JP3451176B2 - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

コンデンサおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性高分子層を
固体電解質として用いたコンデンサおよびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ポリアニリン、ポリピロール
やポリチオフェンに代表される共役二重結合導電性高分
子は、化学酸化重合および電解重合で作製することがで
きる。電解重合を利用した場合には、導電性高分子が電
極上にフィルム状に形成されるため大量に製造すること
に困難が伴うのに対し、化学酸化重合を利用した場合に
は、そのような制約がなく、原理的に重合性モノマーと
適当な酸化剤の反応によって大量の導電性高分子を比較
的容易に得ることができる。これは(化2)に示すチオ
フェン誘導体を繰り返し単位とする共役二重結合導電性
高分子においても例に漏れず電解重合および化学酸化重
合で得ることができる。
【化2】
【0003】このチオフェン誘導体は、例えば、3,4
ージヒドロキシチオフェンー2,5ージカルボン酸エス
テルのアルカリ金属塩と適当なアルキレンーvicージ
ハライドを反応させ、次いで加水分解により3,4(ア
ルキレンーvicージオキシ)チオフェンー2,5ーカ
ルボン酸を得、これを脱カルボン酸して得ることができ
るものである(Polymer誌35巻7号(1994
年)1347頁、Tetrahedron誌23巻(1
967年)2437頁およびJ.Am.Chem.So
c.誌67巻(1945年)2217頁等)。 上記チ
オフェン誘導体の電解重合および化学酸化重合に関して
は、特公平1ー313521号公報に開示されている。
【0004】このチオフェン誘導体の場合、3、4位が
置換基でブロックされているためこの部位において酸化
反応が起こらないことに起因して、環境安定性の極めて
高い高分子導電性組成物が実現でき、応用面から有用性
が高いと指摘されている。また、導電性高分子ポリチオ
フェンを用いた固体電解コンデンサが提案されている
(特公平2ー15611号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(化
2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む
導電性高分子を電解コンデンサの電解質として用いよう
とした場合、(化2)に示すチオフェン誘導体は、他の
ピロールやアニリンに比べて、化学酸化重合の際の重合
速度が小さいため、所定の厚さの導電性高分子層を製造
するときに、重合時間を長くしたり、重合回数を増やし
たりしなければならないので、生産性が悪く、コストが
高くなるという課題があった。特に、溶媒に水を用いた
場合には、重合反応が抑制されて著しい。本発明は、上
記従来技術の課題を解決するもので、特性が良く、生産
性に優れたコンデンサの構成とその製造方法を提供する
ことを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の課題を解決するもので、導電性高分子層を、(化2)
に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む導電
性高分子と導電性微粉末との複合体となるように構成し
たものである。
【0007】導電性高分子層が、(化2)に示すチオフ
ェン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子と導
電性微粉末との複合体を構成するには、あらかじめ化学
酸化重合により形成された導電性微粉末を、導電性高分
子層を形成するための、モノマー溶液や酸化剤溶液の中
に分散させる。次に、誘電体層が設けられたタンタルの
焼結体やアルミ箔からなる電極をモノマー溶液に浸漬し
てモノマー溶液を付着させた後、酸化剤溶液に浸漬し
て、化学酸化重合により形成される導電性高分子を電極
に付着させると同時に、導電性微粉末を電極に付着させ
て、複合体の導電性高分子層を形成する。
【0008】また、チオフェン誘導体の場合には重合速
度が遅いので、上記のようにモノマー溶液と酸化剤溶液
の二液に分けないで、それらを混合した一液の溶液を用
いることができる。混合した溶液の中に導電性微粉末を
分散させ、次に電極を浸漬して含浸させてから引き上げ
る。空中に溶媒が蒸発して化学酸化重合が加速される。
そして、化学酸化重合により形成される導電性高分子を
電極に付着させると同時に、導電性微粉末を電極に付着
させて、複合体の導電性高分子層を形成する。
【0009】導電性微粉末には、溶媒に水を用いて化学
酸化重合により形成した粉末形状のものを、水や湯を用
いて徹底的に洗浄し、鉄分その他の残渣が少なく、電気
伝導度の高いものを用いた。導電性高分子層が、(化
2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む
導電性高分子と、導電性微粉末との複合体を構成するこ
とにより、導電性微粉末で導電性高分子層の膜厚を稼
ぎ、重合回数を低減して生産性を上げるとともに、特性
の良好なコンデンサを得ることができた。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
対向して設けられた一対の電極と、前記電極間に設けら
