JP2009220465A - 型内塗装品形成金型および型内塗装品の製造方法 - Google Patents

型内塗装品形成金型および型内塗装品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱硬化性塗料層の圧縮を十分にでき、熱硬化性塗料層の表面にヒケが出ないようにする。
【解決手段】 型内塗装品形成金型が、表面形成金型と塗膜形成金型と複数の裏面形成金型とを備え、裏面形成金型が圧縮ブロックと、その周囲に位置する外周プレートと、圧縮ブロックを固定する受け板と、取付板と、受け板と取付板との間に第1弾性体と、外周プレートと受け板との間に第2弾性体とを備え、裏面形成金型と表面形成金型とによって成形品を形成可能であり、裏面形成金型と塗膜形成金型とによって成形品の表面に熱硬化性塗料層を形成可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金型内で成形した成形品の表面と金型キャビティ面との間に熱硬化性塗料を注入した後、熱硬化性塗料を金型内で圧縮しながら硬化させて、成形品表面に熱硬化性塗料を密着一体化させる型内塗装品形成金型および型内塗装品の製造方法に関する。
従来の型内塗装品形成金型として、型内塗装品を効率的に製造するため、射出キャビティ型101と加飾キャビティ型102と2つのコア形103を用い、射出キャビティ型101による成形品108の射出成形を行う一方で、加飾キャビティ型102内の成形品108の表面に間隙によるキャビティを形成し、そのキャビティに液状熱硬化型組成物からなる加飾用のコーティング材を圧入して、成形品108の表面に加飾被膜109を成形する技術が特許文献1に開示されている。
また、特許文献1には通常の二色成形の場合と同様に、射出キャビティ型101と加飾キャビティ型102とを固定盤151側の対称位置に並設し、その対向位置に一対のコア型103を可動盤152の内面に設けた回転盤153に取り付けて設ける態様についても開示されている。
この技術に加え、コア形103の取付板106に対し、成形品108の裏面を形成する部分を圧縮ブロック104とし、その周りに外周プレート105を設け、外周プレート105がコイルバネ107の伸縮により可動するようにしてコーディング材を圧縮して加飾被膜109を形成することを検討した(図9参照)。この理由は、液状熱硬化型組成物からなる加飾用のコーティング材は硬化によって大きく収縮し、その収縮率は時に5%以上と一般的な成型樹脂の収縮率を大きく上回り、加飾被膜109の表面にヒケが現出してしまうという問題に対処するためである。
特許3988660号
しかし、加飾被膜と成形品を同時に形成する際、加飾被膜の圧縮量は成形品の圧縮量と同じなので、加飾被膜の圧縮量は成形品の圧縮限度量に限定される。そのため加飾被膜の圧縮を十分にできず、加飾被膜の表面にヒケが出てしまう。
本発明は上記の問題が発生しないようにするための型内塗装品形成金型および型内塗装品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するため、以下のような特徴を備える。
本発明の型内塗装品形成装置は、表面形成金型と塗膜形成金型と複数の裏面形成金型とを備え、裏面形成金型が圧縮ブロックと、その周囲に位置する外周プレートと、圧縮ブロックを固定する受け板と、取付板と、受け板と取付板との間に第1弾性体と、外周プレートと受け板との間に第2弾性体とを備え、裏面形成金型と表面形成金型とによって成形品を形成可能であり、裏面形成金型と塗膜形成金型とによって成形品の表面に熱硬化性塗料層を形成可能である構成をとる。
また、上記の発明において、表面形成金型が第2弾性体固定ロッドを備えるあるいは裏面形成金型が第2弾性体固定ブロックを備えるようにしてもよい。
また、上記の発明において、裏面形成金型が第1弾性体固定ブロックを備えてもよい。
また、上記の発明において、第1弾性体の弾性力と第2弾性体の弾性力とが等しくてもよい。
