用信号圧に従って係合側油室と
解放側油室との圧力差を調整してロックアップクラッチ
のスリップ量を制御するロックアップコントロールバル
ブとを備えている。 【0006】上記公報に記載されたロックアップクラッ
チのスリップ制御装置においては、車両の減速時にスロ
ットル弁の開度および自動変速機の出力軸回転速度に基
づいてロックアップクラッチのスリップ制御が開始され
る。そして、スリップ制御開始後にエンジン回転速度に
基づいて燃料噴射弁を閉じるフューエルカット制御が開
始される。 【0007】ここで、スリップ制御が開始され、かつ、
フューエルカット制御開始前のロックアップクラッチの
係合圧は、フューエルカット制御開始後のエンジン負荷
に基づいたフィードフォワード制御により設定される。
また、フューエルカット制御開始後のロックアップクラ
ッチの係合圧、つまりトルク容量は、慣性力により車輪
側から入力されるトルクにより、エンジン回転速度をフ
ューエルカット制御用に設定された値以上に維持できる
ように、フィードフォワード制御とフィードバック制御
とを併用して設定される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ロックアッ
プクラッチのスリップ制御開始後からフューエルカット
制御開始前までの間においては、スロットルバルブが全
閉になっているためエンジンの燃焼が不安定な状態にな
っている。 【0009】しかし、上記従来の装置では、ロックアッ
プクラッチのスリップ制御開始後からフューエルカット
制御開始前までの間、ロックアップクラッチの係合圧
が、車輪側から入力されるトルクによりエンジン回転速
度を所定回転速度に維持できる値に設定され、実質上、
ロックアップクラッチが係合状態に制御される。このた
め、ロックアップクラッチのスリップ制御中にエンジン
の不安定燃焼によるエンジントルクの変動が、ロックア
ップクラッチを介して自動変速機側に伝達されてショッ
クやこもり音を発生させ、乗り心地が低下する可能性が
あった。 【0010】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、ロックアップクラッチのスリップ制御開
始後からフューエルカット制御開始前までの間に、エン
ジン側で生じたトルク変動が自動変速機側に伝達される
ことを抑制することのできるロックアップクラッチのス
リップ制御装置を提供することを目的としている。 【0011】 【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するためにこの発明は、エンジンと自動変速機
とを連結する流体伝動装置に対して並列に配置されたロ
ックアップクラッチを、減速に伴ってフィードフォワー
ド制御によってスリップ制御し、そのスリップ制御開始
後に前記エンジンに対する燃料の供給を遮断するフュー
エルカット制御を実行するとともに前記ロックアップク
ラッチをフィードフォワードおよびフィードバック制御
するロックアップクラッチのスリップ制御装置におい
て、前記スリップ制御中におけるフューエルカット制御
開始前の前記ロックアップクラッチのフィードフォーワ
ード制御による目標スリップ値を、前記フューエルカッ
ト制御開始後の前記ロックアップクラッチのフィードフ
ォワード制御での目標スリップ値より大きくしてロック
アップクラッチの係合圧を制御する係合圧制御手段を備
えていることを特徴とするものである。 【0012】したがって、この発明によれば、車両の減
速走行中にロックアップクラッチのスリップ制御が開始
されてからフューエルカット制御が開始されるまでの
、ロックアップクラッチの目標スリップ量が、フュー
エルカット制御開始後よりも大きくなるようフィードフ
ォワード値が設定されるので、ロックアップクラッチの
係合圧の低下が促進され、その結果、この制御中にエン
ジンの燃焼状態が不安定となってトルク変動が生じて
も、エンジントルクの変動がロックアップクラッチのす
べりにより減衰もしくは吸収され、自動変速機側には伝
達されない。その結果、ショックやこもり音が抑制さ
れ、乗り心地が向上する。 【0013】 【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面を参照して
具体的に説明する。先ず、この発明で対象とする車両の
全体的な制御系統を簡単に説明すると、図3において、
内燃機関であるエンジン1の出力側に油圧によって制御
される自動変速機2が連結されている。エンジン1は、
人為的な操作と電気的な制御との両方によって出力を制
御できるよう構成されており、その吸気管路3には、ア
クセルペダル4にケーブルなどの機械的な手段で連結さ