れた誘電体層と、前記電極間に設けられ、(化2)に示
すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高
分子、およびアニオン系界面活性剤の有機酸イオンと無
機酸イオンをドーパントとして取り込んだ(化2)に示
すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む導電性微
粉末からなる導電性高分子層とを備えたコンデンサであ
る。誘電体層が弁金属の酸化皮膜で構成されるコンデン
サでは、導電性高分子層は陰極を兼ねた電解質として機
能し、一方それが高分子薄膜で構成されるフィルムコン
デンサでは、単純な電極として機能する。導電性高分子
層は、導電性高分子と導電性微粉末との複合体を構成し
ている。導電性微粉末で、導電性高分子層の膜厚を稼ぐ
ことにより重合回数を低減して生産性を上げることがで
きる。また、アニオン系界面活性剤の有機酸イオンと無
機酸イオンをドーパントとして取り込んだ(化2)に示
すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む導電性微
粉末は、電気伝導度が高く、耐熱性に優れている。その
導電性微粉末を導電性高分子層の一部に用いることによ
り、特性の良好なコンデンサを得ることができる。
【0011】ここで、(化2)に示すチオフェン誘導体
は、好適には3,4ーエチレンジオキシチオフェンが用
いられる。さらに、置換可能なアルキレン基としては、
エテン、1ープロペン、1ーヘキセンなどのような、ア
ルファオレフェンから得られるような1,2ーアルキレ
ン基であることが好ましく、さらに1,2ーシクロヘキ
セン、2,3ーブチレン、2,3ージメチレン2,3ー
ブチレンおよび2,3ーペンチレン基等であってもよ
い。もっとも、好適な例としては、メチレン、1,2ー
エチレン、1,2ープロピレン基があげられる。
【0012】アニオン系界面活性剤の有機酸イオンに
は、アルキルナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン
(アルキル基の数が11から17の範囲にあるものの混
在したもの)、2ーエチルヘキシル硫酸エステルイオ
ン、ポリエチレンエキシド(エチレンオキシド繰り返し
数:3)アルキル硫酸イオン(アルキル基の炭素数が1
1から15の範囲にあるものの混在したもの)等があげ
られるが、好適にはアルキルナフタレンスルホン酸イオ
ンが用いられる。
【0013】無機酸イオンには、硫酸イオン、ハロゲン
イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、ヘキサシアノ鉄
酸イオン、リン酸イオンおよびリンモリブデン酸イオン
等があげられるが、好適には硫酸イオンが用いられる。
【0014】請求項2記載の発明は、対向した一対の電
極を配置する工程と、前記電極間に誘電体層を形成する
工程と、アニオン系界面活性剤の有機酸イオンと無機酸
イオンをドーパントとして取り込んだ(化1)に示すチ
オフェン誘導体を繰り返し単位として含む導電性微粉末
を用意する工程と、前記電極間において、請求項1記載
の(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位とし
て含む導電性高分子、および前記導電性微粉末からなる
導電性高分子層を化学酸化重合により形成する工程とを
備えたコンデンサの製造方法であり、(化2)に示すチ
オフェン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子
と、導電性微粉末からなる複合体の導電性高分子層を化
学酸化重合により形成できる。導電性微粉末で、導電性
高分子層の膜厚を稼ぐことにより重合回数を低減して生
産性を上げることができる。
【0015】請求項3記載の発明は、導電性微粉末を形
成する工程として、(化2)に示すチオフェン誘導体を
用意する工程と、解離して有機酸イオンを生成するアニ
オン系界面活性剤を用意する工程と、前記モノマーを重
合可能な遷移金属を含む無機酸からなる酸化剤を用意す
る工程と、それらを少なくとも水が含まれた溶媒に混ぜ
合わせて、化学酸化重合により導電性微粉末を形成する
工程と、形成された導電性微粉末を濾過洗浄する工程と
を有する請求項2記載のコンデンサの製造方法である。
アニオン系界面活性剤の有機酸イオンと無機酸イオンを
ドーパントとして取り込んだ(化2)に示すチオフェン
誘導体を繰り返し単位として含む導電性微粉末は、溶媒
に水を用いた化学酸化重合により製造しており、平均粒
径が1μm以下と微小であり、電気伝導度が高く、耐熱
性に優れている。また、化学酸化重合後の微小な導電性
微粉末は、その形状から洗浄しやすく、水や湯を用いて
徹底的に濾過洗浄して、鉄分その他の残渣を少なくでき
る。その導電性微粉末を導電性高分子層の一部に用いる
ことにより、特性の良好なコンデンサを得ることができ
る。
【0016】解離して有機酸イオンを生成するアニオン
系界面活性剤には、アルキルナフタレンスルホン酸ナト
リウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アル
キルスルホン酸ナトリウム(アルキル基の数が11から
17の範囲にあるものの混在したもの)、2ーエチルヘ
キシル硫酸エステルナトリウム、ポリエチレンエキシド
(エチレンオキシド繰り返し数:3)アルキル硫酸ナト
リウム(アルキル基の炭素数が11から15の範囲にあ
