JP3455700B2 - 金型内被覆成形方法 - Google Patents

金型内被覆成形方法

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JP3455700B2
JP3455700B2 JP21382999A JP21382999A JP3455700B2 JP 3455700 B2 JP3455700 B2 JP 3455700B2 JP 21382999 A JP21382999 A JP 21382999A JP 21382999 A JP21382999 A JP 21382999A JP 3455700 B2 JP3455700 B2 JP 3455700B2
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molding
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建司 米持
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1679Making multilayered or multicoloured articles applying surface layers onto injection-moulded substrates inside the mould cavity, e.g. in-mould coating [IMC]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型内で成形した
樹脂成形品の表面と金型のキャビティ表面との間に熱硬
化性塗料を注入した後、塗料を金型内で硬化させて表面
に塗膜が密着した一体成形品を製造する金型内被覆成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、家電、建材等に使用される樹脂
成形品に、装飾性等の付加価値を付けて品質を高めた
り、成形工程の省工程化によるコストダウンを目的とし
て、金型内で成形した樹脂成形品の表面と金型のキャビ
ティ表面との間に熱硬化性塗料を注入した後、塗料を金
型内で硬化させて樹脂成形品表面に塗膜が密着した一体
成形品を製造する金型内被覆成形方法(以下、「IM
C」という。)が検討されている。このIMCは、近
年、環境問題に強い関心が寄せられる中、各種工場から
の有害有機物質の大気放出が厳しく制限される傾向にあ
ることや、従業者の健康保護を重視する観点から、従来
のスプレー塗装に代わる技術としても注目を集めてい
る。
【0003】IMCは、開発当初は専らSMC、BMC
といった熱硬化性樹脂の成形品の製造を対象としてき
た。しかしながら、近年では熱可塑性樹脂の成形にIM
Cの適用が試みられており、例えば、特開平5−301
251号公報には、樹脂の表面温度及び金型温度が塗料
の硬化温度以上の状態において、金型の型締力を変更
し、又は同一型締力の状態で、熱硬化性の塗料を樹脂口
の塗装面に注入し、塗料が硬化後、金型を開くといった
方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、特開平5−3
01251号公報においては、通常の射出成形と同様の
成形方法を用いて、約280℃の溶融樹脂を金型キャビ
ティ内に射出し、金型温度を130℃として、硬化温度
が約130℃の塗料を用いたIMCが例示されている。
塗料の硬化温度は材料によって異なるが、金型を塗料の
硬化温度以上に設定しなければならない場合には、金型
の加熱・保温手段が大規模となり、設備コスト及びラン
ニングコストが高いものとなるという欠点がある。ま
た、金型を高温で使用すると、劣化も速まることが懸念
される。
【0005】更に、金型温度が高い場合には、成形品で
ある熱可塑性樹脂が柔らかくなってしまう為に、形状が
保たれる温度まで冷却した後、金型から取り出すことが
必要となる。こうして、成形に当たって冷却と加熱とを
繰り返さなければならない場合には、成形1サイクルに
要する製造時間が長くなり、生産性が低下するという問
題を生ずる。従って、これらの種々の問題点を考慮する
と、特開平5−301251号公報に開示のIMCによ
る生産性は必ずしも高いものは考えられず、設備的・生
産工程的にコスト高となるものと推測される。
【0006】このような特開平5−301251号公報
に開示された方法等の従来の方法を用いた場合の生産性
の低さを改善する為に、実際には、IMCに使用される
金型の表面温度は、成形サイクルや成形性の面から、一
般に使われる塗料の硬化温度よりも低く制限されること
