JP3452033B2 - 導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品 - Google Patents

導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品

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JP3452033B2 JP2000204096A JP2000204096A JP3452033B2 JP 3452033 B2 JP3452033 B2 JP 3452033B2 JP 2000204096 A JP2000204096 A JP 2000204096A JP 2000204096 A JP2000204096 A JP 2000204096A JP 3452033 B2 JP3452033 B2 JP 3452033B2
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    • HELECTRICITY
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    • H05K1/00Printed circuits
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    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ペーストお
よび積層セラミック電子部品に関するもので、特に、積
層セラミック電子部品の内部電極として有利に用いられ
る導電性ペーストおよび積層セラミックコンデンサに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層セラミックコンデンサな
どの積層セラミック電子部品は、複数の積層されたセラ
ミック層と、これらセラミック層間の特定の界面に沿っ
て形成された少なくとも1つの内部電極と、を含む積層
体を備えている。
【0003】このような積層セラミック電子部品におい
て、一般に内部電極は、導電粉末ならびに有機ビヒクル
を溶剤中に分散させた導電性ペーストを印刷し焼成する
ことによって形成される。より詳細には、積層セラミッ
ク電子部品を製造するにあたり、焼成によりセラミック
層となるセラミックグリーンシートの特定のものの上
に、内部電極となるべき導電性ペーストを印刷して電極
塗膜を形成した後、これら複数のセラミックグリーンシ
ートを積層し、プレスで圧着した後に焼成することで、
セラミック層の焼結と同時に内部電極の焼結が達成さ
れ、内部電極を備えるセラミック積層体が形成される。
このとき、内部電極を構成する導電粉末の融点はセラミ
ックの焼成温度より高いことを要する。導電粉末の融点
がセラミックの焼成温度よりも低い場合、導電粉末は焼
成途中で溶融して焼成後の内部電極に切れが生じ、カバ
レッジ低下の原因となる。したがって、内部電極を構成
する導電粉末としては、Pt,Pd,W,Nb,Ni等
が選択でき、加えて低コスト化を実現する場合、導電粉
末としては卑金属であるNiが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Niの
ような卑金属を内部電極として用いる積層セラミック電
子部品において、セラミック層の薄層化および多層化が
進むと、印刷形成された電極塗膜と生のセラミック層の
焼成時における収縮の差や熱膨張率の差によって、内部
電極とセラミック層との界面に残留応力が大きく生じ、
この影響により積層セラミック電子部品の耐熱衝撃性が
悪くなるという問題がある。また、高温・高湿下におけ
る信頼性、いわゆる耐湿負荷特性についても、セラミッ
ク層の薄膜化および多層化が進むと、同様に悪くなると
いう問題が生じる。
【0005】また、セラミック層1層の厚みを薄くする
のに伴い、内部電極の薄層化を図る必要があるが、その
ためには内部電極を形成するための導電性ペースト中の
導電粉末の粒径をより微細にする必要がある。しかしな
がら、導電粉末の粒径をより微細にすると、焼成時に導
電粉末の焼結による内部電極の収縮がより低温で起きる
ため、デラミネーションを引き起こしやすいという問題
が生じる。
【0006】後者の問題を解決するために、例えば、特
公平7−56850号公報において、アルミノシリケー
ト層によってNi内部電極とセラミック層とを接合した
積層セラミックコンデンサが開示されている。しかし、
この積層セラミックコンデンサは、前者の問題の改善、
すなわち耐熱衝撃性の改善を考慮したものではない。
【0007】また、特開平8−259847号公報にお
いて、有機ケイ素化合物と水との反応生成物で被覆した
金属粉を用いた導電性ペーストが開示されている。しか
し、この導電性ペーストを積層セラミックコンデンサの
内部電極用として用いると、ペースト中のケイ素とセラ
ミックとが反応してセラミックの異常粒成長が起こり、
前者の問題の改善、耐熱衝撃性の改善には効果がない。
【0008】本発明の目的は、焼成工程においてデラミ
ネーションが発生せず、耐熱衝撃性と耐湿負荷特性に優
れる導電性ペースト、ならびにこれを用いて内部電極が
形成された積層セラミック電子部品を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の導電性ペーストは、Niを主成分とする導
電粉末と、有機ビヒクルと、Mg,CaおよびBaから
選ばれる少なくとも1種を含み且つ有機酸金属塩,酸化
物粉末,金属有機錯塩およびアルコキシドから選ばれる
少なくとも1種からなる化合物Aと、を含有し、導電粉
末の表面に、Alまたは/およびSiを含む加水分解性
の反応基を有する化合物Bが、付着し、前記化合物Bが
Alを含む場合、前記化合物Aに含有するMg,Caお
よびBaのMgO,CaOおよびBaO換算合計量に対
する、前記化合物Bに含有するAlのAl 2 3 換算合計
量のモル比は、0.5〜4.0であり、かつ、前記化合
物BがSiを含む場合、前記化合物Aに含有するMg,
CaおよびBaのMgO,CaOおよびBaO換算合計
量に対する、前記化合物Bに含有するSiのSiO 2
算合計量のモル比は、0.5〜10.0であることを特
徴とする。
【0010】また、本発明の導電性ペーストは、Niを
主成分とする導電粉末と、有機ビヒクルと、を含有し、
導電粉末の表面に、Mg,CaおよびBaから選ばれる
少なくとも1種を含有して、かつ有機酸金属塩,金属有
機錯塩およびアルコキシドから選ばれる少なくとも1種
からなる化合物Aと、Alまたは/およびSiを含む加
水分解性の反応基を有する化合物Bと、が付着し、前記
化合物BがAlを含む場合、前記化合物Aに含有するM
g,CaおよびBaのMgO,CaOおよびBaO換算
合計量に対する、前記化合物Bに含有するAlのAl 2
3 換算合計量のモル比は、0.5〜4.0であり、か
つ、前記化合物BがSiを含む場合、前記化合物Aに含
有するMg,CaおよびBaのMgO,CaOおよびB
aO換算合計量に対する、前記化合物Bに含有するSi
のSiO 2 換算合計量のモル比は、0.5〜10.0で
ることを特徴とする。
【0011】また、上述の化合物Bの反応基は、アルコ
キシル基であることが好ましい。
【0012】また、上述の化合物Bは、アルコキシドで
あることが好ましい。
【0013】また、上述の化合物Bは、アルミニウムキ
レート化合物,アルミニウムアルコキシド,シランモノ
マー,シリコンアルコキシドから選ばれる少なくとも1
