JP2000128902A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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Abstract
懸濁重合しても重合器内壁は勿論、重合器内壁に対面す
るバッフル面の界面付近での重合体スケールの付着を効
果的に抑制でき、得られる製品重合体は成形してもフィ
ッシュアイの発生が少ない製造方法。 【解決手段】 重合器の内壁その他重合中に単量体が接
触する部分に予め重合体スケール付着防止剤の塗膜が形
成されており、濃度0.1mol/Lベンゼン溶液の状態で半
減期が10時間となる温度が30〜55℃である油溶性重合開
始剤を使用し、塩化ビニル単量体又は単量体混合物、水
媒体及び分散剤を仕込む段階、及び前記仕込まれた原材
料混合物からなる液相内の、次式: H≦0.7H0 (ここで、Hは重合開始剤を投入する位置の重合器の底
からの高さを表し、H0は前記原材料混合物からなる液
相部の液面の重合器の底からの高さを表す。)を満足す
る位置に前記重合開始剤を投入して重合を開始する段階
を有する。
Description
又はそれを含む単量体混合物の懸濁重合による塩化ビニ
ル系重合体の製造方法に関する。
単量体混合物の懸濁重合等の水媒体中での重合は、冷却
・昇温用ジャケット、撹拌装置、原料仕込み用配管、バ
ッフル、重合体抜き出し用配管、未反応単量体回収用配
管等を付設した重合器中で行なわれている。このような
重合器内で塩化ビニル単量体又は単量体混合物を水媒体
中で重合する際は、重合器の気相部上部に付設された原
料仕込み用配管から、水媒体、分散剤、塩化ビニル単量
体又は単量体混合物、重合開始剤及び必要ならば他の添
加剤を撹拌下に重合器内に投入した後、昇温して重合を
行なう方法が採られている。
内壁、撹拌装置等に重合体スケールの付着が起こりやす
い。重合体スケールが付着すると、重合器の冷却能力が
低下したり、また剥離すれば製品中に混入し、品質を低
下させたりするという問題点がある。付着した重合体ス
ケールを除去するためには、過大な労力と時間を要す
る。また、重合体スケール中に未反応の単量体が含まれ
ているので、環境衛生の点で問題がある。そこで従来よ
り、重合体スケールの付着を防止するため、材料を仕込
む前に予め重合器内壁等に重合体スケール付着防止剤を
塗布してその塗膜を形成した重合器が使用されている。
合を繰り返していくにしたがい、重合器内壁、及び特に
重合器内に付設されたバッフルの、重合器内壁の気相部
と液相部との界面及びその周辺部分に対面する面に重合
体スケールが付着しやすいという欠点がある。界面付近
等に一旦重合体スケールが付着すると、重合を繰り返し
て行くにしたがって付着した重合体スケールが徐々に成
長し、この成長した重合体スケールが得られる重合体中
に混入してフィッシュアイが増加する等、製品の品質不
良が生じるという問題があった。また、近年においては
生産性の向上を目的として、重合時間短縮の為に0.1mol
/Lベンゼン溶液状態で半減期が10時間となる温度が30
〜55℃である油溶性重合開始剤が用いられてきている
(特開平8−109203号公報、特開平8−2256
13号公報)が、これら油溶性重合開始剤は比較的に低
温活性であるので、これら油溶性重合開始剤を用いて重
合した場合、得られる重合体中のフィッシュアイが多く
なる等の製品の品質不良が生じ易い問題もあった。
は、塩化ビニル単量体又はそれを含む単量体混合物を水
媒体中で重合し、塩化ビニル系重合体を製造する方法に
おいて、重合を繰り返し行っても、重合器内壁は勿論、
重合器内壁に対面するバッフル面の界面付近での重合体
スケールの付着を効果的に抑制でき、得られる製品重合
体中のフィッシュアイが少ない塩化ビニル系重合体の製
造方法を提供することにある。
成するため、重合器内において水媒体中分散剤及び重合
開始剤の存在下に塩化ビニル単量体又は塩化ビニルを含
む単量体混合物を懸濁重合し、塩化ビニル系重合体を製
造する方法であって、前記重合器の内壁その他重合中に
単量体が接触する部分に予め重合体スケール付着防止剤
の塗膜が形成されており、前記重合開始剤が、濃度0.1m
ol/Lベンゼン溶液の状態で半減期が10時間となる温度
が30〜55℃である油溶性重合開始剤であり、塩化ビニル
単量体又は単量体混合物、水媒体及び分散剤などの原材
料を仕込む段階、及び前記仕込まれた原材料混合物から
なる液相内の、下記の式: H≦0.7H0 (ここで、Hは重合開始剤を投入する位置の重合器の底
からの高さを表し、H0は前記原材料の混合物からなる
液相部の液面の重合器の底からの高さを表す。)を満足
する位置に前記重合開始剤を投入して重合を開始する段
階を有することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造
方法を提供する。
器は、内壁、その他、重合中に単量体が接触する部分に
重合体スケール付着防止剤(以下、スケール防止剤と略
す)の塗膜が形成されたものである。該塗膜は、スケー
ル防止剤の塗布により形成される。ここで使用されるス
ケール防止剤としては、重合体スケール付着防止効果が
得られれば特に制限はなく、公知のものが全て使用可能
であるが、芳香族化合物の縮合物が好ましい。このよう
な芳香族化合物の縮合物として好ましいものを以下に例
示する。
化合物縮合生成物〉アルデヒド化合物/芳香族ヒドロキ
シ系化合物縮合生成物は、アルデヒド化合物と芳香族ヒ
ドロキシ系化合物との縮合生成物である。このようなア
ルデヒド化合物/芳香族ヒドロキシ系化合物縮合生成物
をスケール防止剤に用いることについては、例えば、特
開昭57−192413、特公平6−62709、特開
昭57−164107等に記載されている。アルデヒド
化合物としては、例えばホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等が挙げられ
