JP3456226B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物

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JP3456226B2 JP18067393A JP18067393A JP3456226B2 JP 3456226 B2 JP3456226 B2 JP 3456226B2 JP 18067393 A JP18067393 A JP 18067393A JP 18067393 A JP18067393 A JP 18067393A JP 3456226 B2 JP3456226 B2 JP 3456226B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、成形材料として有用な
ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。 【0002】ポリプロピレン系樹脂は、射出成形品、フ
ィルム、フラットヤーン、繊維、中空成形品、押出成形
品等の各種用途に有用な素材として知られている。 【0003】ポリプロピレン系樹脂は、低温での耐衝撃
性、柔軟性が低いため、特に寒冷地における使用におい
て制限を受ける傾向があり、又、当該樹脂は、流動性が
低いため難燃剤や炭酸カルシウム、ガラス繊維等の充填
剤を配合し加工すると成形性が劣るという問題があっ
た。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂の流動
性・加工性が改善され、低温での耐衝撃性(耐寒性)及
び柔軟性が良好なポリオレフィン系樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討の結果、ポリプロピレン系樹
脂に対し、特定の構造を有するエステル化合物を配合す
ることにより所望の効果が得られることを見出し、かか
る知見に基づいて本発明を完成するに至った。 【0006】即ち、本発明に係るポリオレフィン系樹脂
組成物は、ポリプロピレン系樹脂(以下「本樹脂成分」
いう。)に対し、一般式(1)又は一般式(2)で表
される1種若しくは2種以上の脂環式ジカルボン酸エス
テル(以下「本エステル」と総称する。)を配合してな
ることを特徴とする。 【0007】 【化3】 [式中、R、R、Rは同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル
基、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニ
ル基又はエンドメチレン基を表す。R、Rは同一又
は異なって、炭素数6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状
アルキル基を表す。] 【0008】 【化4】 [式中、R、R、Rは同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル
基、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニ
ル基又はエンドメチレン基を表す。R、R10は同一
又は異なって、炭素数6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖
状のアルキル基を表す。] 【0009】本エステルの製造方法は、特に限定される
ものではなく、従来公知の任意の操作を採用できるが、
一般的方法として、所定のジカルボン酸若しくはその酸
無水物と所定の脂肪族アルコールとを無触媒又は触媒の
存在下で反応生成水を除去しながらエステル化する方法
が挙げられる。 【0010】一般式(1)で表されるエステルは、所定
の脂環式不飽和ジカルボン酸又はその無水物と脂肪族ア
ルコールとを常法に従ってエステル化反応することによ
り容易に合成される。 【0011】当該脂環式不飽和ジカルボン酸又はその無
水物としては、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、ジメチルブテニルテトラヒドロフタル
酸、ナジック酸、メチルナジック酸、メチルハイミック
及びそれらの無水物並びにそれらの異性体(幾何異性
体、構造異性体を含む。)、アロメシンやα−テルピネ
ン等のデカトリエン類と無水マレイン酸の反応により得
られる酸無水物及びその遊離カルボン酸等が例示され
る。 【0012】一般式(2)で表されるエステルは、所定
の脂環式飽和ジカルボン酸又はその酸無水物と脂肪族ア
ルコールとを常法に従ってエステル化反応することによ
り容易に合成される。又、一般式(1)で表されるエス
テルを核水素化することによっても得ることができる。 【0013】当該脂環式飽和ジカルボン酸又はその無水
物としては、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒド
ロフタル酸、ナジック酸水添物、メチルナジック酸水添
物、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びこれらの
酸無水物並びにそれらの異性体(幾何異性体を含む。)
等が例示される。 【0014】本発明に係る上記各エステルのアルコール
成分として用いられる脂肪族アルコールは、炭素数6〜
28の飽和の脂肪族アルコールであり、より好ましくは
炭素数8〜24の脂肪族アルコールである。炭素数が6
未満のアルコールではポリオレフィン系樹脂への相溶性
が低下してブリードしやすく、又エステルの分子量が小
さくなることから耐揮発性が劣り、逆に炭素数が28を
越えるアルコールでは耐油性が低下するため好ましくな
