JP3448194B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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- JP3448194B2 JP3448194B2 JP31448097A JP31448097A JP3448194B2 JP 3448194 B2 JP3448194 B2 JP 3448194B2 JP 31448097 A JP31448097 A JP 31448097A JP 31448097 A JP31448097 A JP 31448097A JP 3448194 B2 JP3448194 B2 JP 3448194B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重合体スケールの生
成を制御して塩化ビニル系重合体を製造する方法に関す
るものである。
成を制御して塩化ビニル系重合体を製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
とその他のビニル系単量体との混合物を、重合触媒の存
在下、水性媒体中で懸濁重合または乳化重合する方法に
於いては、重合容器の内壁面や重合過程で重合容器付属
設備のうち攪拌機表面などの単量体が接触する部分、つ
まり重合容器の内表面に重合体がスケールとして付着す
るという問題がある。このように重合体スケールが重合
容器の内表面に付着すると、重合容器壁の伝熱効率、重
合体収率などが低下するほか、付着スケールが重合容器
から剥離して製品中に混入しいわゆるフィッシュアイの
原因になるなど製品品質を低下させる。更に、このスケ
ールを除去するためには多大な労力と時間が必要であ
り、重合容器の稼働率低下など好ましくない多くの不利
益をもたらすことになる。
とその他のビニル系単量体との混合物を、重合触媒の存
在下、水性媒体中で懸濁重合または乳化重合する方法に
於いては、重合容器の内壁面や重合過程で重合容器付属
設備のうち攪拌機表面などの単量体が接触する部分、つ
まり重合容器の内表面に重合体がスケールとして付着す
るという問題がある。このように重合体スケールが重合
容器の内表面に付着すると、重合容器壁の伝熱効率、重
合体収率などが低下するほか、付着スケールが重合容器
から剥離して製品中に混入しいわゆるフィッシュアイの
原因になるなど製品品質を低下させる。更に、このスケ
ールを除去するためには多大な労力と時間が必要であ
り、重合容器の稼働率低下など好ましくない多くの不利
益をもたらすことになる。
【0003】特に懸濁重合の場合には、重合容器内に付
着するスケールは同時に生産される正常な重合体に比べ
てポロシティー(多孔性)が低いので、スケールが剥離
して正常な重合体に混ざると、重合体と成型加工時に添
加される可塑剤を始めとする加工用添加剤との親和性が
悪くなり、最終製品に部分的に溶け合わない粒子(いわ
ゆるフィッシュアイ)を発生させる事になる。さらに、
スケールを重合容器から除かずにそのまま重合を繰り返
すと、スケールの蓄積のために重合容器内部の形状まで
が変わってしまい、特に攪拌機へのスケール蓄積が多く
なった場合には懸濁システム全体が大きな影響を受け、
得られる重合体粒子の形状、粒度分布、収率などにも影
響が及ぶ事がある。
着するスケールは同時に生産される正常な重合体に比べ
てポロシティー(多孔性)が低いので、スケールが剥離
して正常な重合体に混ざると、重合体と成型加工時に添
加される可塑剤を始めとする加工用添加剤との親和性が
悪くなり、最終製品に部分的に溶け合わない粒子(いわ
ゆるフィッシュアイ)を発生させる事になる。さらに、
スケールを重合容器から除かずにそのまま重合を繰り返
すと、スケールの蓄積のために重合容器内部の形状まで
が変わってしまい、特に攪拌機へのスケール蓄積が多く
なった場合には懸濁システム全体が大きな影響を受け、
得られる重合体粒子の形状、粒度分布、収率などにも影
響が及ぶ事がある。
【0004】この様な理由で定期的に重合容器内表面か
らスケールを取り除く事が不可欠である。これには重合
容器の運転を停止ないし休止させる必要があり、重合体
の生産に直接関わらない費用がかさむ事にもなる。この
スケールの除去は内表面から機械的に剥ぎ取ったり、高
速ジェット水流をスケールに当てたり、或は有機溶剤で
溶解したりして行うのが一般的である。この様な作業の
一部では作業員が器内に入って作業を行う必要が有る
が、これには発癌性が疑われている塩化ビニル単量体と
触れる恐れが伴い、極めて望ましくない。またスケール
を重合容器から機械的に除去する事は内表面を損傷させ
る可能性が高く、これは次回の重合でのスケール生成を
助長する事になる。この他溶剤を使用しスケールを除去
する方法には、溶剤回収設備とその運転費用・経費が余
分にかかる事になる。
らスケールを取り除く事が不可欠である。これには重合
容器の運転を停止ないし休止させる必要があり、重合体
の生産に直接関わらない費用がかさむ事にもなる。この
スケールの除去は内表面から機械的に剥ぎ取ったり、高
速ジェット水流をスケールに当てたり、或は有機溶剤で
溶解したりして行うのが一般的である。この様な作業の
一部では作業員が器内に入って作業を行う必要が有る
が、これには発癌性が疑われている塩化ビニル単量体と
触れる恐れが伴い、極めて望ましくない。またスケール
を重合容器から機械的に除去する事は内表面を損傷させ
る可能性が高く、これは次回の重合でのスケール生成を
助長する事になる。この他溶剤を使用しスケールを除去
する方法には、溶剤回収設備とその運転費用・経費が余
分にかかる事になる。
【0005】そこで、このような重合体スケールの付着
を防止する方法として、重合容器内壁等にスケール付着
防止剤の塗膜を形成する方法が知られており、種々のス
ケール付着防止剤が提案されている。スケール付着防止
剤としては、例えば染料または顔料(特公昭45-30835
);極性有機化合物(特公昭45-30343);ポリ芳香族
アミン化合物(特開昭53-23381);フェノール化合物と
ホルマリンあるいはベンズアルデヒドとの縮合物(特開
昭54-36389)などが提案されている。
を防止する方法として、重合容器内壁等にスケール付着
防止剤の塗膜を形成する方法が知られており、種々のス
ケール付着防止剤が提案されている。スケール付着防止
剤としては、例えば染料または顔料(特公昭45-30835
);極性有機化合物(特公昭45-30343);ポリ芳香族
アミン化合物(特開昭53-23381);フェノール化合物と
ホルマリンあるいはベンズアルデヒドとの縮合物(特開
昭54-36389)などが提案されている。
【0006】これらスケール付着防止剤の塗膜の形成
は、次のように行われる。重合終了後に重合容器内より
生成した重合体スラリーを抜き出し、重合容器内を水洗
した後、(1)重合容器内気相部上部に設けられたスプ
レーノズルより重合体スケール付着防止剤塗布液を重合
容器内壁面等の重合中、ビニル系単量体が接触する部分
にスプレー塗布する(塗布工程)、(2)スプレー塗布
後の塗布面を乾燥して、乾燥した塗膜を得る(乾燥工
程)、及び(3)乾燥した塗膜を水洗する(水洗工
程)、という3工程からなるものである。
は、次のように行われる。重合終了後に重合容器内より
生成した重合体スラリーを抜き出し、重合容器内を水洗
した後、(1)重合容器内気相部上部に設けられたスプ
レーノズルより重合体スケール付着防止剤塗布液を重合
容器内壁面等の重合中、ビニル系単量体が接触する部分
にスプレー塗布する(塗布工程)、(2)スプレー塗布
後の塗布面を乾燥して、乾燥した塗膜を得る(乾燥工
程)、及び(3)乾燥した塗膜を水洗する(水洗工
程)、という3工程からなるものである。
【0007】このようにしてスケール防止剤の塗膜を形
成した後に、重合容器内に塩化ビニル単量体その他の原
材料を仕込み、重合を行い塩化ビニル重合体を製造する
のであるが、近年、生産性向上のために、重合体スケー
ル付着防止性塗膜の形成→原料仕込み工程→重合反応工
程→未反応単量体の回収及び重合体スラリーの抜き出し
工程→重合容器内水洗工程の一連のプロセスのリサイク
ル時間の短縮が望まれている。その一環として塗膜形成
に要する時間の短縮も求められている。
成した後に、重合容器内に塩化ビニル単量体その他の原
材料を仕込み、重合を行い塩化ビニル重合体を製造する
のであるが、近年、生産性向上のために、重合体スケー
ル付着防止性塗膜の形成→原料仕込み工程→重合反応工
程→未反応単量体の回収及び重合体スラリーの抜き出し
工程→重合容器内水洗工程の一連のプロセスのリサイク
ル時間の短縮が望まれている。その一環として塗膜形成
に要する時間の短縮も求められている。
【0008】同時に、最近においては、生産性向上の目
的で40m3 以上の容量を有する大型重合容器を使用
し、なおかつ重合反応が短縮することができる重合方法
が採用されている。このように重合時間が短縮可能な重
合方法では重合開始剤を増量する方法が採用されてい
る。重合開始剤を増量すると単位時間当たりの発熱量が
多いので、除熱効率の向上が必要になる。除熱手段とし
ては、冷却ジャケットと還流コンデンサーが代表的であ
る。重合容器の容積が40m3 以上に大型化すると、ジ
ャケットによる除熱では不十分であるため、還流コンデ
ンサーによる除熱の割合を大きくする必要が生じる。と
ころが、還流コンデンサーの除熱負荷を大きくしていく
と、重合容器内のスラリーの発泡が高まり還流コンデン
サー内部へスラリーが溢流する結果、還流コンデンサー
の除熱能力が低下したり、該コンデンサー内に重合体ス
ケールの付着が発生する。場合によっては、溢流した重
合体粒子によって配管が詰まり、コンデンサーの運転が
不可能になったりする。さらに、コンデンサーを重合初
期から使用すると、得られる重合体粒子の粒度が粗くな
ったり、泡状の重合体が生成する等の問題もある。
的で40m3 以上の容量を有する大型重合容器を使用
し、なおかつ重合反応が短縮することができる重合方法
が採用されている。このように重合時間が短縮可能な重
合方法では重合開始剤を増量する方法が採用されてい
る。重合開始剤を増量すると単位時間当たりの発熱量が
多いので、除熱効率の向上が必要になる。除熱手段とし
ては、冷却ジャケットと還流コンデンサーが代表的であ
る。重合容器の容積が40m3 以上に大型化すると、ジ
ャケットによる除熱では不十分であるため、還流コンデ
ンサーによる除熱の割合を大きくする必要が生じる。と
ころが、還流コンデンサーの除熱負荷を大きくしていく
と、重合容器内のスラリーの発泡が高まり還流コンデン
サー内部へスラリーが溢流する結果、還流コンデンサー
の除熱能力が低下したり、該コンデンサー内に重合体ス
ケールの付着が発生する。場合によっては、溢流した重
合体粒子によって配管が詰まり、コンデンサーの運転が
不可能になったりする。さらに、コンデンサーを重合初
期から使用すると、得られる重合体粒子の粒度が粗くな
ったり、泡状の重合体が生成する等の問題もある。
【0009】したがって、大型重合容器を使用して重合
反応時間を短縮する重合方法を採用する場合には、ジャ
ケットと還流コンデンサーのみでは除熱能力が不十分と
ならざるを得ず、不足する除熱能力は他の冷却方式で補
わざるを得なかった。そのような他の冷却手段として、
重合容器内に冷却コイル、ドラフトチューブ、冷却用円
筒バッフル等の内部冷却装置が設けられている。
反応時間を短縮する重合方法を採用する場合には、ジャ
ケットと還流コンデンサーのみでは除熱能力が不十分と
ならざるを得ず、不足する除熱能力は他の冷却方式で補
わざるを得なかった。そのような他の冷却手段として、
重合容器内に冷却コイル、ドラフトチューブ、冷却用円
筒バッフル等の内部冷却装置が設けられている。
【0010】ところで、重合体スケール付着防止剤の塗
膜を形成する際は、従来、上述のように効率のよいスプ
レー塗布法が用いられている。しかし、このスプレー塗
布法では重合容器内でスプレーノズル部からみて陰にな
る部分、例えば重合容器内に付設されているバッフルの
重合容器内壁面に面している面に十分な塗布が行われ
ず、塗布ムラが生じ易い。特に、上述のように内部冷却
装置により重合容器内の構造が複雑になると塗布が不十
分な箇所が増す。その為、繰り返す重合バッチ数が多く
なると、十分な塗膜が形成されていない部分には重合体
スケールが付着してくる。この対策として、塗布ムラが
生じない様に十分にスプレー塗布を施すこと、すなわ
ち、塗布工程で時間をかけて多量の重合体スケール付着
防止剤塗布液を塗布することが行われている。しかしそ
の結果、乾燥工程で必要な乾燥時間を塗布液の増加に応
じて長くする必要が生じることが多い上に、水洗工程で
も残余の重合体スケール付着防止剤塗布液が多いためこ
れを除去するために水洗時間を長くする必要がある。
膜を形成する際は、従来、上述のように効率のよいスプ
レー塗布法が用いられている。しかし、このスプレー塗
布法では重合容器内でスプレーノズル部からみて陰にな
る部分、例えば重合容器内に付設されているバッフルの
重合容器内壁面に面している面に十分な塗布が行われ
ず、塗布ムラが生じ易い。特に、上述のように内部冷却
装置により重合容器内の構造が複雑になると塗布が不十
分な箇所が増す。その為、繰り返す重合バッチ数が多く
なると、十分な塗膜が形成されていない部分には重合体
スケールが付着してくる。この対策として、塗布ムラが
生じない様に十分にスプレー塗布を施すこと、すなわ
ち、塗布工程で時間をかけて多量の重合体スケール付着
防止剤塗布液を塗布することが行われている。しかしそ
の結果、乾燥工程で必要な乾燥時間を塗布液の増加に応
じて長くする必要が生じることが多い上に、水洗工程で
も残余の重合体スケール付着防止剤塗布液が多いためこ
れを除去するために水洗時間を長くする必要がある。
【0011】このような塗膜形成に要する時間の長期化
は、上述した重合時間の短縮化の要請に逆行するとい
う、不都合が生じていた。さらに、多量の重合体スケー
ル付着防止剤塗布液の使用は、重合して得られる塩化ビ
ニル系重合体製品の初期着色性を低下させたり、製品中
のスケール防止剤由来の着色異物を増加させるなどの悪
影響をもたらす。
は、上述した重合時間の短縮化の要請に逆行するとい
う、不都合が生じていた。さらに、多量の重合体スケー
ル付着防止剤塗布液の使用は、重合して得られる塩化ビ
ニル系重合体製品の初期着色性を低下させたり、製品中
のスケール防止剤由来の着色異物を増加させるなどの悪
影響をもたらす。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は第一に、重合体スケール付着防止剤の塗布を行わなく
ても重合容器内の表面、特に従来スプレー塗布によって
防止剤の塗布が困難でスケール付着が起こり易かった個
所においても、重合体スケールの付着を効果的に防止す
ることができる、高生産性の塩化ビニル系重合体の製造
方法を提供することにある。
は第一に、重合体スケール付着防止剤の塗布を行わなく
ても重合容器内の表面、特に従来スプレー塗布によって
防止剤の塗布が困難でスケール付着が起こり易かった個
所においても、重合体スケールの付着を効果的に防止す
ることができる、高生産性の塩化ビニル系重合体の製造
方法を提供することにある。
【0013】本発明の課題の第二は、重合体スケール付
着防止剤の塗布が望ましい場合でも、比較的に短い塗膜
形成作業によって所望の良好なスケール防止効果が得ら
れる、高生産性の塩化ビニル系重合体の製造方法を提供
することにある。
着防止剤の塗布が望ましい場合でも、比較的に短い塗膜
形成作業によって所望の良好なスケール防止効果が得ら
れる、高生産性の塩化ビニル系重合体の製造方法を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものとして、重合容器内で塩化ビニル単量体又
は塩化ビニル単量体を主体とするビニル系単量体混合物
を水性媒体中、重合開始剤によって重合し、塩化ビニル
系重合体を製造するに際し、該重合を前記単量体又は単
量体混合物を含む水性重合系中で重量平均分子量が800
以上である縮合リン酸系化合物の存在下で行うことを特
徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。本
発明の方法では、更に前記重合容器の内壁面及び重合中
に前記単量体が接触するその他の部分に重合体スケール
付着防止剤からなる塗膜が形成されていることが好まし
い。
解決するものとして、重合容器内で塩化ビニル単量体又
は塩化ビニル単量体を主体とするビニル系単量体混合物
を水性媒体中、重合開始剤によって重合し、塩化ビニル
系重合体を製造するに際し、該重合を前記単量体又は単
量体混合物を含む水性重合系中で重量平均分子量が800
以上である縮合リン酸系化合物の存在下で行うことを特
徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。本
発明の方法では、更に前記重合容器の内壁面及び重合中
に前記単量体が接触するその他の部分に重合体スケール
付着防止剤からなる塗膜が形成されていることが好まし
い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。単量体 本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法で重合されるビ
ニル系単量体としては、塩化ビニル単独の他、塩化ビニ
ルを主体とし、これと共重合し得る他の単量体との混合
物(通常、塩化ビニルを50重量%以上)を用いることが
でき、この塩化ビニルと共重合される単量体としては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エ
ステルもしくはメタクリル酸エステル、エチレン、プロ
ピレン等のオレフィン、無水マレイン酸、アクリロニト
リル、スチレン、塩化ビニリデン、その他塩化ビニルと
共重合可能な単量体が例示される。
明する。単量体 本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法で重合されるビ
ニル系単量体としては、塩化ビニル単独の他、塩化ビニ
ルを主体とし、これと共重合し得る他の単量体との混合
物(通常、塩化ビニルを50重量%以上)を用いることが
でき、この塩化ビニルと共重合される単量体としては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エ
ステルもしくはメタクリル酸エステル、エチレン、プロ
ピレン等のオレフィン、無水マレイン酸、アクリロニト
リル、スチレン、塩化ビニリデン、その他塩化ビニルと
共重合可能な単量体が例示される。
【0016】縮合リン酸系化合物
縮合リン酸系化合物としては、その重量平均分子量が80
0以上であり、好ましくは1600以上である。縮合リン酸
系化合物としては、直鎖状縮合物、環状縮合物、グラフ
ト状(枝分かれを有する)縮合物、網目状縮合物等、種
々の構造のものがあるが、本発明に用いられる縮合リン
酸系化合物としては何ら限定はなく、これらの単体又は
2種以上の混合物であってもよい。
0以上であり、好ましくは1600以上である。縮合リン酸
系化合物としては、直鎖状縮合物、環状縮合物、グラフ
ト状(枝分かれを有する)縮合物、網目状縮合物等、種
々の構造のものがあるが、本発明に用いられる縮合リン
酸系化合物としては何ら限定はなく、これらの単体又は
2種以上の混合物であってもよい。
【0017】縮合リン酸系化合物としては、酸とその塩
が挙げられる。塩としては、ナトリウム、カリウム等の
アルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカ
リ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、これらは
正塩、酸性塩(水素塩)、単塩、複塩等のいずれの形態
であっても良く、何ら制限されない。この縮合リン酸系
化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィ(GPC)で測定される、ポリエチレングリ
コール換算の重量平均分子量である。縮合リン酸系化合
物は、リン酸を加熱しつつ五酸化リン(P2O5)を添加
溶解される方法、リン酸塩を加熱脱水し、700〜900℃で
融解重合させる方法等によって得られる。
が挙げられる。塩としては、ナトリウム、カリウム等の
アルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカ
リ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、これらは
正塩、酸性塩(水素塩)、単塩、複塩等のいずれの形態
であっても良く、何ら制限されない。この縮合リン酸系
化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィ(GPC)で測定される、ポリエチレングリ
コール換算の重量平均分子量である。縮合リン酸系化合
物は、リン酸を加熱しつつ五酸化リン(P2O5)を添加
溶解される方法、リン酸塩を加熱脱水し、700〜900℃で
融解重合させる方法等によって得られる。
【0018】本発明において、重合系に、この縮合リン
酸系化合物は仕込まれる単量体に対して重量基準で、好
ましくは10〜1000ppm 、より好ましくは20〜500 ppm 、
特に好ましくは25〜200 ppm 添加される。縮合リン酸系
化合物の量が少なすぎると、十分なスケール付着防止効
果が得られず、多すぎると得られる塩化ビニル系重合体
の粒度分布がブロードになる恐れがある等の不都合が生
じる。縮合リン酸系化合物は、通常、重合開始前に仕込
み原料に添加される。
酸系化合物は仕込まれる単量体に対して重量基準で、好
ましくは10〜1000ppm 、より好ましくは20〜500 ppm 、
特に好ましくは25〜200 ppm 添加される。縮合リン酸系
化合物の量が少なすぎると、十分なスケール付着防止効
果が得られず、多すぎると得られる塩化ビニル系重合体
の粒度分布がブロードになる恐れがある等の不都合が生
じる。縮合リン酸系化合物は、通常、重合開始前に仕込
み原料に添加される。
【0019】製造方法
その他の重合条件は、以下に一端を説明するように、水
性媒体中における重合により塩化ビニル系重合体を製造
する際に従来用いられてきたものと同様でよい。重合開
始剤としては、油溶性重合開始剤及び又は水溶性重合開
始剤が用いられる。油溶性重合開始剤としては、例え
ば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキ
シエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネー
ト化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−
クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキ
シネオデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシ
クロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4-トリメチ
ルペンチル-2- パーオキシフェノキシアセテート等の過
酸化物;アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾ
ビス-(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等の
アゾ化合物などがあげられる。また水溶性重合開始剤と
しては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素等が例示される。これら例示された重合
開始剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて
使用することができる。
性媒体中における重合により塩化ビニル系重合体を製造
する際に従来用いられてきたものと同様でよい。重合開
始剤としては、油溶性重合開始剤及び又は水溶性重合開
始剤が用いられる。油溶性重合開始剤としては、例え
ば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキ
シエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネー
ト化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−
クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキ
シネオデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシ
クロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4-トリメチ
ルペンチル-2- パーオキシフェノキシアセテート等の過
酸化物;アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾ
ビス-(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等の
アゾ化合物などがあげられる。また水溶性重合開始剤と
しては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素等が例示される。これら例示された重合
開始剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0020】重合開始剤は、 水又は単量体の仕込み中、
あるいは仕込み終了後に添加すれば良く、予め単量体に
均一に混合して単量体と共に仕込んでも良く、さらに
は、水性エマルジョンとして水性媒体と共に仕込んでも
良い。これらの重合開始剤は、仕込まれる単量体100
重量部当たり0.01〜0.2重量部を使用すると好適であ
る。
あるいは仕込み終了後に添加すれば良く、予め単量体に
均一に混合して単量体と共に仕込んでも良く、さらに
は、水性エマルジョンとして水性媒体と共に仕込んでも
良い。これらの重合開始剤は、仕込まれる単量体100
重量部当たり0.01〜0.2重量部を使用すると好適であ
る。
【0021】分散安定剤も従来より塩化ビニル単量体の
重合に使用されているものを使用することができ、具体
的には水溶性でんぷん系エーテル類;ポリアクリル酸等
のアクリル酸重合体、ゼラチン、部分ケン化ポリビニル
アルコール、セルロースエーテル等の水溶性ポリマー;
油溶性の部分ケン化ポリビニルアルコール;ソルビタン
モノラウレート、ソルビタントリオレート、ソルビタン
モノステアレート、グリセリントリステアレート、エチ
レンオキシド・プロピレンオキシドブロックコポリマー
等の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、
ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤;炭酸カルシウ
ム、りん酸カルシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムなどがあり、これらは単独で又は2種以上の組
み合せで使用される。これらの分散安定剤の合計添加量
は、通常、仕込まれる単量体100重量部当たり0.02〜1
重量部の範囲で適宜調整すればよい。また、必要に応じ
て、塩化ビニル単量体の重合に適宜使用される重合調整
剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止
剤等を添加することも可能である。
重合に使用されているものを使用することができ、具体
的には水溶性でんぷん系エーテル類;ポリアクリル酸等
のアクリル酸重合体、ゼラチン、部分ケン化ポリビニル
アルコール、セルロースエーテル等の水溶性ポリマー;
油溶性の部分ケン化ポリビニルアルコール;ソルビタン
モノラウレート、ソルビタントリオレート、ソルビタン
モノステアレート、グリセリントリステアレート、エチ
レンオキシド・プロピレンオキシドブロックコポリマー
等の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、
ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤;炭酸カルシウ
ム、りん酸カルシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムなどがあり、これらは単独で又は2種以上の組
み合せで使用される。これらの分散安定剤の合計添加量
は、通常、仕込まれる単量体100重量部当たり0.02〜1
重量部の範囲で適宜調整すればよい。また、必要に応じ
て、塩化ビニル単量体の重合に適宜使用される重合調整
剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止
剤等を添加することも可能である。
【0022】単量体を分散させるために使用する水性媒
体の仕込み量は、従来の方法と同様、単量体に対する重
量比(水/単量体)が1.0〜1.5程度でも良く、必要に応
じて重合の途中で水を追加することができる。また、重
合温度も、従来の方法と同様、40〜70℃程度とすれ
ば良い。さらに、重合容器への水性媒体、塩化ビニル単
量体、場合によって使用される他のコモノマー、分散助
剤、重合開始剤などの仕込み方法も従来と同様にして行
えば良く、これらの仕込み量等もまた同様で良い。本発
明において、水性媒体中での重合方法として、懸濁重
合、乳化重合があげられるが、懸濁重合を用いるのが好
ましい。
体の仕込み量は、従来の方法と同様、単量体に対する重
量比(水/単量体)が1.0〜1.5程度でも良く、必要に応
じて重合の途中で水を追加することができる。また、重
合温度も、従来の方法と同様、40〜70℃程度とすれ
ば良い。さらに、重合容器への水性媒体、塩化ビニル単
量体、場合によって使用される他のコモノマー、分散助
剤、重合開始剤などの仕込み方法も従来と同様にして行
えば良く、これらの仕込み量等もまた同様で良い。本発
明において、水性媒体中での重合方法として、懸濁重
合、乳化重合があげられるが、懸濁重合を用いるのが好
ましい。
【0023】本発明方法は、内容積が40m3以上、好
ましくは80m3以上で、攪拌機及びジャケットが付設
されている重合容器を用いる場合において効果的であ
る。更には、該重合容器内に冷却バッフルを2本以上、
好ましくは4本以上有する重合容器を用いる場合におい
て特に効果的である。また本発明の製造方法において
は、使用される重合容器の内壁面及び重合中に前記単量
体が接触するその他の部分に重合体スケール付着防止剤
からなる塗膜が形成されていることが好ましい。以下、
この塗膜の形成に使用される重合体スケール付着防止
剤、塗布液の調製方法及び塗膜の形成方法について説明
する。
ましくは80m3以上で、攪拌機及びジャケットが付設
されている重合容器を用いる場合において効果的であ
る。更には、該重合容器内に冷却バッフルを2本以上、
好ましくは4本以上有する重合容器を用いる場合におい
て特に効果的である。また本発明の製造方法において
は、使用される重合容器の内壁面及び重合中に前記単量
体が接触するその他の部分に重合体スケール付着防止剤
からなる塗膜が形成されていることが好ましい。以下、
この塗膜の形成に使用される重合体スケール付着防止
剤、塗布液の調製方法及び塗膜の形成方法について説明
する。
【0024】重合体スケール付着防止剤
塗布液に使用される重合体スケール付着防止剤は有効成
分として、共役π結合を10以上有する有機化合物(以
下共役π結合化合物という)を含むものであり、かつ該
有機化合物の分子量が1000以上、好ましくは1500以上で
ある。該有機化合物の分子量は50,000以下であることが
好ましく、より好ましくは20,000以下である。この共役
π結合化合物の分子量はゲルパーミエーションクロマト
グラフィ(GPC) で測定されるものである。このような共
役π結合化合物として好ましいものを以下例示する。
分として、共役π結合を10以上有する有機化合物(以
下共役π結合化合物という)を含むものであり、かつ該
有機化合物の分子量が1000以上、好ましくは1500以上で
ある。該有機化合物の分子量は50,000以下であることが
好ましく、より好ましくは20,000以下である。この共役
π結合化合物の分子量はゲルパーミエーションクロマト
グラフィ(GPC) で測定されるものである。このような共
役π結合化合物として好ましいものを以下例示する。
【0025】アルデヒド化合物/芳香族ヒドロキシ系化
合物縮合生成物 アルデヒド化合物/芳香族ヒドロキシ系化合物縮合生成
物はアルデヒド化合物と芳香族ヒドロキシ系化合物との
縮合生成物である。このようなアルデヒド化合物/芳香
族ヒドロキシ系化合物縮合生成物を重合体スケール付着
防止剤に用いることについては、例えば特開昭57−1
92413、特公平06−62709、特開昭57−1
64107等に記載されている。
合物縮合生成物 アルデヒド化合物/芳香族ヒドロキシ系化合物縮合生成
物はアルデヒド化合物と芳香族ヒドロキシ系化合物との
縮合生成物である。このようなアルデヒド化合物/芳香
族ヒドロキシ系化合物縮合生成物を重合体スケール付着
防止剤に用いることについては、例えば特開昭57−1
92413、特公平06−62709、特開昭57−1
64107等に記載されている。
【0026】アルデヒド化合物としては、例えばホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール、フェニルアセ
トアルデヒド、3−フェニルプロピオンアルデヒド、2
−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられるが、ホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒドが工業的、経済的に
有利である。芳香族ヒドロキシ系化合物としては、例え
ばジヒドロキシビフェニル系化合物、ナフトール系化合
物、フェノール系化合物、タンニン類、2,3−ジヒド
ロキシナフタリンの2量体化合物等が挙げられる。
アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール、フェニルアセ
トアルデヒド、3−フェニルプロピオンアルデヒド、2
−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられるが、ホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒドが工業的、経済的に
有利である。芳香族ヒドロキシ系化合物としては、例え
ばジヒドロキシビフェニル系化合物、ナフトール系化合
物、フェノール系化合物、タンニン類、2,3−ジヒド
ロキシナフタリンの2量体化合物等が挙げられる。
【0027】ジヒドロキシビフェニル系化合物の例とし
ては、2,2′−ジヒドロキシビフェニル、2,2′−
ジヒドロキシ−5,5′−ジメチルビフェニル、2,
2′−ジヒドロキシ−4,4′,5,5′−テトラメチ
ルビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジ
クロロビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−5,5′
−ジシクロヘキシルビフェニル、2,2′−ジヒドロキ
シ−5,5′−ジ−tert−ブチルビフェニル等が挙げら
れ、なかでも工業的には2,2′−ジヒドロキシビフェ
ニルがとくに好適である。
ては、2,2′−ジヒドロキシビフェニル、2,2′−
ジヒドロキシ−5,5′−ジメチルビフェニル、2,
2′−ジヒドロキシ−4,4′,5,5′−テトラメチ
ルビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジ
クロロビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−5,5′
−ジシクロヘキシルビフェニル、2,2′−ジヒドロキ
シ−5,5′−ジ−tert−ブチルビフェニル等が挙げら
れ、なかでも工業的には2,2′−ジヒドロキシビフェ
ニルがとくに好適である。
【0028】ナフトール系化合物の例としては1−ナフ
トール、1,3−ジヒドロキシ−ナフタレン、及び1,
5−ジヒドロキシ−ナフタレンおよび1,7−ジヒドロ
キシ−ナフタレン等が挙げられる。フェノール系化合物
としては、フェノール、クレゾール、ピロガロール、ヒ
ドロキシヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、ヒド
ロキノン、ビスフェノールA、ヒドロキシ安息香酸、サ
リチル酸等が挙げられる。タンニン類としては、タンニ
ン酸、五倍子タンニン、没食子タンニン、スマックタン
ニン、ケブラチョタンニン、カキ渋タンニン等が挙げら
れる。2,3−ジヒドロキシナフタリンの2量体化合物
としては、例えば、2,2′,3,3′−テトラヒドロ
キシビオノチル等が挙げられる。
トール、1,3−ジヒドロキシ−ナフタレン、及び1,
5−ジヒドロキシ−ナフタレンおよび1,7−ジヒドロ
キシ−ナフタレン等が挙げられる。フェノール系化合物
としては、フェノール、クレゾール、ピロガロール、ヒ
ドロキシヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、ヒド
ロキノン、ビスフェノールA、ヒドロキシ安息香酸、サ
リチル酸等が挙げられる。タンニン類としては、タンニ
ン酸、五倍子タンニン、没食子タンニン、スマックタン
ニン、ケブラチョタンニン、カキ渋タンニン等が挙げら
れる。2,3−ジヒドロキシナフタリンの2量体化合物
としては、例えば、2,2′,3,3′−テトラヒドロ
キシビオノチル等が挙げられる。
【0029】上記アルデヒド化合物と芳香族ヒドロキシ
系化合物との縮合生成物はこれらの反応成分を適当な媒
体中、触媒存在下、通常、室温〜200 ℃で2〜100 時
間、好ましくは30〜150 ℃で3〜30時間反応させること
により製造される。上記の縮合反応を行う媒体として
は、例えば、水、アルコール類、ケトン類、エステル類
等の有機溶媒が挙げられ、例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類及び酢酸メチル、酢酸エチ
ル等のエステル類が挙げられる。上記縮合反応を行う媒
体のpHは通常1〜13の範囲であり、pH調整剤は特に制約
なく使用することができる。上記縮合反応に使用される
触媒としては例えば硫酸、塩酸、過塩素酸、P−トルエ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸等の酸性触媒;NaOH、KOH 、NH4 OH等の塩基
性触媒等が用いられる。
系化合物との縮合生成物はこれらの反応成分を適当な媒
体中、触媒存在下、通常、室温〜200 ℃で2〜100 時
間、好ましくは30〜150 ℃で3〜30時間反応させること
により製造される。上記の縮合反応を行う媒体として
は、例えば、水、アルコール類、ケトン類、エステル類
等の有機溶媒が挙げられ、例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類及び酢酸メチル、酢酸エチ
ル等のエステル類が挙げられる。上記縮合反応を行う媒
体のpHは通常1〜13の範囲であり、pH調整剤は特に制約
なく使用することができる。上記縮合反応に使用される
触媒としては例えば硫酸、塩酸、過塩素酸、P−トルエ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸等の酸性触媒;NaOH、KOH 、NH4 OH等の塩基
性触媒等が用いられる。
【0030】縮合反応を行う際のアルデヒド類と芳香族
ヒドロキシ系化合物との割合は使用するアルデヒド化合
物、芳香族ヒドロキシ系化合物、溶媒、及び触媒の種
類、反応時間、反応温度等に影響されるが、通常、芳香
族ヒドロキシ系化合物1モルに対してアルデヒド化合物
を0.1 〜10モルとすることが好ましい。
ヒドロキシ系化合物との割合は使用するアルデヒド化合
物、芳香族ヒドロキシ系化合物、溶媒、及び触媒の種
類、反応時間、反応温度等に影響されるが、通常、芳香
族ヒドロキシ系化合物1モルに対してアルデヒド化合物
を0.1 〜10モルとすることが好ましい。
【0031】ピロガロール/アセトン縮合生成物
ピロガロール/アセトン縮合生成物は、ピロガロールと
アセトンとの縮合生成物であり、通常、ピロガロール/
アセトンのモル比が1/0.1 〜1/10の範囲にあり、通
常、融点100 〜500 ℃である。融点は分子量が大きいほ
ど高く、例えば、融点160 〜170 ℃は分子量1450〜1650
に、融点200 〜220 ℃は分子量2600〜4000に相当する。
このようなピロガロール/アセトン縮合生成物を重合体
スケール付着防止剤に用いることについては、例えば特
開平4−328104等に記載されている。ピロガロー
ル/アセトン縮合生成物は、ピロガロールをアセトンに
溶解し、縮合触媒の存在下で縮合させることにより製造
される。このとき、ピロガロールは、アセトン100 重量
部当り、通常、1〜100 重量部用いられ、縮合触媒とし
ては例えば、オキシエンカリン等が使用される。反応
は、室温〜100 ℃で行えばよい。
アセトンとの縮合生成物であり、通常、ピロガロール/
アセトンのモル比が1/0.1 〜1/10の範囲にあり、通
常、融点100 〜500 ℃である。融点は分子量が大きいほ
ど高く、例えば、融点160 〜170 ℃は分子量1450〜1650
に、融点200 〜220 ℃は分子量2600〜4000に相当する。
このようなピロガロール/アセトン縮合生成物を重合体
スケール付着防止剤に用いることについては、例えば特
開平4−328104等に記載されている。ピロガロー
ル/アセトン縮合生成物は、ピロガロールをアセトンに
溶解し、縮合触媒の存在下で縮合させることにより製造
される。このとき、ピロガロールは、アセトン100 重量
部当り、通常、1〜100 重量部用いられ、縮合触媒とし
ては例えば、オキシエンカリン等が使用される。反応
は、室温〜100 ℃で行えばよい。
【0032】多価フェノール自己縮合生成物及び多価ナ
フトール自己縮合生成物 多価フェノールは、例えばカテコール、レゾルシノー
ル、クロロレゾルシノール、ヒドロキノン、フロログル
シノール、ピロガロール等;ジヒドロキシトルエンおよ
びキシレン;トリヒドロキシトルエンおよびキシレン;
エチル、プロピル、ブチルおよびペンチル、ジ−および
トリヒドロキシベンゼン等であり、多価ナフトールは
1,3−、1,4−、1,5−、又は1,7−ジヒドロ
キシナフタリン等のナフトール誘導体が例示される。こ
のような多価フェノール自己縮合生成物又は多価ナフト
ール自己縮合生成物を重合体スケール付着防止剤に用い
ることについては、例えば特開昭54−7487等に記
載されている。
フトール自己縮合生成物 多価フェノールは、例えばカテコール、レゾルシノー
ル、クロロレゾルシノール、ヒドロキノン、フロログル
シノール、ピロガロール等;ジヒドロキシトルエンおよ
びキシレン;トリヒドロキシトルエンおよびキシレン;
エチル、プロピル、ブチルおよびペンチル、ジ−および
トリヒドロキシベンゼン等であり、多価ナフトールは
1,3−、1,4−、1,5−、又は1,7−ジヒドロ
キシナフタリン等のナフトール誘導体が例示される。こ
のような多価フェノール自己縮合生成物又は多価ナフト
ール自己縮合生成物を重合体スケール付着防止剤に用い
ることについては、例えば特開昭54−7487等に記
載されている。
【0033】多価フェノール自己縮合生成物又は多価ナ
フトール自己縮合生成物は、多価フェノールもしくは多
価ナフトールを窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気下20
0 〜350 ℃の温度範囲において4〜100 時間加熱するこ
とにより製造される。この反応には、塩化亜鉛、塩化ア
ルミニウム、水酸化ナトリウムなどの種々な触媒を使用
できる。
フトール自己縮合生成物は、多価フェノールもしくは多
価ナフトールを窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気下20
0 〜350 ℃の温度範囲において4〜100 時間加熱するこ
とにより製造される。この反応には、塩化亜鉛、塩化ア
ルミニウム、水酸化ナトリウムなどの種々な触媒を使用
できる。
【0034】芳香族アミン系化合物縮合生成物
芳香族アミン系化合物縮合生成物としては、例えば、
芳香族アミン系化合物の自己縮合生成物、
芳香族アミン系化合物とフェノール系化合物との縮合
生成物、 芳香族アミン系化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合
生成物、及び 芳香族アミン系化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合
生成物をアルカリ金属塩もしくはアンモニウム化合物に
よりベース化したもの、 があげられる。このような芳香族アミン化合物縮合生成
物を重合体スケール付着防止剤に用いることについて
は、例えば特公昭59−16561、同60−3068
1等に記載されている。
生成物、 芳香族アミン系化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合
生成物、及び 芳香族アミン系化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合
生成物をアルカリ金属塩もしくはアンモニウム化合物に
よりベース化したもの、 があげられる。このような芳香族アミン化合物縮合生成
物を重合体スケール付着防止剤に用いることについて
は、例えば特公昭59−16561、同60−3068
1等に記載されている。
【0035】芳香族アミン化合物としては、アニリン、
オルソ,メタ又はパラフェニレンジアミン、オルソ,メ
タ又はパラアミノフェノール、オルソ,メタ又はパラク
ロロアニリン、パラアミノアゾベンゼン、2,4−ジア
ミノアゾベンゼン、パラ−アミノアセトアニリド、オル
ソ,メタ又はパラメチルアニリン、4−アミノジフェニ
ルアミン、2−アミノジフェニルアミン、4,4−ジア
ミノジフェニルアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェ
ニレンジアミン、4−アミノ−3′−メトキシジフェニ
ルアミン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルア
ミン、4−クロロ−オルソ−フェニレンジアミン、4−
メトキシ−オルソ−フェニレンジアミン、2−アミノ−
4−クロロフェノール、2,3−ジアミノトルエン、
2,4−ジアミノフェノール、4−アミノジフェニルア
ミン、2−アミノジフェニルアミン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルアミン、4−アミノ−3′−メトキシジフ
ェニルアミン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニ
ルアミン等のジフェニルアミン類が例示される。
オルソ,メタ又はパラフェニレンジアミン、オルソ,メ
タ又はパラアミノフェノール、オルソ,メタ又はパラク
ロロアニリン、パラアミノアゾベンゼン、2,4−ジア
ミノアゾベンゼン、パラ−アミノアセトアニリド、オル
ソ,メタ又はパラメチルアニリン、4−アミノジフェニ
ルアミン、2−アミノジフェニルアミン、4,4−ジア
ミノジフェニルアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェ
ニレンジアミン、4−アミノ−3′−メトキシジフェニ
ルアミン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルア
ミン、4−クロロ−オルソ−フェニレンジアミン、4−
メトキシ−オルソ−フェニレンジアミン、2−アミノ−
4−クロロフェノール、2,3−ジアミノトルエン、
2,4−ジアミノフェノール、4−アミノジフェニルア
ミン、2−アミノジフェニルアミン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルアミン、4−アミノ−3′−メトキシジフ
ェニルアミン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニ
ルアミン等のジフェニルアミン類が例示される。
【0036】フェノール系化合物は、具体的には、フェ
ノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、
ヒドロキシヒドロキノン、ピロガロール、オルソ、メタ
もしくはパラ−クロロフェノール、オルソ,メタもしく
はパラ−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安
息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒ
ドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−、2,6−又
は3,5−ジヒドロキシトルエン等のフェノール誘導体
が例示される。
ノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、
ヒドロキシヒドロキノン、ピロガロール、オルソ、メタ
もしくはパラ−クロロフェノール、オルソ,メタもしく
はパラ−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安
息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒ
ドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−、2,6−又
は3,5−ジヒドロキシトルエン等のフェノール誘導体
が例示される。
【0037】芳香族ニトロ化合物としては、ニトロベン
ゼン、オルソ,メタ又はパラオキシニトロベンゼン、オ
ルソ,メタ又はパラニトロアニソール、オルソ,メタ又
はパラニトロフェネトール、オルソ,メタ又はパラクロ
ロニトロベンゼン、オルソ,メタ又はパラアミノニトロ
ベンゼン、オルソ,メタ又はパラニトロ安息香酸、オル
ソ,メタ又はパラニトロベンゼンスルホン酸、オルソ,
メタ又はパラニトロアニリン、2−ニトロ−パラ−フェ
ニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、
2−アミノ−5−ニトロフェノール、4−アミノ−2−
ニトロフェノールなどが例示される。
ゼン、オルソ,メタ又はパラオキシニトロベンゼン、オ
ルソ,メタ又はパラニトロアニソール、オルソ,メタ又
はパラニトロフェネトール、オルソ,メタ又はパラクロ
ロニトロベンゼン、オルソ,メタ又はパラアミノニトロ
ベンゼン、オルソ,メタ又はパラニトロ安息香酸、オル
ソ,メタ又はパラニトロベンゼンスルホン酸、オルソ,
メタ又はパラニトロアニリン、2−ニトロ−パラ−フェ
ニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、
2−アミノ−5−ニトロフェノール、4−アミノ−2−
ニトロフェノールなどが例示される。
【0038】前記した芳香族アミン系化合物単独の自己
縮合反応、芳香族アミン系化合物とフェノール系化合物
との縮合反応、及び芳香族アミン系化合物と芳香族ニト
ロ化合物との縮合反応を行わせるには、鉱酸および縮合
触媒が使用されるが、この鉱酸としては塩酸、硝酸、臭
化水素酸、リン酸および硫酸などが例示される。
縮合反応、芳香族アミン系化合物とフェノール系化合物
との縮合反応、及び芳香族アミン系化合物と芳香族ニト
ロ化合物との縮合反応を行わせるには、鉱酸および縮合
触媒が使用されるが、この鉱酸としては塩酸、硝酸、臭
化水素酸、リン酸および硫酸などが例示される。
【0039】また好適な縮合触媒としては、過マンガン
酸、過マンガン酸カリウムのような過マンガン酸および
その塩、三酸化クロム、重クロム酸カリウム、塩化クロ
ム酸ナトリウムのようなクロム酸関連化合物、硝酸銀、
硝酸鉛のような金属硝酸塩、ヨウ素、臭素のようなハロ
ゲン、過酸化水素、過酸化ナトリウム、ベンゾイルパー
オキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
酢酸、キュメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸、
p−メンタンハイドロパーオキサイドのような過酸化
物、ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、塩素酸ナトリウムの
ような酸素酸あるいは酸素酸塩、塩化第一鉄、塩化第二
鉄、硫酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、酢酸鉛のような
金属塩類、オゾンおよび酸化銅、酸化水銀、酸化セリウ
ム、二酸化マンガン、オスミウム酸のような酸化物など
が例示される。また、過酸化水素を塩化第一鉄と組み合
せて使用することも有効である。前記した芳香族アミン
系化合物単独の自己縮合反応、芳香族アミン系化合物と
フェノール系化合物との縮合反応、及び芳香族アミン系
化合物と芳香族ニトロ系化合物との縮合反応は縮合触媒
の存在下100 〜350 ℃で2〜100 時間行われる。
酸、過マンガン酸カリウムのような過マンガン酸および
その塩、三酸化クロム、重クロム酸カリウム、塩化クロ
ム酸ナトリウムのようなクロム酸関連化合物、硝酸銀、
硝酸鉛のような金属硝酸塩、ヨウ素、臭素のようなハロ
ゲン、過酸化水素、過酸化ナトリウム、ベンゾイルパー
オキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
酢酸、キュメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸、
p−メンタンハイドロパーオキサイドのような過酸化
物、ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、塩素酸ナトリウムの
ような酸素酸あるいは酸素酸塩、塩化第一鉄、塩化第二
鉄、硫酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、酢酸鉛のような
金属塩類、オゾンおよび酸化銅、酸化水銀、酸化セリウ
ム、二酸化マンガン、オスミウム酸のような酸化物など
が例示される。また、過酸化水素を塩化第一鉄と組み合
せて使用することも有効である。前記した芳香族アミン
系化合物単独の自己縮合反応、芳香族アミン系化合物と
フェノール系化合物との縮合反応、及び芳香族アミン系
化合物と芳香族ニトロ系化合物との縮合反応は縮合触媒
の存在下100 〜350 ℃で2〜100 時間行われる。
【0040】芳香族アミン系化合物とフェノール系化合
物との縮合反応、及び芳香族アミン系化合物と芳香族ニ
トロ系化合物との縮合反応における芳香族アミン系化合
物、フェノール系化合物または芳香族ニトロ系化合物の
割合は使用される芳香族アミン系化合物、フェノール系
化合物、芳香族ニトロ系化合物及び触媒の種類、反応時
間、反応温度等によるが、通常芳香族アミン系化合物1
モルに対してフェノール系化合物又は芳香族ニトロ系化
合物0.1 〜10モルとすることが好ましい。
物との縮合反応、及び芳香族アミン系化合物と芳香族ニ
トロ系化合物との縮合反応における芳香族アミン系化合
物、フェノール系化合物または芳香族ニトロ系化合物の
割合は使用される芳香族アミン系化合物、フェノール系
化合物、芳香族ニトロ系化合物及び触媒の種類、反応時
間、反応温度等によるが、通常芳香族アミン系化合物1
モルに対してフェノール系化合物又は芳香族ニトロ系化
合物0.1 〜10モルとすることが好ましい。
【0041】芳香族アミン系化合物と芳香族ニトロ化合
物との縮合生成物をアルカリ金属塩もしくはアンモニウ
ム化合物によりベース化するには、例えば芳香族アミン
系化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合生成物100 重量
部を水に分散させ、これにNaOH、KOH 、Na2 CO3 、NH4
OH、(NH 4) 2 CO3 などのアルカリもしくはアンモニウ
ム化合物10〜20重量部を加え、混合物を90〜140 ℃で加
熱処理する。アルカリもしくはアンモニウム化合物は縮
合反応時に使用した鉱酸を中和するのに足りる量であれ
ばよい。
物との縮合生成物をアルカリ金属塩もしくはアンモニウ
ム化合物によりベース化するには、例えば芳香族アミン
系化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合生成物100 重量
部を水に分散させ、これにNaOH、KOH 、Na2 CO3 、NH4
OH、(NH 4) 2 CO3 などのアルカリもしくはアンモニウ
ム化合物10〜20重量部を加え、混合物を90〜140 ℃で加
熱処理する。アルカリもしくはアンモニウム化合物は縮
合反応時に使用した鉱酸を中和するのに足りる量であれ
ばよい。
【0042】キノン系化合物縮合生成物
キノン系化合物縮合生成物としては、例えば、(A) キノ
ン系化合物自己縮合生成物、及び(B) キノン系化合物
と、芳香族ヒドロキシ系化合物及び芳香族アミン系化合
物の中から選択される1種以上の化合物との縮合生成物
があげられる。このようなキノン系化合物縮合生成物又
は多価ナフトール自己縮合生成物を重合体スケール付着
防止剤に用いることについては、例えば特開平5−11
2603、同6−56911等に記載されている。
ン系化合物自己縮合生成物、及び(B) キノン系化合物
と、芳香族ヒドロキシ系化合物及び芳香族アミン系化合
物の中から選択される1種以上の化合物との縮合生成物
があげられる。このようなキノン系化合物縮合生成物又
は多価ナフトール自己縮合生成物を重合体スケール付着
防止剤に用いることについては、例えば特開平5−11
2603、同6−56911等に記載されている。
【0043】前記キノン系化合物としては、例えば、オ
ルソ,メタもしくはパラ−ベンゾキノン、トル−パラ−
キノン、オルソ−キシロ−パラ−キノン、チモキノン、
2−メトキシベンゾキノン、ゲンチシルキノン、ポリポ
ール酸、ユビキノンn等のベンゾキノン類及びこれらの
誘導体;6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−メチ
ル−1,4−ナフトキノン、α−ナフトキノン、ユグロ
ン、ローソン、ブルンバギン、アルカンニン、エキノク
ロムA、ビタミンK1 、ビタミンK2 、シコニン、β,
β′−ジメチルアクリルシコニン、β−ヒドロキシイソ
ワレルシコニン、テラクリルシコニン等のナフトキノン
類及びこれらの誘導体;テクトキノン、3−ヒドロキシ
−2−メチルアントラキノン、アントラキノン、2−ヒ
ドロキシアントラキノン、アリザリン、キサントブルブ
リン、ルビアジン、ムンジスチン、クリソフェン酸、カ
ルミン酸、ケルメシン酸、ラッカイン酸A等のアントラ
キノン類及びこれらの誘導体;フェナントレンキノン等
のフェナントレンキノン類が挙げられる。
ルソ,メタもしくはパラ−ベンゾキノン、トル−パラ−
キノン、オルソ−キシロ−パラ−キノン、チモキノン、
2−メトキシベンゾキノン、ゲンチシルキノン、ポリポ
ール酸、ユビキノンn等のベンゾキノン類及びこれらの
誘導体;6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−メチ
ル−1,4−ナフトキノン、α−ナフトキノン、ユグロ
ン、ローソン、ブルンバギン、アルカンニン、エキノク
ロムA、ビタミンK1 、ビタミンK2 、シコニン、β,
β′−ジメチルアクリルシコニン、β−ヒドロキシイソ
ワレルシコニン、テラクリルシコニン等のナフトキノン
類及びこれらの誘導体;テクトキノン、3−ヒドロキシ
−2−メチルアントラキノン、アントラキノン、2−ヒ
ドロキシアントラキノン、アリザリン、キサントブルブ
リン、ルビアジン、ムンジスチン、クリソフェン酸、カ
ルミン酸、ケルメシン酸、ラッカイン酸A等のアントラ
キノン類及びこれらの誘導体;フェナントレンキノン等
のフェナントレンキノン類が挙げられる。
【0044】前記芳香族アミン化合物としては、具体的
には、アニリン、オルソ,メタもしくはパラ−フェニレ
ンジアミン、オルソ,メタもしくはパラ−クロロアリニ
ン、オルソ,メタもしくはパラ−メチルアニリン、N,
N−ジメチルパラフェニレンジアミン、4−クロロ−オ
ルソフェニレンジアミン、4−メトキシオルソフェニレ
ンジアミン、2−アミノ−4−クロロフェノール、2,
3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノフェノール;
o−、m−もしくはp−アミノフェノール、o−、m−
もしくはp−アミノ安息香酸、2,3−、2,4−、
2,5−、2,6−、3,4−、3,5−もしくは4、
6−ジアミノ安息香酸、3−もしくは4−アミノフタル
酸、2−、4−もしくは5−アミノイソフタル酸、4,
6−ジアミノイソフタル酸、2,5−もしくは2,6−
ジアミノテレフタル酸、3−、4−もしくは5−アミノ
サリチル酸、4−オキシアントラニル酸、o−、m−も
しくはp−アミノベンゼンスルホン酸、2,3−、2,
4−,2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−
ジアミノベンゼンスルホン酸、2−アミノ−1−フェノ
ール−4−スルホン酸、6−アミノ−4−クロロ−1−
フェノール−2−スルホン酸等;α−ナフチルアミン、
β−ナフチルアミン、1,5−ジアミノナフタリン、1
−アミノ−5−ヒドロキシナフタリン、1,8−ジアミ
ノナフタリン、2,3−ジアミノナフタリン等;4−ア
ミノ−1−ナフトール、1−アミノ−5−ナフトール、
1,2−ナフチレンジアミン−7−カルボン酸、1,5
−ナフチレンジアミン−2−カルボン酸、1,5−ナフ
チレンジアミン−4−カルボン酸、1,6−ナフチレン
ジアミン−4−カルボン酸、1,8−ナフチレンジアミ
ン−4−カルボン酸、1,2−ナフチレンジアミン−3
−スルホン酸、1,2−ナフチレンジアミン−4−スル
ホン酸、1,2−ナフチレンジアミン−5−スルホン
酸、1,2−ナフチレンジアミン−6−スルホン酸、
1,2−ナフチレンジアミン−7−スルホン酸、1,3
−ナフチレンジアミン−5−スルホン酸、1,3−ナフ
チレンジアミン−6−スルホン酸、1,4−ナフチレン
ジアミン−2−スルホン酸、1,4−ナフチレンジアミ
ン−7−スルホン酸、1,5−ナフチレンジアミン−2
−スルホン酸、1,5−ナフチレンジアミン−4−スル
ホン酸、1,5−ナフチレンジアミン−7−スルホン
酸、1,6−ナフチレンジアミン−2−スルホン酸、
1,6−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、1,6
−ナフチレンジアミン−7−スルホン酸、1,8−ナフ
チレンジアミン−4−スルホン酸、1,8−ナフチレン
ジアミン−3,6−ジスルホン酸、1,8−ナフチレン
ジアミン−4,5−ジスルホン酸、α−アミノ−β−ナ
フタレンプロピオン酸、α−アミノ−β−ナフタレンカ
ルボン酸、2−ナフチルアミン−1−スルホン酸、8−
ナフチルアミン−1−スルホン酸、5−ナフチルアミン
−1−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−
スルホン酸、2−アミノ−8−ナフトール−6−スルホ
ン酸(γ酸)、2−アミノ−5−ナフトール−7−スル
ホン酸(J酸)、1−アミノ−8−ナフトール−3,6
−ジスルホン酸(H酸)等;4−アミノジフェニルアミ
ン、2−アミノジフェニルアミン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルアミン、4−アミノ−3′−メトキシジフェ
ニルアミン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニル
アミン、具体的には、4−ヒドロキシジフェニルアミ
ン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルアミン、
4−カルボキシジフェニルアミン、4−アミノ−4′−
カルボキシジフェニルアミン、4−スルホジフェニルア
ミン、4−アミノ−4′−スルホジフェニルアミン等の
ジフェニルアミン類が例示される。
には、アニリン、オルソ,メタもしくはパラ−フェニレ
ンジアミン、オルソ,メタもしくはパラ−クロロアリニ
ン、オルソ,メタもしくはパラ−メチルアニリン、N,
N−ジメチルパラフェニレンジアミン、4−クロロ−オ
ルソフェニレンジアミン、4−メトキシオルソフェニレ
ンジアミン、2−アミノ−4−クロロフェノール、2,
3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノフェノール;
o−、m−もしくはp−アミノフェノール、o−、m−
もしくはp−アミノ安息香酸、2,3−、2,4−、
2,5−、2,6−、3,4−、3,5−もしくは4、
6−ジアミノ安息香酸、3−もしくは4−アミノフタル
酸、2−、4−もしくは5−アミノイソフタル酸、4,
6−ジアミノイソフタル酸、2,5−もしくは2,6−
ジアミノテレフタル酸、3−、4−もしくは5−アミノ
サリチル酸、4−オキシアントラニル酸、o−、m−も
しくはp−アミノベンゼンスルホン酸、2,3−、2,
4−,2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−
ジアミノベンゼンスルホン酸、2−アミノ−1−フェノ
ール−4−スルホン酸、6−アミノ−4−クロロ−1−
フェノール−2−スルホン酸等;α−ナフチルアミン、
β−ナフチルアミン、1,5−ジアミノナフタリン、1
−アミノ−5−ヒドロキシナフタリン、1,8−ジアミ
ノナフタリン、2,3−ジアミノナフタリン等;4−ア
ミノ−1−ナフトール、1−アミノ−5−ナフトール、
1,2−ナフチレンジアミン−7−カルボン酸、1,5
−ナフチレンジアミン−2−カルボン酸、1,5−ナフ
チレンジアミン−4−カルボン酸、1,6−ナフチレン
ジアミン−4−カルボン酸、1,8−ナフチレンジアミ
ン−4−カルボン酸、1,2−ナフチレンジアミン−3
−スルホン酸、1,2−ナフチレンジアミン−4−スル
ホン酸、1,2−ナフチレンジアミン−5−スルホン
酸、1,2−ナフチレンジアミン−6−スルホン酸、
1,2−ナフチレンジアミン−7−スルホン酸、1,3
−ナフチレンジアミン−5−スルホン酸、1,3−ナフ
チレンジアミン−6−スルホン酸、1,4−ナフチレン
ジアミン−2−スルホン酸、1,4−ナフチレンジアミ
ン−7−スルホン酸、1,5−ナフチレンジアミン−2
−スルホン酸、1,5−ナフチレンジアミン−4−スル
ホン酸、1,5−ナフチレンジアミン−7−スルホン
酸、1,6−ナフチレンジアミン−2−スルホン酸、
1,6−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、1,6
−ナフチレンジアミン−7−スルホン酸、1,8−ナフ
チレンジアミン−4−スルホン酸、1,8−ナフチレン
ジアミン−3,6−ジスルホン酸、1,8−ナフチレン
ジアミン−4,5−ジスルホン酸、α−アミノ−β−ナ
フタレンプロピオン酸、α−アミノ−β−ナフタレンカ
ルボン酸、2−ナフチルアミン−1−スルホン酸、8−
ナフチルアミン−1−スルホン酸、5−ナフチルアミン
−1−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−
スルホン酸、2−アミノ−8−ナフトール−6−スルホ
ン酸(γ酸)、2−アミノ−5−ナフトール−7−スル
ホン酸(J酸)、1−アミノ−8−ナフトール−3,6
−ジスルホン酸(H酸)等;4−アミノジフェニルアミ
ン、2−アミノジフェニルアミン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルアミン、4−アミノ−3′−メトキシジフェ
ニルアミン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニル
アミン、具体的には、4−ヒドロキシジフェニルアミ
ン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルアミン、
4−カルボキシジフェニルアミン、4−アミノ−4′−
カルボキシジフェニルアミン、4−スルホジフェニルア
ミン、4−アミノ−4′−スルホジフェニルアミン等の
ジフェニルアミン類が例示される。
【0045】前記芳香族ヒドロキシ系化合物としては、
フェノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコー
ル、ヒドロキシヒドロキノン、ピロガロール、オルソ,
メタもしくはパラ−クロロフェノール、オルソ,メタも
しくはパラ−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキ
シ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−
ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香
酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−、2,6
−又は,3,5−ジヒドロキシトルエン等のフェノール
及びフェノール誘導体が例示される。さらに、α−ナフ
トール、β−ナフトール、1,3−、1,4−、1,5
−、2,3−、2,6−又は、2,7−ジヒドロキシナ
フタリン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトール誘導体が例示さ
れる。
フェノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコー
ル、ヒドロキシヒドロキノン、ピロガロール、オルソ,
メタもしくはパラ−クロロフェノール、オルソ,メタも
しくはパラ−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキ
シ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−
ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香
酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−、2,6
−又は,3,5−ジヒドロキシトルエン等のフェノール
及びフェノール誘導体が例示される。さらに、α−ナフ
トール、β−ナフトール、1,3−、1,4−、1,5
−、2,3−、2,6−又は、2,7−ジヒドロキシナ
フタリン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトール誘導体が例示さ
れる。
【0046】キノン系化合物の自己縮合、並びにキノン
系化合物と芳香族ヒドロキシ系化合物及び/又は芳香族
アミン系化合物との縮合は、有機溶媒系媒体中、必要に
応じて縮合触媒の存在下で行われる。上記有機溶媒系媒
体のpHは1〜13.5の範囲であり、好ましくは、pH9〜13
である。pH調整剤は特に制約されることなく使用するこ
とができ、酸性化合物としては、例えば、リン酸、硫
酸、フィチン酸、酢酸等が使用され、アルカリ性化合物
としては、例えば、LiOH、KOH 、NaOH、Na2 CO3、Na2 S
iO 3 、Na2HPO 4 、NH4 OH等のアルカリ金属化合物或
いはアンモニウム化合物、エチレンジアミン、モノエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン化
合物等が使用される。
系化合物と芳香族ヒドロキシ系化合物及び/又は芳香族
アミン系化合物との縮合は、有機溶媒系媒体中、必要に
応じて縮合触媒の存在下で行われる。上記有機溶媒系媒
体のpHは1〜13.5の範囲であり、好ましくは、pH9〜13
である。pH調整剤は特に制約されることなく使用するこ
とができ、酸性化合物としては、例えば、リン酸、硫
酸、フィチン酸、酢酸等が使用され、アルカリ性化合物
としては、例えば、LiOH、KOH 、NaOH、Na2 CO3、Na2 S
iO 3 、Na2HPO 4 、NH4 OH等のアルカリ金属化合物或
いはアンモニウム化合物、エチレンジアミン、モノエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン化
合物等が使用される。
【0047】縮合反応の媒体としては、有機溶媒、例え
ばアルコール類、ケトン類、エステル類等;水と混和性
を有する駆動有機溶媒と水の混合溶媒が好ましい。水と
混和性を有する媒体としては、例えばメタノール、エタ
ノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類及び酢酸メチル、酢酸エ
チル等のエステル類が使用できる。
ばアルコール類、ケトン類、エステル類等;水と混和性
を有する駆動有機溶媒と水の混合溶媒が好ましい。水と
混和性を有する媒体としては、例えばメタノール、エタ
ノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類及び酢酸メチル、酢酸エ
チル等のエステル類が使用できる。
【0048】また、必要に応じて縮合触媒が使用される
が、縮合触媒としては、α,α′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、α,α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル等のアゾ触媒、ヨウ素、臭素、塩素等の元素
ないし分子状の単体ハロゲン、過酸化水素、過酸化ナト
リウム、ベンゾイルパーオキサイド、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酢酸、キュメンハイドロパーオ
キサイド、過安息香酸、p−メンタンハイドロパーオキ
サイド等の過酸化物、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過ヨウ素
酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等の酸素酸あるいは酸
素酸塩が例示される。なお、キノン化合物が縮合触媒と
して作用するので、縮合触媒を使用しなくても縮合反応
は行われる。
が、縮合触媒としては、α,α′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、α,α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル等のアゾ触媒、ヨウ素、臭素、塩素等の元素
ないし分子状の単体ハロゲン、過酸化水素、過酸化ナト
リウム、ベンゾイルパーオキサイド、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酢酸、キュメンハイドロパーオ
キサイド、過安息香酸、p−メンタンハイドロパーオキ
サイド等の過酸化物、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過ヨウ素
酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等の酸素酸あるいは酸
素酸塩が例示される。なお、キノン化合物が縮合触媒と
して作用するので、縮合触媒を使用しなくても縮合反応
は行われる。
【0049】縮合反応は、通常、室温〜200 ℃で0.5 〜
100 時間行なえばよい。キノン系化合物(a)と、芳香族
ヒドロキシ化合物及び/又は芳香族アミン化合物(b)と
を縮合させる場合の両反応成分の割合は、芳香族アミン
系化合物、キノン系化合物、芳香族ヒドロキシ系化合物
の種類、反応温度、反応時間に影響されるが、本発明に
おいては、(a)成分1モル当たり、(b)成分を0.01〜10.0
モルとすることが好ましい。以上例示した重合体スケー
ル防止剤は、一種単独でも二種以上の組み合わせでも使
用することができる。
100 時間行なえばよい。キノン系化合物(a)と、芳香族
ヒドロキシ化合物及び/又は芳香族アミン化合物(b)と
を縮合させる場合の両反応成分の割合は、芳香族アミン
系化合物、キノン系化合物、芳香族ヒドロキシ系化合物
の種類、反応温度、反応時間に影響されるが、本発明に
おいては、(a)成分1モル当たり、(b)成分を0.01〜10.0
モルとすることが好ましい。以上例示した重合体スケー
ル防止剤は、一種単独でも二種以上の組み合わせでも使
用することができる。
【0050】重合体スケール付着防止剤塗布液の調製
重合体スケール防止剤からなる塗膜を重合容器の内表面
に形成するには、適当な溶媒を用いて塗布液を調製し、
これを塗布する。重合体スケール付着防止剤塗布液の調
製に使用する溶媒としては、例えば、水;メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−
プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチ
ル−2−ブタノール、2−ペンタノール等のアルコール
系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン系溶剤;ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル等のエ
ステル系溶剤;4−メチルジオキソラン、エチレングリ
コールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;フラン
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ア
セトニトリル等の非プロトン系溶剤等が挙げられる。こ
れらは適宜単独で又は二種以上の混合溶媒として使用さ
れる。
に形成するには、適当な溶媒を用いて塗布液を調製し、
これを塗布する。重合体スケール付着防止剤塗布液の調
製に使用する溶媒としては、例えば、水;メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−
プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチ
ル−2−ブタノール、2−ペンタノール等のアルコール
系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン系溶剤;ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル等のエ
ステル系溶剤;4−メチルジオキソラン、エチレングリ
コールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;フラン
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ア
セトニトリル等の非プロトン系溶剤等が挙げられる。こ
れらは適宜単独で又は二種以上の混合溶媒として使用さ
れる。
【0051】上記溶媒の中で好ましいものは、水、及び
水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶媒である。
上記した有機溶媒の中で水と混和性を有する有機溶媒と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール等のア
ルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶
剤が挙げられる。特にアルコール系溶媒を用いることが
好ましい。水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶
媒を使用する場合の有機溶媒の含有量は、引火、揮発等
の危険がなく、毒性等の取扱上の安全の問題がない量と
するのが好ましく、具体的には、有機溶媒が50重量%以
下であることが好ましく、更に、30重量%以下であるこ
とが好ましい。また塗布液は、pH=7.5〜13.5、
さらに8.0〜13.0の範囲にあるものを使用するこ
とが好ましい。この範囲内にあると、重合体スケール付
着防止効果がいっそう向上する。pH調整に使用するアル
カリ化合物としては、例えば、LiOH、NaOH、KOH 、Na2
CO3 、Na2 HPO 4 、NH4 OH等のアルカリ金属化合物或い
はアンモニア化合物、エチレンジアミン、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
等の有機アミン化合物等が使用可能である。スケール付
着防止剤を塗布する際の塗布液中の共役π結合化合物の
濃度は0.01〜10重量%の範囲が好ましく、より好ましく
は0.05〜3.0 重量%である。
水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶媒である。
上記した有機溶媒の中で水と混和性を有する有機溶媒と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール等のア
ルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶
剤が挙げられる。特にアルコール系溶媒を用いることが
好ましい。水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶
媒を使用する場合の有機溶媒の含有量は、引火、揮発等
の危険がなく、毒性等の取扱上の安全の問題がない量と
するのが好ましく、具体的には、有機溶媒が50重量%以
下であることが好ましく、更に、30重量%以下であるこ
とが好ましい。また塗布液は、pH=7.5〜13.5、
さらに8.0〜13.0の範囲にあるものを使用するこ
とが好ましい。この範囲内にあると、重合体スケール付
着防止効果がいっそう向上する。pH調整に使用するアル
カリ化合物としては、例えば、LiOH、NaOH、KOH 、Na2
CO3 、Na2 HPO 4 、NH4 OH等のアルカリ金属化合物或い
はアンモニア化合物、エチレンジアミン、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
等の有機アミン化合物等が使用可能である。スケール付
着防止剤を塗布する際の塗布液中の共役π結合化合物の
濃度は0.01〜10重量%の範囲が好ましく、より好ましく
は0.05〜3.0 重量%である。
【0052】上記の重合体スケール付着防止剤は、スケ
ールの付着防止効果をより向上させるため、無機コロイ
ド及びアルカリ金属のケイ酸塩からなる群から選ばれる
少なくと1種を含有することが好ましい。該添加剤は、
恐らく共役π結合化合物と相互作用して、得られるスケ
ール付着防止剤からなる塗膜の表面の親水性を高めた
り、重合体スケール付着防止剤の重合容器内壁への付着
を高めたりする作用があると推定される。
ールの付着防止効果をより向上させるため、無機コロイ
ド及びアルカリ金属のケイ酸塩からなる群から選ばれる
少なくと1種を含有することが好ましい。該添加剤は、
恐らく共役π結合化合物と相互作用して、得られるスケ
ール付着防止剤からなる塗膜の表面の親水性を高めた
り、重合体スケール付着防止剤の重合容器内壁への付着
を高めたりする作用があると推定される。
【0053】無機コロイドとしては、例えば、アルミニ
ウム、トリウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、
スズ、鉄等から選択される金属の酸化物及び水酸化物の
コロイド、タングステン酸、五酸化バナジウム、金及び
銀のコロイド、ヨウ化銀ゾル、セレン、イオウ、シリカ
等のコロイド等が挙げられる。これらの中で好ましいも
のは、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ及び
鉄から選択される金属の酸化物及び水酸化物のコロイ
ド、並びにコロイドシリカである。無機コロイドはどの
ような製造方法で得られたものでもよく、製造方法は特
に限定されない。例えば、水を分散媒とする分散法や、
凝集法により製造される粒子コロイドでよい。コロイド
粒子の大きさは1〜500mμが好ましい。
ウム、トリウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、
スズ、鉄等から選択される金属の酸化物及び水酸化物の
コロイド、タングステン酸、五酸化バナジウム、金及び
銀のコロイド、ヨウ化銀ゾル、セレン、イオウ、シリカ
等のコロイド等が挙げられる。これらの中で好ましいも
のは、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ及び
鉄から選択される金属の酸化物及び水酸化物のコロイ
ド、並びにコロイドシリカである。無機コロイドはどの
ような製造方法で得られたものでもよく、製造方法は特
に限定されない。例えば、水を分散媒とする分散法や、
凝集法により製造される粒子コロイドでよい。コロイド
粒子の大きさは1〜500mμが好ましい。
【0054】アルカリ金属のケイ酸塩としては、例え
ば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
のメタケイ酸塩( M2 SiO 3 ) 、オルトケイ酸塩(M4 Si
O 4 )、二ケイ酸塩(M2 Si2 O 3 ) 、三ケイ酸塩(M3 Si
3 O 7 ) 、セスキケイ酸(M4 Si3 O 10) 等(なお、ここ
でMはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属を示す。)、並びに水ガラスが挙げられる。無機コロ
イド及びアルカリ金属ケイ酸塩は、1種単独でも2種以
上を組み合わせても使用可能である。また、無機コロイ
ド及びアルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる成分の量は、
前記共役π結合化合物1重量部当たり、通常、0.01〜10
重量部であり、好ましくは、0.05〜5重量部である。ま
た、上記の重合体スケール付着防止剤は、重合体スケー
ル付着防止効果をより向上させるため、水溶性高分子化
合物を含有することが好ましい。これも、恐らく共役π
結合化合物と相互作用して塗膜表面の親水性を高める作
用があるためと推定される。
ば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
のメタケイ酸塩( M2 SiO 3 ) 、オルトケイ酸塩(M4 Si
O 4 )、二ケイ酸塩(M2 Si2 O 3 ) 、三ケイ酸塩(M3 Si
3 O 7 ) 、セスキケイ酸(M4 Si3 O 10) 等(なお、ここ
でMはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属を示す。)、並びに水ガラスが挙げられる。無機コロ
イド及びアルカリ金属ケイ酸塩は、1種単独でも2種以
上を組み合わせても使用可能である。また、無機コロイ
ド及びアルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる成分の量は、
前記共役π結合化合物1重量部当たり、通常、0.01〜10
重量部であり、好ましくは、0.05〜5重量部である。ま
た、上記の重合体スケール付着防止剤は、重合体スケー
ル付着防止効果をより向上させるため、水溶性高分子化
合物を含有することが好ましい。これも、恐らく共役π
結合化合物と相互作用して塗膜表面の親水性を高める作
用があるためと推定される。
【0055】水溶性高分子化合物としては、例えば、ゼ
ラチン、カゼイン等の両性高分子化合物;例えば、ポリ
アクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、カルボキシメチ
ルセルロース、アルギン酸等のアニオン性高分子化合
物;例えば、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミ
ド等のカチオン性含窒素高分子化合物;例えば、ポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ペクチン等のヒドロキシル基
含有高分子化合物等が例示される。
ラチン、カゼイン等の両性高分子化合物;例えば、ポリ
アクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、カルボキシメチ
ルセルロース、アルギン酸等のアニオン性高分子化合
物;例えば、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミ
ド等のカチオン性含窒素高分子化合物;例えば、ポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ペクチン等のヒドロキシル基
含有高分子化合物等が例示される。
【0056】塗膜の形成
上記のようにして調製される塗布液を用いて重合容器内
壁面に塗膜を形成するには、まず、塗布液を重合容器内
壁面等に塗布し、次いで、例えば室温から100℃までの
温度範囲で充分に乾燥させた後、さらに必要に応じて水
洗する。また、前記塗布液は、重合容器内壁面だけでな
く、通常、重合中に単量体が接触する他の部位にも塗布
する。例えば、攪拌翼、攪拌軸、バッフル、コンデン
サ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナット等が挙げら
れる。更に好ましくは、前記塗布液は重合中に単量体が
接触する部位以外であっても、重合体スケールが付着す
る恐れのある部位、例えば未反応単量体の回収系統の機
器及び配管の内面等には、前記塗膜を形成した方がよ
い。具体的には、モノマー蒸留塔、コンデンサ、モノマ
ー貯蔵タンク、バルブ等の内面が挙げられる。
壁面に塗膜を形成するには、まず、塗布液を重合容器内
壁面等に塗布し、次いで、例えば室温から100℃までの
温度範囲で充分に乾燥させた後、さらに必要に応じて水
洗する。また、前記塗布液は、重合容器内壁面だけでな
く、通常、重合中に単量体が接触する他の部位にも塗布
する。例えば、攪拌翼、攪拌軸、バッフル、コンデン
サ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナット等が挙げら
れる。更に好ましくは、前記塗布液は重合中に単量体が
接触する部位以外であっても、重合体スケールが付着す
る恐れのある部位、例えば未反応単量体の回収系統の機
器及び配管の内面等には、前記塗膜を形成した方がよ
い。具体的には、モノマー蒸留塔、コンデンサ、モノマ
ー貯蔵タンク、バルブ等の内面が挙げられる。
【0057】このようにして、重合中に単量体が接触す
る部位、及びそれ以外の重合体スケールが付着する恐れ
のある部位に塗膜を形成すると、それらの部位への重合
体スケールの付着が防止される。なお、塗布液を重合容
器内壁面に塗布する方法は、特に限定されず、例えばハ
ケ塗り、スプレー塗布、塗布液で重合容器を満たした後
に抜き出す方法等を始めとして、そのほか例えば特開昭
57-61001号、同55-36288号、特公昭56-501116 号、同56
-501117 号、特開昭59-11303号等に記載の N2ガス圧で
のスプレー、モノマーガス圧でのスプレー、低圧水蒸気
による噴霧等の塗布方法を用いることができる。いずれ
の塗布方法によっても塗布ムラが生じることがあり得る
が、その場合でも本発明の方法によれば、スケールの付
着をこれまでよりも効果的に防止することができる。塗
布を行う際の重合容器のジャケット温度は、通常10〜95
℃の範囲でよく、好ましくは40〜80℃である。塗布後の
乾燥は、ジャケット温度30〜95℃、好ましくは40〜80℃
で器内を開放することなく器内を減圧にして乾燥する。
る部位、及びそれ以外の重合体スケールが付着する恐れ
のある部位に塗膜を形成すると、それらの部位への重合
体スケールの付着が防止される。なお、塗布液を重合容
器内壁面に塗布する方法は、特に限定されず、例えばハ
ケ塗り、スプレー塗布、塗布液で重合容器を満たした後
に抜き出す方法等を始めとして、そのほか例えば特開昭
57-61001号、同55-36288号、特公昭56-501116 号、同56
-501117 号、特開昭59-11303号等に記載の N2ガス圧で
のスプレー、モノマーガス圧でのスプレー、低圧水蒸気
による噴霧等の塗布方法を用いることができる。いずれ
の塗布方法によっても塗布ムラが生じることがあり得る
が、その場合でも本発明の方法によれば、スケールの付
着をこれまでよりも効果的に防止することができる。塗
布を行う際の重合容器のジャケット温度は、通常10〜95
℃の範囲でよく、好ましくは40〜80℃である。塗布後の
乾燥は、ジャケット温度30〜95℃、好ましくは40〜80℃
で器内を開放することなく器内を減圧にして乾燥する。
【0058】
【実施例】実施例1〜5:比較例1〜3
各例において、平板バッフル、攪拌機、重合容器の外部
にジャケット、重合容器の頭部に還流コンデンサー、及
び重合容器の気相部の上部に重合体スケール付着防止剤
塗布液の塗布用スプレーノズルが布設されている内容積
が2.1m3のステンレス製重合容器に脱イオン水900kg、表
1に記載の縮合リン酸系化合物を同表に示した量、水溶
性部分ケン化ポリビニルアルコール360g、油溶性部分ケ
ン化ポリビニルアルコール60gを仕込み、重合容器内の
排気を行なった後、塩化ビニル単量体600kgを仕込ん
だ。次いで、t−ブチルパーオキシネオデカネート420g