る。芳香族ヒドロキシ系化合物としては、例えばジヒド
ロキシビフェニル系化合物、ナフトール系化合物、フェ
ノール系化合物、タンニン類、2,3−ジヒドロキシナ
フタレンの二量体化合物等が挙げられる。
ては、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−
ジヒドロキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、2,
2’−ジヒドロキシ4,4’,5,5’−テトラメチル
ビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−ジク
ロロビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−
ジシクロヘキシルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ
−5,5’−ジ−t−ブチルビフェニル等が挙げられ、
中でも工業的には2,2’−ジヒドロキシビフェニルが
好適である。
フトール、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−
ジヒドロキシナフタレン及び1,7−ジヒドロキシナフ
タレン等が挙げられる。フェノール系化合物としては、
フェノール、クレゾール、ピロガロール、ヒドロキシヒ
ドロキノン、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、
ビスフェノールA、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸等
が挙げられる。タンニン類としては、タンニン酸、五倍
子タンニン、没食子タンニン、スマックタンニン、ケブ
ラチョタンニン、かき渋タンニン等が挙げられる。2,
3−ジヒドロキシナフタレンの二量体化合物としては、
2,3,2’,3’−テトラヒドロキシビナフチル等が
挙げられる。
系化合物との縮合生成物はこれらの反応成分を適当な媒
体中、触媒存在下、通常、室温〜200℃で2〜100
時間、好ましくは30〜150℃で3〜30時間反応さ
せることにより製造される。上記の縮合反応を行う媒体
としては、例えば、水、又はアルコール類、ケトン類、
エステル類等の有機溶媒が挙げられ、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類及び酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類が挙げられる。上記縮合
反応を行う媒体のpHは通常1〜13の範囲であり、p
H調整剤は特に制約なく使用することができる。上記縮
合反応に使用される触媒としては、例えば、硫酸、塩
酸、過塩素酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸性触媒;N
aOH,KOH,NH4OH等の塩基性触媒等が用いら
れる。縮合反応を行う際のアルデヒド類と芳香族ヒドロ
キシ系化合物との割合は、使用するアルデヒド化合物、
芳香族ヒドロキシ系化合物、溶媒、及び触媒の種類、反
応時間、反応温度等に影響されるが、通常、芳香族ヒド
ロキシ系化合物1モルに対してアルデヒド化合物0.1
〜10モルが好ましい。
ロガロール/アセトン縮合生成物は、ピロガロールとア
セトンとの縮合生成物であり、通常、ピロガロール/ア
セトンのモル比が1/0.1〜1/10の範囲にあり、
通常、融点100〜500℃である。融点は分子量が大
きいほど高く、例えば、融点160〜170℃は分子量
1450〜1650に、融点200〜220℃は分子量
2600〜4000に相当する。このようなピロガロー
ル/アセトン縮合生成物をスケール防止剤に用いること
については、例えば、特開平4−328104等に記載
されている。ピロガロール/アセトン縮合生成物は、ピ
ロガロールをアセトンに溶解し、縮合触媒の存在下で縮
合させることにより製造される。このとき、ピロガロー
ルはアセトン100重量部当り、通常、1〜100重量
部用いられ、縮合触媒としては例えば、オキシ塩化リン
等が使用される。反応は室温〜100℃で行えばよい。
ナフトール自己縮合生成物〉多価フェノールは、例え
ば、カテコール、レゾルシノール、クロロレゾルシノー
ル、ヒドロキノン、フロログルシノール、ピロガロール
等;ジヒドロキシ−トルエン及び−キシレン;トリヒド
ロキシ−トルエン及び−キシレン;エチル、プロピル、
ブチル及びペンチルジ−及びトリ−ヒドロキシベンゼン
等であり、多価ナフトールは1,3−、1,4−、1,
5−又は1,7−ジヒドロキシナフタレン等のナフトー
ル誘導体が例示される。このような多価フェノールの自
己縮合生成物又は多価ナフトールの自己縮合生成物をス
ケール防止剤に使用することについては、例えば特開昭
54−7487等に記載されている。多価フェノールの
自己縮合生成物又は多価ナフトールの自己縮合生成物
は、多価フェノールもしくは多価ナフトールを窒素、ア
ルゴンなどの不活性雰囲気下20〜350℃の温度範囲
において4〜100時間加熱することにより製造され
る。この反応には、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、水酸
化ナトリウムなどの種々の触媒が使用できる。
族アミン系化合物縮合生成物としては、例えば、 芳香族アミン系化合物の自己縮合生成物、 芳香族アミン系化合物とフェノール系化合物との縮合
生成物、 芳香族アミン系化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合
生成物、及び 芳香族アミン系化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合
生成物をアルカリ金属塩もしくはアンモニウム化合物に
