JP3456753B2 - 射出成形用樹脂組成物 - Google Patents

射出成形用樹脂組成物

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JP3456753B2 JP12880694A JP12880694A JP3456753B2 JP 3456753 B2 JP3456753 B2 JP 3456753B2 JP 12880694 A JP12880694 A JP 12880694A JP 12880694 A JP12880694 A JP 12880694A JP 3456753 B2 JP3456753 B2 JP 3456753B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、剛性及び耐衝
撃性に優れたポリプロピレン系樹脂を主成分とする射出
成形用樹脂組成物に関し、詳しくは、高温下で使用でき
るコンテナ等の運搬用容器を成形するのに適した射出成
形用樹脂組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、ポリプロピレン系樹脂は、射
出成形等によって、インスツルメントパネル、トリム、
フェンダー、バンパー、スポイラー等の自動車部品、テ
レビ・VTRハウジング等のOA機器部品、コンテナ、
パレット等に成形され、多くの産業用用途に用いられて
いる。 【0003】特に、コンテナについてみれば、高温下で
使用できるものの市場ニーズが高まっている。しかしな
がら、従来のプロピレン単独重合体で成形されたコンテ
ナでは、高温下で使用すると、底面部が大きくたわんで
しまうという問題点がある。 【0004】耐衝撃性を低下させずに、剛性を向上させ
たポリプロピレン系樹脂組成物としては、ポリプロピレ
ン系樹脂と、多量の無機充填剤及びエチレン─プロピレ
ン共重合体ゴムからなる樹脂組成物(例えば、特開昭6
1─108648号公報、特開昭61─276840号
公報参照)が知られている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記樹
脂組成物を用いた場合には、エチレン─プロピレン共重
合体ゴムの耐熱性が低いことが原因となり、高温下での
耐底面たわみ性が悪いコンテナーしか得られないという
問題点がある。 【0006】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
することを目的としてなされたものであって、ポリプロ
ピレン系樹脂のもつ化学的性質や機械的強度を損なうこ
となく、特に、耐熱性、剛性及び耐衝撃性を向上させ、
これらの性能バランスに優れた成形品が得られる射出成
形用樹脂組成物を提供することを目的としてなされたも
のである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、メルトフロー
レート(230℃、2.16kg荷重)が2〜20g/
10分でエチレン含量が1〜7重量%のエチレン─プロ
ピレンブロック共重合体80〜97重量%と、四価の遷
移金属を含むメタロセン化合物を触媒として重合された
ポリエチレン系樹脂20〜3重量%からなる樹脂成分1
00重量部に対して、平均粒径1.5〜15μmのタル
ク10〜80重量部が添加されている射出成形用樹脂組
成物である。 【0008】本発明において、樹脂成分は、エチレン─
プロピレンブロック共重合体と、ポリエチレン系樹脂と
からなる。樹脂成分中のエチレン─プロピレンブロック
共重合体は、メルトフローレイト(JIS K721
0、230℃、2.16kg荷重)(以下、MFRとい
う)が2〜20g/10分である必要がある。MFRが
2g/10分未満では、混練時に添加したタルクが分散
せず、流動性の低下により成形が困難となり、又、十分
な物性の成形品を得ることができず、20g/10分を
上回ると、得られる成形品の耐衝撃性に悪影響を及ぼ
す。 【0009】又、エチレン─プロピレンブロック共重合
体は、エチレン含量が1〜7重量%の範囲である必要が
ある。エチレン含量が1重量%未満では、直鎖状低密度
ポリエチレン樹脂との相溶性が低下し、得られる成形品
の耐衝撃性の改良効果が得られず、7重量%を上回る
と、得られる成形品の耐熱性・剛性が低下してしまう。 【0010】樹脂成分中のポリエチレン系樹脂は、エチ
レン単独、又は、エチレンとα─オレフィンとを構造単
位とする樹脂である。α─オレフィンとしては、例え
ば、プロピレン、1─ブテン、1─ペンテン、1─ヘキ
セン、4─メチル─1─ペンテン、1─ヘプテン、1─
オクテン等が挙げられる。 【0011】本発明におけるポリエチレン系樹脂は、四
価の遷移金属を含むメタロセン化合物を触媒として重合
されたものである。四価の遷移金属としては、チタン、
ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白
