JP2004026884A - 輪郭部材用両面テープの製造方法 - Google Patents

輪郭部材用両面テープの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】専用の剥離紙を貼着した輪郭シートを備えているにも拘わらず製造上の自動化が達成できること。
【解決手段】枠形状を呈する両面接着の輪郭シート2を、その一側面に剥離シート3を貼着した状態で、テープの長さ方向に複数貼着して構成される輪郭部材用両面テープ1の製造方法であって、送り出し工程Aと、カット工程Bと、第1余剰シート除去工程Cと、第2余剰シート除去工程Dと、巻取工程Eとから全体構成されており、原反両面テープ5を長さ方向に沿って2区分に分け、第1余剰シート除去工程Cで2区分の一側部分の余剰シートを除去し、第2余剰シート除去工程Dで2区分の他側部分の余剰シートを除去した。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば携帯電話の液晶表示部の縁に沿って貼着される、丸形あるいは角形等の枠形状を呈する両面接着の輪郭シートであって、この輪郭シートを所定間隔に貼着して構成される輪郭部材用両面テープの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の輪郭部材用両面テープの製造方法は、特開平7−188623号公報に開示されている。この製造方法は、図8に示すように、カット工程(図示せず)および余剰シート除去工程(図示せず)を経て、帯状フィルム100上にリング状に成形された両面接着輪郭シート101が所定間隔に貼着された状態で最終工程に搬送され、この最終工程で、剥離紙送り出しリール(図示せず)から供給される剥離紙102が介装されて製品両面テープ103が構成され、この状態で製品両面テープ用巻取リール(図示せず)に巻き取られるようになっている。
【0003】
このように製品両面テープ103においては、剥離紙102は、複数の輪郭シート101に共通している。このためこの製造方法では、各輪郭シート101毎に専用の剥離紙102を貼着し、各輪郭シート101を剥離紙102を貼着した状態で帯状フィルム100から剥離して使用できる製品の製造は不可能である。例え、剥離紙102を、各輪郭シート101に相応する大きさに裁断して供給するようにしても、裁断剥離紙102と各輪郭シート101との間に高精度の位置決めが要求され、結果として製造不能となる。
【0004】
このため従来では、専用の剥離紙を貼着した輪郭シートを備えた輪郭部材用両面テープ120は、図9に示す製造方法に依っている。
【0005】
すなわち、この製造方法は、第1剥離シート110と第2剥離シート111との間に両面接着シート112を介在させて積層し、両側部にそれぞれガイド孔119を設けた原反両面テープ113を用いて行われる。
【0006】
まず、ガイド孔119を装置のガイドピン(図示せず)に装通させて、原反両面テープ113を装置(図示せず)にセットすると共に、ガイドピンに案内されるカッター(図示せず)を用いて、前記輪郭シートの内包部分、および剥離シートの突出部分(取っ手部分)にそれぞれ対応する部分に孔117および118を穿設する(図9(A))。このとき孔117および118は、カッターで抜き加工後、手動で余剰シートを除去することにより形成される。
【0007】
次に、第2剥離シート111を最終の剥離シート115(例えば、透明剥離シート)に貼り替える(図9(B))。
【0008】
さらに、前記ガイドピンに案内される外形抜き用カッター(図示せず)を用いて第1剥離シート110を残したまま抜き加工し、その抜き加工後、第1剥離シート110上の輪郭シート114およびこの輪郭シート114に貼着された最終形状の剥離シート115(突出部分(取っ手部分)116を有している)を残して、手動で余剰シート(両面接着シート112と剥離シート115との積層部分)を除去することにより、輪郭部材用両面テープ120を形成することができる(図9(C))。このときの抜き加工は、突出部分(取っ手部分)116を有する剥離シート115の最終形状に沿って行われる。
【0009】
このようにして製造された輪郭部材用両面テープ120は、図7(a)、(b)に括弧を付した符号で示すように、輪郭シート(114)を、剥離シート(115)を伴って第1剥離シート110から剥離し(図7(a)参照)、輪郭シート(114)の粘着面(剥離シート(115)の反対側)を介して被貼着体(図示せず)に貼着すると共に、さらに突出部分(取っ手部分)(116)を把持して、剥離シート(115)を輪郭シート(114)から剥離し(図7(b)参照)て使用される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の製造方法では、専用の剥離紙を貼着した輪郭シートを備えた輪郭部材用両面テープは、製造不能であったり、あるいは製造できても、余剰シートの除去に人手を要するため自動化が不能で、コスト高を招く、という課題を有している。
