JP3455824B2 - 刺繍ミシン - Google Patents

刺繍ミシン

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JP3455824B2
JP3455824B2 JP09563694A JP9563694A JP3455824B2 JP 3455824 B2 JP3455824 B2 JP 3455824B2 JP 09563694 A JP09563694 A JP 09563694A JP 9563694 A JP9563694 A JP 9563694A JP 3455824 B2 JP3455824 B2 JP 3455824B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は布に環縫いの縫製を施す
ようにした刺繍ミシンに関し、更に詳しくは、縫製を終
えた糸を切断する為の糸切断装置と切断した糸をベッド
の針孔から抜くための機構を備えている刺繍ミシンに関
する。
【0002】
【従来の技術】針板と、針板の上方に上下動自在に備え
た縫製用の針と、針板の下方に選択利用の為に相互に交
換自在に配設した複数のルーパと、上記針板とルーパと
の間の糸を切断する為に針板の下側に配設した糸切断装
置とを備えた構造の環縫ミシンが知られている(例えば
特公平3−11239号公報参照)。このようなミシン
では、一つの糸での縫製を終えたならば、そこで糸を切
断し、ルーパを交換することによって、引き続いて次の
糸による縫製を行うことができる。
【0003】しかし、上記次の糸による縫製を開始した
場合、前の糸が針孔内に残っている為、その糸が毛羽の
多い糸であったり、複数の細い糸を軽く撚合わせた糸で
あったりすると、前者の糸の毛羽或いは後者の糸におけ
る何本かの細い糸が針に引掛かって、それが針の上昇に
よって引き上げられ、次の糸での縫い目の中に混在状態
に現れてしまう問題点があった。
【0004】そこで本件出願人は、上記問題点を解決す
る技術を提案し、それを特願平4−351765号で出
願した。以下にその出願された技術内容を示す。
【0005】図11乃至図17において、符号1乃至15
は周知の環縫いミシンにおける各部材を示すもので、1
はベッドプレートで、ミシンの基枠に取付けてある。2
は針板で、止付ねじ3でもってベッドプレート1に取付
けてある。4は針孔、5は糸通し孔を夫々示す。4aは直
径の異なる針孔、5aはその針孔に対応して設けられた糸
通し孔で、これらは針板2を平面的にみて180 度回転さ
せることにより、針孔4及び糸通し孔5があった位置に
それらと交換的にもたらして利用されるものである。6
はベッドプレートに形成されたメンテナンス用の孔を塞
ぐ為の蓋で、止付ねじ7でもって取付けてある。8は縫
製用の上下動自在の針で、鉤部9を有する。11はルーパ
台で、ミシンの基枠に対して横方向への移動を自在に設
けられている。12,12・・・はルーパ台11に装着した複
数のルーパで、ルーパ台11の横移動によって交換的に針
孔4の直下に位置する関係に並べられている。各々のル
ーパには夫々異なる種類(例えば色、太さ、性質等)の
糸が装填されている。13はルーパ台11を横方向に駆動す
る為の駆動杆である。15は針板2の下側に備えられた糸
切断装置で、糸の引込用の可動部材が針孔4とルーパ12
との間の位置に矢印15a,15bの如く進退して糸を切断す
るようになっている。
【0006】次に17はベッドプレート1の上面に形成さ
れた払い部材収容用の凹部、18はベッドプレート1に形
成された軸受孔である。19, 20はベッドプレート1に取
付けた案内片で、それらの上面は夫々図17及び図16
に示されるような円弧状の案内面19a, 20aとなってい
る。21は払い部材で、針板2の上面に沿って横動自在、
例えば本例では、元部に備えた軸体22を中心に針板2の
上面に沿って円弧運動するようになっている。針板2の
上面に沿って平行運動するようにしても良い。上記軸体
22は前記軸受孔18でもって回動及び軸線方向に進退自在
に支承されている。図14に示される23は払い部材21を