種を含有することが好ましい。
【0014】また、上述の化合物Bの付着量は、導電粉
末100重量%に対してSiO2およびAl23換算で
0.1〜5.0重量%であることが好ましい。
【0015】
【0016】本発明の積層セラミック電子部品は、複数
の積層されたセラミック層と、セラミック層間の特定の
界面に沿って形成された内部電極とを含む、セラミック
積層体とを備える、積層セラミック電子部品であって、
内部電極は、本発明の導電性ペーストを焼成して形成さ
れたものであることを特徴とする。
【0017】また、本発明の積層セラミック電子部品
は、上述の積層体の端面上の互いに異なる位置に設けら
れる複数の端子電極をさらに備え、複数の内部電極は、
何れかの端子電極に電気的に接続されているように形成
されていることを特徴とする。
【0018】また、本発明の積層セラミック電子部品に
おけるセラミック層は、チタン酸バリウムを主成分とす
る誘電体セラミックからなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の導電性ペーストは、化合
物Aと化合物Bを含み、少なくとも化合物Bは導電粉末
の表面に加水分解により付着されていることを要する。
そこで、導電粉末の表面に対して化合物Bを付着させる
処理方法の一つの実施形態について、以下に説明する。
なお、本発明の導電性ペーストおよび積層セラミック電
子部品は、以下の一つの実施形態によって得られること
に限定されない。
【0020】まず、導電粉末として、例えばNi粉末を
準備する。なお、導電粉末としては、Niを主成分とす
るもの、例えばNiの他、Cu,Ag,Au,Pt,P
dおよびそれらの合金等を含有するものを適宜選択して
用いることができる。なお、導電粉末の平均粒径につい
ては、特に限定はしないが、一般に導電粉末が微粒であ
ると、導電粉末の焼結による内部電極の収縮がより低温
で起こるため、デラミネーションを引き起こしやすい
が、本発明によればこれを抑制することができることに
鑑みて、導電粉末の平均粒径が10〜200nmである
とき、本発明の効果は顕著となる。
【0021】次いで、導電粉末をアルコール等の有機溶
媒中へ分散させて、懸濁液を作製する。平均粒径が1μ
m未満の導電粉末を用いる場合には、分散を促進するた
めに攪拌するのは有効であり、必要に応じて超音波式の
ホモジナイザー等の分散機を利用してもよい。
【0022】次いで、化合物Bを上述の懸濁液中に添加
して分散させる。化合物Bは、Alまたは/およびSi
を含む加水分解性の反応基を有することを要する。化合
物Bは、具体的には、アルミニウムキレート化合物,ア
ルミニウムアルコキシド,シランモノマー,シリコンア
ルコキシドから選ばれる少なくとも1種を含有すること
が好ましく、さらに具体的には、例えば、トリ−i−プ
ロポキシアルミニウム,トリ−n−ブトキシアルミニウ
ム,ジ−i−プロポキシアセトアルコキシアルミニウ
ム,ジ−i−プロポキシエチルアセトアセテートアルミ
ニウム等のアルミニウムアルコキシド、ならびにテトラ
エトキシシラン,テトラメトキシシラン,メチルトリエ
トキシシラン,ジメチルエトキシシラン等のシリコンア
ルコキシド等が挙げられる。
【0023】次いで、懸濁液中に水を滴下し、化合物B
の加水分解を行う。加水分解反応の速い化合物Bを用い
た場合は、滴下に際して必要に応じて水を有機溶媒で希
釈した混合液、あるいはアミン類やカルボン酸類等のキ
レート剤を適量添加した混合液を用いることが好まし
い。また、加水分解反応の遅い化合物Bを用いた場合に
は、水とともに鉱酸類あるいはアンモニア水等の加水分
解触媒を適量添加した混合液を用いることが好ましい。
【0024】なお、化合物Bに加えて、化合物Aをも導
電粉末に付着させる場合には、上述の化合物Bを懸濁液
中に添加して分散させる際に、同じく化合物Aをも懸濁
液中に添加して分散させる。化合物Aは、Mg,Caお
よびBaから選ばれる少なくとも1種を含み且つ有機酸
金属塩,金属有機錯塩およびアルコキシドから選ばれる
少なくとも1種からなることを要する。
【0025】化合物Aは、具体的には、例えば、ギ酸マ
グネシウム,酢酸マグネシウム,乳酸マグネシウム,ス
テアリン酸マグネシウム,オクチル酸マグネシウム,ギ
酸カルシウム,酢酸カルシウム,乳酸カルシウム,ステ
アリン酸カルシウム,オクチル酸カルシウム,ギ酸バリ
ウム,酢酸バリウム,乳酸バリウム,ステアリン酸バリ
ウム,オクチル酸バリウム等の有機酸金属塩、マグネシ
ウムアセチルアセトネート,カルシウムアセチルアセト
ネート,バリウムアセチルアセトネート等の金属有機錯
塩およびジ−n−ブトキシマグネシウム,ジエトキシマ
グネシウム,ジエトキシバリウム,ジトリプロポキシバ
リウム等のアルコキシド等が挙げられる。
【0026】なお、化合物Aをも導電粉末に付着させる
場合の、付着形態は特に限定はしないが、例えば化合物
Aがアルコキシド等の加水分解性の反応基を備える場
合、化合物Aが加水分解して導電粉末に付着する。
【0027】次いで、ろ過,デカンテーション等によっ
て溶媒と水の除去を行い、さらに乾燥させて、化合物B
の加水分解生成物、あるいはさらに化合物Aが付着した
導電粉末が得られる。
【0028】なお、本発明の化合物Bの付着量は、導電
粉末100重量%に対してSiO2およびAl23換算
で0.1〜5.0重量%であることが好ましい。上述の
付着量が0.1重量%以上であれば、内部電極とセラミ
ック層との界面に生じる残留応力を低減させる効果が得
られ易くなり、デラミネーションの発生をより確実に抑
制し得る。他方、上述の付着量が5.0重量%以下であ
れば、このような導電性ペーストを印刷し焼成して得ら
れる電極の耐熱衝撃性を改善させる効果が得られ易くな
る。
【0029】また、本発明の化合物Aに含有するMg,
CaおよびBaのMgO,CaOおよびBaO換算合計
量に対する、本発明の化合物Bに含有するSiのSiO
2換算合計量のモル比は、0.5〜10.0である。
述のモル比が0.5以上であれば、内部電極とセラミッ
ク層との界面に生じる残留応力を低減させる効果が得ら
れ易くなり、デラミネーションの発生をより確実に抑制
し得る。他方、上述のモル比が10以下であれば、この
ような導電性ペーストを印刷し焼成して得られる電極の
耐熱衝撃性を改善させる効果が得られ易くなる。
【0030】また、本発明の化合物Aに含有するMg,
CaおよびBaのMgO,CaOおよびBaO換算合計
量に対する、本発明の化合物Bに含有するAlのAl2
3換算合計量のモル比は、0.5〜4.0である。
述のモル比が0.5以上であれば、内部電極とセラミッ
ク層との界面に生じる残留応力を低減させる効果が得ら
れ易くなり、デラミネーションの発生をより確実に抑制
し得る。他方、上述のモル比が4.0以下であれば、こ
のような導電性ペーストを印刷し焼成して得られる電極
の耐熱衝撃性を改善させる効果が得られ易くなる。
【0031】本発明の導電性ペーストの一つの形態とし
ては、例えば上述した方法により表面に化合物Bが付着
した導電粉末と、有機ビヒクルと、化合物Aと、を含有
してなる。また、本発明の導電性ペーストの他の形態と
しては、例えば上述した方法により表面に化合物Aおよ
び化合物Bが付着した導電粉末と、有機ビヒクルと、を
含有してなる。
【0032】なお、本発明の導電性ペーストの製造方法
については、特に限定はしないが、従来より一般的な導
電性ペーストの作製方法と同様に、例えば、導電粉末を
有機ビヒクル中に分散させ混練して作製することができ
る。
【0033】また、本発明の導電性ペーストを作製する