【0011】
そこで、この発明は、専用の剥離紙を貼着した輪郭シートを備えているにも拘わらず製造上の自動化が達成でき、以てコストの低減化をも可能にした輪郭部材用両面テープの製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、枠形状を呈する両面接着の輪郭シートを、その一側面に剥離シートを貼着した状態で、テープの長さ方向に複数貼着して構成される輪郭部材用両面テープの製造方法であって、原反両面テープを送り出す送り出し工程と、この送り出し工程の次工程であるカット工程と、このカット工程の次工程である第1余剰シート除去工程と、この第1余剰シート除去工程の次工程である第2余剰シート除去工程と、この第2余剰シート除去工程の次工程である巻取工程とから全体構成されている。
【0013】
そして前記送り出し工程は、片面に微粘着層を有するキャリヤテープ、前記微粘着層に非処理面を接着する片面を剥離処理された第1剥離シート、前記第1剥離シートの処理面に一面を接着する前記輪郭シート形成用の両面接着シート、および前記両面接着シートの他面に剥離処理面を接着させた片面処理の第2剥離シートからなる原反両面テープを送り出すように構成されている。
【0014】
この構成では、キャリヤテープと第1剥離シートとは、微粘着層を介して接着されているので、その接着力は、後工程である第1および第2余剰シート除去工程で供給される粘着テープと第2剥離シートとのそれよりも弱くなっている。また、両面接着シートと第2剥離シートの接着力は、後工程である第1および第2余剰シート除去工程で供給される粘着テープと第2剥離シートとのそれよりも弱くなっている。さらに、第1剥離シートと両面接着シートの接着力は、後工程である第2余剰シート除去工程で供給される粘着テープと両面接着シートとのそれよりも弱くなっている。このように原反両面テープは、各層間の接着力バランスを保って構成されている。
【0015】
また、前記カット工程は、回転駆動されるカッターローラ/受けローラ間を通過させることによって、前記輪郭シートの外周部分、および前記外周部分同士をつなぐ前記原反両面テープの長さ方向のセンターラインに沿う連結部分にそれぞれ沿って前記第1剥離シート、両面接着シート、および第2剥離シートを含めて抜き加工すると共に、前記輪郭シートの内周部分に沿って前記両面接着シート、および第2剥離シートを含めて抜き加工し、かつ前記輪郭シートに対応する部分を前記原反両面テープの長さ方向のセンターラインに沿って前記第2剥離シートを抜き加工するように構成されている。
【0016】
この構成では、キャリヤテープをそのまま残して第2剥離シート側から切れ目が入れられる。その切れ目は、輪郭シートおよび第1剥離シートの最終形状の外周部分および輪郭シートの内周部分にそれぞれ沿って形成される第1および第2切れ目、最終形状の輪郭シートおよび第1剥離シート同士の連結部分に対応して原反両面テープの長さ方向のセンターラインに沿って形成される第3切れ目、および最終形状の輪郭シートに対応して原反両面テープの長さ方向のセンターラインに沿って形成される第4切れ目がある。第1および第3切れ目が第1剥離シートに達して形成され、第2切れ目が両面接着シートに達して形成され、かつ第4切れ目が第2剥離シートのみに形成される。
【0017】
また、前記第1余剰シート除去工程は、センターラインで区分される前記原反両面テープの一側部分に貼着するように粘着テープを供給すると共に貼着後前記粘着テープを巻き取り除去することによって、前記原反両面テープの一側部分にある、前記輪郭シート上に対応する前記第2剥離シート、前記輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シートおよび第2剥離シート、並びに前記輪郭シートの内包部分に対応する前記第2剥離シートを除去するように構成されている。
【0018】
この構成では、原反両面テープの一側部分にある、輪郭シート上に対応する第2剥離シート、輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シートおよび第2剥離シート、並びに輪郭シートの内包部分に対応する第2剥離シートは、粘着テープ側に貼着されて除去される。これにより、原反両面テープの一側部分にある輪郭シートに対応する部分および輪郭シートの内包部分に対応する部分は、両面接着シートが露出し、かつ原反両面テープの一側部分にある輪郭シートの外側部分に対応する部分は、第1剥離シートの処理面が露出する。