ベッドプレート1の側に付勢する為の付勢部材例えば本
例では下向きに付勢するばねで、ベッドプレート1の一
部をもって構成されたばね受部24と軸体22に取付けたば
ね座25との間に介装してある。26は軸体22に固着した受
動レバーである。27は前記案内片20と対応する位置に穿
設した嵌合孔である。次に図15に示される30は払い部
材21の駆動機構を示す。31は該機構におけるモータ、32
はカムで、周囲にカム溝32aを有している。33は駆動レ
バーで、中間部33cを軸支されており、一端に備えた従
動子33aをカム溝32aに係合させ、他端に備えた係合片
33bを受動レバー26に設けた係合孔26aと係合させてあ
る。この駆動機構30では、モータ31によるカム32の1回
転により、駆動レバー33、受動レバー26を介して払い部
材21が矢印方向に1往復する。
【0007】上記構成のものにあっては、ルーパ12及び
針8が周知のように作動して、図17の(A)の如く、
ルーパ12を通して供給される糸36により布35に対する縫
製が行われる。即ち針8は上死点から下死点へ向けて針
孔4を通って下降し、然る後ルーパ12が回転して糸が鉤
部9に掛かり、次に針8が上死点に向け上昇して糸の引
き上げが行われる。この上昇の過程において、布35を保
持している布張枠がベッドプレート1上において縫製の
1目分の寸法だけ横移動され、布35が同寸法だけ横移動
される。このような動作が繰り返し行われる。
【0008】次に一つの糸による縫製を終了した後、引
き続いて次の糸による縫製を行う場合の動作は次の通り
である。一つの糸による縫製の終了地点において、刺繍
枠の横移動を行うことなく針8は図17の(A)の如く
上死点まで移動する。その後糸切断装置15における可動
部が矢印15a, 15bで示すように往復動して、針孔4と
ルーパ12との間にあった糸36’を切断する。次に払い部
材21がその駆動機構30により前述の如く往復動される。
この場合、往動の過程においては先ず図16の(A)及
び図17の(A)の状態から案内片19, 20の案内面19
a, 20aに案内されて払い部材21は図16の(B)及び
図17の(B)の如く持ち上がる。引き続いて払い部材
21は図17の(C)に矢印37で示されるように針板2の
上面に沿って針孔4と重合する位置を通って横移動す
る。この横移動により、上記切断された糸36の内、布35
に連なっている側の糸、即ち図17の(B)の如く針孔
4内に残っていた糸36aは、図17の(C)の如く針孔
4から抜き出され、布35の下面に沿わされた状態とな
る。然る後払い部材21は復動し、凹部17内の位置に戻
る。然る後刺繍枠の横移動による布35の1目分の寸法の
横移動が行われる。これらと並行して、即ち上記糸切断
装置15による糸の切断の後、上記布の横移動までの間
に、乃至はその後の時点において、ルーパ台11の横移動
により針孔4の直下には次に縫製に用いる糸が装填され
ているルーパ12がもたらされる。然る後前述の場合と同
様の動作即ち針8の上下動及びルーパ12の作動によって
次の糸による縫製が行われる。尚上記払い部材21の復動
の際に糸36aが針孔4の側に連れ戻されることがあって
も、その糸36aが針孔4内にまで入り込むことは無い
為、次の糸による縫製にその糸36aが誤って針8に引っ
かかる可能性は僅少である。
【0009】布に対する全ての縫製が終了すると、布35
は刺繍枠から外され、布の裏面(上記下側となっていた
面)において糸端がほどけることを防止する為の周知の
処理、例えば布において上記縫製(刺繍)が行われた領
域の裏面に薄く糊を塗布したり、上記布35を別の布に縫
付けたり、布の裏面にある糸端をくくる等の処理が行わ
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように刺繍を行
う場合、布は刺繍枠に張られ、その枠がベッドの上面に
沿って前後左右に移動される。この場合、刺繍枠内にお
いてそこの布に対する刺繍可能領域を広く確保する目的
から、上記刺繍枠は出来る限り針孔に近い位置までもた
らすことが好ましい。しかし上記従来の技術では次のよ