にあたり、化合物Aならびに化合物Bの付着処理を行っ
た導電粉末をそのまま用いても良いが、必要に応じて、
空気中あるいは窒素中において、さらに200〜800
℃において熱処理を行ったものを用いても良い。
【0034】本発明の積層セラミック電子部品の一つの
実施形態について、図1に基づいて詳細に説明する。す
なわち、積層セラミック電子部品1は、セラミック積層
体2と、内部電極3,3と、端子電極4,4と、めっき
膜5,5とを備える。
【0035】セラミック積層体2は、例えば、BaTi
3を主成分とする誘電体材料からなるセラミック層2
aが複数積層された生のセラミック積層体が焼成されて
なる。
【0036】内部電極3,3は、セラミック積層体2内
のセラミック層2a間にあって、複数の生のセラミック
層2a上に本発明の導電性ペーストが印刷され、生のセ
ラミック層と同時焼成されてなり、内部電極3,3のそ
れぞれの端縁は、例えば、セラミック積層体2の何れか
の端面に露出するように形成されている。
【0037】端子電極4,4は、例えば、セラミック積
層体2の端面に内部電極3,3の一端が露出している場
合、これと電気的かつ機械的に接合されるように、端子
電極形成用の導電性ペーストがセラミック積層体2の端
面に塗布され焼付けられてなる。
【0038】めっき膜5,5は、例えば、SnやNi等
の無電解めっきや、はんだめっき等からなり、端子電極
上4,4上に少なくとも1層形成されてなる。
【0039】なお、セラミック積層体2の材料は、上述
の実施形態に限定されることなく、例えばPbZrO3
等その他の誘電体材料や、絶縁体、磁性体、半導体材料
からなっても構わない。
【0040】また、本発明の積層セラミック電子部品の
内部電極3の枚数は、上述の実施形態に限定されること
なく、何層形成されていても構わない。
【0041】また、端子電極4,4は、通常、その材料
となる導電粉末を含む導電性ペーストを焼成後のセラミ
ック積層体2上に塗布して焼き付けることによって形成
されるが、焼成前の生のセラミック積層体上に塗布し
て、セラミック積層体の焼成と同時に焼き付けることに
よって形成されるようにしても構わない。また、端子電
極の形成一ならびに個数は、上述の実施形態に限定され
ない。
【0042】また、めっき膜5,5は、上述の実施形態
に限定されることなく、必ずしも備えている必要はな
く、また何層形成されていても構わない。
【0043】
【実施例】(実施例1)本実施例において、積層セラミ
ック電子部品として、上述の図1に示すような構造の積
層セラミックコンデンサを作製する。
【0044】まず、セラミック層を構成する非還元性誘
電体セラミックとして、組成式{(Ba1-xCax)O}
m(Ti1-yZry)O2で表され、m、xおよびyが、そ
れぞれ、1.005≦m≦1.03、0.02≦x≦
0.22、0<y≦1.20となるセラミックが得られ
るように、平均粒径0.3μmのセラミックの原料粉末
を、秤量、混合および仮焼したものを用意し、これにポ
リビニルブチラール系バインダおよびエタノールなどの
有機溶剤を加えて、ボールミルにより湿式混合し、セラ
ミックスラリーを調製した。しかる後、セラミックスラ
リーをドクターブレード方によりシート成形し、厚み5
μmの矩形のセラミックグリーンシートを得た。
【0045】次いで、化学気相法によって作製したNi
粉末100gを0.2リットルのエタノール中に分散さ
せた懸濁液を、超音波式ホモジナイザーで分散処理した
後、化合物Aである酢酸マグネシウムと、化合物Bであ
るテトラエトキシシランとを所定量準備し、これらを懸
濁液へ溶解させ攪拌し、試料1〜15の混合懸濁液を得
た。
【0046】次いで、ローラーポンプを用いて、試料1
〜15の混合懸濁液に、純水10gとアンモニア水10
gからなる混合液を滴下した後に12時間攪拌して、化
合物Aである酢酸マグネシウムをNi粉末の表面に付着
させ、加えて化合物Bであるテトラエトキシシランを加
水分解させてNi粉末の表面に付着させ、これをデカン
テーションによって固液分離し、沈殿物を120℃で1
2時間乾燥させて、表1に示したSiO2換算含有量,M
gO換算含有量となるテトラエトキシシランの加水分解
生成物ならびに酢酸マグネシウムが付着した試料1〜1
5の導電粉末を得た。
【0047】また、化合物Bであるテトラエトキシシラ
ンを懸濁液中に添加しないことを除いて、上述の試料1
〜15と同様にして、化合物Aである酢酸マグネシウム
のみをNi粉末の表面に付着させて、試料16〜18の
導電粉末を得た。
【0048】次いで、試料1〜18の導電粉末42重量
%と、エチルセルロース系有機バインダー6重部をテル
ピネオール94重量部に溶解して作製した有機ビヒクル
44重量%と、テルピネオール14重量%とを加えて、
ボールミル法により分散混合して、試料1〜18の導電
性ペーストを得た。
【0049】そこで、各試料の、導電粉末100重量%
に対する酸化物モル換算含有重量、SiO2/MgOの
モル比について、表1にまとめた。
【0050】次いで、上述のセラミックグリーンシート
上に、試料1〜18の導電性ペーストをスクリーン印刷
し、内部電極を構成するための導電性ペースト膜を形成
した。この時、スクリーンパターンの厚みを変更するこ
とによって、電極塗布厚(エックス線式膜厚計によるN
i金属換算厚み)を0.5μmに調製した。
【0051】次いで、上述のセラミックグリーンシート
を、導電性ペースト膜の引き出されている側が互い違い
となるように複数積層して得られたセラミック積層体
を、窒素雰囲気中にて300℃の温度に加熱し、有機バ
インダーを燃焼させた後、H2−N2−H2Oガスからな
る還元性雰囲気中において焼成して、試料1〜18のセ
ラミック積層体を得た。なお、焼成工程にて1200℃
で2時間保持し、昇温速度と冷却速度はともに200℃
/hrとした。
【0052】次いで、試料1〜18のセラミック積層体
の両端面に銀を含む導電性ぺーストを塗布し、N2−A
ir雰囲気中において800℃の温度で焼付けし、内部
電極と電気的に接続された端子電極を形成した。次い
で、上述の端子電極上にNiめっき層を形成し、さら
に、このNiめっき層上に半田めっき層を形成して、試
料1〜18の積層セラミックコンデンサを得た。なお、
こうして得られた試料1〜18の積層セラミックコンデ
ンサの外形寸法は、幅が1.6mm、長さが3.2m
m、厚さが1.2mmであり、内部電極の厚みは0.7
μm、内部電極間に介在する誘電体セラミック層の厚み
は3μmで、有効誘電体セラミック層の総数は150個
であった。
【0053】そこで、試料1〜18の積層セラミックコ
ンデンサについて、デラミネーション発生率、比誘電
率、加速寿命試験による平均故障時間を測定し、さらに
評価を付して、これらを表1にまとめた。
【0054】なお、デラミネーション発生率は、各試料
を100個ずつ作製し、長さ方向に直行する平面で切断
して、樹脂で固めた状態で断面を研磨し、研磨断面を顕
微鏡で観察することによって、クラックの有無を検査し
てこれを計数し、全数100個に対する発生割合を求め
た。
【0055】また、加速寿命試験による平均故障時間
は、150℃において10V/mmの直流電解を印可し
ながら、その絶縁抵抗の経時変化を測定し、絶縁抵抗が
105Ωを下回った時点を故障とみなし、全数100個
の故障に至る平均時間を求めた。
【0056】また、評価は、デラミネーション発生率が
0%であり、比誘電率が比較例である試料17,18の
積層セラミックコンデンサよりも高く、かつ平均故障時
間が比較例である試料17,18の積層セラミックコン