よりベ−ス化したもの、 が挙げられる。このような芳香族アミン系化合物縮合生
成物をスケール防止剤に用いることについては、例えば
特公昭59−16561、同60−30681等に記載
されている。
ン、o−、m−又はp−フェニレンジアミン、o−、m
−又はp−アミノフェノール、o−、m−又はp−クロ
ロアニリン、p−アミノアゾベンゼン、2,4−ジアミ
ノアゾベンゼン、p−アミノアセトアニリド、o−、m
−又はp−メチルアニリン、4−アミノジフェニルアミ
ン、2−アミノジフェニルアミン、4,4−ジアミノジ
フェニルアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジ
アミン、4−アミノ−3’−メトキシジフェニルアミ
ン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルアミン、
4−クロロ−o−フェニレンジアミン、4−メトキシ−
o−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−クロロフェ
ノール、2,3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノ
フェノール、4−アミノ−3’−メトキシジフェニルア
ミン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルアミン
等のジフェニルアミン類が例示される。
ノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、
ヒドロキシヒドロキノン、ピロガロール、o−,m又は
p−クロロフェノール、o−,m−又はp−ヒドロキシ
安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジ
ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、
3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ
安息香酸、2,5−、2,6−又は3,5−ジヒドロキ
シトルエン等が例示される。
ゼン、o−,m−又はp−オキシニトロベンゼン、o
−,m−又はp−ニトロアニソール、o−,m−又はp
−ニトロフェノール、o−,m−又はp−クロロニトロ
ベンゼン、o−,m−又はp−アミノニトロベンゼン、
o−,m−又はP−ニトロ安息香酸、o−,m−又はp
−ニトロベンゼンスルホン酸、o−,m−又はp−ニト
ロアニリン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2
−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニ
トロフェノール、4−アミノ−2−ニトロフェノールな
どが例示される。
縮合反応、芳香族アミン系化合物とフェノール系化合物
との縮合反応、及び芳香族アミン系化合物と芳香族ニト
ロ化合物との縮合反応には、鉱酸及び縮合触媒が使用さ
れるが、この鉱酸としては塩酸、硝酸、臭化水素酸、リ
ン酸及び硫酸などが例示される。
酸、過マンガン酸カリウムのような過マンガン酸及びそ
の塩;三酸化クロム、重クロム酸カリウム、塩化クロム
酸ナトリウムのようなクロム酸関連化合物;硝酸銀、硝
酸鉛のような金属硝酸塩;ヨウ素、臭素のようなハロゲ
ン;過酸化水素、過酸化ナトリウム、ベンゾイルパーオ
キサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酢
酸、キュメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸、p
−メンタンハイドロパーオキサイドのような過酸化物;
ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、塩素酸ナトリウムのよう
な酸素酸或いは酸素酸塩;塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫
酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、酢酸鉛のような金属塩
類;オゾン及び酸化銅、酸化水銀、酸化セリウム、二酸
化マンガン、オスミウム酸のような酸化物などが例示さ
れる。また、過酸化水素を塩化第一鉄と組み合わせて使
用することも有効である。
縮合反応、芳香族アミン系化合物とフェノール系化合物
との縮合反応、及び芳香族アミン系化合物と芳香族ニト
ロ系化合物との縮合反応は、縮合触媒の存在下100〜
350℃で2〜100時間行われる。芳香族アミン系化
合物とフェノール系化合物との縮合反応、及び芳香族ア
ミン系化合物と芳香族ニトロ系化合物との縮合反応にお
ける芳香族アミン系化合物、フェノール系化合物又は芳
香族ニトロ系化合物の割合は、使用される芳香族アミン
系化合物、フェノール系化合物、芳香族ニトロ系化合物
及び触媒の種類、反応時間、反応温度等によるが、通
常、芳香族アミン系化合物1モルに対してフェノール系
化合物又は芳香族ニトロ系化合物0.1〜10モルが好
ましい。
物との縮合生成物をアルカリ金属塩もしくはアンモニウ
ム化合物によりべ−ス化するには、例えば芳香族アミン
系化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合生成物100重
量部を水に分散させ、これにNaOH,KOH,Na2
CO3、NH4OH、(NH4)2CO3などのアルカリも
しくはアンモニウム化合物10〜20重量部を加え、得
られた混合物を90〜140℃で加熱処理する。アルカ
リもしくはアンモニウム化合物は縮合反応時に使用した
鉱酸を中和するのに足りる量であればよい。
合物縮合生成物としては、 (a)キノン系化合物の自己縮合化合物、又は (a)キノン系化合物と、(b)芳香族ヒドロキシ系