うな理由から上記刺繍枠を針孔にあまり近付けることが
出来ぬ問題点がある。即ち、上記従来の技術では、上記
払い部材を回動させる為の駆動力を、ベッドの下から取
るようにしている。一方針孔の周辺には、ルーパやその
駆動機構、或いは糸切断装置など種々の部材が配設され
ているため、上記払い部材の駆動機構を針孔に近付け得
ない問題点があり、その結果必然的に上記払い部材の回
動中心は針孔から遠い位置に設けられている。ところで
刺繍枠が払い部材の上に位置してしまうと、払い部材は
刺繍枠に踏み付けられてその作動が出来なくなる。従っ
て刺繍枠は払い部材の上に来ないようにせねばならぬ。
従って上記のような遠い位置に払い部材があると、刺繍
枠を針孔に近付けることが出来ない。その結果、刺繍枠
に張られた布においては、針孔と払い部材の元部との間
の大きな寸法に対応する大きな刺繍不能領域が出来てし
まう問題点があった。又上記刺繍ミシンでは、払い部材
の駆動系と針を上下動させる駆動系とが別である為、相
互の同期関係が崩れると、払い部材が未だ上昇を行って
いない針にぶつかって針を折損させたりする危険がある
という問題点もあった。
【0011】本願発明の刺繍ミシンは上記従来技術の問
題点(技術的課題)を解決する為に提供するものであ
る。第1の目的は、縫製を終えた糸を切断した場合、切
断後針孔内に残った糸を払い部材によってその針孔内か
ら抜き出すことが出来るようにした刺繍ミシンを提供す
ることである。第2の目的は、払い部材の回動中心を針
孔の近傍位置に定めてもその作動を行わせ得るようにし
た駆動手段を提供することである。即ち、ベッドの下側
における針孔の周辺にルーパやルーパの駆動機構や糸切
断装置等の種々の機構が配設されていても、それらを避
けてベッド下の僅かな隙間に配設することが出来る構
成、即ちベッドの下面に沿って進退動する操作部材とい
った上下方向への嵩張りが小さい構成を主とした機構を
提供することによって、上記払い部材を針孔に近接配置
することを可能ならしめるようにすることである。第3
の目的は、払い部材の駆動系と針の上下動の駆動系とが
異なることに起因して相互の動作タイミングにずれが生
じ、針に対して払い部材が衝突した場合においても、針
を誤って折損させる事故を未然に防止できる機構が付さ
れた刺繍ミシンを提供することである。他の目的及び利
点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明
らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明における刺繍ミ
シンは、ベッドの上方には、上記ベッドに設けた針孔を
通して上下動する針を設け、一方上記針孔の下方にはル
ーパを設けると共に、上記針孔と上記ルーパとの間の糸
を切断する為の糸切断装置を備え、更に上記ベッドの上
には、一端がベッドに枢着されて、ベッドの上面に沿っ
て回動することによりベッド上の布と上記針孔との間の
糸を払うようにした払い部材を配設し、しかも上記払い
部材は、ベッド下に配設した駆動手段により上記ベッド
を貫通している回動軸を介して、回動及び軸線方向への
持ち上げが行われるようにしてある刺繍ミシンにおい
て、上記駆動手段は、駆動装置により上記ベッドの下面
に沿って進退作動するようにした操作部材と、一端を上
記回動軸に連結した連繋レバーとを備えると共に、上記
操作部材は、上記回動軸を上下動させる為の昇降操作部
と、上記連繋レバーを回動させるための駆動片と備えて
おり、上記昇降操作部と上記駆動片との位置関係は、上
記操作部材の往動過程の前期において上記昇降操作部が
上記回動軸を上昇させ、上記往動過程の後期において上
記駆動片が連繋レバーを回動させる関係にしたものであ
る。さらに本願発明は、上記駆動装置と上記操作部材と
の間に、予め定めた所定の大きさの力までの範囲におい
ては入力から出力への動きの伝達を行い、入力にそれ以
上の力が加わる場合には、入力から出力への動きの伝達
を遮断するようにした遮断機構を介設させたものであ
る。
【0013】
【作用】縫製が終了すると糸切断装置により針孔とルー