デンサよりも長い試料については、本発明の特に好まし
い範囲内の試料として◎を付し、比誘電率のみ比較例で
ある試料17,18の積層セラミックコンデンサより低
い試料については、○を付し、比誘電率または平均故障
時間が上述の◎○である試料と比較すると低い水準にあ
るが、比較例である試料17,18の積層セラミックコ
ンデンサと比較して優れた効果を備える試料について
、△を付し、比較例の試料については×を付した。
して、試料番号2,3,6,7,10,11,14,1
5が、本発明の範囲内の試料である。
【0057】
【表1】
【0058】表1から明らかであるように、導電粉末1
00重量%に対して、化合物Bであるテトラエトキシシ
ランを加水分解させてSiO2換算で0.1〜5.0重
量%付着させ、かつ化合物Aである酢酸マグネシウムに
含有するMgのMgO換算量に対する、化合物Bである
テトラエトキシシランに含有するSiのSiO2換算量
のモル比が0.5〜10.0の範囲内である、試料2,
3,6,7,10,11の積層セラミックコンデンサ
は、デラミネーション発生率が何れも0%であり、比誘
電率が3030〜3360であり、比較例である試料1
7の積層セラミックコンデンサの比誘電率2150と比
較して十分に高く、かつ加速寿命試験の平均故障時間が
73〜90時間であり、比較例である試料18の積層セ
ラミックコンデンサの平均故障時間3時間と比較して極
めて長いことから、本発明の特に好ましい範囲内となっ
た。
【0059】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるテトラエトキシシランを加水分解させてS
iO2換算で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合
物Aである酢酸マグネシウムに含有するMgのMgO換
算量に対する、化合物Bであるテトラエトキシシランに
含有するSiのSiO2換算量のモル比が0.5を下回
る、試料1,5,9の積層セラミックコンデンサは、比
誘電率が1750〜2090であり、比較例である試料
17の積層セラミックコンデンサの比誘電率2150と
比較して僅かに劣るが、積層セラミックコンデンサの比
誘電率としては許容可能な範囲内であり、またデラミネ
ーション発生率は何れも0%であり、かつ加速寿命試験
の平均故障時間が72〜76時間であり、比較例である
試料18の積層セラミックコンデンサの平均故障時間3
時間と比較して極めて長い。
【0060】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるテトラエトキシシランを加水分解させてS
iO2換算で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合
物Aである酢酸マグネシウムに含有するMgのMgO換
算量に対する、化合物Bであるテトラエトキシシランに
含有するSiのSiO2換算量のモル比が10.0を上
回る、試料4,8,12の積層セラミックコンデンサ
は、加速寿命試験の平均故障時間が27〜36時間であ
り、上述した本発明の特に好ましい範囲の試料2,3,
6,7,10,11の積層セラミックコンデンサと比較
すると短く劣るが、比較例である試料18の積層セラミ
ックコンデンサの平均故障時間3時間と比較して十分に
長く、またデラミネーション発生率は何れも0%であ
り、かつ比誘電率が2380〜3110であり、比較例
である試料17の積層セラミックコンデンサの比誘電率
2150と比較して十分に高い。
【0061】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるテトラエトキシシランを加水分解させてS
iO2換算で7.0重量%付着させた試料13〜15の
積層セラミックコンデンサは、比誘電率が1480〜1
590であり、比較例である試料17の積層セラミック
コンデンサの比誘電率2150と比較して劣り、また加
速寿命試験の平均故障時間が20〜27時間であり、上
述した本発明の特に好ましい範囲の試料2,3,6,
7,10,11の積層セラミックコンデンサと比較する
と短く劣るが、積層セラミックコンデンサの比誘電率と
しては許容可能な範囲内であり、また比較例である試料
18の積層セラミックコンデンサの平均故障時間3時間
と比較して十分に長く、またデラミネーション発生率は
何れも0%である。
【0062】これに対して、化合物Bを加水分解させて
Ni粉末に付着させなかった、試料16〜18の積層セ
ラミックコンデンサは、デラミネーション発生率が55
〜100%で高く劣り、加速寿命試験の平均故障時間は
測定不能〜3時間で極めて低く劣った。なお、試料16
の積層セラミックコンデンサは、デラミネーション発生
率が100%となったため、比誘電率ならびに平均故障
時間を測定することができなかった。
【0063】(実施例2)化合物Aとしてオクチル酸カ
ルシウムを、化合物Bとしてメチルトリエトキシシラン
を用いたことを除いて、実施例1と実質的に同様の製造
方法によって試料19〜36の導電粉末を作製し、試料
19〜36の積層セラミックコンデンサを作製した。な
お、各試料の、導電粉末100重量%に対する酸化物モ
ル換算含有重量、SiO2/CaOのモル比について
は、表2に示す通りである。
【0064】そこで、試料19〜36の積層セラミック
コンデンサについて、デラミネーション発生率、比誘電
率、加速寿命試験による平均故障時間を測定し、さらに
評価を付して、これらを表2にまとめた。なお、各測定
ならびに評価の方法は、実施例1と同様に行なった。
して、試料番号20,21,24,25,28,29,
32,33が、本発明の範囲内の試料である。
【0065】
【表2】
【0066】表2から明らかであるように、導電粉末1
00重量%に対して、化合物Bであるメチルトリエトキ
シシランをSiO2換算で0.1〜5.0重量%付着さ
せ、かつ化合物Aであるオクチル酸カルシウムに含有す
るCaのCaO換算量に対する、化合物Bであるメチル
トリエトキシシランに含有するSiのSiO2換算量の
モル比が0.5〜10.0の範囲内である、試料20,
21,24,25,28,29の積層セラミックコンデ
ンサは、デラミネーション発生率が何れも0%であり、
比誘電率が3030〜3360であり、比較例である試
料35の積層セラミックコンデンサの比誘電率2050
と比較して十分に高く、かつ加速寿命試験の平均故障時
間が73〜90時間であり、比較例である試料36の積
層セラミックコンデンサの平均故障時間3時間と比較し
て極めて長いことから、本発明の特に好ましい範囲内と
なった。
【0067】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物BであるメチルトリエトキシシランをSiO2換算
で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合物Aである
オクチル酸カルシウムに含有するCaのCaO換算量に
対する、化合物Bであるメチルトリエトキシシランに含
有するSiのSiO2換算量のモル比が0.5を下回
る、試料19,23,27の積層セラミックコンデンサ
は、比誘電率が1750〜2010であり、比較例であ
る試料35の積層セラミックコンデンサの比誘電率20
50と比較して僅かに劣るが、積層セラミックコンデン
サの比誘電率としては許容可能な範囲内であり、またデ
ラミネーション発生率は何れも0%であり、かつ加速寿
命試験の平均故障時間が72〜76時間であり、比較例
である試料18の積層セラミックコンデンサの平均故障