化合物及び芳香族アミン系化合物の中から選択される少
なくとも一種の化合物との縮合生成物が挙げられる。こ
のようなキノン系化合物縮合生成物をスケール防止剤に
用いることについては、例えば特開平5−11260
3、同6−56911等に記載されている。
o−、m−又はp−ベンゾキノン、トル−p−キノン、
o−キシロ−p−キノン、チモキノン、2−メトキシベ
ンゾキノン、ゲンチシルキノン、ポリポール酸、ユビキ
ノン等のベンゾキノン類及びこれらの誘導体;6−メチ
ル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフ
トキノン、α−ナフトキノン、ユグロン、ローソン、プ
ルンバギン、アルカンニン、エキノクロムA、ビタミン
K1、ビタミンK2、シコニン、β,β’−ジメチルアク
リルシコニン、β−ヒドロキシイソワレルシコニン、テ
ラクリルシコニン等のナフトキノン類及びこれらの誘導
体;テクトキノン、3−ヒドロキシ−2−メチルアンス
ラキノン、アンスラキノン、2−ヒドロキシアンスラキ
ノン、アリザリン、キサントプルプリン、ルビアジン、
ムンジスチン、クリソフェン酸、カルミン酸、ケルメシ
ン酸、ラッカイン酸A等のアンスラキノン類及びこれら
の誘導体;フェナンスレンキノン等のフェナンスレンキ
ノン類が挙げられる。
ミン化合物としては、具体的には、アニリン、o−、m
−又はp−フェニレンジアミン、o−、m−又はp−ク
ロロアニリン、o−、m−又はp−メチルアニリン、
N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、4−クロ
ロ−o−フェニレンジアミン、4−メトキシ−o−フェ
ニレンジアミン、2−アミノ−4−クロロフェノール、
2,3−ジアミノトルエン、4−アミノ−2−アミノフ
ェノール、o−、m−又はp−アミノフェノール、o
−、m−又はp−アミノ安息香酸、2,3−、2,4
−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−もしくは
4,6−ジアミノ安息香酸、3−もしくは4−アミノフ
タル酸、2−,4−もしくは5−アミノイソフタル酸、
4,6−ジアミノイソフタル酸、2,5−もしくは2,
6−ジアミノテレフタル酸、3−、4−もしくは5−ア
ミノサリチル酸、4−オキシアンスラニル酸、o−、m
−又はp−アミノベンゼンスルホン酸、2,3−、2,
4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−
ジアミノベンゼンスルホン酸、2−アミノ−1−フェノ
ール−4−スルホン酸、6−アミノ−4−クロロ−1−
フェノール−2−スルホン酸等が例示される。また、α
−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1,5−ジア
ミノナフタレン、1−アミノ−5−ヒドロキシナフタレ
ン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナ
フタレン等が例示される。
−アミノ−5−ナフトール、1,2−ナフチレンジアミ
ン−7−カルボン酸、1,5−ナフチレンジアミン−2
−カルボン酸、1,5−ナフチレンジアミン−4−カル
ボン酸、1,6−ナフチレンジアミン−4−カルボン
酸、1,8−ナフチレンジアミン−4−カルボン酸、
1,2−ナフチレンジアミン−3−スルホン酸、1,2
−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、1,2−ナフ
チレンジアミン−5−スルホン酸、1,2−ナフチレン
ジアミン−6−スルホン酸、1,2−ナフチレンジアミ
ン−7−スルホン酸、1,3−ナフチレンジアミン−5
−スルホン酸、1,3−ナフチレンジアミン−6−スル
ホン酸、1,4−ナフチレンジアミン−2−スルホン
酸、1,4−ナフチレンジアミン−7−スルホン酸、
1,5−ナフチレンジアミン−2−スルホン酸、1,5
−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、1,5−ナフ
チレンジアミン−7−スルホン酸、1,6−ナフチレン
ジアミン−2−スルホン酸、1,6−ナフチレンジアミ
ン−4−スルホン酸、1,6−ナフチレンジアミン−7
−スルホン酸、1,8−ナフチレンジアミン−4−スル
ホン酸、1,8−ナフチレンジアミン−3,6−ジスル
ホン酸、1,8−ナフチレンジアミン−4,5−ジスル
ホン酸、α−アミノ−β−ナフタレンプロピオン酸、α
−アミノ−β−ナフタレンカルボン酸、2−ナフチルア
ミン−1−スルホン酸、8−ナフチルアミン−1−スル
ホン酸、5−ナフチルアミン−1−スルホン酸、1−ア
ミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−
8−ナフトール−6−スルホン酸(γ酸、2−アミノ−
5−ナフトール−7−スルホン酸(J酸)、1−アミノ
−8−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(H酸)等が
例示される。
−、2−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルアミン−、4−アミノ−3’−メトキシジフ
ェニルアミン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニ
ルアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、4−カル
ボキシジフェニルアミン、4−アミノ−4’−カルボキ
シジフェニルアミン、4−スルホジフェニルアミン、4
−アミノ−4’−スルホジフェニルアミン等のジフェニ
ルアミン類等が例示される。
香族ヒドロキシ系化合物としては、フェノール、ヒドロ
キノン、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキシヒド
ロキノン、ピロガロール、o−、m−又はp−クロロフ
ェノール、o−、m−又はp−ヒドロキシ安息香酸、
2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ
安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジ
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、
2,5−、2,6−又は3,5−ジヒドロキシトルエン
等のフェノール誘導体が例示される。また、α−ナフト
ール、β−ナフトール、1,3−、1,4−、1,5
−、2,3−、2,6−又は2,7−ジヒドロキシナフ
タレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸等のナフトール誘導体が例示され
る。
縮合反応、又は(a)キノン系化合物と(b)芳香族ヒ
ドロキシ系化合物及び芳香族アミン系化合物の中から選
択される少なくとも一種の化合物との縮合反応は、有機
溶媒系媒体中、必要に応じて縮合触媒の存在下で行われ
る。上記有機溶媒系媒体のpHは1〜13、好ましくは
4〜10である。pH調整剤は特に制約されることなく
使用することができ、酸性化合物としては、例えば、リ
ン酸、硫酸、フィチン酸、酢酸等が使用され、アルカリ
性化合物としては、例えば、LiOH,KOH,NaO
H,Na2CO3、Na2SiO3、Na2HPO4,NH4
OH等のアルカリ金属化合物成いはアンモニウム化合
物;エチレンジアミン、モノエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等の有機アミン化合物等が使用される。
ばアルコール類、ケトン類、エステル類等;水と混和性
を有する親水性有機溶媒と水との混合溶媒が好ましい。
親水性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類;及び酢酸メチル、酢酸エチ
ル等のエステル類が使用できる。
が、縮合触媒としては、α、α’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、α、α’−アゾビス−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル等のアゾ触媒;ヨウ素、臭素、塩素等の元素
ないし分子状の単体ハロゲン;過酸化水素、過酸化ナト
リウム、ベンゾイルパーオキサイド、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酢酸、キュメンハイドロパーオ
キサイド、過安息香酸、p−メンタンハイドロパーオキ
サイド等の過酸化物;ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過ヨウ素
酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等の酸素酸或いは酸素
酸塩が例示される。なお、キノン化合物は縮合触媒とし
て作用するので、特に縮合触媒を使用しなくても縮合反
応は行われる。
分と(b)成分との縮合反応は、室温〜200℃で0.
5〜100時間行うことにより、縮合生成物が得られ
る。また、(a)成分と(b)成分との縮合反応は、芳
香族アミン系化合物、キノン系化合物、芳香族ヒドロキ
シ系化合物の種類、組成比及び反応温度、反応時間に影
響されるが、本発明においては(a)成分1モル当り、
(b)成分0.01〜10.0モルが好ましい。
て塗布液が調製される。この溶媒としては、例えば、
水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、
2−メチル−2−プロパノール、3−メチル−1−ブタ
ノール、2−メチル−2−ブタノール、2−ペンタノー
ル等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;ギ酸メ
チル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢
酸メチル等のエステル系溶剤;4−メチルジオキソラ
ン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル
系溶剤;フラン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトニトリル等の非プロトン系溶剤等が
挙げられる。これらは適宜単独でまたは二種以上の混合
溶媒として使用される。スケール防止剤を塗布する際の
塗布液中のスケール防止剤の濃度は0.005〜25.
0wt%の範囲である。
なく、重合器付属設備のスケールが付着する恐れのある
部分、即ち重合過程で単量体が接触する部分(接触する
可能性のある部分を含む)にも塗布して、塗膜を形成す
ることが好ましい。重合器付属設備で単量体が接触する
部分としては、例えば、撹拌翼、撹拌軸、コンデンサ
ー、ヘッダー、バッフル、サーチコイル、ボルト、ナッ
ト等がある。スケール防止剤を重合器内壁面等に塗布す
る方法は制限されず、例えば特開昭57−61001
号、同55−36288号、特公昭56−501116
号、同56−501117号、特開昭59−11303
号等に記載のN2ガス圧でのスプレー、モノマーガス圧
でのスプレー、低圧水蒸気による噴霧等の塗布方法を用
いることができる。
して重合器内壁、その他、単量体が接触する部分に予め
スケール防止剤の塗膜が形成された重合器内に塩化ビニ
ル系単量体、水媒体及び分散剤を仕込む。塩化ビニル系
単量体としては、塩化ビニル単量体が単独で使用できる
他、塩化ビニルを主体とし、塩化ビニルと共重合可能な
コモノマーを含有した単量体混合物(通常、塩化ビニル
を50重量%以上含有)を使用することもできる。この
ようなコモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;エチレ
ン、プロピレン等のオレフィン;無水マレイン酸;アク
リロニトリル;スチレン;塩化ビニリデン等を例示する
ことができる。
使用できる。水媒体の使用量は、単量体100重量部に
対し、80〜200重量部の範囲が適当である。分散剤
としては、従来塩化ビニル系単量体の水媒体中での懸濁
重合に用いられているものでよく、例えば、水溶性部分
ケン化ポリビニルアルコール;メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース等の水溶性セルロースエーテル;ポリアクリル
酸、ゼラチン等の水溶性ポリマーなど本発明の目的を損
なわない範囲で少量使用される。具体的には、これら分
散剤の使用量は、単量体100重量部当り、0.03〜
3重量部の範囲が適当である。
0.1mol/Lベンゼン溶液状態での半減期が10時間となる
(以下、10時間半減期温度という)が30〜55℃である油
溶性重合開始剤が使用される。このような油溶性重合開
始剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。括弧
( )内に10時間半減期温度を示す。t−ヘキシルパー
オキシネオデカノエート(44.7℃)、t−ブチルパーオ
キシネオデカノエート(46.5℃)、t−ヘキシルパーオ
キシネオヘキサノエート(49.7℃)、t−ブチルパーオ
キシネオヘキサノエート(52.1℃)、t−ブチルパーオ
キシネオヘプタノエート(50.0℃)、t−ヘキシルパー
オキシピバレート(53.2℃)、α−クミルパーオキシネ
オデカノエート(36.6℃)、2,4,4−トリメチルペ
ンチルパーオキシ−2−ネオデカノエート(40℃)、
1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチルパーオキシネ
オデカノエート(37℃)、1−シクロヘキシル−1−メ
チルエチルパーオキシネオデカノエート(41.4℃)、t
−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(44.7℃)、な
どのパーエステル系化合物、イソブチリルパーオキサイ
ド(33℃)などのジアシル化合物、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート(41℃)、ジ−n−プロピルパー
オキシジカーボネート(41℃)、ジ−ミリスチルパーオ
キシジカーボネート(41℃)、ジ−2−エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート(43.5℃)などのパーカーボ
ネート化合物などを例示することができる。これら例示
された重合開始剤は、一種単独で又は二種以上組み合わ
せて使用することができる。
したが、特にパーエステル系化合物、ジアシル化合物、
パーカーボネート化合物が好ましい。本願発明で用いる
重合開始剤は、10時間半減期温度が30〜55℃、好まし
くは30〜50℃である油溶性重合開始剤が使用されるが、
10時間半減期温度が30℃未満の重合開始剤を用いると得
られる重合体のフィッシュアイが増加したり、開始剤の
持続活性が低下する。50℃を超えるものでは多量の重合
開始剤を必要とするようになるため、何れの場合も得ら
れる重合体は、初期着色性、耐抽出性等の品質特性に劣
ったものとなる。
30℃以上40℃以下の油溶性重合開始剤と10時間半減期温
度が40℃を超え55℃以下、好ましくは40℃を超え50℃以
下の油溶性重合開始剤とを併用して用いた場合、より効
果的に得られる重合体のフィッシュアイを低減すること
ができる。この場合、10時間半減期温度が30℃以上40℃
以下の油溶性重合開始剤と40を超え55℃以下の油溶性重
合開始剤の使用割合は、重量基準で1:1〜1:30の範
囲、好ましくは1:3〜1:15の範囲で用いられる。
が、有機溶剤に溶解した溶液として添加するか、或いは
水に分散した分散液として添加するのが好ましい。分散
液の場合は、重合開始剤を水に単に分散したものであっ
てもよいし、或いは重合開始剤を乳化剤及び懸濁剤で水
に分散したものであってもよい。重合開始剤を溶液状で
添加する場合、有機溶剤としては、例えば、メタノー
ル、エタノール等のアルコール;ヘキサン等の脂肪族炭
化水素及びその混合物〔市販品では、例えばシェルゾー
ル(商標)〕;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素が挙げられる。
分散液状で添加する場合、乳化剤としてはアニオン系、
両性、カチオン系、非イオン系のものがいずれも使用で
きるが、中でも塩化ビニルの懸濁重合では、グリセリン
モノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビ
タンモノオレエートのような多価アルコールの脂肪酸部
分エステル;脂肪酸又は芳香族ヒドロキシ化合物のポリ
オキシエチルエステル;及びポリエチレンオキシドとポ
リプロピレンオキシドとの縮合生成物等の非イオン系乳
化剤が好ましい。これらの乳化剤は、単独で又は二種類
以上組み合わせて使用することができる。また、乳化剤
と共に用いる懸濁剤としては、水溶性部分ケン化ポリビ
ニルアルコールのようなポリビニルアルコール;メチル
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体(又は水
溶性セルロースエーテル);無水マレイン酸−スチレン
共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重
合体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の水溶性ポリ
マーが挙げられる。
して仕込まれる水の一部を使用する。同様に、乳化剤及
び/又は懸濁剤が重合系の分散剤と同一である場合は、
分散液用の乳化剤及び/又は懸濁剤には、該分散剤の一
部を使用する。またいずれの分散液にも、凍結防止のた
め、メタノール、エタノール等のアルコール;エチレン
グリコール等のグリコール類を添加することができる。
上記重合開始剤の使用形態のうち、取扱いの容易さ、共
存する媒体等に問題が少ないことから、単に水に分散し
た分散液が好ましい。重合開始剤を有機溶剤に溶解した
溶液として添加するか、或いは水に分散した分散液とし
て添加する場合、重合開始剤の濃度は30〜90重量%好ま
しくは40〜80重量%とする。重合開始剤の添加量は、単
量体100重量部当り0.01〜3重量部の範囲が適当
である。
開始剤を仕込まれた混合物の液相部の特定の位置に投入
する。即ち、上記のようにして仕込んだ原材料混合物の
液相内の、下記の式: H≦0.7H0 (ここで、Hは重合開始剤を投入する位置の重合器の底
からの高さを表し、H0は前記原材料混合物からなる液
相部の液面の重合器の底からの高さを表す。)を満足す
る位置に前記重合開始剤を投入して重合を開始する。即
ち、重合開始剤投入位置は、仕込まれた混合物の重合器
の底からの液面の高さH0に対し0.7倍以下の低い位
置である。特に、重合開始剤の分散性が良好であるこ
と、高分子粒子の形成、品質等に影響がより少ないこと
を考慮すると、重合器の底からの高さHが0.2H0〜
0.7H0の範囲であることが好ましい。
位置に重合開始剤を投入すると、本発明の重合体スケー
ル付着防止効果が得られない。また、本発明方法におい
ては、重合開始剤の投入時及び投入後の重合温度は35
〜70℃で従来から採用されている範囲でよく、また必
要に応じて重合度調節剤、pH調節剤、重合禁止剤等の
他の添加剤を重合系に添加することもできる。
参照して、スケール防止剤を製造した。耐圧反応器に
2,2’-ジヒドロキシビフェニル30モル(5.59
kg)、純度95%のパラホルムアルデヒド22.5モ
ル(0.711kg)、p−トルエンスルホン酸0.1
9kg及びエチレングリコールジメチルエーテル10L
を仕込み、撹拌しながら130℃に昇温した。130℃
で17時間反応させた後、50℃に冷却し、反応混合物
を水50L中に投入した。水に投入することにより析出
した樹脂をろ過、水洗後、乾燥して、5.1kgの2,
2’-ジヒドロキシビフェニル・ホルムアルデヒド縮合
生成物を得た。得られた2,2’-ジヒドロキシビフェ
ニル・ホルムアルデヒド縮合生成物をメタノールに溶解
して2,2’-ジヒドロキシビフェニル-ホルマリン縮合
生成物の0.5wt%メタノール溶液を調製して、スケ
ール防止剤塗布液とした。
円筒状部内空間を有する内容積2m3の重合器である。
重合器1の中央には、駆動モーター4、撹拌軸5及び撹
拌翼6からなる撹拌装置が付設され、また重合器1の外
部には、冷却・昇温手段として冷却・昇温用ジャケット
2が付設され、更に重合器内壁面に沿ってバッフル板3
が付設されている。また、重合器1の内部から外部に貫
通して、原料仕込み配管7、未反応単量体回収配管8、
重合体スラリー抜き出し配管9、重合開始剤投入配管1
0が付設されている。上記塗布液を重合器1内の内壁、
底面、及び撹拌軸5、撹拌翼6、その他重合中に単量体
と接触する部分に塗布し、40℃で15分間加熱乾燥し
て塗膜を形成後、水洗した。その後、こうして塗膜が形
成された重合器中に、脱イオン水920kg、水溶性部
分ケン化ポリビニルアルコール240g及びヒドロキシ
プロピルメチルセルロース92gを水溶液にして配管7
から投入し、重合器内を50mmHgになるまで排気し
た後、塩化ビニル単量体620kgを配管7から仕込ん
だ。このときの仕込まれた混合物の液面Lの高さH
0は、重合器の底から1.9mであった。
10からジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト(10時間半減期温度:43.5℃)の70wt%トルエン
溶液530gを投入した。このときの重合開始剤の投入
位置Hは、重合器の底から0.9mの高さであった。こ
の重合開始剤の投入と同時にジャケット2に熱水を通し
て昇温し、重合を開始した。内温が57℃(重合設定温
度)に到達した後、ジャケット2に冷却水を通して重合
器内の内温を57℃に維持しながら重合を続け、重合器
内の内圧が6.5kg/cm2Gに達した時点で重合を停
止した。重合終了後、配管8から未反応単量体を回収
し、更に配管9から重合体をスラリー状で重合器外に抜
き出し、その後、重合器1内を水洗した。この重合器内
の塗布液の塗布から重合終了後の水洗までの重合操作を
20回繰り返した。20回目の重合終了後の水洗後、重
合器内壁、及びバッフルの、重合器内壁の界面付近に対
面する面のスケール付着状態を目視観察したところ、ス
ケールの付着が見られたものの、僅かであった。また、
20回目の重合終了後に抜き出して得られた重合体スラ
リーを脱水、乾燥して塩化ビニル重合体を得た。得られ
た重合体の可塑剤吸収性及びフィッシュアイを下記の方
法で測定し、その結果を表1に示した。
以外は実施例1と同様にして重合を20回繰り返した。
20回目の重合終了後の水洗後、重合器内壁面と、バッ
フルの重合器内壁面を向く面とのスケール付着状態を目
視観察したところ、気液界面に相当する高さでスケール
の付着が著しかった。また、20回目の重合終了後に抜
き出して得られた重合体スラリーを脱水、乾燥して塩化
ビニル重合体を得た。得られた重合体の可塑剤吸収性及
びフィッシュアイを下記の方法で測定し、その結果を表
1に示した。
カーボネートの代わりにt−ブチルパーオキシネオデカ
ノエート(10時間半減期温度:46.5℃)の70wt%イ
ソパラフィン溶液355gとα−クミルパーオキシネオ
デカノエート(10時間半減期温度:36.6℃)の70wt
%イソパラフィン溶液177gの混合液を投入した以外
は実施例1と同様にして重合を20回繰り返した。20
回目の重合終了後の水洗後、重合器内壁、及びバッフル
の、重合器内壁の界面付近に対面する面のスケール付着
状態を目視観察したところ、スケールの付着が見られた
ものの、僅かであった。また、20回目の重合終了後に
抜き出して得られた重合体スラリーを脱水、乾燥して塩
化ビニル重合体を得た。得られた重合体のフィッシュア
イ及び可塑剤吸収性を下記の方法で測定した。結果を表
1に示す。
以外は実施例2と同様にして重合を20回繰り返した。
20回目の重合終了後の水洗後、重合器内壁面と、バッ
フルの重合器内壁面を向く面とのスケール付着状態を目
視観察したところ、気液界面に相当する高さでスケール
の付着が著しかった。また、20回目の重合終了後に抜
き出して得られた重合体スラリーを脱水、乾燥して塩化
ビニル重合体を得た。得られた重合体のフィッシュアイ
及び可塑剤吸収性を下記の方法で測定した。結果を表1
に示す。
拌機付のブラベンダープラストグラフに投入し、撹拌し
ながら4分間予熱した後、ジオクチルフタレート(DO
P)200gを加え、DOPが完全に吸収されて被攪拌
物が乾固するまでの時間を測定した。 ・フィッシュアイ測定方法 得られた塩化ビニル重合体100部、DOP 50部、
ステアリン酸バリウム0.1部、ステアリン酸カドミウ
ム0.1部、セタノール0.8部、すず系安定剤2.0
部、二酸化チタン0.5部及びカーボンブラック0.1
部を140℃の6インチロールで5分間混合混練し、厚
さ0.33mmのシートとして分取し、このシート10
0cm2中の白色透明粒子(フィッシュアイ)の数で示
した。(ここで、「部」は「重量部」を意味する。)
(重量%)*2 ( )内に10時間半減期温度を示す
や塩化ビニルを含む単量体混合物の水媒体中での懸濁重
合を繰り返し行っても、重合器内壁は勿論、従来困難で
あった重合器内壁面に対面するバッフル面の気相−液相
界面付近への重合体スケールの付着を抑制でき、また、
得られる塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性が良好であ
り、成形加工した際にはフィッシュアイが少ない。
Claims (2)
- 【請求項1】 重合器内において水媒体中分散剤及び重
合開始剤の存在下に塩化ビニル単量体又は塩化ビニルを
含む単量体混合物を懸濁重合し、塩化ビニル系重合体を
製造する方法であって、 前記重合器の内壁その他重合中に単量体が接触する部分
に予め重合体スケール付着防止剤の塗膜が形成されてお
り、 前記重合開始剤が、濃度0.1mol/Lベンゼン溶液の状態
で半減期が10時間となる温度が30〜55℃である油溶性重
合開始剤であり、 塩化ビニル単量体又は単量体混合物、水媒体及び分散剤
などの原材料を仕込む段階、及び前記仕込まれた原材料
混合物からなる液相内の、下記の式: H≦0.7H0 (ここで、Hは重合開始剤を投入する位置の重合器の底
からの高さを表し、H0は前記原材料の混合物からなる
液相部の液面の重合器の底からの高さを表す。)を満足
する位置に前記重合開始剤を投入して重合を開始する段
階を有することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造
方法。 - 【請求項2】前記重合開始剤の投入位置の高さHが、
0.2H0≦H≦0.7H0を満足することを特徴とする
請求項1に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11231270A JP2000128902A (ja) | 1998-08-21 | 1999-08-18 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25195898 | 1998-08-21 | ||
JP10-251958 | 1998-08-21 | ||
JP11231270A JP2000128902A (ja) | 1998-08-21 | 1999-08-18 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000128902A true JP2000128902A (ja) | 2000-05-09 |
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ID=26529780
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11231270A Pending JP2000128902A (ja) | 1998-08-21 | 1999-08-18 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
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JP (1) | JP2000128902A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013126760A (ja) * | 2006-10-20 | 2013-06-27 | Daikin Industries Ltd | 溶融ペレットの製造方法、及び、電線の製造方法 |
-
1999
- 1999-08-18 JP JP11231270A patent/JP2000128902A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013126760A (ja) * | 2006-10-20 | 2013-06-27 | Daikin Industries Ltd | 溶融ペレットの製造方法、及び、電線の製造方法 |
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