【0019】
また、前記第2余剰シート除去工程は、センターラインで区分される原反両面テープの他側部分に貼着されるように粘着テープを供給すると共に、貼着後前記粘着テープを巻き取り除去することによって、原反両面テープの他側部分にある、輪郭シート上に対応する第2剥離シート、輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シートおよび第2剥離シート、並びに輪郭シートの内包部分に対応する両面接着シートを除去して最終形状の輪郭シートを形成するように構成されている。
【0020】
この構成では、原反両面テープの他側部分にある、輪郭シート上に対応する第2剥離シート、輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シート、および第2剥離シート、並びに輪郭シートの内包部分に対応する両面接着シートは、粘着テープ側に貼着されて除去される。これにより、原反両面テープの他側部分にある輪郭シートに対応する部分は、両面接着シートが露出し、かつ原反両面テープの他側部分にある輪郭シートの外側部分に対応する部分、および輪郭シートの内包部分に対応する部分は、第1剥離シートの処理面が露出する。しかして、最終形状の輪郭シートが、第1剥離シート上に適宜の間隔で残される。
【0021】
また、前記巻取工程は、片面を剥離処理された第3剥離シートを、処理面が輪郭シートに貼着するように供給すると共に、この第3剥離シートを伴ってキャリヤテープを巻き取るように構成されている。
【0022】
この構成では、第3剥離シートは、最終形状の輪郭シートを構成する両面接着シートに貼着されて、キャリヤテープと共に巻き取られて製品としての輪郭部材用両面テープを得ることができる。
【0023】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の輪郭部材用両面テープの製造方法であって、
前記カット工程における第1剥離シート、両面接着シート、および第2剥離シートを含めての抜き加工は、前記輪郭シートよりも外方へ突出する取っ手部を有する前記第1剥離シートの外周部分に沿って行い、
前記カット工程における両面接着シートおよび第2剥離シートを含めての抜き加工は、前記輪郭シートの内周部分および前記第1剥離シートの取っ手部に対応する前記輪郭シートの外周部分に沿って行うと共に、
前記第1余剰シート除去工程における第2剥離シートの除去は、前記第1剥離シートの取っ手部に対応する部分を含めて行い、かつ
前記第2余剰シート除去工程における両面接着シートの除去は、前記第1剥離シートの取っ手部に対応する部分を含めて行うことを特徴とする。
【0024】
このため、請求項2の発明では、最終的には、両面接着シートは所望の輪郭シートに形成されると共に、第1剥離シートは輪郭シートよりも外方へ突出する取っ手部を有すると共に、この取っ手部以外は輪郭シートと同一形状、および同一大きさに形成される。
【0025】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の輪郭部材用両面テープの製造方法であって、
前記カット工程は、四角枠形状を呈した輪郭シートが前記原反両面テープの長さ方向に対して傾斜して抜き加工されることを特徴とする。
【0026】
このため、請求項3の発明では、後工程の第1および第2余剰シート除去工程での剥離の切っ掛けを作るときの剥離抵抗を小さくすることができるので、余剰シートの除去を容易に行うことができる。
【0027】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の輪郭部材用両面テープの製造方法であって、
前記巻取工程は、前記第3剥離シートを供給して前記輪郭シートに貼着した後、前記キャリヤテープを剥離して巻き取ることによって、前記キャリヤテープ側に貼着する前記輪郭シートの外側部分に対応する前記第1剥離シートを除去し、その後前記第3剥離シートを巻き取ることによって第3剥離シート上に貼着する最終形状の第1剥離シートおよび輪郭シートを巻き取ることを特徴とする。
【0028】
このため、請求項4の発明では、輪郭シートと第1剥離シートとの接着力は、第1剥離シートとキャリヤテープとのそれよりも弱くなっており、輪郭シートと第3剥離シートとの接着力は、第1剥離シートとキャリヤテープとのそれよりも弱くなっている。
【0029】
