JP3458943B2 - 積層方法 - Google Patents

積層方法

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JP3458943B2
JP3458943B2 JP25812398A JP25812398A JP3458943B2 JP 3458943 B2 JP3458943 B2 JP 3458943B2 JP 25812398 A JP25812398 A JP 25812398A JP 25812398 A JP25812398 A JP 25812398A JP 3458943 B2 JP3458943 B2 JP 3458943B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に樹脂層を
積層する積層方法に関し、特に、液晶表示装置の表示パ
ネルの製造時などにおいて、基板上にカラーフィルタを
設けるべく、該基板上にカラーフィルタの材料となる感
光性樹脂層を積層する際に好適に実施される積層方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示装置の表示パネルの
製造時などにおいて、基板上にカラーフィルタを設ける
ために、ドライレジストフィルムと呼ばれる柔軟性を有
する積層体フィルムを基板上に熱圧着(ラミネート)す
る方法が知られている。
【0003】上記ドライレジストフィルムは、ベースフ
ィルムと呼ばれる帯状支持体上に、カラーレジスト層と
呼ばれる感光性樹脂層を設けた構成になっており、ベー
スフィルムとカラーレジスト層との間には、通常、酸素
遮断膜層などの中間層が配されている。カラーレジスト
層は、カラーフィルタの材料であり、後工程でベースフ
ィルムを剥離した後、露光、現像、加熱処理などを経て
カラーフィルタとなるものである。各色のカラーフィル
タを形成するのに、それぞれカラーレジスト層を基板上
に積層する必要があり、つまり、R(赤)・G(緑)・
B(青)の3色ごとに、あるいは黒を加えて4色ごと
に、それぞれ、ドライレジストフィルムを基板上にラミ
ネートし、ベースフィルムを剥離し、カラーレジスト層
を露光・現像する等して各色のカラーフィルタを形成す
る工程が必要になる。
【0004】ドライレジストフィルムを基板上にラミネ
ートするのに、連続ラミネート装置と呼ばれる装置を用
いてラミネートする方法が知られている。この連続ラミ
ネート装置は、図19に示すように、矢符A方向から一
対の熱圧着ローラ51・52の間に一定の間隔で次々に
搬送される基板53の上に、熱圧着ローラ51・52に
よって連続的にドライレジストフィルム54を熱圧着す
るものである。ドライレジストフィルム54は、巻き出
し芯55にロール状に巻かれており、熱圧着の際、ドラ
イレジストフィルム54のカラーレジスト層が下側とな
り基板53に密着するよう供給される。
【0005】熱圧着の後、ドライレジストフィルム54
は、各々の基板53の間で矢符B方向に切断される。従
って、各基板53は、基板供給方向Aからみて前側と後
側とに各々余分なドライレジストフィルム54をはみ出
させた状態で次工程に送られる。
【0006】しかし、上記の連続ラミネート装置では、
熱圧着ローラ51・52間に搬送すべき基板53が枯渇
して供給が途切れたりすると、後工程も止まってしま
い、動作復帰に不要な手間をかけ、時間ロス、ひいては
生産ロスを招来するといった問題を生ずる。
【0007】また、上記の連続ラミネート装置では、各
基板53ごとに、はみ出した余分なドライレジストフィ
ルム54を除去する必要があるが、精度良く取り除くこ
とが困難であるといった問題も生ずる。
【0008】そこで、図20に示すような断続ラミネー
ト装置と呼ばれる装置を用いてラミネートする方法が主
流になってきている。この断続ラミネート装置は、矢符
C方向から一対の熱圧着ローラ56・57の間に一定の
間隔で次々に搬送される基板58の上に、熱圧着ローラ
56・57によって断続的にドライレジストフィルム5
9を熱圧着する構成になっている。つまり、巻き出し芯
60にロール状に巻かれたドライレジストフィルム59
は、基板58の上にラミネートされる際、基板58の供
給方向の長さLより短い寸法になるよう、切断手段61
により矢符D方向に切断される。
【0009】上記断続ラミネート装置の動作について更
に詳細に説明すると、まず、図21の(a)に示すよう
に、ドライレジストフィルム59の先端59aと、基板
58の先端58a近傍の所定位置とを、熱圧着ローラ5
6・57によってクランプする等の準備動作が行われ
る。次いで、(b)に示すように、矢符C方向へ基板5
8を搬送しながら、基板58の先端58a近傍よりラミ
ネートを開始する。ラミネートの際には、ある程度の張
力を付与するなどの目的で、ドライレジストフィルム5
9は、真空吸着ユニット62a・62bによってバキュ
ーム保持されている。
【0010】次に、ラミネートの途中で、(c)に示す
ように、基板58の供給方向の長さLより短い寸法にな
るよう、切断手段61によってドライレジストフィルム
59を切断する。切断後もドライレジストフィルム59
は、真空吸着ユニット62bによって後端59b付近を
吸着されてバキューム保持されており、弛みやしわのな
い状態になっている。
【0011】その後、ドライレジストフィルム59の後
端59b付近は、(d)に示すように、ラミネート終了
直前の限界まで真空吸着ユニット62bによってバキュ
ーム保持され、次いで、(e)に示すように、吸着が解
除された後、後端59bが基板58上にラミネートされ
てラミネートは完了する。
【0012】また、ラミネート方法の他の従来例とし
て、特開平5−338041号公報には、積層体フィル
ムをシート基板上に圧着する場合に、該積層体フィルム
を該シート基板の長さより大きくはみ出させて圧着する
方法が開示されている。
【0013】ところで、上述したいずれのラミネート方
法の場合も、ラミネート処理の前後において、あるいは
ラミネート処理の間に、フィルムを切断する処理が必要
となる。かかる切断処理においては、ロータリーカッタ
ー等のカッターや特開平6−23689号公報に開示さ
れるような先端が三角形状の特殊形状の刃物が用いられ
ている。
【0014】また、ドライレジストフィルムを基板上に
ラミネートした後には、上述したように、上側のベース
フィルムを剥離することが必要になる。かかる剥離の方
法として、例えば、特開平7−157187号公報に
は、図22に示すように、剥離用針62を用いて、基板
63の上にラミネートされた保護フィルム64を剥離す
る方法が開示されている。この方法では、(a)に示す
ように剥離用針62が保護フィルム64の表面に当たっ
た状態から、(b)に示すように剥離用針62を下降さ
せて保護フィルム64に押しつけ、この状態で(c)に
示すように基板63を矢符E方向に移動させる。これに
より、剥離用針62は保護フィルム64に突き刺さる。
さらに、(d)に示すように基板63を矢符E方向に移
動することにより、基板63上の保護フィルム64をそ
の端部から徐々に剥離していく。
【0015】また、他の剥離の方法として、図23に示
すように、エアナイフ65を用いて剥離する方法が知ら
れている。この方法では、(a)に示すように、エアナ
イフ65によって、基板66上にラミネートされたドラ
イレジストフィルム67のベースフィルム68とカラー
レジスト層69との間にエア70を吹きつける。これに
よって、(b)に示すように、ベースフィルム68を、
カラーレジスト層69の界面より剥離していくものであ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した断
続ラミネート装置を用いたラミネート方法では、以下の
問題を生ずることとなる。
【0017】例えば、上記断続ラミネート装置によるラ
ミネート方法で、液晶表示装置等に用いるガラス基板上
に赤、青、緑3色のカラーフィルタを順次形成する場
合、第1色目のカラーフィルタの形成時には、図24に
示すように、基板71上のドライレジストフィルム72
の後端72aよりおよそ40mmから50mmの範囲
で、カラーレジスト層と基板71との間に気泡73が発
生することとなる。
【0018】また、第2色目あるいは第3色目のカラー
フィルタの形成時にも、第1色目のときと同様に、ドラ
イレジストフィルム72の後端72aよりおよそ40m
mから50mmの範囲で、カラーレジスト層と基板71
との間に気泡73が発生してしまう。従って、図25に
示すように、カラーフィルタ層74・75を形成した後
にも、ストライプ配列では(a)に示すように、デルタ
配列では(b)に示すように、カラーフィルタ層74・
75の間に気泡76が発生してしまう。
【0019】上記した気泡は、以下の理由により発生す
るものである。即ち、基板上にドライレジストフィルム
をラミネートする際に、図21の(e)に示すように、
ラミネート終了直前において真空吸着ユニット62bに
よるドライレジストフィルム59のバキューム保持が不
可能となり、吸着が解除される。これによって、ドライ
レジストフィルム59の後端59bより40mmから5
0mmの部分は基板58上にそのまま落下し、落下した
状態でラミネートされる。従って、この部分では空気の
逃げ道が確保できないため気泡を巻き込むことになる。
【0020】かかる気泡の発生に起因して、20μmか
ら30μm程度の微少なカラーレジスト層の欠損が起こ
り、カラーフィルタの色抜けが生ずるといった問題を招
来する。このため、基板の端部近傍まで表示部を広げる
ことが困難になる。また、樹脂材料からなる微少異物が
不要な箇所に付着するといった不具合も生ずる。
【0021】さらに、断続ラミネート装置によるラミネ
ート方法では、熱圧着時にドライレジストフィルムの端
部においてベースフィルムからカラーレジスト層が微少
量はみ出し、これが熱圧着ローラなどに付着して該ロー
ラの加圧力の均一性を乱したり、ベースフィルムの上側
に樹脂膜がまわり込んでしまう結果、ベースフィルムの
剥離やカラーレジスト層端部の直線精度を阻害する等と
いった問題も生じている。
【0022】また、ラミネート処理の後に、カッター等
を用いて、基板上のドライレジストフィルムを切断する
ことがあるが、基板がガラス基板やセラミックス基板等
の硬質基板である場合、カッター等では直線精度良く繰
り返しフィルムを切断することが困難であり、基板また
は刃物のいずれかが欠けやすく異物が生じやすいといっ
た問題が生じていた。このため、液晶表示装置等の精密
部材では不良の原因ともなっていた。
【0023】さらに、ラミネート処理の後にベースフィ
ルムを剥離する従来の方法では、特開平7−15718
7号公報に開示される方法の場合、剥離用針62を保護
フィルム64に突き刺す際、剥離用針62が十分に保護
フィルム64に突き刺さらず、このため保護フィルム6
4が落下するという問題が生ずる。これは、保護フィル
ム64の表面が大変すべりやすく、また、剥離用針62
を連続して使用した場合、剥離用針62の先端部に大き
な負荷が加わり、摩耗することにより徐々にその先端部
の鋭さを失うこと等によるものである。
【0024】また、保護フィルム64を剥離用針62で
突き刺す場合、保護フィルム64からフィルム屑などの
ダストが発生し、基板63の表面に付書する等、製造工
程における汚染が生じていた。
【0025】一方、エアナイフ65を用いて剥離する方
法では、剥離時に相当量のエア70を吹き付ける結果、
周囲の異物を巻き込んで製品の不良を増加させるなどの
問題が生じている。
【0026】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、カラーレジスト層などの樹脂
層を基板上に歩留り良く積層する積層方法を提供するこ
とにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る積
層方法は、上記の課題を解決するために、帯状支持体上
に樹脂層を設けたフィルムを、基板の供給方向の長さに
基づいて切断し、該基板上に圧着した後、該帯状支持体
を剥離して該樹脂層を該基板上に転写する積層方法にお
いて、前記切断の際に、圧着後の前記フィルムの後端が
前記基板の後端よりも所定幅だけ外側にはみ出すよう切
断し、前記フィルムを圧着した後であって前記帯状支持
体を剥離する前に、該基板の後端よりも内側で該フィル
ムを再び切断し、該フィルムの該基板上からはみ出した