時間3時間と比較して極めて長い。
【0068】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物BであるメチルトリエトキシシランをSiO2換算
で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合物Aである
オクチル酸カルシウムに含有するCaのCaO換算量に
対する、化合物Bであるメチルトリエトキシシランに含
有するSiのSiO2換算量のモル比が10.0を上回
る、試料22,26,30の積層セラミックコンデンサ
は、加速寿命試験の平均故障時間が27〜34時間であ
り、上述した本発明の特に好ましい範囲の試料20,2
1,24,25,28,29の積層セラミックコンデン
サと比較すると短く劣るが、比較例である試料36の積
層セラミックコンデンサの平均故障時間3時間と比較し
て十分に長く、またデラミネーション発生率は何れも0
%であり、かつ比誘電率が2900〜3380であり、
比較例である試料17の積層セラミックコンデンサの比
誘電率2050と比較して十分に高い。
【0069】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるメチルトリエトキシシランを加水分解させ
てSiO2換算で7.0重量%付着させた試料31〜3
3の積層セラミックコンデンサは、比誘電率が1480
〜1580であり、比較例である試料35の積層セラミ
ックコンデンサの比誘電率2050と比較して劣り、ま
た加速寿命試験の平均故障時間が20〜25時間であ
り、上述した本発明の特に好ましい範囲の試料20,2
1,24,25,28,29の積層セラミックコンデン
サと比較すると短く劣るが、積層セラミックコンデンサ
の比誘電率としては許容可能な範囲内であり、また比較
例である試料36の積層セラミックコンデンサの平均故
障時間3時間と比較して十分に長く、またデラミネーシ
ョン発生率は何れも0%である。
【0070】これに対して、化合物BをNi粉末に付着
させなかった、試料34〜36の積層セラミックコンデ
ンサは、デラミネーション発生率が55〜100%で高
く劣り、加速寿命試験の平均故障時間は測定不能〜3時
間で極めて低く劣った。なお、試料34の積層セラミッ
クコンデンサは、デラミネーション発生率が100%と
なったため、比誘電率ならびに平均故障時間を測定する
ことができなかった。
【0071】(実施例3)化合物Aとしてアセチルアセ
トナトバリウムを、化合物Bとしてビニルトリエトキシ
シランを用いたことを除いて、実施例1と実質的に同様
の製造方法によって試料37〜54の導電粉末を作製
し、試料37〜54の積層セラミックコンデンサを作製
した。なお、各試料の、導電粉末100重量%に対する
酸化物モル換算含有重量、SiO2/BaOのモル比に
ついては、表2に示す通りである。
【0072】そこで、試料37〜54の積層セラミック
コンデンサについて、デラミネーション発生率、比誘電
率、加速寿命試験による平均故障時間を測定し、さらに
評価を付して、これらを表3にまとめた。なお、各測定
ならびに評価の方法は、実施例1と同様に行なった。
して、試料番号38,39,42,43,46,47,
50,51が、本発明の範囲内の試料である。
【0073】
【表3】
【0074】表3から明らかであるように、導電粉末1
00重量%に対して、化合物Bであるビニルトリエトキ
シシランをSiO2換算で0.1〜5.0重量%付着さ
せ、かつ化合物Aであるアセチルアセトナトバリウムに
含有するBaのBaO換算量に対する、化合物Bである
ビニルトリエトキシシランに含有するSiのSiO2
算量のモル比が0.5〜4.0の範囲内である、試料3
8,39,42,43,46,47の積層セラミックコ
ンデンサは、デラミネーション発生率が何れも0%であ
り、比誘電率が3010〜3360であり、比較例であ
る試料53の積層セラミックコンデンサの比誘電率21
40と比較して十分に高く、かつ加速寿命試験の平均故
障時間が73〜80時間であり、比較例である試料54
の積層セラミックコンデンサの平均故障時間3時間と比
較して極めて長いことから、本発明の特に好ましい範囲
内となった。
【0075】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物BであるビニルトリエトキシシランをSiO2換算
で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合物Aである
アセチルアセトナトバリウムに含有するBaのBaO換
算量に対する、化合物Bであるビニルトリエトキシシラ
ンに含有するSiのSiO2換算量のモル比が0.5を
下回る、試料37,41,45の積層セラミックコンデ
ンサは、比誘電率が1750〜2070であり、比較例
である試料53の積層セラミックコンデンサの比誘電率
2140と比較して僅かに劣るが、積層セラミックコン
デンサの比誘電率としては許容可能な範囲内であり、ま
たデラミネーション発生率は何れも0%であり、かつ加
速寿命試験の平均故障時間が72〜76時間であり、比
較例である試料54の積層セラミックコンデンサの平均
故障時間3時間と比較して極めて長い。
【0076】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物BであるビニルトリエトキシシランをSiO2換算
で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合物Aである
アセチルアセトナトバリウムに含有するBaのBaO換
算量に対する、化合物Bであるビニルトリエトキシシラ
ンに含有するSiのSiO2換算量のモル比が10.0
を上回る、試料40,44,48の積層セラミックコン
デンサは、加速寿命試験の平均故障時間が24〜36時
間であり、上述した本発明の特に好ましい範囲の試料3
8,39,42,43,46,47の積層セラミックコ
ンデンサと比較すると短く劣るが、比較例である試料5
4の積層セラミックコンデンサの平均故障時間3時間と
比較して十分に長く、またデラミネーション発生率は何
れも0%であり、かつ比誘電率が2380〜2900で
あり、比較例である試料53の積層セラミックコンデン
サの比誘電率2140と比較して十分に高い。
【0077】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるビニルトリエトキシシランを加水分解させ
てSiO2換算で7.0重量%付着させた試料49〜5
1の積層セラミックコンデンサは、比誘電率が1480
〜1520であり、比較例である試料53の積層セラミ
ックコンデンサの比誘電率2140と比較して劣り、ま
た加速寿命試験の平均故障時間が20〜25時間であ
り、上述した本発明の特に好ましい範囲の試料38,3
9,42,43,46,47の積層セラミックコンデン
サと比較すると短く劣るが、積層セラミックコンデンサ
の比誘電率としては許容可能な範囲内であり、また比較
例である試料54の積層セラミックコンデンサの平均故
障時間3時間と比較して十分に長く、またデラミネーシ
ョン発生率は何れも0%である。
【0078】これに対して、化合物BをNi粉末に付着
させなかった、試料52〜54の積層セラミックコンデ
ンサは、デラミネーション発生率が59〜100%で高
く劣り、加速寿命試験の平均故障時間は測定不能〜3時
間で極めて低く劣った。なお、試料52の積層セラミッ
クコンデンサは、デラミネーション発生率が100%と
なったため、比誘電率ならびに平均故障時間を測定する
ことができなかった。
【0079】(実施例4)化合物Aとしてオクチル酸マ
グネシウムを、化合物Bとしてトリイソプロポキシアル
ミニウムを用いたことを除いて、実施例1と実質的に同
様の製造方法によって試料55〜72の導電粉末を作製
し、試料55〜72の積層セラミックコンデンサを作製
した。なお、各試料の、導電粉末100重量%に対する
酸化物モル換算含有重量、Al23/MgOのモル比に
ついては、表2に示す通りである。
【0080】そこで、試料55〜72の積層セラミック
コンデンサについて、デラミネーション発生率、比誘電
率、加速寿命試験による平均故障時間を測定し、さらに
評価を付して、これらを表4にまとめた。なお、各測定
ならびに評価の方法は、実施例1と同様に行なった。
して、試料番号56,57,60,61,64,65,
68,69が、本発明の範囲内の試料である。
【0081】
【表4】
【0082】表4から明らかであるように、導電粉末1
00重量%に対して、化合物Bであるトリイソプロポキ
シアルミニウムをAl23換算で0.1〜5.0重量%
付着させ、かつ化合物Aであるオクチル酸マグネシウム
に含有するMgのMgO換算量に対する、化合物Bであ
るトリイソプロポキシアルミニウムに含有するAlのA
23換算量のモル比が0.5〜4.0の範囲内であ
る、試料56,57,60,61,64,65の積層セ
ラミックコンデンサは、デラミネーション発生率が何れ
も0%であり、比誘電率が3130〜3480であり、
比較例である試料71の積層セラミックコンデンサの比
誘電率2140と比較して十分に高く、かつ加速寿命試
験の平均故障時間が72〜83時間であり、比較例であ
る試料72の積層セラミックコンデンサの平均故障時間
3時間と比較して極めて長いことから、本発明の特に好
ましい範囲内となった。
【0083】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物BであるトリイソプロポキシアルミニウムをAl2
3換算で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合物
Aであるオクチル酸マグネシウムに含有するMgのMg
O換算量に対する、化合物Bであるトリイソプロポキシ
アルミニウムに含有するAlのAl23換算量のモル比
が0.5を下回る、試料55,59,63の積層セラミ
ックコンデンサは、比誘電率が2050〜2120であ
り、比較例である試料71の積層セラミックコンデンサ
の比誘電率2140と比較して僅かに劣るが、積層セラ
ミックコンデンサの比誘電率としては許容可能な範囲内
であり、またデラミネーション発生率は何れも0%であ
り、かつ加速寿命試験の平均故障時間が79〜81時間
であり、比較例である試料72の積層セラミックコンデ
ンサの平均故障時間3時間と比較して極めて長い。
【0084】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物BであるトリイソプロポキシアルミニウムをAl2
3換算で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合物
Aであるオクチル酸マグネシウムに含有するMgのMg
O換算量に対する、化合物Bであるトリイソプロポキシ
アルミニウムに含有するAlのAl23換算量のモル比
が4.0を上回る、試料58,62,66の積層セラミ
ックコンデンサは、加速寿命試験の平均故障時間が32
〜41時間であり、上述した本発明の特に好ましい範囲
の試料56,57,60,61,64,65の積層セラ
ミックコンデンサと比較すると短く劣るが、比較例であ
る試料72の積層セラミックコンデンサの平均故障時間
3時間と比較して十分に長く、またデラミネーション発
生率は何れも0%であり、かつ比誘電率が2600〜3
210であり、比較例である試料71の積層セラミック
コンデンサの比誘電率2140と比較して十分に高い。
【0085】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるトリイソプロポキシアルミニウムを加水分
解させてAl23換算で7.0重量%付着させた試料6
7〜69の積層セラミックコンデンサは、比誘電率が1
680〜3120であり、比較例である試料71の積層
セラミックコンデンサの比誘電率2140と比較して試
料69が劣り、また加速寿命試験の平均故障時間が22
〜29時間であり、上述した本発明の特に好ましい範囲
の試料56,57,60,61,64,65の積層セラ
ミックコンデンサと比較すると短く劣るが、積層セラミ
ックコンデンサの比誘電率としては許容可能な範囲内で
あり、また比較例である試料72の積層セラミックコン
デンサの平均故障時間3時間と比較して十分に長く、ま
たデラミネーション発生率は何れも0%である。
【0086】これに対して、化合物BをNi粉末に付着
させなかった、試料70〜72の積層セラミックコンデ
ンサは、デラミネーション発生率が52〜100%で高
く劣り、加速寿命試験の平均故障時間は測定不能〜3時
間で極めて低く劣った。なお、試料70の積層セラミッ
クコンデンサは、デラミネーション発生率が100%と
なったため、比誘電率ならびに平均故障時間を測定する
ことができなかった。
【0087】(実施例5)化合物Aとしてギ酸カルシウ
ムを、化合物Bとしてジイソプロポキシアセトアルコキ
シアルミニウムを用いたことを除いて、実施例1と実質
的に同様の製造方法によって試料73〜90の導電粉末
を作製し、試料73〜90の積層セラミックコンデンサ
を作製した。なお、各試料の、導電粉末100重量%に
対する酸化物モル換算含有重量、Al23/CaOのモ
ル比については、表2に示す通りである。
【0088】そこで、試料73〜90の積層セラミック
コンデンサについて、デラミネーション発生率、比誘電
率、加速寿命試験による平均故障時間を測定し、さらに
評価を付して、これらを表5にまとめた。なお、各測定
ならびに評価の方法は、実施例1と同様に行なった。
して、試料番号74,75,78,79,82,83,
86,87が、本発明の範囲内の試料である。
【0089】
【表5】
【0090】表5から明らかであるように、導電粉末1
00重量%に対して、化合物Bであるジイソプロポキシ
アセトアルコキシアルミニウムをAl23換算で0.1
〜5.0重量%付着させ、かつ化合物Aであるギ酸カル
シウムに含有するCaのCaO換算量に対する、化合物
Bであるジイソプロポキシアセトアルコキシアルミニウ
ムに含有するAlのAl23換算量のモル比が0.5〜
4.0の範囲内である、試料74,75,78,79,
82,83の積層セラミックコンデンサは、デラミネー
ション発生率が何れも0%であり、比誘電率が3130
〜3280であり、比較例である試料89の積層セラミ
ックコンデンサの比誘電率2140と比較して十分に高
く、かつ加速寿命試験の平均故障時間が72〜82時間
であり、比較例である試料90の積層セラミックコンデ
ンサの平均故障時間3時間と比較して極めて長いことか
ら、本発明の特に好ましい範囲内となった。
【0091】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるジイソプロポキシアセトアルコキシアルミ
ニウムをAl23換算で0.1〜5.0重量%付着さ
せ、かつ化合物Aであるギ酸カルシウムに含有するCa
のCaO換算量に対する、化合物Bであるジイソプロポ
キシアセトアルコキシアルミニウムに含有するAlのA
23換算量のモル比が0.5を下回る、試料73,7
7,81の積層セラミックコンデンサは、比誘電率が2
060〜2110であり、比較例である試料89の積層
セラミックコンデンサの比誘電率2140と比較して僅
かに劣るが、積層セラミックコンデンサの比誘電率とし
ては許容可能な範囲内であり、またデラミネーション発
生率は何れも0%であり、かつ加速寿命試験の平均故障
時間が何れも79時間であり、比較例である試料90の
積層セラミックコンデンサの平均故障時間3時間と比較
して極めて長い。
【0092】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるジイソプロポキシアセトアルコキシアルミ
ニウムをAl23換算で0.1〜5.0重量%付着さ
せ、かつ化合物Aであるギ酸カルシウムに含有するCa
のCaO換算量に対する、化合物Bであるジイソプロポ
キシアセトアルコキシアルミニウムに含有するAlのA
23換算量のモル比が4.0を上回る、試料76,8
0,84の積層セラミックコンデンサは、加速寿命試験
の平均故障時間が29〜40時間であり、上述した本発
明の特に好ましい範囲の試料74,75,78,79,
82,83の積層セラミックコンデンサと比較すると短
く劣るが、比較例である試料90の積層セラミックコン
デンサの平均故障時間3時間と比較して十分に長く、ま
たデラミネーション発生率は何れも0%であり、かつ比
誘電率が2620〜3200であり、比較例である試料
89の積層セラミックコンデンサの比誘電率2140と
比較して十分に高い。
【0093】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるジイソプロポキシアセトアルコキシアルミ
ニウムを加水分解させてAl23換算で7.0重量%付
着させた試料85〜87の積層セラミックコンデンサ
は、比誘電率が1350であり、比較例である試料89
の積層セラミックコンデンサの比誘電率2140と比較
して試料85が劣り、また加速寿命試験の平均故障時間
が20〜28時間であり、上述した本発明の特に好まし
い範囲の試料74,75,78,79,82,83の積
層セラミックコンデンサと比較すると短く劣るが、積層
セラミックコンデンサの比誘電率としては許容可能な範
囲内であり、また比較例である試料90の積層セラミッ
クコンデンサの平均故障時間3時間と比較して十分に長
く、またデラミネーション発生率は何れも0%である。
【0094】これに対して、化合物BをNi粉末に付着
させなかった、試料88〜90の積層セラミックコンデ
ンサは、デラミネーション発生率が54〜100%で高
く劣り、加速寿命試験の平均故障時間は測定不能〜3時
間で極めて低く劣った。なお、試料88の積層セラミッ
クコンデンサは、デラミネーション発生率が100%と
なったため、比誘電率ならびに平均故障時間を測定する
ことができなかった。
【0095】(実施例6)化合物Aとしてアセチルアセ
トナトバリウムを、化合物Bとしてトリブトキシアルミ
ニウムを用いたことを除いて、実施例1と実質的に同様
の製造方法によって試料91〜108の導電粉末を作製
し、試料91〜108の積層セラミックコンデンサを作
製した。なお、各試料の、導電粉末100重量%に対す
る酸化物モル換算含有重量、Al23/BaOのモル比
については、表2に示す通りである。
【0096】そこで、試料91〜108の積層セラミッ
クコンデンサについて、デラミネーション発生率、比誘
電率、加速寿命試験による平均故障時間を測定し、さら
に評価を付して、これらを表6にまとめた。なお、各測
定ならびに評価の方法は、実施例1と同様に行なった。
そして、試料番号92,93,96,97,101,1
02,104,105が、本発明の範囲内の試料であ
る。
【0097】
【表6】
【0098】表6から明らかであるように、導電粉末1
00重量%に対して、化合物Bであるトリブトキシアル
ミニウムをAl23換算で0.1〜5.0重量%付着さ
せ、かつ化合物Aであるアセチルアセトナトバリウムに
含有するBaのBaO換算量に対する、化合物Bである
トリブトキシアルミニウムに含有するAlのAl23
算量のモル比が0.5〜4.0の範囲内である、試料9
2,93,96,97,100,101の積層セラミッ
クコンデンサは、デラミネーション発生率が何れも0%
であり、比誘電率が3080〜3140であり、比較例
である試料107の積層セラミックコンデンサの比誘電
率2140と比較して十分に高く、かつ加速寿命試験の
平均故障時間が70〜83時間であり、比較例である試
料108の積層セラミックコンデンサの平均故障時間3
時間と比較して極めて長いことから、本発明の特に好ま
しい範囲内となった。
【0099】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物BであるトリブトキシアルミニウムをAl23換算
で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合物Aである
アセチルアセトナトバリウムに含有するBaのBaO換
算量に対する、化合物Bであるトリブトキシアルミニウ
ムに含有するAlのAl23換算量のモル比が0.5を
下回る、試料91,95,99の積層セラミックコンデ
ンサは、比誘電率が1520〜2110であり、比較例
である試料107の積層セラミックコンデンサの比誘電
率2140と比較して僅かに劣るが、積層セラミックコ
ンデンサの比誘電率としては許容可能な範囲内であり、
またデラミネーション発生率は何れも0%であり、かつ
加速寿命試験の平均故障時間が77〜85時間であり、
比較例である試料108の積層セラミックコンデンサの
平均故障時間3時間と比較して極めて長い。
【0100】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物BであるトリブトキシアルミニウムをAl23換算
で0.1〜5.0重量%付着させ、かつ化合物Aである
アセチルアセトナトバリウムに含有するBaのBaO換
算量に対する、化合物Bであるトリブトキシアルミニウ
ムに含有するAlのAl23換算量のモル比が4.0を
上回る、試料94,98,102の積層セラミックコン
デンサは、加速寿命試験の平均故障時間が30〜36時
間であり、上述した本発明の特に好ましい範囲の試料9
2,93,96,97,100,101の積層セラミッ
クコンデンサと比較すると短く劣るが、比較例である試
料108の積層セラミックコンデンサの平均故障時間3
時間と比較して十分に長く、またデラミネーション発生
率は何れも0%であり、かつ比誘電率が2600〜31
30であり、比較例である試料107の積層セラミック
コンデンサの比誘電率2140と比較して十分に高い。
【0101】また、導電粉末100重量%に対して、化
合物Bであるトリブトキシアルミニウムを加水分解させ
てAl23換算で7.0重量%付着させた試料103〜
105の積層セラミックコンデンサは、比誘電率が14
80〜3020であり、比較例である試料107の積層
セラミックコンデンサの比誘電率2140と比較して試
料103,104が劣り、また加速寿命試験の平均故障
時間が18〜26時間であり、上述した本発明の特に好
ましい範囲の試料92,93,96,97,100,1
01の積層セラミックコンデンサと比較すると短く劣る
が、積層セラミックコンデンサの比誘電率としては許容
可能な範囲内であり、また比較例である試料108の積
層セラミックコンデンサの平均故障時間3時間と比較し
て十分に長く、またデラミネーション発生率は何れも0
%である。
【0102】これに対して、化合物BをNi粉末に付着