るものの混在したもの)等があげられるが、好適にはア
ルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムが用いられる。
【0017】モノマーを重合可能な遷移金属を含む無機
酸からなる酸化剤には、硫酸第二鉄、塩化第二鉄6水和
物、硝酸第二鉄9水和物、過塩素酸第二鉄、ヘキサシア
ノ鉄(III)酸カリウム、二リン酸第二鉄等があげら
れるが、好適には硫酸第二鉄が用いられる。
【0018】請求項4記載の発明は、導電性微粉末を形
成する工程として、(化2)に示すチオフェン誘導体を
用意する工程と、解離して有機酸イオンを生成するアニ
オン系界面活性剤を用意する工程と、前記モノマーを重
合可能な遷移金属を含む無機酸からなる酸化剤を用意す
る工程と、フェノール誘導体またはニトロ化合物を用意
する工程と、それらを少なくとも水が含まれた溶媒に混
ぜ合わせて、化学酸化重合により導電性微粉末を形成す
る工程と、形成された導電性微粉末を濾過洗浄する工程
とを有する請求項2記載のコンデンサの製造方法であ
り、フェノール誘導体またはニトロ化合物を用いること
により、収量を高く、導電性微粉末の高分子の規則性を
向上させて、耐熱性をさらに良くすることができる。そ
の導電性微粉末を導電性高分子層の一部に用いることに
より、特性の良好なコンデンサを得ることができる。
【0019】フェノール誘導体には、ニトロフェノー
ル、シアノフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキ
シフェノール、若しくはアセトフェノール、またはそれ
らの組み合わせがあげられ、またニトロ化合物には芳香
族ニトロカルボン酸、ニトロベンゼン、ニトロナフタレ
ンまたはそれらの組み合わせがあげられ、好適にはパラ
ニトロフェノールが用いられる。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1記載の
(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として
含む導電性高分子および導電性微粉末からなる導電性高
分子層を形成する工程として、(化2)に示すチオフェ
ン誘導体を用意する工程と、前記モノマーを重合可能な
酸化剤を用意する工程と、前記導電性微粉末を用意する
工程と、それらを溶媒に混ぜ合わせた重合溶液を用意す
る工程と、誘電体層が設けられた電極を重合溶液に浸漬
して含浸する工程と、電極を引き上げた後空気中での化
学酸化重合により導電性高分子と導電性微粉末からなる
導電性高分子層を形成する工程とを有する請求項2記載
のコンデンサの製造方法であり、導電性微粉末で導電性
高分子層の膜厚を稼ぎ、重合回数を低減して生産性を上
げるとともに、特性の良好なコンデンサを得ることがで
きる。
【0021】請求項6記載の発明は、請求項1記載の
(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として
含む導電性高分子および導電性微粉末からなる導電性高
分子層を形成する工程として、(化2)に示すチオフェ
ン誘導体を溶媒に混ぜ合わせてモノマー溶液を用意する
工程と、モノマーを重合可能な酸化剤を溶媒に混ぜ合わ
せて酸化剤溶液を用意する工程と、導電性微粉末をモノ
マー溶液と酸化剤溶液の少なくともどちらかに混ぜ合わ
せる工程と、誘電体層が設けられた電極をモノマー溶液
と酸化剤溶液各々に浸漬して、化学酸化重合によりチオ
フェン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子
と、導電性微粉末からなる導電性高分子層を形成する工
程とを有する請求項2記載のコンデンサの製造方法であ
り、モノマー溶液と酸化剤溶液の二液に分けることによ
り、それらの溶液の寿命を長くできる。また、導電性微
粉末で導電性高分子層の膜厚を稼ぎ、重合回数を低減し
て生産性を上げるとともに、特性の良好なコンデンサを
得ることができる。
【0022】請求項7記載の発明は、請求項1記載の
(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として
含む導電性高分子および導電性微粉末からなる導電性高
分子層を形成する工程として、(化2)に示すチオフェ
ン誘導体と、解離して有機酸イオンを生成するアニオン
系界面活性剤を、少なくとも水が含まれた溶媒に混ぜ合
わせてモノマー溶液を用意する工程と、前記アニオン系
界面活性剤と、モノマーを重合可能な遷移金属を含む無
機酸からなる酸化剤を、少なくとも水が含まれた溶媒に
混ぜ合わせて酸化剤溶液を用意する工程と、導電性微粉
末をモノマー溶液と酸化剤溶液の少なくともどちらかに
混ぜ合わせる工程と、誘電体層が設けられた電極をモノ
マー溶液と酸化剤溶液各々に浸漬して、化学酸化重合に
よりチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む導電性
高分子と、導電性微粉末からなる導電性高分子層を形成
する工程とを有する請求項2記載のコンデンサの製造方
法であり、モノマー溶液と酸化剤溶液の二液に分けるこ
とにより、それらの溶液の寿命を長くできる。そして、
導電性微粉末だけでなく、導電性高分子層を構成するも
う一つの導電性高分子も前記に示す組成のように、アニ
オン系界面活性剤、遷移金属を含む無機酸からなる酸化
剤、および溶媒に水を用いて化学酸化重合を行っている
