JP3459545B2 - 圧縮機用オイル給油装置 - Google Patents
圧縮機用オイル給油装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,圧縮機のクランク
シャフトが高速回転等したときに,当該クランクシャフ
トを回動自在に支承する軸受でオイル不足が発生しない
ようにした圧縮機用オイル給油装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来,圧縮機は種々の技術分野に用いら
れている。図4はかかる圧縮機のうちロータリ圧縮機の
一般的構成を示す図である。同図を参照して,ロータリ
圧縮機の構成及びその動作を説明する。 【0003】ロータリ圧縮機の入力側には,当該ロータ
リ圧縮機に液冷媒が吸入されないように気液分離するア
キュームレータ1が設けられている。そして,当該アキ
ュムレータ1からの冷媒ガスは,吸入管4を介してケー
ス2内のシリンダ3に吸入される。 【0004】シリンダ3内には,クランクシャフト5に
設けられたローラ6との間にベーン(図示せず)を介し
て吸入室および圧縮室(いずれも図示せず)が形成さ
れ,冷媒は吸入室から圧縮室に導かれて圧縮され,高
温,高圧の冷媒ガスとなる。 【0005】その後,冷媒は吐出口7,吐出弁8を経て
吐出マフラ9に達し,一部はモータ10のステータ11
とロータ12との間の通路(図示せず)を通り,また一
部はステータ11とケース2との間の通路(図示せず)
を通ってモータ10の上部に流れ,そこから吐出管13
を通って流出するようになっている。 【0006】クランクシャフト5は,軸受50により支
承され,その内部は中空となって,後述するオイル流路
22が形成され,当該オイル流路22の下端部には,ク
ランクシャフト5に固着された図示しないスクリューが
配設されている。なお,ケース2の底部には,オイル貯
留槽23が形成されてオイルが貯留している。 【0007】そして,クランクシャフト5の回転に伴い
スクリューがオイル貯留槽23からオイルをオイル通路
22に吸上げ,これにより当該オイル通路22にはオイ
ルが満されるようになる。 【0008】このとき,ローラ6の上下端部のクランク
シャフト5にオイル供給穴24が形成されているので,
オイル通路22に貯留したオイルは当該オイル供給穴2
4から流出して,ローラ6の摺動面を潤滑するようにな
っている。 【0009】また,図5に示すように,当該軸受50の
摺動面52には,スパイラル溝51が形成されている。
当該スパイラル溝51の溝方向は,図5に示すように,
クランクシャフト5の回動方向(矢印Rの方向)と同じ
方向となっている。 【0010】これにより,軸受50の底部53がオイル
貯留槽23に浸っているいるため,その部分のスパイラ
ル溝51に溜っているオイルはクランクシャフト5の回
転に引きずられて,図5に示す矢印D5の方向に移動し
て,軸受50の頭部54から吐出され,これにより軸受
50が潤滑されるようになっている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら,圧縮機
が停止し又は低速定常運転を行っているときには,軸受
50の底部53はオイル貯留槽23のオイルに浸かって
いるものの,圧縮機の起動時や負荷が大きくなりクラン
クシャフト5が高速で回転したりすると以下の理由で軸
受50のオイル不足が発生する問題があった。 【0012】即ち,スパイラル溝51を介して吸引され
たオイルは,時間の経過と共に当該オイル貯留槽23に
戻るが,圧縮機の起動時等において吸引量と戻り量との
アンバランスが生じて,吸引が一方的に生じてしまう。 【0013】通常は,かかるアンバランスも考慮してオ
イル貯留槽23にオイルが貯留されているものの,圧縮
機等による振動で当該オイルの液面が激しく振動して,
一時的に軸受50の底部53にオイルが浸らなくなって
オイル不足が発生する場合がある。 【0014】また,冷媒はオイルに混入する特性がある
(特に冬季のように気温の低いときに生じやすい)ため
に,多量の冷媒が混入している起動時には,軸受50に
給油されるオイル密度が小さくなって,オイル不足を起
してしまう場合がある。 【0015】さらに,オイルに液冷媒が混入していると
(特に夏季のように気温の高いときに発生しやすい),
液冷媒は洗浄液として作用する特性を持つため,当該液
冷媒により軸受50の摺動面52が洗浄されて,オイル
不足を起す場合がある。 【0016】そこで,本発明は,起動時等においても軸
受にオイル不足が発生しないようにした圧縮機用オイル
給油装置を提供することを目的とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,請求項1にかかる発明は,潤滑オイルを貯留するオ
イル貯留槽と,該オイル貯留槽に一端が浸るように設け
られたクランクシャフトと,該クランクシャフトを回動
自在に支承する軸受と,クランクシャフトの軸心部分に
穿孔して形成されたオイル通路とを有して,クランクシ
ャフトが回動することによりオイル貯留槽からオイル通
路を介して摺動部分にオイルを給油してなる圧縮機用オ
イル給油装置において,軸受の頭部上方位置のクランク
シャフトに,オイル通路と連通するオイル供給穴を形成
する。これにより,軸受の底部がオイルに浸っていない
場合でも,軸受の頭部側からオイルが給油されるように
して,当該軸受のオイル不足の発生を防止するようにし
たことを特徴とする。 【0018】また,軸受の摺動面又は,クランクシャフ
トが軸受と摺動する摺動面にスパイラル溝を形成し,か
つ,当該スパイラル溝の溝方向が,軸受の頭部側と底部
側とで逆方向に形成されると共に,その溝方向が変化す
る部分を含むように摺動方向に沿って水平溝を形成す
る。そして,溝方向の異なるスパイラル溝により軸受の
頭部側及び底部側からオイルの給油を促進すると共に,
水平溝で給油されたオイルを貯留するようにして,当該
軸受のオイル不足の発生を防止するようにしたことを特
徴とする。 【0019】更に,スパイラル溝が軸受に形成されてい
る場合には,当該軸受の頭部側の溝方向をクランクシャ
フトの回動方向と逆方向に形成し,スパイラル溝がクラ
ンクシャフトに形成されている場合には,軸受の頭部側
の溝方向をクランクシャフトの回動方向と同方向に形成
する。これにより,軸受の頭部側及び底部側から給油さ
れたオイルの摺動面への侵入を促進して,当該軸受のオ
イル不足の発生を防止するようにしたことを特徴とす
る。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図を
参照して説明する。なお,従来と同一構成は同一符号を
付して説明を適宜省略する。 【0021】図1は本実施の形態に適用される圧縮機の
断面図で,図4に示す従来の圧縮機とクランクシャフト
及び軸受の構造が異なっている。 【0022】即ち,軸受30の頭部35上方位置のクラ
ンクシャフト15には,オイル通路22と連通するオイ
ル供給穴25が形成されて,当該オイル通路22のオイ
ルがオイル供給穴25から軸受30の頭部35に給油さ
れるようになっている。 【0023】図2は,軸受30の断面図で,軸受30の
摺動面31には,それぞれ方向が逆のスパイラル溝3
2,33が2本形成され,当該スパイラル溝32,33
が交わる位置の摺動面31に1本の水平溝34が周方向
に沿って形成されている。 【0024】スパイラル溝32の溝方向は,クランクシ
ャフト15の回動方向(図2においてR方向)と逆方向
に形成されているため,クランクシャフト15に付着し
て回転しているオイルは,あたかも当該スパイラル溝3
2に削り取られるかのようにして,図2に示す矢印D1
の方向に潜り込むようになる。 【0025】当該潜り込みは,クランクシャフト15に
付着して回転しているオイルの回転速度に依存して大き
くなるので,クランクシャフト15の回転速度が大きく
なれば,スパイラル溝32に潜り込むオイル量も多くな
る。 【0026】一方,軸受30の摺動面31に既に侵入し
たオイル又は軸受30の底部36を浸しているオイル貯
留槽23のオイルは,クランクシャフト15との粘性に
より引きずられて,下側のスパイラル溝33に貯留し,
図2に示す矢印D2の方向に移動するようになる。 【0027】従って,スパイラル溝32及びスパイラル
溝33からのオイルは,水平溝34に達して当該水平溝
34に貯留するようになる。 【0028】このような構成において,圧縮機の起動時
や負荷が急に大きくなってクランクシャフト15が高速
で回転した場合には,一時的に軸受30の底部36にオ
イルが浸らなくなる場合がある。 【0029】ところが,オイル貯留槽23の底部に位置
するスクリューは,常時オイルに浸っているので,上記
条件の場合であってもオイル通路22には十分なオイル
が貯留されている。 【0030】従って,軸受30の底部36がオイルが浸
っている否かに関わらず,オイル供給穴25から軸受3
0の頭部35にはオイルが給油され,オイル貯留槽23
の液面変動による軸受30のオイル不足が発生するのを
防止することが可能になる。 【0031】加えて,軸受30の底部36がオイルが浸