い。 【0015】本発明に係る好ましい脂肪族アルコールと
しては、ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、n−
オクタノール、イソノナノール、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノール、n−デカノール、イソデカノール、ウ
ンデカノール、ドデカノール、トリデシルアルコール、
アルフォール610(ビスタケミカル・ファーイースト
社製)、リネボール79、同911(シェル化学社
製)、ダイヤドール79、同911、同11、同113
(三菱化成社製)、ミリスチルアルコール、セチルアル
コール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及
これらのアルコールのガーベット反応により得られる
二量化アルコール等が例示される。 【0016】上記エステル化において選択して適用され
るエステル化触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、パラ
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、アルキル硫酸
等の酸触媒、硫酸アルミニウム、フッ化リチウム、塩化
カリウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化鉄、リ
ン酸アルミニウム、等の金属塩、ZnO/C、Sn
O、SiO−TiO、ZnO、Fe、ヘテロ
ポリ酸等の金属酸化物、Al−KOH−LiO
H、Al−NaOH等のアルミナ−アルカリ複合
系、モルデナイト、脱カチオン化Yゼオライト等の天然
及び合成のゼオライト、SO 2−/ZnO、SO
2−/TiO等の固体超酸、カチオン交換樹脂、アニ
オン交換樹脂等のイオン交換樹脂、テトラアルキルチタ
ネート及びそのポリマー、BuSn(OBu)OB
(OBu)、シュウ酸第1錫等の有機金属等が例示さ
れる。 【0017】エステル化反応完結後の後処理としては、
特に限定されるものでないが、例えば過剰のアルコール
を系内から留去し、中和水洗工程を経て、最後にエステ
ルを精製する方法が挙げられる。又、特に精製をせず、
過剰のアルコールを系外に留去するだけで、本発明に係
るエステルに用いることも可能である。 【0018】本発明に係るポリプロピレン系樹脂とは、
プロピレン成分をモノマー単位として構成されるポリマ
ーの総称であり、アイソタクティック、シンジオタクテ
ィック、アタクティックで分類される立体化学構造や、
触媒及びプロセスの相違による製造方法は問わない。 【0019】本発明に係るポリプロピレン系樹脂とは、
プロピレンを必須のモノマーとする重合体の総称であっ
て、具体的には、プロピレンのホモポリマー、プロピレ
ンとエチレン及び/又は炭素数4〜20の1−アルケン
(例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン
及びこれらの混合物)とのコポリマー、プロピレンとス
チレンとのコポリマー等が例示される。上記コポリマー
には、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーの何れ
も含まれる。 【0020】上記、ポリプロピレン系樹脂には、他の樹
脂をポリマーブレンドし、アロイ化して用いることも可
能である。 【0021】上記ブレンドできるポリマーの具体例とし
ては、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエ
ンゴム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエ
ンターポリマー、ニトリル・ブタジエンゴム、クロロプ
レンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム
等のゴム状ポリマー、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン
12、共重合ナイロン、ナイロンMXD6、変性ポリア
ミド6T等のアミド系ポリマー、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチ
レンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポ
リテトラメチレンセバケート、ポリプロピレンアジペー
ト等のエステル系ポリマー、ポリエチレン、ポリ−4−
メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ABS樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、メタクリ
ル樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアセテ
ート、セルロース系プラスチック等が挙げられる。 【0022】更に、ポリスチレン/ポリブタジエンに代
表されるポリスチレン系熱可塑性エラストマー、結晶ポ
リ塩化ビニル/NBRに代表されるPVC系熱可塑性エ
ラストマー、ポリエステル/ポリエーテルに代表される
ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン構造/
ポリエステルに代表されるポリウレタン系熱可塑性エラ
ストマー、ポリアミド/ポリエステルに代表されるポリ
アミド系エラストマー、フッ素樹脂/フッ素ゴムに代表
されるフッ素ポリマー系エラストマー、金属カルボキシ
レートイオンクラスター/非結晶ポリエチレンに代表さ
れるアイオノマー系熱可塑性エラストマー等で例記され
る弾性エラストマーもブレンドすることが可能である。 【0023】又、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーを併用することもできる。ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーとしては、硬質相としてポリエチレンやポ
リプロピレン、軟質相としてEPDMやブチルゴムから
なるブレンド又はアロイ構造を有するエラストマー、更
には硬質相としてトランス−1,4−ポリイソブレン、
シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンや結晶ポ
リエチレン、軟質相として非結晶ポリイソブレン、非結
晶ポリブタジエンや塩素化ポリエチレンからなるホモポ
リマー系エラストマー等が挙げられる。尚、ポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系ゴ
ムとポリオレフィン樹脂の単純な機械的ブレンドによる
ブレンド型、オレフィン系ゴムとポリオレフィン樹脂の
混練りにおいて有機過酸化物等を加え、ゴム相を部分架
橋させて得られる部分架橋ブレンド型、ポリプロピレン
を連続相、架橋EPDMを分散相とする複合体からなる
完全架橋ブレンド型等があり、これらのエラストマーの
タイプ又は加工方法によらない。 【0024】本エステルの配合量は、その配合目的に応
じて種々選択することができるが、通常、本樹脂成分1
00重量部に対し0.2〜60重量部程度、好ましくは
0.2〜35重量部程度である。一般に上記配合量未満
では所定の改質効果が得られにくく、逆に当該配合量を
越えて配合しても顕著な効果の増大は期待できず、返っ
てブリードが増加する等して好ましくない。 【0025】主目的に応じた当該配合量の推奨例を以下
に示す。即ち、柔軟性、耐寒性、耐衝撃性の改善を目的
とする軟質配合においては5〜60重量部程度、加工
性、流動性と耐衝撃性の改良を目的とする硬質配合にお
いては、0.2〜5重量部程度である。 【0026】又、炭酸カルシウム、ガラスマット、酸化
チタン、クレー、カーボンブラック、酸化アンチモン、
水和アルミニウム、マグネシア、水酸化カルシウム、珪
酸、金属粉等の充填剤を配合した系においては、1〜1
00重量部程度の配合量が選択される。 【0027】本エステルは、従来、可塑剤及び滑剤とし
て知られている各種のエステル化合物と併用して当該
リプロピレン系樹脂に配合しても良い。かかる可塑剤と
してはエチレングリコールジベンゾエート、プロピレン
グリコールジベンゾエート等の安息香酸エステル類、フ
タル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジ(2
−エチルヘキシル)、フタル酸ジ(n−オクチル)、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸
ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、ダイヤドール7
9、同911のフタル酸エステル、リネボール79、同
911のフタル酸エステル、フタル酸ジブトキシエチ
ル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類、 【0028】アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、ア
ジピン酸ジ(n−オクチル)、アジピン酸ジイソノニ
ル、アジピン酸ジイソデシル、アルフォール610のア
ジピン酸エステル、ダイヤドール79のアジピン酸エス
テル、リネボール79のアジピン酸エステル、アジピン
酸ジブトキシエチル、アゼライン酸ジオクチル、セバシ
ン酸ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪族系エステル
類、 【0029】トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシ
ル)、トリメリット酸トリ(n−オクチル)、トリメリ
ット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシ
ル、ダイヤドール79のトリメリット酸エステル、リネ
ボール79のトリメリット酸エステル、トリメリット酸
トリブトキシエチル等のトリメリット酸エステル類、 【0030】リン酸トリクレジル、リン酸−2−エチル
ヘキシルジフェニル、リン酸トリブトキシエチル等のリ
ン酸エステル類、 【0031】プロピレングリコール・アジピン酸系、プ
ロピレングリコール・フタル酸系、ブチレングリコール
・アジピン酸系、プロピレングリコール・セバシン酸系
等のポリエステル系可塑剤、 【0032】エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、
エポキシステアリン酸オクチル、4,5−エポキシヘキ
サヒドロフタル酸ジオクチル、4,5−エポキシヘキサ
ヒドロフタル酸ビス(9,10−エポキシステアリル)
等のエポキシ系可塑剤、塩素化パラフィン等が例示され
る。 【0033】かかる滑剤としては、ステアリン酸ブチ
ル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸トリデシル、
ラウリン酸オクチル、オレイン酸オレイル等の脂肪族系
エステル類、ペンタエリスリトールテトラカプリレー
ト、ペンタエリスリトールトリカプリレート、トリメチ
ロールプロパントリカプリレート、トリメチロールプロ
パントリオレエート等の多価アルコールの脂肪酸エステ
ル類等が例示される。 【0034】所望により併用される上記可塑剤及び滑剤
の配合量は、所定の効果が得られる限り特に限定される
ものでないが、通常、ポリプロピレン系樹脂100重量
に対し、1〜30重量部程度である。 【0035】本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物
には、必要に応じて安定剤、安定化助剤、加工性改良樹
脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤、核剤、充填剤、着色
剤、発泡剤、滑剤、樹脂強化剤、架橋剤、防菌剤、防黴
剤、難燃剤、離型剤、防虫剤、忌避剤、プレートアウト
防止剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を配合することが
できる。 【0036】本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物
の加工方法は、特に限定されるものでない。例えば、本
樹脂成分、本エステル及び必要に応じて配合した添加剤
を予備混練して得たポリオレフィン系樹脂組成物を各種
成形機に通すことにより製品を得る方法や、当該樹脂組
成物を直接成形機に供給し成形する方法が可能である。 【0037】ポリオレフィン系樹脂組成物の予備混練
は、所定量の各種成分をバンバリーミキサー、ヘンシェ
ルミキサー、リボンブレンダー等の従来公知の混練機を
用いて混練することにより調製され、その添加順序は問
わない。 【0038】かくして得られたポリオレフィン系樹脂組
成物は、カレンダー成形、押出成形、射出成形、ペース
ト加工、延伸加工、紡糸加工等、従来、各分野において
用いられている方法により成形され、自動車、家庭電器
製品等の工業部品分野、コンテナ類、雑貨類、スナック
菓子・インスタント食品・タバコの個包装等のフィル
ム、カーペットの基布・PP製フレコン等の織物用フラ
ットヤーン、ロープや漁網のモノフィラメント、防水シ
ート・止水剤・建築用ガスケット・化粧鋼板の被覆材等
の土木・建築分野、ダクトホース・フレキシブルチュー
ブ等のホース・チューブ類、レザー、農業用資材、パッ
キン、電線ケーブル、各種ジョイント材、冷蔵庫部品、
コンクリートの可撓性付与剤、多孔性フィルム等に適用
される軟質、半硬質、硬質組成物として有用である。 【0039】中でも、熱可塑性エラストマーの用途であ
る自動車及び車両部品、家電部品、電線・ホース・チュ
ーブ、土木・建築・建材の素材として有用である。 【0040】 【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明す
る。尚、各例における樹脂組成物の特性は、以下の方法
により測定し評価した。 【0041】試験片の調製:ポリプロピレン系樹脂と所
定のエステルとをラボプラストミルを使用して220℃
で混合してポリオレフィン系樹脂組成物を得る。 【0042】次に220℃に昇温した30トンプレスを
用いて予熱(3分)、加圧(2分、100kg/cm)の
条件下で、厚さ約1mmのシートを作成する。得られたシ
ートを所定の大きさに裁断し、各々の試験に供する。 【0043】メルトフローレート(MFR)の測定 : 機種 :島津 フローテスター CFT−500C 試験温度 :200℃ シリンダー圧力:10.0kgf/cm ダイ :L 10.0mm D 1.0mm 予熱時間 :240s 【0044】耐ブリード性:プレスシートを室温下で1
週間放置した後、ブリードの有無を目視にて観察し、以
下の3段階で評価した。 ブリードが無い場合 ◎ ブリードが僅かにある場合 ○ ブリードが顕著にある場合 × 【0045】引張試験:JIS K 6723に準拠し、
25℃において引張試験を行い、破断伸びを測定するこ
とにより可塑化効率を評価した。 【0046】耐寒性:JIS K 6745に準拠し、ク
ラッシュベルグの柔軟温度を測定した。 【0047】実施例1 ポリプロピレン[ホモポリマー:商品名「PN−15
0」、徳山曹達社製]100重量部に対し、ヘキサヒド
ロフタル酸ジイソノニル5重量部配合してプレスシート
を調製した。得られたシートのMFRを測定したとこ
ろ、13g/10分であった。 【0048】実施例2 本エステルとして、ヘキサヒドロフタル酸ジ(n−デシ
ル)を用いた他は実施例1に準じてシートを調製した。
得られたシートのMFRを測定したところ、13g/1
0分であった。 【0049】実施例3 本エステルとして、ヘキサヒドロフタル酸ジトリデシル
を用いた他は実施例1に準じてシートを調製した。得ら
れたシートのMFRを測定したところ、12g/10分
であった。 【0050】実施例4 本エステルとして、4−メチルヘキサヒドロフタル酸ジ
イソノニルを用いた他は実施例1に準じてシートを調製
した。得られたシートのMFRを測定したところ、13
g/10分であった。 【0051】実施例5 本エステルとして、テトラヒドロフタル酸ジイソノニル
を用いた他は実施例1に準じてシート物性を調製した。
得られたシートのMFRを測定したところ、13g/1
0分であった。 【0052】実施例6 本エステルとして、テトラヒドロフタル酸ジウンデシル
を用いた他は実施例1に準じてシート物性を調製した。
得られたシートのMFRを測定したところ、13g/1
0分であった。 【0053】実施例7 本エステルとして、テトラヒドロフタル酸ジ(2−ヘキ
シルデシル)を用いた他は実施例1に準じてシートを調
製した。得られたシートのMFRを測定したところ、1
2g/10分であった。 【0054】実施例8 本エステルとして、4−メチルテトラヒドロフタル酸ジ
イソノニルを用いた他は実施例1に準じてシートを調製
した。得られたシートのMFRを測定したところ、13
g/10分であった。 【0055】実施例9 本エステルとして、3,6−エンドメチレンテトラヒド
ロフタル酸ジイソノニルを用いた他は実施例1に準じて
シートを調製した。得られたシートのMFRを測定した
ところ、13g/10分であった。 【0056】比較例1 エステル系化合物を配合しない他は実施例1に準じてシ
ートを調製した。得られたシートのMFRを測定したと
ころ、9g/10分であった。 【0057】実施例10 ポリプロピレン[ブロックコポリマー:商品名「PN−
630」、徳山曹達社製]100重量部に対し、ヘキサ
ヒドロフタル酸ジイソノニル(以下「H−9」と略記す
る。)25重量部配合し、プレスシートを調製した後、
そのシート物性を測定した。得られた結果を第1表に示
す。 【0058】実施例11 本エステルとして、ヘキサヒドロフタル酸ジ(n−デシ
ル)(以下「H−10」と略記する。)を用いた他は、
実施例10に準じてシート物性を測定した。得られた結
果を第1表に示す。 【0059】実施例12 本エステルとして、ヘキサヒドロフタル酸ジトリデシル
(以下「H−13」と略記する。)を用いた他は、実施
例10に準じてシート物性を測定した。得られた結果を
第1表に示す。 【0060】実施例13 本エステルとして、4−メチルヘキサヒドロフタル酸ジ
イソノニル(以下「MH−9」と略記する。)を用いた
他は、実施例10に準じてシート物性を測定した。得ら
れた結果を第1表に示す。 【0061】実施例14 本エステルとして、テトラヒドロフタル酸ジイソノニル
(以下「T−9」と略記する。)を用いた他は、実施例
10に準じてシート物性を測定した。得られた結果を第
1表に示す。 【0062】実施例15 本エステルとして、テトラヒドロフタル酸ジウンデシル
(以下「T−11」と略記する。)を用いた他は、実施
例10に準じてシート物性を測定した。得られた結果を
第1表に示す。 【0063】実施例16 本エステルとして、テトラヒドロフタル酸ジ(2−ヘキ
シルデシル)(以下「T−16」と略記する。)を用い
た他は、実施例10に準じてシート物性を測定した。得
られた結果を第1表に示す。 【0064】実施例17 本エステルとして、4−メチルテトラヒドロフタル酸ジ
イソノニル(以下「MT−9」と略記する。)を用いた
他は、実施例10に準じてシート物性を測定した。得ら
れた結果を第1表に示す。 【0065】実施例18 本エステルとして、3,6−エンドメチレンテトラヒド
ロフタル酸ジイソノニル(以下「NA−9」と略記す
る。)を用いた他は、実施例10に準じてシート物性を
測定した。得られた結果を第1表に示す。 【0066】比較例2 本エステルとして、流動パラフィンを用いた他は、実施
例10に準じてシート物性を測定した。得られた結果を
第1表に示す。 【0067】比較例3 本エステルとして、ステアリン酸トリデシル(以下「T
DS」と略記する。)を用いた他は、実施例10に準じ
てシート物性を測定した。得られた結果を第1表に示
す。 【0068】比較例4 本エステルとして、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)
(以下「DOP」と略記する。)を用いた他は、実施例
10に準じてシート物性を測定した。得られた結果を第
1表に示す。 【0069】比較例5 本エステルとして、ヘキサヒドロフタル酸ジオレイル
(以下「H−18」と略記する。)を用いた他は、実施
例10に準じてシート物性を測定した。得られた結果を
第1表に示す。 【0070】比較例6 エステル系化合物を配合しないポリプロピレン(ブロッ
クコポリマー)のプレスシートを調製し、実施例10
準じてそのシート物性を測定した。得られた結果を第1
表に示す。 【表1】 【0071】 【発明の効果】本発明に係るエステル系化合物を配合す
ることにより、相溶性、可塑化効率、耐寒性、耐衝撃性
及び流動性に優れ、熱可塑性で各種成形方法により容易
に成形加工ができ、成形材料として有用なポリオレフィ
ン系樹脂組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂に対し、一般式
    (1)又は一般式(2)で表される1種若しくは2種以
    上の脂環式ジカルボン酸エステルを配合してなることを
    特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。 【化1】 [式中、R、R、Rは同一又は異なって、水素原
    子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル
    基、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニ
    ル基又はエンドメチレン基を表す。R、Rは同一又
    は異なって、炭素数6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状
    アルキル基を表す。] 【化2】 [式中、R、R、Rは同一又は異なって、水素原
    子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル
    基、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニ
    ル基又はエンドメチレン基を表す。R、R10は同一
    又は異なって、炭素数6〜28の直鎖状若しくは分岐鎖
    状のアルキル基を表す。
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