金等が挙げられる。これらの四価の遷移金属に1つ又は
それ以上のシクロペンタジエニル環及びその類縁体がリ
ガンドとして存在する化合物が、一般的にメタロセン化
合物といわれるものである。 【0012】リガンドとしては、具体的には、シクロペ
ンタジエニル環、及び炭化水素基、置換炭化水素基、置
換炭化水素基又は炭化水素─置換メタロイド基により置
換されたシクロペンタジエニル環、シクロペンタジエニ
ルオリゴマー環、インデニル環、及び炭化水素基、置換
炭化水素基又は炭化水素─置換メタロイド基により置換
されたインデニル環等が挙げられ、これらのリガンドが
1つ又はそれ以上存在する。 【0013】これら以外のリガンドは、塩素、臭素等の
一価のアニオンリガンド又は二価のアニオンキレートリ
ガンド、炭化水素、アルコキシド、アリールアミド、ア
リールオキシド、アミド、アリールアミド、ホスフィ
ド、アリールホスフィド等が挙げられる。 【0014】上記炭化水素基のうち、代表的なものとし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、イ
ソアミル、ヘキシル、イソブチル、ヘプチル、オクチ
ル、ノニル、デシニ、セチル、2─エチルヘキシル、フ
ェニルが挙げられる。 【0015】これらリガンドが配位したメタロセン化合
物としては、シクロペンタジエニルチタニウムトリス
(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリス(ジエチルアミド)、ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテト
ラメチルシクロペンタジエニル─t─ブチルアミドジル
コニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシク
ロペンタジエニル─p─n─ブチルフェニルアミドハフ
ニウムクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシ
クロペンタジエニル─t─ブチルアミドハフニウムジク
ロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミ
ド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミ
ド)、インデニルチタニウムトリス(ジ─n─プロピル
アミド)、インデニルチタニウムビス(ジ─n−ブチル
アミド)(ジ─n─プロピルアミド)等が挙げられる。 【0016】重合は、通常、これらメタロセン化合物に
共触媒として、メチルアルミノヘキサン(MAO)、ホ
ウ素系化合物等を加えた触媒系で行われる。メタロセン
化合物に対する共触媒の使用割合としては、10〜1,
000,000モル倍、通常50〜5,000モル倍で
ある。 【0017】重合条件については特に制限はなく、不活
性媒体を用いる溶液重合法、あるいは実質的に不活性媒
体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用できる。
重合温度としては−100〜300℃、重合圧力として
は常圧〜100kg/cm2で行うのが一般的である。 【0018】これらメタロセン触媒にて重合されたポリ
オレフィンは分子量分布が狭く、共重合の場合、どの分
子量成分にも共重合体成分がほぼ等しい割合で導入され
ている。このようなポリエチレン系樹脂としては、ダウ
・ケミカル社のCGCT、エクソン社のEMACT等が
市販されている。 【0019】本発明で用いられるポリエチレン系樹脂
は、密度が0.860〜0.930g/cm3 であるも
のが好ましく、0.870〜0.925g/cm3 であ
るものが更に好ましい。密度が0.860g/cm3
満では、樹脂の結晶性が低下し、得られる成形品の耐熱
性に問題が生じ、0.930g/cm3 を越えると、得
られる成形品の耐衝撃性が低下する。 【0020】上記のクロス分別法は以下の通りに行う。
ポリエチレン系樹脂を、まず、140℃あるいはポリエ
チレン系樹脂が完全に溶解する温度のo─ジクロロベン
ゼンに溶解し、一定速度で冷却し、予め用意した不活性
担体表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順に生成させ
る。 【0021】次に、温度を連続又は段階状に昇温し、順
次溶出した成分の濃度を検出し、その成分を高温型GP
Cにより分子量、分子量分布を測定する(以下、「温度
上昇溶離分別」という)。この温度上昇溶離分別(TR
EF=Tenperature RisingElut
ion Fractionation)部分と、高温G
PC(SEC=Size Exlusion Chto
matograph)部分とを、システムとして備えて
いるクロス分別クロマトグラフ装置(三菱油化社製、C