パとの間の糸が切断される。その後、駆動装置により操
作部材が横動される。その往動の過程の前期において、
昇降操作部は回動軸を介して払い部材を押し上げる。次
に上記往動の過程の後期において、連繋レバーが回動さ
れ、上記回動軸を介して払い部材が回動されて、布に連
なっている側の糸は針板の上面に沿って横移動する払い
部材により払われる。従ってその糸は針孔から引き抜か
れ、布の下面に沿わされた状態となる。
【0014】
【実施例】以下本願の実施例を示す図面1乃至図10に
ついて説明する。尚図1乃至図10において、機能上図
11〜図17に示されるものと同一又は均等の構成で説
明が重複すると考えられる部分には、図11〜図17と
同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1ない
し図10に示される刺繍ミシンにおいて、ベッドはベッ
ドプレート1とそこに取付けた針板2とで構成される。
【0015】40は払い部材21に付設した連繋用レバー
で、回動軸22に固着してある。41は該レバー40に備えた
連繋溝で、図示の如く折れ曲がり状に接続した作動部42
と非作動部43とを備える。
【0016】次に45は上記払い部材21を作動させるため
の操作機構を示す。該機構45は駆動手段46と、駆動手段
46を作動させるための駆動装置47と、駆動装置47と駆動
手段46とを結ぶ連動機構48とを備える。
【0017】次に上記駆動手段46を説明する。50は操作
部材55の保持及び進退の案内をするための枠体で、保持
枠51とスペーサ52とで構成され、止めねじ53でもってベ
ッドプレート1の下面に取付けてある。上記保持枠51は
操作部材55を円滑な進退動が可能な状態に保持するため
のもので、操作部材55の主体部56を進退自在に存置させ
るための凹部51aと、昇降操作部58を存置させるための
凹部51bと連繋部63を存置させるための凹部(窓部)51
cとを備えさせてある。上記スペーサ52は上記保持枠51
からの操作部材55の浮き上がりの阻止と、ベッドプレー
ト1の下面と操作部材55の上面との間に上記連繋用レバ
ー40の上下動を可能にする空間を確保するためのもので
ある。尚図4、5、8に示す1cは連繋レバー40の作動及
び駆動片57の作動のための空間を確保する為にベッドプ
レート1の下面に形成した凹部を示す。上記操作部材55
は硬質材で形成され、杆状の主体部56には連繋レバー40
との連繋を行う駆動片(例えばピン)57が固着してあ
る。昇降操作部58は払い部材21の上下動を行わせるため
の部分で、払い部材21を下降位置に保持するための低段
の下降位置保持部59と、払い部材21を持上位置に保持す
る為の高段の持上位置保持部60と、両保持部59,60間で
の払い部材21の移動を円滑化するために両保持部59,60
間に設けた昇降斜面61とを備える。63は連動機構48との
連繋の為の連繋片で、連繋用の長孔64を備える。
【0018】次に上記駆動装置47としてはアーム47aが
図2の矢印のように往復作動するモータを例示するが、
上記操作部材55を進退作動させられるものならば何を用
いても良く例えば電動式のアクチュエータ或いはオイル
又はエアー式のシリンダなどを用いてもよい。
【0019】次に連動機構48は伝動杆をもって構成さ
れ、一端は上記アーム47aの自由端に、他端は次に述べ
る遮断機構65を介して連繋片63に連結してある。次に遮
断機構65について説明する。該機構は予め定めた所定の
大きさの力までの範囲において入力から出力への動きの
伝達を行い、入力にそれ以上の力が加わる場合には、入
力から出力への動きの伝達を遮断するようにしたもので
あり、駆動装置47からの動きを受ける為の入力部材66
と、上記操作部材55にその動きを与える為の出力部材67
と、前者から後者への動きの伝達及びその遮断を行うた
めのばね68とから構成してある。
【0020】70は入力部材66における入力レバーで、元
部に固定した軸71によって刺繍ミシンにおける基枠に備
えさせた支承部69に枢着してあり、自由端部には伝動杆
48が連結部材72によって枢動可能に連結してある。73は
