JP3452421B2 - ポリプロピレン系熱収縮性フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系熱収縮性フィルム

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JP3452421B2
JP3452421B2 JP9592295A JP9592295A JP3452421B2 JP 3452421 B2 JP3452421 B2 JP 3452421B2 JP 9592295 A JP9592295 A JP 9592295A JP 9592295 A JP9592295 A JP 9592295A JP 3452421 B2 JP3452421 B2 JP 3452421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン系熱収縮
性フィルムに関し、より詳しくは透明性に優れ、かつ、
滑り性、耐ブロッキング性が良好なポリプロピレン系熱
収縮性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱収縮性フィルムとしては、ポリ
塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の延伸フ
ィルムが知られているが、低価格、使用後の廃棄処理の
容易さなどからポリプロピレン系、ポリエチレン系等の
ポリオレフィン系熱収縮性フィルムが好んで用いられて
いる。そのなかで、ポリプロピレン系熱収縮性フィルム
はフィルムの腰があり、透明性、包装機械適性は優れて
いるものの、比較的高温でないと収縮しない等の欠点を
有している。ポリプロピレン系熱収縮性フィルムに低温
収縮性を持たせる方法として、ポリプロピレン系樹脂に
ポリプロピレン系樹脂より軟化温度が低く、分子量分布
が広い、プロピレン−ブテン−1共重合体等のプロピレ
ン−α−オレフィン共重合体をブレンドする方法が特公
昭57−24375号公報等で提案されている。
【0003】熱収縮性フィルムはシュリンク包装に使わ
れるフィルムであるが、シュリンク包装は、一般的に
は、熱収縮性フィルムで余裕率をもって包んだ被包装物
を、熱風が吹き出しているトンネルを通過させることで
熱収縮性フィルムが収縮して被包装物にタイトな包装を
完成させる方法であるため、熱収縮直後のフィルム表面
の温度は50℃以上の高温になっている。そのため、熱
収縮性フィルムには、包装時のトンネル通過以前の製袋
及び包装機械でのフィルム走行に関する常温でのフィル
ムとフィルムの滑り性や、常温でのフィルムと金属面の
滑り性だけでなく、トンネル通過中或いはトンネル通過
直後の包装機械でのフィルム走行に関係する高温でのフ
ィルムと金属面との滑り性、更には、被包装物との滑り
性、トンネルでの収縮直後の包装体の箱詰め、梱包工程
に関する高温でのフィルムとフィルムの滑り性、いわゆ
るホットスリップや包装体と包装体が密着しないための
耐ブロッキング性が要求される。
【0004】上記軟化温度が低いプロピレン−α−オレ
フィン共重合体等をブレンドする方法は、低温収縮性に
ついては改善効果がみられるものの、滑り性、耐ブロッ
キング性については不十分で、特に、高温での滑り性が
極端に悪くなるため、箱詰めが困難になったり、包装仕
上がりが悪くなったりするという欠点を有していた。か
かるポリプロピレン系熱収縮性フィルムの滑り性を改善
する方法として、微粒子を添加する方法(例えば、特開
昭57−64522号公報、特開昭62−39219号
公報等)が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、微粒子
等の添加剤を多量に添加することで滑り性は改善はでき
るものの、透明性が劣るという欠点があり、シュリンク
包装工程の収縮前から収縮後まで全ての工程で、低温収
縮性は維持したまま、良好な滑り性と透明性を両立させ
るのが困難であった。本発明の目的は、低温収縮性に優
れ、かつ、収縮前から収縮後まで、良好な透明性を有
し、かつ、滑り性、耐ブロッキング性に優れた、収縮仕
上がりが良好なポリプロピレン系熱収縮性フィルムを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、結晶性プロピレ
ン−α−オレフィン共重合体(A)とプロピレン−α−
オレフィン共重合体(B)からなる樹脂組成物(C)
に、特定の2つの異なる平均粒子径をもつ球状の微粒子
