JP3448999B2 - 回転センサおよびその製造方法 - Google Patents

回転センサおよびその製造方法

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JP3448999B2 JP31089794A JP31089794A JP3448999B2 JP 3448999 B2 JP3448999 B2 JP 3448999B2 JP 31089794 A JP31089794 A JP 31089794A JP 31089794 A JP31089794 A JP 31089794A JP 3448999 B2 JP3448999 B2 JP 3448999B2
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英敏 斉藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転センサおよびそ
の製造方法に関するものであり、特に、自動車用の回転
センサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内部に永久磁石と磁極子とを有す
るボビンと、該ボビンの外周に巻回されたコイルとを備
える回転センサにおいて、外部を樹脂で封止固定する構
造にすることにより、経済性に優れた回転センサを得る
方法が開発されている。しかしながら、外層部の樹脂成
形時の成形圧力により内部の部品が移動し、磁石と磁極
子間に隙間ができて出力電圧が低下したり、コイルが外
周面に露出して気密性が低下したりするおそれがあっ
た。
【0003】そこで、特開平5−264684に提案さ
れているように、成形金型内で樹脂成形する際に位置決
めピンが当接する凹み部をスペーサに形成し、成形金型
内では凹み部と磁極子とで2点支持した状態で、樹脂成
形する方法が考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
方法では、スペーサを上方から押し付ける金型に形成さ
れたピンを樹脂成形終了後に抜取るため、この部分に孔
が残存してしまう。このような孔があると、この部分か
ら水が侵入してコイルの腐食等を発生させるという問題
が考えられた。
【0005】このような問題の対策として、この孔を後
の工程で、たとえば熱硬化性樹脂を注入することにより
封止する方法も考えられるが、工程が煩雑になるだけで
なく、注入樹脂と外層部を形成する樹脂間は、繰返し熱
サイクルを印加すると剥離し、この界面から水が侵入す
る問題が懸念される。
【0006】一方、従来、回転センサをベアリングカバ
ーと一体化して、ベアリングに取付ける方法が提案され
ている。この場合、センサ本体部とベアリングカバーと
の接合部から水等が侵入すると、ベアリングの性能が低
下する。そのため、特開平5−213167号公報に開
示されているように、回転センサのケースとベアリング
カバーの口元とを溶接や鑞付けにより密に接合する方法
が提案されている。しかしながら、この方法では、接合
に比較的高い費用を要するという問題があった。
【0007】この発明の目的は、前述の問題点を解決
し、樹脂成形中の内部部品の移動を防止し、シール性の
向上した回転センサおよびその簡便な製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による回
転センサは、開口部を有するボビンと、ボビンの外方へ
突出する突出部を有する磁極子を含む、ボビン内に配置
されるセンサ構造部と、ボビンの開口部側に設けられた
端子と、ボビンの開口部に挿入された第1の樹脂からな
る保持器と、ボビン全体を覆う第2の樹脂からなる外層
部とを備え、保持器の先端と磁極子の突出部の先端と
が、外層部から外部に突出しており、第1の樹脂の融点
は第2の融点より低いことを特徴としている。
【0009】請求項2の発明による回転センサは、請求
項1の発明において、ボビンの外周に金属製ブラケット
が配置され、ボビンとブラケットとの間に第2の樹脂が
全周にわたって形成されており、ボビンとブラケットと
の間に介在された第2の樹脂からなる外層部によりボビ
ンとブラケットとが結合されていることを特徴としてい
る。
【0010】請求項3の発明による回転センサは、請求
項1の発明において、ボビンは軸受機構部材を封止する
ベアリングカバーに形成された穴内に配置され、ボビン
とベアリングカバーとの間に第2の樹脂が全周にわたっ
て形成されており、ボビンとベアリングカバーとの間に
介在された第2の樹脂からなる外層部によりボビンとベ
アリングカバーとが結合されていることを特徴としてい
る。
【0011】請求項4の発明による回転センサは、請求