を仕込み、重合容器内の内容物を攪拌翼で攪拌しながら
ジャケットに熱水を通して該内容物の昇温をすることに
より重合を開始し、内容物の温度が57℃となるように調
節した。昇温開始から60分経過後、還流コンデンサーを
作動させ、内容物の除熱を開始した(除熱量:150Mcal
/時間)。重合容器内の圧力が6.5kg/cm2G(740Kpa)
に降圧後、反応を停止した(重合時間は4.3時間であっ
た)。
にジャケット、重合容器の頭部に還流コンデンサー、及
び重合容器の気相部の上部に重合体スケール付着防止剤
塗布液の塗布用スプレーノズルが布設されている内容積
が2.1m3のステンレス製重合容器に脱イオン水900kg、表
1に記載の縮合リン酸系化合物を同表に示した量、水溶
性部分ケン化ポリビニルアルコール360g、油溶性部分ケ
ン化ポリビニルアルコール60gを仕込み、重合容器内の
排気を行なった後、塩化ビニル単量体600kgを仕込ん
だ。次いで、t−ブチルパーオキシネオデカネート420g
を仕込み、重合容器内の内容物を攪拌翼で攪拌しながら
ジャケットに熱水を通して該内容物の昇温をすることに
より重合を開始し、内容物の温度が57℃となるように調
節した。昇温開始から60分経過後、還流コンデンサーを
作動させ、内容物の除熱を開始した(除熱量:150Mcal
/時間)。重合容器内の圧力が6.5kg/cm2G(740Kpa)
に降圧後、反応を停止した(重合時間は4.3時間であっ
た)。
【0059】重合終了後、重合容器内より、未反応単量
体を回収し、得られた重合体をスラリー状で器外に抜き
出し後、重合容器内を水洗して重合容器内にある残存樹
脂を除去した。以後、原料の仕込みから重合を経て及び
水洗までの操作を1バッチとして同じ操作を表1に示し
たバッチ数繰り返した。最終バッチ終了後に、重合中に
液相部に存在した重合容器内壁面と、平板バッフルの重
合容器内壁面に面している表面(前記スプレーノズルか
ら見て陰になる表面)とにおける重合体スケール付着状
況を観察した。その観察結果を表2に記した。また最終
バッチ終了後に重合容器内より抜き出して得られた重合
体スラリーの脱水、乾燥を行って塩化ビニル重合体を得
た。得られた塩化ビニル重合体について下記の方法で初
期着色性試験及びその結果を表2に記した。
体を回収し、得られた重合体をスラリー状で器外に抜き
出し後、重合容器内を水洗して重合容器内にある残存樹
脂を除去した。以後、原料の仕込みから重合を経て及び
水洗までの操作を1バッチとして同じ操作を表1に示し
たバッチ数繰り返した。最終バッチ終了後に、重合中に
液相部に存在した重合容器内壁面と、平板バッフルの重
合容器内壁面に面している表面(前記スプレーノズルか
ら見て陰になる表面)とにおける重合体スケール付着状
況を観察した。その観察結果を表2に記した。また最終
バッチ終了後に重合容器内より抜き出して得られた重合
体スラリーの脱水、乾燥を行って塩化ビニル重合体を得
た。得られた塩化ビニル重合体について下記の方法で初
期着色性試験及びその結果を表2に記した。
【0060】<初期着色性測定方法>
塩化ビニル重合体100重量部にラウリン酸錫1.0部、カド
ミウム系安定剤0.5 部及び可塑剤DOP50部を配合し、
6インチロールを用いて160℃で5分間混練した後、厚
さ0.8mmのシートを形成した。次にこのシートを裁断し
て重ねて4cm×4cm×1.5cmの型枠に入れて、150℃、65〜
70kgf/cm 2 で加熱、加圧成形して測定試料を作成した。
この測定試料について光電色彩計(日本電色工業(株)
製)を用いてJIS Z-8730に記載のハンターの色差式にお
けるL値、a値、b値を測定して評価した。同時に肉眼
観察によって評価した。
ミウム系安定剤0.5 部及び可塑剤DOP50部を配合し、
6インチロールを用いて160℃で5分間混練した後、厚
さ0.8mmのシートを形成した。次にこのシートを裁断し
て重ねて4cm×4cm×1.5cmの型枠に入れて、150℃、65〜
70kgf/cm 2 で加熱、加圧成形して測定試料を作成した。
この測定試料について光電色彩計(日本電色工業(株)
製)を用いてJIS Z-8730に記載のハンターの色差式にお
けるL値、a値、b値を測定して評価した。同時に肉眼
観察によって評価した。
【0061】比較例4
実施例1で用いた重合容器を用い、重合体スケール付着
防止剤塗布液として、(A) C.I. ダイレクトブルー1
(商品名:アルドリッチ製 染料)(B) C.I. ダイレク
トブルー12(商品名:アルドリッチ製 染料)及び(C)
フィチン酸を、重量比(A)/(B)/(C)=5/1/9で、か
つ{(A)+(B)+(C)}の合計濃度が5重量%の水溶液を重
合容器気相部の上部に設置されたスプレーノズルより重
合容器内全体にスプレー塗布した。スプレー塗布は液量
100g/minの割合で2分間行なった。次に乾燥工程で塗膜
を乾燥形成させるのに50℃で10分間要した。次に水洗工
程で残余の塗布液を除去するのに2分間要した。従っ
て、重合体スケール付着防止剤からなる塗膜の形成に要
した時間(重合体スケール付着防止剤塗布液の塗布開始
から水洗工程終了までの時間)は14分であった。
防止剤塗布液として、(A) C.I. ダイレクトブルー1
(商品名:アルドリッチ製 染料)(B) C.I. ダイレク
トブルー12(商品名:アルドリッチ製 染料)及び(C)
フィチン酸を、重量比(A)/(B)/(C)=5/1/9で、か
つ{(A)+(B)+(C)}の合計濃度が5重量%の水溶液を重
合容器気相部の上部に設置されたスプレーノズルより重
合容器内全体にスプレー塗布した。スプレー塗布は液量
100g/minの割合で2分間行なった。次に乾燥工程で塗膜
を乾燥形成させるのに50℃で10分間要した。次に水洗工
程で残余の塗布液を除去するのに2分間要した。従っ
て、重合体スケール付着防止剤からなる塗膜の形成に要
した時間(重合体スケール付着防止剤塗布液の塗布開始
から水洗工程終了までの時間)は14分であった。
【0062】このようにして重合容器内壁面等に重合体
スケール付着防止剤の塗膜を形成した重合容器を使用し
た以外は、比較例3と同様の条件で塩化ビニルの重合を
行った。重合終了後、重合容器内より未反応単量体を回
収し、得られた重合体をスラリー状で器外に抜き出し
後、重合容器内を水洗して重合容器内にある残存樹脂を
除去した。以後、重合体スケール付着防止剤の塗膜の形
成、原料の仕込み、重合から水洗までの操作を1バッチ
として同じ操作を表2に示したバッチ数繰り返した。最
終バッチ終了後に、重合中に液相部に存在した重合容器
内壁面と、平板バッフルの重合容器内壁面に面している
表面とにおける重合体スケール付着状況を観察した。そ
の観察結果を表2に記した。又、初期着色試験の結果を
表2に記した。
スケール付着防止剤の塗膜を形成した重合容器を使用し
た以外は、比較例3と同様の条件で塩化ビニルの重合を
行った。重合終了後、重合容器内より未反応単量体を回
収し、得られた重合体をスラリー状で器外に抜き出し
後、重合容器内を水洗して重合容器内にある残存樹脂を
除去した。以後、重合体スケール付着防止剤の塗膜の形
成、原料の仕込み、重合から水洗までの操作を1バッチ
として同じ操作を表2に示したバッチ数繰り返した。最
終バッチ終了後に、重合中に液相部に存在した重合容器
内壁面と、平板バッフルの重合容器内壁面に面している
表面とにおける重合体スケール付着状況を観察した。そ
の観察結果を表2に記した。又、初期着色試験の結果を
表2に記した。
【0063】比較例5
比較例4において、スプレー塗布を液量100g/minの割合
で5分間行った以外は同様にして塗布作業を行った。そ
の結果、乾燥工程で塗膜を乾燥形成させるのに50℃で10
分間要した。水洗工程では残余の塗布液を除去するのに
2分間要した。そのため、重合体スケール付着防止剤か
らなる塗膜の形成に合計17分要した。こうして塗膜を形
成した重合容器を用いた他は、比較例3と同様にして重
合を行った。また、同様に、表2に示したバッチ数繰り
返した。最終バッチ終了後に重合容器内液層部、重合容
器壁面と重合容器壁面に面している平板バッフル表面の
重合体スケール付着状況を観察した。その観察結果を表
2に記した。又、初期着色試験の結果を表2に記した。
で5分間行った以外は同様にして塗布作業を行った。そ
の結果、乾燥工程で塗膜を乾燥形成させるのに50℃で10
分間要した。水洗工程では残余の塗布液を除去するのに
2分間要した。そのため、重合体スケール付着防止剤か
らなる塗膜の形成に合計17分要した。こうして塗膜を形
成した重合容器を用いた他は、比較例3と同様にして重
合を行った。また、同様に、表2に示したバッチ数繰り
返した。最終バッチ終了後に重合容器内液層部、重合容
器壁面と重合容器壁面に面している平板バッフル表面の
重合体スケール付着状況を観察した。その観察結果を表
2に記した。又、初期着色試験の結果を表2に記した。
【0064】
【表1】
**)縮合リン酸系化合物の分子量の測定
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によ
り、下記の測定条件で、ポリエチレングリコール換算の
重量平均分子量を測定した。
り、下記の測定条件で、ポリエチレングリコール換算の
重量平均分子量を測定した。
【0065】カラム: Shodex OHpak KB−800KB+802.
5×2(SHOKO Co.,Ltd製) 移動相: 0.1M−Nacl 流量 : 0.7ml/min 温度 : 40℃ 検出器: RI(Shodex SE−61,SHOKO Co.,Ltd製)
5×2(SHOKO Co.,Ltd製) 移動相: 0.1M−Nacl 流量 : 0.7ml/min 温度 : 40℃ 検出器: RI(Shodex SE−61,SHOKO Co.,Ltd製)
【0066】
【表2】
【0067】以下の実施例では各種縮合生成物を有効成
分とする重合体スケール付着防止剤を使用した。これら
縮合生成物の製造例を以下に示す。縮合生成物の製造 以下の製造例において、得られた縮合生成物の分子量は
次のようにして測定した。
分とする重合体スケール付着防止剤を使用した。これら
縮合生成物の製造例を以下に示す。縮合生成物の製造 以下の製造例において、得られた縮合生成物の分子量は
次のようにして測定した。
【0068】・分子量の測定
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によ
り、下記の測定条件で、ポリスチレン換算の重量平均分
子量を測定した。 カラム: ガードカラム 商品名 slim-pack GPC-800DP 、島津製作所社製 分析カラム 商品名 slim-pack GPC-803D、802D、島津製作所社製 移動相: 10mM LiBr/DMF 流量 : 1.0ml/min 検出器: RI 温度 : 60℃
り、下記の測定条件で、ポリスチレン換算の重量平均分
子量を測定した。 カラム: ガードカラム 商品名 slim-pack GPC-800DP 、島津製作所社製 分析カラム 商品名 slim-pack GPC-803D、802D、島津製作所社製 移動相: 10mM LiBr/DMF 流量 : 1.0ml/min 検出器: RI 温度 : 60℃
【0069】製造例1
縮合生成物No.1の製造:耐圧反応器にメタノール30,000
モル(960kg) 、1,8−ジアミノナフタリン100 モル(1
5.8kg)、パラベンゾキノン50モル(5.4kg) 、ピロガロー
ル250 モル(31.5kg)を仕込み、攪拌しながら80℃に昇温
した。80℃で5時間反応させた後、冷却し、縮合生成物
のメタノール溶液を得た。このようにして縮合生成物N
o.1の溶液を得た。縮合生成物No.1の重量平均分子量は
2,000 であった。
モル(960kg) 、1,8−ジアミノナフタリン100 モル(1
5.8kg)、パラベンゾキノン50モル(5.4kg) 、ピロガロー
ル250 モル(31.5kg)を仕込み、攪拌しながら80℃に昇温
した。80℃で5時間反応させた後、冷却し、縮合生成物
のメタノール溶液を得た。このようにして縮合生成物N
o.1の溶液を得た。縮合生成物No.1の重量平均分子量は
2,000 であった。
【0070】製造例2
縮合生成物No.2の製造:特公平6-62709 の製造例3を参
照して、スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器に
2,2′−ジヒドロキシビフェニル30モル(5.59kg)、純
度95%のパラホルムアルデヒド22.5モル(0.711kg) 、パ
ラトルエンスルホン酸0.19kgおよびエチレングリコール
ジメチルエーテル10Lを仕込み、攪拌しながら130 ℃に
昇温した。130 ℃で17時間反応させた後、50℃に冷却
し、反応混合物を水50L中に投入した。水に投入するこ
とにより析出した樹脂をろ過、水洗後乾燥して、5.1kg
の2,2′−ジヒドロキシビフェニル−ホルマリン縮合
樹脂(縮合生成物No.2)を得た。縮合生成物No.2の重量
平均分子量は4300であった。
照して、スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器に
2,2′−ジヒドロキシビフェニル30モル(5.59kg)、純
度95%のパラホルムアルデヒド22.5モル(0.711kg) 、パ
ラトルエンスルホン酸0.19kgおよびエチレングリコール
ジメチルエーテル10Lを仕込み、攪拌しながら130 ℃に
昇温した。130 ℃で17時間反応させた後、50℃に冷却
し、反応混合物を水50L中に投入した。水に投入するこ
とにより析出した樹脂をろ過、水洗後乾燥して、5.1kg
の2,2′−ジヒドロキシビフェニル−ホルマリン縮合
樹脂(縮合生成物No.2)を得た。縮合生成物No.2の重量
平均分子量は4300であった。
【0071】製造例3
縮合生成物No.3の製造:特開昭57-164107 の製造例1を
参照して、スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器
に1−ナフトール250 モル(36.0kg)と1規定NaOH水溶液
(NaOH 180モル、7.2kg 含有)180 Lを仕込み、攪拌し
ながら、70℃に昇温した。次に、反応混合物にホルムア
ルデヒド(38w/v%水溶液19.75 L、250 モル)を1.5 時
間に亘って滴下した。この間反応器の内温が80℃を超え
ないようにした。次に攪拌を続けながら反応混合物を3
時間かけて60℃に冷却した。次に、反応混合物を98℃に
昇温し、98℃で0.5 時間反応させた。その後反応混合物
を冷却し縮合生成物(縮合生成物No.3) のアルカリ性溶
液を得た。縮合生成物No.3の重量平均分子量は1500であ
った。
参照して、スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器
に1−ナフトール250 モル(36.0kg)と1規定NaOH水溶液
(NaOH 180モル、7.2kg 含有)180 Lを仕込み、攪拌し
ながら、70℃に昇温した。次に、反応混合物にホルムア
ルデヒド(38w/v%水溶液19.75 L、250 モル)を1.5 時
間に亘って滴下した。この間反応器の内温が80℃を超え
ないようにした。次に攪拌を続けながら反応混合物を3
時間かけて60℃に冷却した。次に、反応混合物を98℃に
昇温し、98℃で0.5 時間反応させた。その後反応混合物
を冷却し縮合生成物(縮合生成物No.3) のアルカリ性溶
液を得た。縮合生成物No.3の重量平均分子量は1500であ
った。
【0072】製造例4
縮合生成物No.4の製造:特開昭57-192413 の塗布化合物
の合成2を参照してスケール付着防止剤を製造した。耐
圧反応器にピロガロール100 モル(12.6kg)及び水100 L
を仕込み、ピロガロールを水に溶解させた。次に、得ら
れた溶液にベンズアルデヒド200 モル(21.2kg)及びりん
酸300 モル(29.4kg)を加え、それらの混合物を100 ℃で
6時間反応させたところ、水に不溶な赤褐色の生成物が
得られた。この水不溶性生成物をエーテルで洗浄後、該
水不溶性生成物中からメタノールでメタノール可溶性成
分を抽出し、次に抽出液からメタノールを乾燥により除
去して残渣として縮合生成物No.4(ピロガロール−ベン
ズアルデヒド縮合物)を得た。重量平均分子量は4000で
あった。
の合成2を参照してスケール付着防止剤を製造した。耐
圧反応器にピロガロール100 モル(12.6kg)及び水100 L
を仕込み、ピロガロールを水に溶解させた。次に、得ら
れた溶液にベンズアルデヒド200 モル(21.2kg)及びりん
酸300 モル(29.4kg)を加え、それらの混合物を100 ℃で
6時間反応させたところ、水に不溶な赤褐色の生成物が
得られた。この水不溶性生成物をエーテルで洗浄後、該
水不溶性生成物中からメタノールでメタノール可溶性成
分を抽出し、次に抽出液からメタノールを乾燥により除
去して残渣として縮合生成物No.4(ピロガロール−ベン
ズアルデヒド縮合物)を得た。重量平均分子量は4000で
あった。
【0073】製造例5
縮合生成物No.5の製造:特公昭59-16561の製造例1を参
照して、スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器に
m−フェニレンジアミン100 モル(10.8kg)、レゾルシノ
ール200モル(22.0kg)及び触媒として35%塩酸1.04kg(HC
lとして10モル) を仕込み、305℃に昇温した。反応容器
内の混合物が305 ℃に達したら、直ちに冷却した。昇温
及び反応の過程で生成した水蒸気は除去し、内圧は150k
Pa以下に保った。冷却後、得られたm−フェニレンジア
ミン−レゾルシノール縮合物を粉砕して縮合生成物No.5
を得た。重量平均分子量は3000であった。
照して、スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器に
m−フェニレンジアミン100 モル(10.8kg)、レゾルシノ
ール200モル(22.0kg)及び触媒として35%塩酸1.04kg(HC
lとして10モル) を仕込み、305℃に昇温した。反応容器
内の混合物が305 ℃に達したら、直ちに冷却した。昇温
及び反応の過程で生成した水蒸気は除去し、内圧は150k
Pa以下に保った。冷却後、得られたm−フェニレンジア
ミン−レゾルシノール縮合物を粉砕して縮合生成物No.5
を得た。重量平均分子量は3000であった。
【0074】製造例6
縮合生成物No.6の製造:特公昭59-16561の製造例VIを参
照して、スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器に
p−アミノフェノール100 モル(10.9kg)及び30%塩酸0.