そして枠形状を呈する両面接着の輪郭シートは、その一側面に最終形状の第1剥離シートを貼着した状態で、その他側面を第3剥離シートに貼着させて、第3剥離シートの長さ方向に適宜の間隔を維持して複数貼着される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の第1実施形態としての輪郭部材用両面テープの製造方法の工程説明図であり、図2は、製品両面テープの展開図であり、図3は、該製造方法の各工程に対応するテープの平面図(図3(a)、(b))、および断面図(図3(c))である。
【0031】
第1実施形態は、枠形状を呈する両面接着の輪郭シート2を、その一側面に剥離シート3を貼着した状態で、テープ4の長さ方向に複数貼着して構成される輪郭部材用両面テープ1の製造方法であって、原反両面テープ5を送り出す送り出し工程Aと、この送り出し工程Aの次工程であるカット工程Bと、このカット工程Bの次工程である第1余剰シート除去工程Cと、この第1余剰シート除去工程Cの次工程である第2余剰シート除去工程Dと、この第2余剰シート除去工程Dの次工程である巻取工程Eとから全体構成されている。
【0032】
そして、送り出し工程Aは、片面に微粘着層を有するキャリヤテープ4、前記微粘着層に非処理面を接着する片面を剥離処理された第1剥離シート3、第1剥離シート3の処理面に一面を接着する輪郭シート形成用の両面接着シート6、および両面接着シート6の他面に剥離処理面を接着させた片面処理の第2剥離シート7からなる原反両面テープ5を送り出すように構成されている。
【0033】
本実施形態では、送り出し工程Aは、基本送り出し工程a1とシート貼り替え工程a2とから構成されている。基本送り出し工程a1では、キャリヤテープ4と反対側の最外層に両面を剥離処理された第4剥離シート8が貼着され他の構成を前記した原反両面テープ5と同様に構成した基本両面テープ9が、送り出しリール10から送り出される。そしてシート貼り替え工程a2では、基本両面テープ9から第4剥離シート8を剥離すると共に、巻き取りリール11に巻き取ることによって除去し、その後送り出しリール41から送り出される第2剥離シート7が第4剥離シート8に替わって両面接着シート6に貼着されて原反両面テープ5を次工程に送り出すことになる。基本両面テープ9が原反両面テープ5で構成されているときは、送り出し工程Aは、シート貼り替え工程a2を省略して基本送り出し工程a1のみで構成することができる。第1剥離シート3は、本実施形態では、透明樹脂シートが用いられている。
【0034】
原反両面テープ5においては、キャリヤテープ4と第1剥離シート3とは、微粘着層を介して接着されているので、その接着力は、後工程である第1および第2余剰シート除去工程CおよびDで供給される粘着テープ12および13と第2剥離シート7とのそれよりも弱くなっている。また、両面接着シート6と第2剥離シート7の接着力は、後工程である第1および第2余剰シート除去工程CおよびDで供給される粘着テープ12および13と第2剥離シート7とのそれよりも弱くなっている。さらに、第1剥離シート3と両面接着シート6の接着力は、後工程である第2余剰シート除去工程Dで供給される粘着テープ13と両面接着シート6とのそれよりも弱くなっている。このように原反両面テープ5は、各層間の接着力バランスを保って構成されている。
【0035】
また、カット工程Bは、回転駆動されるカッターローラ14/受けローラ15間を通過させることによって、輪郭シートの外周部分16、および外周部分16同士をつなぐ原反両面テープ5の長さ方向のセンターラインに沿う連結部分17にそれぞれ沿って第1剥離シート3、両面接着シート6、および第2剥離シート7を含めて抜き加工すると共に、輪郭シートの内周部分18に沿って両面接着シート6、および第2剥離シート7を含めて抜き加工し、かつ輪郭シートに対応する部分19および20を原反両面テープ5の長さ方向のセンターラインに沿って第2剥離シート7を抜き加工するように構成されている。
【0036】
この構成では、キャリヤテープ4をそのまま残して第2剥離シート7側から切れ目が入れられる。その切れ目は、輪郭シートおよび第1剥離シート3の最終形状の外周部分16および輪郭シートの内周部分18にそれぞれ沿って形成される第1および第2切れ目21および22、最終形状の輪郭シートおよび第1剥離シート3同士の連結部分17に対応して原反両面テープ5の長さ方向のセンターラインに沿って形成される第3切れ目23、および最終形状の輪郭シートに対応して原反両面テープ5の長さ方向のセンターラインに沿って形成される第4切れ目24がある。第1および第3切れ目21および23が第1剥離シート3に達して形成され、第2切れ目22が両面接着シート6に達して形成され、かつ第4切れ目24が第2剥離シート7のみに形成される。
【0037】
このような切れ目21、22、23、24は、カッターローラ14により形成されるが、そのためにカッターローラ14の表面には、図4に示すカッター刃25が設けられている。カッター刃25は、どの切れ目を形成するかによって部分毎に異なる刃高を有して形成されている。図4(a)はカッター刃25の展開図であり、図4(b)、(c)、および(d)は、カッター刃25の構成要素で、同一刃高を有する第1部分刃25a、第2部分刃25b、および第3部分刃25cをそれぞれ示している。
【0038】
本実施形態では、第1部分刃25aは、第1および第3切れ目21および23を形成するためのもので、最も高い刃高を有して形成されており、第2部分刃25bは、第2および第5切れ目22および26(後述する第1剥離シート3の取っ手部35に対応する輪郭シート2の外周部分)を形成するためのもので、第1部分刃25aよりも幾分低い刃高を有して形成されており、かつ第3部分刃25cは、第4切れ目24を形成するためのもので、最も低い刃高を有して形成されている。
【0039】
このように、このカット工程Bでは、必要な全ての切れ目は、原反両面テープ5をカッターローラ14/受けローラ15間を通過させることにより、一工程で同時に形成することができるので、最終形状の輪郭シート2および第1剥離シート3の寸法を高精度に制御することができる。
【0040】
また、第1余剰シート除去工程Cは、センターラインで区分される原反両面テープ5の一側部分に貼着するように粘着テープ12を供給すると共に、貼着後粘着テープ12を巻き取り除去することによって、原反両面テープ5の一側部分にある、輪郭シート上に対応する第2剥離シート7、輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シート6および第2剥離シート7、並びに輪郭シートの内包部分に対応する第2剥離シート7を除去するように構成されている。
【0041】
本実施形態では、粘着テープ12は、セロテープ(登録商標)で構成されており、送り出しリール28から供給されると共に、巻取リール29で巻き取る間に原反両面テープ5の第2剥離シート7上に貼着すると共に、巻取りにより余剰シートを付着させて取り除くことができる。図3(C)(a)中、粘着テープ12は斜線を付して示した。
【0042】
この構成では、図3(C)(c)に破線で示すように、原反両面テープ5の一側部分にある、輪郭シート上に対応する第2剥離シート7b、輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シート6aおよび第2剥離シート7a、並びに輪郭シートの内包部分に対応する第2剥離シート7cは、粘着テープ12側に貼着されて除去される。これにより、原反両面テープ5の一側部分にある輪郭シートに対応する部分および輪郭シートの内包部分に対応する部分は、両面接着シート6が露出し、かつ原反両面テープ5の一側部分にある輪郭シートの外側部分に対応する部分は、第1剥離シート3の一側部分3aの剥離処理面が露出する。
【0043】
また、第2余剰シート除去工程Dは、センターラインで区分される原反両面テープ5の他側部分に貼着されるように粘着テープ13を供給すると共に、貼着後粘着テープ13を巻き取り除去することによって、原反両面テープ5の他側部分にある、輪郭シート上に対応する第2剥離シート7、輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シート6および第2剥離シート7、並びに輪郭シートの内包部分に対応する両面接着シート6を除去して最終形状の輪郭シートを形成するように構成されている。
【0044】
本実施形態では、粘着テープ13は、セロテープ(登録商標)で構成されており、送り出しリール30から供給されると共に、巻取リール31で巻き取る間に原反両面テープ5の第2剥離シート7および両面接着シート6上に貼着すると共に、巻取りにより余剰シートを付着させて取り除くことができる。図3(D)(a)中、粘着テープ13は斜線を付して示した。
【0045】
この構成では、図3(D)(c)に破線で示すように、原反両面テープ5の他側部分にある、輪郭シート上に対応する第2剥離シート7d、輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シート6bおよび第2剥離シート7e、並びに輪郭シートの内包部分に対応する両面接着シート6cは、粘着テープ13側に貼着されて除去される。これにより、原反両面テープ5の他側部分にある輪郭シートに対応する部分は、両面接着シート6が露出し、かつ原反両面テープ5の他側部分にある輪郭シートの外側部分に対応する部分は、第1剥離シート3の他側部分3bの剥離処理面が露出すると共に、輪郭シートの内包部分に対応する部分は、第1剥離シート3の剥離処理面が露出する。しかして、最終形状の輪郭シート2および輪郭シート2の外側部分に対応する第1剥離シート3(詳しくは、一側および他側部分3aおよび3b)が、キャリヤテープ4上に残される。