本発明の型内塗装品の製造方法は、表面形成金型と塗膜形成金型と複数の裏面形成金型とを備え、裏面形成金型が圧縮ブロックと、その周囲に位置する外周プレートと、圧縮ブロックを固定する受け板と、取付板と、受け板と取付板との間に第1弾性体と、外周プレートと受け板との間に第2弾性体とを備える型内塗装品形成金型を用い、表面形成金型に対向する裏面形成金型と表面形成金型とを型閉じして、成形品を形成するための成形キャビティを圧縮ブロックと外周プレートと表面形成金型との間に形成し、成形キャビティ内に成形樹脂を充填し、表面形成金型に対向する裏面形成金型の第2弾性体を収縮させずに第1弾性体を収縮させることにより、成形樹脂を圧縮せずに冷却固化させて成形品を形成する一方で、圧縮ブロックが成形品を保持して塗膜形成金型に対向する裏面形成金型と塗膜形成金型とを型閉じして、成形品を熱硬化性塗料で塗装するための塗装キャビティを成形品と塗膜形成金型と外周プレートとの間に形成し、塗装キャビティ内に熱硬化性塗料を注入し、注入完了とほぼ同時に、塗膜形成金型に対向する裏面形成金型の外周プレートに対して圧縮ブロックを塗膜形成金型側に移動させることにより、熱硬化性塗料を圧縮する工程をとる。
本発明の型内塗装品形成金型は、表面形成金型と塗膜形成金型と複数の裏面形成金型とを備え、裏面形成金型が圧縮ブロックと、その周囲に位置する外周プレートと、圧縮ブロックを固定する受け板と、取付板と、受け板と取付板との間に第1弾性体と、外周プレートと受け板との間に第2弾性体とを備え、裏面形成金型と表面形成金型とによって成形品を形成可能であり、裏面形成金型と塗膜形成金型とによって成形品の表面に熱硬化性塗料層を形成可能であることを特徴とする。したがって、熱硬化性塗料層と成形品を同時に形成する際、熱硬化性塗料層の圧縮量を第1弾性体の収縮量と同じにできる。そして、第1弾性体が収縮できる量を十分大きく(具体的には熱硬化性塗料層の圧縮限度を超えるように)設定することによって、熱硬化性塗料層の圧縮量を圧縮限度まで設定できる。そのため熱硬化性塗料層の圧縮を十分にでき、熱硬化性塗料層の表面にヒケが出ないようにできる。
また本発明は、第1弾性体の弾性力と第2弾性体の弾性力とが等しくてもよい。これにより、圧縮時に第1弾性体と第2弾性体によって生じる応力の強さが均衡するため、射出成形機および型内塗装品形成金型に負担がかからず、射出成形機および型内塗装品形成金型の耐久性が向上する。
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。図2は、本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。図3は、本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。図4は、本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。図5は、本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。図6は、本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。図7は、本発明の他の型内塗装品形成金型を示す断面図である。図8は、本発明の型内塗装品の製造方法に用いる塗料注入機の概略図である。図9は、従来の型内塗装品形成金型を示す断面図である。
図中、1は表面形成金型、2は塗膜形成金型、3は裏面形成金型、4は圧縮ブロック、5は外周プレート、6はコイルバネ、7はコイルバネ、8は受け板、9は取付板、10はコイルバネ、11はコイルバネ、12は成形キャビティ、13は塗装キャビティ、21は熱硬化性塗料層、22は成形品、23は型内塗装品、31は第2弾性体固定ロッド、32はエジェクターロッド、33は第2弾性体固定ブロック、34は第1弾性体固定ブロック、41は塗料注入機、42は塗料注入ユニット、43は塗料タンク、51は固定盤、52は可動盤、53は回転盤、54は回転軸、101は射出キャビティ型、102は加飾キャビティ型、103はコア型、104は圧縮ブロック、105は外周プレート、106は取付板
107はコイルバネ、108は成形品、109は加飾被膜、151は固定盤、152は可動盤、153は回転盤、154は回転軸である。