となっていた。
【0007】しかしながら、所定の硬化条件を満足しな
い条件下で形成された塗膜では、必要とされる物性が得
られない場合があり、また、使用可能な塗料が限定され
ることとなる。このように、塗料の取り扱い面及び形成
された塗膜の物性面を考えると、IMCに使用する塗料
の硬化温度は高いことが望ましい。即ち、従来の熱可塑
性樹脂のIMCにおいては、生産性を重視すれば塗膜の
物性を犠牲にせざるを得ず、一方、塗膜に十分な物性を
持たせる為には生産性を犠牲にしなくてならない状態で
あった。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、熱可
塑性樹脂のIMCにおいて、金型温度を熱硬化性塗料の
硬化温度より低い温度に設定しつつ、塗料を所定の温
度、時間等の硬化条件にて硬化させることを可能ならし
め、その結果として、成形サイクルの短縮による生産性
の向上を図りつつ、得られる塗膜の物性をも向上させ、
良好なものとする金型内被覆成形方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
金型内で成形した樹脂成形品の表面と当該金型のキャビ
ティ表面との間に熱硬化性塗料を注入した後、当該塗料
を当該金型内で硬化させて、当該樹脂成形品の表面に塗
膜が密着した一体成形品を製造する金型内被覆成形方法
であって、当該樹脂成形品の表面温度が当該塗料の硬化
温度よりも高く、かつ、当該キャビティ側の金型温度が
当該塗料の硬化温度よりも低い状態において、当該塗料
を注入し、注入した塗料の表面がある程度硬化した時点
で、金型を所定間隔ほど開き、一体成形品の表面から一
方の金型への熱拡散を抑制すると共に、樹脂成形品の内
部保有熱により塗膜の温度を塗料の硬化温度以上に上昇
させて、塗膜の硬化時間を短縮することを特徴とする金
型内被覆成形方法、が提供される。
【0010】
【0011】
【0012】上述した本発明の金型内被覆成形方法を行
うに際しては、金型の駆動特性、位置決め特性に優れた
射出成形装置を用いることが好ましく、トグル式射出成
形機若しくはトグル式電動射出成形機が好適に用いられ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の金型内被覆成形方法(I
MC)の基本的な思想は、金型キャビティ内に注入され
た成形樹脂の保有熱を熱硬化性塗料の硬化に有効に利用
することであり、これにより、金型温度を塗料の硬化温
度より低く設定して生産性を高め、かつ、得られる塗膜
が良好な物性を示すように、塗料の硬化を所定条件で行
うことを可能とするものである。以下、図面を参照しな
がら、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、
本発明が以下の実施の形態に限定されるものでないこと
はいうまでもない。
【0014】本発明のIMCには、図1に示すように、
汎用のトグル式射出成形機を利用した金型内被覆成形装
置(以下、「IMC装置」という。)100が好適に用
いられる。IMC装置100は、大別すると型締装置1
0と射出装置20と制御装置30と金型装置50とで構
成される。なお、トグル式射出成形機として、トグル式
電動射出成形機を用いることも好ましい。
【0015】型締装置10は、金型装置50を取付ける
固定盤11及び可動盤12を備えており、タイロッド1
4に案内され、かつ、型締駆動用油圧シリンダ(以下、
「型締シリンダ」という。)13により前後進される可
動盤12が固定盤11に対して進退することで、金型装
置50を開閉するように構成されている。
【0016】なお、トグル式射出成形機においては、型
締シリンダ13を比較的低い油圧で駆動させつつ大きな
ストローク量を得ることができる。そして、このストロ
ーク量は、型締装置10によってより小さいストローク
量に変換されると共に、より大きな圧力に変換される。
【0017】従って、直接に金型を油圧シリンダによっ
て駆動させる従来の直圧式射出成形機と比較して、トグ
ル式射出成形機は、駆動特性、特に高速駆動特性に優れ
た型締シリンダ13により駆動が行われ、しかも型締装
置10のいわゆる倍力機構によって金型装置50の位置
制御性を極めて高いものとしつつ、しかも、十分に強い
型締力が得られるという優れた特徴を有する。後述する
ように、この優れた駆動特性が、金型の開閉による成形
樹脂の保有熱の伝導制御を容易ならしめる。
【0018】射出装置20には、スパイラル状のフライ
ト部を有するスクリュ21が円筒状のバレル22の内周
面に沿って、油圧モータ23により回転駆動され、か