99kg(HClとして9.5 モル) を仕込み、169 ℃に昇温し
た。169 ℃に達したら、キシレン18Lを徐々に添加し
た。キシレンの添加目的は縮合反応中に生成する水を共
沸混合物として除去するためである。次に、反応混合物
を222 ℃に昇温し、222 ℃で3時間反応させた。反応中
に発生するキシレンと水との混合蒸気を除去し、内圧は
150kPa以下に保った。3時間の反応後、反応混合物を冷
却した。得られた反応生成物は固体であった。次に、該
反応生成物を粉砕し微粒状態にした後、水で洗浄し、ろ
過しそして乾燥して縮合生成物No.6を得た。重量平均分
子量は2500であった。
照して、スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器に
p−アミノフェノール100 モル(10.9kg)及び30%塩酸0.
99kg(HClとして9.5 モル) を仕込み、169 ℃に昇温し
た。169 ℃に達したら、キシレン18Lを徐々に添加し
た。キシレンの添加目的は縮合反応中に生成する水を共
沸混合物として除去するためである。次に、反応混合物
を222 ℃に昇温し、222 ℃で3時間反応させた。反応中
に発生するキシレンと水との混合蒸気を除去し、内圧は
150kPa以下に保った。3時間の反応後、反応混合物を冷
却した。得られた反応生成物は固体であった。次に、該
反応生成物を粉砕し微粒状態にした後、水で洗浄し、ろ
過しそして乾燥して縮合生成物No.6を得た。重量平均分
子量は2500であった。
【0075】製造例7
縮合生成物No.7の製造:特開昭54-7487 の実施例1を参
照して、スケール付着防止剤を製造した。反応器にレゾ
ルシノール200 モル(22.0kg)を仕込み、窒素雰囲気下で
加熱した。レゾルシノールを300 ℃に昇温し、300 ℃で
8時間反応させた後、冷却した。得られた固体状の自己
縮合レゾルシノールを粉砕して縮合生成物No.7を得た。
重量平均分子量は1700であった。
照して、スケール付着防止剤を製造した。反応器にレゾ
ルシノール200 モル(22.0kg)を仕込み、窒素雰囲気下で
加熱した。レゾルシノールを300 ℃に昇温し、300 ℃で
8時間反応させた後、冷却した。得られた固体状の自己
縮合レゾルシノールを粉砕して縮合生成物No.7を得た。
重量平均分子量は1700であった。
【0076】製造例8
縮合生成物No.8の製造還流コンデンサーを備えた内容積
2リットルの反応器に、メタノール450g及び水450gの混
合溶媒を添加して、続いてα−ナフトキノン100gと、水
酸化ナトリウム10gを添加した。次に、前記反応器内を6
5℃に昇温して、該反応器内の混合物を65℃で10時間反
応させた後、室温まで冷却した。このようにして縮合生
成物No.8の溶液を得た。縮合生成物No.8の重量平均分子
量は、3000であった。
2リットルの反応器に、メタノール450g及び水450gの混
合溶媒を添加して、続いてα−ナフトキノン100gと、水
酸化ナトリウム10gを添加した。次に、前記反応器内を6
5℃に昇温して、該反応器内の混合物を65℃で10時間反
応させた後、室温まで冷却した。このようにして縮合生
成物No.8の溶液を得た。縮合生成物No.8の重量平均分子
量は、3000であった。
【0077】製造例9
縮合生成物No.9の製造還流コンデンサー付きの3Lフラス
コに純水1Lを仕込み、次いで水酸化ナトリウム5g、及び
2,3,2′,3′−テトラヒドロキシビナフチル50g
を仕込んだ。次いで70℃に昇温した後、37%ホルムアル
デヒド水溶液12.75gを蒸留水237.3gに溶解させたもの
を、30分かけて滴下した。滴下終了後、同温度で5時間
反応させ、その後、95℃に昇温して、さらに2時間反応
を続け、縮合生成物No.9の溶液を得た。なお、この反応
はすべてN2雰囲気中で行なった。縮合生成物No.9の重量
平均分子量は、9,000であった。
コに純水1Lを仕込み、次いで水酸化ナトリウム5g、及び
2,3,2′,3′−テトラヒドロキシビナフチル50g
を仕込んだ。次いで70℃に昇温した後、37%ホルムアル
デヒド水溶液12.75gを蒸留水237.3gに溶解させたもの
を、30分かけて滴下した。滴下終了後、同温度で5時間
反応させ、その後、95℃に昇温して、さらに2時間反応
を続け、縮合生成物No.9の溶液を得た。なお、この反応
はすべてN2雰囲気中で行なった。縮合生成物No.9の重量
平均分子量は、9,000であった。
【0078】塗布液の調製:上記得られた縮合生成物N
o.1〜9と、表3に示す溶媒及びpH調整剤とを用いて下記
に示す条件で塗布液〜を調製した。
o.1〜9と、表3に示す溶媒及びpH調整剤とを用いて下記
に示す条件で塗布液〜を調製した。
【0079】
【表3】
【0080】実施例6
図1〜図3に示した重合装置を使用した。図1は、該重
合装置の重合容器1の縦断面の概略を示し、図2は該重
合容器の上部に設けられた塗布装置6の位置におけるA
−A水平断面図であり、図3はB−B水平断面図であ
る。この重合容器1はほぼ円筒状の側壁1a、ほぼ半球
状の天井1b及び底1cからなり、内容積が2m3 、円筒
状部内空間の水平断面積が0.865m2 である。また重合容
器1の中央に配置されている攪拌軸3に設けられている
パドル翼2の翼直径は517mm である。また冷却手段とし
て図示されていないが重合容器の上部に還流コンデンサ
ーが、また外側にジャケットを備えている。さらに、重
合容器内上部には、上向スプレー塗布ノズル13と下向
スプレー塗布ノズル14が計12ケ付設されている重合塗
布装置6が付設されている。該塗布装置6には配管7が
接続し、該配管7は、塗布液配管ライン18と洗浄水配
管ライン19とに分岐している。
合装置の重合容器1の縦断面の概略を示し、図2は該重
合容器の上部に設けられた塗布装置6の位置におけるA
−A水平断面図であり、図3はB−B水平断面図であ
る。この重合容器1はほぼ円筒状の側壁1a、ほぼ半球
状の天井1b及び底1cからなり、内容積が2m3 、円筒
状部内空間の水平断面積が0.865m2 である。また重合容
器1の中央に配置されている攪拌軸3に設けられている
パドル翼2の翼直径は517mm である。また冷却手段とし
て図示されていないが重合容器の上部に還流コンデンサ
ーが、また外側にジャケットを備えている。さらに、重
合容器内上部には、上向スプレー塗布ノズル13と下向
スプレー塗布ノズル14が計12ケ付設されている重合塗
布装置6が付設されている。該塗布装置6には配管7が
接続し、該配管7は、塗布液配管ライン18と洗浄水配
管ライン19とに分岐している。
【0081】冷却用バッフル4としては、外径60.5mm、
内径52.7mmのオーステナイト系ステンレス鋼製円筒状パ
イプからなる冷却用バッフルを4本(冷却水が流線5の
ように流れる)、前記パドル翼の回転を妨害しない位置
(重合容器の中心から455mmの位置)に等間隔に点対称
に設けられている。これら4本のバッフルの水平断面積
の総和は、0.01149m2 である。重合容器1の底には配管
20が接続し、重合体スラリー取り出し配管ライン10
と排液取り出し配管12とは分岐している。
内径52.7mmのオーステナイト系ステンレス鋼製円筒状パ
イプからなる冷却用バッフルを4本(冷却水が流線5の
ように流れる)、前記パドル翼の回転を妨害しない位置
(重合容器の中心から455mmの位置)に等間隔に点対称
に設けられている。これら4本のバッフルの水平断面積
の総和は、0.01149m2 である。重合容器1の底には配管
20が接続し、重合体スラリー取り出し配管ライン10
と排液取り出し配管12とは分岐している。
【0082】重合体スケール付着防止剤の塗膜形成工
程: 付設されているジャケットに50℃の温水を通水し
た。 バルブ16、バルブ9を閉にした。バルブ17、バルブ
15、バルブ8及びバルブ11を開にした。重合体スケール
付着防止剤塗布液の配管ライン18を通じて重合体スケ
ール付着防止剤塗布液を重合体スケール付着防止剤塗布
装置6に送り、付設されているスプレーノズル13、14よ
りスプレー塗布した。スプレー塗布は1200g/min の流量
で2分間行った。スプレー塗布中、重合容器内底部に残
留する重合体スケール付着防止塗布液を排液取り出し配
管ライン12より回収した。 スプレー塗布終了後、バルブ15、17を閉にした。塗
膜を乾燥形成させるのに50℃で10分間要した。その後付
設されているジャケットへの温水の通水を停止した。 次に水洗工程でバルブ16、バルブ15を開にする。洗
浄水配管ライン19を通じて、洗浄水を塗布装置6に送
り、付設されているスプレー塗布ノズル13、14よりスプ
レー噴霧して重合容器内に残留している重合体スケール
付着防止塗布液を除去した。水洗中、重合容器内底部に
残留する洗浄液を排液取り出し配管ライン12より回収し
た。水洗工程で残余の重合体スケール付着防止塗布液を
除去するのに2分間要した。従って、重合体スケール付
着防止剤からなる塗膜の形成に要した時間は14分であ
った。次に水平工程終了後バルブ16、15、8、11を閉に
する。
程: 付設されているジャケットに50℃の温水を通水し
た。 バルブ16、バルブ9を閉にした。バルブ17、バルブ
15、バルブ8及びバルブ11を開にした。重合体スケール
付着防止剤塗布液の配管ライン18を通じて重合体スケ
ール付着防止剤塗布液を重合体スケール付着防止剤塗布
装置6に送り、付設されているスプレーノズル13、14よ
りスプレー塗布した。スプレー塗布は1200g/min の流量
で2分間行った。スプレー塗布中、重合容器内底部に残
留する重合体スケール付着防止塗布液を排液取り出し配
管ライン12より回収した。 スプレー塗布終了後、バルブ15、17を閉にした。塗
膜を乾燥形成させるのに50℃で10分間要した。その後付
設されているジャケットへの温水の通水を停止した。 次に水洗工程でバルブ16、バルブ15を開にする。洗
浄水配管ライン19を通じて、洗浄水を塗布装置6に送
り、付設されているスプレー塗布ノズル13、14よりスプ
レー噴霧して重合容器内に残留している重合体スケール
付着防止塗布液を除去した。水洗中、重合容器内底部に
残留する洗浄液を排液取り出し配管ライン12より回収し
た。水洗工程で残余の重合体スケール付着防止塗布液を
除去するのに2分間要した。従って、重合体スケール付
着防止剤からなる塗膜の形成に要した時間は14分であ
った。次に水平工程終了後バルブ16、15、8、11を閉に
する。
【0083】重合工程:上記重合装置の重合容器に、脱
イオン水900kg、表4に記載の縮合リン酸系化合物を同
表に示した量、水溶性部分ケン化ポリビニルアルコール
360g、油溶性部分ケン化ポリビニルアルコール60gを仕
込み、重合容器内の排気を行なった後塩化ビニル単量体
600kgを仕込んだ。次いでt−ブチルパーオキシネオデカ
ネート420gを仕込み、重合容器内の内容物を攪拌翼で攪
拌しながらジャケットに熱水を通して該内容物を昇温す
ることにより重合を開始し、昇温開始から60分間経過後
(内容物の温度:57℃)、還流コンデンサーを作動さ
せ、該内容物の除熱を開始した。(除熱量:150Mcal
/時間)。重合容器内の圧力が6.5kg/cm2G(740kPa)に
降圧後、反応を停止した(重合時間は4.3 時間であっ
た)。
イオン水900kg、表4に記載の縮合リン酸系化合物を同
表に示した量、水溶性部分ケン化ポリビニルアルコール
360g、油溶性部分ケン化ポリビニルアルコール60gを仕
込み、重合容器内の排気を行なった後塩化ビニル単量体
600kgを仕込んだ。次いでt−ブチルパーオキシネオデカ
ネート420gを仕込み、重合容器内の内容物を攪拌翼で攪
拌しながらジャケットに熱水を通して該内容物を昇温す
ることにより重合を開始し、昇温開始から60分間経過後
(内容物の温度:57℃)、還流コンデンサーを作動さ
せ、該内容物の除熱を開始した。(除熱量:150Mcal
/時間)。重合容器内の圧力が6.5kg/cm2G(740kPa)に
降圧後、反応を停止した(重合時間は4.3 時間であっ
た)。
【0084】重合終了後、重合容器内より回収ライン
(図示せず)を通して未反応単量体を回収し、得られた
重合体をスラリー状でバルブ8、9を開にして重合体ス
ラリー取り出し配管ライン10より抜き出し後、重合容
器内を水洗して重合容器内にある残存樹脂を除去した。
以後、重合体スケール付着防止剤の塗膜形成工程→重合
工程(原料仕込みから重合を経て及び水洗)までの操作
を1バッチとして同じ操作を表6に示したバッチ数を繰
り返した。最終バッチ終了後に、重合容器内壁面と冷却
バッフルの重合容器内壁面に面している表面とにおける
重合体スケール付着状況を観察した。その観察結果を表
5に記した。
(図示せず)を通して未反応単量体を回収し、得られた
重合体をスラリー状でバルブ8、9を開にして重合体ス
ラリー取り出し配管ライン10より抜き出し後、重合容
器内を水洗して重合容器内にある残存樹脂を除去した。
以後、重合体スケール付着防止剤の塗膜形成工程→重合
工程(原料仕込みから重合を経て及び水洗)までの操作
を1バッチとして同じ操作を表6に示したバッチ数を繰
り返した。最終バッチ終了後に、重合容器内壁面と冷却
バッフルの重合容器内壁面に面している表面とにおける
重合体スケール付着状況を観察した。その観察結果を表
5に記した。
【0085】また最終バッチ終了後に重合容器内より抜
き出して得られた重合体スラリーの脱水、乾燥を行って
塩化ビニル重合体を得た。得られた塩化ビニル重合体に
ついて下記の方法で初期着色性試験、異物フィッシュア
イ試験及び異物評価試験を行い、その結果を表5に記し
た。
き出して得られた重合体スラリーの脱水、乾燥を行って
塩化ビニル重合体を得た。得られた塩化ビニル重合体に
ついて下記の方法で初期着色性試験、異物フィッシュア
イ試験及び異物評価試験を行い、その結果を表5に記し
た。
【0086】〈フィシュアイ測定方法〉得られた塩化ビ
ニル重合体100 部、DOP 50部、ステアリン酸バリウム0.
1 部、ステアリン酸カドミウム0.1 部、セタノール0.8
部、スズ系安定剤2.0 部、二酸化チタン0.5 部及びカー
ボンブラック0.1 部を、140 ℃の6インチロールで5分
間混合混練し、厚さ0.3mm のシートとして分取し、この
シート100cm 2 中の白色透明粒子(フィッシュアイ)の数
で示した。(ここで、「部」は「重量部」を意味する。) 〈異物評価試験方法〉得られた塩化ビニル重合体50gを
白い紙上に置き、エタノール5mlを加えよく混合した
後、目視にて塩化ビニル重合体粉以外の異物をスプーン
で拾い取る。異物数は(拾い取った個数)×2=(塩化
ビニル重合体100g中の異物数)で表示する。
ニル重合体100 部、DOP 50部、ステアリン酸バリウム0.