ので、電気伝導度が高く、耐熱性に優れている。導電性
高分子層を構成している導電性高分子と導電性微粉末の
両者の特性が優れているために、特性の良好なコンデン
サを得ることができる。
【0023】請求項8記載の発明は、請求項1記載の
(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として
含む導電性高分子および導電性微粉末からなる導電性高
分子層を形成する工程として、(化2)に示すチオフェ
ン誘導体と、解離して有機酸イオンを生成するアニオン
系界面活性剤を、少なくとも水が含まれた溶媒に混ぜ合
わせてモノマー溶液を用意する工程と、前記アニオン系
界面活性剤と、モノマーを重合可能な遷移金属を含む無
機酸からなる酸化剤と、フェノール誘導体またはニトロ
化合物を、少なくとも水が含まれた溶媒に混ぜ合わせて
酸化剤溶液を用意する工程と、導電性微粉末をモノマー
溶液と酸化剤溶液の少なくともどちらかに混ぜ合わせる
工程と、誘電体層が設けられた電極をモノマー溶液と酸
化剤溶液各々に浸漬して、化学酸化重合によりチオフェ
ン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子と、導
電性微粉末からなる導電性高分子層を形成する工程とを
有する請求項2記載のコンデンサの製造方法であり、フ
ェノール誘導体またはニトロ化合物を用いることによ
り、コンデンサの特性をさらに向上できる。
【0024】請求項9記載の発明は、請求項1記載の
(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として
含む導電性高分子および導電性微粉末からなる導電性高
分子層において、導電性微粉末の含有率が段階的な勾配
を有していることを特徴とする請求項1記載のコンデン
サであり、化学酸化重合を何回か繰り返して所定の厚さ
の導電性高分子層を形成する際、初めには導電性微粉末
の重合用溶液への添加量を少な目に、終わりには多目に
して化学酸化重合を行うことにより、導電性高分子層に
おける導電性微粉末の含有率に段階的な勾配を有した構
成としている。これにより、電極がタンタル焼結体のよ
うに深さ方向に微細孔があいている場合にも、初めには
重合用溶液への導電性微粉末の添加量が少ないために、
電極の深部まで重合用溶液が含浸されるので、電極に設
けられた誘電体層に対する導電性高分子層の被覆率を大
きくできる。
【0025】(実施の形態1)最初に、本発明の第1の
実施の形態について説明する。まず、導電性微粉末の製
造方法を説明する。遷移金属イオンを含む酸化剤として
硫酸第二鉄n水和物10.7g(硫酸第二鉄として0.
2モルを含む)を100gの水に溶解させて、酸化剤溶
液を作製した。
【0026】次に、(化2)に示すチオフェン誘導体と
して3,4ーエチレンジオキシチオフェン1.4gと、
有機酸イオンを含む物質として界面活性剤アルキルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量328)40
%水溶液4gを100gの水に溶解させた溶液を、前記
酸化剤溶液に混ぜ合わせて、45℃大気圧下で20時間
攪拌しながら重合させた。ここで、3,4ーエチレンジ
オキシチオフェンは、ドイツのバイエル社から市販され
ているものを用いた。またここで、アルキルナフタレン
スルホン酸ナトリウムは、アルキル基の炭素数が3から
9の間で混在したものを用いたが、炭素数は特に限定さ
れるものではないことはもちろんである。
【0027】次に、得られた沈殿をアスピレータで減圧
吸引して濾別し、再度水を加えてから濾別という洗浄を
繰り返し、濾液が中性を呈するまで洗浄したら、最後に
減圧吸引して濾別し、アニオン系界面活性剤の有機酸イ
オンと無機酸イオンをドーパントとして取り込んだポリ
(3,4ーエチレンジオキシチオフェン)を含む導電性
微粉末を得た。そして、この導電性微粉末の収量を計量
後、その一部を乳鉢で粉砕し、約30MPの圧力で直径
13mmのディスク状ペレットを作製して、電気伝導度
の測定に供した。なお、電気伝導度の測定には三菱油化
(株)製抵抗率測定器ロレスタAP、MCPーT400
を用いた。得られた収量は1.35g、電気伝導度は3
8.5S/cmと高い収量と高い電気伝導度が得られ
た。
【0028】これらは、重合反応が界面活性剤が存在す
ることにより、そのミセル中で進行するため、重合速度
が大きくなったことおよび高重合度のポリマーが得ら
れ、かつバイポーラロン構造が形成されたことの効果と
考えれる。また、ミセルを形成している嵩高な界面活性
剤アニオンもまたドーパントとして取り込まれること
も、収量が増加し電気伝導度の高い導電性微粉末が得ら
れる理由の一つと考えられる。さらに、界面活性剤を用
いることにより、1μm以下の小さな粒径で、分散性に
優れた導電性微粉末が得られた。
【0029】次に、アルミエッチド箔を電極に用いたコ
ンデンサの製造方法を説明する。まず、縦8×横3.3
mm2 のアルミニウムエッチド箔を、4mmと3mmの
部分に仕切るように、両面に渡って、幅1mmのポリイ
ミドテープを貼り付けた。次に、アルミニウムエッチド
箔の3×3.3mm2 の部分に陽極リードを取り付け、
アルミニウムエッチド箔の4×3.3mm2 の部分を、
70℃の3%アジピン酸アンモニウム水溶液を用い、ま
ず10mV/secの速度で0から10Vまで上げ、続
けて10Vの定電圧を40分間印加し、陽極酸化により
酸化皮膜誘電体層を形成した。そして、脱イオン水の流
水により10分洗浄してから、105℃で5分乾燥を行
った。ここで、この構成をコンデンサと見立て、化成液
中の容量を測定したところ、18μFであった。
【0030】遷移金属イオンを含む酸化剤としてパラト
ルエンスルホン酸第二鉄1.76gを2.64gのブタ
ノールに溶解させた。次に、前記作製した導電性微粉末
2gを3.6gのエチルアルコールに入れ、超音波によ
り分散させた。酸化剤と導電性微粉末の含まれた二つの
溶液を混合し、最後に、3,4ーエチレンジオキシチオ
フェン2gを混ぜ合わせてから攪拌して重合溶液を用意
した。
【0031】重合溶液の中に誘電体層が設けられた電極
を1分浸漬してから引き上げ、空気中で30分放置し
た。溶媒が蒸発することにより化学酸化重合が加速さ
れ、誘電体層の上に導電性高分子と導電性微粉末からな
る複合体の導電性高分子層を形成した。次に、脱イオン
水による流水洗浄を15分間行った後、105℃で5分
乾燥した。導電性高分子層が所定の厚さになるまで、浸
漬塗布から乾燥までの重合回数を3回繰り返した。
【0032】なお、重合溶液の寿命を長くするには温度
を低くして重合速度を遅らせることが有効である。ま
た、重合溶液の余す量を減らすためには、浸漬塗布では
なく、刷毛塗りやスクリーン印刷、スプレー塗布等を用
いてもよい。そして、空気中での重合速度を速くしたい
場合には、例えば105℃のオーブンの中で数秒間加熱
することにより、溶媒を蒸発させることと、温度の効果
により重合速度を速くすることが可能である。
【0033】導電性高分子層形成の後、導電性高分子層
の上に、カーボン層と銀ペイント層で陰極を形成すると
共に、その上に陰極リードを取り付けた。さらに、その
素子をエポキシ樹脂を用いて外装してから、温度85
℃,相対湿度85%の雰囲気中で、8.2Vの定電圧を
60分印加したエージング処理を行った。温度120℃
で60分乾燥して、合計で10個のコンデンサ素子を完
成させた。これら10個の素子について、1kHzにお
ける容量、損失係数、および400kHzにおけるイン
ピーダンスを各々測定し、さらに125℃で6.3Vを
印加して行った負荷耐熱試験後の容量変化率および損失
係数を測定し、それらの平均値を以下の(表1)に示し
た。
【表1】
【0034】(比較例1)比較例1として、導電性微粉
末を用いない以外、実施の形態1と同様の操作でコンデ
ンサ素子を作製した。このときの重合回数は8回であっ
た。特性を測定した結果を前述の(表1)に示す。この
(表1)における比較例1と実施の形態1との比較から
明らかなように、実施の形態1では、導電性微粉末で導
電性高分子層の膜厚を稼ぎ、重合回数を低減して生産性
を上げるとともに、特性の良好なコンデンサを得られた
ことが判明した。
【0035】(実施の形態2)次に、本発明の第2の実
施の形態について説明する。本実施の形態では、導電性
微粉末を化学酸化重合で作製する際に、パラニトロフェ
ノール1.4gを添加剤として添加した以外、実施の形
態1と同様の操作で導電性微粉末を作製した。パラニト
ロフェノールは、最初の酸化剤溶液を作製するときに添
加するとよい。得られた導電性微粉末の収量は1.62
g、電気伝導度は20S/cmであり、実施の形態1と
比べると特に高い収量が得られた。また、パラニトロフ
ェノールを添加すると、導電性微粉末の高分子の規則性
を向上させて、耐熱性をさらに良くすることが分かっ
た。
【0036】次に、実施の形態1と同様の操作で導電性
微粉末を用いてコンデンサ素子を作製した。その特性を
測定した結果を前述の(表1)に示した。重合回数は3
回であった。実施の形態1と同様に、導電性微粉末で導
電性高分子層の膜厚を稼ぎ、重合回数を低減して生産性
を上げるとともに、耐熱性の良好なコンデンサを得られ
たことが判明した。
【0037】(実施の形態3)次に、本発明の第3の実
施の形態について説明する。導電性微粉末は、実施の形
態2で説明したものを用いた。タンタルの焼結体を電極
に用いたコンデンサの製造方法を説明する。大きさが、
3.6X2.9X1.4mmで、タンタルのリード線が
配された重量約90mgのタンタル焼結体に、まず第一
化成を施す。リン酸5mlを1000mlの脱イオン水
に溶解した約90℃の溶液を用い、まず5mV/sec
の速度で0から42Vまで上げ、続けて42Vの定電圧
を180分間印加し、素子1個当たりの電流を約190
μAまで絞り、陽極酸化により酸化皮膜誘電体層を形成
した。脱イオン水の流水により洗浄後、第二化成とし
て、脱イオン水を用い、約25℃で31Vを20分間印
加し、次に第三化成として、酢酸0.05mlを100
0mlの脱イオン水に溶解した溶液を用い、約25℃で
30Vを30分間印加し、第二化成と第三化成の二段階
での陽極酸化により酸化皮膜誘電体層の欠陥部分を修復
した。そして、脱イオン水の流水により洗浄して、乾燥
を行った。この構成をコンデンサと見立て、化成液中の
容量を測定したところ、68μFであった。
【0038】ブチルアルコール50gと3,4ーエチレ
ンジオキシチオフェン50gとを混ぜ合わせた。次に、
導電性微粉末10gを入れてから超音波により分散さ
せ、モノマー溶液を用意した。遷移金属イオンを含む酸
化剤としてパラトルエンスルホン酸第二鉄40gを60
gのブタノールに溶解させて、酸化剤溶液を用意した。
誘電体層が設けられたタンタル焼結体の電極をモノマー
溶液に7分間浸漬してから、次に酸化剤溶液に15分間
浸漬した。化学酸化重合により、導電性高分子と導電性
微粉末からなる複合体の導電性高分子層を誘電体層上に
形成した。そして、ブタノールによる流水洗浄を5分間
行った後、105℃で5分間乾燥した。導電性高分子層
が所定の厚さになるまで、モノマー溶液への浸漬から乾
燥までの重合回数を15回繰り返した。
【0039】そして、このように導電性高分子層が形成
された上に、カーボン層と銀ペイント層で陰極を形成す
ると共に、その上に陰極リードを取り付けた。次に、そ
の素子をエポキシ樹脂を用いて外装してから、温度85
℃,相対湿度85%の雰囲気中で、13Vの定電圧を6
0分間印加してエージング処理を行った。温度120℃
で60分乾燥して、合計で10個のコンデンサ素子を完
成させた。1kHzにおける容量、損失係数、および4
00kHzにおけるインピーダンスを各々測定し、さら
に125℃で10Vを印加して行った負荷耐熱試験後の
容量変化率および損失係数を測定し、それらの平均値を
前述の(表1)に示した。実施の形態3では、モノマー
溶液と酸化剤溶液の二液に分けることにより、それらの
溶液の寿命を長くできた。
【0040】(比較例2)比較例2として、導電性微粉
末を用いない以外、実施の形態3と同様の操作でコンデ
ンサ素子を作製した。このときの重合回数は61回であ
った。特性を測定した結果を前述の(表1)に示した。
この(表1)における比較例2と実施の形態3との比較
から明らかなように、実施の形態3では、導電性微粉末
で導電性高分子層の膜厚を稼ぎ、重合回数を低減して生
産性を上げるとともに、特性の良好なコンデンサを得ら
れたことが判明した。
【0041】(実施の形態4)次に、本発明の第4の実
施の形態について説明する。本実施の形態では、導電性
高分子層の形成方法以外、実施の形態3と同様の操作で
コンデンサ素子を作製した。導電性高分子層の形成方法
を説明する。解離して有機酸イオンを生成するアニオン
系界面活性剤として界面活性剤アルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム(平均分子量328)40%水溶液5
gを100gの水に混ぜ合わせた。ついで、溶液の安定
性を上げるために、エタノール5gを混ぜ合わせた。さ
らに、3,4ーエチレンジオキシチオフェン5gを混ぜ
合わせてた。最後に実施の形態2で説明した導電性微粉
末10gを入れてから超音波により分散させ、モノマー
溶液を用意した。
【0042】遷移金属イオンを含む酸化剤として硫酸第
二鉄n水和物12gを100gの水に溶解させた後、溶
液の安定性を上げるために、エタノール5gを混ぜ合わ
せた。ついで、界面活性剤アルキルナフタレンスルホン
酸ナトリウム(平均分子量328)40%水溶液5gを
混ぜ合わせて酸化剤溶液を用意した。誘電体層が設けら
れたタンタル焼結体の電極をモノマー溶液に7分間浸漬
してから、次に酸化剤溶液に15分間浸漬した。重合速
度を速くするために、酸化剤溶液の温度を45℃とし
た。化学酸化重合により、導電性高分子と導電性微粉末
からなる複合体の導電性高分子層を誘電体層上に形成し
た。そして、脱イオン水による流水洗浄を15分間行っ
た後、105℃で5分乾燥した。導電性高分子層が所定
の厚さになるまで、モノマー溶液への浸漬から乾燥まで
の重合回数を18回繰り返した。
【0043】他の工程は、実施の形態3と同様にして作
製したコンデンサ素子の測定結果を前述の(表1)に示
した。実施の形態3と同様に、導電性微粉末で導電性高
分子層の膜厚を稼ぎ、重合回数を低減して生産性を上げ
ることができた。また、モノマー溶液と酸化剤溶液の二
液に分けることにより、それらの溶液の寿命を長くでき
た。さらに、導電性微粉末だけでなく、導電性高分子層
を構成しているもう一つの導電性高分子も前記に示す組
成のように、アニオン系界面活性剤、遷移金属を含む無
機酸からなる酸化剤、および溶媒に水を用いて化学酸化
重合を行ったので、電気伝導度が高く、耐熱性に優れて
いる。導電性高分子層を構成している導電性高分子と導
電性微粉末の両者の特性が優れているために、特性の良
好なコンデンサを得ることができた。
【0044】(実施の形態5)次に、本発明の第5の実
施の形態について説明する。本実施の形態では、導電性
高分子層を化学酸化重合で形成する際、酸化剤溶液にパ
ラニトロフェノール1.4gを添加剤として混ぜ合わせ
た以外、実施の形態4と同様の操作でコンデンサ素子を
作製した。重合回数は16回であった。特性を測定した
結果を前述の(表1)に示した。導電性微粉末で導電性
高分子層の膜厚を稼ぎ、重合回数を低減して生産性を上
げることができた。また、パラニトロフェノールを用い
ることにより、コンデンサの耐熱性をさらに向上でき
た。
【0045】(実施の形態6)次に、本発明の第6の実
施の形態について説明する。本実施の形態では、導電性
高分子層の形成方法以外、実施の形態3と同様の操作で
コンデンサ素子を作製した。導電性高分子層の形成方法
を説明する。解離して有機酸イオンを生成するアニオン
系界面活性剤として界面活性剤アルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム(平均分子量328)40%水溶液5
gを100gの水に混ぜ合わせた。ついで、溶液の安定
性を上げるために、エタノール5gを混ぜ合わせた。さ
らに、3,4ーエチレンジオキシチオフェン5gを混ぜ
合わせてた。最後に導電性微粉末3gを入れてから超音
波により分散させ、モノマー溶液を用意した。
【0046】遷移金属イオンを含む酸化剤として硫酸第
二鉄n水和物12gを100gの水に溶解させた後、溶
液の安定性を上げるために、エタノール5gを混ぜ合わ
せた。ついで、パラニトロフェノール1.4gを添加剤
として混ぜ合わせた。さらに、界面活性剤アルキルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量328)40
%水溶液5gを混ぜ合わせて酸化剤溶液を用意した。誘
電体層が設けられたタンタル焼結体の電極をモノマー溶
液に7分間浸漬してから、次に酸化剤溶液に15分間浸
漬した。重合速度を速くするために、酸化剤溶液の温度
を45℃とした。化学酸化重合により、導電性高分子と
導電性微粉末からなる複合体の導電性高分子層を誘電体
層上に形成した。そして、脱イオン水による流水洗浄を
15分間行った後、105℃で5分間乾燥した。モノマ
ー溶液への浸漬から乾燥までの重合回数を5回繰り返し
た。
【0047】次に、モノマー溶液に含まれている導電性
微粉末の量を3gから10gに増やしたモノマー溶液を
新たに用意して、引き続き化学酸化重合を行い、導電性
高分子層が所定の厚さになるまで、モノマー溶液への浸
漬から乾燥までの重合回数を15回繰り返した。合計の
重合回数は、20回となった。このように、初めには導
電性微粉末のモノマー溶液への添加量を少な目に、終わ
りには多目にして化学酸化重合を行うことにより、導電
性高分子層における導電性微粉末の含有率に段階的な勾
配を有した構成が得られた。
【0048】他の工程は、実施の形態3と同様にして作
製したコンデンサ素子の特性を測定した結果を前述の
(表1)に示した。電極がタンタル焼結体のように深さ
方向に微細孔があいている場合にも、初めには重合用溶
液への導電性微粉末の添加量が少ないために、電極の深
部まで重合用溶液が含浸されるので、電極に設けられた
誘電体層に対する導電性高分子層の被覆率を大きくでき
た。また、導電性微粉末で導電性高分子層の膜厚を稼
ぎ、重合回数を低減して生産性を上げるとともに、特性
の良好なコンデンサを得られたことが判明した。 な
お、以上の説明では、誘電体層を酸化皮膜で構成した例
で説明したが、その他のポリイミド薄膜を用いたいわゆ
るフィルムコンデンサについても同様に実施可能であ
る。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、アニオン
系界面活性剤の有機酸イオンと無機酸イオンをドーパン
トとして取り込んだ(化2)に示すチオフェン誘導体を
繰り返し単位として含む導電性微粉末で導電性高分子層
の膜厚を稼ぎ、重合回数を低減して生産性を上げるとと
もに、特性の良好なコンデンサを得られるという有利な
効果が得られる。
フロントページの続き (72)発明者 松 家 安 恵 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−313521(JP,A) 特開 平2−15611(JP,A) 特開 平3−132011(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/028 H01B 1/12 C08G 61/12

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して設けられた一対の電極と、前記
    電極間に設けられた誘電体層と、前記電極間に設けら
    れ、(化1)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位と
    して含む導電性高分子、およびアニオン系界面活性剤の
    有機酸イオンと無機酸イオンをドーパントとして取り込
    んだ(化1)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位と
    して含む導電性微粉末からなる導電性高分子層とを備え
    たコンデンサ。 【化1】
  2. 【請求項2】 対向した一対の電極を配置する工程と、
    前記電極間に誘電体層を形成する工程と、アニオン系界
    面活性剤の有機酸イオンと無機酸イオンをドーパントと
    して取り込んだ(化1)に示すチオフェン誘導体を繰り
    返し単位として含む導電性微粉末を用意する工程と、
    記電極間において、請求項1記載の(化1)に示すチオ
    フェン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子、
    および前 導電性微粉末からなる導電性高分子層を化学
    酸化重合により形成する工程とを備えたコンデンサの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 導電性微粉末を形成する工程として、
    (化1)に示すチオフェン誘導体を用意する工程と、解
    離して有機酸イオンを生成するアニオン系界面活性剤を
    用意する工程と、前記モノマーを重合可能な遷移金属を
    含む無機酸からなる酸化剤を用意する工程と、それらを
    少なくとも水が含まれた溶媒に混ぜ合わせて、化学酸化
    重合により導電性微粉末を形成する工程と、形成された
    導電性微粉末を濾過洗浄する工程とを有する請求項2記
    載のコンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 導電性微粉末を形成する工程として、