っている否かに関わらず,軸受30の頭部35にオイル
が給油される結果,水平溝34にもオイルが貯留するよ
うになる。このため,摺動面31のオイルが当該オイル
に混入している冷媒により洗浄等されても速やかに補給
することが可能になり,当該洗浄等による軸受30のオ
イル不足の発生を防止することが可能になる。 【0032】次に,本発明の第2の実施の形態を図を参
照して説明する。なお,第1の実施の形態と同一構成に
関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。 【0033】第1の実施の形態では,軸受の摺動面にス
パイラル溝及び水平溝を形成することにより,クランク
シャフトが高速回転したときでもオイル不足が発生しな
いようにした。これに対し,本実施の形態にかかる発明
では,クラックシャフトに当該スパイラル溝及び水平溝
に対応する溝を形成することにより同様の効果を得るも
のである。 【0034】図3は,本実施の形態にかかるクランクシ
ャフト40の側面図を示している。同図に示すように,
クランクシャフト40には,逆方向にスパイラル溝4
2,43が2本形成され,これらのスパイラル溝42,
43が交わる位置の周面に1本の水平溝44が形成され
ている。 【0035】このような構成にすることにより,オイル
供給穴25から軸受50の頭部54に給油されたオイル
は,スパイラル溝42に容易に侵入して摺動面を潤滑す
るようになる。 【0036】特に,スパイラル溝42の方向が,軸受5
0の頭部54に付着しているオイルを迎える様に形成さ
れているので,クランクシャフト40の回転(図3にお
いてR方向)により,当該オイルはスパイラル溝42に
削り取られるようにして,図3における矢印D3の方向
に潜り込むようになる。 【0037】一方,軸受50の底部に侵入したオイル又
は軸受50の底部を浸しているオイル貯留槽23のオイ
ルは,下側のスパイラル溝43に貯留し,クランクシャ
フト40との粘性により引きずられて,図3に示す矢印
D4の方向に移動するようになる。 【0038】従って,スパイラル溝42,43からのオ
イルは水平溝44に貯留するようになり,第1の実施の
形態において説明したと同様の作用効果を得ることが可
能になる。 【0039】なお,第1,2の実施の形態の説明におい
ては,各スパイラル溝32,33,42,43及び水平
溝34,44は同じ溝幅を持つことを前提に説明した
が,本発明はこれに限定されるものではない。 【0040】また,各スパイラル溝32,33,42,
43及び水平溝34,44をそれぞれ1本設けた場合に
ついて説明したが,本発明はこれに限定されるものでは
なく,適宜設けることができることは付言するまでもな
い。 【0041】 【発明の効果】以上説明したように,請求項1にかかる
発明によれば,軸受の頭部上方位置のクランクシャフト
に,オイル通路と連通するオイル供給穴を形成したの
で,軸受の底部がオイルに浸っていない場合でも軸受の
頭部側からオイルが給油されるようになり,当該軸受の
オイル不足発生が防止できる。 【0042】また,軸受の摺動面又は,クランクシャフ
トが軸受と摺動する摺動面にスパイラル溝及び水平溝を
形成したので,溝方向の異なるスパイラル溝により軸受
の頭部側及び底部側からオイルの給油が促進されると共
に,水平溝で給油されたオイルが貯留されて,当該軸受
のオイル不足の発生が防止できるようになる。 【0043】更に,スパイラル溝が軸受に形成されてい
る場合には,当該軸受の頭部側の溝方向をクランクシャ
フトの回動方向と逆方向に形成し,スパイラル溝がクラ
ンクシャフトに形成されている場合には,軸受の頭部側
の溝方向をクランクシャフトの回動方向と同方向に形成
したので,軸受の頭部及び下部から給油されたオイルの
摺動面への侵入が促進されて,当該軸受のオイル不足の
発生が防止できるようになる。
シャフトが高速回転等したときに,当該クランクシャフ
トを回動自在に支承する軸受でオイル不足が発生しない
ようにした圧縮機用オイル給油装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来,圧縮機は種々の技術分野に用いら
れている。図4はかかる圧縮機のうちロータリ圧縮機の
一般的構成を示す図である。同図を参照して,ロータリ
圧縮機の構成及びその動作を説明する。 【0003】ロータリ圧縮機の入力側には,当該ロータ
リ圧縮機に液冷媒が吸入されないように気液分離するア
キュームレータ1が設けられている。そして,当該アキ
ュムレータ1からの冷媒ガスは,吸入管4を介してケー
ス2内のシリンダ3に吸入される。 【0004】シリンダ3内には,クランクシャフト5に
設けられたローラ6との間にベーン(図示せず)を介し
て吸入室および圧縮室(いずれも図示せず)が形成さ
れ,冷媒は吸入室から圧縮室に導かれて圧縮され,高
温,高圧の冷媒ガスとなる。 【0005】その後,冷媒は吐出口7,吐出弁8を経て
吐出マフラ9に達し,一部はモータ10のステータ11
とロータ12との間の通路(図示せず)を通り,また一
部はステータ11とケース2との間の通路(図示せず)
を通ってモータ10の上部に流れ,そこから吐出管13
を通って流出するようになっている。 【0006】クランクシャフト5は,軸受50により支
承され,その内部は中空となって,後述するオイル流路
22が形成され,当該オイル流路22の下端部には,ク
ランクシャフト5に固着された図示しないスクリューが
配設されている。なお,ケース2の底部には,オイル貯
留槽23が形成されてオイルが貯留している。 【0007】そして,クランクシャフト5の回転に伴い
スクリューがオイル貯留槽23からオイルをオイル通路
22に吸上げ,これにより当該オイル通路22にはオイ
ルが満されるようになる。 【0008】このとき,ローラ6の上下端部のクランク
シャフト5にオイル供給穴24が形成されているので,
オイル通路22に貯留したオイルは当該オイル供給穴2
4から流出して,ローラ6の摺動面を潤滑するようにな
っている。 【0009】また,図5に示すように,当該軸受50の
摺動面52には,スパイラル溝51が形成されている。
当該スパイラル溝51の溝方向は,図5に示すように,
クランクシャフト5の回動方向(矢印Rの方向)と同じ
方向となっている。 【0010】これにより,軸受50の底部53がオイル
貯留槽23に浸っているいるため,その部分のスパイラ
ル溝51に溜っているオイルはクランクシャフト5の回
転に引きずられて,図5に示す矢印D5の方向に移動し
て,軸受50の頭部54から吐出され,これにより軸受
50が潤滑されるようになっている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら,圧縮機
が停止し又は低速定常運転を行っているときには,軸受
50の底部53はオイル貯留槽23のオイルに浸かって
いるものの,圧縮機の起動時や負荷が大きくなりクラン
クシャフト5が高速で回転したりすると以下の理由で軸
受50のオイル不足が発生する問題があった。 【0012】即ち,スパイラル溝51を介して吸引され
たオイルは,時間の経過と共に当該オイル貯留槽23に
戻るが,圧縮機の起動時等において吸引量と戻り量との
アンバランスが生じて,吸引が一方的に生じてしまう。 【0013】通常は,かかるアンバランスも考慮してオ
イル貯留槽23にオイルが貯留されているものの,圧縮
機等による振動で当該オイルの液面が激しく振動して,
一時的に軸受50の底部53にオイルが浸らなくなって
オイル不足が発生する場合がある。 【0014】また,冷媒はオイルに混入する特性がある
(特に冬季のように気温の低いときに生じやすい)ため
に,多量の冷媒が混入している起動時には,軸受50に
給油されるオイル密度が小さくなって,オイル不足を起
してしまう場合がある。 【0015】さらに,オイルに液冷媒が混入していると
(特に夏季のように気温の高いときに発生しやすい),
液冷媒は洗浄液として作用する特性を持つため,当該液
冷媒により軸受50の摺動面52が洗浄されて,オイル
不足を起す場合がある。 【0016】そこで,本発明は,起動時等においても軸
受にオイル不足が発生しないようにした圧縮機用オイル
給油装置を提供することを目的とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,請求項1にかかる発明は,潤滑オイルを貯留するオ
イル貯留槽と,該オイル貯留槽に一端が浸るように設け
られたクランクシャフトと,該クランクシャフトを回動
自在に支承する軸受と,クランクシャフトの軸心部分に
穿孔して形成されたオイル通路とを有して,クランクシ
ャフトが回動することによりオイル貯留槽からオイル通
路を介して摺動部分にオイルを給油してなる圧縮機用オ
イル給油装置において,軸受の頭部上方位置のクランク
シャフトに,オイル通路と連通するオイル供給穴を形成
する。これにより,軸受の底部がオイルに浸っていない
場合でも,軸受の頭部側からオイルが給油されるように
して,当該軸受のオイル不足の発生を防止するようにし
たことを特徴とする。 【0018】また,軸受の摺動面又は,クランクシャフ
トが軸受と摺動する摺動面にスパイラル溝を形成し,か
つ,当該スパイラル溝の溝方向が,軸受の頭部側と底部
側とで逆方向に形成されると共に,その溝方向が変化す
る部分を含むように摺動方向に沿って水平溝を形成す
る。そして,溝方向の異なるスパイラル溝により軸受の
頭部側及び底部側からオイルの給油を促進すると共に,
水平溝で給油されたオイルを貯留するようにして,当該
軸受のオイル不足の発生を防止するようにしたことを特
徴とする。 【0019】更に,スパイラル溝が軸受に形成されてい
る場合には,当該軸受の頭部側の溝方向をクランクシャ
フトの回動方向と逆方向に形成し,スパイラル溝がクラ
ンクシャフトに形成されている場合には,軸受の頭部側
の溝方向をクランクシャフトの回動方向と同方向に形成
する。これにより,軸受の頭部側及び底部側から給油さ
れたオイルの摺動面への侵入を促進して,当該軸受のオ
イル不足の発生を防止するようにしたことを特徴とす
る。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図を
参照して説明する。なお,従来と同一構成は同一符号を
付して説明を適宜省略する。 【0021】図1は本実施の形態に適用される圧縮機の
断面図で,図4に示す従来の圧縮機とクランクシャフト
及び軸受の構造が異なっている。 【0022】即ち,軸受30の頭部35上方位置のクラ
ンクシャフト15には,オイル通路22と連通するオイ
ル供給穴25が形成されて,当該オイル通路22のオイ
ルがオイル供給穴25から軸受30の頭部35に給油さ
れるようになっている。 【0023】図2は,軸受30の断面図で,軸受30の
摺動面31には,それぞれ方向が逆のスパイラル溝3
2,33が2本形成され,当該スパイラル溝32,33
が交わる位置の摺動面31に1本の水平溝34が周方向
に沿って形成されている。 【0024】スパイラル溝32の溝方向は,クランクシ
ャフト15の回動方向(図2においてR方向)と逆方向
に形成されているため,クランクシャフト15に付着し
て回転しているオイルは,あたかも当該スパイラル溝3
2に削り取られるかのようにして,図2に示す矢印D1
の方向に潜り込むようになる。 【0025】当該潜り込みは,クランクシャフト15に
付着して回転しているオイルの回転速度に依存して大き
くなるので,クランクシャフト15の回転速度が大きく
なれば,スパイラル溝32に潜り込むオイル量も多くな
る。 【0026】一方,軸受30の摺動面31に既に侵入し
たオイル又は軸受30の底部36を浸しているオイル貯
留槽23のオイルは,クランクシャフト15との粘性に
より引きずられて,下側のスパイラル溝33に貯留し,
図2に示す矢印D2の方向に移動するようになる。 【0027】従って,スパイラル溝32及びスパイラル
溝33からのオイルは,水平溝34に達して当該水平溝
34に貯留するようになる。 【0028】このような構成において,圧縮機の起動時
や負荷が急に大きくなってクランクシャフト15が高速
で回転した場合には,一時的に軸受30の底部36にオ
イルが浸らなくなる場合がある。 【0029】ところが,オイル貯留槽23の底部に位置
するスクリューは,常時オイルに浸っているので,上記
条件の場合であってもオイル通路22には十分なオイル
が貯留されている。 【0030】従って,軸受30の底部36がオイルが浸
っている否かに関わらず,オイル供給穴25から軸受3
0の頭部35にはオイルが給油され,オイル貯留槽23
の液面変動による軸受30のオイル不足が発生するのを
防止することが可能になる。 【0031】加えて,軸受30の底部36がオイルが浸
っている否かに関わらず,軸受30の頭部35にオイル
が給油される結果,水平溝34にもオイルが貯留するよ
うになる。このため,摺動面31のオイルが当該オイル
に混入している冷媒により洗浄等されても速やかに補給
することが可能になり,当該洗浄等による軸受30のオ
イル不足の発生を防止することが可能になる。 【0032】次に,本発明の第2の実施の形態を図を参
照して説明する。なお,第1の実施の形態と同一構成に
関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。 【0033】第1の実施の形態では,軸受の摺動面にス
パイラル溝及び水平溝を形成することにより,クランク
シャフトが高速回転したときでもオイル不足が発生しな
いようにした。これに対し,本実施の形態にかかる発明
では,クラックシャフトに当該スパイラル溝及び水平溝
に対応する溝を形成することにより同様の効果を得るも
のである。 【0034】図3は,本実施の形態にかかるクランクシ
ャフト40の側面図を示している。同図に示すように,
クランクシャフト40には,逆方向にスパイラル溝4
2,43が2本形成され,これらのスパイラル溝42,
43が交わる位置の周面に1本の水平溝44が形成され
ている。 【0035】このような構成にすることにより,オイル
供給穴25から軸受50の頭部54に給油されたオイル
は,スパイラル溝42に容易に侵入して摺動面を潤滑す
るようになる。 【0036】特に,スパイラル溝42の方向が,軸受5
0の頭部54に付着しているオイルを迎える様に形成さ
れているので,クランクシャフト40の回転(図3にお
いてR方向)により,当該オイルはスパイラル溝42に
削り取られるようにして,図3における矢印D3の方向
に潜り込むようになる。 【0037】一方,軸受50の底部に侵入したオイル又
は軸受50の底部を浸しているオイル貯留槽23のオイ
ルは,下側のスパイラル溝43に貯留し,クランクシャ
フト40との粘性により引きずられて,図3に示す矢印
D4の方向に移動するようになる。 【0038】従って,スパイラル溝42,43からのオ
イルは水平溝44に貯留するようになり,第1の実施の
形態において説明したと同様の作用効果を得ることが可
能になる。 【0039】なお,第1,2の実施の形態の説明におい
ては,各スパイラル溝32,33,42,43及び水平
溝34,44は同じ溝幅を持つことを前提に説明した
が,本発明はこれに限定されるものではない。 【0040】また,各スパイラル溝32,33,42,
43及び水平溝34,44をそれぞれ1本設けた場合に
ついて説明したが,本発明はこれに限定されるものでは
なく,適宜設けることができることは付言するまでもな
い。 【0041】 【発明の効果】以上説明したように,請求項1にかかる
発明によれば,軸受の頭部上方位置のクランクシャフト
に,オイル通路と連通するオイル供給穴を形成したの
で,軸受の底部がオイルに浸っていない場合でも軸受の
頭部側からオイルが給油されるようになり,当該軸受の
オイル不足発生が防止できる。 【0042】また,軸受の摺動面又は,クランクシャフ
トが軸受と摺動する摺動面にスパイラル溝及び水平溝を
形成したので,溝方向の異なるスパイラル溝により軸受
の頭部側及び底部側からオイルの給油が促進されると共
に,水平溝で給油されたオイルが貯留されて,当該軸受
のオイル不足の発生が防止できるようになる。 【0043】更に,スパイラル溝が軸受に形成されてい
る場合には,当該軸受の頭部側の溝方向をクランクシャ
フトの回動方向と逆方向に形成し,スパイラル溝がクラ
ンクシャフトに形成されている場合には,軸受の頭部側
の溝方向をクランクシャフトの回動方向と同方向に形成
したので,軸受の頭部及び下部から給油されたオイルの
摺動面への侵入が促進されて,当該軸受のオイル不足の
発生が防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明に適用されるロータ
リ圧縮機の断面図である。 【図2】第1の実施の形態の説明に適用される軸受の断
面図である。 【図3】第2の実施の形態の説明に適用されるクランク
シャフトの断面図である。 【図4】従来の技術の説明に適用されるロータリ圧縮機
の断面図である。 【図5】従来用いられている軸受の断面図である。 【符号の説明】 20,30 軸受 22 オイル通路 24,25 オイル供給穴 32,33,42,43 スパイラル溝 34,44 水平溝
リ圧縮機の断面図である。 【図2】第1の実施の形態の説明に適用される軸受の断
面図である。 【図3】第2の実施の形態の説明に適用されるクランク
シャフトの断面図である。 【図4】従来の技術の説明に適用されるロータリ圧縮機
の断面図である。 【図5】従来用いられている軸受の断面図である。 【符号の説明】 20,30 軸受 22 オイル通路 24,25 オイル供給穴 32,33,42,43 スパイラル溝 34,44 水平溝
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−74180(JP,A)
特開 昭61−212687(JP,A)
特開 昭61−210285(JP,A)
特開 平4−143484(JP,A)
特開 昭58−158393(JP,A)
特開 昭56−27092(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F04C 29/02 311
F04B 39/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 潤滑オイルを貯留するオイル貯留槽と,
該オイル貯留槽に一端が浸るように設けられたクランク
シャフトと,該クランクシャフトを回動自在に支承する
軸受と,前記クランクシャフトの軸心部分に穿孔して形
成されたオイル通路とを有して,前記クランクシャフト
が回動することにより前記オイル貯留槽から前記オイル
通路を介して摺動部分にオイルを給油してなる圧縮機用
オイル給油装置において, 前記軸受の頭部上方位置の前記クランクシャフトに,前
記オイル通路と連通するオイル供給穴が形成されて,少
なくとも前記軸受の頭部側からオイルが給油されるよう
にし、前記軸受の摺動面又は前記クランクシャフトが前
記軸受と摺動する摺動面にスパイラル溝が形成され,か
つ,当該スパイラル溝の溝方向が,前記軸受の頭部側と
底部側とで逆方向に形成されると共に,その溝方向が変
化する部分を含むように摺動方向に沿って水平溝が形成
され、前記スパイラル溝が前記軸受に形成されている場
合には,当該軸受の頭部側の溝方向が前記クランクシャ
フトの回動方向と逆方向に形成され,前記スパイラル溝
が前記クランクシャフトに形成されている場合には,前
記軸受の頭部側の溝方向が前記クランクシャフトの回動
方向と同方向に形成されなることを特徴とする 圧縮機用
オイル給油装置。
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---|---|---|---|
JP23625197A JP3459545B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 圧縮機用オイル給油装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23625197A JP3459545B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 圧縮機用オイル給油装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1182349A JPH1182349A (ja) | 1999-03-26 |
JP3459545B2 true JP3459545B2 (ja) | 2003-10-20 |
Family
ID=16998023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23625197A Expired - Fee Related JP3459545B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 圧縮機用オイル給油装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3459545B2 (ja) |
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KR100745803B1 (ko) * | 2000-11-17 | 2007-08-02 | 주식회사 엘지이아이 | 밀폐형 압축기의 크랭크축 오일안내구조 |
KR20050018199A (ko) * | 2003-08-14 | 2005-02-23 | 삼성전자주식회사 | 용량가변 회전압축기 |
JP4617656B2 (ja) * | 2003-10-14 | 2011-01-26 | パナソニック株式会社 | 密閉型圧縮機 |
JP2011252475A (ja) * | 2010-06-04 | 2011-12-15 | Panasonic Corp | 回転式圧縮機 |
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JP6700691B2 (ja) * | 2015-09-07 | 2020-05-27 | 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 | 電動圧縮機 |
WO2019244259A1 (ja) * | 2018-06-19 | 2019-12-26 | 東芝キヤリア株式会社 | 圧縮機および冷凍サイクル装置 |
-
1997
- 1997-09-01 JP JP23625197A patent/JP3459545B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1182349A (ja) | 1999-03-26 |
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