つ、前後進が自在にできるように配設されている。スク
リュ21の回転に伴なって、ホッパ25内に供給された
樹脂ペレットはスクリュ21の前方へ送られ、この間に
バレル22の外周面に取付けられているヒータ(図示せ
ず。)による加熱を受けると共に、スクリュ21の回転
による混練作用を受けることにより、樹脂ペレットが溶
融する構成となっている。
【0019】スクリュ21の前方へ送られた溶融樹脂の
量が、予め設定された量に達した時点で油圧モータ23
の回転駆動を停止すると共に、射出シリンダ24を駆動
してスクリュ21を前進させることにより、スクリュ2
1前方に貯えられた溶融樹脂は、ノズル26を経由して
金型装置50の金型キャビティ53内へ射出される。
【0020】金型装置50には、固定盤11に取付けら
れる固定金型51と可動盤12に取付けられる可動金型
52が備えられており、可動金型52には塗料を金型キ
ャビティ53内に注入する塗料注入機55及び金型キャ
ビティ53内の樹脂成形品の表面温度を検出する温度セ
ンサ54が配設されている。
【0021】次に、制御装置30の構成について説明す
る。図1に示すように、制御装置30には、型締装置1
0の動作と射出装置20の動作を連動させ、制御装置3
0のシステム全体を総括して制御する成形装置制御部3
1と、射出装置20の動作を制御する射出制御部38と
が備えられている。これら両制御部31・38は通常の
射出成形機における制御部と同様の制御機能を有してい
る。
【0022】一方、IMC装置100固有の制御機能を
有する制御部として、型締条件設定部32から成形条件
データ信号を受けて塗料注入機55の動作を制御する注
入機制御部35と、同じく型締条件設定部32から成形
条件データ信号を受けて型締装置10の動作を制御する
型締制御部33とが備えられている。
【0023】ここで、型締条件設定部32において、型
締装置10の開閉速度、動作タイミング、型開量、型締
力、塗料注入機55の注入量、注入速度、注入タイミン
グ、注入圧力の各成形条件が設定される。そして、型締
条件設定部32から、塗料注入機55の注入量、注入速
度、注入タイミング及び注入圧力に関する成形条件につ
いては、その成形条件データ信号を注入機制御部35に
送り、一方、型締装置10の開閉速度、動作タイミン
グ、型開量及び型締力に関する成形条件については、そ
の成形条件データ信号を型締制御部33に送るように構
成されている。
【0024】続いて、上述の通りに構成された制御装置
30を有するIMC装置100を用いて、本発明のIM
Cを行う場合のIMC装置100の動作内容について説
明する。
【0025】先ず、型締制御部33から発信される制御
信号と、型締用サーボバルブ15によりフィードバック
制御を行いながら、型締条件設定部32に設定された型
閉じ速度のデータ信号(型締め速度パターン)に従っ
て、型締シリンダ13により、可動金型52を型開き限
位置から前進させて固定金型51に接触させる。引き続
き、型締制御部33から発信される制御信号と型締用サ
ーボバルブ15によりフィードバック制御を行いなが
ら、型締条件設定部32に設定された型締力の成形条件
データ信号(型締力パターン)に従って、型締シリンダ
13により可動金型52を更に前進させてタイロッド1
4を伸ばし、所定の型締力を金型装置50に作用させ
る。
【0026】このような型締装置10動作中の所定の動
作タイミングにおいて、射出制御部38から発信される
制御信号により、射出用サーボバルブ27の開度を制御
しながら射出シリンダ24によりスクリュ21を前進さ
せると、スクリュ21の前方に貯えられている溶融樹脂
は、ノズル26を経由して金型キャビティ53内に射出
されて樹脂成形品が成形される。なお、型締装置10の
動作と射出装置20の動作とが連動するように、成形装
置制御部31によって相互の動作タイミング信号を授受
するようになっている。
【0027】次に、成形樹脂の少なくとも表面部の硬化
に要する所定時間経過後に、塗料の注入に向けて、型締
制御部33から発信される制御信号と型締用サーボバル
ブ15により、フィードバック制御しながら型締条件設
定部32に設定された型締力を、一般的には低減するよ
うに、型締シリンダ13によって可動金型52の位置等
を制御する。
【0028】そして、温度センサ54が検出する樹脂成
形品の表面温度が塗料の硬化温度より高い所定の温度に
なった時点で、型締条件設定部32に設定された塗料注
入機55の注入量、注入速度、注入タイミング、注入圧
力に従って、注入機制御部35から発信される制御信号
により塗料注入機55を駆動して、塗料を金型キャビテ
ィ53内に注入する。
【0029】なお、温度センサ54が所定の温度を検出
した後に、塗料の注入の為に型締力を変更してもよい。
このような本発明のIMCにおいては、樹脂成形品が有
する内部保有熱を塗料の硬化に利用する為、金型温度が
塗料の硬化温度以上である必要はない。
【0030】続いて、型締制御部33から発信される制
御信号と型締用サーボバルブ15によりフィードバック
制御しながら、型締シリンダ13によって可動金型52
を再度前進させ、型締条件設定部32に設定された型開
量の成形条件データ信号(型開量変化パターン)及び型
締力パターンを実行させる。こうして、注入された塗料
を樹脂成形品の全表面に行き渡らせると共に、塗膜の外
観及び密着強度にとって最適な成形条件を与えることが
可能となる。
【0031】その後、型締制御部33から発信される制
御信号と型締用サーボバルブ15によりフィードバック
制御を行いながら、型締条件設定部32に設定された動
作タイミングと型開き速度パターンに従って、型締シリ
ンダ13により可動金型52を型開き限位置まで後退さ
せ、一体成形品を金型装置50から取り出す。こうし
て、1成形サイクルが完了する。
【0032】IMC装置100の概略の動作は上述の通
りであり、本発明のIMCにおいては、1成形サイクル
における塗料の注入を、樹脂成形品の表面温度が塗料の
硬化温度よりも高い状態であり、かつ、キャビティ側の
金型温度が塗料の硬化温度よりも低い状態にあるときに
行われる。なお、キャビティ側の金型温度と塗料の硬化
温度との温度差は、20℃以下とすることが好ましく、
5℃以上10℃以下の範囲とすると、より好ましい。
【0033】ところで、上述した本発明のIMCにおい
ては、注入された塗料の表面がある程度硬化した時点
で、金型を所定間隔ほど開き、金型キャビティ53内に
空隙を形成して、塗膜を一方の金型から隔離することも
好ましい。この空隙は断熱層として機能する為、樹脂成
形品の表面に塗膜が密着した一体成形品の表面からキャ
ビティ側の一方の金型への熱拡散が抑制されることとな
る。
【0034】こうして、樹脂成形品の内部保有熱によ
り、塗膜の温度を塗料の硬化温度以上に上昇させること
が可能となり、金型温度を塗料の硬化温度にまで上昇さ
せることなく、塗料の硬化に望まれる所定の硬化温度を
得て、塗膜の硬化時間を短縮させることができることと
なる。
【0035】なお、「塗料の表面がある程度硬化した時
点」とは、金型を開いても一体成形体の形状崩れ等がな
く、塗料と金型との型離れを良好に行い得る状態にある
ときを指し、「金型を所定間隔ほど開き」とは、具体的
には、0.5mm〜2mm程度、金型51・52を開く
ことを指す。
【0036】さて、本発明のIMCにおいては、樹脂成
形品の表面部が固化した時点で、金型51・52を所定
間隔ほど開き、樹脂成形品の表面から一方の金型への熱
拡散を抑制して、樹脂成形品の内部保有熱により、樹脂
成形品の表面温度を塗料の硬化温度以上に上昇させた後
に、塗料の注入を行っても構わない。塗料注入後は、金
型51・52に所定の型締力が掛かるように、型締シリ
ンダ13を駆動し、塗膜の厚みを制御すればよい。
【0037】こうして、金型51・52が再び型締めさ
れると、樹脂成形品の保有熱は塗膜を通して、金型51
・52の両方へ拡散することとなるが、一度、金型51
・52を開いて樹脂成形品に蓄熱を行うことにより、塗
料の硬化に必要な熱量が確保される。こうして、本方法
の場合にも、金型温度を塗料の硬化温度まで上げること
を行わずに、良好な塗膜を形成することが可能となる。
【0038】なお、このようなIMCにおける「樹脂成
形品の表面部が固化した時点」とは、金型51・52を
開いても、樹脂成形品の変形が起こらない程度に、か
つ、塗料の注入圧力、流動圧力に耐えうる程度にまで表
面が固化した状態にあることを指す。金型51・52の
開き量は、先の方法と同様に、0.5mm〜2mm程度
とすることが好ましい。
【0039】上述の通り、本発明のIMCは、樹脂成形
品の内部保有熱を有効に活用することで、塗料の硬化温
度よりも低い金型温度を採用することを可能とする。こ
れによって、従来、金型の加熱や冷却に要していた時間
を短縮して、成形サイクルを速め、生産性を向上させる
ことが可能となる。また、塗料の硬化温度は所定の条件
を維持することができる為、得られる塗膜の物性を良好
なものとすることが可能となる。以下、本発明を実施例
により更に詳細に説明するが、これらの実施例が本発明
を限定するものでないことはいうまでもない。
【0040】
【実施例】(実施例1)図1に示したIMC装置を用い