ばね68の抜け止め及びばね受けの保持のための部材で、
上記軸71に固定してある。74は部材73に取付けたばね受
け、75は同じくストッパで、入力部材66と出力部材67と
の常態における位置関係を一定に保つためのものであ
る。次に76は出力部材67における出力レバーで、入力レ
バー70と枢連結例えば元部に固定したボス77を上記軸71
に枢動可能に装着してあり、自由端部には連繋片63との
係合片例えば図示の如きピン78が一体に取付けてある。
79は上記出力レバー76に備えさせたばね受け、80は上記
ストッパ75と同目的のストッパを夫々示す。次に上記ば
ね68は一例としてねじりコイルばねが用いてあり、ばね
保持用の上記ボス77の周囲に配設するとともに、予圧を
かけた状態においてその一端68a及び他端68bを上記ばね
受74,79に夫々対接させ、その予圧によりストッパ75,80
を相互に対接させて入力部材66と出力部材67との一体化
を図ってある。
【0021】次に上記構成の糸払い機構の動作を説明す
る。縫製が終了し糸の切断が完了後、駆動装置47を作動
させて操作部材55を往動させる。往動過程の前期では、
図2の準備位置55a(操作部材55を代表して連繋部63の
位置で示す)から図7に示す持上位置55bまで昇降作動
範囲81を移動させる。すると昇降操作部68の持上位置保
持部60が図8の如く回動軸22の下に入り込んでそれを持
ち上げ、払い部材21は図示の如く上昇し、針板2の上面
よりも高い位置まで至る。この場合、駆動片57は操作部
材55の作動方向と平行となっている非作動部43を動くた
め、レバー40は回動せず、払い部材21は回動しない。
【0022】操作部材55の往動過程の後期では、図9に
示す払い位置55cまで払い作動範囲82を移動させる。す
ると駆動片57は連繋溝41の作動部42を介して連繋レバー
40を図示の如く回動させる。その回動は回動軸22を介し
て払い部材21に伝わり、払い部材21は針板2の上面に沿
って図示の如く回動し糸払いを行う。
【0023】上記のようにして糸を払った後は、駆動装
置47の復動により操作部材55は上記とは反対方向に図2
の準備位置55aまで戻る。その過程で払い部材21は上記
とは反対の順序で戻り及び下降の動きを行い、図2の準
備位置に戻る。
【0024】上記刺繍ミシンにおいて布に刺繍を行う場
合、図1に示す如く払い部材21の回動軸22の位置を針孔
4に極めて近接させることができているので、布35を刺
繍枠38に張り、その刺繍枠38をベッドの上を前後左右に
摺動させて上記の布35に刺繍を行う場合、図示の如く刺
繍枠38は針孔4に極めて近い位置までもたらしても払い
部材21はその刺繍枠38の作動に何等の支障をもたらすこ
とが無い。従って布35における刺繍可能領域を非常に広
く取ることが出来る。
【0025】上記の如き糸の切断の過程において、他の
機構例えば上下動を行う針或いは針と連動して上下動を
行って布を押えるニップルとの動作のタイミングが狂う
事故が生じた場合を説明する。一例として針8の上昇と
のタイミングが狂った場合を示す図10について説明す
る。針8が上昇してそれが針孔4から抜け出る前に駆動
装置47の作動が行われると、操作部材55の前述の如き作
動が行われて払い部材21は図の如く針8にぶつかってし
まう。この場合、上記ぶつかりが起こった後も駆動装置
47の作動が引き続き行われて遮断機構65の入力レバー70
に加わる力が所定の大きさ以上に大きくなると、図10
の如く入力レバー70の動きに伴ってばね68が変形して入
力レバー70の動きを吸収し、出力レバー76の動きは行わ
れない。これにより、出力レバー76が過度に動くことに
よる破損事故、例えば出力レバー76、操作部材55、連繋
レバー40、払い部材21等の変形事故、或いは針8の折損
事故等の発生が未然に防止される。
【0026】
【発明の効果】以上のように本願発明は、請求項1の構
成によって第1、2の目的を達成して次の効果がある。
即ち、縫製の終了後、払い部材21により糸を針孔から除
去できて、次の糸での縫製時に前の糸が混入することを
防止できる効果がある。更に、上記払い部材の回動中心