させなかった、試料106〜108の積層セラミックコ
ンデンサは、デラミネーション発生率が59〜100%
で高く劣り、加速寿命試験の平均故障時間は測定不能〜
3時間で極めて低く劣った。なお、試料106の積層セ
ラミックコンデンサは、デラミネーション発生率が10
0%となったため、比誘電率ならびに平均故障時間を測
定することができなかった。
【0103】
【発明の効果】以上のように、本発明の導電性ペースト
によれば、Niを主成分とする導電粉末と、有機ビヒク
ルと、Mg,CaおよびBaから選ばれる少なくとも1
種を含み且つ有機酸金属塩,金属有機錯塩およびアルコ
キシドから選ばれる少なくとも1種からなる化合物A
と、を含有し、導電粉末の表面に、Alまたは/および
Siを含む加水分解性の反応基を有する化合物Bが、付
着し、前記化合物BがAlを含む場合、前記化合物Aに
含有するMg,CaおよびBaのMgO,CaOおよび
BaO換算合計量に対する、前記化合物Bに含有するA
lのAl 2 3 換算合計量のモル比は、0.5〜4.0で
あり、かつ、前記化合物BがSiを含む場合、前記化合
物Aに含有するMg,CaおよびBaのMgO,CaO
およびBaO換算合計量に対する、前記化合物Bに含有
するSiのSiO 2 換算合計量のモル比は、0.5〜1
0.0であることを特徴とすることで、例えば、積層セ
ラミック電子部品の内部電極を形成するために用いられ
る場合に、焼成工程においてデラミネーションが発生せ
ず、耐熱衝撃性と耐湿負荷特性に優れる積層セラミック
電子部品が得られる効果がある。
【0104】また、同様に本発明の導電性ペーストによ
れば、Niを主成分とする導電粉末と、有機ビヒクル
と、を含有し、導電粉末の表面に、Mg,CaおよびB
aから選ばれる少なくとも1種を含有して、かつ有機酸
金属塩,金属有機錯塩およびアルコキシドから選ばれる
少なくとも1種からなる化合物Aと、Alまたは/およ
びSiを含む加水分解性の反応基を有する化合物Bと、
が付着し、前記化合物BがAlを含む場合、前記化合物
Aに含有するMg,CaおよびBaのMgO,CaOお
よびBaO換算合計量に対する、前記化合物Bに含有す
るAlのAl 2 3 換算合計量のモル比は、0.5〜4.
0であり、かつ、前記化合物BがSiを含む場合、前記
化合物Aに含有するMg,CaおよびBaのMgO,C
aOおよびBaO換算合計量に対する、前記化合物Bに
含有するSiのSiO 2 換算合計量のモル比は、0.5
〜10.0であることを特徴とすることで、例えば、積
層セラミック電子部品の内部電極を形成するために用い
られる場合に、焼成工程においてデラミネーションが発
生せず、耐熱衝撃性と耐湿負荷特性に優れる積層セラミ
ック電子部品が得られる効果がある。
【0105】また、導電粉末の主成分としてNiを用い
ることで、積層セラミック電子部品の低コスト化および
セラミック層の薄層化ならびに多層化に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一つの実施の形態の積層セラミッ
クコンデンサを示す断面図である。
【符号の説明】
1 積層セラミック電子部品 2 セラミック積層体 2a セラミック層 3 内部電極 4 端子電極 5 めっき膜

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Niを主成分とする導電粉末と、有機ビ
    ヒクルと、Mg,CaおよびBaから選ばれる少なくと
    も1種を含み且つ有機酸金属塩,金属有機錯塩およびア
    ルコキシドから選ばれる少なくとも1種からなる化合物
    Aと、を含有し、 前記導電粉末の表面に、Alまたは/およびSiを含む
    加水分解性の反応基を有する化合物Bが、付着し 前記化合物BがAlを含む場合、前記化合物Aに含有す
    るMg,CaおよびBaのMgO,CaOおよびBaO
    換算合計量に対する、前記化合物Bに含有するAlのA
    2 3 換算合計量のモル比は、0.5〜4.0であり、
    かつ、前記化合物BがSiを含む場合、前記化合物Aに
    含有するMg,CaおよびBaのMgO,CaOおよび
    BaO換算合計量に対する、前記化合物Bに含有するS
    iのSiO 2 換算合計量のモル比は、0.5〜10.0
    であ ることを特徴とする、導電性ペースト。
  2. 【請求項2】 Niを主成分とする導電粉末と、有機ビ
    ヒクルと、を含有し、 前記導電粉末の表面に、Mg,CaおよびBaから選ば
    れる少なくとも1種を含有して、かつ有機酸金属塩,酸
    化物粉末,金属有機錯塩およびアルコキシドから選ばれ
    る少なくとも1種からなる化合物Aと、Alまたは/お
    よびSiを含む加水分解性の反応基を有する化合物B
    と、が付着し 前記化合物BがAlを含む場合、前記化合物Aに含有す
    るMg,CaおよびBaのMgO,CaOおよびBaO
    換算合計量に対する、前記化合物Bに含有するAlのA
    2 3 換算合計量のモル比は、0.5〜4.0であり、
    かつ、前記化合物BがSiを含む場合、前記化合物Aに
    含有するMg,CaおよびBaのMgO,CaOおよび
    BaO換算合計量に対する、前記化合物Bに含有するS
    iのSiO 2 換算合計量のモル比は、0.5〜10.0
    であ ることを特徴とする、導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 前記化合物Bの反応基は、アルコキシル
    基であることを特徴とする、請求項1または2に記載の
    導電性ペースト。
  4. 【請求項4】 前記化合物Bは、アルコキシドであるこ
    とを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の導電性
    ペースト。
  5. 【請求項5】 前記化合物Bは、アルミニウムキレート
    化合物,アルミニウムアルコキシド,シランモノマー,
    シリコンアルコキシドから選ばれる少なくとも1種を含
    有することを特徴とする、請求項1または2に記載の導
    電性ペースト。
  6. 【請求項6】 前記化合物Bの付着量は、前記導電粉末
    100重量%に対してSiO2およびAl23換算で
    0.1〜5.0重量%であることを特徴とする、請求項
    1〜5の何れかに記載の導電性ペースト。
  7. 【請求項7】 複数の積層されたセラミック層と、前記
    セラミック層間の特定の界面に沿って形成された内部電
    極とを含む、セラミック積層体とを備える、積層セラミ
    ック電子部品であって、前記内部電極は、請求項1〜
    の何れかに記載の導電性ペーストを焼成して形成された
    ものであることを特徴とする、積層セラミック電子部
    品。
  8. 【請求項8】 前記積層体の端面上の互いに異なる位置
    に設けられる複数の端子電極をさらに備え、複数の前記
    内部電極は、何れかの前記端子電極に電気的に接続され
    ているように形成されていることを特徴とする、請求項
    に記載の積層セラミック電子部品。
  9. 【請求項9】 前記セラミック層は、チタン酸バリウム
    を主成分とする誘電体セラミックからなることを特徴と
    する、請求項またはに記載の積層セラミック電子部
    品。
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