を組み合わせて使用することにより、低温収縮性を維持
したまま、透明性が低下することなく、収縮前後の滑り
性に優れたフィルムが得られることを見いだし、本発明
に到達した。すなわち、本発明は、プロピレンに対して
α−オレフィンの共重合の割合が9重量%以下の結晶性
プロピレン−α−オレフィン共重合体(A)70〜90
重量部とプロピレンに対してα−オレフィンの共重合の
割合が10〜45重量%のプロピレン−α−オレフィン
共重合体(B)30〜10重量部からなる樹脂組成物
(C)100重量部に対して、平均粒子径が0.8〜
1.5μの球状無機微粒子(D)2500〜7000p
pmと、平均粒子径が2〜6μの球状ポリメチルメタク
リレート微粒子(E)500〜2500ppmを、トー
タルの微粒子添加量が4000〜8000ppmとなる
ように配合した、低温収縮性に優れ、かつ、透明性、滑
り性、耐ブロッキング性にも優れたポリプロピレン系熱
収縮性フィルムである。
【0007】本発明で用いられる結晶性プロピレン−α
−オレフィン共重合体(A)は一般にポリプロピレン系
樹脂と言われるものであり、α−オレフィンとしてはエ
チレン或いはブテン−1等の1種または2種以上が用い
られ、しかも共重合の割合はプロピレンに対して9重量
%程度までのものである。結晶性プロピレン−α−オレ
フィン共重合体(A)は2元共重合体または3元共重合
体、あるいはそれらの混合物である。
【0008】また、本発明で用いられるプロピレン−α
−オレフィン共重合体(B)は、プロピレンとα−オレ
フィンとの共重合体であるが、プロピレンと共重合する
α−オレフィンの割合が10〜45重量%と多いことで
結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体(A)とは
区別されるものである。尚、プロピレンと共重合させる
α−オレフィンとしてはエチレン、ブテン−1等があげ
られ、それ等の1種または2種以上が用いられ、好まし
くは、プロピレン−α−オレフィン共重合体(B)はビ
カット軟化点が80〜115℃、MFR(230℃、
2.16kg)が2.0〜9.0g/10分で、更に好
ましくは、MFR(230℃、2.16kg)が5.5
〜8.0g/10分のプロピレン−α−オレフィン共重
合体が望ましい。
【0009】結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合
体(A)とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)
の混合量は、結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合
体(A)70〜90重量部とプロピレン−α−オレフィ
ン共重合体(B)30〜10重量部、好ましくは結晶性
プロピレン−α−オレフィン共重合体(A)75〜85
重量部とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)2
5〜15重量部である。プロピレン−α−オレフィン共
重合体(B)の混合量が10重量部未満では低温収縮性
が発現せず、30重量部を越えるとフィルムの腰がなく
なり、滑り性、ホットスリップが極端に悪くなり、結果
として、包装機械適性が非常に悪くなる。
【0010】本発明において、樹脂組成物に球状微粒子
が添加されるが、球状微粒子としては、主として金属面
との滑り性、ホットスリップに影響する平均粒子径が
0.8〜1.5μの球状無機微粒子(D)と、主として
耐ブロッキング性とフィルム同志の滑り性に影響する平
均粒子径が2〜6μの球状ポリメチルメタクリレート微
粒子(E)とを組み合わせて添加される。小径の微粒子
(D)としては、粒度分布が狭く、硬い方がホットスリ
ップや金属面とフィルムの滑り性の改善効果が大きいこ
とから、無機微粒子が使用され、例えば、球状シリカ、
ゼオライト等を例示することができる。無機微粒子
(D)の平均粒子径が0.8μより小さければ、熱収縮
フィルムと金属面との滑り性とホットスリップの改善効
果は小さく、1.5μより大きいと透明性の低下が大き
い割には熱収縮フィルムと金属面との滑り性とホットス
リップの改善効果は大きくない。
【0011】一方、大径の微粒子(E)としては、透明
性に対する影響が特に大きく、収縮前だけではなく、収
縮後の透明性の低下を避けるにはフィルムの原料となっ
ている結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体
(A)とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)の
屈折率とほぼ等しい屈折率1.48〜1.50を持つ、
ポリメチルメタクリレートの球状ポリマー微粒子が使用
される。該微粒子は、フィルム原料への分散性がよく、
熱分解温度が250℃以上で、製造過程で不融であるた
め透明性の低下が非常に小さい。平均粒子径が2μ以上
であれば、フィルムとフィルムの滑り性やフィルムロー
ルのブロッキングを防ぐ効果が現れるが、粒子径が大き
い粒子は透明性への影響が大きく、平均粒子径が6μを
越えるものは透明性の低下が著しく、かつ、滑り性、耐
ブロッキング性の改善効果もあまり大きくない。
【0012】これら微粒子は、樹脂組成物(C)100
重量部に対して、球状無機微粒子(D)2500〜70
00ppmと、球状ポリメチルメタクリレート微粒子
(E)500〜2500ppmを、トータルの微粒子の
添加量が4000〜8000ppm、好ましくは500
0〜7000ppmとなるよう添加される。微粒子のト
ータルの添加量、あるいはどちらか片方、あるいは両方
の微粒子の添加量が本発明の添加量範囲より少ないと、
低温収縮性、透明性は良いが、収縮後の滑り性が悪くな
り、また添加量が多いと、低温収縮性、滑り性は良好で
あるが収縮後の透明性が悪くなる。
【0013】原料の樹脂に配合された球状無機微粒子、
球状ポリメチルメタクリレート微粒子は、押出機での溶
融混練を経て、ダイスのリップ口から押し出されるまで
不融で、球形を保ち、延伸工程等で剥がれ落ちたり、ボ
イドを生じることがない。そのため、本発明のフィルム
はリサイクルしても、球状微粒子の変形、脱落による透
明性低下や滑り性等の性能低下がないことも、本発明の
特徴の一つである。
【0014】また、特定の微粒子配合にすることで、熱
収縮性フィルムの経時収縮によるロールの巻締まりによ
るブロッキングや巻芯部の滑り不良等を防ぐこともで
き、かつ、シュリンク包装後の滑り性、ホットスリッ
プ、耐ブロッキング性が良好なポリプロピレン系熱収縮
性フィルムを得ることができる。すなわち、透明性が優
れたポリプロピレン系熱収縮フィルムとして必要な特
性、すなわち、ヘイズが4.0%以下、収縮直後の重ね
た包装体のせん断方向の引張りに対する抵抗力が200
0g以下、45℃のフィルム同志の静摩擦係数、動摩擦
係数が2.5以下の特性を持つポリプロピレン系熱収縮
性フィルムが得られる。
【0015】更に、本発明の目的に支障をきたさない範
囲であれば、滑剤、帯電防止剤、防曇剤等の添加剤がそ
れぞれ有効な作用を具備される目的で適宜使用すること
ができる。
【0016】本発明を実施する方法は特に限定はされな
いが、チューブラー二軸延伸法を例にとって実施法を説
明する。結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体
(A)とプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)か
らなる樹脂組成物(C)に、予めフィルムの原料と同一
の結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体(A)に
球状無機微粒子(D)及び球状ポリメチルメタクリレー
ト微粒子(E)を添加してマスターバッチ化したマスタ
ーバッチをブレンドする。球状無機微粒子(D)と球状
ポリメチルメタクリレート微粒子(E)が添加されたマ
スターバッチを原料樹脂組成物(C)にブレンドし、そ
の原料樹脂組成物を押出機により170〜240℃で溶
融混練し、240℃に保った環状のダイスより押出す。
形成されたチューブを内側は冷却水が循環している円筒
状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水
槽を通すことにより冷却して引き取り、延伸することな
く一旦急冷固化してチューブ状未延伸フィルムを得る。
得られたチューブ状未延伸フィルムを図1に示す様な延
伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範囲で、チュー
ブ内部にガス圧を適用して膨張延伸により同時の2軸配
向を起こさせる。延伸倍率は必ずしも縦横同一でなくて
もよいが、優れた強度、収縮率等の物性を得るためには
何れの方向にも2倍以上、好ましくは3倍以上に延伸す
るのが好適である。延伸装置から取り出したフィルムは
希望によりアニーリングすることができ、このアニーリ