た実施例1の成形に係るフローチャート及び型締め/型
開きシーケンスを図2に示す。縦300mm、横210
mm、深さ50mm、厚さ3mmの箱状の製品が得られ
るシェアーエッジ構造の金型を使い、先ず200tの型
締力をかけて耐熱ABS樹脂(宇部サイコン(株)製、
MX40)を射出成形した。このときの樹脂温度は25
0℃、キャビティ側の金型温度は95℃であった。この
樹脂成形の冷却時間を20秒取り、その後、型締力を5
0tに落として表1に記載の塗料Aを、注入圧力250
kg/cm2で、13cc注入した。塗料注入時の樹脂
成形体の表面温度は120℃であり、この温度では塗料
の注入により、樹脂成形体の表面が変形等することはな
い。なお、この塗料は100℃、1分間で硬化すること
がわかっており、塗料注入後、型締力を変えることなく
120秒間保持した。
【0041】
【表1】
【0042】取り出した一体成形品には、全面に厚さ約
100μmの硬化した塗膜が形成されていた。一体成形
品における塗膜との密着力は、JIS K−5400
(塗料一般試験方法)記載の碁盤目セロファンテープ試
験により評価した。その結果、100個の碁盤目の一カ
所でも剥離が観察されず、良好な密着性が得られている
ことが確認された。
【0043】実施例1のIMCの条件及び結果から、樹
脂の表面温度が塗料の硬化温度よりも高い時点で塗料を
注入することにより、金型温度を塗料の硬化温度よりも
低い温度に設定できることが確認された。これにより、
金型の温度保持に係る設備コスト、ランニングコストを
低減し、また、金型の使用寿命を長期化させることが可
能となる。また、金型の加熱・冷却時間が短縮される。
即ち、1成形サイクルの時間が短縮され、生産性を向上
させることが可能となる。
【0044】(実施例2)図1に示したIMC装置を用
いた実施例2の成形に係るフローチャート及び型締め/
型開きシーケンスを図3に示す。実施例1で使用した金
型を使い、実施例1と同様に先ず200tの型締力をか
けて耐熱ABS樹脂(宇部サイコン(株)製、MX4
0)を射出成形した。このときの樹脂温度は250℃、
キャビティ側の金型温度は90℃であった。この樹脂成
形の冷却時間を20秒取った。その後、型締力を50t
に落として表1に記載の塗料Aを、注入圧力250kg
/cm 2で、13cc注入した。塗料注入時の樹脂成形
体の表面温度は115℃であり、この温度では塗料の注
入により、樹脂成形体の表面が変形等することはない。
なお、この塗料は100℃、1分間で硬化することがわ
かっており、塗料注入後、60秒間保持した後に型を1
mmだけ開き、更に60秒間保持した後に、金型を開い
て一体成形品を取り出した。
【0045】取り出した一体成形品には、全面に厚さ約
100μmの硬化した塗膜が形成されており、実施例1
と同様にして、JIS K−5400(塗料一般試験方
法)記載の碁盤目セロファンテープ試験により、一体成
形品における塗膜との密着力を評価した。その結果、1
00個の碁盤目の一カ所でも剥離が観察されず、良好な
密着性が得られていることが確認された。
【0046】実施例2では、樹脂成形体の内部熱をより
有効に塗料の硬化に利用することが可能となり、その為
に金型温度が実施例1よりも5℃低く設定することが可
能となっている。塗料の硬化時間は実施例1と比較して
変わりないが、一体成形品の取り扱い(脱型等)が容易
となると共に、金型の長寿命化が図られるという利点が
ある。
【0047】(実施例3)図1に示したIMC装置を用
いた実施例3の成形に係るフローチャート及び型締め/
型開きシーケンスを図4に示す。実施例1で使用した金
型を使い、実施例1と同様に先ず200tの型締力をか
けて耐熱ABS樹脂(宇部サイコン(株)製、MX4
0)を射出成形した。このときの樹脂温度は250℃、
キャビティ側の金型温度は90℃であった。この樹脂成
形の冷却時間を30秒取り、樹脂成形品の表面温度が1
00℃となった時点で、金型を1mm開き、10秒間待
った。そして表1に記載の塗料Aを13cc注入した。
このときの塗料の注入に要した時間は2秒間であった。
この塗料は100℃、1分間で硬化することがわかって
おり、塗料注入後、型締力を50tにし、120秒間保
持した後に金型を開いて一体成形品を取り出した。
【0048】取り出した一体成形品には、全面に厚さ約
100μmの硬化した塗膜が形成されており、実施例1
と同様にして、JIS K−5400(塗料一般試験方
法)記載の碁盤目セロファンテープ試験により、一体成
形品における塗膜との密着力を評価した。その結果、1
00個の碁盤目の一カ所でも剥離が観察されず、良好な
密着性が得られていることが確認された。
【0049】実施例3においても、樹脂成形体の内部熱
をより有効に塗料の硬化に利用することが可能となり、
金型温度を実施例1よりも5℃低く設定することが可能
となっている。塗料の硬化時間は実施例1と比較して変
わりないが、金型温度を実施例1と同じ95℃に設定し
た場合には、塗料の硬化時間は90秒に短縮することが
できることが確認されている。こうして、金型温度を塗
料の硬化温度よりも低く設定して1成形サイクル時間を
短縮し、生産性を向上させつつ、塗料を所定の条件で硬
化させて所定の塗膜特性を得ることが可能となる。
【0050】
【発明の効果】上述の通り、本発明の金型内被覆成形方
法によれば、樹脂成形品の内部保有熱を有効に利用する
ことで、金型温度を塗料の硬化温度よりも低い温度に設
定することが可能となり、その結果、成形サイクルが短
縮されて、生産性が大幅に向上するという優れた効果が
得られる。同時に、塗料の硬化は、金型温度よりも高い
所定の温度条件で行うことが可能となる為、所望する塗
膜特性を得ることが可能となる。また、金型温度を従来
と同じとした場合には、より硬化温度の高い塗料を用い
ることが可能となる。こうして、塗料の選択肢が広が
り、耐熱性や耐候性に優れた塗料を用いることも可能と
なるという様々な顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金型内被覆成形方法に好適に用いら
れる装置の全体構成図である。
【図2】 図1に示した金型内被覆成形装置を用いて実
施例1に係る成形を行う場合のフローチャート及び型締
め/型開きシーケンスである。
【図3】 図1に示した金型内被覆成形装置を用いて実
施例2に係る成形を行う場合のフローチャート及び型締
め/型開きシーケンスである。
【図4】 図1に示した金型内被覆成形装置を用いて実
施例3に係る成形を行う場合のフローチャート及び型締
め/型開きシーケンスである。
【符号の説明】
10…型締装置、11…固定盤、12…可動盤、13…
型締シリンダ、14…タイロッド、15…型締用サーボ
バルブ、16…ストロークセンサ、17…型開量セン
サ、18…型締力センサ、20…射出装置、21…スク
リュ、22…バレル、23…油圧モータ、24…射出シ
リンダ、25…ホッパ、26…ノズル、27…射出用サ
ーボバルブ、30…制御装置、31…成形装置制御部、
32…型締条件設定部、33…型締制御部、35…注入
機制御部、38…射出制御部、50…金型装置、51…
固定金型、52…可動金型、53…金型キャビティ、5
4…温度センサ、55…塗料注入機、100…金型内被
覆成形装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 和明 山口県宇部市大字小串字沖の山1980番地 宇部興産株式会社 高分子研究所内 (72)発明者 米持 建司 愛知県小牧市三ツ渕字西ノ門878番地 大日本塗料株式会社 小牧工場内 (72)発明者 山本 義明 愛知県小牧市三ツ渕字西ノ門878番地 大日本塗料株式会社 小牧工場内 (72)発明者 大田 賢治 愛知県小牧市三ツ渕字西ノ門878番地 大日本塗料株式会社 小牧工場内 (56)参考文献 特開 平8−309789(JP,A) 特開 平11−277577(JP,A) 米国特許4207049(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内で成形した樹脂成形品の表面と当
    該金型のキャビティ表面との間に熱硬化性塗料を注入し
    た後、当該塗料を当該金型内で硬化させて、当該樹脂成
    形品の表面に塗膜が密着した一体成形品を製造する金型
    内被覆成形方法であって、 当該樹脂成形品の表面温度が当該塗料の硬化温度よりも
    高く、かつ、当該キャビティ側の金型温度が当該塗料の
    硬化温度よりも低い状態において、当該塗料を注入し、
    注入した前記塗料の表面がある程度硬化した時点で、前
    記金型を所定間隔ほど開き、前記一体成形品の表面から
    一方の金型への熱拡散を抑制すると共に、当該樹脂成形
    品の内部保有熱により当該塗膜の温度を当該塗料の硬化
    温度以上に上昇させて、当該塗膜の硬化時間を短縮する
    ことを特徴とする金型内被覆成形方法。
  2. 【請求項2】 トグル式射出成形機若しくはトグル式電
    動射出成形機を用いることを特徴とする請求項1記載の
    金型内被覆成形方法。
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