FC−T150A型)を使用し、上記のデータを測定を
行った。 【0022】本発明で用いられるポリエチレン系樹脂
は、クロス分別法により、10重量%溶出したときの温
度から100重量%溶出終了したときの温度の幅が30
℃以下、好ましくは28℃以下であるものが好ましい。
温度幅が30℃を越えると、ポリエチレン系樹脂の中に
結晶性の高い成分と低い成分が同時に存在することにな
り、均質に分散できず耐熱性、剛性、耐衝撃性が低下す
る。 【0023】又、本発明で用いられるポリエチレン系樹
脂は、クロス分別法により測定された重量平均分子量/
数平均分子量の値が1.5〜3.5の範囲内にあるもの
が好ましく、1.7〜3.0の範囲内にあるものが更に
好ましい。この値が1.5未満であると、樹脂の溶融時
の流動性が悪くなり分散が不十分となり、得られる成形
品の耐衝撃性を低下し、3.5を越えると、分子量の特
に低い分子、高い分子の存在比率が高くなり、均質に分
散できず、得られる耐熱性、剛性、耐衝撃性が低下す
る。 【0024】示差走査熱量分析は、以下の方法で行っ
た。10mg程度のポリエチレン系樹脂のサンプルを、
白金パンに入れ、示差走査熱量計(セイコー電子社製、
SSC5200型)にて測定した。 【0025】本発明において用いられるポリエチレン系
樹脂は、示差走査熱量分析における結晶融解ピークが1
つであり、溶解ピーク温度より全結晶が融解し終わるま
での温度幅が20℃以内であるものが好ましい。 【0026】結晶融解ピークが複数個存在するというこ
とは、結晶性の異なる成分が複数個存在することを意味
し、その場合、得られる成形品の耐衝撃性が低下する。
又、ピークか1つであっても、溶解ピーク温度から全結
晶が融解し終わるまでの温度の幅が20℃を越えると、
結晶性の高いものと低いものが存在することになり、や
はり、得られる成形品の耐衝撃性が低下する。 【0027】本発明において、樹脂成分中の各成の占め
る分割合は、エチレン─プロピレンブロック共重合体が
80〜97重量%、ポリエチレン系樹脂が20〜3重量
%である必要がある。エチレン─プロピレンブロック共
重合体の量が80重量%未満で且つポリエチレン系樹脂
の量が20重量%を越えると、得られる成形品の高温で
の剛性が低下し、エチレン─プロピレンブロック共重合
体の量が3重量%未満で且つポリエチレン系樹脂の量が
97重量%を越えると、得られる成形品の耐衝撃改良の
効果が少なくなる。 【0028】本発明において用いられるタルクは、エチ
レン─プロピレンブロック共重合体単独では到底到達で
きないような耐熱性、剛性といった特性を向上させるた
めに添加されるものであり、その平均粒径は、1.5〜
15μmの範囲とし、好ましくは2.5〜9μmとす
る。平均粒径が1.5μm未満では、混練が困難で分散
が悪くなるため物性が低下し、15μmを越えると、得
られる成形品の耐衝撃性が急激に低下する。 【0029】タルクの添加量は、エチレン─プロピレン
ブロック共重合体とポリエチレン系樹脂の合計の樹脂成
分100重量部に対して、10〜80重量部の範囲とす
る。添加量が10重量部未満では、本発明の目的とする
耐熱性、剛性の十分な成形品を得ることができず、80
重量部を上回ると、成形時の流動性、得られる成形品の
耐衝撃性が低下する。 【0030】タルクは、その表面を、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス
(β─メトキシエトキシ)シラン、β─(3,4─エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ─
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ─メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ─アミノプロピル
トリエトキシシラン、N─β─(アミノエチル)─γ─
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ─ユレイドプロ
ピルトリエトキシシラン等のシラン系カップリング剤、
トリイソステアリルイソプロピルチタネート、ジ(ジオ
クチルフォスフェート)ジイソプロピルチタネート、ジ
ドデシルベンゼンスルフォニルジイソプロピルチタネー
ト、ジイソステアリルジイソプロピルチタネート等のチ
タネート系カップリング剤、飽和あるいは不飽和脂肪
酸、ビニル性不飽和結合を有するカルボン酸、脂肪酸金
属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等で処理したもの
を用いてもよい。このような処理は、タルクを樹脂に添
加する前に予め行ってもよいし、混練工程で行ってもよ
い。 【0031】又、本発明の射出成形用樹脂組成物は、混
練及び射出成形時、更には、本発明の組成物を用いて成
形された成形品の使用時に、樹脂成分のエチレン─プロ
ピレンブロック共重合体、エチレン系樹脂の劣化を防止
し、物性の低下を抑えるために、フェノール系、硫黄
系、アミン系、リン系、ヒドラジン系、アミド系、リン
酸系、クエン酸系等の酸化防止剤を添加するのが好まし
く、特に、フェノール系酸化防止剤や硫黄系酸化防止剤
を添加するのが好ましい。 【0032】フェノール系酸化防止剤としては、例え
ば、テトラキス〔メチレン─3(3,5─ジ─t−ブチ
ル─4─ヒドロオキシ─フェニル)プロピオネート〕メ
タン、1,3,5─トリス(4─t─ブチル─3─ヒド
ロオキシ─2,6─ジメチルベンジル)イソシアヌレー
ト、トリス(3,5─ジ─t−ブチル─4─ヒドロオキ
シフェニル)イソシアヌレート、1,3,5─トリス─
メチル─2,4,6─トリス(3,5─ジ─t−ブチル
─4─ヒドロオキシ─ベンジル)ベンゼン、テトラキス
─メチレン(3,5─ジ─t─ブチル─4─ヒドロオキ
シエチル)イソシアヌレート、2,6─ビス(2′─ヒ
ドロオキシ─3′─t−ブチル─5′─メチルベンジ
ル)4─メチル─フェノール、4,4′─メチレン─ビ
ス(2,6─ジ─t−ブチルフェノール)等が挙げられ
る。 【0033】硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジス
テアリルチオジプロピオネート、β─ラウリルチオプロ
ピオネート、ジラウリルチオプロピオネート、2─メル
カプトベンゾチアゾール、2─メルカプトベンズイミダ
ゾール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テト
ラメチルチウラムジサルファイド等が挙げられる。 【0034】酸化防止剤の添加量は、エチレン─プロピ
レンブロック共重合体、エチレン系樹脂及びタルクを合
計したもの100重量部に対して、0.05〜1重量部
が好ましい。尚、上記の酸化防止剤は、単独で用いるよ
りも、複数の成分を併用するのが好ましい。 【0035】本発明の射出成形用樹脂組成物中には、必
要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、滑
剤、帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。本発明の
射出成形用樹脂組成物中には、上記ポリプロピレン系樹
脂、ポリエチレン系樹脂の他に、他の熱可塑性樹脂、例
えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン─プロピレン共重合体ゴム、ポリ酢
酸ビニル、ポリブテン等を添加することもできる。 【0036】本発明の射出成形用樹脂組成物は、例え
ば、一軸押出機、二軸押出機、パンバリーミキサー、ロ
ール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の公
知の任意の方法で混練し成形体に成形する。通常は、押
出機で混練してストランドに押し出し、ストランドをペ
レット化したものを射出成形機で成形し、所望の成形品
を得る。 【0037】 【作用】本発明の射出成形用樹脂組成物は、FMRが2
〜20g/10分でエチレン含量が1〜7重量%のエチ
レン─プロピレンブロック共重合体80〜97重量%
と、四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を触媒とし
て重合されたポリエチレン系樹脂20〜3重量%からな
る樹脂成分100重量部に対して、平均粒径1.5〜1
5μmのタルク10〜80重量部が添加されていること
により、形成時にエチレン─プロピレンブロック共重合
体に対して、耐衝撃性及び高温下での耐たわみ性を向上
させるのに効果のある特定のポリエチレン系樹脂及びタ
ルクの特定量を相溶性よく又は分散性よく混練すること
ができるので、得られる成形品を、耐衝撃性を向上さ
せ、高温下での耐たわみ性を向上させて、性能バランス
に優れたものとすることができる。 【0038】 【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1 樹脂組成物として、エチレン─プロピレンブロック共重
合体(徳山曹達社製、エチレン含量:4.1重量%、M
FR:6.5g/10分)85重量部と、ポリエチレン
系樹脂A〔エクソン・ケミカル社製、重合触媒としてメ
タロセン化合物を用いて重合した、密度0.900g/
cm3 、分子量分布2.0で、クロス分別法の測定結
果、及び示差走査熱量計(DSC)の測定結果が表1の
通りであるポリエチレン系樹脂〕15重量部と、タルク
(日本タルク社製、平均粒径3μm)55重量部と、
1,3,5─トリス(4─t─ブチル─3─ヒドロオキ
シ─2,6─ジメチルベンジル)イソシアヌレート0.
064重量部と、β─ラウリルチオプロピオネート0.