本発明の型内塗装品形成金型は、表面形成金型1と塗膜形成金型2と複数の裏面形成金型3とを備える。裏面形成金型3は成形品22の裏面形状を形成するために用いられる。表面形成金型1は成形品22の表面形状を形成するために用いられる。塗膜形成金型2は成形品22の表面に熱硬化性塗料層21を形成するために用いられる。すなわち、裏面形成金型3と表面形成金型1とによって成形品22が形成され、裏面形成金型3と塗膜形成金型2とによって成形品の表面に熱硬化性塗料層21が形成される(図1、図2参照)。
本発明の型内塗装品形成金型は、可動盤52または可動盤52についている回転盤53が回転する二色成形用の射出成形機に配置できる。射出成形機内での金型配置として、表面形成金型1と塗膜形成金型2とを固定盤51に固定し、裏面形成金型3が射出成形機の可動盤52または可動盤52についている回転盤53に固定すればよい(図1参照)。また、裏面形成金型3を固定盤51に固定し、裏面形成金型3表面形成金型1と塗膜形成金型2とを射出成形機の可動盤52または可動盤52についている回転盤53に固定してもよい。
表面形成金型1には射出成形機に固定される取付板(図示せず)を有するようにするのがよい。また、外周プレート5と受け板8との距離を機械的に強制的に固定するため、表面形成金型1に第2弾性体固定ロッド31(図3および図4〜6参照)を設けてもよい。
塗膜形成金型2と表面形成金型1とは形状が異なり、塗膜形成金型2は表面形成金型1よりも外形形状を大きくし、成形品22と接しない部分が形成できるように設計する。この接しない部分が塗装キャビティ13に該当する。塗膜形成金型2にも射出成形機に固定される取付板(図示せず)を有するようにするのがよい。
裏面形成金型3としては圧縮ブロック4と、その周囲に位置する外周プレート5と、圧縮ブロック4を固定する受け板8と、取付板9と、受け板8と取付板9との間に第1弾性体(例えばコイルバネ6、7)と、外周プレート5と受け板8との間に第2弾性体(例えばコイルバネ10、11)を備えるものを使用できる。
裏面形成金型3が第1弾性体を備えることによって、熱硬化性塗料層21と成形品22を同時に形成する際、熱硬化性塗料層21の圧縮量を第1弾性体の収縮量と同じにできる(図3参照)。そして、第1弾性体が収縮できる量を十分大きく(具体的には熱硬化性塗料層21の圧縮限度を超えるように)設定することによって、熱硬化性塗料層21の圧縮量を圧縮限度まで設定できる。そのため熱硬化性塗料層21の圧縮を十分にでき、熱硬化性塗料層21の表面にヒケが出ないようにできる。第1弾性体としては、金属製のコイルバネ6、7やゴムなどを用いることができる。
取付板9は、圧縮ブロック4、外周プレート5および受け板8を支持するために射出成形機に固定される。第1弾性体単独では圧縮ブロック4、外周プレート5および受け板8の重量を支えることができないためである。
圧縮ブロック4は成形品22の裏面形状を形成するためのものであり、成形品22とともに塗膜形成金型2の方に移動することによって熱硬化性塗料層21を圧縮するためのものである(図3参照)。
外周プレート5は型閉じ中、塗膜形成金型2と合わさった状態を保つことにより、熱硬化性塗料が塗装キャビティ13から漏れないようにするためのものである。
第2弾性体は、熱硬化性塗料層21の圧縮の際にも外周プレート5と塗膜形成金型2とが合わさった状態を保つためのものである(図3参照)。第2弾性体としては、金属製のコイルバネ10、11やゴムなどを用いることができる。
受け板8は、圧縮ブロック4および外周プレート5を支持するために射出成形機に固定された取付板9に支持されているものである。第2弾性体単独では外周プレート5の重量を支えることができないためである。
裏面形成金型3には、外周プレート5と受け板8との距離を機械的に強制的に固定するための第2弾性体固定ブロック33を設置してもよい。また、受け板8と取付板9との距離を機械的に強制的に固定するための第1弾性体固定ブロック34を設置してもよい(図7参照)。第2弾性体固定ブロック33や第1弾性体固定ブロック34の作動にはエアシリンダなどの補助駆動装置を利用できる。