を針孔の近傍位置に定めることが出来るので、払い部材
は針孔のすぐ近くに配設することが出来、その結果、刺
繍枠は針孔のすぐ近くまでもたらすことが出来て、刺繍
枠内の布における刺繍可能領域を広く確保できる、換言
すれば刺繍不能領域を極めて狭くすることの出来る効果
がある。更に請求項2の構成によれば第3の目的を達成
して、駆動系の異なる部材相互の衝突によるそれらの部
材の破損の危険性も除去できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】刺繍ミシンの平面図(部分図)。
【図2】払い部材とその駆動の為にベッドプレート下面
に取付けた駆動手段との関係を、ベッドプレートを除去
して示す平面図。
【図3】図2におけるIII−III線断面図。
【図4】図2におけるIV−IV線断面図。
【図5】図2におけるV−V線断面図。
【図6】(A)は遮断機構の一部破断斜視図、(B)は
分解斜視図、(C)は正面図。
【図7】駆動手段における操作部材が持上位置に移動し
た状態において図2と同様の関係を示す図。
【図8】図7におけるVIII−VIII線断面図。
【図9】駆動手段における操作部材が払い位置に移動し
た状態において図2と同様の関係を示す図。
【図10】払い部材が針に衝突した状態における遮断機
構の状態を示す平面図。
【図11】環縫いミシンの略示縦断面図。
【図12】環縫いミシンにおけるベッドプレートの上面
において、針板の近傍の状態を示す平面図。
【図13】払い部材とベッドプレート及び針板との関係
を示す分解斜視図。
【図14】図12におけるIV−IV線拡大断面図。
【図15】払い部材の駆動手段を示す機構図。
【図16】(A)は図12におけるVI−VI線拡大断面
図、(B)は払い部材の作動開始時の状態を示す断面
図。
【図17】(A)、(B)、(C)は払い部材の動作説
明用断面図。
【符号の説明】
4 針孔 8 針 12 ルーパ 15 糸切断装置 21 払い部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 1/00 - 97/12 D05C 11/00 - 11/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベッドの上方には、上記ベッドに設けた
    針孔を通して上下動する針を設け、一方上記針孔の下方
    にはルーパを設けると共に、上記針孔と上記ルーパとの
    間の糸を切断する為の糸切断装置を備え、更に上記ベッ
    ドの上には、一端がベッドに枢着されて、ベッドの上面
    に沿って回動することによりベッド上の布と上記針孔と
    の間の糸を払うようにした払い部材を配設し、しかも上
    記払い部材は、ベッド下に配設した駆動手段により上記
    ベッドを貫通している回動軸を介して、回動及び軸線方
    向への持ち上げが行われるようにしてある刺繍ミシンに
    おいて、 上記駆動手段は、駆動装置により上記ベッドの下面に沿
    って進退作動するようにした操作部材と、一端を上記回
    動軸に連結した連繋レバーとを備えると共に、上記操作
    部材は、上記回動軸を上下動させる為の昇降操作部と、
    上記連繋レバーを回動させるための駆動片と備えてお
    り、 上記昇降操作部と上記駆動片との位置関係は、上記操作
    部材の往動過程の前期において上記昇降操作部が上記回
    動軸を上昇させ、上記往動過程の後期において上記駆動
    片が連繋レバーを回動させる関係にしたことを特徴とす
    る刺繍ミシン。
  2. 【請求項2】 上記駆動装置と上記操作部材との間に、
    予め定めた所定の大きさの力までの範囲においては入力
    から出力への動きの伝達を行い、入力にそれ以上の力が
    加わる場合には、入力から出力への動きの伝達を遮断す
    るようにした遮断機構を介設させたことを特徴とする
    求項1の刺繍ミシン。
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