128重量部とからなるものを用いた。 【0039】この樹脂組成物を、二軸押出機(池貝鉄工
社製、商品名「PCM87」)を用いて、設定温度21
0℃にて押し出してペレットを作製した。得られたペレ
ットを用いて、射出成形機(東芝社製、商品名「T65
─M2」)にて、縦×横×高さが640mm×640m
m×120mmで、底面に網目状突条を有し、背面にリ
ブ補強構造を有するコンテナーの射出成形を行った。 【0040】得られたコンテナーについて、以下の評価
を行った。その結果を表1に示した。 (1)底面たわみ評価 コンテナーを幅100mmの2本のレール(スパン50
0mm)の上に平行に置き、7kgの荷重を均等にか
け、100℃の恒温室の中に24時間放置した後、コン
テナ中央部のたわみを測定した。 (2)落球試験 コンテナーの底面の任意の位置に、0.5kgの鋼球を
0.5mの高さから3回落とし、その状態を観察した。
コンテナー底面が割れずに異常がない場合を○、割れた
場合を×とした。 【0041】 【0042】 【0043】比較例1 ポリエチレン系樹脂Aの代わりに、ポリエチレン系樹脂
D〔出光石油化学社製、三塩化チタン系触媒を用いて重
合した密度0.925g/cm3 、分子量分布4.0
で、クロス分別法の測定結果及び示差走査熱量計(DS
C)の測定結果が表1に示す通りである通常の直鎖状低
密度ポリエチレン〕を用いたこと以外は実施例1と同様
にしてコンテナーを作製し、実施例1と同様の評価を行
った。その結果を表3に示した。 【0044】比較例2 ポリエチレン系樹脂Aの代わりに、ポリエチレン系樹脂
E〔東ソー社製、三塩化チタン系触媒を用いて重合した
密度0.905g/cm3 、分子量分布4.0で、クロ
ス分別法の測定結果及び示差走査熱量計(DSC)が表
1に示した通りである通常の直鎖状低密度ポリエチレ
ン〕を用いたこと以外は実施例2と同様にしてコンテナ
ーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果
を表3に併せて示した。 【0045】比較例3 ポリエチレン系樹脂Aの代わりに、ポリエチレン系樹脂
F〔三井石油化学製、塩化マグネシウム担持型を用いて
重合した密度0.957g/cm3 、分子量分布11.
0で、クロス分別法の測定結果及び示差走査熱量計(D
SC)が表1に示した通りである通常の直鎖状低密度ポ
リエチレン〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして
コンテナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。
その結果を表3に併せて示した。 【0046】比較例4 エチレン─プロピレンブロック共重合体の代わりに、ポ
リプロピレンホモボリマー(MFR:14.0g/10
分)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコンテナ
ーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果
を表3に併せて示した。 【0047】比較例5 ポリエチレン系樹脂Aの代わりに、エチレン─プロピレ
ン共重合体ゴム(日本合成ゴム社製、プロピレン含量:
26重量%、MFR:3.2g/10分)を用いたこと
以外は実施例1と同様にしてコンテナーを作製し、実施
例1と同様の評価を行った。その結果を表3に併せて示
した。 【0048】 【表1】 【0049】 【表2】【0050】 【表3】 【0051】表2,3からも明らかな如く、本発明の実
施例の場合には、いずれも、落球衝撃性及び高温下での
耐底面たわみ性に優れているのに対して、比較例の場合
には、いずれも、落球衝撃性又は高温下での耐底面たわ
み性のいずれかが劣っている。 【発明の効果】本発明の射出成形用樹脂組成物は、上記
の如き構成とされているので、耐熱性、剛性及び耐衝撃
性を向上させた性能バランスに優れた成形品を得ること
ができ、高温下で使用できるコンテナ等の運搬用容器等
の成形用として用いることができる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 メルトフローレート(230℃、2.1
    6kg荷重)が2〜20g/10分でエチレン含量が1
    〜7重量%のエチレン─プロピレンブロック共重合体8
    0〜97重量%と、四価の遷移金属を含むメタロセン化
    合物を触媒として重合され、エチレン単独、又は、エチ
    レンとプロピレン、1─ブテン、1─ペンテン若しくは
    1─ヘキセンとを構造単位とするポリエチレン系樹脂2
    0〜3重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、
    平均粒径1.5〜15μmのタルク10〜80重量部が
    添加されていることを特徴とする射出成形用樹脂組成
    物。
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