    (化1)に示すチオフェン誘導体を用意する工程と、解
    離して有機酸イオンを生成するアニオン系界面活性剤を
    用意する工程と、前記モノマーを重合可能な遷移金属を
    含む無機酸からなる酸化剤を用意する工程と、フェノー
    ル誘導体またはニトロ化合物を用意する工程と、それら
    を少なくとも水が含まれた溶媒に混ぜ合わせて、化学酸
    化重合により導電性微粉末を形成する工程と、形成され
    た導電性微粉末を濾過洗浄する工程とを有する請求項2
    記載のコンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の(化1)に示すチオフェ
    ン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子および
    導電性微粉末からなる導電性高分子層を形成する工程と
    して、(化1)に示すチオフェン誘導体を用意する工程
    と、前記モノマーを重合可能な酸化剤を用意する工程
    と、前記導電性微粉末を用意する工程と、それらを溶媒
    に混ぜ合わせた重合溶液を用意する工程と、誘電体層が
    設けられた電極を重合溶液に浸漬して含浸する工程と、
    電極を引き上げた後空気中での化学酸化重合により導電
    性高分子と導電性微粉末からなる導電性高分子層を形成
    する工程とを有する請求項2記載のコンデンサの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の(化1)に示すチオフェ
    ン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子および
    導電性微粉末からなる導電性高分子層を形成する工程と
    して、(化1)に示すチオフェン誘導体を溶媒に混ぜ合
    わせてモノマー溶液を用意する工程と、モノマーを重合
    可能な酸化剤を溶媒に混ぜ合わせて酸化剤溶液を用意す
    る工程と、導電性微粉末をモノマー溶液と酸化剤溶液の
    少なくともどちらかに混ぜ合わせる工程と、誘電体層が
    設けられた電極をモノマー溶液と酸化剤溶液各々に浸漬
    して、化学酸化重合によりチオフェン誘導体を繰り返し
    単位として含む導電性高分子と、導電性微粉末からなる
    導電性高分子層を形成する工程とを有する請求項2記載
    のコンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の(化1)に示すチオフェ
    ン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子および
    導電性微粉末からなる導電性高分子層を形成する工程と
    して、(化1)に示すチオフェン誘導体と、解離して有
    機酸イオンを生成するアニオン系界面活性剤を、少なく
    とも水が含まれた溶媒に混ぜ合わせてモノマー溶液を用
    意する工程と、前記アニオン系界面活性剤と、モノマー
    を重合可能な遷移金属を含む無機酸からなる酸化剤を、
    少なくとも水が含まれた溶媒に混ぜ合わせて酸化剤溶液
    を用意する工程と、導電性微粉末をモノマー溶液と酸化
    剤溶液の少なくともどちらかに混ぜ合わせる工程と、誘
    電体層が設けられた電極をモノマー溶液と酸化剤溶液各
    々に浸漬して、化学酸化重合によりチオフェン誘導体を
    繰り返し単位として含む導電性高分子と、導電性微粉末
    からなる導電性高分子層を形成する工程とを有する請求
    項2記載のコンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の(化1)に示すチオフェ
    ン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子および
    導電性微粉末からなる導電性高分子層を形成する工程と
    して、(化1)に示すチオフェン誘導体と、解離して有
    機酸イオンを生成するアニオン系界面活性剤を、少なく
    とも水が含まれた溶媒に混ぜ合わせてモノマー溶液を用
    意する工程と、前記アニオン系界面活性剤と、モノマー
    を重合可能な遷移金属を含む無機酸からなる酸化剤と、
    フェノール誘導体またはニトロ化合物を、少なくとも水
    が含まれた溶媒に混ぜ合わせて酸化剤溶液を用意する工
    程と、導電性微粉末をモノマー溶液と酸化剤溶液の少な
    くともどちらかに混ぜ合わせる工程と、誘電体層が設け
    られた電極をモノマー溶液と酸化剤溶液各々に浸漬し
    て、化学酸化重合によりチオフェン誘導体を繰り返し単
    位として含む導電性高分子と、導電性微粉末からなる導
    電性高分子層を形成する工程とを有する請求項2記載の
    コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の(化1)に示すチオフェ
    ン誘導体を繰り返し単位として含む導電性高分子および
    導電性微粉末からなる導電性高分子層において、導電性
    微粉末の含有率が段階的な勾配を有していることを特徴
    とする請求項1記載のコンデンサ。
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