【0046】
また、巻取工程Eは、片面を剥離処理された第3剥離シート33を、処理面が輪郭シート2に貼着するように供給すると共に、この第3剥離シート33を伴ってキャリヤテープ4を巻き取るように構成されている。
【0047】
本実施形態では、第3剥離シート33は、送り出しリール32から輪郭シート2上に供給されると共に、巻取リール34でキャリヤテープ4と共に巻き取られる。
【0048】
この構成では、第3剥離シート33は、最終形状の輪郭シート2を構成する両面接着シートに貼着されて、キャリヤテープ4と共に巻き取られて製品としての輪郭部材用両面テープを得ることができる。このテープにおいては、使用に際して第3剥離シート33とキャリヤテープ4を相互に離反させることにより、輪郭シートの外側部分に対応する第1剥離シート3の一側および他側部分3aおよび3bは、キャリヤテープ4側に貼着されて除去され、これにより最終形状の輪郭シート2および第1剥離シート3が、第3剥離シート33上に適宜の間隔を維持して残る(図2参照)ことになる。このため最終形状の輪郭シート2および第1剥離シート3は、第3剥離シート33から剥離して使用可能となる。
【0049】
また、本実施形態では、カット工程Bにおける第1剥離シート3、両面接着シート6、および第2剥離シート7を含めての抜き加工は、輪郭シート2よりも外方へ突出する取っ手部35(図7参照)を有する第1剥離シート3の外周部分に沿って行い、カット工程Bにおける両面接着シート6および第2剥離シート7を含めての抜き加工は、輪郭シート2の内周部分および第1剥離シート3の取っ手部35に対応する輪郭シート2の外周部分(図3(B)(a)中に、符号36で示す)に沿って行うと共に、第1余剰シート除去工程Cにおける第2剥離シート7の除去は、第1剥離シート3の取っ手部35に対応する部分を含めて行い、かつ第2余剰シート除去工程Dにおける両面接着シート6の除去は、第1剥離シート3の取っ手部35に対応する部分を含めて行う。
【0050】
この場合、第1剥離シート3の取っ手部35に対応する輪郭シート2の外周部分36の第5切れ目26(図3(B)(a)参照)は、カッターローラ14の第2部分刃25bにより形成される。取っ手部35に対応する部分は、第1余剰シート除去工程Cで第2剥離シート7が除去されて両面接着シート6が露出し、第2余剰シート除去工程Dで両面接着シート6が除去されて第1剥離シート3の剥離処理面が露出する。
【0051】
この構成では、図7に示すように、両面接着シート6は、所望の輪郭シート2に形成されると共に、第1剥離シート3は輪郭シート2よりも外方へ突出する取っ手部35を有すると共に、この取っ手部35以外は輪郭シート2と同一形状、および同一大きさに形成される。
【0052】
また、本実施形態では、カット工程Bは、四角枠形状を呈した輪郭シート2が原反両面テープ5の長さ方向に対して傾斜して抜き加工されるように構成されている。
【0053】
すなわち、カッターローラ14のカッター刃25は、図4(a)に示すように、カッターローラ14の軸心cに対して傾き角θだけ傾けて設けられている。このときの傾き角θは、4°〜10°の範囲内に設定した。これは、第2余剰シート除去工程Dにおける余剰両面接着シート6の剥離の際に、両面接着シート6の切断面の抵抗が、真横全体に同時にかかるのを防ぐためのものであるが、4°未満に設定した場合は、前記抵抗の低下をそれほど期待できないし、10°を越えて設定した場合は、原反両面テープ5の蛇行要因となるので好ましくない。
【0054】
この構成では、後工程の第1および第2余剰シート除去工程CおよびDでの剥離の切っ掛けを作るときの剥離抵抗を小さくすることができるので、余剰シート除去を容易に行うことができる。
【0055】
図5は、この発明の第2実施形態としての輪郭部材用両面テープの製造方法の工程説明図である。
【0056】
この第2実施形態の製造方法では、巻取工程Eが異なるだけで、他の構成は第1実施形態と同様に構成されている。すなわち、第2実施形態の製造方法は、第1実施形態と同様に、送り出し工程Aと、カット工程Bと、第1余剰シート除去工程Cと、第2余剰シート除去工程Dと、巻取工程Eとから全体構成されている。
【0057】
そして、第2実施形態の巻取工程Eは、第3剥離シート33を供給して輪郭シート2に貼着した後、キャリヤテープ4を剥離して巻き取ることによって、キャリヤテープ4側に貼着する輪郭シート2の外側部分に対応する第1剥離シート3(詳しくは、第1剥離シート3の一側および他側部分3aおよび3b)を除去し、その後第3剥離シート33を巻き取ることによって第3剥離シート33上に貼着する最終形状の第1剥離シート3および輪郭シート2を巻き取るように構成されている。
【0058】
このため巻取工程Eには、鋭角に形成された先端をキャリヤテープ4の裏面側に当接させる押当板38が設けられており、キャリヤテープ4は、この押当板38により鋭角状に折り返されることによって、第1剥離シート3(詳しくは、輪郭シート上に対応する部分、輪郭シートの内包部分に対応する部分、および第1剥離シート3の取っ手部35)からの剥離が可能となる。剥離されたキャリヤテープ4は、巻取リール37で巻き取るようになっており、最終形状の第1剥離シート3を貼着した輪郭シート2は、図6(a)、(b)に示すように、第3剥離シート33側に貼着され、巻取リール34に巻き取られて製品としての輪郭部材用両面テープ1(図2参照)を得ることができる。
【0059】
この構成では、枠形状を呈する両面接着の輪郭シート2は、その一側面に最終形状の第1剥離シート3を貼着した状態で、その他側面を第3剥離シート33に貼着させて、第3剥離シート33の長さ方向に適宜の間隔を維持して複数貼着される。
【0060】
なお、第2実施形態の第1余剰シート除去工程Cにおける符号39は、押さえ板で、この押さえ板39と受けローラ40との間に粘着テープ12と原反両面テープ5とを通すことにより、粘着テープ12の原反両面テープ5への貼着状態をより完全なものとすることができ、これにより第1余剰シート除去工程Cにおける余剰シートの除去を良好に行うことができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、製造工程の全工程を、テープ(あるいはシート)の流れに沿って組み込むことができたので、専用の剥離紙を貼着した輪郭シートを備えているにも拘わらず製造上の自動化が達成でき、以てコストの低減化をも可能にした輪郭部材用両面テープの製造方法を提供することができる。
【0062】
また、請求項2の発明によれば、取っ手部を有する専用の剥離シートを有する輪郭シートに対する製造上の自動化が達成できる。
【0063】
また、請求項3の発明によれば、第1および第2余剰シート除去工程での剥離の切っ掛けを作るときの剥離抵抗を小さくすることができるので、余剰シートの除去を容易に行うことができ、以て高歩留まりの安定した製造が可能となる。
【0064】
また、請求項4の発明によれば、枠形状を呈する両面接着の輪郭シートは、その一側面に最終形状の第1剥離シートを貼着した状態で、その他側面を第3剥離シートに貼着させて、第3剥離シートの長さ方向に適宜の間隔を維持して複数貼着されて製造され、輪郭シートを専用の剥離シートを貼着させた状態で、第3剥離シート上から剥離して使用することができるので、使用勝手の優れたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態としての輪郭部材用両面テープの製造方法の工程説明図である。
【図2】製品輪郭部材用両面テープの一部平面図である。
【図3】図1の製造方法の各工程に対応する説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)の作動後の平面図、(c)は(a)あるいは(b)の矢印方向の断面図である。
【図4】図1の製造方法のカット工程のカッターローラに設けられているカッター刃で、(a)はその展開図、(b)、(c)、(d)はその構成要素刃の平面図である。
【図5】この発明の第2実施形態としての輪郭部材用両面テープの製造方法の工程説明図である。
【図6】図5の製造方法で得られる製品輪郭部材用両面テープの一部で、(a)は平面図、(b)は(a)の矢印方向の断面図である。
【図7】専用の剥離シートを貼着した輪郭シートの斜視図で、(a)は剥離前、(b)は剥離過程を示している。
【図8】従来の製品両面テープで、(a)は平面図、(b)は(a)のVIIIb−VIIIb線に沿う断面図である。
【図9】従来の両面テープの製造方法の工程説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)の矢印方向の断面図である。
【符号の説明】
1 製品両面テープ(輪郭部材用両面テープ)
2 輪郭シート
3 剥離シート(第1剥離シート)
4 テープ(キャリヤテープ)
5 原反両面テープ
6 両面接着シート
7 第2剥離シート
12 粘着テープ
13 粘着テープ
14 カッターローラ
15 受けローラ
16 外周部分(輪郭シートの)
17 連結部分
18 内周部分(輪郭シートの)
19 輪郭シートに対応する部分
20 輪郭シートに対応する部分
33 第3剥離シート
35 取っ手部