項3の発明において、穴の開口部には、筒状の案内部が
形成されていることを特徴としている。
【0012】請求項5の発明による回転センサは、請求
項1〜4の発明において、保持器は、その外周部に形成
された複数の微細な突起を含むことを特徴としている。
【0013】請求項6の発明による回転センサは、請求
項1〜5の発明において、保持器は円柱形状であること
を特徴としている。
【0014】請求項7の発明による回転センサは、請求
項1〜5の発明において、保持器は多角柱形状であるこ
とを特徴としている。
【0015】請求項8の発明による回転センサの製造方
法は、外方へ突出する突出部を有する磁極子を含み、外
部にコイルが巻回されたボビンに、第1の樹脂からなる
保持器を挿入して組付けることにより、ボビン組立体を
作製するステップと、ボビン組立体とブラケットとを成
形金型に収め、成形金型により磁極子の先端と保持器と
を固定するステップと、固定によりボビン組立体を保持
しながら、ブラケットとボビンとの間に空隙を形成させ
た状態で、第1の樹脂よりその融点が高い第2の樹脂を
注入して外層部を形成するステップとを備えている。
【0016】請求項9の発明による回転センサの製造方
法は、請求項8の発明において、磁極子のボビンからの
突出部の外周であって、ボビンの端部との境界部に、第
2の樹脂よりその融点が低い第3の樹脂からなるシール
剤を予め塗布しておくステップをさらに備えることを特
徴としている。
【0017】請求項10の発明による回転センサの製造
方法は、外方へ突出する突出部を有する磁極子を含み、
外部にコイルが巻回されたボビンに、第1の樹脂からな
る保持器を挿入して組付けることにより、ボビン組立体
を作製するステップと、ボビン組立体とベアリングカバ
ーとを成形金型に収め、成形金型により磁極子の先端と
保持器とを固定するステップと、固定によりボビン組立
体を保持しながら、ベアリングカバーとボビンとの間に
空隙を形成させた状態で、第1の樹脂よりその融点が高
い第2の樹脂を注入して外層部を形成するステップとを
備えている。
【0018】請求項11の発明による回転センサの製造
方法は、請求項10の発明において、ボビンは軸受機構
部材を封止するベアリングカバーに形成された穴内に配
置され、穴の開口部周辺に、第2の樹脂よりその融点が
低い第3の樹脂からなるシール剤を予め塗布しておくス
テップをさらに備えることを特徴としている。
【0019】請求項12の発明による回転センサの製造
方法は、請求項9または11の発明において、第3の樹
脂の融点は、第1の樹脂の融点より低いことを特徴とし
ている。
【0020】
【作用】請求項1の発明によれば、封止する必要のある
コイル、端子の周辺が完全に外層部の樹脂により封止さ
れ、従来のように孔が残ることがない。そのため、磁石
と磁極子間に隙間ができて出力が低下したり、コイルが
外層部の側面から露出してシール性が劣化することもな
い。また、外層部と保持器との界面のシール性も向上さ
れる。
【0021】請求項2の発明によれば、ボビンとブラケ
ットとが接するところがない。そのため、外層部の樹脂
により完全に覆うことができ、この部分から水が侵入す
ることがない。
【0022】請求項3の発明によれば、ボビンとベアリ
ングカバーとが接するところがない。そのため、外層部
樹脂により完全に覆うことができ、この部分から水が
侵入することがない。
【0023】請求項4の発明によれば、ベアリングカバ
ーの穴の開口部には、筒状の案内部が形成される。ここ
で、回転センサは、ベアリングカバーを介して検出対象
の回転体の近傍に取付けられるが、このとき、回転セン
サの中心軸が倒れた状態となり、傾いて回転センサが取
付けられると、回転センサ先端とセンサロータ(回転
体)とのエアギャップが拡大される。その結果、センサ
出力電圧が低下するという問題が発生する。そこで、本
発明のように、ベアリングカバーに筒状の案内部が形成
されることにより、外層部を介して、ボビンの軸が安定
するため、倒れが生じることがなくなる。
【0024】請求項5の発明によれば、樹脂成形の際、
外層部の樹脂の熱によって突起のみを溶かすことができ
る。これにより、溶けて封止するとともに、溶けずにボ
ビンを支え保持するという保持器に要求される相反する
2つの機能を同時に成立させることができる。
【0025】請求項6の発明によれば、保持器が円柱形
状である。そのため、ボビンの開口部への挿入が容易と
なる。
【0026】請求項7の発明によれば、保持器が多角形
状である。そのため、金型で保持器を固定する際、保持
器を介してボビンの回転方向のずれをなくすことができ
る。
【0027】請求項8または請求項10の発明によれ
ば、樹脂成形の際、磁極子の先端と保持器とで2点支持
される。そのため、内部部品が樹脂成形中に移動するこ
とがなく、かつ従来のように孔が残ることもない。
【0028】また、第1の樹脂は第2の樹脂より融点が
低いため、樹脂成形の際、注入された第2の樹脂の熱に
より第1の樹脂からなる保持器の外周の少なくとも一部
が溶けて、これにより外層部と保持器とが接合される。
そのため、保持器と外層部とのシール性が向上する。
【0029】さらに、樹脂成形で同時にシール性加工と
形状形成ができるので、製造工程が簡便となる。また、
ポッテングにより外層部の孔を埋める後工程も不要とな
るため、製造工程数が減少する。
【0030】請求項9の発明によれば、注入された第2
の樹脂の熱により、第3の樹脂からなるシール剤の一部
が溶けて、これにより磁極子と外層部とが接合される。
そのため、磁極子と外層部とのシール性が向上し、磁極
子の露出部からの水の侵入を防止することができる。な
お、回転センサの取付場所によっては、ブラケットから
下の部分には水がかからないこともある。この場合に
は、シール剤を含まない構造でもよい。
【0031】請求項11の発明によれば、ベアリングカ
バーの穴の開口部周辺には、第2の樹脂より低融点の第
3の樹脂からなるシール剤が、予め高温溶融状態で塗布
されている。そのため、外層部が樹脂成形された際の熱
により、低融点の第3の樹脂の表層または全体が再溶融
して、外層部と密着し、場合によっては結合した後、冷
却されて固着する。その結果、低融点の第3の樹脂を介
して、ベアリングカバーと外層部の界面とが、完全にシ
ールされる。
【0032】請求項12の発明によれば、保持器には保
持機能が要求されるが、シール剤には保持機能は要求さ
れない。したがって、シール剤は完全に溶けて、これに
より確実に接合することが望まれる。シール剤のほうが
融点が低い場合、この働きをする。
【0033】
【実施例】図1は、本発明による電磁誘導型回転センサ
の一例を示す断面図である。
【0034】図1を参照して、この電磁誘導型回転セン
サ1のボビン2は、内部に磁石3、ヨーク4、磁極子
5、端子6,7を持ち、磁極子5の外周部にコイル8が
巻回されている。コイル8の両端は、端子6,7の下端
部6b,7bにからげられ、はんだ付けにより接続され
ている。端子6,7の上端部付近6a,7aには、ハー
ネス(図示せず)がはんだ付けされ、このハーネスを通
じてセンサの信号が取出される。
【0035】ボビン2に巻回されたコイル8およびコイ
ルが接続されている端子の下端部6b,7b周辺には、
テフロン系の耐熱テープ9が巻付けられている。さら
に、その外周部には、ステンレススチール製のブラケッ
ト10が取付けられており、このボビン2を覆うように
樹脂成形される外層部11は、ボビン2を固定すると同
時にブラケット10を固定する働きをする。
【0036】また、この回転センサには、ボビン2から
突出する磁極子5とボビン2とで形成される隅部に、ポ
リアミド系の低融点シール剤12が塗布されている。ま
た、ボビン2の磁極子とは反対の端部には、開口部2
aが形成されており、この部分には保持器13が挿入さ
れており、この保持器13も外層部11によりモールド
固定されている。
【0037】図2は、保持器の一例を示す斜視図であ
る。図3は、保持器の他の例を示す斜視図である。
【0038】図2および図3を参照して、保持器13
は、円柱または四角柱形状を有し、その上部外周方向に
複数の突起部13aが形成されている。また、下端の隅
部は、R状の面取り13bまたはテーパ部13cが形成
されて、これにより、ボビンの開口部2aへの挿入性を
向上させている。
【0039】この実施例は、以下の特徴を有している。
第1に、この実施例では、ボビン2またはボビン2の外
周に巻いたテープ9と、ブラケット10との間に、外層
部11の樹脂が流れ込んでいる。このため、防水気密性
が向上し、コイル部分にブラケット周辺から水が侵入す
ることがない。このように、コイル周辺を樹脂で覆うこ
とができたのは、保持器13と磁極子5を金型で固定す
る構成が取れたからである。
【0040】第2に、水が侵入する可能性があるのは、
磁極子周辺と保持器周辺である。この実施例では、磁極
の周辺には低融点のシール剤12が塗布されてお
り、外層部11の樹脂成形時の熱で再溶融して、低融点
のシール剤12と外層部11が密着することにより、こ
の箇所のシール性が保たれる。また、保持器13外層
部11よりも低い融点を持つ樹脂で形成されており、か
つ外周に細かい突起部13aが形成されているので、こ
の部分が外層部11と溶け合ってシール性を保つ。
【0041】第3に、この実施例において、保持器13
が図2に示すような円柱状であれば、開口部2aへの挿
入が容易となる。また、保持器13が図3に示すような
多角柱形状であれば、この部分を金型でクランプするこ
とにより、ボビンの中心軸に対する回転ずれを抑制す
ることができる。
【0042】次に、本発明による回転センサの一例の製
造方法について、以下説明する。まず、磁極子5に磁石
3およびヨーク4を接続し、ボビン成形金型に収める。
また、端子6,7も同時に金型に収める。この金型は、
磁極子5の下部をクランプすると同時に、上方からヨー
ク4をピンで抑えながら樹脂成形する。成形樹脂として
は、PPS剤を用いた。このように、ピンで上下方向に
力を加えながら成形するので、内部部品が安定する。
【0043】次に、ボビン2と磁極子5によって形成さ
れる隅部に、高温で溶融されたポリアミド樹脂を全周に
わたって塗布した。
【0044】続いて、ボビン2には、ピンで押さえたた
めに形成された開口部2aが形成されているが、この開
口部2aを中心軸の位置決めとして、ボビン2にコイル
8を巻いた。コイルの両端は、端子6,7の下端部6
b,7bにからげ、はんだで接続した。その後、コイル
8と端子の下部6b,7bを覆うようにテープ9を巻い
た。
【0045】この段階で、図4に示す形状が形成され
た。次に、ボビンの開口部2aに保持器13を圧入し
て組付け、ボビン組立体を作製した。
【0046】続いて、端子6,7の上端部6a,7bに
ハーネスを接続した後、ハーネスが接続されたボビン組
立体およびブラケット10を金型に収めた。金型は、磁
極子5および保持器13を固定することにより、図5に
示すように、ボビン組立体を金型内で中空に支えること
ができた。
【0047】この中空部に、外層部11の樹脂を注入し
。その後、金型から取出すことにより、図1に示すよ
うな回転センサが得られた。
【0048】図6は、この発明による回転センサの他の
例を示す断面図である。図6に示すように、金型から取
出した後、保持器13の外層部11より突出している部
分を切断してもよい。
【0049】図7は、本発明による回転センサの他の例
を示す図であり、図7(a)は縦断面図であり、図7
(b)は(a)のA−A線で示す断面図である。
【0050】図7を参照して、この回転センサは、磁極
子25が長く、その断面が扇型をなしていることが特徴
である。金型でこの部分をクランプすることにより、ボ
ビンの回転方向のずれを抑制することができる。な
お、他の部分については図1に示す回転センサと全く同
様であるので、その説明は省略する。
【0051】図8は、本発明による回転センサのさらに
他の例を示す断面図である。図8を参照して、この回転
センサは、開口部2aが2段になっており、保持器13
がヨーク4にまで達していない。このように2段の孔か
らなる構造にすることにより、保持器13の長さを短く
することができる。なお、他の部分については、図1に
示す回転センサと全く同様であるので、その説明は省略
する。
【0052】次に、外層部11、保持器13およびシー
ル剤12の材料についての検討を行なった。
【0053】各材料については、(外層部11の融点)
>(保持器13の融点)≧(シール剤12の融点)の関
係を有することが必要である。
【0054】ただし、シール剤12は熱で完全に溶けて
もよいが、保持器13はボビンを保持する働きをしな
ければならないため、全体が完全に溶融してはいけな
い。したがって、保持器13を図2または図3の構造に
することにより、柱状部が形状を保って、かつ突起部1
3aのみを溶かすことが可能となる。
【0055】また、保持器13の融点はシール剤12
融点以上に設定することにより、保持の機能とシールの
機能とが働きやすくなる。
【0056】外層部11の融点に対する保持器13の融
点の差は、10℃以上100℃以下が望ましい。また、
外層部11とシール剤12との融点の差は、20℃以上
190℃以下が望ましく、これ以上の差を持たせると、
通常使用時に流出するため、問題となる。
【0057】以下、表1に示す4種の材料構成による回
転センサを作製し、評価した。
【0058】
【表1】
【0059】その結果、No.1については、外層部
1の樹脂成形時の熱でポリウレタンおよびシール剤12
が溶けて良好に密着させることができた。No.2につ
いては、3種が同じナイロン系であるため、接合性がよ
かった。No.3については、外層部11と保持器13
の融点の差が小さく、保持能力が高かった。No.4に
ついては、シール剤12の融点が高いので、高温下で使
用してもシール性が低下しなかった。
【0060】図9は、本発明による電磁誘導型回転セン
サのさらに他の例を示す断面図である。
【0061】図9を参照して、この電磁誘導型回転セン
サ1のボビン2は、内部に磁石3、ヨーク4、磁極子
5、端子6,7を持ち、磁極子5の外周部にコイル8が
巻回されている。コイル8の両端は、端子6,7の下端
部6b,7bにからげられ、はんだ付により接続されて
いる。端子6,7の上端部付近6a,7aには、ハーネ
ス(図示せず)がはんだ付され、このハーネスを通じて
回転センサの信号が取出される。
【0062】ボビン2に巻回されたコイル8およびコイ
が接続されている端子の下端部6b,7b周辺に
は、テフロン系の耐熱テープ9が巻付けられている。さ
らに、その外周部には、亜鉛メッキを施した鉄製のベア
リングカバー20が取付けられており、このボビン2を
覆うように成形される外層樹脂11は、ボビン2を固定
すると同時にベアリングカバー20を固定する働きをす
る。
【0063】また、ベアリングカバー20の穴の開口部
周辺には、66ナイロン製の外層部11と密着性のよい
ポリアミド系の低融点シール剤22が塗布されている。
また、ボビン2の磁極子とは反対の端部には、開口部
2aが形成されており、この部分には保持器13が挿入
されており、この保持器13も外層部11によりモール
ド固定されている。なお、本回転センサの製造方法は、
図1に示す第1の実施例の回転センサと同様な工程によ
る。
【0064】図10は、このように構成される電磁誘導
型回転センサを、ベアリング本体部14に取付けた状態
を示す断面図である。
【0065】次に、図11は、本発明による電磁誘導型
回転センサのさらに他の例を示す断面図である。
【0066】図11を参照して、この電磁誘導型回転セ
ンサは、ベアリングカバー20の回転センサが挿入され
る穴の開口部周辺に、筒状の案内部20aが形成されて
いる。また、この案内部20aの外周には、低融点シー
ル剤22が全周にわたって塗布されている。さらに、
センサ内のボビン2から突出する磁極子5とボビン2
とで形成される隅部には、低融点シール剤12が塗布さ
れている。両低融点シール剤12,22は、融点が1
55℃の同一種のポリアミド樹脂が用いられている。
【0067】また、保持器23x,23yは、ボビン2
を両側面から支えるように、ボビンの穴2x,2yにそ
れぞれ挿入されている。さらに、この回転センサには、
出力線としてケーブルではなく、コネクタ15が形成さ
れた端子16が接続されている。
【0068】他の構成については、上述の実施例と全く
同様であるので、その説明は省略する。
【0069】この実施例のように、保持器は、複数個形
成されてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、樹脂成形中の内部部品の移動が防止され、シール性
の向上した回転センサが得られる。
【0071】また、ベアリングカバーと一体化した場合
にも、ベアリングカバー内に水等が侵入することが防止
できるため、回転センサのみならず、ベアリング本体も
高い信頼性を有する回転センサ・ベアリング組立体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電磁誘導型回転センサの一例を示
す断面図である。
【図2】本発明による保持器の一例を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明による保持器の他の例を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明による回転センサの製造方法における1
工程を示す断面図である。
【図5】本発明による回転センサの製造方法における1
工程を示す断面図である。
【図6】本発明による回転センサの他の例を示す断面図
である。
【図7】本発明による回転センサのさらに他の例を示す
図である。
【図8】本発明による回転センサのさらに他の例を示す
断面図である。
【図9】本発明による回転センサのさらに他の例を示す
断面図である。
【図10】図9に示す回転センサをベアリング本体部に
取付けた状態を示す断面図である。
【図11】本発明による回転センサのさらに他の例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 電磁誘導型回転センサ 2 ボビン 3 磁石 4 ヨーク 5,25 磁極子 6,7 端子 8 コイル 9 耐熱テープ 10 ブラケット 11 外層部 12,22 シール剤 13,23x,23y 保持器 13a 突起部 20 ベアリングカバー 20a 案内部 なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 1/02 G01P 3/488 B60T 8/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有するボビンと、 前記ボビンの外方へ突出する突出部を有する磁極子を含
    む、前記ボビン内に配置されるセンサ構造部と、 前記ボビンの開口部側に設けられた端子と、 前記ボビンの開口部に挿入された第1の樹脂からなる保
    持器と、 前記ボビン全体を覆う第2の樹脂からなる外層部とを備
    え、 前記保持器の先端と、前記磁極子の突出部の先端とが、
    前記外層部から外部に突出しており、 前記第1の樹脂の融点は前記第2の樹脂の融点より低
    い、回転センサ。
  2. 【請求項2】 前記ボビンの外周に金属製ブラケットが
    配置され、 前記ボビンと前記ブラケットとの間に前記第2の樹脂が
    全周にわたって形成されており、ボビンとブラケットと
    の間に介在された第2の樹脂からなる外層部によりボビ
    ンとブラケットとが結合されていることを特徴とする、
    請求項1記載の回転センサ。
  3. 【請求項3】 前記ボビンは軸受機構部材を封止するベ
    アリングカバーに形成された穴内に配置され、 前記ボビンと前記ベアリングカバーとの間に前記第2の
    樹脂が全周にわたって形成されており、ボビンとベアリ
    ングカバーとの間に介在された第2の樹脂からなる外層
    部によりボビンとベアリングカバーとが結合されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の回転センサ。
  4. 【請求項4】 前記穴の開口部には、筒状の案内部が形
    成されていることを特徴とする、請求項3記載の回転セ
    ンサ。
  5. 【請求項5】 前記保持器は、その外周部に形成された
    複数の微細な突起を含むことを特徴とする、請求項1〜
    請求項4のいずれかに記載の回転センサ。
  6. 【請求項6】 前記保持器は円柱形状である、請求項1
    〜請求項5のいずれかに記載の回転センサ。
  7. 【請求項7】 前記保持器は多角柱形状である、請求項
    1〜請求項5のいずれかに記載の回転センサ。
  8. 【請求項8】 外方へ突出する突出部を有する磁極子を
    含み、外部にコイルが巻回されたボビンに、第1の樹脂
    からなる保持器を挿入して組付けることにより、ボビン
    組立体を作製するステップと、 前記ボビン組立体とブラケットとを成形金型に収め、前
    記成形金型により前記磁極子の先端と前記保持器とを固
    定するステップと、 前記固定により前記ボビン組立体を保持しながら、前記
    ブラケットと前記ボビンとの間に空隙を形成させた状態
    で、前記第1の樹脂よりその融点が高い第2の樹脂を注
    入して外層部を形成するステップとを備える、回転セン
    サの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記磁極子の前記ボビンからの突出部の
    外周であって、前記ボビンの端部との境界部に、前記第
    2の樹脂よりその融点が低い第3の樹脂からなるシール
    剤を予め塗布しておくステップをさらに備える、請求項
    8記載の回転センサの製造方法。
  10. 【請求項10】 外方へ突出する突出部を有する磁極子
    を含み、外部にコイルが巻回されたボビンに、第1の樹
    脂からなる保持器を挿入して組付けることにより、ボビ
    ン組立体を作製するステップと、 前記ボビン組立体とベアリングカバーとを成形金型に収
    め、前記成形金型により前記磁極子の先端と前記保持器
    とを固定するステップと、 前記固定により前記ボビン組立体を保持しながら、前記
    ベアリングカバーと前記ボビンとの間に空隙を形成させ
    た状態で、前記第1の樹脂よりその融点が高い第2の樹
    脂を注入して外層部を形成するステップとを備える、回
    転センサの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ボビンは、軸受機構部材を封止す
    るベアリングカバーに形成された穴内に配置され、 前記穴の開口部周辺に、前記第2の樹脂よりその融点が
    低い第3の樹脂からなるシール剤を予め塗布しておくス
    テップをさらに備える、請求項10記載の回転センサの
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第3の樹脂の融点は前記第1の樹
    脂の融点より低い、請求項9または請求項11記載の回
    転センサの製造方法。
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