JP3459724B2 - イオントフォレーシス用電極デバイス - Google Patents

イオントフォレーシス用電極デバイス

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経皮または経粘膜
適用の治療に対して好適なイオントフォレーシス用電極
デバイスに関する。更に詳しくは、イオントフォレーシ
スの原理を用いた経皮、経粘膜薬物投与に使用するイオ
ントフォレーシス用電極デバイスであり、反応性電極由
来の有害な金属イオンの体内への侵入およびpH変化に
よる皮膚損傷等が無く、更に分極による電圧増加、若し
くは電流低下を引き起こさない低原価で量産可能なイオ
ントフォレーシス用電極デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、外用製剤分野では種々の剤型が開
発され、関心が次第に高まりつつある。その理由は、皮
膚や粘膜から局所性または全身性にその薬理作用を期待
する薬物を投与した場合、薬物の持続性が期待できるこ
と、薬物の吸収速度の調節が容易であり投与過剰による
副作用の防止が可能なこと、経口投与に見られるような
肝臓による初回通過効果による代謝の影響などが少なく
薬物の有効利用が可能であること、肝臓障害などを伴う
薬物でも比較的安全に投与できる等の利点を有する為で
ある。しかし、正常の皮膚は当然、外界からの刺激に対
する保護作用を有する為、薬物の吸収・透過は比較的困
難なものとなっている。従って、薬物を外用剤の剤型で
投与しても吸収され難く、目的とする薬理効果が得られ
難いというのが現状である。また、皮膚以外の生体膜か
らの吸収経路、例えば経口、直腸、口腔、鼻、舌下等の
投与法においても薬物によっては、それに関わる生体膜
を浸透もしくは透過し難く、バイオアベイラビリティー
の低い薬物が数多く見られる。従って、皮膚及びその他
の生体膜に対する浸透・透過・吸収を十分に高め実用使
用濃度において十分な薬理効果を示し、かつそれ自身の
局所毒性や全身毒性等が少ない、有用性及び安全性の高
い吸収促進方法が望まれている。現在、吸収促進方法に
は吸収促進剤を用いる促進法と、イオントフォレーシス
やフォノフォレーシスを用いた促進法がある。特に近年
になりイオントフォレーシスがにわかに注目され、上記
の問題を解決できる投与方法として期待されている。イ
オントフォレーシスは皮膚または粘膜に電圧を印加し、
電気的にイオン性薬物を泳動させ、皮膚または粘膜から
薬物投与するものである。一般的に、イオントフォレー
シス用電極デバイスは、陽極用と陰極用のイオントフォ
レーシス用電極デバイスを一定間隔において皮膚に貼着
し、電流発生器から生じた電流を該電極デバイスに導く
ことにより治療が実施されるように構成されている。ま
た、該電極デバイスは、薬物や通電媒体を貯蔵するため
の層と電極を組み合わせた構造であり、薬効成分を一定
時間体循環に連続的に制御された量を投与する目的で、
あらかじめ設計された一定量の薬効成分の他、必要に応
じて種々の添加剤が安定した薬効を維持できるように封
入されている。直流パルスを印加したときに電極反応速
度が小さかったり、電極反応に関与する物質の濃度が薄
かったり、分極インピーダンスを有する膜(例えば皮膚
等)等に電流を流せば、パルスの休止時に放電される脱
分極電流が生じる。脱分極電流は印加したときに流れる
電流(パルス電流)とは逆向きに流れる電流であるので
正味に流れる電流は印加した時に流れる電流から脱分極
電流を差し引いた値となる。薬物の透過に関与するのは
この電流であり、これを透過電流として定義する。脱分
極電流が小さいということは薬物透過の面での効率が悪
いことを示している。そこで、これらの問題点を解決す
るため種々研究がなされている。たとえば、特開昭61
−149168号公報(以下、イ号公報という)には、
イオン導入法で供給される薬物、装置の電気化学的に活
性な成分、又はその両方を意図的に選択し、デバイスの
操作中に望まない加水分解物の形成を減少させることを
目的とした、「イオン導入法で供給される薬物源と、前
記薬物源のための支持手段と、前記薬物源と電気的に接
続し、イオン導入期間中にごく僅かな程度加水分解する
少なくとも1つの電気化学的に活性な成分とを含む改良
された電極を有するイオントフォレーシス用電極デバイ
ス」が開示されている。特開昭63−35266号公報
(以下、ロ号公報という)には、緩衝剤を用いずに薬物
媒質のpHを制御し、競合イオンの生成が最小限に抑え
られ、従って投与された薬物の量が電流に比例する状態
を保つことを目的とした、「第1電極と、第2電極と、
第1電極を薬物溶液と連絡させるための手段と、薬物溶
液が第1電極と患者の間に配置された状態で該溶液を患
者と連絡させるための手段と、第2電極を患者において
第1電極から遠位の地点で患者と連絡させるための手段
と、第1電極と第2電極の間に電位差を与え、この電位
差が患者の皮膚を通して薬物イオンを輸送するために、
また相補的イオンと第1電極の反応により不溶性析出物
を生成し、これによって電荷輸送に対し薬物イオンと競
合して患者に投与される薬物の量を減少させるイオンを
薬物媒質から除く手段と、を備えたイオントフォレーシ
ス用電極デバイス」が開示されている。特開昭63−5
02404号公報(以下、ハ号公報という)には、患者
に薬物を輸送する速度と効率を増加させるとともに、薬
物のイオン導入デリバリー間の電極でのプロトンまたは
水酸化物イオンの無制御な生成によって起こる化学的火
傷および高電流の使用によって起こる電気的火傷を含む
皮膚の外傷の起こる可能性を減少させることを目的とし
た、「電解質を含有する第1の収納部と、収納部中の電
解質に接触する第1の収納部用の電極と、第1の収納部
に隣接した、有効成分を含有するための第2の収納部
と、少なくとも部分的にイオン化した有効成分と同等な
電荷を有するイオンの第1と第2の収納部材間の流れを
阻害するための、第1の収納部材と第2の収納部材を分
離するイオン移動阻害部材としてのイオン交換膜と、患
者の皮膚を通して有効成分のイオンを通過させる際の第
2の収納部材中の有効成分を保持するための保持部材
と、を備えたイオントフォレーシス用電極デバイス」が
開示されている。特開平3−51062号公報(以下、
ニ号公報という)には、水電解による消費エネルギーを
最小にし、電気エネルギーの大部分を薬注エネルギーに
利用することを目的とした、「薬物溶液と接触する陽陰
電極の表面に、水電解によるガス発生を低下せしめる物
質を配置せしめたイオントフォレーシス電極デバイス」
が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のイオントフォレーシス用電極デバイスの構成では、以
下の問題点を有していることがわかった。すなわち、イ
号公報やロ号公報に記載のものは、電気化学的に活性な
反応性電極を用いているので、分極は小さいが電極の再
利用が困難で、銀等を用いるため原価が高く、また、電
極由来の金属イオンの体内への侵入が生じ易く安全性に
欠ける問題点を有していることがわかった。ハ号公報に
記載のものはイオン交換膜を使用しているので、不必要
なイオンの体内への侵入を阻止することはできるが、イ
オン交換膜は一般に高値で、製造面でも技術的に困難で
ある。また、分極により透過電流が低下するという問題
点を有していた。ニ号公報に開示された不活性電極のガ
スの発生を最小に抑える方法は、分極の発生を完全に抑
制することができず満足のいく結果が得られ難いという
問題点を有していた。ロ号公報に記載の皮膚損傷を低減
させるpH調節剤として緩衝液を用いた場合、通電が進
むにつれ緩衝能を有するイオンが体内に侵入し、結果と
して緩衝能が低下するので長時間通電することができな
いという問題点を有していた。また、緩衝能を大きくす
れば競合イオンが増えることになり薬物透過性の面から
も好ましくないという問題点を有していた。したがっ
て、安全で、性能が優れ再利用が可能で低原価で製造可
能なイオントフォレーシス用電極デバイスが要望されて
いる。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決するとと
もに要望を充足させるもので、電極由来の金属イオン
の体内への侵入がなく、安全性が高い。再利用が可能
であり、また、低原価で量産性に優れている。分極を
引き起こすガスの発生を抑え、透過電流を著しく向上さ
せることができる。長時間適用時のpH変化による皮
膚の損傷を防止できる等の優れた性能を有するイオント
フォレーシス用電極デバイスを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために以下の構成を有している。すなわち、基本的
に適用時に不活性電極と該電極と接する減極剤および/
または電解質溶媒に対し難溶性のpH調節剤を含有する
電解質溶媒を積層させた構造である。治療効果を期待す
る薬物は陽イオン性の場合は陽極に、陰イオン性の場合
は陰極に含有される。また、イオントフォレーシス用電
極デバイスを補強する方法、すなわち、バッキングの組
成、構造、また、溶媒、減極剤の保持方法(ゲル、リザ
ーバー型等)等は特に限定されるものではなく、更に電
解質溶媒の補給方法も限定されるものではない。以下、
具体的に構成を説明する。
【0006】請求項1に記載のイオントフォレーシス用
電極デバイスは、バッキング部に配設された不活性電極
部と、非粘着性ゲルに溶解・分散され、若しくは保持材
に保持され、若しくは充填室に秤量して粉粒状にして投
入され、又は自己粘着型ゲルに溶解・分散され前記不活
性電極部の分極を防止する減極剤と、を備え、前記減極
剤が、前記不活性電極部と水酸化物イオンや塩化物イオ
ンよりも優先的に酸化される電極反応活性を有し、かつ
反応生成物が電解質溶媒に容易に溶解するアスコルビン
酸、エリソルビン酸、システイン、アセチルシステイ
ン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸またはこれらの
塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ピロ亜硫酸
塩、亜硝酸塩、ヨウ化物塩またはアルファチオグリセリ
ンの中から1種類または2種類以上の組み合わせで選ば
れる電極反応活性物質である構成を有している。請求項
2に記載のイオントフォレーシス用電極デバイスは、バ
ッキング部に配設された不活性電極部と、非粘着性ゲル
に溶解・分散され、若しくは保持材に保持され、若しく
は充填室に秤量して粉粒状にして投入され、又は自己粘
着型ゲルに溶解・分散され前記不活性電極部の分極を防
止する減極剤と、を備え、前記減極剤が、前記不活性電
極部と水素イオンよりも優先的に還元される電極反応活
性を有し、かつ反応生成物が電解質溶媒に容易に溶解さ
れるか又は導電性が高い塩化第二鉄などの鉄(III)化合
物、過酸化水素の中から1種類または2種類以上の組み
合わせで選ばれる電極反応活性物質である構成を有して
いる。請求項3に記載のイオントフォレーシス用電極デ
バイスは、請求項1又は2において、緩衝液を前記バッ
キング部の系内のゲル中に分散・溶解して、又は前記電
解質溶媒に混合して含有した構成を有している。請求項
4に記載のイオントフォレーシス用電極デバイスは、請
求項1乃至3の内いずれか1項において、pH調節剤を
前記バッキング部の系内に備え、前記pH調節剤が、前
記電解質溶媒に中性付近で難溶性でプロトンや水酸化物
イオンが近づいてはじめて中和反応して溶け出す化学剤
からなる構成を有している。請求項5に記載のイオント
フォレーシス用電極デバイスは、請求項1乃至4の内い
ずれか1項において、開口部に縁部を有しカップ状に形
成され内部に充填室を有する前記バッキング部と、前記
バッキング部から前記充填室の天井部に形成された孔部
に配設された電極端子部と、前記充填室の前記電極端子
部の基部を覆設する前記不活性電極部と、前記縁部に積
層された粘着層と、前記粘着層に接着され前記開口部を
被覆するライナー部と、を備えた構成を有している。請
求項6に記載のイオントフォレーシス用電極デバイス
は、請求項5において、前記充填室に充填された電解質
溶媒を含有する非粘着性ゲルを備えた構成を有してい
る。請求項に記載のイオントフォレーシス用電極デバ
イスは、請求項5において、前記充填室に封入された粉
粒体混合物と、前記開口部を被覆する被覆材と、前記被
覆材又は前記被覆材と前記縁部に渡って積層された前記
粘着層と、前記バッキング部表面から前記充填室の天井
面に開口された前記電解質溶媒や前記電解質溶媒に減極
剤や薬物を溶解した電解液が注入される注入孔部と、前
記注入孔部から前記充填室に注入される前記電解質溶媒
や電解液と、前記注入孔部を密栓する栓部と、を備えた
構成を有している。請求項に記載のイオントフォレー
シス用電極デバイスは、請求項6において、前記非粘着
性ゲルに、前記減極剤、又は、前記pH調節剤、薬物の
内いずれか1種以上が含有された構成を有している。請
求項に記載のイオントフォレーシス用電極デバイス
は、請求項6において、前記減極剤及び/又は前記薬物
を保持した保持材を備えた構成を有している。請求項1
0に記載のイオントフォレーシス用電極デバイスは、請
求項7において、前記充填室に封入された粉粒体混合物
が、減極剤、pH調節剤、薬物のいずれか1種以上であ
る構成を有している。請求項11に記載のイオントフォ
レーシス用電極デバイスは、請求項7において、前記注
入孔部に注入される前記電解液が前記電解質溶媒に減極
剤や薬物の1種以上を溶解した構成を有している。請求
項12に記載のイオントフォレーシス用電極デバイス
は、請求項7において、前記充填室に封入された粉粒体
混合物が減極剤、pH調節剤、薬物のいずれか1種以上
からなり、前記電解液が前記電解質溶媒に前記粉粒体混
合物の種類を除いた減極剤又は薬物のいずれか1種以上
を溶解した構成を有している。請求項13に記載のイオ
ントフォレーシス用電極デバイスは、平板状に形成され
たバッキング部と、前記バッキング部の孔部に配設され
た電極端子部と、前記電極端子部の基部を覆設する不活
性電極部と、前記不活性電極部に積層された(a)電解
質溶媒と、(b)ゲル基剤と、(c)減極剤と、(d)
pH調節剤及び/又は薬物と、を分散・溶解して含有し
た自己粘着型ゲル層と、前記自己粘着型ゲル層に被覆さ
れたライナー部と、を備え、前記減極剤が、前記不活性
電極部と水酸化物イオンや塩化物イオンよりも優先的に
酸化される電極反応活性を有し、かつ反応生成物が前記
電解質溶媒に容易に溶解するアスコルビン酸、エリソル
ビン酸、システイン、アセチルシステイン、チオグリコ
ール酸、チオリンゴ酸またはこれらの塩、亜硫酸塩、亜
硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ピロ亜硫酸塩、亜硝酸塩、ヨ
ウ化物塩またはアルファチオグリセリンの中から1種類
または2種類以上の組み合わせで選ばれる電極反応活性
物質であり、前記pH調整剤が、前記電解質溶媒に中性
付近で難溶性でプロトンや水酸化物イオンが近づいては
じめて中和反応して溶け出す化学剤からなる構成を有し
ている。請求項14に記載のイオントフォレーシス用電
極デバイスは、平板状に形成されたバッキング部と、前
記バッキング部の孔部に配設された電極端子部と、前記
電極端子部の基部を覆設する不活性電極部と、前記不活
性電極部に積層された(a)電解質溶媒と、(b)ゲル
基剤と、(c)減極剤と、(d)pH調節剤及び/又は
薬物と、を分散・溶解して含有した自己粘着型ゲル層
と、前記自己粘着型ゲル層に被覆されたライナー部と、
を備え、前記減極剤が、前記不活性電極部と水素イオン
よりも優先的に還元される電極反応活性を有し、かつ反
応生成物が前記電解質溶媒に容易に溶解されるか又は導
電性が高い塩化第二鉄などの鉄(III)化合物、過酸化水
素の中から1種類または2種類以上の組み合わせで選ば
れる電極反応活性物質であり、前記pH調整剤が、前記
電解質溶媒に中性付近で難溶性でプロトンや水酸化物イ
オンが近づいてはじめて中和反応して溶け出す化学剤か
らなる構成を有している。請求項15に記載のイオント
フォレーシス用電極デバイスは、請求項4乃至13の内
いずれか1項において、前記pH調節剤が、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウムまたはヒドロキシアパタイト等の塩基性酸化
物又は塩基性水酸化物若しくはこれらの混合物である構
成を有している。請求項16に記載のイオントフォレー
シス用電極デバイスは、請求項4乃至12,14の内い
ずれか1項において、前記pH調節剤が、シリカゲル、
軽質無水ケイ酸、無水フタル酸またはイソブチレン無水
マレイン酸共重合体等のケイ酸又は酸無水物若しくはこ
れらの混合物である構成を有している。請求項17に記
載のイオントフォレーシス用電極デバイスは、請求項4
乃至14の内いずれか1項において、前記pH調節剤
が、γ−アルミナ、水酸化アルミニウム、乾燥水酸化ア
ルミニウムゲル、水酸化アルミニウムマグネシウム、ア
ルミニウムグリシネート、合成ヒドロタルサイト、ゼオ
ライト、合成ケイ酸アルミニウム、天然ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アル
ミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムビ
スマス、マガルトレイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マ
グネシウムまたは酸化亜鉛等の両性酸化物、両性水酸化
物、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩、ケイ酸塩または
これらの複塩若しくはこれらの混合物である構成を有し
ている。請求項18に記載のイオントフォレーシス用電
極デバイスは、請求項7乃至13,15,17の内いず
れか1項において、前記薬物が、陽イオンに解離する薬
物からなる構成を有している。請求項19に記載のイオ
ントフォレーシス用電極デバイスは、請求項7乃至1
2,14,16,17の内いずれか1項において、前記
薬物が、陰イオンに解離する薬物からなる構成を有して
いる。
【0007】この構成により、本発明は以下の作用を有
する。デバイス内に不活性電極部と減極剤を備えている
ので、電極に由来する金属イオンの被験者の体内への進
入を防止することができる。また、分極が生じないので
透過電流の低下を防ぎ、高い薬物透過性を得ることがで
きる。デバイス内に不活性電極部と減極剤と緩衝液を備
えている場合は、電極由来の金属イオンの体内への進入
を阻止するだけでなく、分極の発生を防ぐことができ
る。また、イオントフォレーシス用電極デバイスを被験
者に適応した場合、透過電流値により適応時間は異なる
が、不活性電極部と減極剤の組合せではpH変化による
皮膚刺激は単時間(5分〜30分)の適応なら認められ
ないが、更にデバイス内に緩衝剤を加えることにより、
適応時間を中程度(30分〜90分)の時間まで延ばし
ても皮膚への刺激を与えるのを防ぐことができる。デバ
イス内に不活性電極部と減極剤と電解質溶媒に難溶性の
pH調節剤を備えている場合は、他のイオンに比べイオ
ン移動度がけた違いに大きいので、薬物等の競合イオン
として非常に大きな影響を及ぼすことができ、プロトン
や水酸化物イオンを中和し薬物イオンとの競合をなくす
ことができるので高い薬物の透過量を維持できる。ま
た、中和に必要な分だけイオンが交換されるので緩衝能
が投与中持続し、皮膚刺激を与えることがない。また、
緩衝液と違い難溶性のpH調節剤は、中和に必要な分だ
けイオンが溶け出すので薬物との競合は最小限に止める
ことができる。その結果、該電極デバイスを被験者に長
時間適応してもpH変化による皮膚刺激の発生を防ぐこ
とができる。緩衝能が持続的で皮膚刺激がないことか
ら、長時間の適応が可能なので、従来困難であった高分
子の薬物を投与できるとともに、長時間に渡ってゆっく
り投与を必要とする薬物にも好適に対応できる。更に、
長時間の投与であっても、電極に由来する金属イオンが
被験者の体内へ侵入することがなく、分極が生じないの
で透過電流の低下を防ぎ、高い薬物透過性を得ることが
できる。不活性電極部を有しているので、粘着層等を洗
浄自在のものを使用した場合は何回でも再利用を行うこ
とができる。また、不活性電極をカーボンペーストで作
製した場合は、従来の該電極デバイスに比べ著しく低原
価で製造できるとともにカーボンペーストと塗着するだ
けで不活性電極部が得られるので生産性を高めることが
できる。
【0008】ここで、バッキング部の材質としては、ポ
リエチレンテレフタレート,ポリエチレン、ポリプロピ
レン、塩化ビニル樹脂、ポリウレタンおよびこれらのフ
ィルムの積層物等が用いられる。特に、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレン、が好ましい。薬物吸着
性、水蒸気透過性が比較的小さく、塩化ビニル樹脂は燃
焼時に有害な塩化水素ガスを発生するので環境面で好ま
しくない。バッキング部の形状としては断面が円、楕
円、四角形状のカップ状や平板状のものが利用できる。
【0009】電極端子部としては、雄のホック状に形成
されたもの等外部電源を簡単に接続できるとともにバッ
キング部の孔部に挿着され易く、かつシール性を備え易
いものであればよい。
【0010】不活性電極部の電極としては、通常イオン
トフォレーシス用電極デバイスに使用される溶液組成物
に対し、通電時に陽極での酸素ガスまたは塩化物イオン
による塩素ガスの発生または陰極での水素ガスの発生を
起こすものが使用される。具体的には、カーボン、白
金、チタンまたは金、ニッケル等が挙げられる。中でも
カーボンは安価でカーボンペーストにより製造すれば生
産性を高めることができるので好ましい。また、陰極用
の電極に限れば保存中に電解質溶媒などによる腐食が起
こらなければ、あらゆる金属材料が使用可能である。特
に、鉄、アルミニウム、銅等の金属は溶出がないため安
全性を高めることができる。
【0011】粘着層としては、粘着剤を通しての漏水を
防ぐため、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリ
コーン系等の油性粘着基剤が使用される。尚、再利用性
を考慮する場合は水性有機溶媒に可溶性の材質を用いる
のが好ましい。再利用する場合、粘着層を水性有機溶媒
に浸したりするだけで簡単に剥離できるので、デバイス
の再使用ができる。ライナー部としては材質はポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレン等の合成樹脂フィ
ルムやシート等やアルミニウムなどの金属フィルム及び
それらの複合フィルムが使用される。尚、再利用性を付
与するときは金属フィルムを使用するのが好ましい。機
械的強度が高いためである。
【0012】電解質溶媒としては、電解質を十分に解離
させることが可能であり、かつ安全性が高ければあらゆ
る溶媒が使用可能である。具体的には、水、エタノー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げら
れ、これらを単独でまたは2種類以上の組み合わせで用
いることができる。非粘着性ゲルとしては、寒天、ゼラ
チン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギ
ーナン、ペクチン、グルコマンナン、ジェランガム、タ
マリンドガム、ポリアクリルアミドが好適に使用でき
る。尚、必要に応じて架橋剤を用いてもよい。再使用に
当たっては非粘着性ゲルは洗い流すなどして簡単に処理
できる。
【0013】減極剤としては電極の分極を減少させる目
的で添加されるもので、陽極と陰極で異なった減極剤が
用いられる。陽極用の減極剤は酸化される部分がアニオ
ン性の方が反応の場である電極表面に泳動的に接近しや
すいということで有利であるが濃度が十分であればノニ
オン性でもかまわない。平衡論的には標準酸化還元電位
が低い方が酸化されやすいが、速度論的には濃度、電極
触媒作用などが関与し、有効な減極剤は標準酸化還元電
位だけでは判断できない。処方された系において水酸化
物イオン及び塩化物イオンより優先的に酸化される電極
反応活性物質が選択される。このような電極反応活性物
質はアスコルビン酸、エリソルビン酸,システイン,ア
セチルシステイン,チオグリコール酸,チオリンゴ酸ま
たはこれらのナトリウム塩や塩化物等の亜硫酸水素ナト
リウム等の亜硫酸水素塩、チオ硫酸ナトリウム等のチオ
硫酸塩、ピロ亜硫酸ナトリウム,ピロ亜硫酸カリウム等
のピロ亜硫酸塩、ヨウ化カリウム,ヨウ化ナトリウム等
のヨウ化物またはアルファチオグリセリンが特に好まし
く、これらの中から1種類または2種類以上の組合わせ
で使用される。例として陽極に不活性電極と減極剤とし
て亜硫酸ナトリウムおよび電解質溶媒として水を使用し
たときの通電時の電極表面での反応を(化1)に示す。
【化1】 (化1)から明らかなように酸素の発生を伴わずに電流
が流れる。このとき皮膚方向へ移動する陽イオンはナト
リウムイオンとプロトンである。このようなタイプの減
極剤は酸素を取り込むタイプの還元剤で水から酸素を奪
いプロトンを生じるが、この他に亜硫酸水素ナトリウム
等の亜硫酸水素塩、チオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸
塩、ピロ亜硫酸ナトリウム,ピロ亜硫酸カリウム等のピ
ロ亜硫酸塩および亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩が挙げ
られる。
【0014】陽極の他の例として不活性電極と減極剤と
してチオグリコール酸ナトリウムおよび電解質溶媒とし
て水を使用したときの通電時の電極表面での電気化学反
応を(化2)に示す。
【化2】 (化2)から分かるように、酸素の発生を伴わずに電流
が流れる。このとき皮膚方向へ移動する陽イオンはナト
リウムイオンとプロトンである。このようなタイプの減
極剤は水素または金属イオンを放出するタイプの還元剤
で酸化される官能基が解離可能な水素を含めばプロトン
を放出し、金属を含めば金属イオンを放出するが、この
他にアスコルビン酸、エリソルビン酸、システイン、ア
セチルシステイン、チオリンゴ酸およびこれらの塩およ
びアルファチオグリセリン、チオグリコール酸、チオ尿
素が挙げられる。これらの化合物は酸化還元反応に関与
する官能基もしくはそれ以外の官能基に解離可能な水素
を持つのでこれらのうちいずれかの減極剤を選択しても
通電時に皮膚方向へプロトンが移動する。さらに陽極の
例として不活性電極と減極剤としてヨウ化カリウムおよ
び電解質溶媒として水を使用したときの通電時の電極表
面での反応を(化3)に示す。
【化3】 (化3)から分かるように酸素の発生を伴わずに電流が
流れる。また(化3)のように発生したヨウ素はヨウ素
イオンと結合し、可溶性となる。このとき皮膚方向へ移
動する陽イオンはカリウムイオンである。このように単
一原子の価数増加に伴う酸化反応では水素イオンは発生
しない。
【0015】また、陰極用の減極剤は還元される部分が
陽極用とは逆にカチオン性の方が反応の場である電極表
面に泳動的に接近しやすいということで有利であるが、
濃度が十分であればノニオン性でもかまわない。陽極用
と同様に有効な減極剤は標準酸化還元電位だけでは判断
できない。処方された系において水素イオンより優先的
に還元される電極反応活性物質が選択される。ただし不
活性電極部にカーボンを使用する場合、カーボンは酸化
に比較的弱いため強い酸化剤は用いるべきではない。こ
のような電極反応活性物質は塩化第二鉄,クエン酸鉄な
どの鉄(III )化合物、硫酸銅,グルコン酸銅,クエン
酸銅などの銅(II)化合物または過酸化水素が特に好ま
しく、これらの中から1種類または2種類以上の組み合
わせで使用される。 例として陰極に不活性電極性と減
極剤として塩化第二鉄および電解質溶媒として水を使用
したときの通電時の電極表面での電気化学反応を(化
4)に示す。
【化4】 (化4)から明らかなように水素の発生を伴わずに電流
が流れる。このとき皮膚方向へ移動する陰イオンは塩化
物イオンである。このように単一原子の価数減少で示さ
れる還元反応では水酸化物イオンの発生は見られない。
金属イオンの対イオンが水酸化物イオンの場合は皮膚方
向へ水酸化物イオンが移動する。このようなタイプの酸
化剤は他に硫酸銅,グルコン酸銅,クエン酸銅等の銅
(II)化合物およびヨウ素などが挙げられるが、ヨウ素
は還元され、陰イオンとなり人体中に侵入するので好ま
しくない。銅(II)イオンは還元され、銅(I)イオン
または金属銅になるが、金属銅は電解液に対し不溶性で
あっても導電性が高いために分極を起こさない。
【0016】陰極の他の例として不活性電極部と減極剤
として過酸化水素および電解質溶媒として水を使用した
ときの通電時の電極表面での電気化学反応を(化5)に
示す。
【化5】 (化5)から分かるように水素の発生を伴わずに電流が
流れる。このとき皮膚方向へ移動する陰イオンは水酸化
物イオンである。このような陽イオン(この場合プロト
ン)取り込み型の酸化剤の他、過マンガン酸カリウムの
ように反応性酸素放出型の酸化剤も水酸化物イオンを放
出する。これらの減極剤の中でイオン性のものはイオン
交換樹脂のカウンターイオンとして存在させることも可
能である。
【0017】pH調節剤としては、電解質溶媒に対し難
溶性であることが好ましい。電極デバイスが陽極に接続
される場合は塩基性化合物または両性化合物が使用さ
れ、電極デバイスが陰極に接続される場合は酸性化合物
または両性化合物が選択される。塩基性化合物としては
酸化カルシウム,酸化マグネシウム,酸化銀,酸化第一
クロム,一酸化鉄、三二酸化鉄,三酸化二ビスマス、一
酸化マンガン、一酸化銅等の塩基性酸化物、または水酸
化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化クロム,水
酸化コバルト,水酸化第一鉄、水酸化第二銅,水酸化ニ
ッケル,水酸化ビスマス,水酸化マンガン,ヒドロキシ
アパタイト等の塩基性水酸化物が好適に用いられるが、
これらの中でも酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたはヒドロキシ
アパタイトが特に好ましい。カルシウム及びマグネシウ
ムは体内に比較的多量に存在し、体内への少量移行して
も生体への影響がないためである。
【0018】塩基性化合物と酸の中和反応について、
(化6)で酸化カルシウムを例に挙げて説明する。
【化6】 (化6)から明らかなように酸化カルシウムは中性から
塩基性にかけて溶解性が低いので、プロトンが近づいて
はじめて中和反応してカルシウムイオンが溶けだし、電
荷移動はプロトンからカルシウムイオンへと交換され
る。
【0019】酸性化合物としてはシリカゲル,オルトケ
イ酸,軽質無水ケイ酸,石英等のケイ酸及び無水物等の
酸無水物が好適に使用されるが、この中でもシリカゲ
ル、軽質無水ケイ酸、無水フタル酸またはイソブチレン
無水マレイン酸共重合体が特に好ましい。シリカゲルや
軽質無水ケイ酸は反応性が高く、また無水コハク酸等は
水分で加水分解を受け易いので特に好適に用いられる。
酸性化合物と塩基の中和反応について、(化7)で無水
フタル酸を例に挙げて説明する(式中Phはオルトフェ
ニレン基を示す)。
【化7】 (化7)から分かるように無水フタル酸は中性付近で溶
解性が低いので、水酸化物イオンが近づいてはじめて中
和反応してフタル酸イオンが溶けだし、電荷移動は水酸
化物イオンからフタル酸イオンへと交換される。
【0020】また、両性酸化物や両性水酸化物,アルミ
ン酸塩,アルミノケイ酸塩,ケイ酸塩またはこれらの複
塩がさらに選択されるが、これらの中でもγ−アルミ
ナ、水酸化アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲ
ル、水酸化アルミニウムマグネシウム、アルミニウムグ
リシネート、合成ヒドロタルサイト、ゼオライト、合成
ケイ酸アルミニウム、天然ケイ酸アルミニウム、ケイ酸
アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネ
シウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムビスマス、マガ
ルトレイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムま
たは酸化亜鉛,酸化アンチモン,三酸化二鉛,酸化ゲル
マニウム,酸化スズ,水酸化ガリウムが特に好ましい。
これらの金属イオンの安全性が優れているためである。
両性化合物と酸の中和反応について、(化8)でメタケ
イ酸アルミン酸マグネシウムを例に挙げて説明する。
【化8】 この(化8)から分かるようにメタケイ酸アルミン酸マ
グネシウムは中性付近で溶解性が低いので、プロトンが
近づいてはじめて中和反応してアルミニウムイオンおよ
びマグネシウムイオンが溶けだし、電荷移動はプロトン
からアルミニウムイオンおよびマグネシウムイオンへと
交換される。両性化合物と塩基の中和反応について、
(化9)で水酸化アルミニウムを例に挙げて説明する。
【化9】 この(化9)から分かるように水酸化アルミニウムは中
性付近で溶解性が低いので、水酸化物イオンが近づいて
はじめて中和反応してアルミン酸イオンが溶けだし、電
荷移動は水酸化物イオンからアルミン酸イオンへと交換
される。これらの減極剤及びpH調節剤の添加量は好ま
しくはグラム当量として10-8〜10-2の範囲の量で添
加される。
【0021】薬物としては、電解質溶媒に溶解し、解離
するものであれば、あらゆる治療分野における薬物が使
用可能であり、特に分子量102〜106 の薬物が広く
用いられる。これらの薬物群としては抗微生物薬、抗悪
性腫瘍薬、ホルモン剤、抗アレルギー薬、肝疾患用薬、
糖尿病治療薬、代謝性医療品、血液用薬、抗炎症剤、中
枢神経系作用薬、抹消神経作用薬、循環器官作用薬、呼
吸器官作用薬、消化器官作用薬、麻薬、頻尿病治療剤等
が挙げられる。
【0022】陽イオンに解離しうる種々の薬物の例とし
てはバカンピリシン、スルタミシリン、セフポドキシム
プトキセチル、セフテラムピボキシル、セフメノキシ
ム、セフォチアム、ドキシサイクリン、ミノサイクリ
ン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、ロキタマイ
シン、アミカシン、アルベカシン、アストロマイシン、
ジベカシン、ゲンタマイシン、イセパマイシン、カナマ
イシン、ミクロノマイシン、シソマイシン、ストレプト
マイシン、トブラマイシン、エタンブトール、イソニア
ジド、フルコナゾール、フルシトシン、ミコナゾール、
アシクロビル、クロラムフェニコール、クリンダマイシ
ン、ホスホマイシン、バンコマイシン、アクラルビシ
ン、ブレオマイシン、シタラビン、ダカルバジン、ニム
スチン、ペプロマイシン、プロカルバジン、ビンブラス
チン、ビンクリスチン、ビンデシン、カルシトニン類、
パラチロイドホルモン(PTH)、顆粒球コロニー形成
刺激因子(G−CSF)、メカセルミン、アリメマジ
ン、クロルフェニラミン、クレマスチン、メキタジン、
アゼラスチン、ケトチフェン、オキサトミド、メチルメ
チオニンスルホニウムクロライド、コルヒチン、カモス
タット、ガベキサート、ナファモスタット、ミゾリビ
ン、ピロキシカム、プログルメタシン、エモルファゾ
ン、チアラミド、ブプレノルフィン、エルゴタミン、フ
ェナセチン、リルマザホン、トリアゾラム、ゾピクロ
ン、ニトラゼパム、クロナゼパム、アマンタジン、ブロ
モクリプチン、クロルプロマジン、スルトプリド、クロ
ルジアゼポキシド、クロキサゾラム、ジアゼパム、エチ
ゾラム、オキサゾラム、アミトリプチリン、イミプラミ
ン、ノルトリプチリン、セチプチリン、チクロピジン、
アトロピン、臭化ブチルスコポラミン、エペリゾン、臭
化パンクロニウム、チザニジン、臭化ピリドスチグミ
ン、ドブタミン、ドパミン、ベニジピン、ジルチアゼ
ム、ニカルジピン、ベラパミル、アセブトロール、アテ
ノロール、カルテオロール、メトプロロール、ニプラジ
ロール、ピンドロール、プロプラノロール、ジピリダモ
ール、ニコランジル、トラジピル、アジマリン、アプリ
ンジン、シベンゾリン、ジソピラミド、フレカイニド、
イソプレナリン、リドカイン、メキシレチン、プロカイ
ン、プロカインアミド、テトラカイン、ジブカイン、プ
ロパフェノン、キニジン、ヒドロクロロチアジド、トリ
クトルメチアジド、トリパミド、アゾセミド、アモスラ
ロール、ブドララジン、ブナゾシン、カドララジン、ク
ロニジン、デラプリル、エナラプリル、グアネチジン、
ヒドララジン、ラベタロール、プラゾシン、レセルピ
ン、テラゾシン、ウラジピル、ニコモール、エピネフリ
ン、エチレフリン、ミドドリン、パパベリン、クレンブ
テロール、ゲノテロール、マブテロール、プロカテロー
ル、サルブタモール、テルブタリン、ツロブテロール、
チペピジン、アンブロキソール、ブロムヘキシン、シメ
チジン、ファモチジン、ラニチジン、ロキサチジンアセ
タート、ベネキサート、オメプラール、ピレンゼピン、
スルピリド、シサプリド、ドンペリドン、メトクロプラ
ミド、トリメブチン、コデイン、モルヒネ、フェンタニ
ル、ペチジン、オキシブチニン、リトドリン、テロジリ
ン及びそれらの塩が挙げられるがこれらに限定されるも
のではない。
【0023】陰イオンに解離しうる種々の薬物の例とし
てはアモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリ
ン、ベンジルペニシリン、メチシリン、ピペラシリン、
スルベニシリン、チカルシリン、セファクロル、セファ
ドロキシル、セファレキシン、セファトリジン、セフィ
キシム、セフラジン、セフロキサジン、セファマンドー
ル、セファゾリン、セフメタゾール、セフミノクス、セ
フォペラゾン、セフォタキシム、セフォタテン、セフォ
キシチン、セフピラミド、セフスロジン、セフタジジ
ム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフゾナム、
アズトレオナム、カルモナム、フトモキセフ、イメペネ
ム、タラモキセフ、シプロフロキサシン、エノキサシ
ン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシ
ン、ビダラゾン、フルオロウラシル、メトトレキサー
ト、リン酸デキサメタゾンナトリウム、レボチロキシ
ン、リオチロニン、アンレキサノクス、クロモグリク
酸、トラニラスト、グリクラジド、インスリン類、ベン
ズブロマロン、カルバゾクロム、トラネキサム類、アル
クロフェナク、アスピリン、ジクロペナク、イブプロフ
ェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メフェナム
酸、スリンダク、チアプロフェン酸、トルメチン、スル
ピリン、ロベンザリット、ペニシラミン、アモバルビタ
ール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、チオ
ペンタール、フェニトイン、バルプロ酸、ドロキシド
パ、レボドパ、バクロフェン、ダントロレン、デノパミ
ン、フロセミド、アセタゾラミド、ブメタニド、カンレ
ノ酸、エタクリン酸、アラセプリル、カプトプリル、リ
シノプリル、メチルドパ、クロフィブラート、プラバス
タチン、プロブコール、アルプロスタジル、アミノフィ
リン、テオフィリン、カルボシステイン及びそれらの塩
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。ま
た、必要に応じて、ゲル化剤、粘着剤、エデト酸塩など
の安定化剤、防腐剤、吸収促進剤、界面活性剤および初
期pHを調節するためのpH調節剤等を配合することが
可能である。
【0024】保持材としては、減極剤や薬物との吸着が
少なく、電解質溶媒がデバイスから皮膚へ十分移行する
に足る孔径を持つフィルム、織布、不織布であればどの
ようなものでも使用できる。材質の例を挙げれば、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、セルロースアセテート、セルロース、ポリフッ化ビ
ニリデン、親水化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフ
ルオロエチレン、親水化ポリテトラフルオロエチレン、
ポリスルホン、ナイロン等が挙げられ、その形状は、不
織布、濾紙、メンブランフィルター、ポーラスフィルム
等のものが選択され、単一素材であっても、又は複合体
や、コーティッドタイプでもよい。
【0025】粉粒体混合物としては、粒径が200μm
以下のものが特に好適に用いられる。pH調節剤の中和
反応速度、減極剤、薬物の溶解速度の増加に対して有効
なためである。被覆材としては、減極剤や薬物との吸着
が少なく、電解質溶媒がデバイスから皮膚へ十分移行す
るに足り、粉体混合物を通さない大きさの孔径を持つフ
ィルム、織布、不織布であればよく、具体的には前述の
保持材の材質や形状のものが好適に使用される。栓部と
しては電解質溶媒に不活性な天然ゴム、イソプレンゴ
ム、ポリイソブチレンゴム、スチレン−アルケン−スチ
レンブロック共重合体系ゴム、シリコーン系ゴム、アク
リル系ゴム等が用いられる。自己粘着型ゲルとしてはカ
ラヤゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、メトキエチレン無水マレイン酸共重合体、イソブチ
レン無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、N−
ビニルアセトアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体、
ウレタン系粘着剤やこれらの組合わせが好適に用いられ
る。これらの基剤成分は医薬品または医療用具での安全
性試験でその安全性が確認されているためである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1における
イオントフォレーシス用電極デバイスの要部断面図であ
る。D1は非粘着性ゲルに、減極剤,pH調節剤,薬物
等の中から必要なものを選択し、溶解又は分散させた実
施の形態1におけるイオントフォレーシス用電極デバイ
ス、1はポリエチレンテレフタレート(以下、PETと
いう)等の非導電性合成樹脂をカップ状に形成し、開口
部の外側に縁部1aを備えたバッキング部、2はバッキ
ング部1の天井部に穿設された孔部に凸部を挿着された
オスのホック状に形成された電極端子部、3はバッキン
グ部1の天井部に配設され、電極端子部2の基部と電気
的に接続して覆設された不活性電極部、4はバッキング
部1の凹所からなる充填室、5は充填室4に充填された
ゲル化剤の他減極剤、pH調節剤、薬物その内1以上を
電解質溶媒に分散・溶解・ゲル化した非粘着性ゲル、6
はバッキング部1の縁部1aの外側に積層された粘着
層、7は粘着層6に接着されバッキング部1の開口部を
被覆するライナー部である。
【0027】以上のように構成された本実施の形態のイ
オントフォレーシス用電極デバイスについて、以下その
製造方法及びその使用方法を説明する。成形機で成形さ
れた非導電性プラスチック製のカップ状のバッキング部
1の充填室4の天井部に孔を開けオスのホック状の電極
端子部2を装着する。充填室4の天井部に電極端子部2
の基部を覆い隠すように不活性電極部3を装着またはプ
リントする。次いでバッキング部1の縁部1aに粘着層
6を積層する。次いで、充填室4に寒天等の非粘着性ゲ
ル5を充填し、粘着層(6)上にライナー部7を積層す
る。使用時にはライナー部7を剥離し、皮膚または粘膜
に装着し、電極端子部2を回路と接続した後通電を開始
する。以上のように本実施の形態によれば、電極として
不活性電極部を使用しているので、電極に由来する金属
イオンの被験者の体内への侵入がない。また電極は不活
性なので再利用でき省資源化を達成できる。更に電極を
カーボンぺーストで作製すれば、高い生産性でかつ高い
歩留りで低原価で量産できる。不活性電極部と減極剤を
組合わせた場合、分極現象が生じないので透過電流の低
下を防ぎ高い薬物透過性を得ることができる。また、単
一原子の価数変化の反応では通電中でもpH変化による
皮膚刺激の発生を防止できる。更に、通電時にpHが変
化する系では緩衝液を加えることにより、適応時間を更
に延ばすことができる。但し、長時間の適応では緩衝能
が低下する場合があることがわかった。非粘着性ゲルに
減極剤と電解質溶媒に難溶性のpH調節剤を備えている
場合は、緩衝液と違い難溶性のpH調節剤は、中和に必
要な分だけイオンが溶け出すので薬物との競合は最小限
に止めることができる。その効果は安全性の点でも、有
効性の点でも持続的に得ることができる。その結果、該
電極デバイスを被験者に長時間適応してもpH変化によ
る皮膚刺激の発生を防ぐことができる。長時間の適応が
可能なので、従来困難であった高分子の薬物を投与でき
るとともに、長時間に渡ってゆっくり投与を必要とする
薬物にも好適に対応できる。更に、長時間の投与であっ
ても、電極に由来する金属イオンの被験者の体内への侵
入がなく、分極が生じないので透過電極の低下を防ぎ、
高い薬物投与性を得ることができる。
【0028】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2におけるイオントフォレーシス用電極デバイスの要
部断面図である。1はバッキング部、1aは縁部、2は
電極端子部、3は不活性電極部、4は充填室、6は粘着
層、7はライナー部であり、これらは実施の形態1と同
様なものなので同一の符号を付し説明を省略する。D2
は非粘着性ゲルに必要ならばpH調節剤を分散させ、電
解質溶媒中で不安定な減極剤および/または薬物を用い
る場合に、保持材にこれらの不安定物質を乾燥状態で保
持させ、適用直前に保持材と非粘着性ゲルを接触させる
タイプに形成された実施の形態2におけるイオントフォ
レーシス用電極デバイス、8はゲル化剤及び必要に応じ
てpH調節剤を電解質溶媒に分散・溶解・ゲル化した非
粘着性ゲル、9は電解質溶媒等に不安定な減極剤や薬物
を予め保持させた濾紙、不織布、メンブランフィルタ
ー、ポーラスフィルム等からなる保持材である。
【0029】以上のように構成された実施の形態2のイ
オントフォレーシス用電極デバイスについて、以下その
製造方法及びその使用方法を説明する。バッキング部1
や充填室4に電極端子部2、不活性電極部3及び粘着層
6を設けることは実施の形態1と同じである。非粘着性
ゲル8を充填室4に充填し、粘着層6上にライナー部7
を積層して製造する。使用時にはライナー部7を剥離
し、あらかじめ不安定な減極剤および/または薬物を保
持した保持材9を非粘着性ゲル8の表面と接触させなが
ら覆うように装着し、イオントフォレーシス用電極デバ
イスD2 の粘着層6と接するように皮膚または粘膜に装
着し、イオントフォレーシス用電極端子部2を回路と接
続した後通電を開始する。以上のように本実施の形態に
よれば、実施の形態1で得られる効果の他、電解液との
長時間の接触または製造時の加熱に対し不安定な減極剤
および/または薬物を含有するものについて製剤の保存
期間を延長させ、耐久性を著しく向上させることができ
る。
【0030】(実施の形態3)図3は本発明の実施の形
態3におけるイオントフォレーシス電極用デバイスの要
部断面図である。1はバッキング部、1aは縁部、2は
電極端子部、3は不活性電極部、4は充填室、6は粘着
層、7はライナー部であり、これらは実施の形態1と同
様のものなので同一の符号を付し、説明を省略する。D
3 は充填室4に薬物、減極剤および/または電解質溶媒
に難溶性であるpH調節剤を内包し、電解質溶媒や電解
質溶媒に減極剤や薬物を溶解した電解液を適用直前に補
充する実施の形態3におけるイオントフォレーシス用電
極デバイス、10はバッキング部1から充填室4の天井
部に穿設された注入口部、11は注入口部10から注入
される電解質溶媒や電解液が洩れないように密栓すると
ともに電解質溶媒や、電解液を注入する注射針等を挿通
させることのできるゴム等からなる栓部、12は充填室
4に秤量して投入された粉粒状の減極剤やpH調節剤、
薬物等の中から選択された粉粒体混合物、13はバッキ
ング部1の開口部に被覆され、適用時に電解質溶媒や電
解液が漏洩するのを防止するとともに、イオンを透過さ
せるイオン透過被覆材である。
【0031】以上のように構成された実施の形態3のイ
オントフォレーシス電極用デバイスについて、以下その
製造方法及びその使用方法を説明する。バッキング部1
に注入口部10を設けるとともに、電極端子部2、不活
性電極部3を実施の形態1と同様にして設ける。次い
で、注入口部10に栓部11を装着する。粉粒体混合物
12をバッキング部1の内側に投入する。適用時に電解
質溶媒や電解液が急激に漏れないようにするためのイオ
ン透過被覆材13で充填室4の開口部の全面を覆い周辺
部を縁部1aに係止し粘着層6を形成し、さらにその上
にライナー部7を積層する。使用時には注射針を装着し
た注射筒で適量の電解質溶媒や電解液を栓部11から注
入し、充填室4を満たす。ライナー部7を剥離し皮膚ま
たは粘膜に装着後、電極端子部2を回路と接続し通電を
開始する。以上のように本実施の形態によれば、実施の
形態1,2で得られる効果の他、実施の形態2と比較し
て、適用初期の時点で減極剤と不活性電極部が接触して
いるので、透過電流の立ち上がりが早いという効果を有
している。
【0032】(実施の形態4)図4は本発明の実施の形
態4におけるイオントフォレーシス用電極デバイスの要
部断面図である。D4 は自己粘着型ゲルに減極剤、pH
調節剤、薬物などの中から必要なものを選択し、溶解ま
たは分散させた実施の形態4におけるイオントフォレー
シス用電極デバイス、14は非導電性合成樹脂でシート
状又はフィルム状に形成されたバッキング部、15はバ
ッキング部14の電極端子挿着孔に凸部を挿着された電
極端子部、16はバッキング部14の裏面に電極端子部
15の基部を電気的に接続して配設された不活性電極
部、17は電解質溶媒にゲル化剤、及び減極剤、pH調
節剤、薬物を分散・溶解しゲル化させて形成された自己
粘着型ゲル、18は自己粘着型ゲル17の表面に覆設さ
れたライナー部である。
【0033】以上のように構成された実施の形態4のイ
オントフォレーシス用電極デバイスについて、以下の製
造方法及びその使用方法を説明する。イオントフォレー
シス電極用デバイスD4のフィルム状のバッキング部1
4の天井部に孔を開けオスのホック状の電極端子部15
を装着する。バッキング部14の天井部に電極端子部1
5を覆い隠すように不活性電極部16を装着またはプリ
ントする。電解質溶媒にゲル化剤、減極剤、pH調節剤
および/または薬物を分散・溶解しゲル化した前述の自
己粘着型ゲル17を不活性電極部16の面に積層し、さ
らにその上にライナー部18を積層する。使用時にはラ
イナー部18を剥離し、皮膚または粘膜に装着し、電極
端子部15を回路と接続した後通電を開始する。以上の
ように本実施の形態によれば、実施の形態1で得られる
効果の他、適用面積が小さく、形状がシンプルで、適応
面すべてに粘着性を有しているので製剤の脱落が少な
く、生産性を高めることができる。
【0034】
【実施例】以下、実施態様、実施例、試験例を挙げて本
発明をより詳細に説明する。 (実施態様1)天井部に孔を開け電極端子部の凸部を装
着した外形40mm、内径30mm、深さ1.5mm、
厚さ200μmのポリエチレンテレフタレート(以下P
ETと略す)製のカップからなるバッキング部を準備し
た。充填室の天井部の電極端子部の基部を覆設してカー
ボンペーストDY−280L−3(東洋紡(株)製)か
らなる不活性電極部を、厚さ300μm、直径28mm
の円状となるように塗工して形成した後、箱形乾燥機で
乾燥温度60℃で30分、100℃で45分の条件で乾
燥し、イオントフォレーシス電極を得た。このように作
製した不活性電極部のカーボン部分の厚みは150μm
であった。
【0035】(実施態様2)厚さ75μmのPET製フ
ィルムに孔を開け電極端子部の凸部を装着したバッキン
グ部を作製した。次いでその背面の電極端子部の基部を
カーボンペーストDY−280L−3(東洋紡(株)
製)で厚さ300μmとなるように塗工して不活性電極
部を形成した後、箱形乾燥機で乾燥温度60℃で乾燥時
間30分、100℃で45分の条件で乾燥した。次いで
適当な形状に裁断し本実施態様のイオントフォレーシス
電極を得た。このように作製した不活性電極部のカーボ
ン部分の厚みは150μmであった。
【0036】(実施態様3)不活性電極部として直径2
8mm、厚さ50μmの円形状の白金フィルムを用い、
これを充填室の電極端子部の基部に両面テープを介して
貼り合わせた他は実施態様1と同様にして本実施態様の
イオントフォレーシス電極を得た。 (実施態様4)不活性電極部としては厚さ40μmの白
金フィルムを用い、これを電極端子部の基部に両面テー
プを介して貼り合わせた他は実施態様2と同様にして本
実施態様のイオントフォレーシス電極を得た。
【0037】(実施態様5)不活性電極部として直径2
8mm、厚さ50μmの円形状のチタンフィルムを用
い、これを充填室の電極端子部の基部に両面テープを介
して貼り合わせた他は実施態様1と同様にして本実施態
様のイオントフォレーシス電極を得た。 (実施態様6)不活性電極部として厚さ40μmのチタ
ンフィルムを用い、これを電極端子部の基部に両面テー
プを介して貼り合わせた他は実施態様2と同様にして本
実施態様のイオントフォレーシス電極を得た。
【0038】(実施態様7)厚さ75μmのPET製の
フィルムに孔を開け電極端子部の凸部を挿着しバッキン
グ部を作製した。一方、厚さ40μmの銀フィルムの片
面を両面テープと貼り合わせたものを陽極とし0.9%
塩化ナトリウム水溶液を電解液として直流電流を0.5
mA/cm2で4時間通電させ、できたAgCl/Ag
を水洗した後、60℃で3時間乾燥して得た不活性電極
部を作製した。この不活性電極部の両面テープの離型紙
を剥離し電極端子部の基部と貼り合わせ本実施態様のイ
オントフォレーシス電極を得た。 (実施態様8)天井部に孔を開け電極端子部の凸部を装
着した外径40mm、内径30mm、深さ1.5mm、
厚さ200μmのPET製のカップからなるバッキング
部を作製した。一方、厚さ40μmの銀フィルムの片面
を両面テープで貼り合わせたものを陽極とし0.9%塩
化ナトリウム水溶液を電解液として直流電流を0.5m
A/cm2で4時間通電させ、できたAgCl/Agを
水洗した後、60℃で3時間乾燥して得た不活性電極部
を作製した。次いで、この不活性電極部の両面テープの
離型紙を剥離し充填室の電極端子部の基部に貼り合わせ
本実施態様のイオントフォレーシス電極を得た。
【0039】(実施態様9)不活性電極部としては厚さ
40μmの銀フィルムを用い、これを電極端子部の基部
に両面テープを介して貼り合わせた他は実施態様2と同
様にして本実施態様のイオントフォレーシス電極を得
た。 (実施態様10)不活性電極部として直径28mm、厚
さ50μmの円形状の銀フィルムを用い、これを充填室
の電極端子部の基部に両面テープを介して貼り合わせた
他は実施態様1と同様にして本実施態様のイオントフォ
レーシス電極を得た。
【0040】(実施態様11〜実施態様28)(表1)
に記載する処方で、各減極剤を電解質溶媒として精製水
を用い全量が100gとなるように室温で溶解調製し、
実施態様11〜実施態様28の電解液を作製した。
【表1】 (実施態様29〜実施態様49)(表2),(表3)に
記載の処方で、電解質溶媒として精製水を用い、陽極用
のpH調節剤と減極剤を全量が100gとなるように室
温で溶解、均一分散調製し、実施態様29〜49の電解
液を作製した。
【表2】
【表3】
【0041】(実施態様50〜実施態様69)(表
4),(表5)に記載の処方で、電解質溶媒として精製
水を用い、陰極用のpH調節剤と、減極剤として30%
過酸化水素水2.5mlを全量が100gとなるように
室温で混和、均一分散調製し、実施態様50〜69の電
解液を作製した。
【表4】
【表5】
【0042】(実施例1〜実施例20)内径17.8m
m、電極間距離が5mmの円筒状のセルを準備し、その
一方に直径22mmの円形状に裁断した実施態様2、
4、6のイオントフォレーシス電極を両面テープを介し
て固定し、(表1)の実施態様11〜28の電解液をセ
ルに1.25ml充填した後、セルの他方に、ライナー
部として直径22mlの円形状に裁断された離型処理を
施したPET製フィルムを両面テープを介して固定し、
(表6)に示す組み合せで実施例1〜20のイオントフ
ォレーシス用電極デバイスを作製した。
【表6】
【0043】(実施例21〜実施例61)内径17.8
mm、電極間距離が5mmの円筒状のセルの一方に直径
22mmの円形状に裁断した実施態様2のイオントフォ
レーシス電極を両面テープを介して固定し、(表2)乃
至(表5)の実施態様の電解液を1.25ml充填した
後、セルの他方に、ライナー部として直径22mmの円
形状に裁断された離型処理を施したPET製フィルムを
両面テープを介して固定し、(表7),(表8)に示す
組合せで実施例21〜61のイオントフォレーシス用電
極デバイスを作製した。
【表7】
【表8】
【0044】(実施例62) 亜硫酸ナトリウム 21.0g ケイ酸カルシウム 26.0g塩酸テトラカイン 60.0g 全量 107.0g 上記各粉粒体試料を準備し、これらを十分に混合し粉粒
体混合物を調整した。実施態様1のイオントフォレーシ
ス電極のカップ状のバッキング部の天井部に直径5m
m、厚さ1mmの栓部としてシリコーンゴムを貼り合わ
せた後、充填室内に、粉粒体混合物107mgを投入
し、次いで、縁部に外径40mm、内径30mmのドー
ナツ状の両面テープを貼り付けた後、離型紙を剥離して
その上にイオン透過被覆材として直径34mmの円形状
の濾紙を接着し、次いでライナー部として直径44mm
の離型処理が施してある厚さ75μmのPET製フィル
ムを用いその離型面と貼り合わせ、実施例62のイオン
トフォレーシス用電極デバイスを得た。なお、電解質溶
媒として精製水を準備し、適用時に1mlの針付き注射
筒で、栓部から注入し粉粒体混合物を溶解した。
【0045】(実施例63) アスコルビン酸 2.0g 乾燥水酸化アルミニウムゲル 0.8g 塩酸テトラカイン 6.0g 寒天 1.0g精製水 90.2g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水の半量でゲル剤とし
て寒天を加熱溶解し、60℃となったところで、予め残
りの精製水に溶解、分散し、60℃に加熱しておいたア
スコルビン酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、塩酸テト
ラカイン分散溶液をこれに加え、試剤を作製した。この
試剤1.0gを縁部に外径40mm、内径30mmのド
ーナツ状の両面テープを貼り付けた実施態様1のカップ
状のイオントフォレーシス電極の充填室に充填した後、
この試剤を冷却固化させた。次いで直径44mmの離型
処理が施してある厚さ75μmのPET製フィルムをラ
イナー部として用い、その離型面をバッキング部の開口
部の縁部に両面テープを介して貼り合わせ、実施例63
のイオントフォレーシス用電極デバイスを得た。
【0046】(実施例64)実施態様3のイオントフォ
レーシス電極を用いた他は、実施例61と同様の方法で
実施例64のイオントフォレーシス用電極デバイスを作
製した。 (実施例65)実施態様5のイオントフォレーシス電極
を用いた他は実施例61と同様の方法で実施例65のイ
オントフォレーシス用電極デバイスを作製した。
【0047】(実施例66) アスコルビン酸 2.0g 塩酸テトラカイン 6.0g 寒天 1.0g精製水 91.0g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水の半量で寒天を加熱
溶解し、60℃となったところで、予め残りの精製水に
溶解し、60℃に加熱しておいたアスコルビン酸、塩酸
テトラカイン溶液をこれに加えて試剤を作製した。この
試剤1.0gを底部に外径40mm、内径30mmのド
ーナツ状の両面テープを貼り付けた実施態様1のイオン
トフォレーシス電極のカップ状のバッキング部の充填室
に充填した後、この試剤を冷却固化させた。次いで、直
径44mmの離型処理が施してある厚さ75μmのPE
T製フィルムをライナー部として用い、その離型面をバ
ッキング部の開口部の縁部に該テープを介して貼り合わ
せ、本実施例のイオントフォレーシス用電極デバイスを
作製した。
【0048】(実施例67) イソブチレン無水マレイン酸共重合体 20.0g 水酸化ナトリウム 3.0g 精製水 36.0g プロピレングリコール 30.0g エリソルビン酸 2.0g 塩酸テトラカイン 6.0g メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 1.5gジエチレンジグリシジルエーテル 1.5g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中のイソブチレン無水マレイン
酸共重合体及び水酸化ナトリウムを精製水に加熱溶解
し、冷却した後窒素雰囲気下でプロピレングリコール、
エリソルビン酸、塩酸テトラカイン、メタケイ酸アルミ
ン酸マグネシウム、ジエチレンジグリシジルエーテルを
添加し、混合分散した試剤を作製した。この試剤を厚さ
1.5mmとなるように、厚さ75μmのPET製フィ
ルムの離型面に展膏し、実施態様2のイオントフォレー
シス電極と貼り合わせ窒素雰囲気下、60℃で24時間
放置した後、直径30mmの円形状に裁断し本実施例の
イオントフォレーシス用電極デバイスを得た。
【0049】(実施例68) ケイ酸カルシウム 1.5g ジェランガム 1.0g精製水 97.5g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天を加熱溶解し
た後、70℃まで温度を下げたところでケイ酸カルシウ
ムを添加し、均一に分散して試剤を作製した。この試剤
1.0gを、縁部に外径40mm、内径30mmのドー
ナツ状の両面テープを貼り付けた実施態様1のイオント
フォレーシス電極のカップ状の充填室に充填し、冷却固
化させた。次いで、直径44mmの離型処理が施してあ
る厚さ75μmのPET製フィルムをライナー部として
用い、その離型面をバッキング部の縁部に両面テープを
介して貼り合わせた。一方、直径34mmの濾紙に0.
04%のサーモンカルシトニン水溶液を10μlおよび
4%チオ硫酸ナトリウム水溶液を100ml滴下し凍結
乾燥し保持材を作製した。適用時にライナー部を剥離し
保持材を試剤のゲル面に貼り合わせて本実施例のイオン
トフォレーシス用電極デバイスとした。
【0050】(実施例69) 塩化第二鉄六水和物 4.0g 寒天 1.0g精製水 95.0g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試剤中の精製水で寒天を加熱溶解し
た後、60℃まで温度を下げたところで塩化第二鉄六水
和物を添加して溶解して試剤を作製した。この試剤1.
0gを、縁部に外径40mm、内径30mmのドーナツ
状の両面テープを貼り付けた実施態様3のイオントフォ
レーシス電極のカップ状の充填室に充填し、この試剤を
冷却固化させた。次いで、直径44mmの離型処理が施
してある厚さ75μmPET製フィルムをライナー部と
して用い、その離型面をバッキング部の縁部に両面テー
プを介して貼り合わせた。一方、直径34mmの濾紙に
1%のヒトインスリン水溶液を50μlを滴下し凍結乾
燥し保持材を作製した。適用時にライナー部を剥離し、
保持材を試剤のゲル面に貼り合わせて本実施例のイオン
トフォレーシス用電極デバイスとした。
【0051】(実施例70) 30%過酸化水素水 2.0g 合成ケイ酸アルミニウム 1.5g 寒天 1.0g精製水 95.5g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天を加熱溶解し
た後、60℃まで温度を下げたところで30%過酸化水
素水および合成ケイ酸アルミニウムを添加し均一に分散
して試剤を作製した。この試剤1.0gをバッキング部
の縁部に外径40mm、内径30mmのドーナツ状の両
面テープを貼り付けた実施態様5のイオントフォレーシ
ス電極の充填室に充填し、冷却固化させた。次いで、直
径44mmの離型処理が施してある厚さ75μmのPE
T製フィルムをライナー部として用い、その離型面を両
面テープを介して縁部と貼り合わせて本実施例のイオン
トフォレーシス用電極デバイスとした。
【0052】(実施例71) 酸化カルシウム 1.0g 寒天 1.0g精製水 98.0g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天を加熱溶解し
た後、60℃まで温度を下げたところで酸化カルシウム
を添加し均一に分散して試剤を作製した。この試剤1.
0gをバッキング部の縁部に外径40mm、内径30m
mのドーナツ状の両面テープを貼り付けた実施態様1の
イオントフォレーシス電極の充填室に充填し、冷却固化
させた。次いで、直径44mmの離型処理が施してある
厚さ75μmのPET製フィルムをライナー部として用
い、その離型面を両面テープを介して縁部と貼り合わせ
た。一方、直径34mmの濾紙に20%のアスコルビン
酸ナトリウム水溶液を100mlを滴下し凍結乾燥し保
持材を作製した。適用時にライナー部を剥離し、保持材
を試剤のゲル面に貼り合わせて本実施例のイオントフォ
レーシス用電極デバイスとした。
【0053】(比較例1)底面積2.5cm2、電極間
距離が0.5cmの円筒状のセルの一方に直径22mm
の円形状に裁断した実施態様9のイオントフォレーシス
電極を両面テープを介して固定した後、セル内に、0.
9%塩化ナトリウム水溶液を1.25ml充填し、次い
で、セルの他方に直径22mmの円形状に裁断した離型
処理が施されたPETフィルムを両面テープを介して固
定しイオントフォレーシス用電極デバイスを得た。 (比較例2)底面積2.5cm2、電極間距離が0.5
cmの円筒状のセルの一方に直径22mmの円形状に裁
断した実施態様2のイオントフォレーシス電極を両面テ
ープを介して固定した後、セル内に0.9%塩化ナトリ
ウム水溶液を1.25ml充填し、次いでセルの他方に
直径22mmの円形状に裁断した離型処理が施されたP
ET製フィルムを両面テープを介して固定しイオントフ
ォレーシス用電極デバイスを得た。
【0054】(比較例3)底面積2.5cm2、電極間
距離が0.5cmの円筒状のセルの一方に直径22mm
の円形状に裁断した実施態様2のイオントフォレーシス
電極を両面テープを介して固定した後、セル内に2%ア
スコルビン酸水溶液を1.25ml充填し、次いで、セ
ルの他方に直径22mmの円筒状に裁断した離型処理が
施されたPET製フィルムを両面テープを介して固定し
イオントフォレーシス用電極デバイスを得た。 (比較例4)底面積2.5cm2、電極間距離が0.5
cmの円筒状のセルの一方に直径22mmの円形状に裁
断した実施態様2のイオントフォレーシス電極を両面テ
ープを介して固定した後、セル内に22%アスコルビン
酸、0.5%水酸化ナトリウム水溶液を1.25ml充
填し、次いでセルの他方に直径22mmの円形状に裁断
した離型処理が施されたPET製フィルムを両面テープ
を介して固定しイオントフォレーシス用電極デバイスを
得た。
【0055】(比較例5)底面積2.5cm2、電極間
距離が0.5cmの円筒状のセルの一方に直径22mm
の円形状に裁断した実施態様2のイオントフォレーシス
電極を両面テープを介して固定した後、セル内に0.7
5%過酸化水素水を1.25ml充填し、次いでセルの
他方に直径22mmの円形状に裁断した離型処理が施さ
れたPETフィルムを両面テープを介して固定しイオン
トフォレーシス用電極デバイスを得た。 (比較例6)
底面積2.5cm2、電極間距離が0.5cmの円筒状
のセルの一方に直径22mmの円形状に裁断した実施態
様2のイオントフォレーシス電極を両面テープを介して
固定した後、セル内に0.75%過酸化水素水を含有し
た0.1モルリン酸緩衝液(pH=7.00)を1.2
5ml充填し、次いでセルの他方に直径22mmの円形
状に裁断した離型処理が施されたPET製フィルムを両
面テープを介して固定しイオントフォレーシス用電極デ
バイスを得た。
【0056】(比較例7) 塩酸テトラカイン 6.0g 寒天 1.0g精製水 93.0g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水の半量で寒天を加熱
溶解し、60℃となったところで、あらかじめ残りの精
製水に溶解し、60℃に加熱しておいた塩酸テトラカイ
ン溶液をこれに加えて試剤を作製した。この試剤1.0
gをバッキング部の縁部に外径40mm、内径30mm
のドーナツ状の両面テープを貼り付けた実施態様1のイ
オントフォレーシス電極の充填室に充填し、冷却固化さ
せた。次いで直径44mmの離型処理が施してある厚さ
75μmのPET製フィルムをライナー部として用い、
その離型面を両面テープを介して縁部と貼り合わせて、
イオントフォレーシス用電極デバイスを得た。
【0057】(比較例8) ケイ酸カルシウム 1.5g ジェランガム 1.0g精製水 97.5g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天を加熱溶解し
た後、温度を70℃まで下げたところでケイ酸カルシウ
ムを添加、均一分散して試剤を得た。この試剤1.0g
をバッキング部の縁部に外径40mm、内径30mmの
ドーナツ状の両面テープを貼り付けた実施態様1のイオ
ントフォレーシス電極の充填室に充填し冷却固化させ
た。次いで直径44mmの離型処理が施してある厚さ7
5μmのPET製フィルムをライナー部として用い、そ
の離型面を両面テープを介して縁部と貼り合わせた。別
に直径34mmの濾紙に0.04%サーモンカルシトニ
ン水溶液を10μl滴下し凍結乾燥し保持材を作製し
た。適用時に保持材と試剤のゲル面とを貼り合わせてイ
オントフォレーシス用電極デバイスとした。
【0058】(比較例9) 水酸化ナトリウム 1.0g ジェランガム 1.0g精製水 98.0g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天を加熱溶解し
た後、温度を70℃まで下げたところで水酸化ナトリウ
ムを添加し、均一に分散して試剤を得た。この試剤1.
0gをバッキング部の縁部に外径40mm、内径30m
mのドーナツ状の両面テープを貼り付けた実施態様1の
イオントフォレーシス電極の充填室に充填し、冷却固化
させた。次いで、直径44mmの離型処理が施してある
厚さ75μmのPETフィルムをライナー部として用
い、その離型面を両面テープを介して縁部と貼り合わせ
た。別に直径34mmの濾紙に0.04%のサーモンカ
ルシトニン水溶液を10μlおよび4%チオ硫酸ナトリ
ウム水溶液を100ml滴下し凍結乾燥し保持材を作製
した。適用時に保持材と試剤のゲル面とを貼り合わせて
イオントフォレーシス用電極デバイスとした。
【0059】(比較例10) 塩化カルシウム 0.1g ジェランガム 1.0g精製水 98.9g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天を加熱溶解し
た後、温度を70℃まで下げたところで塩化カルシウム
を添加し溶解して試剤を作製した。この試剤1.0gを
バッキング部の縁部に外径40mm、内径30mmのド
ーナツ状の両面テープを貼り付けた実施態様10のイオ
ントフォレーシス電極の充填室に充填し、冷却固化させ
た。次いで、直径44mmの離型処理が施してある厚さ
75μmのPETフィルムをライナー部として用い、そ
の離型面を両面テープを介して縁部と貼り合わせた。別
に直径34mmの濾紙に0.04%のサーモンカルシト
ニン水溶液を10μl滴下し凍結乾燥し保持材を作製し
た。適用時に保持材と試剤のゲル面とを貼り合わせてイ
オントフォレーシス用電極デバイスとした。
【0060】(比較例11) 塩化カルシウム 3.0g ジェランガム 1.0g精製水 96.0g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天を加熱溶解し
た後、温度を70℃まで下げたところで塩化カルシウム
を添加し溶解して試剤を作製した。この試剤1.0gを
バッキング部の縁部に外径40mm、内径30mmのド
ーナツ状の両面テープを貼り付けた実施態様10のイオ
ントフォレーシス電極の充填室に充填し、冷却固化させ
た。次いで、直径44mmの離型処理が施してある厚さ
75μmのPETフィルムをライナー部として用い、そ
の離型面を両面テープを介して縁部と貼り合わせた。別
に直径34mmの濾紙に0.04%のサーモンカルシト
ニン水溶液を10μl滴下し凍結乾燥し保持材を作製し
た。適用時に保持材と試剤のゲル面とを貼り合わせてイ
オントフォレーシス用電極デバイスとした。
【0061】(比較例12) 塩化ナトリウム 0.2g 寒天 1.0g精製水 98.8g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天および塩化ナ
トリウムを加熱溶解した後、温度を60℃まで下げて試
剤を作製した。この試剤1.0gを縁部に外径40m
m、内径30mmのドーナツ状の両面テープを貼り付け
た実施態様3のイオントフォレーシス電極の充填室に充
填し、冷却固化させた。次いで、直径44mmの離型処
理が施してある厚さ75μmのPETフィルムをライナ
ー部として用い、その離型面を両面テープを介して縁部
と貼り合わせた。別に直径34mmの濾紙に1%のヒト
インスリン水溶液を50μl滴下し凍結乾燥し保持材を
作製した。適用時に保持材と試剤のゲル面とを貼り合わ
せてイオントフォレーシス用電極デバイスとした。
【0062】(比較例13) 塩化ナトリウム 3.0g 寒天 1.0g精製水 96.0g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天および塩化ナ
トリウムを加熱溶解した後、温度を60℃まで下げて試
剤を作製した。この試剤1.0gを縁部に外径40m
m、内径30mmのドーナツ状の両面テープを貼り付け
た実施態様8のイオントフォレーシス電極の充填室に充
填し、冷却固化させた。次いで、直径44mmの離型処
理が施してある厚さ75μmのPETフィルムをライナ
ー部として用い、その離型面を両面テープを介して縁部
と貼り合わせイオントフォレーシス用電極デバイスとし
た。
【0063】(比較例14) 塩化ナトリウム 3.0g 寒天 1.0g精製水 96.0g 全量 100.0g 上記試料を準備し、試料中の精製水で寒天および塩化ナ
トリウムを加熱溶解した後、温度を60℃まで下げて試
剤を作製した。この試剤1.0gを縁部に外径40m
m、内径30mmのドーナツ状の両面テープを貼り付け
た実施態様10のイオントフォレーシス電極の充填室に
充填し、冷却固化させた。次いで、直径44mmの離型
処理が施してある厚さ75μmのPETフィルムをライ
ナー部として用い、その離型面を両面テープを介して縁
部と貼り合わせイオントフォレーシス用電極デバイスと
した。
【0064】(試験例1〜23)実施例1乃至実施例2
0、比較例1および比較例2のイオントフォレーシス用
電極デバイスと、直径22mmの円形状に裁断した実施
態様7または実施態様9のイオントフォレーシス電極を
準備し、(表9),(表10)に示す組み合わせで、イ
オントフォレーシス用電極デバイスのライナー部を剥離
し、イオントフォレーシス電極と貼り合わせ各電極端子
部にパルス電流を1mA流したときの1、2および3時
間後の透過電流値と電圧値を測定した。その測定結果を
(表9),(表10)に示した。
【表9】
【表10】 また、試験例NO.1,10,18,21,22および
23の透過電流変化を図5に、電圧変化を図6に示し
た。(表9),(表10)および図5から明らかなよう
に、不活性電極と減極剤の組み合わせである本実施例の
試験例NO.1からNO.20までの試験例は陽・陰極
とも、比較例の試験例NO.21と比較して、透過電流
の低下が生じていないことがわかった。また、(表
9),(表10)および図6から明らかなように、本実
施例の試験例NO.1及びNO.4から20まではカー
ボンの抵抗由来で電圧が若干高くなっている程度であ
る。イオントフォレーシス用電極デバイスとイオントフ
ォレーシス電極は人体を介して直列で接続されているの
でこの場合の電圧上昇は人体に印加される電圧には全く
影響を及ぼさない。減極剤が添加されていない比較例の
電解液と不活性電極の組み合わせである試験例NO.2
2および23は分極により透過電流の低下が起こり、電
圧も大きくなっていることがわかった。また減極剤にア
スコルビン酸を使用した試験例NO.11とその塩であ
るアスコルビン酸ナトリウムを使用した試験例NO.1
7を比較しても透過電流値および電圧ともに差異が認め
られなかったので、減極剤に塩を用いても減極効果が変
わらないことが確認された。比較例のイオントフォレー
シス用電極デバイスを用いた試験例NO.22の陽極の
電極表面及びNO.23の陰極の電極表面にはかなりの
量の気泡の発生が観察されたが、それ以外の電極には観
察されなかった。
【0065】(試験例24〜46)実施例21乃至4
1、比較例3及び4のイオントフォレーシス用電極デバ
イスと、実施態様7のイオントフォレーシス電極を準備
し、(表11)に示す組み合わせで通電時間におけるp
H値の変化を確認した。内径17.8mm、電極間距離
が5mmの円筒状のセルの一方に直径22mmの円形状
に裁断した実施態様7のイオントフォレーシス電極を両
面テープを用いて装着し、セルの他方に、ライナー部を
剥離し直径22mmの円形状に裁断した濾紙を貼り合わ
せた実施例21〜41、比較例3及び比較例4のイオン
トフォレーシス用電極デバイスの濾紙の面を貼り合わせ
てクリップ固定しサンプルを作製した。測定は濾紙表面
の初期のpH値と、各電極端子部にパルス電流を1mA
流したときの3時間後のpH値を測定して行った。その
結果を(表11)に示した。
【表11】 この(表11)から明らかなように、3時間通電後の難
溶性のpH調節剤が添加された実施例のイオントフォレ
ーシス用電極デバイスを用いた試験例NO.24からN
O.44のpH値は初期値及び3時間通電後も3から1
1までの範囲でコントロールされていることがわかっ
た。これに対し、pH調節剤が未添加の比較例のイオン
トフォレーシス用電極デバイスを用いた試験例NO.4
5は強い酸性を示し、更に水酸化ナトリウムを添加し、
初期のpH値が高かった試験例NO.46も3時間通電
後は強い酸性を示すことがわかった。
【0066】(試験例47〜68)実施例42〜61、
比較例5,6のイオントフォレーシス用デバイスと実施
態様9のイオントフォレーシス電極を準備し、(表1
2)に示す組み合わせで、通電時間におけるpH値の変
化を確認した。内径17.8mm、電極間距離が5mm
の円筒状のセルの一方に直径22mmの円形状に裁断し
た実施態様9のイオントフォレーシス電極を両面テープ
を用いて装着し、セルの他方にPETフィルムを剥離し
直径22mmの円形状に裁断した濾紙を貼り合わせた実
施例42から実施例61、比較例5および比較例6をイ
オントフォレーシス用電極デバイスの濾紙の面を貼り合
わせクリップでこれを固定しサンプルを作製した。測定
は濾紙表面の初期pH値とパルス電流を1mA流したと
きの3時間後のpH値を測定して行った。その結果を
(表12)に示した。
【表12】 この(表12)から明らかなように、難溶性のpH調節
剤が添加された実施例のイオントフォレーシス用電極デ
バイスを用いた試験例NO.47からNO.66のpH
値はすべて4から12までの範囲でコントロールされて
いることがわかった。これに対し、pH調節剤が未添加
の比較例のイオントフォレーシス用電極デバイスを用い
た試験例NO.67は強いアルカリ性を示し、さらにリ
ン酸緩衝液を添加し、緩衝効果が期待されたNO.68
も3時間通電後は強いアルカリ性を示すことが判明し安
全性の面で3時間以上の実用に耐えないことがわかっ
た。
【0067】(試験例69〜75)実施例62〜67,
70,比較例7のイオントフォレーシス用電極デバイス
を準備し、(表13)に示す組み合わせで、通電後の局
所麻酔効果指数(%)を確認した。試験は、テトラカイ
ンの局所麻酔効果を薬物透過の指標として(表13)の
試験例で5名の健康成人男子に適用し、各通電時間後に
注射針で適用部位を軽く刺し、(表14)の判定基準で
評価を行った。なお、評価が+となったところで通電を
停止した。
【表13】
【表14】 この(表13)から明らかなように、不活性電極と減極
剤の組み合わせで構成されている実施例のイオントフォ
レーシス用電極デバイスを用いた試験例NO.69から
NO.74は全て30分以内顕著な効果指数を示すが、
減極剤が添加されていない電解液と不活性電極の組み合
わせである比較例のイオントフォレーシス用電極デバイ
スを用いた試験例NO.75は120分通電後も充分な
効果指数を示さなかった。また、実施例の試験例NO.
70からNO.72から明らかなように不活性電極の種
類による効果の差違は認められなかった。尚、試験例N
O.73は難溶性のpH調節剤が未添加であるが、短時
間適応では刺激は認められなかった。
【0068】(試験例76〜80)本実施例68,70
と比較例8〜11,14のイオントフォレーシス用電極
デバイスを準備し、(表15)に示す組み合わせで、サ
ーモンカルシトニンの血中動態試験を行った。試験はサ
ーモンカルシトニンを陽イオンに解離するモデル薬物と
して(表15)の試験例でラットに適用し、血中動態試
験を行った。その結果を(表15)及び図7に示した。
尚、図7は各々4例数の平均値を示した。
【表15】 この図7および(表15)から明らかなように、最高血
清中薬物濃度(Cmax)、血清中薬物濃度曲線下面積
(AUC)ともに不活性電極と減極剤および難溶性のp
H調節剤の組み合わせで構成されている実施例のイオン
トフォレーシス用電極デバイスの試験例NO.76の方
が、減極剤が添加されていない電解液と不活性電極の組
み合わせである比較例のイオントフォレーシス用電極デ
バイスの試験例NO.77、易溶性のpH調節剤と減極
剤及び不活性電極の組み合わせであるNO.78、反応
性電極である銀と少量の塩化カルシウムを組み合わせた
NO.79および反応性電極である銀と少量の塩化カル
シウムを組み合わせたNO.80のいずれよりも大きい
ことが判明した。また、(表15)から明らかなよう
に、pH調節剤を易溶性の物質にしたNO.78はpH
調節効果が十分ではなく発赤が認められた。また競合イ
オンが多いために薬物透過性が減少することが判明し
た。反応性電極の組み合わせであるNO.79は塩化カ
ルシウムが少量であるために皮膚が塩化銀で黒化し、銀
イオンの皮膚透過が示唆された。塩化カルシウムの添加
量を多くしたNO.80は皮膚の黒化は認められなかっ
たが、薬物透過性が減少することが判明した。不活性電
極と減極剤および難溶性のpH調節剤の組み合わせで構
成されているNO.76は皮膚刺激も黒化も認められ
ず、高い薬物透過性を有していることが判明した。
【0069】(試験例81,82)実施例69,71と
比較例12,14のイオントフォレーシス用電極デバイ
スを準備し、(表16)に示す組み合わせで、ヒトイン
スリンの血中動態試験を行った。試験は、ヒトインスリ
ンを陰イオンに解離するモデル薬物として(表16)の
試験例でラットに適用し、血中動態試験を行った。その
結果を(表16)及び図8に示した。尚、図8は各々4
例数の平均値を示した。
【表16】 この(表16)及び図8から明らかなように、Cma
x、AUCともに、不活性電極と減極剤および難溶性の
pH調節剤の組合わせで構成されている実施例のイオン
トフォレーシス用電極デバイスを用いた試験例NO.8
1の方が、減極剤および難溶性のpH調節剤が添加され
ていない電解液と不活性電極の組合わせである比較例の
イオントフォレーシス用電極デバイスの試験例NO.8
2より10倍以上大きいことがわかった。また、(表1
6)に示すように難溶性のpH調節剤が添加されていな
い比較例のサンプルNO.82は陰極適用面に皮膚刺激
が観察されたが、難溶性のpH調節剤が添加された実施
例の試験例NO.81は皮膚刺激が認められないことが
判明した。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、以下の優
れた効果を有するイオントフォレーシス用電極デバイス
を実現できるものである。 (1)電極に不活性電極を使用しているために電極由来
の金属イオンの体内への侵入が無く、安全性を著しく向
上させることができる。 (2)薬物を充填するだけで、再利用が可能であり、か
つ、不活性電極にカーボンを用いた場合は低原価での製
造が可能であり、量産性に優れている。 (3)不活性電極と減極剤を組み合わせているので、著
しく分極を抑制でき、透過電流効率を向上させることが
できる。 (4)電解質溶媒に対し難溶性のpH調節剤を含有させ
ることにより、長時間適用時のpH値変化により皮膚の
損傷を防止できる。 (5)長時間薬物透過性を損なうことなく利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるイオントフォレ
ーシス用電極デバイスの要部断面図
【図2】本発明の実施の形態2におけるイオントフォレ
ーシス用電極デバイスの要部断面図
【図3】本発明の実施の形態3におけるイオントフォレ
ーシス用電極デバイスの要部断面図
【図4】本発明の実施の形態4におけるイオントフォレ
ーシス用電極デバイスの要部断面図
【図5】透過電流の経時変化を示す図
【図6】電圧の経時変化を示す図
【図7】サーモンカルシトニンのラット血清中濃度の経
時変化を示す図
【図8】ヒトインスリンのラット血清中濃度の経時変化
を示す図
【符号の説明】
1 バッキング部 1a 縁部 2 電極端子部 3 不活性電極部 4 充填室 5 非粘着性ゲル 6 粘着層 7 ライナー部 8 非粘着性ゲル 9 保持材 10 注入口部 11 栓部 12 粉粒体混合物 13 イオン透過被覆材 14 バッキング部 15 電極端子部 16 不活性電極部 17 自己粘着型ゲル 18 ライナー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−97662(JP,A) 特開 平3−151982(JP,A) 特表 平5−507017(JP,A) 特表 平3−504813(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61N 1/30 A61K 9/70

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッキング部に配設された不活性電極部
    と、非粘着性ゲルに溶解・分散され、若しくは保持材に
    保持され、若しくは充填室に秤量して粉粒状にして投入
    され、又は自己粘着型ゲルに溶解・分散され前記不活性
    電極部の分極を防止する減極剤と、を備え、前記減極剤
    が、前記不活性電極部と水酸化物イオンや塩化物イオン
    よりも優先的に酸化される電極反応活性を有し、かつ反
    応生成物が電解質溶媒に容易に溶解するアスコルビン
    酸、エリソルビン酸、システイン、アセチルシステイ
    ン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸またはこれらの
    塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ピロ亜硫酸
    塩、亜硝酸塩、ヨウ化物塩またはアルファチオグリセリ
    ンの中から1種類または2種類以上の組み合わせで選ば
    れる電極反応活性物質であることを特徴とするイオント
    フォレーシス用電極デバイス。
  2. 【請求項2】 バッキング部に配設された不活性電極部
    と、非粘着性ゲルに溶解・分散され、若しくは保持材に
    保持され、若しくは充填室に秤量して粉粒状にして投入
    され、又は自己粘着型ゲルに溶解・分散され前記不活性
    電極部の分極を防止する減極剤と、を備え、前記減極剤
    が、前記不活性電極部と水素イオンよりも優先的に還元
    される電極反応活性を有し、かつ反応生成物が電解質溶
    媒に容易に溶解されるか又は導電性が高い塩化第二鉄な
    どの鉄(III)化合物、過酸化水素の中から1種類または
    2種類以上の組み合わせで選ばれる電極反応活性物質で
    あることを特徴とするイオントフォレーシス用電極デバ
    イス。
  3. 【請求項3】 緩衝液を前記バッキング部の系内のゲル
    中に分散・溶解して、又は前記電解質溶媒に混合して含
    有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のイ
    オントフォレーシス用電極デバイス。
  4. 【請求項4】 pH調節剤を前記バッキング部の系内に
    備え、前記pH調節剤が、前記電解質溶媒に中性付近で
    難溶性でプロトンや水酸化物イオンが近づいてはじめて
    中和反応して溶け出す化学剤からなることを特徴とする
    請求項1乃至3の内いずれか1に記載のイオントフォレ
    ーシス用電極デバイス。
  5. 【請求項5】 開口部に縁部を有しカップ状に形成され
    内部に充填室を有する前記バッキング部と、前記バッキ
    ング部から前記充填室の天井部に形成された孔部に配設
    された電極端子部と、前記充填室の前記電極端子部の基
    部を覆設する前記不活性電極部と、前記縁部に積層され
    た粘着層と、前記粘着層に接着され前記開口部を被覆す
    るライナー部と、を備えたことを特徴とする請求項1乃
    至4の内いずれか1項に記載のイオントフォレーシス用
    電極デバイス。
  6. 【請求項6】 前記充填室に充填された電解質溶媒を含
    有する非粘着性ゲルを備えていることを特徴とする請求
    項5に記載のイオントフォレーシス用電極デバイス。
  7. 【請求項7】 前記充填室に封入された粉粒体混合物
    と、前記開口部を被覆する被覆材と、前記被覆材又は前
    記被覆材と前記縁部に渡って積層された前記粘着層と、
    前記バッキング部表面から前記充填室の天井面に開口さ
    れた前記電解質溶媒や前記電解質溶媒に減極剤や薬物を
    溶解した電解液が注入される注入孔部と、前記注入孔部
    から前記充填室に注入される前記電解質溶媒や電解液
    と、前記注入孔部を密栓する栓部と、を備えたことを特
    徴とする請求項5に記載のイオントフォレーシス用電極
    デバイス。
  8. 【請求項8】 前記非粘着性ゲルに、前記減極剤、又
    は、前記pH調節剤、薬物の内いずれか1種以上が含有
    されていることを特徴とする請求項6に記載のイオント
    フォレーシス用電極デバイス。
  9. 【請求項9】 前記減極剤及び/又は前記薬物を保持し
    た保持材を備えていることを特徴とする請求項6に記載
    のイオントフォレーシス用電極デバイス。
  10. 【請求項10】 前記充填室に封入された粉粒体混合物
    が、減極剤、pH調節剤、薬物のいずれか1種以上であ
    ることを特徴とする請求項に記載のイオントフォレー
    シス用電極デバイス。
  11. 【請求項11】 前記注入孔部に注入される前記電解液
    が前記電解質溶媒に減極剤や薬物の1種以上を溶解して
    いることを特徴とする請求項に記載のイオントフォレ
    ーシス用電極デバイス。
  12. 【請求項12】 前記充填室に封入された粉粒体混合物
    が減極剤、pH調節剤、薬物のいずれか1種以上からな
    り、前記電解液が前記電解質溶媒に前記粉粒体混合物の
    種類を除いた減極剤又は薬物のいずれか1種以上を溶解
    していることを特徴とする請求項に記載のイオントフ
    ォレーシス用電極デバイス。
  13. 【請求項13】 平板状に形成されたバッキング部と、
    前記バッキング部の孔部に配設された電極端子部と、前
    記電極端子部の基部を覆設する不活性電極部と、前記不
    活性電極部に積層された(a)電解質溶媒と、(b)ゲ
    ル基剤と、(c)減極剤と、(d)pH調節剤及び/又
    は薬物と、を分散・溶解して含有した自己粘着型ゲル層
    と、前記自己粘着型ゲル層に被覆されたライナー部と、
    を備え、前記減極剤が、前記不活性電極部と水酸化物イ
    オンや塩化物イオンよりも優先的に酸化される電極反応
    活性を有し、かつ反応生成物が前記電解質溶媒に容易に
    溶解するアスコルビン酸、エリソルビン酸、システイ
    ン、アセチルシステイン、チオグリコール酸、チオリン
    ゴ酸またはこれらの塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ
    硫酸塩、ピロ亜硫酸塩、亜硝酸塩、ヨウ化物塩またはア
    ルファチオグリセリンの中から1種類または2種類以上
    の組み合わせで選ばれる電極反応活性物質であり、前記
    pH調整剤が、前記電解質溶媒に中性付近で難溶性でプ
    ロトンや水酸化物イオンが近づいてはじめて中和反応し
    て溶け出す化学剤からなることを特徴とするイオントフ
    ォレーシス用電極デバイス。
  14. 【請求項14】 平板状に形成されたバッキング部と、
    前記バッキング部の孔部に配設された電極端子部と、前
    記電極端子部の基部を覆設する不活性電極部と、前記不
    活性電極部に積層された(a)電解質溶媒と、(b)ゲ
    ル基剤と、(c)減極剤と、(d)pH調節剤及び/又
    は薬物と、を分散・溶解して含有した自己粘着型ゲル層
    と、前記自己粘着型ゲル層に被覆されたライナー部と、
    を備え、前記減極剤が、前記不活性電極部と水素イオン
    よりも優先的に還元される電極反応活性を有し、かつ反
    応生成物が前記電解質溶媒に容易に溶解されるか又は導
    電性が高い塩化第二鉄などの鉄(III)化合物、過酸化水
    素の中から1種類または2種類以上の組み合わせで選ば
    れる電極反応活性物質であり、前記pH調整剤が、前記
    電解質溶媒に中性付近で難溶性でプロトンや水酸化物イ
    オンが近づいてはじめて中和反応して溶け出す化学剤か
    らなることを特徴とするイオントフォレーシス用電極デ
    バイス。
  15. 【請求項15】 前記pH調節剤が、酸化カルシウム、
    酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
    ウムまたはヒドロキシアパタイト等の塩基性酸化物又は
    塩基性水酸化物若しくはこれらの混合物であることを特
    徴とする請求項4乃至13の内いずれか1項に記載のイ
    オントフォレーシス用電極デバイス。
  16. 【請求項16】 前記pH調節剤が、シリカゲル、軽質
    無水ケイ酸、無水フタル酸またはイソブチレン無水マレ
    イン酸共重合体等のケイ酸又は酸無水物若しくはこれら
    の混合物であることを特徴とする請求項4乃至12,
    の内いずれか1項に記載のイオントフォレーシス用電
    極デバイス。
  17. 【請求項17】 前記pH調節剤が、γ−アルミナ、水
    酸化アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸
    化アルミニウムマグネシウム、アルミニウムグリシネー
    ト、合成ヒドロタルサイト、ゼオライト、合成ケイ酸ア
    ルミニウム、天然ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミン
    酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、
    ケイ酸アルミン酸マグネシウムビスマス、マガルトレイ
    ト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムまたは酸化
    亜鉛等の両性酸化物、両性水酸化物、アルミン酸塩、ア
    ルミノケイ酸塩、ケイ酸塩またはこれらの複塩若しくは
    これらの混合物であることを特徴とする請求項4乃至
    の内いずれか1項に記載のイオントフォレーシス用電
    極デバイス。
  18. 【請求項18】 前記薬物が、陽イオンに解離する薬物
    からなることを特徴とする請求項7乃至13,15,1
    の内いずれか1項に記載のイオントフォレーシス用電
    極デバイス。
  19. 【請求項19】 前記薬物が、陰イオンに解離する薬物
    からなることを特徴とする請求項7乃至12,14,
    6,17の内いずれか1項に記載のイオントフォレーシ
    ス用電極デバイス。
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