1 部、ステアリン酸カドミウム0.1 部、セタノール0.8
部、スズ系安定剤2.0 部、二酸化チタン0.5 部及びカー
ボンブラック0.1 部を、140 ℃の6インチロールで5分
間混合混練し、厚さ0.3mm のシートとして分取し、この
シート100cm 2 中の白色透明粒子(フィッシュアイ)の数
で示した。(ここで、「部」は「重量部」を意味する。) 〈異物評価試験方法〉得られた塩化ビニル重合体50gを
白い紙上に置き、エタノール5mlを加えよく混合した
後、目視にて塩化ビニル重合体粉以外の異物をスプーン
で拾い取る。異物数は(拾い取った個数)×2=(塩化
ビニル重合体100g中の異物数)で表示する。
【0087】実施例7〜10、比較例6〜7
表4に示した縮合リン酸系化合物を同表に示した量添加
し、あるいは全く添加しなかった以外は実施例6と同様
に塩化ビニル重合体の製造を行った。重合は表5に示す
バッチ数繰り返し、最終バッチ後に実施例6と同様に試
験を行なった。結果を表5に示す。比較例8 重合体付着防止剤塗布液を1200g/min の流量で5分間塗
布し、縮合リン酸系化合物を添加しなかった以外は実施
例6と同様に塩化ビニル重合体の製造を行った。この場
合、重合体スケール付着防止剤からなる塗膜の形成に要
した時間は合計17分であった。重合は表5に示すバッチ
数繰り返し、最終バッチ後に実施例6と同様に試験を行
なった。結果を表5に示す。
し、あるいは全く添加しなかった以外は実施例6と同様
に塩化ビニル重合体の製造を行った。重合は表5に示す
バッチ数繰り返し、最終バッチ後に実施例6と同様に試
験を行なった。結果を表5に示す。比較例8 重合体付着防止剤塗布液を1200g/min の流量で5分間塗
布し、縮合リン酸系化合物を添加しなかった以外は実施
例6と同様に塩化ビニル重合体の製造を行った。この場
合、重合体スケール付着防止剤からなる塗膜の形成に要
した時間は合計17分であった。重合は表5に示すバッチ
数繰り返し、最終バッチ後に実施例6と同様に試験を行
なった。結果を表5に示す。
【0088】
【表4】
(注)*塩化ビニルモノマーに対する量**
塗布液の総量
【0089】
【表5】
【0090】実施例11〜18
各例において、塗布液を表6に示すものに変更し、重合
を表7に示すバッチ数を繰り返した以外は実施例6と同
様に塩化ビニル重合体の製造を行った。結果を表7に示
す。
を表7に示すバッチ数を繰り返した以外は実施例6と同
様に塩化ビニル重合体の製造を行った。結果を表7に示
す。
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】実施例19
図1〜図3に示したものと同様の構造であるが、大型の
重合装置を使用した。この重合容器1は内容積が80m3、
円筒状直胴部の水平断面積が10.2m2である。又重合容器
1の中央に配置されている攪拌軸3に設けられているパ
ドル翼2の翼直径は1775mmとなっている。また冷却手段
として図示されていないが還流コンデンサーを上部に、
ジャケットが側面に設けられている。さらには重合容器
内上部にはスプレー塗布ノズル13、14を計12ケ付設され
ている塗布装置6が設けられている。冷却用バッフル4
としては、外径190mm 、内径178mm のオーステナイト系
ステンレス鋼製円筒状パイプからなるバッフルを4本、
前記パドル翼の回転を妨害しない位置(重合容器の中心
から1565mmの位置)に等間隔にかつ軸3に対して点対称
に設けられている。
重合装置を使用した。この重合容器1は内容積が80m3、
円筒状直胴部の水平断面積が10.2m2である。又重合容器
1の中央に配置されている攪拌軸3に設けられているパ
ドル翼2の翼直径は1775mmとなっている。また冷却手段
として図示されていないが還流コンデンサーを上部に、
ジャケットが側面に設けられている。さらには重合容器
内上部にはスプレー塗布ノズル13、14を計12ケ付設され
ている塗布装置6が設けられている。冷却用バッフル4
としては、外径190mm 、内径178mm のオーステナイト系
ステンレス鋼製円筒状パイプからなるバッフルを4本、
前記パドル翼の回転を妨害しない位置(重合容器の中心
から1565mmの位置)に等間隔にかつ軸3に対して点対称
に設けられている。
【0094】重合体スケール付着防止剤からなる塗膜の
形成工程: 付設されているジャケット50℃の温水を通水した。 バルブ16、バルブ9を閉にする。バルブ17、バルブ
15、バルブ8及びバルブ11を開にする。重合体スケール
付着防止剤塗布液の配管ライン18を通じて重合体スケー
ル付着防止剤塗布液を重合体スケール付着防止剤塗布装
置6に送り付設されているスプレー塗布ノズル13、14よ
りスプレー塗布する。スプレー塗布は150kg/minの流量
で1分間塗布した。スプレー塗布中、重合容器内底部に
残留する重合体スケール付着防止塗布液を排液取り出し
配管ライン10より回収した。 スプレー塗布工程終了後、バルブ15、17を閉にす
る。塗膜を乾燥形成させるのに50℃で15分間要した。そ
の後付設されているジャケットへの温水の通水を停止し
た。 次に水洗工程でバルブ16、バルブ15を開にする。洗
浄水配管ライン19を通じて、洗浄水を重合体スケール付
着防止剤塗布装置6に送り、付設されているスプレー塗
布ノズル13、14より噴霧して重合容器内に残留している
重合体スケール付着防止剤塗布液を除去した。水洗中、
重合容器内底部に残留する洗浄液を排液取り出し配管ラ
イン12より回収した。水洗工程で残余の重合体スケール
付着防止塗布液を除去するのに8分間要した。水洗工程
終了後、バルブ16、15、8、11も閉にした。
形成工程: 付設されているジャケット50℃の温水を通水した。 バルブ16、バルブ9を閉にする。バルブ17、バルブ
15、バルブ8及びバルブ11を開にする。重合体スケール
付着防止剤塗布液の配管ライン18を通じて重合体スケー
ル付着防止剤塗布液を重合体スケール付着防止剤塗布装
置6に送り付設されているスプレー塗布ノズル13、14よ
りスプレー塗布する。スプレー塗布は150kg/minの流量
で1分間塗布した。スプレー塗布中、重合容器内底部に
残留する重合体スケール付着防止塗布液を排液取り出し
配管ライン10より回収した。 スプレー塗布工程終了後、バルブ15、17を閉にす
る。塗膜を乾燥形成させるのに50℃で15分間要した。そ
の後付設されているジャケットへの温水の通水を停止し
た。 次に水洗工程でバルブ16、バルブ15を開にする。洗
浄水配管ライン19を通じて、洗浄水を重合体スケール付
着防止剤塗布装置6に送り、付設されているスプレー塗
布ノズル13、14より噴霧して重合容器内に残留している
重合体スケール付着防止剤塗布液を除去した。水洗中、
重合容器内底部に残留する洗浄液を排液取り出し配管ラ
イン12より回収した。水洗工程で残余の重合体スケール
付着防止塗布液を除去するのに8分間要した。水洗工程
終了後、バルブ16、15、8、11も閉にした。
【0095】重合工程:この重合容器に、表8に示され
た縮合リン酸系化合物を同表に示した量、脱イオン水3
8.2t 、水溶性部分ケン化ポリビニルアルコール14kg、
油溶性部分ケン化ポリビニルアルコール8kg、ジ−2−
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート18.2kgを仕込
み、重合容器内を50mmHgになるまで排気した後、塩化ビ
ニル単量体28t を仕込み、攪拌をしながらジャケットに
熱水を通水し、内温を57℃に昇温して重合を開始した。
内温が57℃に達した時点でバッフル及びジャケットに冷
却水を流して内温を57℃に保持して重合反応を続けた。
また重合率が5%に達した時点から還流コンデンサーの
作動を開始して重合反応を続けた。重合容器内の圧力が
6.5kg/cm2G(740kPa)に降圧後、反応を停止した(重合
時間は4.1 時間であった)。
た縮合リン酸系化合物を同表に示した量、脱イオン水3
8.2t 、水溶性部分ケン化ポリビニルアルコール14kg、
油溶性部分ケン化ポリビニルアルコール8kg、ジ−2−
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート18.2kgを仕込
み、重合容器内を50mmHgになるまで排気した後、塩化ビ
ニル単量体28t を仕込み、攪拌をしながらジャケットに
熱水を通水し、内温を57℃に昇温して重合を開始した。
内温が57℃に達した時点でバッフル及びジャケットに冷
却水を流して内温を57℃に保持して重合反応を続けた。
また重合率が5%に達した時点から還流コンデンサーの
作動を開始して重合反応を続けた。重合容器内の圧力が
6.5kg/cm2G(740kPa)に降圧後、反応を停止した(重合
時間は4.1 時間であった)。
【0096】重合終了後、重合容器内より回収ライン
(図示せず)を通して未反応単量体を回収し、得られた
重合体をスラリー状でバルブ8、9を開にして重合体ス
ラリー取り出し配管ライン10より抜き出し後、重合容器
内を水洗して重合容器内にある残存樹脂を除去した。以
後、重合体スケール付着防止剤の塗膜形成工程→重合工
程(原料仕込みから重合を経て及び水洗)までの操作を
1バッチとして同じ操作を表10に示したバッチ数を繰
り返した。最終バッチ終了後に、重合容器内壁面と冷却
バッフルの重合容器内壁面に面している表面とにおける
重合体スケール付着状況を観察した。その観察結果を表
9に記した。
(図示せず)を通して未反応単量体を回収し、得られた
重合体をスラリー状でバルブ8、9を開にして重合体ス
ラリー取り出し配管ライン10より抜き出し後、重合容器
内を水洗して重合容器内にある残存樹脂を除去した。以
後、重合体スケール付着防止剤の塗膜形成工程→重合工
程(原料仕込みから重合を経て及び水洗)までの操作を
1バッチとして同じ操作を表10に示したバッチ数を繰
り返した。最終バッチ終了後に、重合容器内壁面と冷却
バッフルの重合容器内壁面に面している表面とにおける
重合体スケール付着状況を観察した。その観察結果を表
9に記した。
【0097】また最終バッチ終了後に重合容器内より抜
き出して得られた重合体スラリーの脱水、乾燥を行って
塩化ビニル重合体を得た。得られた塩化ビニル重合体に
ついて前記の方法で初期着色性試験、異物フィシュアイ
試験及び異物評価試験を行い、その結果を表9に記し
た。
き出して得られた重合体スラリーの脱水、乾燥を行って
塩化ビニル重合体を得た。得られた塩化ビニル重合体に
ついて前記の方法で初期着色性試験、異物フィシュアイ
試験及び異物評価試験を行い、その結果を表9に記し
た。
【0098】比較例9
重合系中に縮合リン酸系化合物を添加せず、実施例19
と同様に塩化ビニル重合体の製造を行った。比較例10 重合体スケール防止剤塗布液1の塗布方法を下記に示す
通りにし、且つ重合系中に縮合リン酸系化合物を添加せ
ず、表9に示すバッチ数重合を繰り返した以外は実施例
19と同様に塩化ビニル重合体の製造を行った。スプレ
ー塗布は、150kg/minの流量で噴霧を2分間行い、乾燥
は50℃で17分間行った。さらに水洗工程で10分間要し
た。
と同様に塩化ビニル重合体の製造を行った。比較例10 重合体スケール防止剤塗布液1の塗布方法を下記に示す
通りにし、且つ重合系中に縮合リン酸系化合物を添加せ
ず、表9に示すバッチ数重合を繰り返した以外は実施例
19と同様に塩化ビニル重合体の製造を行った。スプレ
ー塗布は、150kg/minの流量で噴霧を2分間行い、乾燥
は50℃で17分間行った。さらに水洗工程で10分間要し
た。
【0099】
【表8】
(注)*塩化ビニル単量体に対する量
【0100】
【表9】
【0101】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、重合体スケ
ール付着防止剤の塗膜を形成しなくても重合容器の内壁
面は勿論、冷却コイル、ドラフトチューブ、冷却用円筒
バッフル等の内部冷却装置が設けられ、構造が複雑であ
るために、従来、スプレーされたスケール付着防止剤が
行き届かず、スケールの付着が部分的に起り易かった部
分においても有効にスケールの付着を防止することがで
きる。所要のスケール付着防止効果を得るために重合体
スケール付着防止剤からなる塗膜を重合容器の内表面に
形成することが望ましい場合でも、所要の塗膜形成に必
要な時間は従来に比して短縮される。このように重合体
スケール付着防止剤の塗布を省略できるか、あるいは塗
布に要する時間を短縮することができるので、高い生産
性が得られる。さらに、この方法で得られる塩化ビニル
系重合体は成形した際にフィッシュアイや初期着色が少
なく、重合体スケール付着防止剤由来の着色異物も少な
いなど品質が良好である。
ール付着防止剤の塗膜を形成しなくても重合容器の内壁
面は勿論、冷却コイル、ドラフトチューブ、冷却用円筒
バッフル等の内部冷却装置が設けられ、構造が複雑であ
るために、従来、スプレーされたスケール付着防止剤が
行き届かず、スケールの付着が部分的に起り易かった部
分においても有効にスケールの付着を防止することがで
きる。所要のスケール付着防止効果を得るために重合体
スケール付着防止剤からなる塗膜を重合容器の内表面に
形成することが望ましい場合でも、所要の塗膜形成に必
要な時間は従来に比して短縮される。このように重合体
スケール付着防止剤の塗布を省略できるか、あるいは塗
布に要する時間を短縮することができるので、高い生産
性が得られる。さらに、この方法で得られる塩化ビニル
系重合体は成形した際にフィッシュアイや初期着色が少
なく、重合体スケール付着防止剤由来の着色異物も少な
いなど品質が良好である。
【図1】 実施例で用いた重合装置の縦断面を簡略して
示す図である。
示す図である。
【図2】 図1の重合装置のA−A線に沿う概略的な水
平断面図である。
平断面図である。
【図3】 図1の重合装置のB−B線に沿う概略的な水
平断面図である。
平断面図である。
1:重合容器
2:パドル翼
3:攪拌軸
4:冷却用バッフル
6:塗布装置
10:重合体スラリー取り出し配管ライン
12:排液取り出し配管ライン
13:上向スプレー塗布ノズル
14:下向スプレー塗布ノズル
18:重合体スケール付着防止剤塗布液配管ライン
19:洗浄水配管ライン
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08F 2/00 - 2/60
Claims (9)
- 【請求項1】 重合容器内で塩化ビニル単量体又は塩化
ビニル単量体を主体とするビニル系単量体混合物を水性
媒体中で重合開始剤により重合容器内で重合し、塩化ビ
ニル系重合体を製造するに際し、該重合を前記単量体又
は単量体混合物を含む水性重合系中で重量平均分子量が
800以上である縮合リン酸系化合物の存在下で行うこと
を特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 縮合リン酸系化合物の添加量が10〜1000
ppmである請求項1に記載の塩化ビニル系重合体の製造
方法。 - 【請求項3】 前記重合容器の内壁面及び重合中に前記
単量体が接触する部分に重合体スケール付着防止剤から
なる塗膜が形成されていることを特徴とする請求項1に
記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項4】 重合体スケール付着防止剤が、共役π結
合を10以上有する有機化合物であり、かつ、該有機化合
物の分子量が1000以上である請求項3に記載の塩化ビニ
ル系重合体の製造方法。 - 【請求項5】 共役π結合を10以上有する有機化合物
が、アルデヒド化合物/芳香族ヒドロキシ系化合物縮合
生成物、芳香族アミン系化合物縮合生成物、キノン系縮
合生成物、及び、多価フェノール自己縮合生成物からな
る群から選ばれた少なくとも一種の有機化合物である請
求項4に記載の塩化ビニル系重合物の製造方法。 - 【請求項6】 共役π結合を10以上有する有機化合物
が、アルデヒド化合物/芳香族ヒドロキシ系化合物縮合
生成物である請求項4に記載の塩化ビニル系重合体の製
造方法。 - 【請求項7】 共役π結合を10以上有する有機化合物
が、芳香族アミン系化合物縮合生成物である請求項4に
記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項8】 共役π結合を10以上有する有機化合物
が、キノン系化合物縮合生成物である請求項4に記載の
塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項9】 共役π結合を10以上有する有機化合物
が、多価フェノール自己縮合生成物である請求項4に記
載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31448097A JP3448194B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31448097A JP3448194B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11130802A JPH11130802A (ja) | 1999-05-18 |
JP3448194B2 true JP3448194B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=18053826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31448097A Expired - Fee Related JP3448194B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3448194B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2236525A4 (en) * | 2008-01-22 | 2012-03-07 | Shinetsu Chemical Co | INHIBITOR FOR DEPOSITION OF POLYMER INCRUSTATIONS AND PROCESS FOR PRODUCTION OF A POLYMER WITH THIS INHIBITOR |
CN105339362B (zh) * | 2013-06-26 | 2017-09-01 | Dic株式会社 | 含酚性羟基化合物、酚醛树脂、固化性组合物、其固化物、半导体密封材料、及印刷电路基板 |
-
1997
- 1997-10-30 JP JP31448097A patent/JP3448194B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11130802A (ja) | 1999-05-18 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |