JP2019129026A - 植物由来過酸化水素の利用法 - Google Patents

植物由来過酸化水素の利用法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019129026A
JP2019129026A JP2018008788A JP2018008788A JP2019129026A JP 2019129026 A JP2019129026 A JP 2019129026A JP 2018008788 A JP2018008788 A JP 2018008788A JP 2018008788 A JP2018008788 A JP 2018008788A JP 2019129026 A JP2019129026 A JP 2019129026A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
medium
amount
hydrogen peroxide
released
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018008788A
Other languages
English (en)
Inventor
乙部 和紀
Kazunori Otobe
和紀 乙部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Agriculture and Food Research Organization
Original Assignee
National Agriculture and Food Research Organization
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Agriculture and Food Research Organization filed Critical National Agriculture and Food Research Organization
Priority to JP2018008788A priority Critical patent/JP2019129026A/ja
Publication of JP2019129026A publication Critical patent/JP2019129026A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

【課題】 安定性と安全性が高く、維持管理が容易な、普遍的な植物を利用した過酸化水素供給方法と、その供給方法を利用した難分解性有機物の分解技術、発電技術、植物生長制御技術を提供する。【解決手段】 植物を育成媒質中で育成し、該植物体内で生起し、根組織を透過して育成媒質中に放出される過酸化水素を蓄積または消去することにより、該媒質中での酸化還元反応を制御する方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、植物体内でのエネルギー産生及び光合成の過程で生起する過酸化水素が根を通じて植物体外に放出される現象を利用して、該過酸化水素の酸化還元力を育成媒質中で効率的に利用する方法に関する。利用の具体例として1)過酸化水素による難分解性有機物の分解、2)過酸化水素放出量に応じた植物の栄養状態の計測並びに制御、3)過酸化水素を利用した発電、等が挙げられる。
過酸化水素(以下H2O2と略)はロケット燃料にも使用される強力な酸化還元剤でありながら、その反応後には水と酸素しか発生しないというクリーンな特性から、産業上、重要な位置を占めている(非特許文献1)。例えば、工業的に生産されたH2O2を利用した難分解性有機物の分解除去(特許文献1)や紙・パルプの漂白、半導体の洗浄など枚挙にいとまがない。また、エネルギー源として水素よりも安全に貯蔵・運搬が可能である等の理由により、燃料電池の燃料として使用するための技術開発が進んでいる(非特許文献2)。農業分野においても、工業的に生産されたH2O2と二価鉄含有資材を併用した殺菌や有害物質の分解技術が提案されている(非特許文献3)。しかし何れの技術においても、化石燃料などのコストをかけて、H2O2を別の場所で生産し、貯蔵運搬を行い、投入し続けなければならないため、持続的なコストと二酸化炭素排出の増加を伴う。
これに対して、天然のH2O2発生源としては植物があげられる。植物は、生命活動に必要なエネルギー生産及び光合成の過程で、生命活動にとって有害な一重項酸素等の活性酸素を不可避的に生成するため、その無毒化の一形態として発生源の内部で即座にH2O2に転換する機構を持っている。生物学的にH2O2は、カタラーゼにより酸素に戻されて再利用される一方で、植物体内において細胞増殖シグナル、細胞死誘導物質、リグニン合成等に利用されていることが知られている(非特許文献4)。
ただし、植物由来H2O2の利用については実用的な濃度での供給に課題がある。生体内でのH2O2生成は活性酸素無毒化の一形態と言っても、高い酸化還元力は保持しているので、高濃度で生体内に保持することはできない。植物の中でも唯一藻類については、その特殊な構造と薬剤によるH2O2過剰生成を利用して燃料電池技術を実現されている(特許文献2)。すなわち当該技術では、単細胞の原始的な植物が外界との物質交換(栄養補給等)を直接行うために具備している物質透過性の高い細胞壁と、除草剤パラコートによる植物細胞内での電子伝達系酵素群の阻害による活性酸素発生機構を利用して、放出するH2O2の濃度を向上させている。しかし、パラコートによる増殖抑制や死滅の危険性などが不安定要因となる。加えて動植物一般に対して毒性を有するパラコートを使用する点も、国際的に除草剤としての使用規制がなされている中で、利用促進のネックとなっている。
以上述べたように、産業上重要な位置を占めるH2O2には、化石燃料を使用して工業的に製造供給するのではなく、無限に存在する光エネルギーを利用可能な植物を用いて、安定的かつ安全に供給する技術が求められているが、その実現には様々な課題が残されていた。
特開平7-75772号公報 特開2005-149771号公報 特許第5828455号公報
今 喜裕、田中真司、佐藤一彦、シンセシオロジー、第8巻第1号pp15-26(2015) 福住俊一、光合成反応メカニズムの解明と応用、光学43巻 6号pp.242-248(2014) 森川クラウジオ健治、化学と生物、第54巻第5号pp312-314(2016) Gerd P. Bienert, Jan K. Schjoerring, Thomas P. Jahn, Biochimica et Biophysica Acta 1758, 994-1003 (2006) 阿江教治・松本真悟、作物はなぜ有機物・難溶解成分を吸収できるのか、農文協p80 (2012)
本発明は、上記課題を解決するため、安定性と安全性が高く、維持管理が容易な、普遍的な植物を利用したH2O2供給方法の提供を課題とする。さらに当該H2O2供給方法を利用した難分解性有機物の分解技術、発電技術、植物生長制御技術等を課題とする。
植物体内でのエネルギー産生及び光合成の過程で生起するH2O2は、茎葉部や根などの至る所で生成されるが、植物体外に放出されなければ利用できない。藻類のように限られた植物種では体外放出が容易に起こるが、高等植物と呼ばれる普遍的な植物種においては、強固な細胞壁を有するために、放出は容易に起こらない。本発明者は、高等植物において唯一、外界との物質交換を行う器官である根に着目し、様々な植物種について根からのH2O2放出特性を入念に調査した結果、適切な植物を用いることにより、実用的な濃度でのH2O2供給を実現できることを見いだし、本発明に至った(図1)。
本発明は、植物由来のH2O2が、高等植物の場合には根を通じて体外に放出される現象を利用して、H2O2の酸化還元力を育成媒質中で効率的に利用する方法を提供するものである。すなわち、第一の発明は、植物を育成媒質中で育成し、該植物体内で生起し、根組織を透過して育成媒質中に放出される過酸化水素を蓄積または消去することにより、該媒質中での酸化還元反応を制御する方法に関する。第二の発明は、植物を育成媒質中で育成し、該植物体内で生起し、根組織を透過して育成媒質中に放出される過酸化水素を利用して媒質中の有機物を分解する方法に関する。第三の発明は、植物を育成媒質中で育成し、該植物体内で生起し、根組織を透過して育成媒質中に放出される過酸化水素と根近傍の媒質中に設置された電極との間で生じる電気化学的な機序に基づいて電気回路を構成し、電力を発生させる方法に関する。第四の発明は、第三の発明によって発生させた電力を指標として、植物の生長量をモニタリングする方法に関する。第五の発明は、第三の発明によって電力を発生させることにより、植物から育成媒質中に放出される過酸化水素を減少させ、または発電動作のオンオフにより過酸化水素の蓄積量制御を行い、これにより、育成媒質中の有機物の分解を抑制し、植物の根の生長を抑制する方法に関する。第六の発明は、植物、植物の根を覆う育成媒質、育成媒質中に配置されたアノードとカソードを含む電力発生装置に関する。
植物由来H2O2は光エネルギーと水と適切な栄養分さえあれば植物が生きている限り生産されるという特長を有する。さらに高等植物を利用することにより、地上部で生成されたH2O2も維管束系を経由して、唯一外界との物質収支を行う根組織に集積されて濃縮・放出される。加えて、比重や沸点が水よりも大きいために放出された後は揮散せず、必ず育成媒質中に蓄積されるので、育成媒質中にのみ酸化還元反応の場が限定され、効率的な利用が可能となる。さらにはH2O2の性質上、カタラーゼ、二酸化マンガン、二価鉄などと反応しない限り容易には分解されないことから、適切な育成媒質を選択すれば、根からのH2O2放出量が変動しても、蓄積効果により十分量の酸化還元活性物質を確保できる。植物の種類(作目や品種など)毎に、H2O2発生量を事前に特定する技術が確立されていることに加え、至適な植物種の選定や効率的な発電が可能な新品種の育成を行うことにより、確実な性能向上が期待できる点も顕著な効果としてあげられる。以上の効果を利用することにより、たとえば難分解性有機物の分解除去に関する従来技術では、当該物質を土壌や廃液中から除去するためにH2O2を投入し続けなければならないのに対し、本発明では光エネルギーと適切な栄養分さえあれば、植物自らが産生するポリフェノールや有機酸類による三価鉄の還元作用もあいまって、連続的かつ低コストでフェントン反応を利用した処理が可能となる。続いて本発明で用いる発電メカニズムは、電極活物質(イオン化傾向の差が明瞭な物質)が明確であるため、起電力を電気化学的に定義できるという効果を有する。基本的な電池構成であるボルタ電池を例にとると(第2図)、下記の化学反応に示すように、電極と活物質(この場合H2O2)の酸化還元電位差に応じた起電力に応じて電荷の授受が行われ、電流が生じる:
アノード側:M(電極材料の金属)→M2+(金属イオン)+2e-
カソード側:H2O2+2H++2e- → 2H2O
この事実により、起電力は電極の表面積、電極に使用する金属の種類、供給されるH2O2量により決まるため、特許文献3に示されるような微生物の活性に依存する従来技術よりも設計が容易となる。同時に、植物の根から放出されるポリフェノールや有機酸類もまた電子供与体となるため、これら物質のH2O2による酸化還元を通じたメディエイター作用により、電極での電子授受反応の亢進作用が生じ、発電効率を向上させることができる。ただしボルタ電池との大きな相違点であるところの電極間充填物質が電解液とは限らない構成のため、電極金属の一方的なイオン化に起因する電極の損耗が課題として残る。そこで理想的な電極構成としては、非特許文献2に示された燃料電池電極のように、アノード電極として炭素電極を用い、表面を酸化還元電位の低い物質(例えばプルシアンブルーなどの鉄含有シアノ架橋金属錯体等)で修飾することにより、電極材料のイオン化による損耗無しで発電することも可能である。以上に示すように、先行文献に示された従来技術では、「電池」であるにもかかわらず、基本的な電極反応(電極活物質)を特定することができない点に、利活用上の大きな問題がある。また、従来技術は発電時に不特定の土着微生物が発電媒体中に生息していることが前提となっているが、発電に寄与しない他の微生物の共存が発電を不安定にするため、還元的または酸化的な条件のどちらかが維持されうる閉鎖系かつクリーンな生存環境が不可欠であったのに対し、本発明では微生物の生存や増殖が困難な環境(殺菌剤・増殖阻害物質の共存下など)での発電も可能である。植物の健全な生育には病原微生物の防除が必須であり、生育媒体の消毒や生育途中での殺菌剤使用は不可避であることから、安定的な発電を継続する上で不可欠な要素である。
根からのH2O2放出様態模式図。 根放出H2O2を利用した発電の模式図。 根からのH2O2放出量(根新鮮重あたり)。 水稲根のH2O2放出量と根の化学発光量の関係。 コムギ幼苗根のH2O2放出量と根の化学発光量の関係。 根放出H2O2によるフミン酸分解試験。 根の放出H2O2による発電試験模式図。 H2O2量に対する電流発生量。 作目毎の最大発電電流量(1Ω負荷時)。 コムギの栽培期間による発電電流量変化。 リン酸投与が幼苗根の化学発光量(H2O2放出量)増加に与える効果。 リン酸投与が出力電流増加に与える効果。
以下、本発明を詳細に説明する。
第一の発明は、育成媒質中に植物の根から放出されたH2O2を酸化還元剤として利用する技術に関する。その実施には育成中の植物体と育成媒質が必要である。すべての高等植物はH2O2を体内で生成しており、それを根から放出しているが、放出量は植物種や育成条件により異なる。ただし僅かの放出能力しか持たない植物であっても、H2O2の分解に寄与する金属イオン(例えばマンガン、銅、鉄等)や酵素(カタラーゼやオキシダーゼ等)が多量に存在しない環境ではH2O2の安定性が高い(分解しにくい)ために、そのような育成媒質を用いれば、本発明の適用は可能である。したがって利用目的にかなう植物であれば、育成媒質を適切に選択することが可能であるため、植物の種類は特に限定されない。但し、好適な植物としては、高等植物を挙げることができ、より好適な植物としては、イネ科の植物、特に、イネ、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ、キビ、アワ、ヒエ、モロコシ、タケ、ヨシ、ススキを挙げることができる。媒質の種類もまた、育成対象の植物が育成できる環境を提供するものであれば、材質(水、土壌、砂、シリカゲル、活性炭、竹炭等)だけでなく、物理的性状(液状、粒状、粉状等)もまた限定されない。媒質格納容器性状(樹脂製、陶器製、金属等)や形態もまた、対象となる植物が育成できる環境を提供し、かつ、放出されたH2O2の酸化還元力を利用しうる構成が可能となるものであれば特に限定されず、自然な植物育成用圃場でも実施可能である。育成の栄養素としては植物の育成に必要な成分(主たる栄養素である窒素、リン酸、カリウムに加え、ホウ素、硫化物、カルシウム等)だけでなく、有機質肥料(ぬか、食物残さ、たい肥等)等の使用も、特に制限されないが、H2O2の分解に寄与する金属イオン(例えばマンガン、銅、鉄等)や酵素(カタラーゼ、オキシダーゼ等)を大量に含有するものは避けることが望ましい。第一の発明では、育成媒質中に放出されたH2O2を蓄積または消去する。H2O2を蓄積させる場合には、H2O2の分解に寄与する金属イオンや酵素を減少させる物質(例えば、マンガン、銅、鉄のキレート剤や殺菌剤)を育成媒質中に添加してもよい。また、後述する実施例5及び6に示すようにリン酸を育成媒質中に添加することによりH2O2の発生量が増大するので、リン酸の添加により、H2O2の蓄積量を増大させてもよい。この際、添加したリン酸が育成媒質(通常の土壌など)中のアルミニウムや鉄などの金属イオンと結びついて不溶化し、植物が吸収できない形態になってしまうことがあるので、リン酸と共に金属イオンのキレート剤を添加することも可能である。あるいは不溶性のリン酸鉄などの三価鉄含有資材もまた、根から放出される有機酸やポリフェノールなどのキレート性物質により三価鉄がキレート・捕捉されると同時に、根からのH2O2放出を促進する効果のあるリン酸を根に供給できるため、リン酸鉄の添加によりH2O2の蓄積量を増大させてもよい。一方、H2O2を消失させる場合には、H2O2の分解に寄与する金属イオンや酵素を育成媒質中に添加してもよいし、プルシアンブルーを育成媒質中に添加して、H2O2によるプルシアンブルー還元とその還元態であるプルシアンホワイトの酸化に基づく酸化還元サイクルを利用して消失させてもよい。
第二の発明の難分解性有機物分解技術の実施形態において、第一の発明と同様、容器や実施場所は特に限定しないが、連続的な処理を前提として処理水中の該物質を除去する場合にはH2O2を放出する植物(ただし湿害に耐性のあるもの)を育成中の湛水可能な圃場または育成媒質を詰めた容器(ただし容器中を処理水が通過可能なもの)に導水して、育成媒質に固定させながら処理するのが望ましい。ただし育成媒質中に蓄積された該物質を除去するだけの場合にはこの限りではない。たとえば該物質が蓄積されている土壌のある敷地にH2O2を放出する植物を育成することでも実施可能である。この場合は植物の湿害耐性の有無は問わない。分解対象とする有機物は特に限定されないが、フェントン反応により分解されることが知られている芳香族化合物およびその重合物、有機塩素化合物、農薬などを挙げることができる(特許文献1)。育成媒質中のH2O2量が多いほど有機物の分解は促進されると考えられるので、第一の発明において説明した方法により育成媒質中のH2O2の蓄積量を増大させ、これによって有機物の分解を促進してもよい。また、H2O2と二価鉄を含有する資材を土壌中に添加して、土壌中の有機物を分解することが従来から行われているが(非特許文献3)、第二の発明における育成媒質中には、十分な量のH2O2が存在すると考えられるので、H2O2を添加せず、二価鉄のみを育成媒質中に添加して、有機物の分解を促進してもよい。あるいは不溶性のリン酸鉄などの三価鉄含有資材もまた、根から放出される有機酸やポリフェノールなどのキレート性物質により三価鉄がキレート・捕捉されると同時に、根からのH2O2放出を促進する効果のあるリン酸を根に供給できるため、リン酸鉄を添加して有機物の分解促進に利用してもよい。
第三の発明の電池構造の最も原始的な構成はボルタ電池である。ただし電極間が不特定の育成媒質で満たされている点や、H2O2を酸化還元反応の活物質として利用する点等において、電池構造はボルタ電池と大きく異なり、育成中の植物と電極と育成媒質のみで構成される1室型、あるいは、植物体と電極、または電極間を水分子が通過する隙間のある素焼きの陶器やイオン交換膜等で隔てた2室型の構造でも可能である。さらにH2O2を燃料として用いる点において、非特許文献2で示された1室型 H2O2燃料電池でも同様の発電が可能であることは明らかである。電池容器並びに電極配置は特に限定されないが、当該電池構成では、植物の根から供給されるH2O2だけでなく、根から供給されるキレート形成能を有する有機物もまた電流発生の活物質として利用できる。キレート物質の種類は植物種に応じて異なるが、具体的にはイノシトール六リン酸(フィチン酸)、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酒石酸、カフェ酸等が挙げられる(非特許文献5)。H2O2は水よりも比重が大きいために根から放出された後は容器底部に移行蓄積するため、電極配置は容器底部に導出線を取り付けたアノードとカソードを、育成媒質あるいは1mm〜10mmの厚さを有する多孔質セラミック板や樹脂製のイオン交換膜等で隔てた状態で設置してもよい。育成媒質中のH2O2量が多いほど発電量は増大すると考えられるので、第一の発明において説明した方法により育成媒質中のH2O2の蓄積量を増大させ、これによって発電量を増大させてもよい。第三の発明がボルタ電池を利用する場合、アノード側電極の金属(亜鉛など)は育成媒質中にイオン化して溶出するが、このとき、このイオンをキレートする物質(溶出するイオンが亜鉛イオンの場合であれば、EDTAなど)を育成媒質中に添加することによっても発電量を増大させることが可能である。
第四及び第五の発明の基本的な考え方は以下の通りである。一般的に高等植物は根から酸化力のある有機酸を放出して、土壌粒子に固定されている腐植と呼ばれる難分解性有機物を分解し、微生物による無機化促進の助けを借りて養分吸収を行っていると言われていた。本発明ではこの分解現象にH2O2が寄与することを示し、加えて、放出H2O2と二価鉄との錯体形成によるフェントン反応を用いて難分解性の有機物を分解することができることを結びつけたものである。これを拡張して、先述の発電システムを用いた、植物の生長活性に応じて変化するH2O2量のモニタリングが第四の発明の基本構成であり、発電による系内H2O2量の減少による養分供給量の低減(=有機物分解量の減少)と、これに基づく発電動作のオンオフによる養分供給量の制御などが第五の発明の基本構成である。
第六の発明は、第三の発明において使用される電池、即ち、電力発生装置に関するものである。
以下、具体的な実施例の説明に移る。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明は、育成媒質中に植物の根から放出されたH2O2を酸化還元剤として利用する技術である。その実現には、育成媒質中でのH2O2放出能力評価に基づいた適切な植物種の選択が必須であるため、以下にその実施例を示す。育成媒質中で適切な環境(温度、湿度、照光)条件及び栄養(窒素・リン酸・カリウム、微量元素)条件の下で育成された植物の根を取りだし、至適な溶液条件にH2O2発色試薬を適当量溶かした水溶液中に根を浸漬し、一定温度条件で一定時間反応させて発色量を評価基準とした。溶液条件はpH7の緩衝能を有する溶液を用い、検出試薬として4−アミノアンチピリンとパーオキシダーゼをそれぞれ1リットル当たり0.01モル及び100ユニットを超える濃度で含有するものを用いた。対象とする根を至適な溶液量及び反応時間つけて溶液を発色させた後、分光光度計を用いて波長540nmでの発色溶液の吸光度を測定し、検量線との比較によって放出量を評価した。さらに、H2O2発生が外来因子(例えば微生物等)の影響でないことを確認するため、根内部でのH2O2の酸化還元作用によるフェノール類の開環反応で生起する化学発光を用いて、品種や栽培条件によるH2O2の生成と放出能力との関係を調査した。該技術を用いて水稲、コムギ、オオムギ、ダイズ、トウモロコシ、トマトの幼苗根が放出するH2O2を評価した例を図3に示す。根新鮮重当たりのH2O2放出量は水稲>コムギ>オオムギ>ダイズ>トウモロコシ>トマトであることから、水稲とコムギの供給力が優れていることが示された。さらにコムギ4品種と水稲5品種についてH2O2放出量と化学発光量との関係を調べ、両者に高い相関関係があることを確認した(図4及び図5)。特にコムギについては育成中の環境温度の影響も調べ、15℃と25℃の異なる環境温度で育成しても放出量と化学発光量との関係は同一検量線を用いて表せることを確認した。以上の結果に基づいて、以下の実施例2〜4に使用する作目として水稲とコムギを選択し、品種として各北陸193号と育成系統RA3015を採用した。
(実施例2)
水稲を用いた難分解性有機物分解試験の具体例を示す(図6)。難分解性有機物のモデル物質として標準的な腐植構成成分のひとつであるフミン酸(和光純薬製)を用い、その5gをシリカゲルパウダー1Lに対して添加した後、500mLのB5培地水溶液500mLとともに1L容量の樹脂製カップ(内径10cm、高さ15cm、容量目盛り突き)に流し込んだものを育成培地として用いた。当該培地に、事前に25〜30℃で育成して草丈15cmほどに生長した北陸163号の幼苗を移植し、自然光下で5週間栽培した後のフミン酸消失度合いを調査した。この際、水稲は湛水状体での栽培が通常の栽培条件であることから、水を張った50L容量のコンテナにカップを沈めた状態を湛水条件、育成培地のみで水稲のない湛水状態での試験区を「対照」、水稲のある湛水条件の試験区を「水浸のみ」、水稲がある状態で湛水条件に3週間置いた後、コンテナから取り出して中干し処理を2週間施した試験区を「中干し」と標記した。「中干し」とは水稲が枯れない程度に水の供給を絶ち、土壌表面の乾き具合を見て灌水する処理を指す。フミン酸は本来黒色の物質であるが、分解により無色となることから、該培地を大さじ1杯分採取して直径5cmのシャーレに入れ、1日常温で風乾した後、色彩色差計(日本電色製)により測定したL*値の増加を黒色の減少量、すなわちフミン酸減少量として評価した(1試験区あたり3カ所から採取した平均値)。図6より、対照区に対して中干しの有無によりフミン酸減少量が変化することが確認された。湛水栽培区でも対照区よりフミン酸が減少しているが、中干し区との比較から、中干し区でフミン酸減少の度合いが大きいと言える。これは、湛水条件下で根から放出されたH2O2が大量の水の存在により希釈されるのに対し、中干し区では希釈されずに蓄積されて濃度が上がり、フェントン反応が進んだためである。
(実施例3)
本実施例で使用した電池の構成を図7に示す。この電池の基本的な構成は、図2に示した電池と同様である。はじめに、図の構成から植物体を除いた状態の電池を構成し、その性能とH2O2濃度に対する応答性を確認した。電池容器並びに電極配置は特に限定されないが、本実施例では樹脂製の1L容量半透明カップ(内径10cm、高さ15cm、容量目盛り突き)に、アノード電極として市販の亜鉛テープを容器内周に貼り付けたものを用いた。媒質は特に限定されないが、他の金属元素由来のイオン伝導などの影響を廃するため、粒径6mm程のシリカゲル1Lに蒸留水500mLを加えて調製した。カソード電極には銀メッキ繊維で織られた幅5cm長さ12cmの布を、筒状に整形したステンレス網(高さ12cm、直径8cm)に固定したものを用いた。各電極をそれぞれステンレス製のクリップで挟み、両クリップ間には1Ω(1W)の金属皮膜抵抗器を接続して負荷とし、デジタルマルチメータにより測定した両端電圧を電流値として用いた。pH6.5で電流出力初期値2.3mA(無負荷時開放電圧;0.9V)を記録した媒質に3% H2O2水溶液を5mL添加して20分後に出力電流は7.5mAに達した時点で市販のH2O2濃度測定キット(共立科学製、パックテスト)により溶液中の残量を確認したところ、30mg/L(約1mmol/L)であった。6時間後には2.7mAまで低下し、H2O2濃度は5mg/Lであった。以上の実験結果から、当該電池構成ではH2O2を活物質として電流が発生することを確認した。
続いて、当該電池構成での発電可能量を調べる実験を行った。上記構成の電池に対して代表的なキレート化合物であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)0.1mol/L水溶液を50mL添加した場合、当該物質の対金属イオンキレート形成能により溶液中の亜鉛イオン濃度が下がり、結果的に亜鉛電極側のイオン化が促進され、12.1mAの電流が発生した(図8)。これに3% H2O2水溶液を5mLずつ添加して20分経過後測定した結果、それぞれの測定時点で19.4mA、27.1mA、36.1mAの発生電流を認めた。以上の結果から、当該電池構成では、植物の根から供給されるH2O2だけでなく、根から供給されるキレート形成能を有する有機物もまた電流発生の活物質として利用できることが示された。
植物による発電の検証は、上記発電システムを組み込んだ容器を用いて、実施例2の栽培方法で調製した水稲と、市販の粒状培土を各1L充填した容器内で4週間栽培したコムギとダイズについて検討した。ただし水稲は乾田状態、コムギとダイズは直前に灌水した条件で、1Ω負荷での電流値を用いた。図9に示すように、水稲とコムギはほぼ同程度の発電量であったのに対して、ダイズは僅かな発電量に留まっており、事前に確認したH2O2放出量に対応する結果が得られた。さらに水稲とコムギについては継続して栽培し、常時通電状態を確保するため1Ω負荷の代わりに低電圧駆動の昇圧コンバータ(最大出力電流10mA、最小駆動電圧0.7V)を経由して赤色LED点灯試験を実施し、2週間以上連続して点灯状態が維持されること、夜間でも点灯(発電)していること、等を確認した。
(実施例4)
実施例2と実施例3を組み合わせて、通電の有無によるフミン酸の減少量と地上部と地下部の生長量との関係を水稲について調べた。図6に見られるように、同じ中干し区でも通電状態を維持した試験区では無通電試験区よりもフミン酸の減少幅が小さかった。通電と無通電の両試験区での植物体量は新鮮重でそれぞれ地上部が97.9gと76.0g、根重は19.2gと27.6gであり、地上部と地下部の両方でH2O2が発生することを考慮すると、植物体重が地上部・地下部の合計でほぼ同じであることから、根からのH2O2放出量もほぼ同じと考えてよい。したがって、フミン酸量の減少における差異は通電によるH2O2消費に起因するフミン酸の分解抑制であると言える。さらに、通電処理区は無通電処理区に比べて地下部の生長が大幅に抑制され、フミン酸分解抑制が根の生長に必要な養分供給抑制につながったと考えられた。以上の結果から、発電システムと併用することで、根の生長制御が可能であることが示された。コムギについては実施例3と同じ栽培方法で、播種後3週間から5週間の間、断続的に電流発生量を計測した結果、図10のように生長に従って電流量が増加する傾向が見られ、発電量が生長量の指標として利用できると考えられた。
(実施例5)
コムギ及びダイズの幼苗根を異なる濃度のリン酸溶液に浸漬し、幼苗根から放出されるH2O2量を測定した。H2O2放出量の測定は、実施例1と同様に、化学発光を用いて行った。この結果を図11に示す。縦軸は、蒸留水に浸漬した際の発光量を1とした相対値を示す。
図に示すように、コムギ及びダイズのいずれも、リン酸濃度を高くするに従い、H2O2放出量も増大した。
(実施例6)
図7に示す構成の電池(育成媒質は粒状培土)で、コムギとダイズを3週間育てた後、蒸留水20mLを加え(灌水)、更にその後1時間おいて、20mLの80mMリン酸水溶液を投与した。灌水前、灌水後、及びリン酸水溶液投与後の電流値(1Ω負荷時)を測定した。この結果を図12に示す。図に示すように、ダイズはもともとの電流値が小さいため各条件間の電流値の差も小さかったが、コムギではリン酸水溶液の投与による電流値の増大がはっきりと示されている。
化学物質としてのH2O2は優れた酸化還元力、反応生成物は水だけ、安定性等の観点から、クリーンな酸化還元剤として工業だけでなく、農業や家庭生活にも漂白剤・殺菌剤等として浸透しており、産業上の重要な地位を占めている(非特許文献1)。しかしその生産には化学工業的な手法に起因するエネルギーコストが存在するため、より環境に優しい生産供給体制が望まれている。ひるがえって本発明では、光エネルギーにより作物生産をしながらその優れた酸化還元力を提供できるため、環境負荷が小さいだけでなく、様々な用途が開けている。先述の産業利用だけでなく、たとえば、植物が供給するH2O2により発電するシステムの実現は、太陽光や風力に並ぶ自然エネルギーの供給源として期待できる。同時に、当該発電システムは植物工場での作物活性モニタリング装置や根圏環境制御装置として利用可能なだけでなく、営農の省力化やスマート化に必要なインフラ(除草・収穫用ロボット、ドローン等)を駆動する電源としての利用も視野にある。加えて、農業上では殺菌剤としての利用や土壌汚染が懸念される有機物や農薬等の分解除去だけでなく、植物がH2O2を放出する理由(土壌有機物の分解・吸収を容易にするため)を鑑みて、当該物質の濃度を制御する手段として上記発電システムを用いて、養分供給量の制御を通じた生育制御手法など、多様な用途が開けている。

Claims (6)

  1. 植物を育成媒質中で育成し、該植物体内で生起し、根組織を透過して育成媒質中に放出される過酸化水素を蓄積または消去することにより、該媒質中での酸化還元反応を制御する方法。
  2. 植物を育成媒質中で育成し、該植物体内で生起し、根組織を透過して育成媒質中に放出される過酸化水素を利用して媒質中の有機物を分解する方法。
  3. 植物を育成媒質中で育成し、該植物体内で生起し、根組織を透過して育成媒質中に放出される過酸化水素と根近傍の媒質中に設置された電極との間で生じる電気化学的な機序に基づいて電気回路を構成し、電力を発生させる方法。
  4. 請求項3記載の方法によって発生させた電力を指標として、植物の生長量をモニタリングする方法。
  5. 請求項3記載の方法によって電力を発生させることにより、植物から育成媒質中に放出される過酸化水素を減少させ、または発電動作のオンオフにより過酸化水素の蓄積量制御を行い、これにより、育成媒質中の有機物の分解を制御し、植物の生長を制御する方法。
  6. 植物、植物の根を覆う育成媒質、育成媒質中に配置されたアノードとカソードを含む電力発生装置。
JP2018008788A 2018-01-23 2018-01-23 植物由来過酸化水素の利用法 Pending JP2019129026A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018008788A JP2019129026A (ja) 2018-01-23 2018-01-23 植物由来過酸化水素の利用法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018008788A JP2019129026A (ja) 2018-01-23 2018-01-23 植物由来過酸化水素の利用法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019129026A true JP2019129026A (ja) 2019-08-01

Family

ID=67471297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018008788A Pending JP2019129026A (ja) 2018-01-23 2018-01-23 植物由来過酸化水素の利用法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019129026A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4363855A (en) * 1979-07-25 1982-12-14 Varta Batterie Aktiengesellschaft Galvanic primary element
US4478916A (en) * 1979-04-06 1984-10-23 Varta Batterie Aktiengesellschaft Method and apparatus for operating aqueous galvanic high energy cells
JPH09248344A (ja) * 1996-03-17 1997-09-22 Hisamitsu Pharmaceut Co Inc イオントフォレーシス用電極デバイス
JP2002034368A (ja) * 2000-07-25 2002-02-05 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 担子菌ペルオキシダーゼ遺伝子を導入した植物及びそれを用いた有害化学物質の分解除去方法
JP2012071296A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Swing Corp 汚泥用脱水助剤及び汚泥の脱水方法と装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4478916A (en) * 1979-04-06 1984-10-23 Varta Batterie Aktiengesellschaft Method and apparatus for operating aqueous galvanic high energy cells
US4363855A (en) * 1979-07-25 1982-12-14 Varta Batterie Aktiengesellschaft Galvanic primary element
JPH09248344A (ja) * 1996-03-17 1997-09-22 Hisamitsu Pharmaceut Co Inc イオントフォレーシス用電極デバイス
JP2002034368A (ja) * 2000-07-25 2002-02-05 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 担子菌ペルオキシダーゼ遺伝子を導入した植物及びそれを用いた有害化学物質の分解除去方法
JP2012071296A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Swing Corp 汚泥用脱水助剤及び汚泥の脱水方法と装置

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
乙部和紀: "オオムギ種子根の自発的ケミルミネセンスによるH2O2生成能評価", 日本作物学会第239回講演会要旨集, JPN7021004932, 2015, pages 187, ISSN: 0004639396 *
大竹憲邦ほか: "植物水耕培養液を活用した化学電池の電極の調査", 新潟大学農学部研究報告, vol. 69, JPN7021004931, 2017, pages 49 - 55, ISSN: 0004765614 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Helder et al. Concurrent bio-electricity and biomass production in three Plant-Microbial Fuel Cells using Spartina anglica, Arundinella anomala and Arundo donax
Wu et al. Hypoxia-induced increase in GABA content is essential for restoration of membrane potential and preventing ROS-induced disturbance to ion homeostasis
Jin et al. Iron deficiency-induced secretion of phenolics facilitates the reutilization of root apoplastic iron in red clover
KR101319118B1 (ko) 병행 복식 무기화반응의 촉매로서 최적화된 미생물군의 종균의 제조방법
BR112021006854A2 (pt) materiais e métodos para a utilização e/ou sequestro de carbono melhorado, bem como para reduzir gases atmosféricos prejudiciais
WO2010041502A1 (ja) 並行複式無機化反応を行う微生物群が固定化された固体担体、触媒カラム、および、植物栽培用固形培地の製造方法
JPWO2007029775A1 (ja) 低照度栽培方法及び植物生長促進剤
Asaduzzaman et al. Growth and yield recovery in strawberry plants under autotoxicity through electrodegradation
Kuleshova et al. Plant microbial fuel cells as an innovative, versatile agro-technology for green energy generation combined with wastewater treatment and food production
US5951839A (en) Method of producing a water-based fluid having magnetic resonance of a selected material
JP5477753B2 (ja) 植物生育向上剤、種子、及び植物の生育を向上させる方法
Nguyen et al. Bioelectricity generation in plant microbial fuel cell using forage grass under variations of circadian rhythm, ambient temperature, and soil water contents
Asaduzzaman et al. Autotoxicity in strawberry under recycled hydroponics and its mitigation methods
Apollon et al. Self-sustainable nutrient recovery associated to power generation from livestock’s urine using plant-based bio-batteries
RU2519233C2 (ru) Использование жидкой минеральной композиции для улучшения адаптивной реакции растений на изменение условий окружающей среды
Wang et al. The role of hydroponic microbial fuel cell in the reduction of methane emission from rice plants
JP2019129026A (ja) 植物由来過酸化水素の利用法
Oyewole Microbial communities and their activities in paddy fields: a review
Zheng Current nutrient management practices and technologies used in North American greenhouse and nursery industries
Regmi Examining different classes of plants under various operating conditions for bioelectricity production in plant microbial fuel cell
Zhen et al. Effects of acetylsalicylic acid and calcium chloride on photosynthetic apparatus and reactive oxygen-scavenging enzymes in chrysanthemum under low temperature stress with low light
RU2261588C2 (ru) Способ электростимуляции жизнедеятельности растений
Hussain et al. The combination of salt and drought benefits selective ion absorption and nutrient use efficiency of halophyte Panicum antidotale
Sugiharta et al. Electrolysis of water using iron electrode to boost the growth of hydroponic plant of water spinach
JP2021061178A (ja) 微生物燃料電池及び蓄電システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201008

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220510