熱硬化性塗料の材質としては、例えば、有機過酸化物を硬化反応の開始剤とする、少なくとも2個の(メタ)アクリレート基を有するウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー等のオリゴマーもしくはその樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂20〜70重量%と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、スチレン等の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー80〜30重量%からなるビヒクル成分を主成分とし、ラジカル捕捉剤、各種着色顔料、アルミニウム顔料、パール顔料、離型剤及び光安定剤等からなるものを使用できる。
熱硬化性塗料の粘度としては、2000〜7000mPa・sの範囲内でパターンや厚みに応じて適宜設定すればよい。
塗料注入機41は、塗料タンク43の上部に圧力をかけ、1ショット分の熱硬化性塗料の正確な量が塗料タンク43から計量・射出・バルブの構造を兼ね備えた塗料注入ユニット42に送られる構造になっている(図8参照)。
塗料注入ユニット42の位置設定としては、塗膜形成金型2内部に設けてもよい。また、塗膜形成金型2に設けられる熱硬化性塗料の注入口を裏面形成金型3との合わせ面に設け、塗料注入ユニット42と樹脂注入機の樹脂射出ユニットとを垂直にさせてもよい。この場合、成形品22を保持する裏面形成金型3と塗膜形成金型2とが型閉じして、成形品22を熱硬化性塗料で塗装するための塗装キャビティ13が成形品22と塗膜形成金型2との間に形成された段階で、塗料注入ユニット42が前進して塗膜形成金型2に直接タッチし、熱硬化性塗料が塗膜形成金型2に設けられる塗料ゲートを通して塗装キャビティ13に注入される仕組みになっている。塗料注入ユニット42のノズル先端部は温度調節機によっておよそ30℃に調節される。これにより、金型の熱によって熱硬化性塗料が固化してしまうことを防止する。
熱硬化性塗料の注入時間は1〜10秒程度で、熱硬化性塗料の材質や塗装キャビティ13の大きさなどによって適宜設定する。熱硬化性塗料の注入圧力は10〜400kgf/cm2程度の範囲内で適宜設定すると良いが、塗膜中にバリや気泡を防止するためには圧力は高めに設定した方が好ましい。
最終的に形成される熱硬化性塗料層21の厚みは、10〜700μmであるのが好ましい。10μm未満であると多くの製品においてその耐擦傷性に不足を生じ、700μm以上であると内部応力が高過ぎて脆く、割れやすい膜となる。また700μmを超える領域は本願のような液状成形を用いるまでもなく、一般的な熱可塑性樹脂で形成できる場合が多く、その方が簡便である。
つぎに、本発明の型内塗装品の製造方法に用いる成形樹脂について説明する。成形樹脂は、通常の熱可塑性の射出成形樹脂やエンジニアリングプラスチックのほか、熱硬化性の成形樹脂材料など特に限定はされないが、成形しやすく熱硬化性塗料との密着が良いものが好ましい。具体的には、アクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂(ABS系樹脂)、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などがあげられる。
成形樹脂は樹脂注入機によって、成形キャビティ12内に充填する。樹脂注入機としては射出成形機を用いることができる。
裏面形成金型3および表面形成金型1の金型温度は、金型温度調節機により設定する。金型温度調節機の媒体は水でも油でもよい。成形樹脂の材質に応じて通常の成形に適した温度に設定し、塗膜形成金型2の金型温度は、熱硬化性塗料の材質に応じて熱硬化性塗料が数秒以内に硬化する温度に設定すればよい。
次に、本発明の型内塗装品形成金型を使用した型内塗装品の製造方法について説明する。
まず、表面形成金型側で成形品22を形成する工程について説明する
表面形成金型1に対向する裏面形成金型3と表面形成金型1とを型閉じして、成形品22を形成するための成形キャビティ12を圧縮ブロック4と外周プレート5と表面形成金型1との間に形成する(図1参照)。
次いで、この成形キャビティ12内に射出成形機から樹脂注入口(図示せず)を通して成形樹脂を充填する(図2参照)。
そして、射出成形機の可動盤52の型締め動作の際に、表面形成金型1に対向する裏面形成金型3の第2弾性体(コイルバネ11)を収縮させずに第1弾性体(コイルバネ7)を収縮させて、成形樹脂を圧縮せずに冷却固化させて成形品22を形成する(図3参照)。
表面形成金型側にある裏面形成金型の外周プレート5と受け板8との距離を機械的に強制的に固定するため、表面形成金型1に第2弾性体固定ロッド31(図3および図4〜6参照)を設ければよい。あるいは裏面形成金型3に第2弾性体固定ブロック33(図7参照)を設置して駆動制御すればよい。第2弾性体固定ブロック33の作動にはエアシリンダなどの補助駆動装置を利用できる。
また、第1弾性体の弾性力より第2弾性体の弾性力の方が大きいように設定してもよい。このように設定することで、第2弾性体固定ロッド31や第2弾性体固定ブロック33などによる表面形成金型1に対向する裏面形成金型3の第2弾性体(コイルバネ11)の固定が不要となる。
この表面形成金型側で成形品22を形成する工程と同時に行う塗膜形成金型側で型内塗装品23を製造する工程について説明する。
圧縮ブロック4が成形品22を保持して塗膜形成金型2に対向する裏面形成金型3と塗膜形成金型2とを型閉じして、成形品22を熱硬化性塗料21で塗装するための塗装キャビティ13を成形品22と塗膜形成金型2と外周プレート5との間に形成する(図1参照)。
次いで、塗装キャビティ13内に塗料注入ユニット42から塗料注入口(図示せず)を通して熱硬化性塗料を注入して熱硬化性塗料層21を形成する(図2参照)。
注入完了とほぼ同時に、射出成形機の可動盤52の型締め動作によって塗膜形成金型2に対向する裏面形成金型3の第2弾性体(コイルバネ10)を縮めて外周プレート5に対して圧縮ブロック4を塗膜形成金型2側に移動させて、熱硬化性塗料層21を圧縮することにより型内塗装品23を製造することができる(図3参照)。ここで、ほぼ同時というのは、圧縮を始めるタイミングとして成形上問題のない範囲で注入完了前であっても注入完了後であってもよいということである。
塗膜形成金型側にある裏面形成金型の受け板8と取付板9との距離を機械的に強制的に固定するため、受け板8をエジェクターロッド32によって固定する(図3参照)、あるいは裏面形成金型3に第1弾性体固定ブロック34を設置(図7参照)して駆動制御すればよい。第1弾性体固定ブロック34の作動にはエアシリンダなどの補助駆動装置を利用できる。
また、第2弾性体の弾性力より第1弾性体の弾性力の方が大きいように設定してもよい。このように設定することで、エジェクターロッド32や第1弾性体固定ブロック34などによる塗膜形成金型2に対向する裏面形成金型3の第1弾性体(コイルバネ6)の固定が不要となる。
塗膜形成金型側にある裏面形成金型の第2弾性体(コイルバネ10)を収縮させる一方で、表面形成金型側にある裏面形成金型3の第2弾性体(コイルバネ11)を収縮させずに第1弾性体(コイルバネ7)を収縮させ、熱硬化性塗料層21の圧縮量を表面形成金型側にある裏面形成金型3の第1弾性体(コイルバネ7)の収縮量と同じにすることができる(図3参照)。そして、第1弾性体が収縮できる量を十分大きく設定することによって、熱硬化性塗料層21の圧縮を十分にでき、熱硬化性塗料層21の表面にヒケが出ないようにできる。
以上の成形品22の形成および型内塗装品23の製造に続いて、表面形成金型1に対向する裏面形成金型3が成形品22を保持して塗膜形成金型2に対向する裏面形成金型3が型内塗装品23を保持する状態で型開きする(図4参照)。
型内塗装品23を取り出し(図5参照)、裏面形成金型3どうしを切り替え(図6参照)、型閉じを行って成形サイクルが完了する(図1参照)。ここで型内塗装品23を取り出すタイミングとして、裏面形成金型3どうしを切り替えた後に型内塗装品23を取り出すようにしてもよい。
型内塗装品23の取り出しには汎用の取り出しロボットを使用できる。
裏面形成金型3どうしを切り替える方法として、表面形成金型1と塗膜形成金型2とが固定された固定盤51に対して、裏面形成金型3が固定された射出成形機の可動盤52もしくは可動盤52についている回転盤53を回転させる方法がある(図6参照)。あるいは、裏面形成金型3が固定された固定盤51に対して、表面形成金型1と塗膜形成金型2とが固定された射出成形機の可動盤52もしくは可動盤52についている回転盤53を回転させる方法もある。
第1弾性体の弾性力と第2弾性体の弾性力との関係としては、第1弾性体の弾性力と第2弾性体の弾性力が等しいように設定してもよい。このように設定することで、成形機および型内塗装品形成金型にかかる力が均衡するので、成形機および型内塗装品形成金型に負担をかけず耐久性を向上させることができる。
表面と裏面のそれぞれがキャビティを持つ表面形成金型1と塗膜形成金型2と2つの裏面形成金型3とを備える型内塗装品形成金型を用いて型内塗装品23を製造した。表面形成金型1としては第2弾性体固定ロッド31を備えるものを使用した。塗膜形成金型2としては塗料注入ユニット42を内蔵して塗料注入口を備えるものを使用した。裏面形成金型3としては圧縮ブロック4と、その周囲に位置する外周プレート5と、圧縮ブロック4を固定する受け板8と、取付板9と、受け板8と取付板9との間にコイルバネ6、7と、外周プレート5と受け板8との間にコイルバネ10、11を備えるものを使用した。コイルバネの弾性力については、コイルバネ6、7、10、11の弾性力が全て同じものを使用した。
射出成形機の可動盤52についている回転盤53に固定され金型温度が105℃に設定された2つの裏面形成金型3のうち表面形成金型1に対向する裏面形成金型3を、同じく金型温度が105℃に設定された表面形成金型1に対して型閉じし、成形キャビティ12を形成した(図1参照)。次いで、この成形キャビティ12に加熱溶融したソリッド色の耐熱ABS樹脂を成形キャビティ12に充填した(図2参照)。そして、第2弾性体固定ロッド31で裏面形成金型の外周プレート5と受け板8との距離を固定して表面形成金型1に対向する裏面形成金型3のコイルバネ11を収縮させずにコイルバネ7を収縮させることにより、成形樹脂を圧縮せずに40秒間冷却固化させて長さ100mm、幅50mm、高さ3mmの直方体形状の成形品22を形成した(図3参照)。
成形品22の形成と同時に型内塗装品23の製造を行った。まず、圧縮ブロック4が成形品22を保持して塗膜形成金型2に対向する裏面形成金型3と、キャビティの外形形状が長さ100.5mm、幅50.5mm、高さ3.2mmで金型温度が105℃に設定された塗膜形成金型2とを型閉じして、成形品22を熱硬化性塗料で塗装するための塗装キャビティ13を成形品22と塗膜形成金型2と外周プレート5との間に形成した(図1参照)。次いで、塗装キャビティ13内に熱硬化性塗料(大日本塗料株式会社製プラグラス8000 粘度3000mPa・s)を注入した(図2参照)。注入完了とほぼ同時に、塗膜形成金型2に対向する裏面形成金型3の外周プレート5に対して圧縮ブロック4を塗膜形成金型側に移動させることにより、注入された熱硬化性塗料に対して40秒間圧縮・保持して熱硬化性塗料を固化させることにより型内塗装品23を製造した。塗膜形成金型側にある裏面形成金型の受け板8をエジェクターロッド32で固定して受け板8と取付板9との距離を機械的に強制的に固定したので、熱硬化性塗料層21の圧縮量はコイルバネ7の収縮量と同じであり、コイルバネ7が収縮できる量を十分大きく設定することによって、熱硬化性塗料層21の圧縮は阻害されなかった(図3参照)。
成形品22の形成および型内塗装品23の製造に次いで、表面形成金型1に対向する裏面形成金型3が成形品22を保持して塗膜形成金型2に対向する裏面形成金型3が型内塗装品23を保持する状態で型開きし(図4参照)、型内塗装品23を取り出し(図5参照)、裏面形成金型3どうしを切り替え(図6参照)、型閉じを行って成形サイクルを完了させた(図1参照)。得られた型内塗装品23の表面にヒケは見られなかった。また、製造の過程においてコイルバネ6、7の弾性力とコイルバネ9、10の弾性力が等しいので成形機および型内塗装品形成金型にかかる力が均衡し、金型の作動がスムーズで、成形機や型内塗装品形成金型の耐久性の向上が見られた。
本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。 本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。 本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。 本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。 本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。 本発明の型内塗装品形成金型を示す断面図である。 本発明の他の型内塗装品形成金型を示す断面図である。 本発明の型内塗装品の製造方法に用いる塗料注入機の概略図である。 従来の型内塗装品形成金型を示す断面図である。
符号の説明
1 表面形成金型
2 塗膜形成金型
3 裏面形成金型
4 圧縮ブロック
5 外周プレート
6 コイルバネ
7 コイルバネ
8 受け板
9 取付板
10 コイルバネ
11 コイルバネ
12 成形キャビティ
13 塗装キャビティ
21 熱硬化性塗料層
22 成形品
23 型内塗装品
31 第2弾性体固定ロッド
32 エジェクターロッド
33 第2弾性体固定ブロック
34 第1弾性体固定ブロック
41 塗料注入機
42 塗料注入ユニット
43 塗料タンク
51 固定盤
52 可動盤
53 回転盤
54 回転軸
101 射出キャビティ型
102 加飾キャビティ型
103 コア型
104 圧縮ブロック
105 外周プレート
106 取付板
107 コイルバネ
108 成形品
109 加飾被膜
151 固定盤
152 可動盤
153 回転盤
154 回転軸

Claims (5)

  1. 表面形成金型と塗膜形成金型と複数の裏面形成金型とを備え、
    裏面形成金型が圧縮ブロックと、その周囲に位置する外周プレートと、圧縮ブロックを固定する受け板と、取付板と、受け板と取付板との間に第1弾性体と、外周プレートと受け板との間に第2弾性体とを備え、
    裏面形成金型と表面形成金型とによって成形品を形成可能であり、
    裏面形成金型と塗膜形成金型とによって成形品の表面に熱硬化性塗料層を形成可能であることを特徴とする型内塗装品形成金型。
  2. 表面形成金型が第2弾性体固定ロッドを備えるあるいは裏面形成金型が第2弾性体固定ブロックを備える請求項1に記載の型内塗装品形成金型。
  3. 裏面形成金型が第1弾性体固定ブロックを備える請求項1または2に記載の型内塗装品形成金型。
  4. 第1弾性体の弾性力と第2弾性体の弾性力とが等しい請求項1〜3のいずれかに記載の型内塗装品形成金型。
  5. 表面形成金型と塗膜形成金型と複数の裏面形成金型とを備え、
    裏面形成金型が圧縮ブロックと、その周囲に位置する外周プレートと、圧縮ブロックを固定する受け板と、取付板と、受け板と取付板との間に第1弾性体と、外周プレートと受け板との間に第2弾性体とを備える型内塗装品形成金型を用い、
    表面形成金型に対向する裏面形成金型と表面形成金型とを型閉じして、成形品を形成するための成形キャビティを圧縮ブロックと外周プレートと表面形成金型との間に形成し、成形キャビティ内に成形樹脂を充填し、表面形成金型に対向する裏面形成金型の第2弾性体を収縮させずに第1弾性体を収縮させることにより、成形樹脂を圧縮せずに冷却固化させて成形品を形成する一方で、
    圧縮ブロックが成形品を保持して塗膜形成金型に対向する裏面形成金型と塗膜形成金型とを型閉じして、成形品を熱硬化性塗料で塗装するための塗装キャビティを成形品と塗膜形成金型と外周プレートとの間に形成し、塗装キャビティ内に熱硬化性塗料を注入し、注入完了とほぼ同時に、塗膜形成金型に対向する裏面形成金型の外周プレートに対して圧縮ブロックを塗膜形成金型側に移動させることにより、熱硬化性塗料を圧縮することを特徴とする型内塗装品の製造方法。
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CN107139390A (zh) * 2017-05-08 2017-09-08 温州长江汽车电子有限公司 一种三色按键注塑工艺

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