部分を除去することを特徴としている。
【0028】上記の方法によれば、基板と樹脂層との界
面に気泡を巻き込むことがなくなるので、樹脂層の飛び
散りや欠けによる製品不良が低減でき、また、基板の端
部近傍まで表示部を広げることができる。さらに、基板
上の切断部においても樹脂層のまわり込みが少なくな
り、帯状支持体と樹脂層とが容易に界面で剥離して基板
上に直線精度良く樹脂層を積層できる。
【0029】請求項2の発明に係る積層方法は、上記の
課題を解決するために、請求項1の方法において、圧着
後の前記フィルムの後端が前記基板の後端よりも30m
mから60mm外側にはみ出すよう切断することを特徴
としている。
【0030】上記の方法によれば、気泡の発生を確実に
防止しつつ、フィルムの使用量を最小限に節減できる。
【0031】請求項3の発明に係る積層方法は、上記の
課題を解決するために、請求項1または2の方法におい
て、前記フィルムを前記基板の後端よりも内側で再び切
断する際に、切断部近傍の温度を23℃以上35℃以下
に冷却することを特徴としている。
【0032】上記の方法によれば、切断部近傍の樹脂が
軟化することなく確実に硬化しているので、樹脂の飛び
散りやケバ立ちが少なくなり、直線精度良く切断でき、
剥離も容易になる。
【0033】請求項の発明に係る積層方法は、上記の
課題を解決するために、請求項1〜3のいずれか1項に
記載の方法において、前記剥離の際に、前記フィルムの
一端から少なくとも1つの切込みを施し、該切込みの周
辺領域から前記帯状支持体と前記樹脂層とを離間させる
ことにより、該帯状支持体を剥離することを特徴として
いる。
【0034】上記の方法によれば、帯状支持体に切込み
を入れることにより、帯状支持体と樹脂層との間に微少
な浮きを形成し、帯状支持体の剥離を開始する際の負荷
を分散軽減して剥離を容易にする。また、切込みを設け
た領域から徐々に剥離部を伝播させるので、無理なく容
易に剥離できる。
【0035】請求項の発明に係る積層方法は、上記の
課題を解決するために、請求項の方法において、前記
切込みを施すのに、ステンレス鋼からなる剃刀用の刃物
を用いることを特徴としている。
【0036】上記の方法によれば、周囲にガラスや樹脂
等のくずを発塵することなく、良好に切込みを設けるこ
とができる。
【0037】請求項6の発明に係る積層方法は、上記の
課題を解決するために、請求項またはの方法におい
て、前記切込みの周辺領域の帯状支持体に該切込み部分
をまたぐように粘着テープを接着し、該粘着テープを該
帯状支持体面の法線方向に移動させることによって、該
帯状支持体と前記樹脂層とを離間させることを特徴とし
ている。
【0038】上記の方法によれば、切込み部近傍を粘着
テープで接着し、これを引き上げる等して帯状支持体を
剥離しているので、無理なく容易に剥離できる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1〜図18に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0040】本実施形態の積層方法は、液晶表示装置の
表示パネルの製造時において、基板上にカラーフィルタ
層を設けるべく、該基板上にカラーフィルタ層の材料と
なる感光性樹脂層を転写し積層する方法である。
【0041】基板上に各色のカラーフィルタ層を設ける
ために、本積層方法では、図2に示すように、基板を予
熱(S1)した後、該基板上にドライレジストフィルム
を熱圧着(ラミネート)する(S2)。次に、ドライレ
ジストフィルムの後端部を切断し(S3)、ベースフィ
ルムを剥離(S4)した後、カラーレジスト層を露光・
現像(S5)し、さらにオーブン等で加熱(S6)する
ことにより、カラーフィルタ層を基板上にパターン形成
する。
【0042】これらの工程(S1〜S6)を、カラーフ
ィルタ層の各色ごとに行う必要があり、つまり、R
(赤)・G(緑)・B(青)の3色のカラーフィルタ層
を基板上に形成する場合、上記の工程(S1〜S6)を
繰り返し3回行う必要があり、R・G・Bに黒を加えた
4色のカラーフィルタ層を基板上に形成する場合、上記
の工程(S1〜S6)を繰り返し4回行う必要がある。
【0043】上記基板としては、ガラス基板、セラミッ
クス基板、プリント基板、若しくは樹脂基板などを用い
ることができる。
【0044】上記ドライレジストフィルムは、柔軟性を
有する積層体フィルムであり、ベースフィルムと呼ばれ
る帯状支持体上に、カラーレジスト層と呼ばれる感光性
樹脂層を設けた構成になっている。
【0045】上記ドライレジストフィルムとしては、種
々のものを用いることができるが、本積層方法では、図
3に示されるドライレジストフィルムを使用している。
このドライレジストフィルムは、幅が400mmから6
50mm程度であり、ベースフィルム1、クッション層
2、酸素遮断膜層3、カラーレジスト層4、およびセパ
レートフィルム(カバーフィルム)5が積層されて形成
されている。
【0046】セパレートフィルム5は、フィルム巻き取
りの際、カラーレジスト層4がベースフィルム1に粘着
するのを防止し、基板にラミネートするまで保護してお
くためのフィルムであり、ラミネート直前に除去するも
のである。
【0047】カラーレジスト層4は、各色のカラーフィ
ルタ層を形成する感光性樹脂層であり、さらには、ブラ
ックマトリックスを形成するためにも用いられることが
ある。カラーレジスト層4は、基板全面に転写され積層
された後に、露光・現像処理によってパターン形成され
る。
【0048】酸素遮断膜層3は、空気中の酸素は露光処
理でのレジスト硬化に悪影響を与えるため、これを遮断
する層である。酸素遮断膜層3は、現像処理で全面除去
される。
【0049】クッション層2は、熱を加えると急激に軟
化する材料で構成されている。クッション層2は、ラミ
ネートの際、基板上に既に形成された凹凸パターンに対
し、カラーレジスト層4を気泡の発生なく追従させるた
めに、圧力を均一に分散させる緩衝層である。クッショ
ン層2は、現像処理で酸素遮断膜層3と共に全面除去さ
れる。
【0050】ベースフィルム1は、ドライレジストフィ
ルムを製造する上で支持体となるフィルムである。ベー
スフィルム1は、ラミネート完了後、露光・現像などの
処理を行うために、後述の剥離処理で除去される。
【0051】次に、本積層方法におけるラミネート処理
について説明する。
【0052】図1は、ラミネート装置6を用いてのラミ
ネート処理を示す説明図である。このラミネート装置6
は、断続ラミネート装置であり、矢符F方向から一対の
熱圧着ローラ7・8の間に一定の間隔で次々に搬送され
る基板9の上に、熱圧着ローラ7・8によって断続的に
ドライレジストフィルム10を熱圧着する構成になって
いる。
【0053】また、このラミネート装置6では、巻き出
し芯11にロール状に巻かれたドライレジストフィルム
10は、基板9の上にラミネートされる際、基板9の供
給方向の長さLに基づいて切断手段12により切断され
るが、より詳細には、圧着後のドライレジストフィルム
10の後端10bが基板9の後端9bよりも所定幅だけ
外側にはみ出すよう切断される。ここで、所定幅は、後
述するように、30mmから60mmの範囲であること
が好ましく、本積層方法では、ドライレジストフィルム
10の後端10bが基板9の後端9bよりも40mmか
ら50mm外側にはみ出すよう切断している。
【0054】上記ラミネート装置6の動作について更に
詳細に説明すると、まず、図1の(a)に示すように、
ドライレジストフィルム10の先端10aと、予熱され
た基板9の先端9a近傍の所定位置とを、熱圧着ローラ
7・8によってクランプする等の準備動作が行われる。
次いで、(b)に示すように、矢符F方向へ基板9を搬
送しながら、基板9の先端9a近傍よりラミネートを開
始する。ラミネートの際には、ある程度の張力を付与す
るなどの目的で、ドライレジストフィルム10は、真空
吸着ユニット13a・13bによってバキューム保持さ
れている。
【0055】次に、ラミネートの途中で、(c)に示す
ように、圧着後のドライレジストフィルム10の後端1
0bが基板9の後端9bよりも30mmから60mm外
側にはみ出すよう、切断手段12によってドライレジス
トフィルム10を切断する。フィルム10のはみ出し部
分の長さを上記の範囲とすることは、表1に示すよう
に、フィルム10のはみ出し部分の長さと基板終端9b
付近の気泡群発生と熱圧着ローラ7・8の汚染との関係
を追跡した結果から決定した。切断後もドライレジスト
フィルム10は、真空吸着ユニット13bによって後端
10b付近を吸着されてバキューム保持されており、弛
みやしわのない状態になっている。
【0056】
【表1】
【0057】尚、表1の『基板終端付近の気泡群発生』
の評価欄では、基板終端9bから5mmより内側をパタ
ーン有効領域とした場合、×は、基板終端9b付近のパ
ターン有効領域内に気泡群が発生することを示してお
り、○は、パターン有効領域内には気泡群の発生はな
く、実用上の支障はないことを示しており、◎は、基板
終端9bまで気泡群の発生はなく良好なことを示してい
る。
【0058】また、表1の『熱圧着ローラの汚染』の評
価欄において、×は、はみ出し部分のカラーレジスト層
4が熱圧着ローラ7・8に接触して該熱圧着ローラ7・
8を汚染する危険性が高いことを示しており、○は、熱
圧着ローラ7・8の汚染の危険性は低いことを示してお
り、◎は、フィルム10が基板9からはみ出さないので
熱圧着ローラ7・8を汚染する危険性はないことを示し
ている。
【0059】上記したように、圧着後のドライレジスト
フィルム10の後端10bが基板9の後端9bよりも3
0mmから60mm外側にはみ出すよう切断すること
で、基板9上へのラミネートが完了するまでドライレジ
ストフィルム10をバキューム保持することができ、換
言すれば、(c)に示すように、基板9の後端9bにラ
ミネートされるまでドライレジストフィルム10をバキ
ューム保持することができる。
【0060】基板9の後端9bまでラミネートした時点
で、(d)に示すように、熱圧着ローラ7・8をアンク
ランプさせると同時に、真空吸着ユニット13bによる
バキューム保持を解除する。これによって、ドライレジ
ストフィルム10は落下することになるが、このときに
は既にラミネートは完了している。
【0061】従って、図4に示すように、ドライレジス
トフィルム10の後端10bを、基板9の後端9bより
も30mmから60mm、好ましくは40mmから50
mm外側にいわば尻尾状にはみ出した状態とすること
で、従来気泡が発生していた終端30mm〜60mmの
領域を基板の外に出すことができる。それゆえ、フィル
ム終端付近に特異的に発生する気泡群を防止することが
可能になり、フィルム熱転写方式によるカラーフィルタ
での致命的な品質欠陥を防ぐことができる。
【0062】尚、上記のラミネート処理においては、圧
着速度を約1m/分、ラミネート時の基板温度を100
±10℃以上、熱圧着ローラ7・8近傍の温度を130
±5℃とした。
【0063】また、上記の尻尾状にはみ出した部分につ
いては、30mm〜60mm、より好ましくは40mm
〜50mmとしたが、このはみ出し部分の長さは、真空
吸着ユニット13bの吸着面の長さをも考慮して設定さ
れるべきものである。つまり、真空吸着ユニット13b
の吸着面の長さが比較的短いものであれば、はみ出し部
分の長さは、より短く設定できる可能性がある。一方、
真空吸着ユニット13bの吸着面の長さが比較的長いも
のであれば、はみ出し部分の長さも、より長くすること
が必要になる場合もあり得る。
【0064】次に、上記の尻尾状にはみ出した部分を、
切断装置を用いて切断・除去する処理について説明す
る。尚、この切断・除去処理は、上記のラミネート処理
の後、1〜10分間、望ましくは約7分間冷却する。こ
れは、基板の急冷を避けるためである。即ち、表2に示
すように、冷却時間は、ベースフィルム1剥離の安定性
とスループット・装置構成とに関係し、1〜10分間の
冷却時間とすることによって、ベースフィルム1の剥離
の安定性を損なわず、生産性を低下させることもない。
【0065】
【表2】
【0066】尚、表2の『ベースフィルム剥離の安定
性』の評価欄において、×は、ベースフィルム1剥離処
理の際に酸素遮断膜層3等の中間層がベースフィルム1
と一緒に剥離されることを示しており、○は、ベースフ
ィルム1のみが剥離されているが、ラミネート処理条件
やフィルム特性の変動に対するマージンがないことを示
しており、◎は、ベースフィルム1のみが剥離されてい
て、ラミネート処理条件やフィルム特性の変動にも十分
なマージンがあることを示している。
【0067】また、表2の『スループット・装置構成』
の評価欄において、×は、次工程処理までの待機時間が
長くなるので、スループット・装置構成を考慮すると実
用的でないことを示しており、○は、スループット・装
置構成ともに実用的であることを示しており、◎は、ス
ループット・装置構成ともに実用的で、かつ効率もよい
ことを示している。
【0068】上記切断装置は、図5に示すように、基板
9を載置するための載置ステージ20、受け台21、及
びカッティングユニット22等を備えている。
【0069】載置ステージ20は、回動可能に設けられ
ている。受け台21には、図6に示すように、冷却水を
導入するための導入口23、冷却水を排出するための排
出口24、冷却水を循環させるためのくり抜きのアルミ
管25等が設けられており、切断処理前および切断処理
中に、基板9の切断部を冷却できる構成になっている。
【0070】カッティングユニット22は、図5に示す
ように、基板9の切断部を切断するための刃物26と、
該刃物26を保持する保持手段27と、アーム28と、
刃物26を上下方向に移動させるための昇降手段29
と、刃物26を水平方向に移動させるためのスライド手
段30とを備えている。
【0071】刃物26には、基板9に損傷を与えること
なく、かつフィルム切断屑の発生を防止できるものとし
て、図7(a)に示すように、刃厚の薄い、ステンレス
鋼からなるカミソリ両刃を用いているが、片刃を用いて
もよい。尚、上記の装置では、刃先の耐久性、硬度、滑
らかさ等をも考慮して、ステンレス製のカミソリ両刃を
用いている。
【0072】上記刃物26を保持する保持手段27は、
図7に示すように、受け治具27a、挟み治具27b、
及び固定治具27cからなり、刃物26の刃先部26a
の左右が1mm〜3mm突出するようにして、受け治具
27aと挟み治具27bとによって刃物26を挟持し、
該刃物26に強度をもたせた構造になっている。また、
受け治具27aは、アーム28に固定されている。
【0073】図8は、基板9上のドライレジストフィル
ム10の切断位置を示す図である。本切断処理では、同
図に示すように、ドライレジストフィルム10の切断部
30を、基板9の後端9bよりも3mm以上内側として
いる。それよりも基板後端9bに近い場合には、ドライ
レジストフィルム10と基板9との密着性が弱いことも
考えられるからである。
【0074】また、刃物26を基板9に着地させ切断を
開始する地点Pをドライレジストフィルム10の一端1
0cより1mm以上離れた地点とし、切断を終了する地
点Qをドライレジストフィルム10の他端10dより1
mm以上離れた地点としている。これは、確実に全て切
断できるようにするためである。ただし、刃物26が基
板9から脱落しないように留意しなければならない。
【0075】図9及び図10は、切断の際、刃物26に
特定の角度をつけていることを示す説明図である。表3
に示すように、刃先部26aと基板9表面とのなす角度
と、ベースフィルム1の切り屑の発生及び刃先部26a
の磨耗による刃物26の寿命との関係を調べた結果、図
9に示すように、刃物26の刃先部26aと基板9の表
面とのなす角度が5°から40°の範囲、望ましくは1
0°から30°の範囲となるよう該刃物26を傾斜させ
て矢符G方向に切断する。また、図10に示すように、
刃物26を、基板9表面の垂線から1°から10°の範
囲、望ましくは3°から7°の範囲で基板後端9b側に
傾斜させて切断する。
【0076】
【表3】
【0077】尚、表3の『ベースフィルム切り屑の発
生』の評価欄において、×は、フィルム10が切断でき
ないことを示しており、○は、フィルム10は切断でき
ているが、切り屑が発生しやすいことを示しており、◎
は、フィルム10の切断は良好で、切り屑が発生しない
ことを示している。
【0078】また、表3の『刃先部の磨耗による刃物寿
命』の評価欄では、100回の切断を目安とすると、×
は、100回未満でフィルム10が切断できなくなり、
刃物26寿命に問題があることを示しており、○は、1
00回までの切断は可能であるが、回数増加とともにベ
ースフィルム1の切り屑が発生しやすくなることを示し
ており、◎は、100回以上の切断でも良好なことを示
している。
【0079】上記のように、切断する際、刃物26の刃
先部26aと基板9の表面とのなす角度が5°から40
°の範囲となるよう該刃物26を傾斜させるのは、上記
の刃物26の構成において、刃物26と基板9とを点で
接触させながら、該刃物26を移動させるのに、上記の
傾斜角度が最も好ましい範囲であると考えられるからで
ある。
【0080】また、上記のように、切断の際、刃物26
を、基板9表面の垂線から1°から10°の範囲で基板
後端9b側に傾斜させるのは、表4に示す通り、ベース
フィルム1とカラーレジスト層4との間の浮き具合が良
好で、しかもフィルム切断の安定性が良好な傾斜角度に
ついて検討を行った結果、傾斜角度を上記範囲とするこ
とによって、ベースフィルム1とカラーレジスト層4と
の間に適度の空気が入り込み、後工程の剥離処理が円滑
に行われるからである。尚、上記の装置では、刃物26
を垂直方向に対して約5°基板後端9b側に傾けて切断
処理を行っている。
【0081】
【表4】
【0082】尚、表4の『ベースフィルムの浮き具合』
の評価欄において、×は、ベースフィルム1とカラーレ
ジスト層4との間で浮きが発生せず、ベースフィルム1
の剥離処理でカラーレジスト層4が剥がれることを示し
ており、○は、ベースフィルム1の浮き巾が1〜2mm
と少なくマージンがないことを示しており、◎は、ベー
スフィルム1の浮き巾は2〜4mmと適度で良好である
ことを示している。
【0083】また、表4の『フィルム切断の安定性』の
評価欄において、×は、カラーレジスト層4が基板9か
ら剥がれてベースフィルム1剥離処理でレジスト屑が飛
散することを示しており、○は、カラーレジスト層4剥
がれは発生していないが、ベースフィルム1切り屑が発
生しやすいことを示しており、◎は、カラーレジスト層
4剥がれは発生せず、ベースフィルム1切り屑の発生も
なく良好であることを示している。
【0084】さらに、切断の際には、受け台21に設け
られた上記の水冷機構によって、切断部30近傍の温度
を23〜35℃の範囲まで冷却している。これは、フィ
ルム10の剥がれやケバ立ちを防止すると共に、フィル
ム10が刃物26に付着するなどして切断精度の悪化や
刃物26の短命化を招来しないようにするためである。
また、表5に示す通り、後工程である剥離処理へ円滑に
進行し、該剥離処理におけるベースフィルム1の剥離を
良好なものとすると共に、効率性・実用性を考慮したた
めである。切断部30近傍の温度は、露つきや霜つきの
起こらない程度の0℃〜35℃の温度範囲とすることが
好ましい。本切断処理では、10℃〜20℃の冷却水を
受け台21に通すことによって、切断部30近傍の温度
を23〜35℃の範囲まで冷却している。しかしなが
ら、冷却方法は、受け台21によるものに限られず、ラ
ミネート装置から切断装置までの搬送部に冷却手段を配
してもよいし、かかる冷却手段と受け台21による冷却
機構とを組み合わせてもよい。
【0085】
【表5】
【0086】尚、表5の『はみ出しフィルム切断の安定
性』の評価欄において、×は、はみ出しフィルム10切
断の際にカラーレジスト層4が基板9から剥がれてしま
い、はみ出しフィルム10の除去やベースフィルム1剥
離処理でレジスト屑が飛散することを示しており、○
は、カラーレジスト層4剥がれは発生していないが、ラ
ミネート処理条件やフィルム特性の変動に対するマージ
ンがないことを示しており、◎は、カラーレジスト層4
剥がれは発生せず、ラミネート処理条件やフィルム特性
の変動にも十分なマージンがあることを示している。
【0087】また、表5の『ベースフィルム剥離の安定
性』の評価欄において、×は、ベースフィルム1剥離処
理の際にカラーレジスト層4がベースフィルム1と一緒
に剥離されてしまうことを示しており、○は、ベースフ
ィルム1のみが剥離できているが、ラミネート処理条件
やフィルム特性の変動に対するマージンがないことを示
しており、◎は、ベースフィルム1のみが剥離でき、ラ
ミネート処理条件やフィルム特性の変動にも十分なマー
ジンがあることを示している。
【0088】また、表5の『スループット・装置構成』
の評価欄において、×は、急冷せずに必要温度まで基板
冷却するのは、クリーンルーム温度は23℃が一般的で
あるので、スループット・装置構成を考慮すると実用的
ではないことを示しており、○は、スループット・装置
構成ともに実用的であることを示しており、◎は、スル
ープット・装置構成ともに実用的で、かつ効率もよいこ
とを示している。
【0089】上記の刃物26によってフィルム10を切
断する切断速度は、表6に示すように、10mm/秒か
ら500mm/秒の範囲、望ましくは50mm/秒から
100mm/秒の範囲が好ましい。上記の装置では、7
0mm/秒で刃物26を移動させる構成となっている。
【0090】
【表6】
【0091】尚、表6の『フィルム切断の安定性』の評
価欄において、×は、刃先がベースフィルム1に食い込
まず、フィルム10が切断できない可能性が高くなるこ
とを示しており、○は、フィルム10は切断できている
が、ベースフィルム1の浮き巾が1〜2mmと少なくマ
ージンがないことを示しており、◎は、フィルム10切
断は良好で、ベースフィルム1の浮き巾も2〜4mmと
適度であることを示している。
【0092】また、表6の『スループット』の評価欄に
おいて、×は、スループットを考慮すると実用的でない
ことを示しており、○は、実用的ではあるが、基板が大
型化すると難しいことを示しており、◎は、実用的で、
かつ効率もよいことを示している。
【0093】また、検討では、刃物26の加圧力は、4
00gfから800gf程度が好ましいという結果が得
られた。加圧力が弱すぎると、刃先がベースフィルム1
に食い込まず、フィルム10が切断できない。一方、加
圧力が強すぎると、切断回数による刃先の磨耗が激しく
寿命に問題があり、刃物26を基板9に下降させた際の
刃先チッピングの危険性も高い。
【0094】刃物26により切断部30を切断した後、
図11に示すように、ドライレジストフィルム10のは
み出し部分31を除去手段32によって除去する。除去
に際しては、ドライレジストフィルム10の切断部30
を直線精度良く基板9上に残すよう留意する。
【0095】図12の(a)(b)は、ドライレジスト
フィルム10のはみ出し部分31が除去された状態を示
す説明図である。
【0096】本切断・除去処理では、基板後端9bより
も内側でドライレジストフィルム10を切断する際に、
基板9を23〜35℃に冷却しつつ、刃物26に切断特
性および耐久性の良好なカミソリ両刃を用いて、該刃物
26を特定の角度に傾斜させて切断し、切断後、はみ出
し部分31を除去している。これによって、切断部30
近傍のカラーレジスト層4を良好な状態に仕上げること
ができ、切断部30近傍のカラーレジスト層4の浮きや
剥がれ、きず等の発生を抑えることができた。
【0097】尚、上記の除去処理では、上記切断装置に
設けられた除去手段32を含む除去機構によってはみ出
し部分31を除去しており、切断処理と除去処理とを同
一の装置を用いて行っているが、切断処理とは別の装置
によって除去処理を行ってもよい。ただし、生産効率の
向上等の観点から、同一の装置を用いて切断・除去処理
を行うことが好ましい。
【0098】次に、上記切断・除去処理の後、ドライレ
ジストフィルム10のベースフィルム1を剥離する処理
について説明する。
【0099】本剥離処理では、ドライレジストフィルム
10の一端から少なくとも1つのカッティング(切込
み)を施し、該カッティング部の周辺領域からベースフ
ィルム1とカラーレジスト層4とを離間させることによ
り、ベースフィルム1を剥離している。
【0100】また、剥離時においても、基板9は、23
〜35℃に冷却された状態としている。これは、カッテ
ィング処理を良好なものにすると共に、ベースフィルム
1の剥離時に、酸素遮断層等の中間層が一緒に剥離され
ることを防ぐためである。
【0101】図13は、上記切断・除去処理の後、基板
9上にドライレジストフィルム10がラミネートされた
状態を示す平面図であり、同図に示すように、本剥離処
理を行う前には、ドライレジストフィルム10の一端1
0aからカッティング35・36を施す。37・38
は、後述の粘着テープ39の貼付け領域を示している。
【0102】本剥離処理に用いる剥離装置は、図14に
示すように、回転ローラ40に粘着テープ39を巻き付
けた構成の粘着テープ支持部41を2つ備えている(同
図では、便宜上1つの粘着テープ支持部41のみ示して
いる。)。そして、剥離の際には、まず、各粘着テープ
支持部41の粘着テープ39を、ベースフィルム1上の
貼付け領域37・38の端部37a・38aに接触・接
着させる。
【0103】次いで、図15に示すように、粘着テープ
39を巻き付けた回転ローラ40を矢符H方向に回転移
動させながら、各貼付け領域37・38全体に粘着テー
プ39を貼付ける。また、同図に示すように、このと
き、ベースフィルム1も粘着テープ39と接着する領域
を端部37a・38a側から徐々に増やしつつ、下層か
ら浮き上がった状態となる。
【0104】その後、図16に示すように、各粘着テー
プ支持部41を斜め上方向である矢符I方向に移動させ
ることによって、ベースフィルム1全体をカラーレジス
ト層4から剥離する。尚、図17に示すように、剥離の
方向は、平面から見た場合、矢符J方向である。
【0105】上記の剥離処理では、粘着テープ39の貼
付け領域37・38にカッティング35・36を施して
いるので、ベースフィルム1とカラーレジスト層4との
間への空気の導入を良くして、しかも、切り込み部分を
またぐように粘着テープを接着しているため、帯状支持
体を確実に除去でき、剥離を良好なものとしている。ま
た、引き剥がす力が少なくて済み、引き剥がす力を分散
させることができる。
【0106】また、端部37a・38a側から徐々に粘
着テープ39を貼付ける領域を増やして剥離しているの
で、無理のない良好な剥離を実現している。さらに、剥
離の際に、カラーレジスト層4の樹脂屑などからなるダ
ストの発生を防止することができる。従って、汚染もな
く、安定性の高い効率的な剥離処理を行うことができ
る。また、粘着テープ39の使用量も比較的少なく、低
コストな剥離処理を実現している。
【0107】上記のカッティング35・36は、ドライ
レジストフィルム10の一端10aから約5mm〜10
mm切込みを入れて形成している。また、各カッティン
グ35・36は、それぞれ、ドライレジストフィルム1
0の各端部10c・10dから約5mm〜15mmの位
置に形成されている。
【0108】さらに、各カッティング35・36は、上
記の切断・除去処理に使用した切断装置の刃物26を用
いて、即ち、ステンレス製のカミソリ両刃を用いて、ベ
ースフィルム1及びカラーレジスト層4を切断すること
により形成されている。
【0109】尚、カッティング35・36の大きさや、
粘着テープ39の貼付け領域37・38の面積は、フィ
ルム面積等に応じて適宜変更すればよい。
【0110】また、上記の剥離装置では、回転ローラ4
0に巻き付けられた粘着テープ39は、粘着性が低下し
ないように連続的に繰り出され、ベースフィルム1との
接触面を変えることができる構成となっている。
【0111】また、上記の剥離処理では、粘着テープ3
9を用いて剥離しているが、粘着ローラ等のその他の接
着手段あるいは真空チャック等の吸着手段などを用いて
剥離を行ってもよい。
【0112】また、上記の剥離処理では、各粘着テープ
支持部41を斜め上方向に移動させることによってベー
スフィルム1をカラーレジスト層4から剥離している
が、これに限られず、基板を載置しているステージを移
動させることによって、あるいは、該ステージの移動と
粘着テープ支持部41の移動とを組み合わせることによ
って、ベースフィルム1とカラーレジスト層4とを離間
させてもよい。
【0113】さらに、図18に示すように、粘着テープ
39の貼付け領域40を1箇所とし、矢符K方向に剥離
するものとしてもよい。
【0114】
【発明の効果】請求項1の発明に係る積層方法は、以上
のように、帯状支持体上に樹脂層を設けたフィルムを、
基板の供給方向の長さに基づいて切断し、該基板上に圧
着した後、該帯状支持体を剥離して該樹脂層を該基板上
に転写する積層方法において、前記切断の際に、圧着後
の前記フィルムの後端が前記基板の後端よりも所定幅だ
け外側にはみ出すよう切断し、前記フィルムを圧着した
後であって前記帯状支持体を剥離する前に、該基板の後
端よりも内側で該フィルムを再び切断し、該フィルムの
該基板上からはみ出した部分を除去する方法である。
【0115】これにより、基板と樹脂層との界面に気泡
を巻き込むことがなくなるので、樹脂層の飛び散りや欠
けによる製品不良が低減でき、また、基板の端部近傍ま
で表示部を広げることができる。さらに、基板上の切断
部においても樹脂層のまわり込みが少なくなり、帯状支
持体と樹脂層とが容易に界面で剥離して基板上に直線精
度良く樹脂層を積層できる。
【0116】請求項2の発明に係る積層方法は、以上の
ように、請求項1の方法において、圧着後の前記フィル
ムの後端が前記基板の後端よりも30mmから60mm
外側にはみ出すよう切断する方法である。
【0117】これにより、気泡の発生を確実に防止しつ
つ、フィルムの使用量を最小限に節減できる。
【0118】請求項3の発明に係る積層方法は、以上の
ように、請求項1または2の方法において、前記フィル
ムを前記基板の後端よりも内側で再び切断する際に、切
断部近傍の温度を23℃以上35℃以下に冷却する方法
である。
【0119】これにより、切断部近傍の樹脂が軟化する
ことなく確実に硬化しているので、樹脂の飛び散りやケ
バ立ちが少なくなり、直線精度良く切断でき、剥離も容
易になる。
【0120】請求項の発明に係る積層方法は、以上の
ように、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法にお
いて、帯状支持体上に樹脂層を設けたフィルムを、基板
の供給方向の長さに基づいて切断し、該基板上に圧着し
た後、該帯状支持体を剥離して該樹脂層を該基板上に転
写する積層方法において、前記剥離の際に、前記フィル
ムの一端から少なくとも1つの切込みを施し、該切込み
の周辺領域から前記帯状支持体と前記樹脂層とを離間さ
せることにより、該帯状支持体を剥離する方法である。
【0121】これにより、帯状支持体に切込みを入れる
ことにより、帯状支持体と樹脂層との間に微少な浮きを
形成し、帯状支持体の剥離を開始する際の負荷を分散軽
減して剥離を容易にする。また、切込みを設けた領域か
ら徐々に剥離部を伝播させるので、無理なく容易に剥離
できる。
【0122】請求項の発明に係る積層方法は、以上の
ように、請求項の方法において、前記切込みを施すの
に、ステンレス鋼からなる剃刀用の刃物を用いる方法で
ある。
【0123】これにより、周囲にガラスや樹脂等のくず
を発塵することなく、良好に切込みを設けることができ
る。
【0124】請求項6の発明に係る積層方法は、以上の
ように、請求項またはの方法において、前記切込み
の周辺領域の帯状支持体に該切込み部分をまたぐように
粘着テープを接着し、該粘着テープを該帯状支持体面の
法線方向に移動させることによって、該帯状支持体と前
記樹脂層とを離間させる方法である。
【0125】これにより、切込み部近傍を粘着テープで
接着し、これを引き上げる等して帯状支持体を剥離して
いるので、無理なく容易に剥離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る積層方法において
使用されるラミネート装置の動作を示す説明図である。
【図2】上記積層方法の各工程を示すフローチャートで
ある。
【図3】上記積層方法において基板上にラミネートされ
るドライレジストフィルムの構成を示す図である。
【図4】ドライレジストフィルムが、基板上から一部は
み出した状態でラミネートされていることを示す平面図
である。
【図5】上記積層方法において使用される切断装置の構
成を示す図である。
【図6】上記切断装置の受け台の構成を示す図である。
【図7】上記切断装置に使用される刃物を示す図であ
る。
【図8】切断位置を示す平面図である。
【図9】切断の際、刃物に特定の角度をつけることを示
す説明図である。
【図10】切断の際、刃物に特定の角度をつけることを
示す説明図である。
【図11】切断後、ドライレジストフィルムのはみ出し
部分を除去する処理を説明する図である。
【図12】ドライレジストフィルムのはみ出し部分が、
正常に除去された状態を示す図である。
【図13】剥離処理前に、ドライレジストフィルムにカ
ッティングが施された状態を示す平面図である。
【図14】剥離処理開始時において、粘着テープをベー
スフィルム上に接着させた状態を示す説明図である。
【図15】粘着テープをベースフィルム上に接着させた
状態で、回転ローラを回転させた状態を示す説明図であ
る。
【図16】粘着テープを斜め上方向に移動させることに
より、ベースフィルムを剥離した状態を示す説明図であ
る。
【図17】粘着テープの移動方向を示す説明図である。
【図18】粘着テープを1箇所に貼付けて剥離する場合
に、粘着テープの移動方向を示す説明図である。
【図19】従来の連続ラミネート装置の構成を示す図で
ある。
【図20】従来の断続ラミネート装置の構成を示す図で
ある。
【図21】従来の断続ラミネート装置の動作を示す説明
図である。
【図22】従来の剥離用針を用いての剥離処理を示す説
明図である。
【図23】従来のエアナイフを用いての剥離処理を示す
説明図である。
【図24】従来のラミネート方法によってラミネートし
た場合に、フィルムの後端近傍に気泡が発生することを
示す平面図である。
【図25】従来のラミネート方法によってラミネートし
た場合に、フィルムの後端近傍に気泡が発生することを
示す拡大図である。
【符号の説明】
1 ベースフィルム(帯状支持体) 4 カラーレジスト層(樹脂層) 9 基板 10 ドライレジストフィルム(フィルム) 26 刃物 39 粘着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/06 H05K 3/06 J B29L 9:00 B29L 9:00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状支持体上に樹脂層を設けたフィルム
    を、基板の供給方向の長さに基づいて切断し、該基板上
    に圧着した後、該帯状支持体を剥離して該樹脂層を該基
    板上に転写する積層方法において、 前記切断の際に、圧着後の前記フィルムの後端が前記基
    板の後端よりも所定幅だけ外側にはみ出すよう切断し、 前記フィルムを圧着した後であって前記帯状支持体を剥
    離する前に、該基板の後端よりも内側で該フィルムを再
    び切断し、該フィルムの該基板上からはみ出した部分を
    除去することを特徴とする積層方法。
  2. 【請求項2】圧着後の前記フィルムの後端が前記基板の
    後端よりも30mmから60mm外側にはみ出すよう切
    断することを特徴とする請求項1記載の積層方法。
  3. 【請求項3】前記フィルムを前記基板の後端よりも内側
    で再び切断する際に、切断部近傍の温度を23℃以上3
    5℃以下に冷却することを特徴とする請求項1または2
    記載の積層方法。
  4. 【請求項4】前記剥離の際に、前記フィルムの一端から
    少なくとも1つの切込みを施し、該切込みの周辺領域か
    ら前記帯状支持体と前記樹脂層とを離間させることによ
    り、該帯状支持体を剥離することを特徴とする請求項1
    〜3の何れか1項に記載の積層方法。
  5. 【請求項5】前記切込みを施すのに、ステンレス鋼から
    なる剃刀用の刃物を用いることを特徴とする請求項4記
    載の積層方法。
  6. 【請求項6】前記切込みの周辺領域の帯状支持体に該切
    込み部分をまたぐように粘着テープ を接着し、該粘着テ
    ープを該帯状支持体面の法線方向に移動させることによ
    って、該帯状支持体と前記樹脂層とを離間させることを
    特徴とする請求項4または5記載の積層方法。
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