A 送り出し工程
B カット工程
C 第1余剰シート除去工程
D 第2余剰シート除去工程
E 巻取工程

Claims (4)

  1. 枠形状を呈する両面接着の輪郭シートを、その一側面に剥離シートを貼着した状態で、テープの長さ方向に複数貼着して構成される輪郭部材用両面テープの製造方法であって、
    片面に微粘着層を有するキャリヤテープ、前記微粘着層に非処理面を接着する片面を剥離処理された第1剥離シート、前記第1剥離シートの処理面に一面を接着する前記輪郭シート形成用の両面接着シート、および前記両面接着シートの他面に剥離処理面を接着させた片面処理の第2剥離シートからなる原反両面テープを送り出す送り出し工程と、
    この送り出し工程の次工程であって、回転駆動されるカッターローラ/受けローラ間を通過させることによって、前記輪郭シートの外周部分、および前記外周部分同士をつなぐ前記原反両面テープの長さ方向のセンターラインに沿う連結部分にそれぞれ沿って前記第1剥離シート、両面接着シート、および第2剥離シートを含めて抜き加工すると共に、前記輪郭シートの内周部分に沿って前記両面接着シート、および第2剥離シートを含めて抜き加工し、かつ前記輪郭シートに対応する部分を前記原反両面テープの長さ方向のセンターラインに沿って前記第2剥離シートを抜き加工するカット工程と、
    このカット工程の次工程であって、前記センターラインで区分される前記原反両面テープの一側部分に貼着するように粘着テープを供給すると共に貼着後前記粘着テープを巻き取り除去することによって、前記原反両面テープの一側部分にある、前記輪郭シート上に対応する前記第2剥離シート、前記輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シートおよび第2剥離シート、並びに前記輪郭シートの内包部分に対応する前記第2剥離シートを除去する第1余剰シート除去工程と、この第1余剰シート除去工程の次工程であって、前記センターラインで区分される前記原反両面テープの他側部分に貼着されるように粘着テープを供給すると共に、貼着後前記粘着テープを巻き取り除去することによって、前記原反両面テープの他側部分にある、前記輪郭シート上に対応する前記第2剥離シート、前記輪郭シートの外側部分に対応する両面接着シートおよび第2剥離シート、並びに前記輪郭シートの内包部分に対応する前記両面接着シートを除去して最終形状の輪郭シートを形成する第2余剰シート除去工程と、
    この第2余剰シート除去工程の次工程であって、片面を剥離処理された第3剥離シートを、処理面が前記輪郭シートに貼着するように供給すると共に、この第3剥離シートを伴って前記キャリヤテープを巻き取る巻取工程とからなることを特徴とする輪郭部材用両面テープの製造方法。
  2. 請求項1に記載の輪郭部材用両面テープの製造方法であって、
    前記カット工程における第1剥離シート、両面接着シート、および第2剥離シートを含めての抜き加工は、前記輪郭シートよりも外方へ突出する取っ手部を有する前記第1剥離シートの外周部分に沿って行い、
    前記カット工程における両面接着シートおよび第2剥離シートを含めての抜き加工は、前記輪郭シートの内周部分および前記第1剥離シートの取っ手部に対応する前記輪郭シートの外周部分に沿って行うと共に、
    前記第1余剰シート除去工程における第2剥離シートの除去は、前記第1剥離シートの取っ手部に対応する部分を含めて行い、かつ
    前記第2余剰シート除去工程における両面接着シートの除去は、前記第1剥離シートの取っ手部に対応する部分を含めて行うことを特徴とする輪郭部材用両面テープの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の輪郭部材用両面テープの製造方法であって、
    前記カット工程は、四角枠形状を呈した輪郭シートが前記原反両面テープの長さ方向に対して傾斜して抜き加工されることを特徴とする輪郭部材用両面テープの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の輪郭部材用両面テープの製造方法であって、
    前記巻取工程は、前記第3剥離シートを供給して前記輪郭シートに貼着した後、前記キャリヤテープを剥離して巻き取ることによって、前記キャリヤテープ側に貼着する前記輪郭シートの外側部分に対応する前記第1剥離シートを除去し、その後前記第3剥離シートを巻き取ることによって第3剥離シート上に貼着する最終形状の第1剥離シートおよび輪郭シートを巻き取ることを特徴とする輪郭部材用両面テープの製造方法。
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