ングによって保存中の自然収縮率を抑制することができ
る。
【0017】
【図1】
【0018】本発明の特徴一つは、熱収縮後の滑り性の
指標を見いだし、かかる知見をもとに、低温収縮性、透
明性を低下させることなく、収縮前から収縮後までのシ
ュリンク包装工程の全工程において、滑り性の良好なフ
ィルムを得た点にある。すなわち、収縮トンネルを出た
直後に重ねた包装体のせん断方向への引張りに対する抵
抗力について、収縮トンネルを出たばかりの表面温度が
55℃の包装体を、接触面積165cm2 で重ね合わ
せ、1.8kgの荷重を5秒間かけ、荷重を取り除いて
片方の包装体を固定してせん断方向へ引っ張り、重ねた
包装体をスライドさせるのに要する力が、箱詰め、梱包
工程等で必要な包装体の滑り性の指標として有効である
こと、その力が2000g以下であると、箱詰め等の作
業で支障がでないレベルの良好な滑り性を有しているこ
とを見いだしたものである。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、本実施例中に示した諸測定は以下の方法によっ
た。 1)ヘイズ JIS−K6714に準拠。日本電色工業(株)製オー
トマチックデジタルヘイズメーターGP−400で測定
した。 2)熱収縮率 縦横ともに100mmの正方形に切り取ったフィルムを
所定の温度のグリセリン浴に10秒間浸漬し、水冷す
る。数1により算出した。 3)摩擦係数 JIS−K7125に準拠。フィルム同志の摩擦係数を
測定した。 4)ホットスリップ 3)と同様の方法で行い、測定時のフィルム表面温度を
45℃に保って行った摩擦係数測定。 5)包装体のスライド抵抗力 収縮トンネルを出た直後に重ねた包装体のせん断方向の
引張りに対する抵抗力。シュリンク包装直後のフィルム
表面温度55℃の包装体103mm×189mm×25mm重
量246gを図2のように接触面が103mm×160mm
になるよう重ねて、1.8kgの荷重を5秒間かけて、
荷重を取り除く。荷重を取り除いた後すぐに、重なった
2つの包装体の下の方を固定して、上の方の包装体をせ
ん断方向に力をかけ、スライドさせるのに要する力を測
定する。
【0020】
【数1】 但し、L0=収縮前のサンプルの寸法(100mm)、
1=グリセリン浴浸漬後のサンプル寸法(mm)。M
D、TDそれぞれを測定する。
【0021】
【図2】
【0022】実施例1 MFR(230℃、2.16kg)が2.2g/10分
の結晶性プロピレン−エチレン共重合体82重量部とビ
カット軟化点が83℃、MFR(230℃、2.16k
g)が6.0g/10分のプロピレン−ブテン−1共重
合体18重量部に平均粒子径1μの球状無機微粒子を4
800ppm、平均粒子径2μの球状ポリメチルメタク
リレート微粒子を1500ppm添加し、170℃〜2
40℃で溶融混練して230℃に保った環状ダイスより
押し出した。形成されたチューブを、内側は冷却水が循
環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させな
がら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、
未延伸のチューブ状フィルムを得た。このチューブ状未
延伸フィルムを図1のチューブラー二軸延伸装置に導
き、加熱し、縦4倍、横4倍に延伸し、延伸フィルムを
得た。延伸フィルムの評価結果を表1に示す。延伸中の
安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸バブルの揺動も
なく、また、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察さ
れなかった。得られた延伸フィルムは表1に示した様な
特性値を持ち、低温収縮性に優れ、透明性も滑り性も良
好で、収縮仕上がりも良好であった。
【0023】実施例2 実施例1の結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体8
2重量部と、実施例1のプロピレン−ブテン−1共重合
体18重量部に、平均粒子径1μの球状無機微粒子48
00ppmと平均粒子径6μの球状ポリメチルメタクリ
レート微粒子1000ppmを添加し、実施例1と同一
の方法で延伸フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様に延伸中の安定性は良好で、延伸点の上
下動や延伸バブルの揺動もなく、また、ネッキングなど
の不均一延伸状態も観察されなかった。得られた延伸フ
ィルムは表1に示したような特性値を持ち、透明性、低
温収縮性に優れたものであり、収縮仕上がりが良く、良
好な滑り性を有するものであった。
【0024】実施例3 実施例1の結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体7
5重量部と、実施例1のプロピレン−ブテン−1共重合
体25重量部に、平均粒子径1μの球状無機微粒子35
00ppmと平均粒子径2μの球状ポリメチルメタクリ
レート微粒子1500ppmを添加し、実施例1と同一
の方法で延伸フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様に延伸中の安定性は良好で、延伸点の上
下動や延伸バブルの揺動もなく、また、ネッキングなど
の不均一延伸状態も観察されなかった。得られた延伸フ
ィルムは表1に示したような特性値を持ち、透明性、低
温収縮性に優れたものであり、収縮仕上がりが良く、良
好な滑り性を有するものであった。
【0025】
【表1】
【0026】比較例1 実施例1の結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体8
2重量部と、実施例1のプロピレン−ブテン−1共重合
体18重量部に、平均粒子径1μの球状無機微粒子50
00ppmと平均粒子径2μの球状ポリメチルメタクリ
レート微粒子3500ppmを添加し、実施例1と同一
の方法で延伸フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1と同様に延伸中の安定性は良好で、延伸点の上
下動や延伸バブルの揺動もなく、また、ネッキングなど
の不均一延伸状態も観察されなかった。得られた延伸フ
ィルムは表2に示したような特性値を持ち、滑り性、低
温収縮性に優れてはいるが、透明性が悪かった。
【0027】比較例2 実施例1の結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体8
2重量部と、実施例1のプロピレン−ブテン−1共重合
体18重量部に、平均粒子径1μの球状無機微粒子25
00ppmと平均粒子径2μの球状ポリメチルメタクリ
レート微粒子1000ppmを添加し、実施例1と同一
の方法で延伸フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1と同様に延伸中の安定性は良好で、延伸点の上
下動や延伸バブルの揺動もなく、また、ネッキングなど
の不均一延伸状態も観察されなかった。得られた延伸フ
ィルムは表2に示したような特性値を持ち、低温収縮
性、透明性に優れてはいるが、滑り性が悪かった。
【0028】比較例3 実施例1の結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体8
2重量部と、実施例1のプロピレン−ブテン−1共重合
体18重量部に、平均粒子径1μの球状無機微粒子35
00ppmと平均粒子径2μの球状ポリメチルメタクリ
レート微粒子3000ppmを添加し、実施例1と同一
の方法で延伸フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
延伸中の安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸バブル
の揺動もなく、また、ネッキングなどの不均一延伸状態
も観察されなかった。得られた延伸フィルムは表2に示
した様な特性値を持ち、低温収縮性があり、滑り性は良
好であったが、透明性が悪かった。
【0029】
【表2】
【0030】比較例4 実施例1の結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体8
2重量部と、実施例1のプロピレン−ブテン−1共重合
体18重量部に、平均粒子径1μの球状無機微粒子48
00ppmを添加し、実施例1と同一の方法で延伸フィ
ルムを得た。評価結果を表3に示す。延伸中の安定性は
良好で、延伸点の上下動や延伸バブルの揺動もなく、ま
た、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかっ
た。得られた延伸フィルムは表3に示した様な特性値を
持ち、低温収縮性があり、透明性は良好であったが、滑
り性が悪かった。
【0031】比較例5 実施例1の結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体9
5重量部と、実施例1のプロピレン−ブテン−1共重合
体5重量部に、平均粒子径1μの球状無機微粒子480
0ppmと平均粒子径2μの球状ポリメチルメタクリレ
ート微粒子1500ppmを添加し、実施例1と同一の
方法で延伸フィルムを得た。評価結果を表3に示す。延
伸中の安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸バブルの
揺動もなく、また、ネッキングなどの不均一延伸状態も
観察されなかった。得られた延伸フィルムは表3に示し
た様な特性値を持ち、低温収縮性がなく、透明性がやや
不良であったが、滑り性は良好であった。
【0032】比較例6 実施例1の結晶性ポリプロピレン−エチレン共重合体6
5重量部と、実施例1のプロピレン−ブテン−1共重合
体35重量部に、平均粒子径1μの球状無機微粒子48
00ppmと平均粒子径2μの球状ポリメチルメタクリ
レート微粒子1500ppmを添加し、実施例1と同一
の方法で延伸フィルムを得た。評価結果を表3に示す。
延伸中の安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸バブル
の揺動もなく、また、ネッキングなどの不均一延伸状態
も観察されなかった。得られた延伸フィルムは表3に示
した様な特性値を持ち、低温収縮性、透明性が良好であ
ったが、滑り性が非常に悪かった。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明の特定の条件を満足する原料で構
成し、特定の2つ異なる粒子径を持つ球状の微粒子を組
み合わせて使用することで、従来のポリプロピレン系熱
収縮性の滑り性、耐ブロッキング性を透明性が低下する
ことなく改善することが可能となり、良好な低温収縮
性、透明性、滑り性が収縮前後にわたって維持されるポ
リプロピレン系熱収縮性フィルムが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例、比較例で用いたチューブラー二軸延伸
装置の概略断面図である。
【図2】実施例中の評価方法の包装体のスライド抵抗力
の説明略図である。
【符号の説明】
1 未延伸フィルム 2 低速ニップロール 3 高速ニップロール 4 予熱器 5 主熱器 6 冷却エアリング 7 折り畳みロール群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−276541(JP,A) 特開 昭63−338(JP,A) 特開 平7−258478(JP,A) 特開 平7−196820(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 13/08 C08J 5/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンに対してα−オレフィンの共
    重合の割合が9重量%以下の結晶性プロピレン−α−オ
    レフィン共重合体(A)70〜90重量部とプロピレン
    に対してα−オレフィンの共重合の割合が10〜45重
    量%のプロピレン−α−オレフィン共重合体(B)30
    〜10重量部からなる樹脂組成物(C)100重量部に
    対して、平均粒子径が0.8〜1.5μの球状無機微粒
    子(D)2500〜7000ppmと平均粒子径が2〜
    6μの球状ポリメチルメタクリレート(E)500〜2
    500ppmを、トータルの微粒子添加量が4000〜
    8000ppmとなるように配合した、低温収縮性に優
    れ、かつ、透明性、滑り性、耐ブロッキング性にも優れ
    たポリプロピレン系熱収縮性フィルム。
  2. 【請求項2】 結晶性プロピレン−α−オレフィン共重
    合体(A)が、α−オレフィンとしてエチレン、ブテン
    −1から選ばれた共重合体であり、2元共重合体または
    3元共重合体、あるいはそれらの混合物である請求項1
    記載のポリプロピレン系熱収縮性フィルム。
  3. 【請求項3】 プロピレン−α−オレフィン共重合体
    (B)が、ビカット軟化点が80〜115℃、MFR
    (230℃、2.16kg)が2.0〜9.0g/10
    分である請求項1あるいは請求項2に記載のポリプロピ
    レン系熱収縮性フィルム。
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