れたメインスロットルバルブ5が配置され、そのメイン
スロットルバルブ5より上流側に、サーボモータなどの
スロットルアクチュエータ6によって開度が変更される
サブスロットルバルブ7が配置されている。このサブス
ロットルバルブ7は、通常は、全開状態に設定され、ア
クセルペダル4の踏み込み量に応じてメインスロットル
バルブ5の開度が変化することによりエンジン出力が調
整され、人為的操作によらずにエンジン出力を低下させ
る必要がある場合に、サブスロットルバルブ7が電気的
に制御されてその開度が減じられるようになっている。 【0014】前記サブスロットルバルブ7の開度を含む
エンジン1の制御を行うための電子制御装置8が設けら
れている。この電子制御装置8は、中央演算処理装置
(CPU)および記憶装置(RAM,ROM)ならびに
入出力インターフェースを主体とするものであって、こ
の電子制御装置8には、上記のアクセルペダル4の踏み
込み量に応じた信号に加えて、エンジン回転速度センサ
9の出力信号、吸入空気量センサ(エアーフローメー
タ)10の出力信号、吸入空気温度センサ11の出力信
号、スロットル開度センサ12の出力信号、車速センサ
13の出力信号、冷却水温度センサ14の出力信号、ブ
レーキスイッチ15の出力信号などが、制御データとし
て入力されている。またこのエンジン用電子制御装置8
は、上記のスロットルアクチュエータ6の制御に加え
て、変速時などにおけるトルク制御のために燃料噴射装
置16や点火時期を変更するイグナイタ17などに信号
を出力するように構成されている。 【0015】上記のエンジン1に連結された自動変速機
2は、後述するロックアップクラッチを内蔵した流体伝
動装置であるトルクコンバータを介してエンジン1に連
結されている。その変速段の変更およびロックアップク
ラッチの制御を行う油圧制御装置18が設けられてお
り、この油圧制御装置18は、主として変速段を設定す
るための第1ないし第3のソレノイドバルブS1 ,S2
,S3 と、エンジンブレーキ状態を制御するための第
4のソレノイドバルブS4 と、主としてロックアップク
ラッチを制御するためのリニアソレノイドバルブSLU、
スロットル開度に応じてライン圧を制御するリニアソレ
ノイドバルブSLT、主としてアキュームレータの背圧を
制御するリニアソレノイドバルブSLNとを備えている。 【0016】この油圧制御装置18における各ソレノイ
ドバルブに制御信号を出力する自動変速機用電子制御装
置19が設けられている。この自動変速機用電子制御装
置19は、前述したエンジン用電子制御装置8と同様
に、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものであり、したがって必要に応じてエンジン用電
子制御装置8と統合・一体化することができる。この自
動変速機用電子制御装置19は、予め記憶しているマッ
プや演算式に従って入力データに基づく演算を行い、そ
の演算結果に基づいた制御信号を前記各ソレノイドバル
ブに出力して例えば前進4段・後進1段の変速や、ロッ
クアップクラッチの係合・解放の制御ならびに変速時の
過渡油圧の制御などを実行するように構成されている。 【0017】そして自動変速機用電子制御装置19に
は、制御データとして、上記のスロットル開度センサ1
2の出力信号、車速センサ13の出力信号、冷却水温度
センサ14の出力信号、ブレーキスイッチ15の出力信
号に加えて、シフト装置20に設けられたシフトポジシ
ョンセンサ21からの信号、トルクコンバータのタービ
ン回転数センサ22からの信号、油温センサ23からの
信号などが入力されている。上記各電子制御装置8,1
9は、相互にデータ通信可能に接続されており、また自
動変速機用電子制御装置19からは、各変速段を設定す
る信号がエンジン用電子制御装置8に送信されている。 【0018】つぎにこの発明における流体伝動装置に相
当するトルクコンバータ24およびこれに内蔵したロッ
クアップクラッチ25について図4を参照して説明す
る。このトルクコンバータ24は、通常の自動変速機に
用いられているものと基本的には同様な構成であり、エ
ンジン1に連結されたフロントカバー26に一体化され
ているポンプインペラー27に対向してタービンランナ
ー28が配置され、ポンプインペラー27が回転するこ
とによって生じたフルード(オイル)の螺旋流をタービ
ンランナー28に与えてこれを回転させることにより、
両者の間でトルクを伝達するように構成されている。ま
たこれらポンプインペラー27とタービンランナー28
との間には、ケーシングに一体化された固定軸(それぞ
れ図示せず)に一方向クラッチ29を介して支持された
ステータ30が配置されている。 【0019】ロックアップクラッチ25は、これらポン
プインペラー27およびタービンランナー28ならびに
ステータ30によって構成される流体伝動装置に対して
並列に配置されており、より具体的には、フロントカバ
ー26の内面に対向して配置されるとともに、タービン
ランナー28と一体に回転するようにハブもしくは入力
軸(それぞれ図示せず)に取り付けられている。このロ
ックアップクラッチ25は、フロントカバー26に油圧
によって押し付けられることによりフロントカバー26
と入力軸との間でトルクを伝達するものであり、このロ
ックアップクラッチ25を挟んでフロントカバー26側
が解放油室31とされ、またこれとは反対側(タービン
ランナー28側)が係合油室32とされている。 【0020】したがって係合油室32に油圧を供給する
とともに解放油室31から排圧することにより、ロック
アップクラッチ25がフロントカバー26に押し付けら
れて完全係合し、その状態で解放油室31の油圧を昇圧
することにより、ロックアップクラッチ25をフロント
カバー26に押し付ける圧力(係合力)が低下してスリ
ップ状態となり、さらに解放油室31に油圧を供給した
状態で係合油室32から排圧することにより、ロックア
ップクラッチ25がフロントカバー26から離れて解放
状態となるように構成されている。 【0021】前述したようにロックアップクラッチ25
の係合および解放ならびにスリップ状態の制御をリニア
ソレノイドバルブSLUによって行うよう構成されてい
る。すなわち図4において符号33はソレノイドリレー
バルブを示し、このソレノイドリレーバルブ33は、所
定の中速段以上の変速段(例えば第3速ないし第4速)
で出力される油圧(これらの変速段で係合する摩擦係合
装置の油圧PB2)が制御ポートに印加されることによ
り、入力ポート34を出力ポート35に連通させるよう
に構成されている。そしてこの入力ポート34にリニア
ソレノイドバルブSLUが接続され、また出力ポート35
が後述するロックアップリレーバルブ36の制御ポート
37に接続されている。 【0022】また図4において符号38はロックアップ
コントロールバルブを示し、このロックアップコントロ
ールバルブ38はライン圧PL を調圧してロックアップ
クラッチ25の解放圧(L/U OFF圧)として出力
するように構成されている。すなわちこのロックアップ
コントロールバルブ38は、スプリングによって一方向
に押圧されたスプールを備えたバルブであり、そのスプ
ールの一端側に開口するよう形成した第1の制御ポート
39が前記解放油室31に連通されており、またこの第
1の制御ポート39に隣接して形成された第2の制御ポ
ート40にリニアソレノイドバルブSLUが接続されてい
る。さらにこれらの制御ポート39,40に対してスプ
ールを挟んだ反対側に信号圧ポート41が形成され、こ
の信号圧ポート41が前記係合油室32に接続されてい
る。そしてこれら制御ポート39,40に印加された油
圧と信号圧ポート41に印加された油圧との差に応じ
て、入力ポート42に供給されたライン圧PL を調圧し
て出力ポート43から出力するように構成されている。 【0023】なお、リニアソレノイドバルブSLUは、図
5に示すように、そのデューティ比DSLU が大きくなる
に従って出力圧PSLU が次第に低下するように構成され
ており、またロックアップコントロールバルブ38は第
2制御ポート40に印加される油圧が高いほど調圧レベ
ルが高くなって出力圧が高くなるように構成されてい
る。したがってロックアップコントロールバルブ38の
出力圧は、リニアソレノイドバルブSLUのデューティ比
DSLU が大きいほど低圧に制御される。 【0024】さらにロックアップリレーバルブ36につ
いて説明すると、このロックアップリレーバルブ36
は、図示しないセカンダリーモジュレータバルブによっ
て調圧した油圧を前記解放油室31と係合油室32とに
選択的に供給し、またロックアップコントロールバルブ
38で調圧した油圧を解放油室31に選択的に供給する
スプールタイプのいわゆる切換弁であり、第1の入力ポ
ート44にセカンダリーモジュレータ圧PSMが供給さ
れ、また第2の入力ポート45が前記ロックアップコン
トロールバルブ38の出力ポート43に接続されてい
る。これに対して第1の入力ポート44に選択的に連通
される第1出力ポート46が前記係合油室32に接続さ
れ、また第1および第2の入力ポート44,45に選択
的に切り換えて連通される第2出力ポート47が前記解
放油室31に接続されている。なお、符号48は第3出
力ポートを示し、この第3出力ポート48はオイルクー
ラ(図示せず)に接続されている。 【0025】そしてロックアップリレーバルブ36は、
その制御ポート37にソレノイドリレーバルブ33から
出力される油圧が供給されているオン状態で第1入力ポ
ート44が第1出力ポート46に連通するとともに第2
入力ポート45が第2出力ポート47に連通するように
構成されている。したがってこの状態では、ロックアッ
プクラッチ25の係合油室32にセカンダリーモジュレ
ータ圧PSMが供給されてロックアップクラッチ25が係
合状態とになり、かつ解放油室31に調圧された油圧が
作用することにより、ロックアップクラッチ25の係合
圧(係合力)が適宜に制御される。その係合圧とリニア
ソレノイドバルブSLUの出力圧PSLU との関係を示せば
図6のとおりである。 【0026】また制御ポート37に油圧が供給されてい
ないOFF状態では、第1出力ポート46が第3出力ポ
ート48に連通されて係合油室32からドレーンされ、
また第2出力ポート47が第1入力ポート44に連通さ
れて解放油室31にセカンダリーモジュレータ圧PSMが
供給されてロックアップクラッチ25が解放状態にな
る。 【0027】上記のようにして設定されるロックアップ
クラッチ25の係合および解放ならびにスリップの各制
御は、車速(出力軸回転数NO )とメインスロットルバ
ルブ5の開度(スロットル開度)θとをパラメータとし
て設定した領域に応じて実行される。より具体的には、
この領域を定めたマップを自動変速機用電子制御装置1
9に予め記憶させておき、入力されたデータに基づいて
判断された走行状態がいずれかの領域に入ることによ
り、その領域に応じたロックアップクラッチ25の制御
が実行されるようになっている。その領域を設定したマ
ップの一例を示せば、図7のとおりである。なお、この
実施例では、前進第3速および第4速でロックアップク
ラッチ25が係合あるいはスリップ制御される。 【0028】上述した減速スリップ制御は、車両の走行
慣性力によってエンジン1の回転数をある程度の高回転
数に維持し、それに伴ってフューエルカットを行って燃
費の向上を図り、同時にエンジン1での不安定燃焼に伴
うショックや振動を防止することを目的として実行され
る。ロックアップクラッチ25を完全に係合させた状態
からこの減速スリップに移行する場合、ロックアップク
ラッチ25の係合圧の制御に応答遅れがあると、過渡的
にロックアップクラッチがスリップ状態にならず、エン
ジン1の出力トルクの変動をそのまま自動変速機2に伝
達してしまうおそれがある。そこで前述した従来の装置
のようにスリップ制御開始時にはロックアップクラッチ
25の係合圧をフィードフォワード制御によって制御
し、ロックアップクラッチ25の係合圧がスリップ制御
での目標圧力に到達した後は、フューエルカットを実行
しつつ、その係合圧をフィードフォワードおよびフィー
ドバック制御する。その場合、この発明にかかる上記の
制御装置は、以下に述べるように制御を行う。 【0029】図1は、その制御ルーチンの一例を示すフ
ローチャートであり、また図2はその制御を行った場合
のタイムチャートである。この制御例は、アクセルペダ
ル4を踏み込んで加速している際にアクセルペダル4を
戻して減速スリップ制御を実行する例であり、アクセル
ペダル4を踏み込んでいる加速時には、フューエルカッ
トは行われず(フューエルカットOFF)、また点火時
期の遅角制御も実行されていない。さらにロックアップ
クラッチ25は完全ロックアップ状態にあってリニアソ
レノイドバルブSLUのデューティ比DSLU は100%に
設定され、前述した解放油室31の油圧(L/U OF
F圧)はドレーンされている。 【0030】この状態で減速スリップの開始条件が成立
したか否かが判断される(ステップ1)。この判断は、
例えばロックアップクラッチ25を完全ロックアップ状
態に制御して走行している際にスロットル開度がゼロに
なることにより、開始条件の成立とされ、この開始条件
が成立していないことによりステップ1で否定判断され
た場合に、この制御ルーチンを終了し、また反対に開始
条件が成立してステップ1で肯定判断された場合には、
フューエルカット制御が実行されているか否かが判断さ
れる(ステップ2)。 【0031】フューエルカットは、通常、エンジン回転
数が所定の下限回転数以上であってスロットルバルブ5
が閉じられた場合に実行され、したがって上記のように
アクセルペダル4を踏み込んで加速している状態でアク
セルペダル4を戻した場合には、フューエルカットは実
行されていず、ステップ2では否定判断される。これは
図2におけるt0 時点であり、スロットル開度がゼロに
なることにより減速スリップの開始条件が成立し、ロッ
クアップクラッチ25をスリップ状態に制御するための
フィードフォワード制御が実行される。 【0032】具体的には、リニアソレノイドバルブSLU
のデューティ比DSLU が、フィードォワード値DFWD1
に、学習値KGDと係数αとの積を加えた値(DFWD1+α
・KGD)に設定される(ステップ3)。ここでフィード
フォワード値DFWD1は、ロックアップクラッチ25をス
リップ状態にするために充分低い係合圧になるようリニ
アソレノイドバルブSLUを制御する値であり、より具体
的には、後述するフューエルカット制御を開始した後に
おけるフィードフォワード制御での目標スリップ量より
大きいスリップ量を目標とした値である。また学習値K
GDは後述するフィードバック制御時の機械毎の特性など
に対応して形成される学習制御値であり、さらに係数α
は例えば実験的に求めた“1”より小さい値である。し
たがってフィードフォワード制御時の制御値は、フィー
ドバック制御時の学習補正量を反映して補正された値と
る。なお、このステップ3がこの発明における係合圧
制御手段に相当する。 【0033】リニアソレノイドバルブSLUのデューティ
比DSLU を上記のように制御した状態を図2に破線で示
してあり、このように制御することによってロックアッ
プクラッチ27の係合圧(伝達トルク容量)が低下する
ため、スロットルバルブ5を閉じたことに伴ってエンジ
ン1に不安定燃焼が生じても、そのトルク変動がロック
アップクラッチ25が図2に破線で示すようにスリップ
し、その結果、ここでトルク変動が吸収もしくは遮断さ
れ、出力軸トルクは、図2に破線で示すように滑らかに
変化する。すなわちショックや振動などの乗り心地の悪
化要因が解消される。 【0034】上記の制御と並行して点火時期の遅角制御
が実行される。これは、これに続くフューエルカットを
実行した際のトルク変動幅を小さくするために、事前に
エンジントルクを低下させる目的で実行される。 【0035】上記のロックアップクラッチ25の係合圧
の低下制御および点火時期の遅角制御を所定時間行った
後に、フューエルカット制御が実行される。このロック
アップクラッチ25の係合圧の低下制御の継続時間は、
スロットルバルブ5を閉じることに伴うエンジン出力の
低下が完了するのに要する時間として予め設定してある
時間である。この時間が経過したt1 時点に、ロックア
ップクラッチ25の係合圧のフィードフォワードおよび
フィードバックによる制御を開始し、同時にフューエル
カット制御を開始する。すなわちステップ2で肯定判断
されることにより、ステップ4に進んでリニアソレノイ
ドバルブSLUのデューテイ比DSLU をフィードフォワー
ド値DFWD2にフィードバック値DFBと学習値KGDとを加
えた値(DFWD2+DFB+KGD)に設定する。 【0036】ここでフィードフォワード値DFWD2は、フ
ューエルカット制御を開始する前のフィードフォワード
値DFWD1より大きい値であり、これに対してフィードバ
ック値DFBが加減算されてデューティ比DSLU が決めら
れる。その際の目標スリップ量は、エンジン回転数をあ
る程度高く維持し、またエンジン1のトルク変動を遮断
できる程度のスリップ量であり、一例として50rpm
程度の回転数差が生じるスリップ量である。なお、この
制御の開始と同時に点火時期の遅角制御が終了される。 【0037】以上、この発明を具体例に基づいて説明し
たが、この発明は上述した例に限定されないのであり、
したがってロックアップクラッチ25を制御する油圧回
路の構成は、図4に示す構成以外のものであってもよ
く、例えばロックアップリレーバルブ36の切換動作を
第3ソレノイドバルブなどのリニアソレノイドバルブ以
外の他のソレノイドバルブによって制御するように構成
してもよい。またこの発明で対象とする流体伝動装置
は、トルク増幅作用のあるトルクコンバータに限定され
ないのであり、単なる継手として機能する流体カップリ
ングであってもよい。 【0038】また上記の実施例では、完全ロックアップ
状態から減速スリップ制御に移行する場合を例に採って
説明したが、アクセルペダルの踏み込み量が大きい状態
ではロックアップクラッチが解放状態とされる場合もあ
るので、この状態からアクセルペダルを戻せば、ロック
アップクラッチを解放状態から減速スリップ制御するこ
とになり、この場合の制御にこの発明を適用することが
できる。いずれにしてもこの発明では、減速スリップ前
のロックアップクラッチは完全ロックアップ状態に限ら
れない。 【0039】 【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、減速時
にロックアップクラッチのスリップ制御をフィードフォ
ワード制御によって行い、所定時間経過後にフューエル
カット制御を開始するとともに、そのロックアップクラ
ッチをフィードフォワードおよびフィードバック制御す
るにあたり、フューエルカット制御開始前のスリップ制
御時のフィードフォワード制御による目標スリップ値
を、フューエルカット制御開始後のフィードフォワード
制御による目標スリップ値より大きくし、ロックアップ
クラッチの減速スリップ制御開始直後ではスリップが生
じやすくしたので、エンジン出力の低下過程で不安定燃
焼によるトルク変動が生じても、ロックアップクラッチ
のスリップによってそのトルク変動が吸収もしくは遮断
され、その結果、減速スリップ制御に伴うショックや振
動などの乗り心地の悪化要因を未然に解消することがで
きる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の制御ルーチンの一例を示すフローチ
ャートである。 【図2】図1に示す制御を実行した場合のタイムチャー
トの一例を示す図である。 【図3】この発明で対象とする制御系統の一例を模式的
に示すブロック図である。 【図4】図3に示す自動変速機のロックアップクラッチ
を制御する油圧回路の一例を示す図である。 【図5】リニアソレノイドバルブのデューティ比と出力
圧との関係を示す図である。 【図6】リニアソレノイドバルブの出力圧とロックアッ
プクラッチの係合圧との関係を示す図である。 【図7】ロックアップクラッチの係合領域、解放領域、
スリップ制御領域を設定したマップの一例を示す図であ
る。 【符号の説明】 1 自動変速機 2 エンジン 8 エンジン用電子制御装置 16 燃料噴射弁 19 自動変速機用電子制御装置 25 ロックアップクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−34265(JP,A) 特開 平1−182665(JP,A) 特開 平1−279157(JP,A) 特開 平5−180331(JP,A) 特開 平1−112073(JP,A) 特開 平4−39131(JP,A) 特開 平6−74331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/24 F16H 61/38 - 61/64 F16H 63/40 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28 F02D 29/00 - 29/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 エンジンと自動変速機とを連結する流体
    伝動装置に対して並列に配置されたロックアップクラッ
    チを、減速に伴ってフィードフォワード制御によってス
    リップ制御し、そのスリップ制御開始後に前記エンジン
    に対する燃料の供給を遮断するフューエルカット制御を
    実行するとともに前記ロックアップクラッチをフィード
    フォワードおよびフィードバック制御するロックアップ
    クラッチのスリップ制御装置において、 前記ロックアップクラッチのスリップ制御開始後からフ
    ューエルカット制御開始前までの間のフィードフォワー
    ド制御による目標スリップ値を、前記フューエルカット
    制御開始後の前記ロックアップクラッチのフィードフォ
    ワード制御での目標スリップ値より大きくしてロックア
    ップクラッチの係合圧を制御する係合圧制御手段を備え
    ていることを特徴とするロックアップクラッチのスリッ
    プ制御装置。
JP21926196A 1996-08-01 1996-08-01 ロックアップクラッチのスリップ制御装置 Expired - Fee Related JP3460462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21926196A JP3460462B2 (ja) 1996-08-01 1996-08-01 ロックアップクラッチのスリップ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21926196A JP3460462B2 (ja) 1996-08-01 1996-08-01 ロックアップクラッチのスリップ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1047472A JPH1047472A (ja) 1998-02-20
JP3460462B2 true JP3460462B2 (ja) 2003-10-27

Family

ID=16732758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21926196A Expired - Fee Related JP3460462B2 (ja) 1996-08-01 1996-08-01 ロックアップクラッチのスリップ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3460462B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005172078A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Nissan Motor Co Ltd トルクコンバータのロックアップ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1047472A (ja) 1998-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2927153B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
US6773372B2 (en) Vehicle drive control apparatus and method
US6908413B2 (en) Driving control apparatus for vehicle and driving control method for vehicle
JP3031257B2 (ja) ロックアップクラッチのスリップ制御装置
JP3484836B2 (ja) 車両用直結クラッチのスリップ制御装置
JPS627429B2 (ja)
JP3460462B2 (ja) ロックアップクラッチのスリップ制御装置
JP3451801B2 (ja) 車両用直結クラッチのスリップ制御装置
JPH09144866A (ja) 過給機を有する車両の油圧制御装置
JP3438427B2 (ja) 車両用直結クラッチの制御装置
JP2780448B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP2962104B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3500022B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP2924475B2 (ja) 自動変速機を備えた車両の制御装置
JP3451802B2 (ja) 車両用直結クラッチのスリップ制御装置
JP3453941B2 (ja) 車両用直結クラッチのスリップ制御装置
JP2924603B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP3102275B2 (ja) ロックアップクラッチの制御装置
JPH04331868A (ja) 車両用直結クラッチ付流体式伝動装置のスリップ制御装置
JP3303700B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2004340289A (ja) 車両の制御装置および制御方法
JP3120743B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP3171016B2 (ja) 自動変速機付き車両の制御装置
JP2864956B2 (ja) 車両用直結クラッチのスリップ制御装置
JPH10184876A (ja) 車両の挙動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070815

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080815

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080815

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090815

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100815

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100815

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees