JP3391989B2 - 重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法 - Google Patents
重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン性不飽和
二重結合を有する単量体を重合器内で重合し、重合体を
製造する際に、重合器内壁面等への重合体スケールの付
着を防止する防止剤及びそれを使用する重合体の製造方
法に関する。
二重結合を有する単量体を重合器内で重合し、重合体を
製造する際に、重合器内壁面等への重合体スケールの付
着を防止する防止剤及びそれを使用する重合体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニルをはじめとするエチレン性不
飽和二重結合を有する単量体を重合器内で重合させる
と、重合体がスケールとして重合器の内壁面等に付着す
ることが知られている。この重合体スケールの付着は、
バッチ数を重ねるに従い顕著になる。そして、重合器の
冷却能力を低下させたり、重合体の収率を低下させると
いう問題を生じさせる。また、内壁から剥離した重合体
スケールが、得られた重合体に混入して製品の品質が低
下するという問題も生じさせる。その上、この重合体ス
ケールを除去するのに多大の労力と時間を必要とする。
重合体スケールは未反応単量体も含むため、放置する
と、作業者の身体に影響を及ぼすという問題もある。
飽和二重結合を有する単量体を重合器内で重合させる
と、重合体がスケールとして重合器の内壁面等に付着す
ることが知られている。この重合体スケールの付着は、
バッチ数を重ねるに従い顕著になる。そして、重合器の
冷却能力を低下させたり、重合体の収率を低下させると
いう問題を生じさせる。また、内壁から剥離した重合体
スケールが、得られた重合体に混入して製品の品質が低
下するという問題も生じさせる。その上、この重合体ス
ケールを除去するのに多大の労力と時間を必要とする。
重合体スケールは未反応単量体も含むため、放置する
と、作業者の身体に影響を及ぼすという問題もある。
【0003】従来、エチレン性不飽和二重結合を有する
単量体を重合する際の重合体スケールの付着を防止する
ため、重合体スケール付着防止剤を重合器の内壁面等に
塗布して塗膜を形成する方法が知られている。この重合
体スケール付着防止剤としては、例えば染料又は顔料
(特公昭45−30835号公報)、芳香族アミン化合
物(特開昭51−50887号公報)、フェノール化合
物と芳香族アルデヒドとの反応生成物(特公平2−36
3号公報)、自己縮合多価フェノール(特開昭54−7
487号公報)1−ナフトールとホルムアルデヒドとの
反応生成物(特開昭57−1641号公報)等である。
単量体を重合する際の重合体スケールの付着を防止する
ため、重合体スケール付着防止剤を重合器の内壁面等に
塗布して塗膜を形成する方法が知られている。この重合
体スケール付着防止剤としては、例えば染料又は顔料
(特公昭45−30835号公報)、芳香族アミン化合
物(特開昭51−50887号公報)、フェノール化合
物と芳香族アルデヒドとの反応生成物(特公平2−36
3号公報)、自己縮合多価フェノール(特開昭54−7
487号公報)1−ナフトールとホルムアルデヒドとの
反応生成物(特開昭57−1641号公報)等である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの物質を用いた
重合体スケール付着防止方法は、重合に供されるエチレ
ン性不飽和二重結合を有する単量体が、塩化ビニル単量
体の場合には有効である。しかし、該単量体が、スチレ
ン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステル、アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル等の場合には、重合体スケール
の付着を効果的に防止することが困難である。これは、
これらの単量体が前述の重合体スケール付着防止剤の塗
膜に対して大きな溶解能を有するためである。特に、上
記単量体の濃度が高い場合や、濃度が低くても重合時間
が長い場合には、重合体スケールが付着しやすい。
重合体スケール付着防止方法は、重合に供されるエチレ
ン性不飽和二重結合を有する単量体が、塩化ビニル単量
体の場合には有効である。しかし、該単量体が、スチレ
ン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステル、アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル等の場合には、重合体スケール
の付着を効果的に防止することが困難である。これは、
これらの単量体が前述の重合体スケール付着防止剤の塗
膜に対して大きな溶解能を有するためである。特に、上
記単量体の濃度が高い場合や、濃度が低くても重合時間
が長い場合には、重合体スケールが付着しやすい。
【0005】そこで、本発明の課題は、新規な重合体ス
ケール付着防止剤に関し、塩化ビニルをはじめとしてα
−メチルスチレン等の大きな溶解能を有するその他のエ
チレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合において
も、重合体スケールの付着を効果的の防止することがで
きる防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法を提供
することにある。
ケール付着防止剤に関し、塩化ビニルをはじめとしてα
−メチルスチレン等の大きな溶解能を有するその他のエ
チレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合において
も、重合体スケールの付着を効果的の防止することがで
きる防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するためには、(a)共役π結合を8個以上有
し、分子量が1000以上の芳香族化合物、及び(b)重量
平均分子量が2000以上のポリアルキレンオキサイドを含
有し、(a)成分と(b)と成分の重量比が100/500 〜
100/1 である、エチレン性不飽和二重結合を有する単量
体の重合用の重合体スケール付着防止剤が有効であるこ
とを見いだした。
を解決するためには、(a)共役π結合を8個以上有
し、分子量が1000以上の芳香族化合物、及び(b)重量
平均分子量が2000以上のポリアルキレンオキサイドを含
有し、(a)成分と(b)と成分の重量比が100/500 〜
100/1 である、エチレン性不飽和二重結合を有する単量
体の重合用の重合体スケール付着防止剤が有効であるこ
とを見いだした。
【0007】また、本発明は、エチレン性不飽和二重結
合を有する単量体を内壁面に重合体スケール付着防止性
塗膜を有する重合器内において重合する工程を有する重
合体の製造方法において、前記の塗膜が上記の重合体ス
ケール付着防止剤からなることを特徴とする重合体の製
造方法を提供する。
合を有する単量体を内壁面に重合体スケール付着防止性
塗膜を有する重合器内において重合する工程を有する重
合体の製造方法において、前記の塗膜が上記の重合体ス
ケール付着防止剤からなることを特徴とする重合体の製
造方法を提供する。
【0008】
(重合体スケール付着防止剤)
【0009】(a)成分
塗布に使用される重合体スケール付着防止剤は、共役π
結合を8個以上有し、分子量が1000以上の芳香族化合物
(以下、共役π結合化合物という)を含有することが必
要である。この「π結合」の意味は、本明細書において
二重結合及び三重結合のことであり、例えばC=C、C
≡C、N=N、C=N、C=O結合等が挙げられる。そ
して、「共役π結合」の意味は、隣接する他のπ結合と
相互に共役関係にあるπ結合のことである。かかる共役
π結合化合物の中でもより好ましいものは、共役関係に
あるπ結合が5以上連なっているものである。また、こ
の共役π結合化合物の分子量は、ゲルパーミュエイショ
ンクロマトグラフィ(GPC)により測定される。この
共役π結合化合物は、共役π結合を8個以上有し、分子
量が1500以上のものが好ましい。
結合を8個以上有し、分子量が1000以上の芳香族化合物
(以下、共役π結合化合物という)を含有することが必
要である。この「π結合」の意味は、本明細書において
二重結合及び三重結合のことであり、例えばC=C、C
≡C、N=N、C=N、C=O結合等が挙げられる。そ
して、「共役π結合」の意味は、隣接する他のπ結合と
相互に共役関係にあるπ結合のことである。かかる共役
π結合化合物の中でもより好ましいものは、共役関係に
あるπ結合が5以上連なっているものである。また、こ
の共役π結合化合物の分子量は、ゲルパーミュエイショ
ンクロマトグラフィ(GPC)により測定される。この
共役π結合化合物は、共役π結合を8個以上有し、分子
量が1500以上のものが好ましい。
【0010】共役π結合化合物として、以下の物が例示
される。 1)特公平6-62709 に記載のジヒドロキシビフェニル類
とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合反応させて
得られた反応生成物のうち、分子量が1000以上のもの:
ジヒドロキシビフェニル類の例として、2,2′−ジヒ
ドロキシビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−5,
5′−ジメチルビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−
4,4′,5,5′−テトラメチルビフェニル、2,
2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジクロロビフェニル、
2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジシクロヘキシル
ビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジ−
tert−ブチルビフェニル等が挙げられ、なかでも工業的
には2,2′−ジヒドロキシビフェニルが好適である。
される。 1)特公平6-62709 に記載のジヒドロキシビフェニル類
とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合反応させて
得られた反応生成物のうち、分子量が1000以上のもの:
ジヒドロキシビフェニル類の例として、2,2′−ジヒ
ドロキシビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−5,
5′−ジメチルビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−
4,4′,5,5′−テトラメチルビフェニル、2,
2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジクロロビフェニル、
2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジシクロヘキシル
ビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジ−
tert−ブチルビフェニル等が挙げられ、なかでも工業的
には2,2′−ジヒドロキシビフェニルが好適である。
【0011】アルデヒド類として、例えばホルマリン、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアル
デヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンズア
ルデヒド、フルフラール、フェニルアセトアルデヒド、
3−フェニルプロピオンアルデヒド、2−フェニルプロ
ピオンアルデヒド等が挙げられ、ホルマリン及びアセト
アルデヒドが工業的、経済的に有利である。
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアル
デヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンズア
ルデヒド、フルフラール、フェニルアセトアルデヒド、
3−フェニルプロピオンアルデヒド、2−フェニルプロ
ピオンアルデヒド等が挙げられ、ホルマリン及びアセト
アルデヒドが工業的、経済的に有利である。
【0012】ジヒドロキシビフェニル類とアルデヒド類
とは、酸性触媒の存在下で反応して反応生成物を形成す
る。この反応の好ましい触媒は、強酸性のものであり、
例えば硫酸、塩酸、過塩素酸、p−トルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸、トリフルオルメタンスルホン酸
等が含まれ、より好ましくは塩酸及びp−トルエンスル
ホン酸である。
とは、酸性触媒の存在下で反応して反応生成物を形成す
る。この反応の好ましい触媒は、強酸性のものであり、
例えば硫酸、塩酸、過塩素酸、p−トルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸、トリフルオルメタンスルホン酸
等が含まれ、より好ましくは塩酸及びp−トルエンスル
ホン酸である。
【0013】ジヒドロキシビフェニル類とアルデヒド類
との反応生成物のうち、より好ましいものは、ジヒドロ
キシビフェニル類に対するアルデヒド類のモル比が1.0
よりも大きくない場合に得られる。好ましい範囲は、ジ
ヒドロキシビフェニル類1モルに対し、アルデヒド類の
モル量は0.5 〜1.0 モル、さらに好ましくは0.6 〜0.9
モルの範囲である。
との反応生成物のうち、より好ましいものは、ジヒドロ
キシビフェニル類に対するアルデヒド類のモル比が1.0
よりも大きくない場合に得られる。好ましい範囲は、ジ
ヒドロキシビフェニル類1モルに対し、アルデヒド類の
モル量は0.5 〜1.0 モル、さらに好ましくは0.6 〜0.9
モルの範囲である。
【0014】ジヒドロキシビフェニル類とアルデヒド類
との反応は、反応温度50〜200 ℃の範囲、反応時間5〜
30時間で有利に行われ、さらに好ましくは 100〜150 ℃
で行われる。この反応で、一般的な溶剤の存在が望まし
い場合もある。好ましい溶剤の例として、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素類;ブチルメチルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、ジメチルエーテル等のエーテ
ル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類が挙げられる。しかし、これらに限定される
ものではない。
との反応は、反応温度50〜200 ℃の範囲、反応時間5〜
30時間で有利に行われ、さらに好ましくは 100〜150 ℃
で行われる。この反応で、一般的な溶剤の存在が望まし
い場合もある。好ましい溶剤の例として、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素類;ブチルメチルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、ジメチルエーテル等のエーテ
ル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類が挙げられる。しかし、これらに限定される
ものではない。
【0015】2)特開昭57-164107 に記載の、1−ナフ
トールとホルムアルデヒドを触媒存在下で縮合反応させ
て得られる縮合反応生成物のうち、分子量が1000以上の
もの:1−ナフトールは次式で表わされる化合物の中か
ら選ばれる。
トールとホルムアルデヒドを触媒存在下で縮合反応させ
て得られる縮合反応生成物のうち、分子量が1000以上の
もの:1−ナフトールは次式で表わされる化合物の中か
ら選ばれる。
【0016】
【化1】
〔式中、aは0又は1であり;mは0、1、2又は3で
あり(好ましくは0、1又は2である);R1及びR2は同
一であっても相違してもよく、これらはハロゲン(好ま
しくはCl)、ヒドロカルビル(好ましくは炭素数1〜5
のアルキル)、ヒドロキシ及びヒドロカルビルオキシ
(好ましくは1〜5個の炭素原子を有するアルコキシ
ル)の中から選ばれる。a又はmが0であることは置換
基がないことを意味する。〕
あり(好ましくは0、1又は2である);R1及びR2は同
一であっても相違してもよく、これらはハロゲン(好ま
しくはCl)、ヒドロカルビル(好ましくは炭素数1〜5
のアルキル)、ヒドロキシ及びヒドロカルビルオキシ
(好ましくは1〜5個の炭素原子を有するアルコキシ
ル)の中から選ばれる。a又はmが0であることは置換
基がないことを意味する。〕
【0017】1−ナフトールの例として、1−ナフトー
ル自身、1,3−ジヒドロキシ−ナフタレン、1,5−
ジヒドロキシ−ナフタレン及び1,7−ジヒドロキシ−
ナフタレンが挙げられる。
ル自身、1,3−ジヒドロキシ−ナフタレン、1,5−
ジヒドロキシ−ナフタレン及び1,7−ジヒドロキシ−
ナフタレンが挙げられる。
【0018】上記の縮合反応を行う媒体として、例えば
水、並びにメタノール、エタノール、プロパノールのよ
うなアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのよ
うなケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステ
ル類等の有機溶媒が挙げられる。
水、並びにメタノール、エタノール、プロパノールのよ
うなアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのよ
うなケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステ
ル類等の有機溶媒が挙げられる。
【0019】触媒として、塩酸等の酸性触媒、NaOH、KO
H 、NH4OH 等の塩基性触媒等が用いられ、これらは1−
ナフトール類1モル当り 0.5〜0.9 モル添加される。縮
合反応を行う際の1−ナフトール類とホルムアルデヒド
の割合は、使用する1−ナフトール類及び溶媒の種類、
反応温度、反応時間等に影響され、通常、1−ナフトー
ル類1モル当たり、ホルムアルデヒドを 0.2〜10モルと
することが好ましく、さらに0.5 〜5モルとすることが
好ましい。縮合反応は、1−ナフトール類とホルムアル
デヒドとを、適当な媒体中、触媒存在下、通常、50〜20
0 ℃で1〜30時間、好ましくは70〜150 ℃で3〜10時間
反応させればよい。媒体として、例えば水並びにメタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙
げられる。
H 、NH4OH 等の塩基性触媒等が用いられ、これらは1−
ナフトール類1モル当り 0.5〜0.9 モル添加される。縮
合反応を行う際の1−ナフトール類とホルムアルデヒド
の割合は、使用する1−ナフトール類及び溶媒の種類、
反応温度、反応時間等に影響され、通常、1−ナフトー
ル類1モル当たり、ホルムアルデヒドを 0.2〜10モルと
することが好ましく、さらに0.5 〜5モルとすることが
好ましい。縮合反応は、1−ナフトール類とホルムアル
デヒドとを、適当な媒体中、触媒存在下、通常、50〜20
0 ℃で1〜30時間、好ましくは70〜150 ℃で3〜10時間
反応させればよい。媒体として、例えば水並びにメタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙
げられる。
【0020】3)特公平2-363 及び特開昭57-192413 に
記載のフェノール化合物とホルムアルデヒドあるいはベ
ンズアルデヒドとの縮合物のうち、分子量が1000以上の
もの:フェノール化合物として、ピロガロール、ヒドロ
キシヒドロキノン、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸又
はこれらの混合物が好適である。
記載のフェノール化合物とホルムアルデヒドあるいはベ
ンズアルデヒドとの縮合物のうち、分子量が1000以上の
もの:フェノール化合物として、ピロガロール、ヒドロ
キシヒドロキノン、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸又
はこれらの混合物が好適である。
【0021】上記のフェノール化合物とホルマリンある
いはベンズアルデヒドとの縮合生成物は、これらの反応
成分を、適当な媒体中、触媒存在下、通常、室温( 例え
ば20℃) 〜200 ℃で2〜100 時間、好ましくは30〜150
℃で3〜30時間反応させることにより製造される。
いはベンズアルデヒドとの縮合生成物は、これらの反応
成分を、適当な媒体中、触媒存在下、通常、室温( 例え
ば20℃) 〜200 ℃で2〜100 時間、好ましくは30〜150
℃で3〜30時間反応させることにより製造される。
【0022】上記の縮合反応を行う媒体としては、例え
ば水、並びにメタノール、エタノール、プロパノールの
ようなアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンの
ようなケトン類及び酢酸メチル、酢酸エチルのようなエ
ステル類等の有機溶媒が挙げられる。
ば水、並びにメタノール、エタノール、プロパノールの
ようなアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンの
ようなケトン類及び酢酸メチル、酢酸エチルのようなエ
ステル類等の有機溶媒が挙げられる。
【0023】上記縮合反応を行う媒体のpHは、通常1
〜13の範囲であり、pH調整剤は特に制約なく使用する
ことができる。
〜13の範囲であり、pH調整剤は特に制約なく使用する
ことができる。
【0024】縮合反応を行う際のフェノール化合物とホ
ルマリンあるいはベンズアルデヒドの割合は、使用する
フェノール化合物、ホルマリンあるいはベンズアルデヒ
ド及び溶媒の種類、反応温度、反応時間等に影響され
る。通常、フェノール化合物1重量部当たり、ホルムア
ルデヒドあるいはベンズアルデヒドを 0.5〜10重量部と
することが好ましく、さらに好ましくは 0.1〜5重量部
とする。
ルマリンあるいはベンズアルデヒドの割合は、使用する
フェノール化合物、ホルマリンあるいはベンズアルデヒ
ド及び溶媒の種類、反応温度、反応時間等に影響され
る。通常、フェノール化合物1重量部当たり、ホルムア
ルデヒドあるいはベンズアルデヒドを 0.5〜10重量部と
することが好ましく、さらに好ましくは 0.1〜5重量部
とする。
【0025】4)特公昭59-16561に記載のポリ芳香族ア
ミンのうち、分子量が1000以上のもの:該ポリ芳香族ア
ミンは、下記の化合物(a)〜(d)のいずれか1つの
縮合反応、あるいは2種以上を一緒に反応させることに
より得られる。(a) 式:
ミンのうち、分子量が1000以上のもの:該ポリ芳香族ア
ミンは、下記の化合物(a)〜(d)のいずれか1つの
縮合反応、あるいは2種以上を一緒に反応させることに
より得られる。(a) 式:
【0026】
【化2】
(式中、R1及びR2は−H、ハロゲン、−NH2 、−OH又は
炭素原子1〜8個を有するアルキル基であり、同一又は
異なってもよい)により示されるポリアミノベンゼン、
例えばオルト−、メタ−若しくはパラ−フェニレンジア
ミン;ジアミノトルエン、ジアミノキシレン、ジアミノ
フェノール、トリアミノベンゼン、トリアミノトルエン
及びトリアミノキシレン;エチル、プロピル、ブチル若
しくはペンチルジ−又はトリアミノベンゼン等であり、
最も好適な化合物は、R1が−Hであり、R2が−H、メチ
ル基又はエチル基であるものであり;(b) 式:
炭素原子1〜8個を有するアルキル基であり、同一又は
異なってもよい)により示されるポリアミノベンゼン、
例えばオルト−、メタ−若しくはパラ−フェニレンジア
ミン;ジアミノトルエン、ジアミノキシレン、ジアミノ
フェノール、トリアミノベンゼン、トリアミノトルエン
及びトリアミノキシレン;エチル、プロピル、ブチル若
しくはペンチルジ−又はトリアミノベンゼン等であり、
最も好適な化合物は、R1が−Hであり、R2が−H、メチ
ル基又はエチル基であるものであり;(b) 式:
【0027】
【化3】
(式中、R3及びR4は−H、ハロゲン、−NH2 、−OH、又
は炭素原子1〜8個を有するアルキル基であり、同一又
は異なってもよい)により示される多価フェノール、例
えばカテコール、レゾルシノール、クロロレゾルシノー
ル、ヒドロキノン、フロログルシノール、ピロガロール
等;ジヒドロキシトルエン及びジヒドロキキシレン;ト
リヒドロキシトルエン及びトリヒドロキシキシレン;エ
チル、プロピル、ブチル若しくはペンチルジ−又はトリ
ヒドロキシベンゼン等であり、最も好適な化合物は、R3
が−Hであり、R4が−H又は−OHであるものであり;
(c) 式:
は炭素原子1〜8個を有するアルキル基であり、同一又
は異なってもよい)により示される多価フェノール、例
えばカテコール、レゾルシノール、クロロレゾルシノー
ル、ヒドロキノン、フロログルシノール、ピロガロール
等;ジヒドロキシトルエン及びジヒドロキキシレン;ト
リヒドロキシトルエン及びトリヒドロキシキシレン;エ
チル、プロピル、ブチル若しくはペンチルジ−又はトリ
ヒドロキシベンゼン等であり、最も好適な化合物は、R3
が−Hであり、R4が−H又は−OHであるものであり;
(c) 式:
【0028】
【化4】
(式中、R5及びR6は−H、ハロゲン、−NH2 、−OH又は
炭素原子1〜8個を有するアルキル基であり、同一又は
異なってもよい)により示されるアミノフェノール及び
アルキル置換アミノフェノール、例えばオルト、メタ若
しくはパラ−アミノフェノール;ジアミノ−又はトリア
ミノ−フェノール;メチル、エチル、プロピル、ブチル
若しくはペンチルアミノ又はジアミノフェノール等であ
り;最も好適な化合物は、R5が−Hであり、R6が−H又
は−NH2 であるものであり;及び(d) ジフェニルアミ
ン、アルキル置換ジフェニルアミン及び式:
炭素原子1〜8個を有するアルキル基であり、同一又は
異なってもよい)により示されるアミノフェノール及び
アルキル置換アミノフェノール、例えばオルト、メタ若
しくはパラ−アミノフェノール;ジアミノ−又はトリア
ミノ−フェノール;メチル、エチル、プロピル、ブチル
若しくはペンチルアミノ又はジアミノフェノール等であ
り;最も好適な化合物は、R5が−Hであり、R6が−H又
は−NH2 であるものであり;及び(d) ジフェニルアミ
ン、アルキル置換ジフェニルアミン及び式:
【0029】
【化5】
(式中、Rは下記式:
【化6】
で示される基又は炭素原子1〜5個を有する直鎖又は分
枝鎖アルキル基であり、そしてR1、R2、R3及びR4はそれ
ぞれ−H、−NH2 、−OH、ハロゲン又は炭素原子1〜8
個を有するアルキル基であり、そして少なくとも2つが
−NH2 、−OH又はこれらの組合せのうちの1つである)
により示される他の化合物、例えばビスフェノールAで
あり、最も好適な化合物は、R1及びR4が−OH又は−NH2
であり、R2及びR3が−Hであるものである。
枝鎖アルキル基であり、そしてR1、R2、R3及びR4はそれ
ぞれ−H、−NH2 、−OH、ハロゲン又は炭素原子1〜8
個を有するアルキル基であり、そして少なくとも2つが
−NH2 、−OH又はこれらの組合せのうちの1つである)
により示される他の化合物、例えばビスフェノールAで
あり、最も好適な化合物は、R1及びR4が−OH又は−NH2
であり、R2及びR3が−Hであるものである。
【0030】前記の式中のハロゲンは、塩素、臭素、ヨ
ウ素又はフッ素であってよい。縮合反応によって前記化
合物の2つ又はそれ以上を一緒に反応させる時には、少
なくとも1つの化合物がアミノ基を有せねばならず、そ
して2つより多くの化合物が反応に包含される場合には
該化合物の少なくとも2つがアミノ基を有することが好
適である。例えば、有用なポリ芳香族アミンは、m−フ
ェニレンジアミン、レゾルシノール及びp−アミノフェ
ノールを一緒に縮合させることにより形成されたもの、
m−フェニレンジアミン、レゾルシノール、フロログル
シノール及びm−アミノフェノールを一緒に縮合させる
ことにより形成されたもの等である。
ウ素又はフッ素であってよい。縮合反応によって前記化
合物の2つ又はそれ以上を一緒に反応させる時には、少
なくとも1つの化合物がアミノ基を有せねばならず、そ
して2つより多くの化合物が反応に包含される場合には
該化合物の少なくとも2つがアミノ基を有することが好
適である。例えば、有用なポリ芳香族アミンは、m−フ
ェニレンジアミン、レゾルシノール及びp−アミノフェ
ノールを一緒に縮合させることにより形成されたもの、
m−フェニレンジアミン、レゾルシノール、フロログル
シノール及びm−アミノフェノールを一緒に縮合させる
ことにより形成されたもの等である。
【0031】特に有用なポリ芳香族アミンは、芳香族ジ
アミン及び多価フェノールが一緒に反応せしめられる時
に得られるものである。通常、これらの化合物は、ほぼ
等モル比にて一緒に反応せしめられる。しかし、ジアミ
ン、フェノールのいずれかを過剰量にて使用することも
できる。
アミン及び多価フェノールが一緒に反応せしめられる時
に得られるものである。通常、これらの化合物は、ほぼ
等モル比にて一緒に反応せしめられる。しかし、ジアミ
ン、フェノールのいずれかを過剰量にて使用することも
できる。
【0032】前記に示されるように、前記の化合物のい
ずれかが自己縮合せしめられ又は1つ若しくはそれ以上
の他の化合物と反応せしめられる場合には、酸性触媒が
使用される。例えば、HCl 、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、スルファニル酸、リン酸、ヨウ素、ベン
ゼンジスルホン酸、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)、
塩化アルミニウム等が使用できる。触媒濃度は、使用さ
れる特定の触媒に依存して変化するであろう。しかし、
化合物が自己縮合せしめられるときには該化合物1モル
当り約0.005 〜約0.20モルの触媒濃度が望ましく、1つ
若しくはそれ以上の化合物が反応せしめられるときには
アミノ化合物1モル当り同濃度が望ましい。
ずれかが自己縮合せしめられ又は1つ若しくはそれ以上
の他の化合物と反応せしめられる場合には、酸性触媒が
使用される。例えば、HCl 、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、スルファニル酸、リン酸、ヨウ素、ベン
ゼンジスルホン酸、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)、
塩化アルミニウム等が使用できる。触媒濃度は、使用さ
れる特定の触媒に依存して変化するであろう。しかし、
化合物が自己縮合せしめられるときには該化合物1モル
当り約0.005 〜約0.20モルの触媒濃度が望ましく、1つ
若しくはそれ以上の化合物が反応せしめられるときには
アミノ化合物1モル当り同濃度が望ましい。
【0033】単独で又は他の化合物と反応せしめられる
化合物の反応温度は、反応時間及び所望の最終製品の分
子量に依存して変化するであろう。例えば、反応成分を
315℃まで急速に加熱し、次に、該温度に種々の時間保
つことができる。また、反応成分を 300℃より上の種々
の温度に加熱し、そして、直ぐに冷却することもでき
る。後者の方法を用いる場合には、反応時間は0時間と
して示される。したがって、反応温度は約250 〜360 ℃
にて変化し、反応時間は約0〜約3時間にて変化するで
あろう。好適な反応温度範囲は275 〜330 ℃であり、反
応時間は0〜1時間である。
化合物の反応温度は、反応時間及び所望の最終製品の分
子量に依存して変化するであろう。例えば、反応成分を
315℃まで急速に加熱し、次に、該温度に種々の時間保
つことができる。また、反応成分を 300℃より上の種々
の温度に加熱し、そして、直ぐに冷却することもでき
る。後者の方法を用いる場合には、反応時間は0時間と
して示される。したがって、反応温度は約250 〜360 ℃
にて変化し、反応時間は約0〜約3時間にて変化するで
あろう。好適な反応温度範囲は275 〜330 ℃であり、反
応時間は0〜1時間である。
【0034】5)特開昭54-7487 に記載の多価フェノー
ルの自己縮合生成物、及び多価ナフトールの自己縮合生
成物の群から選定された縮合生成物のうち、分子量が10
00以上のもの:多価フェノールの自己縮合生成物は、レ
ゾルシノール、ヒドロキノン、カテコール若しくはフロ
ログルシノールの任意の1種若しくはそれ以上を、触媒
なしで又は適当な触媒の存在下に、加熱することによっ
て製造される。多価ナフトールの自己縮合物、例えば
2,7−ジヒドロキシナフタレン、3,7−ジヒドロキ
シナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等の自
己縮合物についても同じである。多価フェノール又は多
価ナフトールは、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下 2
00〜350 ℃の温度範囲で4〜20時間加熱する。この反応
には、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、水酸化ナトリウム
の種々な触媒を使用できる。使用する触媒の濃度は、縮
合させる1又はそれ以上の化合物1モル当り約0.05〜0.
50モルで十分である。
ルの自己縮合生成物、及び多価ナフトールの自己縮合生
成物の群から選定された縮合生成物のうち、分子量が10
00以上のもの:多価フェノールの自己縮合生成物は、レ
ゾルシノール、ヒドロキノン、カテコール若しくはフロ
ログルシノールの任意の1種若しくはそれ以上を、触媒
なしで又は適当な触媒の存在下に、加熱することによっ
て製造される。多価ナフトールの自己縮合物、例えば
2,7−ジヒドロキシナフタレン、3,7−ジヒドロキ
シナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等の自
己縮合物についても同じである。多価フェノール又は多
価ナフトールは、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下 2
00〜350 ℃の温度範囲で4〜20時間加熱する。この反応
には、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、水酸化ナトリウム
の種々な触媒を使用できる。使用する触媒の濃度は、縮
合させる1又はそれ以上の化合物1モル当り約0.05〜0.
50モルで十分である。
【0035】6)特開昭62-236804 に記載のケトン樹脂
とフェノール性化合物と、さらに必要に応じてアルデヒ
ド化合物との反応生成物のうち、分子量が1000以上のも
の:用いるケトン樹脂は、一般に、ケトン類とアルデヒ
ド類とを縮合させて得られる樹脂であり、軟化点が80〜
130 ℃の常温で固形の物質である。特に、原料のケトン
類としてシクロヘキサノンあるいはアセトフェノンとホ
ルムアルデヒドを用いて製造された物である。
とフェノール性化合物と、さらに必要に応じてアルデヒ
ド化合物との反応生成物のうち、分子量が1000以上のも
の:用いるケトン樹脂は、一般に、ケトン類とアルデヒ
ド類とを縮合させて得られる樹脂であり、軟化点が80〜
130 ℃の常温で固形の物質である。特に、原料のケトン
類としてシクロヘキサノンあるいはアセトフェノンとホ
ルムアルデヒドを用いて製造された物である。
【0036】フェノール性化合物としては、芳香族化合
物にフェノール性の−OH基を1個以上有する化合物であ
る。例えば、フェノール、クレゾール等の一価フェノー
ル、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェ
ノールA等の二価フェノール、ピロガロール、ヒドロキ
シヒドロキノン等の三価フェノール又は上記の化合物に
アルキル基、カルボン酸基等の置換基を有する化合物が
挙げられる。
物にフェノール性の−OH基を1個以上有する化合物であ
る。例えば、フェノール、クレゾール等の一価フェノー
ル、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェ
ノールA等の二価フェノール、ピロガロール、ヒドロキ
シヒドロキノン等の三価フェノール又は上記の化合物に
アルキル基、カルボン酸基等の置換基を有する化合物が
挙げられる。
【0037】アルデヒド化合物は、例えばホルムアルデ
ヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の脂
肪族のアルデヒド類、ベンズアルデヒドに代表される芳
香族のアルデヒド類等が挙げられる。
ヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の脂
肪族のアルデヒド類、ベンズアルデヒドに代表される芳
香族のアルデヒド類等が挙げられる。
【0038】ケトン樹脂とフェノール性化合物との反応
生成物の製造法として、ケトン樹脂とフェノール性化合
物とをフリーデルクラフト型触媒あるいは酸触媒の存在
下、窒素雰囲気中50〜250 ℃、好ましくは 100〜200 ℃
で1〜10時間反応をさせて製造される。また、所望によ
り、アルデヒド化合物を加えて反応させてもよい。この
ときのアルデヒド化合物を加えて反応させる方法として
は、(1) ケトン樹脂、フェノール性化合物及びアルデヒ
ド化合物を同時に反応させる方法、(2) ケトン樹脂とフ
ェノール性化合物とを反応させた後、これにアルデヒド
化合物を加えて反応させる方法、(3) フェノール性化合
物とアルデヒド化合物とを反応させた後、ケトン樹脂を
反応させる方法がある。
生成物の製造法として、ケトン樹脂とフェノール性化合
物とをフリーデルクラフト型触媒あるいは酸触媒の存在
下、窒素雰囲気中50〜250 ℃、好ましくは 100〜200 ℃
で1〜10時間反応をさせて製造される。また、所望によ
り、アルデヒド化合物を加えて反応させてもよい。この
ときのアルデヒド化合物を加えて反応させる方法として
は、(1) ケトン樹脂、フェノール性化合物及びアルデヒ
ド化合物を同時に反応させる方法、(2) ケトン樹脂とフ
ェノール性化合物とを反応させた後、これにアルデヒド
化合物を加えて反応させる方法、(3) フェノール性化合
物とアルデヒド化合物とを反応させた後、ケトン樹脂を
反応させる方法がある。
【0039】フリーデルクラフト型触媒あるいは酸触媒
として、通常用いられる塩化アルミニウム、フッ化硼
素、塩化亜鉛、塩化鉄等のハロゲン化物若しくはこれら
の錯化合物又は塩酸、硫酸等の無機酸、パラトルエンス
ルホン酸等の有機酸が使用できる。
として、通常用いられる塩化アルミニウム、フッ化硼
素、塩化亜鉛、塩化鉄等のハロゲン化物若しくはこれら
の錯化合物又は塩酸、硫酸等の無機酸、パラトルエンス
ルホン酸等の有機酸が使用できる。
【0040】ケトン樹脂とフェノール性化合物は、フェ
ノール性化合物 100重量部に対してケトン樹脂5〜200
重量部、好ましくは30〜150 重量部が使用される。ま
た、アルデヒド化合物はフェノール性化合物1モルに対
して0〜2モル好ましくは 0.5〜1.5 モルが使用され
る。
ノール性化合物 100重量部に対してケトン樹脂5〜200
重量部、好ましくは30〜150 重量部が使用される。ま
た、アルデヒド化合物はフェノール性化合物1モルに対
して0〜2モル好ましくは 0.5〜1.5 モルが使用され
る。
【0041】触媒は、フェノール性化合物 100重量部に
対して0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部使用
される。触媒量が上記範囲より少ないと反応性が低下
し、一方、多くなると溶剤あるいはアルカリ溶液への溶
解性が低下する。
対して0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部使用
される。触媒量が上記範囲より少ないと反応性が低下
し、一方、多くなると溶剤あるいはアルカリ溶液への溶
解性が低下する。
【0042】上記の縮合反応を行う媒体として、例えば
水並びにメタノール、エタノール、プロパノールのよう
なアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのよう
なケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル
類等の有機溶媒が挙げられる。
水並びにメタノール、エタノール、プロパノールのよう
なアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのよう
なケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル
類等の有機溶媒が挙げられる。
【0043】上記縮合反応を行う媒体のpHは、通常1
〜13の範囲であり、pH調整剤は特に制約なく使用する
ことができる。
〜13の範囲であり、pH調整剤は特に制約なく使用する
ことができる。
【0044】7)特開平2-500845に記載のフェノチアジ
ンとホルムアルデヒドとの縮合物のうち、分子量が1000
以上のもの:フェノチアジンとホルムアミドとの反応
で、ホルムアルデヒドのフェノチアジンに対するモル比
は、一般に約0.1 〜1未満、好ましくは約 0.4〜1未満
である。反応の溶媒としては例えばテトラヒドロフラン
(THF) 、ジメチルホルムアミド(DMF) 、シクロヘキサノ
ン、ジメチルスルホキシド(DMSO)のような非極性溶媒が
用いられる。
ンとホルムアルデヒドとの縮合物のうち、分子量が1000
以上のもの:フェノチアジンとホルムアミドとの反応
で、ホルムアルデヒドのフェノチアジンに対するモル比
は、一般に約0.1 〜1未満、好ましくは約 0.4〜1未満
である。反応の溶媒としては例えばテトラヒドロフラン
(THF) 、ジメチルホルムアミド(DMF) 、シクロヘキサノ
ン、ジメチルスルホキシド(DMSO)のような非極性溶媒が
用いられる。
【0045】反応の触媒として、酸性か、アルカリ性か
のいずれかの化合物を用いることができる。しかし、酸
性化合物のほうが好ましく、とりわけ強酸が好ましい。
好ましい化合物には、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸が含
まれる。適する苛性アルカリ化合物には水酸化ナトリウ
ム及びその他のアルカリ金属水酸化物が含まれる。
のいずれかの化合物を用いることができる。しかし、酸
性化合物のほうが好ましく、とりわけ強酸が好ましい。
好ましい化合物には、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸が含
まれる。適する苛性アルカリ化合物には水酸化ナトリウ
ム及びその他のアルカリ金属水酸化物が含まれる。
【0046】好ましい反応温度は室温( 例えば20℃) 〜
沸点の最も低い溶媒の還流温度であり、さらに好ましく
は約60〜80℃である。
沸点の最も低い溶媒の還流温度であり、さらに好ましく
は約60〜80℃である。
【0047】8)特公昭60-30681に記載の芳香族アミン
と芳香族ニトロ化合物との縮合物及びこれをベース化し
たもののうち、分子量が1000以上のもの:(1) 芳香族ア
ミン化合物と芳香族ニトロ化合物とを縮合触媒の存在下
100〜250 ℃の温度範囲で反応させて得られる縮合物、
及び(2) この縮合物をアルカリ金属塩若しくはアンモニ
ウム化合物によりベース化したものである。
と芳香族ニトロ化合物との縮合物及びこれをベース化し
たもののうち、分子量が1000以上のもの:(1) 芳香族ア
ミン化合物と芳香族ニトロ化合物とを縮合触媒の存在下
100〜250 ℃の温度範囲で反応させて得られる縮合物、
及び(2) この縮合物をアルカリ金属塩若しくはアンモニ
ウム化合物によりベース化したものである。
【0048】芳香族アミン化合物と芳香族ニトロ化合物
とを鉱酸及び縮合触媒の存在下で反応させて得られる縮
合物及び/又はこの縮合物をNaOH、Na2CO3、KOH 等のア
ルカリ金属塩あるいはNH4OH 、(NH4)2CO3 等のアンモニ
ウム化合物でベース化したものであるが、この縮合物と
は厳密な意味を有するものではない。最終縮合物を得る
過程で生成される中間体も、この縮合物に当然に包含さ
れるものである。
とを鉱酸及び縮合触媒の存在下で反応させて得られる縮
合物及び/又はこの縮合物をNaOH、Na2CO3、KOH 等のア
ルカリ金属塩あるいはNH4OH 、(NH4)2CO3 等のアンモニ
ウム化合物でベース化したものであるが、この縮合物と
は厳密な意味を有するものではない。最終縮合物を得る
過程で生成される中間体も、この縮合物に当然に包含さ
れるものである。
【0049】ここで使用される芳香族アミン化合物は、
下記のような一般式:
下記のような一般式:
【0050】
【化7】
〔式中、R1は−H、−NH2 、−Cl、−N=N−C6H5、−
OH、−COCH3 、−OCH3、−NH−C6H5、−NH−C6H4−N
H2 、−NH−C6H4−OCH3、−N(CH3)2 、−NH−C6H4−O
H、−NH−CO−CH3 又は炭素数1〜3のアルキル基を表
わし、R2は−H、−NH2、−OH又は−CH3 を表わす〕で
示される化合物である。
OH、−COCH3 、−OCH3、−NH−C6H5、−NH−C6H4−N
H2 、−NH−C6H4−OCH3、−N(CH3)2 、−NH−C6H4−O
H、−NH−CO−CH3 又は炭素数1〜3のアルキル基を表
わし、R2は−H、−NH2、−OH又は−CH3 を表わす〕で
示される化合物である。
【0051】このような芳香族アミン化合物として、ア
ニリン、オルト,メタ若しくはパラ−フェニレンジアミ
ン、オルト,メタ若しくはパラ−アミノフェノール、オ
ルト,メタ若しくはパラ−クロロアニリン、パラ−アミ
ノアゾベンゼン、2,4−ジアミノアゾベンゼン、パラ
−アミノアセトアニリド、オルト,メタ若しくはパラ−
メチルアニリン、4−アミノジフェニルアミン、2−ア
ミノジフェニルアミン、4,4−ジアミノジフェニルア
ミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、
4−アミノ−3′−メトキシジフェニルアミン、4−ア
ミノ−4′−ヒドロキシジフェニルアミン、4−クロロ
−オルト−フェニレンジアミン、4−メトキシ−オルト
−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−クロロフェノ
ール、2,3−ジアミノトルエン等が例示される。
ニリン、オルト,メタ若しくはパラ−フェニレンジアミ
ン、オルト,メタ若しくはパラ−アミノフェノール、オ
ルト,メタ若しくはパラ−クロロアニリン、パラ−アミ
ノアゾベンゼン、2,4−ジアミノアゾベンゼン、パラ
−アミノアセトアニリド、オルト,メタ若しくはパラ−
メチルアニリン、4−アミノジフェニルアミン、2−ア
ミノジフェニルアミン、4,4−ジアミノジフェニルア
ミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、
4−アミノ−3′−メトキシジフェニルアミン、4−ア
ミノ−4′−ヒドロキシジフェニルアミン、4−クロロ
−オルト−フェニレンジアミン、4−メトキシ−オルト
−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−クロロフェノ
ール、2,3−ジアミノトルエン等が例示される。
【0052】芳香族アミン化合物と縮合反応される芳香
族ニトロ化合物は、下記のような一般式:
族ニトロ化合物は、下記のような一般式:
【0053】
【化8】
〔式中、R3は−H、−OH、−OCH3、−OC2H5 、−Cl、−
NH2 、−COOH又は−SO3Hを表わす〕で示される化合物で
ある。
NH2 、−COOH又は−SO3Hを表わす〕で示される化合物で
ある。
【0054】このような芳香族ニトロ化合物としては、
ニトロベンゼン、オルト,メタ若しくはパラ−ヒドロキ
シニトロベンゼン、オルト,メタ若しくはパラ−ニトロ
アニソール、オルト,メタ若しくはパラ−ニトロフェネ
トール、オルト,メタ若しくはパラ−クロロニトロベン
ゼン、オルト,メタ若しくはパラ−アミノニトロベンゼ
ン、オルト,メタ若しくはパラ−ニトロ安息香酸、オル
ト,メタ若しくはパラ−ニトロベンゼンスルホン酸、オ
ルト,メタ若しくはパラ−ニトロアニリン、2−ニトロ
−パラ−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロ
フェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、4−
アミノ−2−ニトロフェノール等が例示される。
ニトロベンゼン、オルト,メタ若しくはパラ−ヒドロキ
シニトロベンゼン、オルト,メタ若しくはパラ−ニトロ
アニソール、オルト,メタ若しくはパラ−ニトロフェネ
トール、オルト,メタ若しくはパラ−クロロニトロベン
ゼン、オルト,メタ若しくはパラ−アミノニトロベンゼ
ン、オルト,メタ若しくはパラ−ニトロ安息香酸、オル
ト,メタ若しくはパラ−ニトロベンゼンスルホン酸、オ
ルト,メタ若しくはパラ−ニトロアニリン、2−ニトロ
−パラ−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロ
フェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、4−
アミノ−2−ニトロフェノール等が例示される。
【0055】前記した芳香族アミン化合物と芳香族ニト
ロ化合物とを縮合反応させるには、鉱酸及び縮合触媒が
使用される。この鉱酸として、塩酸、硝酸、臭化水素
酸、リン酸、硫酸等が例示される。
ロ化合物とを縮合反応させるには、鉱酸及び縮合触媒が
使用される。この鉱酸として、塩酸、硝酸、臭化水素
酸、リン酸、硫酸等が例示される。
【0056】好適とされる縮合触媒としては、過マンガ
ン酸、過マンガン酸カリウムのような過マンガン酸及び
その塩、三酸化クロム、重クロム酸カリウム、塩化クロ
ム酸ナトリウムのようなクロム酸関連化合物、硝酸銀、
硝酸鉛のような金属硝酸塩、ヨウ素、臭素のようなハロ
ゲン、過酸化水素、過酸化ナトリウム、ベンゾイルパー
オキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
酢酸、クメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸、p
−メンタンハイドロパーオキサイドのような過酸化物、
ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、塩素酸ナトリウムのよう
な酸素酸あるいは酸素酸塩、塩化第一鉄、塩化第二鉄、
硫酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、酢酸鉛のような金属
塩類、オゾン及び酸化銅、酸化水銀、酸化セリウム、二
酸化マンガン、オスミウム酸のような酸化物等が例示さ
れる。また、過酸化水素を塩化第一鉄と組み合わせて使
用することも有効である。
ン酸、過マンガン酸カリウムのような過マンガン酸及び
その塩、三酸化クロム、重クロム酸カリウム、塩化クロ
ム酸ナトリウムのようなクロム酸関連化合物、硝酸銀、
硝酸鉛のような金属硝酸塩、ヨウ素、臭素のようなハロ
ゲン、過酸化水素、過酸化ナトリウム、ベンゾイルパー
オキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
酢酸、クメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸、p
−メンタンハイドロパーオキサイドのような過酸化物、
ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、塩素酸ナトリウムのよう
な酸素酸あるいは酸素酸塩、塩化第一鉄、塩化第二鉄、
硫酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、酢酸鉛のような金属
塩類、オゾン及び酸化銅、酸化水銀、酸化セリウム、二
酸化マンガン、オスミウム酸のような酸化物等が例示さ
れる。また、過酸化水素を塩化第一鉄と組み合わせて使
用することも有効である。
【0057】縮合触媒として、重金属塩類、過酸化物あ
るいはハロゲンとその酸素酸のような酸化触媒が用いら
れる。
るいはハロゲンとその酸素酸のような酸化触媒が用いら
れる。
【0058】芳香族アミン化合物の少なくとも1種と芳
香族ニトロ化合物の少なくとも1種を前記した鉱酸及び
縮合触媒の存在下で、 100〜250 ℃で10〜30時間加熱す
ることによって縮合物が得られる。最終生成物は芳香族
アミン化合物、芳香族ニトロ化合物、縮合触媒及び鉱酸
の種類、組成比及び反応温度、反応時間に影響される。
混合比率は、芳香族アミン化合物1モル当り、芳香族ニ
トロ化合物は0.10〜0.50モルが好ましい。この範囲の下
限未満であると、油溶性の重合触媒系で重合体スケール
防止効果が低下する。また、上限を超えると、最終生成
物中に芳香族ニトロ化合物が残存し重合体スケール防止
効果が低下する。また、芳香族アミン化合物1モル当り
の縮合触媒は0.03〜0.50モルが好ましく、同じく鉱酸は
0.20〜0.50モルが好ましい。
香族ニトロ化合物の少なくとも1種を前記した鉱酸及び
縮合触媒の存在下で、 100〜250 ℃で10〜30時間加熱す
ることによって縮合物が得られる。最終生成物は芳香族
アミン化合物、芳香族ニトロ化合物、縮合触媒及び鉱酸
の種類、組成比及び反応温度、反応時間に影響される。
混合比率は、芳香族アミン化合物1モル当り、芳香族ニ
トロ化合物は0.10〜0.50モルが好ましい。この範囲の下
限未満であると、油溶性の重合触媒系で重合体スケール
防止効果が低下する。また、上限を超えると、最終生成
物中に芳香族ニトロ化合物が残存し重合体スケール防止
効果が低下する。また、芳香族アミン化合物1モル当り
の縮合触媒は0.03〜0.50モルが好ましく、同じく鉱酸は
0.20〜0.50モルが好ましい。
【0059】上記した縮合物をNaOH、KOH 、Na2CO3、NH
4OH 、(NH4)2CO3 等のアルカリ又はアンモニウム化合物
でベース化したものも好適に使用される。ベース化の方
法として、例えばその対象縮合物 100重量部を水に分散
させ、これにアルカリ又はアンモニウム化合物10〜20重
量部を加え、得られた混合物を90〜140 ℃で加熱処理す
るものが挙げられる。アルカリ又はアンモニウム化合物
の量は、縮合時に使用した鉱酸を中和するのに足りる量
であればよい。
4OH 、(NH4)2CO3 等のアルカリ又はアンモニウム化合物
でベース化したものも好適に使用される。ベース化の方
法として、例えばその対象縮合物 100重量部を水に分散
させ、これにアルカリ又はアンモニウム化合物10〜20重
量部を加え、得られた混合物を90〜140 ℃で加熱処理す
るものが挙げられる。アルカリ又はアンモニウム化合物
の量は、縮合時に使用した鉱酸を中和するのに足りる量
であればよい。
【0060】ベース化物は、トルエンに溶解するほか、
塩化メチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレ
ンのような塩素化炭化水素に溶解する。これらの塩素化
炭化水素は不燃性であるので、不燃性溶媒を使用した塗
布液が得られる点で有利である。
塩化メチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレ
ンのような塩素化炭化水素に溶解する。これらの塩素化
炭化水素は不燃性であるので、不燃性溶媒を使用した塗
布液が得られる点で有利である。
【0061】9)特開平4-328104に記載のピロガロール
とアセトンとの縮合物のうち、分子量が1000以上のも
の:用いられるピロガロール−アセトンレジンは、ピロ
ガロール−アセトンの縮合ポリマーである。この縮合物
は、ピロガロール/アセトンのモル比が、通常、1/0.
1 〜1/10の範囲にあり、融点が、通常、 100〜500 ℃
の範囲にある。融点は分子量が大きいほど高い。例え
ば、融点 160〜170 ℃のものでは、分子量1450〜1650に
相当し、また、融点 200〜220 ℃のものでは、分子量26
00〜4000に相当する。
とアセトンとの縮合物のうち、分子量が1000以上のも
の:用いられるピロガロール−アセトンレジンは、ピロ
ガロール−アセトンの縮合ポリマーである。この縮合物
は、ピロガロール/アセトンのモル比が、通常、1/0.
1 〜1/10の範囲にあり、融点が、通常、 100〜500 ℃
の範囲にある。融点は分子量が大きいほど高い。例え
ば、融点 160〜170 ℃のものでは、分子量1450〜1650に
相当し、また、融点 200〜220 ℃のものでは、分子量26
00〜4000に相当する。
【0062】このピロガロール−アセトンレジンは、ピ
ロガロールをアセトンに溶解し、縮合触媒の存在下で縮
合させることにより製造される。このとき、ピロガロー
ルは、アセトン 100重量部当り、通常、1〜100 重量部
用いられる。縮合触媒として、例えばオキシ塩化リン等
が使用される。反応は、室温( 例えば20℃) 〜100 ℃で
行えばよい。ピロガロール−アセトンレジンは、市販品
(商品名:ピロガロール−アセトンレジン、富士化学工
業(株)製)を入手して使用することもできる。
ロガロールをアセトンに溶解し、縮合触媒の存在下で縮
合させることにより製造される。このとき、ピロガロー
ルは、アセトン 100重量部当り、通常、1〜100 重量部
用いられる。縮合触媒として、例えばオキシ塩化リン等
が使用される。反応は、室温( 例えば20℃) 〜100 ℃で
行えばよい。ピロガロール−アセトンレジンは、市販品
(商品名:ピロガロール−アセトンレジン、富士化学工
業(株)製)を入手して使用することもできる。
【0063】10)特開平5-112603に記載の芳香族アミン
化合物とキノン化合物と芳香族ヒドロキシ化合物との縮
合物のうち、分子量が1000以上のもの:該縮合生成物
は、(A) 芳香族アミン化合物と(B) キノン化合物と(C)
芳香族ヒドロキシ化合物とを縮合させることにより得ら
れる物質である。芳香族アミン化合物(A) は、例えば下
記のような一般式(1) 〜(3) で示される化合物である。
化合物とキノン化合物と芳香族ヒドロキシ化合物との縮
合物のうち、分子量が1000以上のもの:該縮合生成物
は、(A) 芳香族アミン化合物と(B) キノン化合物と(C)
芳香族ヒドロキシ化合物とを縮合させることにより得ら
れる物質である。芳香族アミン化合物(A) は、例えば下
記のような一般式(1) 〜(3) で示される化合物である。
【0064】
【化9】
〔ここで、R1は−H、−NH2 、−Cl、−OH、−NO2 、−
COCH3 、−OCH3、−N(CH3)2 又は炭素原子数1〜3のア
ルキル基を表し、R2は−H、−NH2 、−OH、−CH3 、−
COOH又は−SO3Hを表す。〕で示される化合物である。
COCH3 、−OCH3、−N(CH3)2 又は炭素原子数1〜3のア
ルキル基を表し、R2は−H、−NH2 、−OH、−CH3 、−
COOH又は−SO3Hを表す。〕で示される化合物である。
【0065】具体的には、アニリン、オルト,メタ若し
くはパラ−フェニレンジアミン、オルト,メタ若しくは
パラ−アミノフェノール、オルト,メタ若しくはパラ−
クロロアニリン、オルト,メタ若しくはパラ−ニトロア
ニリン、オルト,メタ若しくはパラ−メチルアニリン、
N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、4−クロロ
−オルトフェニレンジアミン、4−メトキシオルトフェ
ニレンジアミン、2−アミノ−4−クロロフェノール、
2,3−ジアミノトルエン、5−ニトロ−2−アミノフ
ェノール、2−ニトロ−4−アミノフェノール、4−ア
ミノ−2−アミノフェノール、オルト,メタ若しくはパ
ラ−アミノサリチル酸等が例示される。
くはパラ−フェニレンジアミン、オルト,メタ若しくは
パラ−アミノフェノール、オルト,メタ若しくはパラ−
クロロアニリン、オルト,メタ若しくはパラ−ニトロア
ニリン、オルト,メタ若しくはパラ−メチルアニリン、
N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、4−クロロ
−オルトフェニレンジアミン、4−メトキシオルトフェ
ニレンジアミン、2−アミノ−4−クロロフェノール、
2,3−ジアミノトルエン、5−ニトロ−2−アミノフ
ェノール、2−ニトロ−4−アミノフェノール、4−ア
ミノ−2−アミノフェノール、オルト,メタ若しくはパ
ラ−アミノサリチル酸等が例示される。
【0066】
【化10】
〔ここで、二つのR1は、同一でも異なってもよく、前記
のとおりであり、二つのR2も同一でも異なってもよく、
前記のとおりである。〕
のとおりであり、二つのR2も同一でも異なってもよく、
前記のとおりである。〕
【0067】具体的には、4−アミノジフェニルアミ
ン、2−アミノジフェニルアミン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルアミン、4−アミノ−3′−メトキシジフェ
ニルアミン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニル
アミン等のジフェニルアミン類が例示される。
ン、2−アミノジフェニルアミン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルアミン、4−アミノ−3′−メトキシジフェ
ニルアミン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニル
アミン等のジフェニルアミン類が例示される。
【0068】
【化11】
〔ここで、二つのR1は、同一でも異なってもよく、前記
のとおりであり、R2も前記のとおりである。〕
のとおりであり、R2も前記のとおりである。〕
【0069】具体的には、α−ナフチルアミン、β−ナ
フチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1−アミ
ノ−5−ヒドロキシナフタレン、1,8−ジアミノナフ
タレン、2,3−ジアミノナフタレン等が例示される。
フチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1−アミ
ノ−5−ヒドロキシナフタレン、1,8−ジアミノナフ
タレン、2,3−ジアミノナフタレン等が例示される。
【0070】キノン化合物(B) は、例えばオルト、メタ
若しくはパラ−ベンゾキノン、トル−パラ−キノン、オ
ルト−キシロ−パラ−キノン、チモキノン、2−メトキ
シベンゾキノン、ゲンチシルキノン、ポリポール酸等の
ベンゾキノン類及びこれらの誘導体;6−メチル−1,
4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノ
ン、ナフトキノン、ユグロン、ローソン、プルンバギ
ン、アルカンニン、エキノクロムA、ビタミンK1、ビタ
ミンK2、シコニン、β, β′−ジメチルアクリルシコニ
ン、β- ヒドロキシイソワレルシコニン、テラクリルシ
コニン等のナフトキノン類及びこれらの誘導体; テクト
キノン、3−ヒドロキシ−2−メチルアントラキノン、
アントラキノン、2−ヒドロキシアントラキノン、アリ
ザリン、キサントブルブリン、ルビアジン、ムンジスチ
ン、クリソファン酸、カルミン酸、ケルメシン酸、ラッ
カイン酸A等のアントラキノン類及びこれらの誘導体;
フェナントレンキノン等のフェナントレンキノン類が挙
げられる。これらの中で、ベンゾキノン類が特に好まし
い。
若しくはパラ−ベンゾキノン、トル−パラ−キノン、オ
ルト−キシロ−パラ−キノン、チモキノン、2−メトキ
シベンゾキノン、ゲンチシルキノン、ポリポール酸等の
ベンゾキノン類及びこれらの誘導体;6−メチル−1,
4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノ
ン、ナフトキノン、ユグロン、ローソン、プルンバギ
ン、アルカンニン、エキノクロムA、ビタミンK1、ビタ
ミンK2、シコニン、β, β′−ジメチルアクリルシコニ
ン、β- ヒドロキシイソワレルシコニン、テラクリルシ
コニン等のナフトキノン類及びこれらの誘導体; テクト
キノン、3−ヒドロキシ−2−メチルアントラキノン、
アントラキノン、2−ヒドロキシアントラキノン、アリ
ザリン、キサントブルブリン、ルビアジン、ムンジスチ
ン、クリソファン酸、カルミン酸、ケルメシン酸、ラッ
カイン酸A等のアントラキノン類及びこれらの誘導体;
フェナントレンキノン等のフェナントレンキノン類が挙
げられる。これらの中で、ベンゾキノン類が特に好まし
い。
【0071】芳香族ヒドロキシ化合物(C) は、例えば一
般式(4) 、(5) で表される化合物である。
般式(4) 、(5) で表される化合物である。
【0072】
【化12】
〔ここで、R4は、−H、−Cl、−OH、−COCH3 、−OC
H3、−COOH、−SO3H又は炭素原子数1〜3のアルキル基
を表し、R5は、−H、−Cl、−OH、−OCH3、−OC2H5 又
は−COOHを表す。〕で示される化合物である。
H3、−COOH、−SO3H又は炭素原子数1〜3のアルキル基
を表し、R5は、−H、−Cl、−OH、−OCH3、−OC2H5 又
は−COOHを表す。〕で示される化合物である。
【0073】具体的には、フェノール、ヒドロキノン、
レゾルシノール、カテコール、ヒドロキシヒドロキノ
ン、ピロガロール、オルト,メタ若しくはパラ−クロロ
フェノール、オルト,メタ若しくはパラ−ヒドロキシ安
息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒ
ドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、
3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ
安息香酸、(2,5−、2,6−又は3,5−)ジヒド
ロキシトルエン等のフェノール誘導体が例示される。
レゾルシノール、カテコール、ヒドロキシヒドロキノ
ン、ピロガロール、オルト,メタ若しくはパラ−クロロ
フェノール、オルト,メタ若しくはパラ−ヒドロキシ安
息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒ
ドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、
3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ
安息香酸、(2,5−、2,6−又は3,5−)ジヒド
ロキシトルエン等のフェノール誘導体が例示される。
【0074】
【化13】
〔ここで、R4及びR5は前記のとおりである。〕
【0075】具体的には、α−ナフトール、β−ナフト
ール、(1,3−、1,4−、1,5−、2,3−、
2,6−又は2,7−)ジヒドロキシナフタレン、1−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸等のナフトール誘導体が例示される。
ール、(1,3−、1,4−、1,5−、2,3−、
2,6−又は2,7−)ジヒドロキシナフタレン、1−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸等のナフトール誘導体が例示される。
【0076】前記した芳香族アミン化合物(A) 、キノン
化合物(B) 及び芳香族ヒドロキシ化合物(C) の縮合は、
有機溶媒系媒体中、必要に応じて縮合触媒の存在下で行
われる。上記有機溶媒系媒体のpHは1〜13の範囲であ
り、好ましくはpH4〜10である。pH調整剤は特に制
約されることなく使用することができる。酸性にするp
H調整剤としては、例えばリン酸、硫酸、フィチン酸、
酢酸等が使用され、アルカリ性にするpH調整剤として
は、例えばLiOH、KOH 、NaOH、Na2CO3、Na2SiO3 、Na2H
PO4 、NH4OH 等のアルカリ金属化合物あるいはアンモニ
ウム化合物、エチレンジアミン、モノエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等の有機アミン化合物等が使
用される。
化合物(B) 及び芳香族ヒドロキシ化合物(C) の縮合は、
有機溶媒系媒体中、必要に応じて縮合触媒の存在下で行
われる。上記有機溶媒系媒体のpHは1〜13の範囲であ
り、好ましくはpH4〜10である。pH調整剤は特に制
約されることなく使用することができる。酸性にするp
H調整剤としては、例えばリン酸、硫酸、フィチン酸、
酢酸等が使用され、アルカリ性にするpH調整剤として
は、例えばLiOH、KOH 、NaOH、Na2CO3、Na2SiO3 、Na2H
PO4 、NH4OH 等のアルカリ金属化合物あるいはアンモニ
ウム化合物、エチレンジアミン、モノエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等の有機アミン化合物等が使
用される。
【0077】縮合反応の媒体として、有機溶媒、例えば
アルコール類、ケトン類、エステル類等;水と混和性を
有する有機溶媒と水の混合溶媒が好ましい。水と混和性
を有する媒体としては、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類及び酢酸メチル、酢酸エチル
等のエステル類を使用することができる。
アルコール類、ケトン類、エステル類等;水と混和性を
有する有機溶媒と水の混合溶媒が好ましい。水と混和性
を有する媒体としては、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類及び酢酸メチル、酢酸エチル
等のエステル類を使用することができる。
【0078】必要に応じて使用される縮合触媒として、
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ触
媒;ヨウ素、臭素、塩素等の元素又は分子状の単体ハロ
ゲン、過酸化水素、過酸化ナトリウム、ベンゾイルパー
オキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
酢酸、クメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸、p
−メンタンハイドロパーオキサイド等の過酸化物;ヨウ
素酸、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウム、過塩素酸ナト
リウム等の酸素酸又は酸素酸塩が例示される。なお、キ
ノン化合物は縮合触媒として作用するので、縮合反応
は、縮合触媒を使用しなくても行われる。
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ触
媒;ヨウ素、臭素、塩素等の元素又は分子状の単体ハロ
ゲン、過酸化水素、過酸化ナトリウム、ベンゾイルパー
オキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
酢酸、クメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸、p
−メンタンハイドロパーオキサイド等の過酸化物;ヨウ
素酸、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウム、過塩素酸ナト
リウム等の酸素酸又は酸素酸塩が例示される。なお、キ
ノン化合物は縮合触媒として作用するので、縮合反応
は、縮合触媒を使用しなくても行われる。
【0079】芳香族アミン化合物(A) の少なくとも1種
以上、キノン化合物(B) の少なくとも1種以上及び芳香
族ヒドロキシ化合物(C) の少なくとも1種以上を、前記
した有機溶媒系媒体中で、必要に応じて縮合触媒下、室
温( 例えば20℃) 〜200 ℃で0.5 〜100 時間反応させる
ことにより、縮合生成物が得られる。縮合生成物は、芳
香族アミン化合物、キノン化合物、芳香族ヒドロキシ化
合物の種類、組成比及び反応温度、反応時間に影響さ
れ、本発明では、芳香族アミン化合物(A) 1モル当た
り、キノン化合物(B) を0.03〜1.0 モルとすることが好
ましい。
以上、キノン化合物(B) の少なくとも1種以上及び芳香
族ヒドロキシ化合物(C) の少なくとも1種以上を、前記
した有機溶媒系媒体中で、必要に応じて縮合触媒下、室
温( 例えば20℃) 〜200 ℃で0.5 〜100 時間反応させる
ことにより、縮合生成物が得られる。縮合生成物は、芳
香族アミン化合物、キノン化合物、芳香族ヒドロキシ化
合物の種類、組成比及び反応温度、反応時間に影響さ
れ、本発明では、芳香族アミン化合物(A) 1モル当た
り、キノン化合物(B) を0.03〜1.0 モルとすることが好
ましい。
【0080】11)特開平6-56911 に記載の芳香族アミン
化合物(A) とキノン化合物(B) との縮合物のうち、分子
量が1000以上のもの:芳香族アミン化合物(A) は、ヒド
ロキシル基、カルボキシル基及びスルホン酸基からなる
群から選ばれる少なくとも1種を有する芳香族アミン化
合物(A-1) 、並びにヒドロキシル基、カルボキシル基及
びスルホン酸基のいずれも有しない芳香族アミン化合物
(A-2) に分けられる。
化合物(A) とキノン化合物(B) との縮合物のうち、分子
量が1000以上のもの:芳香族アミン化合物(A) は、ヒド
ロキシル基、カルボキシル基及びスルホン酸基からなる
群から選ばれる少なくとも1種を有する芳香族アミン化
合物(A-1) 、並びにヒドロキシル基、カルボキシル基及
びスルホン酸基のいずれも有しない芳香族アミン化合物
(A-2) に分けられる。
【0081】〔(A-1) ヒドロキシル基、カルボキシル基
及びスルホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1
種を有する芳香族アミン化合物〕化合物(A-1) は、例え
ば下記のような一般式(6) 〜(8) で表される化合物であ
る。
及びスルホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1
種を有する芳香族アミン化合物〕化合物(A-1) は、例え
ば下記のような一般式(6) 〜(8) で表される化合物であ
る。
【0082】
【化14】
〔ここで、mは1〜5の整数であり、R1は−OH,−COO
H,及び−SO3 H からなる群から選ばれる少なくとも1
種であり、R2は−H,−NH2 ,−Cl,−NO2 ,−COC
H3 ,− OCH3 ,−N(CH3 ) 2 及び炭素原子数1〜3の
アルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
る。R1が複数存在する場合には、それらは同一でも異な
ってもよく、R2が複数存在する場合にはそれらは同一で
も異なってもよい。〕
H,及び−SO3 H からなる群から選ばれる少なくとも1
種であり、R2は−H,−NH2 ,−Cl,−NO2 ,−COC
H3 ,− OCH3 ,−N(CH3 ) 2 及び炭素原子数1〜3の
アルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
る。R1が複数存在する場合には、それらは同一でも異な
ってもよく、R2が複数存在する場合にはそれらは同一で
も異なってもよい。〕
【0083】具体的には、オルト−, メタ−若しくはパ
ラ−アミノフェノール、2−アミノ−4−クロロフェノ
ール、5−ニトロ−2−アミノフェノール、2−ニトロ
−4−アミノフェノール、4−ニトロ−2−アミノフェ
ノール、オルト−, メタ−若しくはパラ−アミノ安息香
酸、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、3,5-若しくは4,6-
ジアミノ安息香酸、3−若しくは4−アミノフタル酸、
2−,4−若しくは5−アミノイソフタル酸、4,6−
ジアミノイソフタル酸、2,5−若しくは2,6−ジア
ミノテレフタル酸、3−,4−若しくは5−アミノサリ
チル酸、4−オキシアントラニル酸、オルト−, メタ−
若しくはパラ−アミノベンゼンスルホン酸、2,3-、2,4
-、2,5-、2,6-、3,4-若しくは3,5-ジアミノベンゼンス
ルホン酸、2−アミノ−1−フェノール−4−スルホン
酸、6−アミノ−4−ニトロ−1−フェノール−2−ス
ルホン酸、6−アミノ−4−クロロ−1−フェノール−
2−スルホン酸等が例示される。
ラ−アミノフェノール、2−アミノ−4−クロロフェノ
ール、5−ニトロ−2−アミノフェノール、2−ニトロ
−4−アミノフェノール、4−ニトロ−2−アミノフェ
ノール、オルト−, メタ−若しくはパラ−アミノ安息香
酸、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、3,5-若しくは4,6-
ジアミノ安息香酸、3−若しくは4−アミノフタル酸、
2−,4−若しくは5−アミノイソフタル酸、4,6−
ジアミノイソフタル酸、2,5−若しくは2,6−ジア
ミノテレフタル酸、3−,4−若しくは5−アミノサリ
チル酸、4−オキシアントラニル酸、オルト−, メタ−
若しくはパラ−アミノベンゼンスルホン酸、2,3-、2,4
-、2,5-、2,6-、3,4-若しくは3,5-ジアミノベンゼンス
ルホン酸、2−アミノ−1−フェノール−4−スルホン
酸、6−アミノ−4−ニトロ−1−フェノール−2−ス
ルホン酸、6−アミノ−4−クロロ−1−フェノール−
2−スルホン酸等が例示される。
【0084】
【化15】
〔ここで、m、R1及びR2は一般式(6) に定義のとおりで
あり、nは0〜5の整数であり、R1が複数存在する場合
には、それらは同一でも異なってもよく、R2が複数存在
する場合には、それらは同一でも異なってもよい。〕
あり、nは0〜5の整数であり、R1が複数存在する場合
には、それらは同一でも異なってもよく、R2が複数存在
する場合には、それらは同一でも異なってもよい。〕
【0085】具体的には、4−ヒドロキシジフェニルア
ミン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルアミ
ン、4−カルボキシジフェニルアミン、4−アミノ−
4’−カルボキシジフェニルアミン、4−スルホジフェ
ニルアミン、4−アミノ−4’−スルホジフェニルアミ
ン等が例示される。
ミン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルアミ
ン、4−カルボキシジフェニルアミン、4−アミノ−
4’−カルボキシジフェニルアミン、4−スルホジフェ
ニルアミン、4−アミノ−4’−スルホジフェニルアミ
ン等が例示される。
【0086】
【化16】
〔ここで、pは0〜4の整数であり、qは0〜3の整数
であり、pとqは同時に0とはならない。また、R2は一
般式(6) に定義のとおりであり、R3は−OH,−COOH,−
CH2 COOH,−CH2 CH2 COOH,及び−SO3 H からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種であり、R2が複数存在する場
合には、それらは同一でも異なってもよく、R3が複数存
在する場合には、それらは同一でも異なってもよい。〕
であり、pとqは同時に0とはならない。また、R2は一
般式(6) に定義のとおりであり、R3は−OH,−COOH,−
CH2 COOH,−CH2 CH2 COOH,及び−SO3 H からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種であり、R2が複数存在する場
合には、それらは同一でも異なってもよく、R3が複数存
在する場合には、それらは同一でも異なってもよい。〕
【0087】具体的には、4−アミノ−1−ナフトー
ル、1−アミノ−5−ナフトール、1,2−ナフチレン
ジアミン−7−カルボン酸、1,5−ナフチレンジアミ
ン−2−カルボン酸、1,5−ナフチレンジアミン−4
−カルボン酸、1,6−ナフチレンジアミン−4−カル
ボン酸、1,8−ナフチレンジアミン−4−カルボン
酸、1,2−ナフチレンジアミン−3−スルホン酸、
1,2−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、1,2
−ナフチレンジアミン−5−スルホン酸、1,2−ナフ
チレンジアミン−6−スルホン酸、1,2−ナフチレン
ジアミン−7−スルホン酸、1,3−ナフチレンジアミ
ン−5−スルホン酸、1,3−ナフチレンジアミン−6
−スルホン酸、1,4−ナフチレンジアミン−2−スル
ホン酸、1,4−ナフチレンジアミン−7−スルホン
酸、1,5−ナフチレンジアミン−2−スルホン酸、
1,5−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、1,5
−ナフチレンジアミン−7−スルホン酸、1,6−ナフ
チレンジアミン−2−スルホン酸、1,6−ナフチレン
ジアミン−4−スルホン酸、1,6−ナフチレンジアミ
ン−7−スルホン酸、1,8−ナフチレンジアミン−4
−スルホン酸、1,8−ナフチレンジアミン−3,6−
ジスルホン酸、1,8−ナフチレンジアミン−4,5−
ジスルホン酸、α- アミノ- β- ナフタレンプロピオン
酸、α- アミノ- β- ナフタレンカルボン酸、2−ナフ
チルアミン−1−スルホン酸、8−ナフチルアミン−1
−スルホン酸、5−ナフチルアミン−1−スルホン酸、
1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−ア
ミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸 (γ酸) 、2−
アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸 (J酸)、1
−アミノ−8−ナフトール−3,6−ジスルホン酸 (H
酸)等が例示される。
ル、1−アミノ−5−ナフトール、1,2−ナフチレン
ジアミン−7−カルボン酸、1,5−ナフチレンジアミ
ン−2−カルボン酸、1,5−ナフチレンジアミン−4
−カルボン酸、1,6−ナフチレンジアミン−4−カル
ボン酸、1,8−ナフチレンジアミン−4−カルボン
酸、1,2−ナフチレンジアミン−3−スルホン酸、
1,2−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、1,2
−ナフチレンジアミン−5−スルホン酸、1,2−ナフ
チレンジアミン−6−スルホン酸、1,2−ナフチレン
ジアミン−7−スルホン酸、1,3−ナフチレンジアミ
ン−5−スルホン酸、1,3−ナフチレンジアミン−6
−スルホン酸、1,4−ナフチレンジアミン−2−スル
ホン酸、1,4−ナフチレンジアミン−7−スルホン
酸、1,5−ナフチレンジアミン−2−スルホン酸、
1,5−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、1,5
−ナフチレンジアミン−7−スルホン酸、1,6−ナフ
チレンジアミン−2−スルホン酸、1,6−ナフチレン
ジアミン−4−スルホン酸、1,6−ナフチレンジアミ
ン−7−スルホン酸、1,8−ナフチレンジアミン−4
−スルホン酸、1,8−ナフチレンジアミン−3,6−
ジスルホン酸、1,8−ナフチレンジアミン−4,5−
ジスルホン酸、α- アミノ- β- ナフタレンプロピオン
酸、α- アミノ- β- ナフタレンカルボン酸、2−ナフ
チルアミン−1−スルホン酸、8−ナフチルアミン−1
−スルホン酸、5−ナフチルアミン−1−スルホン酸、
1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−ア
ミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸 (γ酸) 、2−
アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸 (J酸)、1
−アミノ−8−ナフトール−3,6−ジスルホン酸 (H
酸)等が例示される。
【0088】化合物(A-1) の中で好ましいものは、オル
ト−, メタ−若しくはパラ−アミノフェノール、2,4
−若しくは2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、2,3
-、2,4-、2,5-、3,4-若しくは3,5-ジアミノ安息香酸、
4,6−ジアミノイソフタル酸、2,5−若しくは2,
6−ジアミノテレフタル酸、1,2−ナフチレンジアミ
ン−7−スルホン酸、1,5−若しくは1,6−ナフチ
レンジアミン−4−スルホン酸及び1,5−若しくは
1,6−ナフチレンジアミン−4−カルボン酸である。
ト−, メタ−若しくはパラ−アミノフェノール、2,4
−若しくは2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、2,3
-、2,4-、2,5-、3,4-若しくは3,5-ジアミノ安息香酸、
4,6−ジアミノイソフタル酸、2,5−若しくは2,
6−ジアミノテレフタル酸、1,2−ナフチレンジアミ
ン−7−スルホン酸、1,5−若しくは1,6−ナフチ
レンジアミン−4−スルホン酸及び1,5−若しくは
1,6−ナフチレンジアミン−4−カルボン酸である。
【0089】〔(A-2) ヒドロキシル基、カルボキシ基、
スルホン酸基のいずれも有しない芳香族アミン化合物〕
化合物(A-2) は、例えば下記のような一般式(9) 〜(11)
で表される化合物である。
スルホン酸基のいずれも有しない芳香族アミン化合物〕
化合物(A-2) は、例えば下記のような一般式(9) 〜(11)
で表される化合物である。
【0090】
【化17】
(ここで、複数のR2は同一でも異なってもよく、一般式
(6) に定義のとおりである。)
(6) に定義のとおりである。)
【0091】具体的には、アニリン、オルト−, メタ−
若しくはパラ−フェニレンジアミン、オルト−, メタ−
若しくはパラ−クロロアニリン、オルト−, メタ−若し
くはパラ−ニトロアニリン、オルト−, メタ−若しくは
パラ−メチルアニリン、N,N-ジメチル- p-フェニレンジ
アミン、4−クロロ- o-フェニレンジアミン、4−メト
キシ- o-フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエ
ン等が例示される。
若しくはパラ−フェニレンジアミン、オルト−, メタ−
若しくはパラ−クロロアニリン、オルト−, メタ−若し
くはパラ−ニトロアニリン、オルト−, メタ−若しくは
パラ−メチルアニリン、N,N-ジメチル- p-フェニレンジ
アミン、4−クロロ- o-フェニレンジアミン、4−メト
キシ- o-フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエ
ン等が例示される。
【0092】
【化18】
(ここで、複数のR2は同一でも異なってもよく、一般式
(6) に定義のとおりである。)
(6) に定義のとおりである。)
【0093】具体的には、4−アミノジフェニルアミ
ン、2−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルアミン、4−アミノ−3’メトキシジフェニ
ルアミン等が例示される。
ン、2−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルアミン、4−アミノ−3’メトキシジフェニ
ルアミン等が例示される。
【0094】
【化19】
(ここで、複数のR2は同一でも異なってもよく、一般式
(6) に定義のとおりである。)
(6) に定義のとおりである。)
【0095】具体的には、α- ナフチルアミン、β- ナ
フチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−
ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン等が
例示される。化合物(A-2) の中で好ましいものは、オル
ト−, メタ−若しくはパラ−フェニレンジアミン、2−
若しくは4−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジア
ミノジフェニルアミン及び1,5−若しくは1,8−ジ
アミノナフタレンである。
フチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−
ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン等が
例示される。化合物(A-2) の中で好ましいものは、オル
ト−, メタ−若しくはパラ−フェニレンジアミン、2−
若しくは4−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジア
ミノジフェニルアミン及び1,5−若しくは1,8−ジ
アミノナフタレンである。
【0096】芳香族アミン化合物(A) は、1種単独でも
2種以上を組み合わせても使用可能である。芳香族アミ
ン化合物(A) としては、上記の化合物(A-1) 及び化合物
(A-2) の少なくとも1種を使用し、好ましくは化合物(A
-1) を使用し、さらに好ましくは化合物(A-1) 及び化合
物(A-2) を用いる。
2種以上を組み合わせても使用可能である。芳香族アミ
ン化合物(A) としては、上記の化合物(A-1) 及び化合物
(A-2) の少なくとも1種を使用し、好ましくは化合物(A
-1) を使用し、さらに好ましくは化合物(A-1) 及び化合
物(A-2) を用いる。
【0097】キノン化合物(B) は、例えば下記のような
一般式(12)〜(15)で表される化合物である。
一般式(12)〜(15)で表される化合物である。
【0098】
【化20】
【0099】
【化21】
〔ここで、R4は、-H, -NH2 , -Cl, -Br, -OH, -NO2 ,
-COCH3 , -OCH3 ,-N(CH3 ) 2又は炭素原子数1〜3の
アルキル基を表し、R5は -H, -NH2 , -OH, -CH3 , -COO
H 又は -SO3 H を表す。〕
-COCH3 , -OCH3 ,-N(CH3 ) 2又は炭素原子数1〜3の
アルキル基を表し、R5は -H, -NH2 , -OH, -CH3 , -COO
H 又は -SO3 H を表す。〕
【0100】具体的には、オルト−, メタ−若しくはパ
ラ−ベンゾキノン、オキシ- p-ベンゾキノン、クロル-
p-ベンゾキノン、ブロム- p-ベンゾキノン、ジュロキノ
ン、クロルアニル等が例示される。
ラ−ベンゾキノン、オキシ- p-ベンゾキノン、クロル-
p-ベンゾキノン、ブロム- p-ベンゾキノン、ジュロキノ
ン、クロルアニル等が例示される。
【0101】
【化22】
【0102】
【化23】
〔ここで、R4及びR5は一般式(12)に定義のとおりであ
り、R6は -H, -OH, -CH3, -Cl, -Br, -COCH3 , -OCH
3 , -COOH又は -SO3 H を表す。〕
り、R6は -H, -OH, -CH3, -Cl, -Br, -COCH3 , -OCH
3 , -COOH又は -SO3 H を表す。〕
【0103】具体的には、6−メチル−1,4−ナフト
キノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、ローソ
ン、ユグロン、プルンバギン、α- ナフトキノン、β-
ナフトキノン等が例示される。
キノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、ローソ
ン、ユグロン、プルンバギン、α- ナフトキノン、β-
ナフトキノン等が例示される。
【0104】上記のキノン化合物の中で好ましいもの
は、オルト−若しくはパラ−ベンゾキノン、α- 若しく
はβ- ナフトキノン及びローソンである。なお、上記の
キノン化合物は、単独でも2種以上の組合せであっても
使用可能である。
は、オルト−若しくはパラ−ベンゾキノン、α- 若しく
はβ- ナフトキノン及びローソンである。なお、上記の
キノン化合物は、単独でも2種以上の組合せであっても
使用可能である。
【0105】前記芳香族アミン化合物(A) とキノン化合
物(B) との縮合生成物は、(A) 成分及び(B) 成分を、適
当な媒体中、必要に応じて触媒存在下、通常、室温( 例
えば20℃) 〜200 ℃で 0.5〜100 時間、好ましくは室温
( 例えば20℃) 〜150 ℃で3〜30時間反応させることに
より製造される。
物(B) との縮合生成物は、(A) 成分及び(B) 成分を、適
当な媒体中、必要に応じて触媒存在下、通常、室温( 例
えば20℃) 〜200 ℃で 0.5〜100 時間、好ましくは室温
( 例えば20℃) 〜150 ℃で3〜30時間反応させることに
より製造される。
【0106】キノン化合物(B) は縮合触媒としても作用
するので、通常、他の縮合触媒を添加する必要はない。
他の縮合触媒を使用する場合に使用可能なものとして
は、例えばα,α′─アゾビスイソブチロニトリル、
α,α′─アゾビス─2,4-ジメチルバレロニトリル等の
アゾ化合物、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等の元素又は
分子状の単体ハロゲン、過酸化水素、過酸化ナトリウ
ム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸
化物、過酢酸、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、過安息香酸、p-メンタンハイドロ
パーオキサイド等の有機過酸化物、ヨウ素酸、過ヨウ素
酸、過ヨウ素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等の酸素
酸あるいは酸素酸塩、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸
銅、塩化第一銅等の金属塩、ニトロベンゼン、オルト
−, メタ−若しくはパラ−オキシニトロベンゼン、オル
ト−, メタ−若しくはパラ−ニトロアニソール、オルト
−, メタ−若しくはパラ−クロロニトロベンゼン、オル
ト−, メタ−若しくはパラ−ニトロ安息香酸、オルト
−, メタ−若しくはパラ−ニトロベンゼンスルホン酸等
の芳香族ニトロ化合物等が挙げられる。
するので、通常、他の縮合触媒を添加する必要はない。
他の縮合触媒を使用する場合に使用可能なものとして
は、例えばα,α′─アゾビスイソブチロニトリル、
α,α′─アゾビス─2,4-ジメチルバレロニトリル等の
アゾ化合物、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等の元素又は
分子状の単体ハロゲン、過酸化水素、過酸化ナトリウ
ム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸
化物、過酢酸、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、過安息香酸、p-メンタンハイドロ
パーオキサイド等の有機過酸化物、ヨウ素酸、過ヨウ素
酸、過ヨウ素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等の酸素
酸あるいは酸素酸塩、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸
銅、塩化第一銅等の金属塩、ニトロベンゼン、オルト
−, メタ−若しくはパラ−オキシニトロベンゼン、オル
ト−, メタ−若しくはパラ−ニトロアニソール、オルト
−, メタ−若しくはパラ−クロロニトロベンゼン、オル
ト−, メタ−若しくはパラ−ニトロ安息香酸、オルト
−, メタ−若しくはパラ−ニトロベンゼンスルホン酸等
の芳香族ニトロ化合物等が挙げられる。
【0107】上記の縮合反応を行う媒体として、例えば
アルコール類、ケトン類、エステル類等の有機溶媒が挙
げられ、例えばメタノール、エタノール、プロパノール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類及び酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、トルエン、キシレン等が挙げられる。
アルコール類、ケトン類、エステル類等の有機溶媒が挙
げられ、例えばメタノール、エタノール、プロパノール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類及び酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0108】上記縮合反応を行う媒体のpHは、通常1
〜13の範囲であり、pH調整剤は、特に制約なく使用す
ることができる。
〜13の範囲であり、pH調整剤は、特に制約なく使用す
ることができる。
【0109】縮合反応を行う際の芳香族アミン化合物
(A) とキノン化合物(B) の割合は、使用する芳香族アミ
ン化合物、キノン化合物及び溶媒の種類、反応温度、反
応時間等に影響され、通常、芳香族アミン化合物(A) 1
重量部当たり、キノン化合物(B) を0.01〜10重量部とす
ることが好ましく、さらに、 0.1〜5重量部とすること
が好ましい。キノン化合物(B) が多すぎても少なすぎて
も、得られる縮合生成物の重合体スケール付着防止効果
が低下する。
(A) とキノン化合物(B) の割合は、使用する芳香族アミ
ン化合物、キノン化合物及び溶媒の種類、反応温度、反
応時間等に影響され、通常、芳香族アミン化合物(A) 1
重量部当たり、キノン化合物(B) を0.01〜10重量部とす
ることが好ましく、さらに、 0.1〜5重量部とすること
が好ましい。キノン化合物(B) が多すぎても少なすぎて
も、得られる縮合生成物の重合体スケール付着防止効果
が低下する。
【0110】重合体スケール付着防止効果をより向上さ
せるため、上記したように、(A) 成分として(A-1) を使
用するのが好ましく、さらに、(A-1) 及び(A-2) を併用
するのが好ましい。(A) 成分として(A-1) 及び(A-2) を
併用すると、恐らく、得られる化合物(A-1) 、化合物(A
-2) 及びキノン化合物(B) の縮合生成物を後述のアルカ
リ性溶液として重合器内壁面等に塗布したときに、該縮
合生成物の該重合器内壁面等への付着性が向上するため
であると推定される。芳香族アミン化合物(A-1) 及び(A
-2) を併用する場合、化合物(A-1) 1重量部当たり、化
合物(A-2) を0.01〜10重量部使用するのが好ましく、さ
らに 0.1〜5重量部使用するのが好ましい。
せるため、上記したように、(A) 成分として(A-1) を使
用するのが好ましく、さらに、(A-1) 及び(A-2) を併用
するのが好ましい。(A) 成分として(A-1) 及び(A-2) を
併用すると、恐らく、得られる化合物(A-1) 、化合物(A
-2) 及びキノン化合物(B) の縮合生成物を後述のアルカ
リ性溶液として重合器内壁面等に塗布したときに、該縮
合生成物の該重合器内壁面等への付着性が向上するため
であると推定される。芳香族アミン化合物(A-1) 及び(A
-2) を併用する場合、化合物(A-1) 1重量部当たり、化
合物(A-2) を0.01〜10重量部使用するのが好ましく、さ
らに 0.1〜5重量部使用するのが好ましい。
【0111】上記の(A) 成分と(B) 成分との縮合生成物
の縮合度が高すぎると、縮合生成物を後述のアルカリ性
溶液としたときに、縮合生成物の沈殿が生じることがあ
る。このため、塗布液が不均一になり、重合体スケール
付着防止効果が低下する。そこで、縮合生成物の縮合度
を調節するために、(A) 成分と(B) 成分との縮合反応中
の適当な時期に、反応停止剤(C) を添加するのが好まし
い。また、反応停止剤(C) を添加しておくと、縮合生成
物の長期保存も可能となる。
の縮合度が高すぎると、縮合生成物を後述のアルカリ性
溶液としたときに、縮合生成物の沈殿が生じることがあ
る。このため、塗布液が不均一になり、重合体スケール
付着防止効果が低下する。そこで、縮合生成物の縮合度
を調節するために、(A) 成分と(B) 成分との縮合反応中
の適当な時期に、反応停止剤(C) を添加するのが好まし
い。また、反応停止剤(C) を添加しておくと、縮合生成
物の長期保存も可能となる。
【0112】反応停止剤(C) として、例えば下記のよう
な無機還元剤(C-1) 、芳香族ヒドロキシ化合物(C-2) 及
び芳香族ヒドロキシ化合物系縮合生成物(C-3) が挙げら
れる。
な無機還元剤(C-1) 、芳香族ヒドロキシ化合物(C-2) 及
び芳香族ヒドロキシ化合物系縮合生成物(C-3) が挙げら
れる。
【0113】〔(C-1) 無機還元剤〕無機還元剤(C-1) と
して、具体的には、水素、ヨウ化水素、臭化水素、硫化
水素、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナト
リウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素亜鉛、
水素化ホウ素テトラアルキルアンモニウム、トリクロロ
シラン、トリエチルシラン等の水素化物、一酸化炭素、
二酸化イオウ、チオ硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナ
トリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム等の低級酸化物又は
低級酸素酸塩、ロンガリット、硫化ナトリウム、ポリ硫
化ナトリウム、硫化アンモニウム等のイオウ化合物、ナ
トリウム、リチウム等のアルカリ金属、マグネシウム、
カルシウム、アルミニウム、亜鉛等の電気的陽性の大き
い金属又はそれらのアマルガム、硫酸鉄(II)、塩化すず
(II)、三塩化チタン(III) 等の低原子価状態にある金属
の塩類、三塩化リン、三ヨウ化リン、トリメチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィッ
ト、ヘキサメチルホスホラストリアミド等のリン化合
物、ヒドラジン、ジボラン、エタン─1,2 ─ジアミノボ
ラン、ジメチルアミン─ボラン、ピリジンボラン等のジ
ボラン及び置換ボラン等が例示される。これらの中で好
ましいものは、ヨウ化水素、臭化水素、水素化ホウ素ナ
トリウム、二酸化イオウ、チオ硫酸ナトリウム、チオ亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、
重亜硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム及びロン
ガリットである。
して、具体的には、水素、ヨウ化水素、臭化水素、硫化
水素、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナト
リウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素亜鉛、
水素化ホウ素テトラアルキルアンモニウム、トリクロロ
シラン、トリエチルシラン等の水素化物、一酸化炭素、
二酸化イオウ、チオ硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナ
トリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム等の低級酸化物又は
低級酸素酸塩、ロンガリット、硫化ナトリウム、ポリ硫
化ナトリウム、硫化アンモニウム等のイオウ化合物、ナ
トリウム、リチウム等のアルカリ金属、マグネシウム、
カルシウム、アルミニウム、亜鉛等の電気的陽性の大き
い金属又はそれらのアマルガム、硫酸鉄(II)、塩化すず
(II)、三塩化チタン(III) 等の低原子価状態にある金属
の塩類、三塩化リン、三ヨウ化リン、トリメチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィッ
ト、ヘキサメチルホスホラストリアミド等のリン化合
物、ヒドラジン、ジボラン、エタン─1,2 ─ジアミノボ
ラン、ジメチルアミン─ボラン、ピリジンボラン等のジ
ボラン及び置換ボラン等が例示される。これらの中で好
ましいものは、ヨウ化水素、臭化水素、水素化ホウ素ナ
トリウム、二酸化イオウ、チオ硫酸ナトリウム、チオ亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、
重亜硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム及びロン
ガリットである。
【0114】〔(C-2) 芳香族ヒドロキシ化合物〕芳香族
ヒドロキシ化合物(C-2) は、例えば下記のような一般式
(16)〜(18)で表される化合物である。
ヒドロキシ化合物(C-2) は、例えば下記のような一般式
(16)〜(18)で表される化合物である。
【0115】
【化24】
(ここで、R7 は、−H,−Cl,−OH,−COCH3 ,− O
CH3 ,−COOH,−SO3 H又は炭素数1〜3のアルキル基
を表し、R8 は、−H,−Cl,−OH,− OCH3 ,−OC2
H 5 又は−COOHを表す。)
CH3 ,−COOH,−SO3 H又は炭素数1〜3のアルキル基
を表し、R8 は、−H,−Cl,−OH,− OCH3 ,−OC2
H 5 又は−COOHを表す。)
【0116】具体的には、フェノール、ヒドロキノン、
レゾルシノール、カテコール、ヒドロキシヒドロキノ
ン、ピロガロール、オルト−, メタ−若しくはパラ−ク
ロロフェノール、オルト−, メタ−若しくはパラ−ヒド
ロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,
5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息
香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒド
ロキシ安息香酸、2,5-、2,6-若しくは3,5-ジヒドロキシ
トルエン等が例示される。これらの中で好ましいもの
は、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ヒド
ロキシヒドロキノン、オルト−, メタ−若しくはパラ−
ヒドロキシ安息香酸及びピロガロールである。
レゾルシノール、カテコール、ヒドロキシヒドロキノ
ン、ピロガロール、オルト−, メタ−若しくはパラ−ク
ロロフェノール、オルト−, メタ−若しくはパラ−ヒド
ロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,
5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息
香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒド
ロキシ安息香酸、2,5-、2,6-若しくは3,5-ジヒドロキシ
トルエン等が例示される。これらの中で好ましいもの
は、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ヒド
ロキシヒドロキノン、オルト−, メタ−若しくはパラ−
ヒドロキシ安息香酸及びピロガロールである。
【0117】
【化25】
(ここで、二つのR7 は同一でも異なってもよく、前記
のとおりであり、R8 も前記のとおりである。)
のとおりであり、R8 も前記のとおりである。)
【0118】具体的には、α- ナフトール、β- ナフト
ール、1,3-、1,4-、1,5-、2,3-、2,6-若しくは2,7-ジヒ
ドロキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等が例示される。
これらの中で好ましいものは、α- ナフトール、β- ナ
フトール及び1,3−若しくは2,7−ジヒドロキシナ
フタレンである。
ール、1,3-、1,4-、1,5-、2,3-、2,6-若しくは2,7-ジヒ
ドロキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等が例示される。
これらの中で好ましいものは、α- ナフトール、β- ナ
フトール及び1,3−若しくは2,7−ジヒドロキシナ
フタレンである。
【0119】
【化26】
(ここで、二つのR7 は同一でも異なってもよく、前記
のとおりであり、R8 も前記のとおりである。)
のとおりであり、R8 も前記のとおりである。)
【0120】具体的には、2−ヒドロキシビフェニル、
3−ヒドロキシビフェニル、4−ヒドロキシビフェニ
ル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、5,5’−ジ
ヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、3,3’,4,4’−テトラヒドロキシビフェニ
ル等が挙げられる。これらの中で好ましいものは、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル及び3,3’,4,4’
−テトラヒドロキシビフェニルである。
3−ヒドロキシビフェニル、4−ヒドロキシビフェニ
ル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、5,5’−ジ
ヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、3,3’,4,4’−テトラヒドロキシビフェニ
ル等が挙げられる。これらの中で好ましいものは、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル及び3,3’,4,4’
−テトラヒドロキシビフェニルである。
【0121】〔(C-3) 芳香族ヒドロキシ化合物系縮合
体〕芳香族ヒドロキシ化合物系縮合体は、芳香族ヒドロ
キシ化合物(C-2) を必須の縮合成分とする縮合体であ
る。該縮合体として、芳香族ヒドロキシ化合物(C-2)単
独の縮合体、芳香族ヒドロキシ化合物(C-2) と他の化合
物(例えばアセトン、アルデヒド、芳香族アミン化合物
等)との縮合体、芳香族系ヒドロキシル基含有天然有機
化合物及びフラボノイド系ヒドロキシル基含有天然有機
化合物が挙げられる。
体〕芳香族ヒドロキシ化合物系縮合体は、芳香族ヒドロ
キシ化合物(C-2) を必須の縮合成分とする縮合体であ
る。該縮合体として、芳香族ヒドロキシ化合物(C-2)単
独の縮合体、芳香族ヒドロキシ化合物(C-2) と他の化合
物(例えばアセトン、アルデヒド、芳香族アミン化合物
等)との縮合体、芳香族系ヒドロキシル基含有天然有機
化合物及びフラボノイド系ヒドロキシル基含有天然有機
化合物が挙げられる。
【0122】〔(C-3-1) 芳香族ヒドロキシ化合物単独の
縮合体〕前記に例示のいずれの芳香族ヒドロキシ化合物
(C-2) も縮合反応により縮合体が得られる。代表的な例
としては、ピロガロール、レゾルシノール、カテコー
ル、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ
ナフトキノン等のそれぞれの縮合体が挙げられる。これ
らの縮合体は、芳香族ヒドロキシ化合物を水中若しくは
アルコール類、ケトン類、エステル類等の有機溶媒中又
は水と前記有機溶媒との混合溶媒中で、触媒の存在下、
室温( 例えば20℃) 〜100 ℃程度で反応させることによ
り得られる。該触媒として、過酸化物、アゾ化合物、ニ
トロ化合物、ハロゲン化合物、キノン類、金属塩等が挙
げられ、具体的には、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウ
ム、過酸化水素;α、α’−アゾビスイソブチロニトリ
ル;塩化第二鉄;ニトロベンゼン;及びp−ベンゾキノ
ンが例示される。
縮合体〕前記に例示のいずれの芳香族ヒドロキシ化合物
(C-2) も縮合反応により縮合体が得られる。代表的な例
としては、ピロガロール、レゾルシノール、カテコー
ル、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ
ナフトキノン等のそれぞれの縮合体が挙げられる。これ
らの縮合体は、芳香族ヒドロキシ化合物を水中若しくは
アルコール類、ケトン類、エステル類等の有機溶媒中又
は水と前記有機溶媒との混合溶媒中で、触媒の存在下、
室温( 例えば20℃) 〜100 ℃程度で反応させることによ
り得られる。該触媒として、過酸化物、アゾ化合物、ニ
トロ化合物、ハロゲン化合物、キノン類、金属塩等が挙
げられ、具体的には、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウ
ム、過酸化水素;α、α’−アゾビスイソブチロニトリ
ル;塩化第二鉄;ニトロベンゼン;及びp−ベンゾキノ
ンが例示される。
【0123】〔(C-3-2) 芳香族ヒドロキシ化合物−アセ
トン縮合体〕上で例示した芳香族ヒドロキシ化合物(C-
2) とアセトンとの縮合体はいずれも使用することがで
きる。代表的な例としては、ピロガロール−アセトン縮
合体、レゾルシノール−アセトン縮合体、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン−アセトン縮合体、1,5−ジヒド
ロキシナフタレン−アセトン縮合体、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン−アセトン縮合体、2,3−ジヒドロキ
シナフタレン−アセトン縮合体、2−ヒドロキシナフト
キノン−アセトン縮合体、アリザリン−アセトン縮合体
等が挙げられる。上記縮合体は、芳香族ヒドロキシ化合
物をアセトンに溶解し、触媒の存在下、室温( 例えば20
℃) 〜100 ℃程度で反応させることにより得られる。該
触媒として、オキシ塩化リン等が例示される。
トン縮合体〕上で例示した芳香族ヒドロキシ化合物(C-
2) とアセトンとの縮合体はいずれも使用することがで
きる。代表的な例としては、ピロガロール−アセトン縮
合体、レゾルシノール−アセトン縮合体、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン−アセトン縮合体、1,5−ジヒド
ロキシナフタレン−アセトン縮合体、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン−アセトン縮合体、2,3−ジヒドロキ
シナフタレン−アセトン縮合体、2−ヒドロキシナフト
キノン−アセトン縮合体、アリザリン−アセトン縮合体
等が挙げられる。上記縮合体は、芳香族ヒドロキシ化合
物をアセトンに溶解し、触媒の存在下、室温( 例えば20
℃) 〜100 ℃程度で反応させることにより得られる。該
触媒として、オキシ塩化リン等が例示される。
【0124】〔(C-3-3) 芳香族ヒドロキシ化合物−アル
デヒド縮合体〕縮合体の他方の成分であるアルデヒドと
しては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
グリオキサール、グルタルアルデヒド、ベンドアルデヒ
ド等が挙げられる。上で例示した芳香族ヒドロキシ化合
物(C-2) とアルデヒドとの縮合体はいずれも使用するこ
とができる。代表的な例としては、フェノール、ヒドロ
キノン、カテコール、ピロガロール、2,7−ジヒドロ
キシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、
2,3−ジヒドロキシナフタレン、アリザリン、アント
ラフラビン酸、又は1,4,5,8−テトラヒドロキシ
ナフタレン等とホルムアルデヒドとの縮合体、ピロガロ
ール−ベンズアルデヒド縮合体、フェノール−ベンズア
ルデヒド縮合体、2,3−ジヒドロキシナフタレン−ベ
ンズアルデヒド縮合体、カテコール−ベンズアルデヒド
縮合体、アントラフラビン酸−ベンズアルデヒド縮合
体、2,7−ジヒドロキシナフタレン−ベンズアルデヒ
ド縮合体、1,4,5,8−テトラヒドロキシナフタレ
ン−ベンズアルデヒド縮合体、1,5−ジヒドロキシナ
フタレン−ベンズアルデヒド縮合体等が挙げられる。こ
の縮合体は、芳香族ヒドロキシ化合物とアルデヒドとを
水性又はアルコール性溶媒中、触媒の存在下、室温( 例
えば20℃) 〜200 ℃程度で反応させることにより得られ
る。該触媒として、リン酸、塩酸等の酸性化合物、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカ
リ性化合物等が例示される。
デヒド縮合体〕縮合体の他方の成分であるアルデヒドと
しては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
グリオキサール、グルタルアルデヒド、ベンドアルデヒ
ド等が挙げられる。上で例示した芳香族ヒドロキシ化合
物(C-2) とアルデヒドとの縮合体はいずれも使用するこ
とができる。代表的な例としては、フェノール、ヒドロ
キノン、カテコール、ピロガロール、2,7−ジヒドロ
キシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、
2,3−ジヒドロキシナフタレン、アリザリン、アント
ラフラビン酸、又は1,4,5,8−テトラヒドロキシ
ナフタレン等とホルムアルデヒドとの縮合体、ピロガロ
ール−ベンズアルデヒド縮合体、フェノール−ベンズア
ルデヒド縮合体、2,3−ジヒドロキシナフタレン−ベ
ンズアルデヒド縮合体、カテコール−ベンズアルデヒド
縮合体、アントラフラビン酸−ベンズアルデヒド縮合
体、2,7−ジヒドロキシナフタレン−ベンズアルデヒ
ド縮合体、1,4,5,8−テトラヒドロキシナフタレ
ン−ベンズアルデヒド縮合体、1,5−ジヒドロキシナ
フタレン−ベンズアルデヒド縮合体等が挙げられる。こ
の縮合体は、芳香族ヒドロキシ化合物とアルデヒドとを
水性又はアルコール性溶媒中、触媒の存在下、室温( 例
えば20℃) 〜200 ℃程度で反応させることにより得られ
る。該触媒として、リン酸、塩酸等の酸性化合物、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカ
リ性化合物等が例示される。
【0125】〔(C-3-4) 芳香族ヒドロキシ化合物−芳香
族アミン化合物縮合体〕この縮合体の他方の縮合成分で
ある芳香族アミン化合物としては、本発明の重合体スケ
ール付着防止剤の(A) 成分として既に説明したものが挙
げられる。芳香族ヒドロキシ化合物と芳香族アミン化合
物との組合せは特に制約されない。代表的な例として
は、ピロガロール−p−フェニレンジアミン縮合体、レ
ゾルシノール−m−フェニレンジアミン縮合体、ピロガ
ロール−1,8−ジアミノナフタレン縮合体、カテコー
ル−1,8−ジアミノナフタレン縮合体、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン−p−アミノフェノール縮合体、4
−アミノジフェニルアミン−ピロガロール縮合体、2,
3−ジヒドロキシナフタレン−1,5−ジアミノナフタ
レン縮合体等が挙げられる。この縮合体は、芳香族ヒド
ロキシ化合物と芳香族アミン化合物とを水中若しくはア
ルコール類、ケトン類、エステル類等の有機溶媒中又は
水と前記有機溶媒との混合溶媒中、触媒の存在下、室温
( 例えば20℃)〜200 ℃程度で反応させることにより得
られる。該触媒として、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウ
ム、過酸化水素等の過酸化物;α、α’−アゾビスイソ
ブチロニトリル等のアゾ化合物;塩化第二鉄等の金属
塩;ニトロベンゼン等の芳香族ニトロ化合物;p−ベン
ゾキノン等の芳香族キノン化合物が例示される。
族アミン化合物縮合体〕この縮合体の他方の縮合成分で
ある芳香族アミン化合物としては、本発明の重合体スケ
ール付着防止剤の(A) 成分として既に説明したものが挙
げられる。芳香族ヒドロキシ化合物と芳香族アミン化合
物との組合せは特に制約されない。代表的な例として
は、ピロガロール−p−フェニレンジアミン縮合体、レ
ゾルシノール−m−フェニレンジアミン縮合体、ピロガ
ロール−1,8−ジアミノナフタレン縮合体、カテコー
ル−1,8−ジアミノナフタレン縮合体、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン−p−アミノフェノール縮合体、4
−アミノジフェニルアミン−ピロガロール縮合体、2,
3−ジヒドロキシナフタレン−1,5−ジアミノナフタ
レン縮合体等が挙げられる。この縮合体は、芳香族ヒド
ロキシ化合物と芳香族アミン化合物とを水中若しくはア
ルコール類、ケトン類、エステル類等の有機溶媒中又は
水と前記有機溶媒との混合溶媒中、触媒の存在下、室温
( 例えば20℃)〜200 ℃程度で反応させることにより得
られる。該触媒として、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウ
ム、過酸化水素等の過酸化物;α、α’−アゾビスイソ
ブチロニトリル等のアゾ化合物;塩化第二鉄等の金属
塩;ニトロベンゼン等の芳香族ニトロ化合物;p−ベン
ゾキノン等の芳香族キノン化合物が例示される。
【0126】〔(C-3-5) 芳香族系ヒドロキシル基含有天
然有機化合物〕芳香族系ヒドロキシル基含有天然有機化
合物としては、五倍子タンニン、スマックタンニン、タ
ラタンニン、バロニアタンニン、チェスナットタンニ
ン、ミロバランタンニン、オークタンニン、ディビディ
ビタンニン、アルガロビアタンニン、ガンビアタンニ
ン、ケブラチョタンニン、ワットルタンニン、ミモザタ
ンニン、マングローブタンニン、ヘムロックタンニン、
スプルースタンニン、ビルマカッチタンニン、カシワ樹
皮タンニン、カキ渋タンニン、クルクミン、ウルシオー
ル、リグニン、リグニンスルホン酸ナトリウム塩、アル
カリ・リグニン等が例示される。
然有機化合物〕芳香族系ヒドロキシル基含有天然有機化
合物としては、五倍子タンニン、スマックタンニン、タ
ラタンニン、バロニアタンニン、チェスナットタンニ
ン、ミロバランタンニン、オークタンニン、ディビディ
ビタンニン、アルガロビアタンニン、ガンビアタンニ
ン、ケブラチョタンニン、ワットルタンニン、ミモザタ
ンニン、マングローブタンニン、ヘムロックタンニン、
スプルースタンニン、ビルマカッチタンニン、カシワ樹
皮タンニン、カキ渋タンニン、クルクミン、ウルシオー
ル、リグニン、リグニンスルホン酸ナトリウム塩、アル
カリ・リグニン等が例示される。
【0127】〔(C-3-6) フラボノイド系ヒドロキシル基
含有天然有機化合物〕フラボノイド系ヒドロキシル基含
有天然有機化合物として、具体的には、シソ色素、ブド
ウ果汁色素、ブドウ果皮色素、赤キャベツ色素、コーン
色素、コーリャン色素、紅花色素、カカオ色素等が例示
される。
含有天然有機化合物〕フラボノイド系ヒドロキシル基含
有天然有機化合物として、具体的には、シソ色素、ブド
ウ果汁色素、ブドウ果皮色素、赤キャベツ色素、コーン
色素、コーリャン色素、紅花色素、カカオ色素等が例示
される。
【0128】芳香族ヒドロキシ化合物縮合体(C-3-1) 〜
(C-3-6) の中で好ましいものは、ピロガロール−アセト
ン縮合体、2,7−ジヒドロキシナフタレン−アセトン
縮合体、2,3−ジヒドロキシナフタレン−アセトン縮
合体、レゾルシノール−アセトン縮合体、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン−ベンズアルデヒド縮合体、2,3
−ジヒドロキシナフタレン−ホルムアルデヒド縮合体、
1,4,5,8−テトラヒドロキシナフタレン−ベンズ
アルデヒド縮合体、ピロガロール−ホルムアルデヒド縮
合体、2,7−ジヒドロキシナフタレン縮合体、ピロガ
ロール縮合体、2,7−ジヒドロキシナフタレン−p−
アミノフェノール縮合体、カテコール−4−アミノジフ
ェニルアミン縮合体、ピロガロール−1,8−ジアミノ
ナフタレン縮合体、五倍子タンニン、ワットルタンニ
ン、ミモザタンニン、オークタンニン、ヘムロックタン
ニン、ケブラチョタンニン、チェスナットタンニン、カ
キ渋タンニン及びマングローブタンニンである。
(C-3-6) の中で好ましいものは、ピロガロール−アセト
ン縮合体、2,7−ジヒドロキシナフタレン−アセトン
縮合体、2,3−ジヒドロキシナフタレン−アセトン縮
合体、レゾルシノール−アセトン縮合体、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン−ベンズアルデヒド縮合体、2,3
−ジヒドロキシナフタレン−ホルムアルデヒド縮合体、
1,4,5,8−テトラヒドロキシナフタレン−ベンズ
アルデヒド縮合体、ピロガロール−ホルムアルデヒド縮
合体、2,7−ジヒドロキシナフタレン縮合体、ピロガ
ロール縮合体、2,7−ジヒドロキシナフタレン−p−
アミノフェノール縮合体、カテコール−4−アミノジフ
ェニルアミン縮合体、ピロガロール−1,8−ジアミノ
ナフタレン縮合体、五倍子タンニン、ワットルタンニ
ン、ミモザタンニン、オークタンニン、ヘムロックタン
ニン、ケブラチョタンニン、チェスナットタンニン、カ
キ渋タンニン及びマングローブタンニンである。
【0129】反応停止剤は、そのまま添加するか、ある
いは上記した縮合反応に使用する溶媒等の適当な溶媒に
溶かしてから添加すればよい。反応停止剤(C) は、(A)
成分と(B) 成分との縮合反応を開始させた後に添加すれ
ばよい。好ましくは(A) 成分と(B) 成分との縮合生成物
が析出する直前である。すなわち、(A) 成分及び(B)成
分の種類、反応速度等により異なるが、(A) 成分及び
(B) 成分の縮合反応転化率が50〜99重量%に達したとき
に添加する。この縮合反応転化率は、下記式により求め
られる。 縮合反応転化率(重量%)={(a−b)/a}× 100
いは上記した縮合反応に使用する溶媒等の適当な溶媒に
溶かしてから添加すればよい。反応停止剤(C) は、(A)
成分と(B) 成分との縮合反応を開始させた後に添加すれ
ばよい。好ましくは(A) 成分と(B) 成分との縮合生成物
が析出する直前である。すなわち、(A) 成分及び(B)成
分の種類、反応速度等により異なるが、(A) 成分及び
(B) 成分の縮合反応転化率が50〜99重量%に達したとき
に添加する。この縮合反応転化率は、下記式により求め
られる。 縮合反応転化率(重量%)={(a−b)/a}× 100
【0130】反応停止剤(C) の添加量は、(A) 成分と
(B) 成分の合計1重量部当たり、0.01〜10重量部とする
のが好ましく、さらに、 0.1〜5重量部とするのが好ま
しい。
(B) 成分の合計1重量部当たり、0.01〜10重量部とする
のが好ましく、さらに、 0.1〜5重量部とするのが好ま
しい。
【0131】12)WO 88/05055 に記載のポリビニルアル
コールとアミノ安息香酸との反応生成物のうち、分子量
が1000以上のもの:式:
コールとアミノ安息香酸との反応生成物のうち、分子量
が1000以上のもの:式:
【0132】
【化27】
〔式中、R1,R2及びR3は同一でも異なってもよく、水素
原子又はアミノ基(−NH2 )であり、ただしこれら置
換基の少なくとも1つはアミノ基である。m,n及びp
は、それぞれ、m>2,n≧0及びp≧0の整数であ
る。〕で表される部分ケン化ポリビニルアセテートのア
ミノ安息香酸エステルである。
原子又はアミノ基(−NH2 )であり、ただしこれら置
換基の少なくとも1つはアミノ基である。m,n及びp
は、それぞれ、m>2,n≧0及びp≧0の整数であ
る。〕で表される部分ケン化ポリビニルアセテートのア
ミノ安息香酸エステルである。
【0133】このエステルは、次のようにして得られ
る。まず、部分ケン化ポリビニルアセテートと式(i):
る。まず、部分ケン化ポリビニルアセテートと式(i):
【0134】
【化28】
〔式中、R' ,R''及びR''' は同一でも異なってもよ
く、水素原子又はニトロ基(−NO2 )であり、ただし
これら置換基のすくなくとも1つはニトロ基である〕で
表される酸ハロゲン化物とを、適当な媒体中、触媒の存
在下、室温( 例えば20℃) 〜200 ℃で1〜50時間反応さ
せ、式(ii):
く、水素原子又はニトロ基(−NO2 )であり、ただし
これら置換基のすくなくとも1つはニトロ基である〕で
表される酸ハロゲン化物とを、適当な媒体中、触媒の存
在下、室温( 例えば20℃) 〜200 ℃で1〜50時間反応さ
せ、式(ii):
【0135】
【化29】
〔式中、R' ,R''及びR''' は前記のとおりであり、
m,n及びpはそれぞれm>2,n≧0及びp≧0の整
数である〕で表される化合物を得る。
m,n及びpはそれぞれm>2,n≧0及びp≧0の整
数である〕で表される化合物を得る。
【0136】次に、この化合物を、パラジウム触媒の存
在下、トリエタノールアンモニウム一ギ酸で還元するこ
とにより、所望のアミノ安息香酸エステルが得られる。
在下、トリエタノールアンモニウム一ギ酸で還元するこ
とにより、所望のアミノ安息香酸エステルが得られる。
【0137】以上説明した共役π結合化合物の中でも好
ましいものは、芳香族アミン化合物とキノン化合物との
縮合物、芳香族アミン化合物と芳香族ニトロ化合物との
縮合物及び芳香族アミン化合物とキノン化合物と芳香族
ヒドロキシ化合物との縮合物である。
ましいものは、芳香族アミン化合物とキノン化合物との
縮合物、芳香族アミン化合物と芳香族ニトロ化合物との
縮合物及び芳香族アミン化合物とキノン化合物と芳香族
ヒドロキシ化合物との縮合物である。
【0138】(b)成分
本発明に係る重合体スケール防止剤は、(b)成分とし
て、ポリアルキレンオキサイドを含有する。ポリアルキ
レンオキサイドと上記の共役π結合を8個以上有し、分
子量が1000以上の芳香族化合物とからなる重合体スケー
ル付着防止剤は、その効果を顕著に発揮する。それは、
ポリアルキレンオキサイドが該共役π結合化合物と強く
会合し、単量体を含む反応混合物中への共役π結合化合
物の溶出を防ぐためと推定される。また、ポリアルキレ
ンオキサイドは化学的活性基を有せず、重合系に与える
影響が少ないためとも推定される。モノマーであるアル
キレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド
(以下、EOという)、プロピレンオキサイド(以下、
POという)等が挙げられる。ポリアルキレンオキサイ
ドは、これらのモノマーのホモポリマーでもよいし、コ
ポリマーでもよいし、あるいは混合物でもよい。好まし
いポリアルキレンオキサイドは、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、及びEOとPOとのコ
ポリマーである。なお、EOとPOのコポリマー、又は
ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの
混合物において、EOの比率が高いと、得られるポリマ
ーは親水性となり、逆にPOの比率が高いと、親油性と
なる。したがって、EOとPOとの比は、重合体スケー
ル防止剤を調製するときに使用する溶媒の種類(水系又
はアルコール系)に応じて決めればよい。
て、ポリアルキレンオキサイドを含有する。ポリアルキ
レンオキサイドと上記の共役π結合を8個以上有し、分
子量が1000以上の芳香族化合物とからなる重合体スケー
ル付着防止剤は、その効果を顕著に発揮する。それは、
ポリアルキレンオキサイドが該共役π結合化合物と強く
会合し、単量体を含む反応混合物中への共役π結合化合
物の溶出を防ぐためと推定される。また、ポリアルキレ
ンオキサイドは化学的活性基を有せず、重合系に与える
影響が少ないためとも推定される。モノマーであるアル
キレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド
(以下、EOという)、プロピレンオキサイド(以下、
POという)等が挙げられる。ポリアルキレンオキサイ
ドは、これらのモノマーのホモポリマーでもよいし、コ
ポリマーでもよいし、あるいは混合物でもよい。好まし
いポリアルキレンオキサイドは、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、及びEOとPOとのコ
ポリマーである。なお、EOとPOのコポリマー、又は
ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの
混合物において、EOの比率が高いと、得られるポリマ
ーは親水性となり、逆にPOの比率が高いと、親油性と
なる。したがって、EOとPOとの比は、重合体スケー
ル防止剤を調製するときに使用する溶媒の種類(水系又
はアルコール系)に応じて決めればよい。
【0139】(b)成分の重量平均分子量は、2000以上
であり、好ましくは2000〜200,000、さらに好ましくは3
000〜100,000 である。この平均分子量が2000未満であ
ると、重合体スケール防止剤の塗膜中の(a)成分が、
重合時に、単量体を含む反応混合物中へ溶出する恐れが
ある。
であり、好ましくは2000〜200,000、さらに好ましくは3
000〜100,000 である。この平均分子量が2000未満であ
ると、重合体スケール防止剤の塗膜中の(a)成分が、
重合時に、単量体を含む反応混合物中へ溶出する恐れが
ある。
【0140】(a)成分と(b)成分との重量比は、10
0/500 〜100/1 であり、好ましくは100/300 〜100/3 で
ある。(a)成分の割合が低すぎると、重合体スケール
防止剤が、重合時に、水等の媒体中へ溶出してしまう恐
れがある。逆に、高すぎると、重合体スケール防止剤の
塗布液の調製時に沈殿を起こす場合がある。このため、
重合体スケール防止能力を十分に発揮することができな
い。
0/500 〜100/1 であり、好ましくは100/300 〜100/3 で
ある。(a)成分の割合が低すぎると、重合体スケール
防止剤が、重合時に、水等の媒体中へ溶出してしまう恐
れがある。逆に、高すぎると、重合体スケール防止剤の
塗布液の調製時に沈殿を起こす場合がある。このため、
重合体スケール防止能力を十分に発揮することができな
い。
【0141】(c)成分
本発明に係る重合体スケール付着防止剤は、さらに無機
コロイドを含有することが望ましい。これにより、重合
体スケール付着防止効果が向上する。無機コロイドとし
て、例えばアルミニウム、トリウム、チタン、ジルコニ
ウム、アンチモン、スズ、鉄等から選択される金属の酸
化物及び水酸化物のコロイド、タングステン酸、五酸化
バナジウム、金及び銀のコロイド、ヨウ化銀ゾル、セレ
ン、イオウ、シリカ等のコロイド等が挙げられる。これ
らの中で好ましいものは、コロイドシリカである。特に
好適なコロイドシリカは、水系のシリカゾル、メタノー
ルシリカゾル、ブタノールシリカゾル及びエチレングリ
コールシリカゾルである。
コロイドを含有することが望ましい。これにより、重合
体スケール付着防止効果が向上する。無機コロイドとし
て、例えばアルミニウム、トリウム、チタン、ジルコニ
ウム、アンチモン、スズ、鉄等から選択される金属の酸
化物及び水酸化物のコロイド、タングステン酸、五酸化
バナジウム、金及び銀のコロイド、ヨウ化銀ゾル、セレ
ン、イオウ、シリカ等のコロイド等が挙げられる。これ
らの中で好ましいものは、コロイドシリカである。特に
好適なコロイドシリカは、水系のシリカゾル、メタノー
ルシリカゾル、ブタノールシリカゾル及びエチレングリ
コールシリカゾルである。
【0142】無機コロイドの製造方法は、特に限定され
ない。例えば、水を分散媒とする分散法や、凝集法によ
り製造される粒子コロイドでよい。コロイド粒子の大き
さは1〜500 nmが好ましく、さらに好ましくは1〜10
0 nmである。
ない。例えば、水を分散媒とする分散法や、凝集法によ
り製造される粒子コロイドでよい。コロイド粒子の大き
さは1〜500 nmが好ましく、さらに好ましくは1〜10
0 nmである。
【0143】無機コロイドの配合量は、無機コロイド
(固形分換算)/〔(a)成分+(b)成分〕の重量比
で、50/1〜1/50が好ましく、さらに好ましくは10/
1〜1/10である。無機コロイドが多すぎても少なすぎ
ても、併用する利点を減ずる場合がある。
(固形分換算)/〔(a)成分+(b)成分〕の重量比
で、50/1〜1/50が好ましく、さらに好ましくは10/
1〜1/10である。無機コロイドが多すぎても少なすぎ
ても、併用する利点を減ずる場合がある。
【0144】(重合体スケール付着防止剤を用いた重合
体の製造方法)本発明の重合体の製造方法は、前記重合
体スケール付着防止剤からなる塗膜を重合器内壁等に有
する重合器内で、エチレン性不飽和二重結合を有する単
量体を重合して、重合体を得る方法である。
体の製造方法)本発明の重合体の製造方法は、前記重合
体スケール付着防止剤からなる塗膜を重合器内壁等に有
する重合器内で、エチレン性不飽和二重結合を有する単
量体を重合して、重合体を得る方法である。
【0145】塗布液の調製
本発明に係る重合体スケール付着防止剤は、主として重
合器の内壁面やその他単量体が重合中に接触する部位に
塗膜を形成するのに使用される。したがって、塗布液の
形で使用される。該塗布液は、前記した(a)成分、
(b)成分及び場合によっては無機コロイドをそれぞれ
適当とされる濃度で溶媒に溶解又は分散させ、混合する
ことより調製される。
合器の内壁面やその他単量体が重合中に接触する部位に
塗膜を形成するのに使用される。したがって、塗布液の
形で使用される。該塗布液は、前記した(a)成分、
(b)成分及び場合によっては無機コロイドをそれぞれ
適当とされる濃度で溶媒に溶解又は分散させ、混合する
ことより調製される。
【0146】重合体スケール付着防止剤の調製に使用す
る溶媒として、例えば水;メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、2−ブタノール、2−メチル
−1−プロパノール、2−メチル−プロパノール、3−
メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノー
ル、2−ペンタノール等のアルコール系溶剤;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン系溶剤;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、
酢酸エチル、アセト酢酸メチル等のエステル系溶剤;4
−メチルジオキソラン、エチレングリコールジエチルエ
ーテル等のエーテル系溶剤;フラン類;ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の非
プロトン系溶剤等が挙げられる。これらは適宜単独で又
は2種以上の混合溶媒として使用される。
る溶媒として、例えば水;メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、2−ブタノール、2−メチル
−1−プロパノール、2−メチル−プロパノール、3−
メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノー
ル、2−ペンタノール等のアルコール系溶剤;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン系溶剤;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、
酢酸エチル、アセト酢酸メチル等のエステル系溶剤;4
−メチルジオキソラン、エチレングリコールジエチルエ
ーテル等のエーテル系溶剤;フラン類;ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の非
プロトン系溶剤等が挙げられる。これらは適宜単独で又
は2種以上の混合溶媒として使用される。
【0147】上記溶媒の中で好ましいものは、水、及び
水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶媒である。
上記した有機溶媒の中で水と混和性を有する有機溶媒と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール等のア
ルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶
剤が挙げられ、これらの中ではアルコール系溶剤が好ま
しい。
水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶媒である。
上記した有機溶媒の中で水と混和性を有する有機溶媒と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール等のア
ルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶
剤が挙げられ、これらの中ではアルコール系溶剤が好ま
しい。
【0148】塗布液中の(a)成分と(b)成分の合計
濃度は、後述の乾燥後の塗布量が得られる限り制約はな
く、通常、0.001 〜10重量%でよく、好ましくは0.01〜
2重量%である。この合計濃度が低すぎると、重合器内
壁面に所望の塗布量を得ることが困難となる。必要以上
に高濃度にすると経済的に不利となるほか、極端な場合
には均一な塗膜を形成することに支障を来すようにな
る。無機コロイドを添加する場合、その濃度は0.01〜5
重量%であることが好ましい。なお、前記(a)成分と
(b)成分とに無機コロイドを添加する方法としては、
(a)成分と(b)成分とを前記溶媒に溶解又は分散さ
せた後、この溶液又は分散液にあらかじめ水、この塗布
液に使用している溶媒、無機コロイド(固形分換算)の
分散媒等で1〜10重量%の濃度とした無機コロイドを混
合する。
濃度は、後述の乾燥後の塗布量が得られる限り制約はな
く、通常、0.001 〜10重量%でよく、好ましくは0.01〜
2重量%である。この合計濃度が低すぎると、重合器内
壁面に所望の塗布量を得ることが困難となる。必要以上
に高濃度にすると経済的に不利となるほか、極端な場合
には均一な塗膜を形成することに支障を来すようにな
る。無機コロイドを添加する場合、その濃度は0.01〜5
重量%であることが好ましい。なお、前記(a)成分と
(b)成分とに無機コロイドを添加する方法としては、
(a)成分と(b)成分とを前記溶媒に溶解又は分散さ
せた後、この溶液又は分散液にあらかじめ水、この塗布
液に使用している溶媒、無機コロイド(固形分換算)の
分散媒等で1〜10重量%の濃度とした無機コロイドを混
合する。
【0149】塗膜の形成
上記の塗布液を用いて重合器内壁面に塗膜を形成するに
は、まず、塗布液を重合器内壁面に塗布し、次いで、例
えば室温 (例えば30℃) から 100℃までの温度範囲で充
分に乾燥させた後、さらに必要に応じて水洗する。
は、まず、塗布液を重合器内壁面に塗布し、次いで、例
えば室温 (例えば30℃) から 100℃までの温度範囲で充
分に乾燥させた後、さらに必要に応じて水洗する。
【0150】また、前記塗布液は、重合器内壁面だけで
なく、単量体が重合中に接触する他の部位にも塗布する
ことが好ましい。例えば、攪拌翼、攪拌軸、バッフル、
コンデンサ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナット等
が挙げられる。さらに好ましくは、前記塗布液は単量体
が重合中に接触する部位以外であっても、重合体スケー
ルが付着する恐れのある部位、例えば未反応単量体の回
収系統の機器及び配管の内面には、前記塗膜を形成した
方がよい。具体的には、モノマー蒸留塔、コンデンサ、
モノマー貯蔵タンク、バルブ等の内面が挙げられる。こ
のようにして、重合中に単量体が接触する部位、及びそ
れ以外の重合体スケールが付着する恐れのある部位に塗
膜を形成すると、それらの部位への重合体スケールの付
着が防止される。
なく、単量体が重合中に接触する他の部位にも塗布する
ことが好ましい。例えば、攪拌翼、攪拌軸、バッフル、
コンデンサ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナット等
が挙げられる。さらに好ましくは、前記塗布液は単量体
が重合中に接触する部位以外であっても、重合体スケー
ルが付着する恐れのある部位、例えば未反応単量体の回
収系統の機器及び配管の内面には、前記塗膜を形成した
方がよい。具体的には、モノマー蒸留塔、コンデンサ、
モノマー貯蔵タンク、バルブ等の内面が挙げられる。こ
のようにして、重合中に単量体が接触する部位、及びそ
れ以外の重合体スケールが付着する恐れのある部位に塗
膜を形成すると、それらの部位への重合体スケールの付
着が防止される。
【0151】なお、塗布液を重合器内壁面に塗布する方
法は、特に限定されず、例えばハケ塗り、スプレー塗
布、塗布液で重合器を満たした後に抜き出す方法等をは
じめとして、そのほか特開昭57−61001 号、同55−3628
8 号、特公昭56−501116号、同56−501117号、特開昭59
−11303 号等に記載の自動塗布方法を用いることもでき
る。
法は、特に限定されず、例えばハケ塗り、スプレー塗
布、塗布液で重合器を満たした後に抜き出す方法等をは
じめとして、そのほか特開昭57−61001 号、同55−3628
8 号、特公昭56−501116号、同56−501117号、特開昭59
−11303 号等に記載の自動塗布方法を用いることもでき
る。
【0152】また、塗布液が塗布されたことにより、濡
れた状態の表面を乾燥する方法も限定されることはな
く、例えば次のような方法を使用することができる。塗
布液の塗布後、適当に昇温した温風を塗布面に当てる方
法、あるいは塗布液を塗布すべき重合器内壁面及びその
他の表面をあらかじめ、例えば30〜80℃に加熱してお
き、その加熱した表面に塗布液を直接塗布する方法等を
使用することができる。そして塗布面の乾燥後は、その
塗布面を必要に応じて水洗する。このようにして得られ
た塗膜は、乾燥後の塗布量で、通常、0.001 〜5g/m2で
あればよく、好ましくは0.01〜3g/m2である。
れた状態の表面を乾燥する方法も限定されることはな
く、例えば次のような方法を使用することができる。塗
布液の塗布後、適当に昇温した温風を塗布面に当てる方
法、あるいは塗布液を塗布すべき重合器内壁面及びその
他の表面をあらかじめ、例えば30〜80℃に加熱してお
き、その加熱した表面に塗布液を直接塗布する方法等を
使用することができる。そして塗布面の乾燥後は、その
塗布面を必要に応じて水洗する。このようにして得られ
た塗膜は、乾燥後の塗布量で、通常、0.001 〜5g/m2で
あればよく、好ましくは0.01〜3g/m2である。
【0153】以上の塗布作業は、1〜数バッチの重合ご
とに行えばよい。形成された塗膜は高い耐久性を有し、
重合体スケールの付着防止作用が持続する。このため、
必ずしも1バッチの重合ごとに行う必要はない。したが
って、生産性が向上する。
とに行えばよい。形成された塗膜は高い耐久性を有し、
重合体スケールの付着防止作用が持続する。このため、
必ずしも1バッチの重合ごとに行う必要はない。したが
って、生産性が向上する。
【0154】重合
本発明の方法は、エチレン性不飽和二重結合を有する単
量体の重合に適用され、この単量体の例として、塩化ビ
ニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル
酸、及びこれらのエステル又は塩;マレイン酸、フマル
酸、及びこれらのエステル又は無水物;ブタジエン、ク
ロロプレン、イソプレン等のジエン系単量体;スチレ
ン、アクリロニトリル、ハロゲン化ビニリデン、ビニル
エーテル等が挙げられる。本発明の方法が特に好適に実
施される例としては、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル
若しくはハロゲン化ビニリデン、又はそれらを主体とす
る単量体混合物の水性媒体中における懸濁重合若しくは
乳化重合によるそれら重合体の製造がある。また、本発
明の方法で形成される塗膜はα−メチルスチレン、アク
リル酸エステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の従
来の塗膜に対して高い溶解能を有する単量体に対しても
高い耐久性を示すので、ポリスチレン、ポリメタクリレ
ート、ポリアクリロニトリル等の重合体ビーズ、ラテッ
クスの製造、SBR,NBR,CR,IR,IIR等の
合成ゴムの製造(これら合成ゴムは通常乳化重合によっ
て製造される。)、ABS樹脂の製造にも好適に実施す
ることができる。
量体の重合に適用され、この単量体の例として、塩化ビ
ニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル
酸、及びこれらのエステル又は塩;マレイン酸、フマル
酸、及びこれらのエステル又は無水物;ブタジエン、ク
ロロプレン、イソプレン等のジエン系単量体;スチレ
ン、アクリロニトリル、ハロゲン化ビニリデン、ビニル
エーテル等が挙げられる。本発明の方法が特に好適に実
施される例としては、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル
若しくはハロゲン化ビニリデン、又はそれらを主体とす
る単量体混合物の水性媒体中における懸濁重合若しくは
乳化重合によるそれら重合体の製造がある。また、本発
明の方法で形成される塗膜はα−メチルスチレン、アク
リル酸エステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の従
来の塗膜に対して高い溶解能を有する単量体に対しても
高い耐久性を示すので、ポリスチレン、ポリメタクリレ
ート、ポリアクリロニトリル等の重合体ビーズ、ラテッ
クスの製造、SBR,NBR,CR,IR,IIR等の
合成ゴムの製造(これら合成ゴムは通常乳化重合によっ
て製造される。)、ABS樹脂の製造にも好適に実施す
ることができる。
【0155】これら単量体の1種又は2種以上の重合に
あたり、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合等の
重合形式にかかわらず、また、乳化剤、安定剤、滑剤、
可塑剤、pH調整剤、連鎖移動剤等のいずれの添加剤の存
在下であっても、スケール防止の目的が有効に達成され
る。例えば、ビニル系単量体の懸濁重合、乳化重合の場
合に重合系に加えられる添加剤が部分けん化ポリビニル
アルコール、メチルセルロース等の懸濁剤、ラウリル硫
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン
性乳化剤、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル等のノニオン性乳化剤、三塩基性
硫酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ジブチルすずジラウ
レート、ジオクチルすずメルカプチド等の安定剤、ライ
スワックス、ステアリン酸等の滑剤、DOP,DBP等
の可塑剤、トリクロロエチレン、メルカプタン類等の連
鎖移動剤、pH調整剤等が存在する重合系においても効
果的にスケールの付着が防止される。
あたり、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合等の
重合形式にかかわらず、また、乳化剤、安定剤、滑剤、
可塑剤、pH調整剤、連鎖移動剤等のいずれの添加剤の存
在下であっても、スケール防止の目的が有効に達成され
る。例えば、ビニル系単量体の懸濁重合、乳化重合の場
合に重合系に加えられる添加剤が部分けん化ポリビニル
アルコール、メチルセルロース等の懸濁剤、ラウリル硫
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン
性乳化剤、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル等のノニオン性乳化剤、三塩基性
硫酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ジブチルすずジラウ
レート、ジオクチルすずメルカプチド等の安定剤、ライ
スワックス、ステアリン酸等の滑剤、DOP,DBP等
の可塑剤、トリクロロエチレン、メルカプタン類等の連
鎖移動剤、pH調整剤等が存在する重合系においても効
果的にスケールの付着が防止される。
【0156】また、本発明の特徴は重合触媒の種類に影
響されることなく、いずれの触媒を使用した場合でも顕
著な重合体スケール付着防止効果が発揮される。具体的
には、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、ビス
(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
α−クミルパーオキシネオデカノエート、クメンハイド
ロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシピバレート、ビス(2−エトキシ
エチル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−ジクロルベ
ンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、α,α′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、α,α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル、ジ−2−エチルヘキシルジパーオキシイソフタレ
ート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が例示さ
れる。
響されることなく、いずれの触媒を使用した場合でも顕
著な重合体スケール付着防止効果が発揮される。具体的
には、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、ビス
(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
α−クミルパーオキシネオデカノエート、クメンハイド
ロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシピバレート、ビス(2−エトキシ
エチル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−ジクロルベ
ンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、α,α′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、α,α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル、ジ−2−エチルヘキシルジパーオキシイソフタレ
ート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が例示さ
れる。
【0157】以下、懸濁重合、乳化重合及び塊状重合の
場合を例に挙げて、一般的な重合方法を具体的に説明す
る。まず、水及び分散剤を重合器に仕込み、その後、重
合開始剤を仕込む。次に、重合器内を排気して0.1 〜76
0 mmHg(0.01〜101 kPa)に減圧した後、単量体
を仕込み〔この時、重合器の内圧は、通常0.5 〜30kg
f/cm2 ・G(150 〜3040kPa)になる〕、その
後、30〜150 ℃の反応温度で重合する。重合中には、必
要に応じて、水、分散剤及び重合開始剤の1種又は2種
以上を添加する。また、重合時の反応温度は、重合され
る単量体の種類によって異なり、例えば塩化ビニルの重
合の場合には30〜80℃で行い、スチレンの重合の場合に
は50〜150 ℃で重合を行う。重合は重合器の内圧が0〜
7kgf/cm2 ・G(100 〜790 kPa)に低下した
時に、あるいは重合器外周に装備されたジャケット内に
流入、流出させる冷却水の入口温度と出口温度との差が
ほぼなくなった時( すなわち重合反応による発熱がなく
なった時) に、完了したと判断される。重合の際に仕込
まれる水、分散剤及び開始剤は、通常、単量体100 重量
部に対して、水20〜500 重量部、分散剤0.01〜30重量
部、重合開始剤0.01〜5重量部である。
場合を例に挙げて、一般的な重合方法を具体的に説明す
る。まず、水及び分散剤を重合器に仕込み、その後、重
合開始剤を仕込む。次に、重合器内を排気して0.1 〜76
0 mmHg(0.01〜101 kPa)に減圧した後、単量体
を仕込み〔この時、重合器の内圧は、通常0.5 〜30kg
f/cm2 ・G(150 〜3040kPa)になる〕、その
後、30〜150 ℃の反応温度で重合する。重合中には、必
要に応じて、水、分散剤及び重合開始剤の1種又は2種
以上を添加する。また、重合時の反応温度は、重合され
る単量体の種類によって異なり、例えば塩化ビニルの重
合の場合には30〜80℃で行い、スチレンの重合の場合に
は50〜150 ℃で重合を行う。重合は重合器の内圧が0〜
7kgf/cm2 ・G(100 〜790 kPa)に低下した
時に、あるいは重合器外周に装備されたジャケット内に
流入、流出させる冷却水の入口温度と出口温度との差が
ほぼなくなった時( すなわち重合反応による発熱がなく
なった時) に、完了したと判断される。重合の際に仕込
まれる水、分散剤及び開始剤は、通常、単量体100 重量
部に対して、水20〜500 重量部、分散剤0.01〜30重量
部、重合開始剤0.01〜5重量部である。
【0158】溶液重合の場合には、重合媒体として水の
代わりに、例えばトルエン、キシレン、ピリジン等の有
機溶媒を使用する。分散剤は必要に応じて用いられる。
その他の重合条件は、一般に懸濁重合及び乳化重合につ
いての重合条件と同様である。
代わりに、例えばトルエン、キシレン、ピリジン等の有
機溶媒を使用する。分散剤は必要に応じて用いられる。
その他の重合条件は、一般に懸濁重合及び乳化重合につ
いての重合条件と同様である。
【0159】塊状重合の場合には、重合器内を約0.01〜
760 mmHg(0.001 〜101 kPa)の圧力に排気した
後、その重合器内に単量体及び重合開始剤を仕込み、−
10〜250 ℃の反応温度で重合する。例えば、塩化ビニル
の重合の場合には、30〜80℃で行い、スチレンの重合の
場合には50〜150 ℃で重合を行う。
760 mmHg(0.001 〜101 kPa)の圧力に排気した
後、その重合器内に単量体及び重合開始剤を仕込み、−
10〜250 ℃の反応温度で重合する。例えば、塩化ビニル
の重合の場合には、30〜80℃で行い、スチレンの重合の
場合には50〜150 ℃で重合を行う。
【0160】本発明の重合体スケール付着防止剤は、重
合器内壁面等への塗膜形成に用いた上で、さらに直接重
合系に添加してもよく、これによってスケール防止効果
を向上させることもできる。その場合、重合体スケール
付着防止剤の添加量は、仕込まれる単量体全重量に対し
て約10〜1000 ppm程度が適当である。添加に際しては、
フィッシュアイ、嵩比重、粒度分布等の製品重合体の品
質に影響を与えないよう配慮する。
合器内壁面等への塗膜形成に用いた上で、さらに直接重
合系に添加してもよく、これによってスケール防止効果
を向上させることもできる。その場合、重合体スケール
付着防止剤の添加量は、仕込まれる単量体全重量に対し
て約10〜1000 ppm程度が適当である。添加に際しては、
フィッシュアイ、嵩比重、粒度分布等の製品重合体の品
質に影響を与えないよう配慮する。
【0161】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳
細に説明する。なお、「部」は重量部を意味する。
細に説明する。なお、「部」は重量部を意味する。
【0162】縮合生成物の製造
以下の製造例で得られた縮合生成物を、(a) 成分として
実施例に使用した。なお、得られた縮合生成物の分子量
は、次のようにして測定した。・分子量の測定 ゲルパーミュエイションクロマトグラフィ(GPC)に
より、下記の測定条件で、ポリスチレン換算の重量平均
分子量を測定した。 カラム:ガードカラム 商品名 Slim-pack GPC-800DP島津製作所社製 分析カラム 商品名 Slim-pack GPC-803D 、-802D 島津製作所社製 移動相:10 mM LiBr/DMF 流量 :1.0 mL/min 検出器:RI 温度 :60℃
実施例に使用した。なお、得られた縮合生成物の分子量
は、次のようにして測定した。・分子量の測定 ゲルパーミュエイションクロマトグラフィ(GPC)に
より、下記の測定条件で、ポリスチレン換算の重量平均
分子量を測定した。 カラム:ガードカラム 商品名 Slim-pack GPC-800DP島津製作所社製 分析カラム 商品名 Slim-pack GPC-803D 、-802D 島津製作所社製 移動相:10 mM LiBr/DMF 流量 :1.0 mL/min 検出器:RI 温度 :60℃
【0163】製造例1(縮合生成物No.1の製造)
耐圧反応器にメタノール30,000モル(960kg)、1,8−
ジアミノナフタレン100 モル(15.8kg)、パラベンゾキノ
ン50モル(5.4kg) 、ピロガロール250 モル(31.5kg)を仕
込み、撹拌しながら80℃に昇温した。80℃で5時間反応
させた後、冷却し、縮合生成物のメタノール溶液を得
た。このようにして縮合生成物No. 1の溶液を得た。縮
合生成物No. 1の重量平均分子量は2000であった。
ジアミノナフタレン100 モル(15.8kg)、パラベンゾキノ
ン50モル(5.4kg) 、ピロガロール250 モル(31.5kg)を仕
込み、撹拌しながら80℃に昇温した。80℃で5時間反応
させた後、冷却し、縮合生成物のメタノール溶液を得
た。このようにして縮合生成物No. 1の溶液を得た。縮
合生成物No. 1の重量平均分子量は2000であった。
【0164】製造例2(縮合生成物No.2の製造)
特公平6-62709 の製造例3を参照して、重合体スケール
付着防止剤を製造した。耐圧反応器に2,2′−ジヒド
ロキシビフェニル30モル(5.59kg) 、純度95%のパラホ
ルムアルデヒド22.5モル(0.711kg) 、パラトルエンスル
ホン酸0.19kg及びエチレングリコールジメチルエーテル
10Lを仕込み、撹拌しながら130 ℃に昇温した。130
℃で17時間反応させた後、50℃に冷却し、反応混合物を
水50L中に投入した。水に投入することにより析出した
樹脂をろ過、水洗後乾燥して、5.1kg の2,2′−ジヒ
ドロキシビフェニル−ホルムアルデヒド縮合樹脂(縮合
生成物No. 2)を得た。縮合生成物No. 2の重量平均分
子量は4300であった。
付着防止剤を製造した。耐圧反応器に2,2′−ジヒド
ロキシビフェニル30モル(5.59kg) 、純度95%のパラホ
ルムアルデヒド22.5モル(0.711kg) 、パラトルエンスル
ホン酸0.19kg及びエチレングリコールジメチルエーテル
10Lを仕込み、撹拌しながら130 ℃に昇温した。130
℃で17時間反応させた後、50℃に冷却し、反応混合物を
水50L中に投入した。水に投入することにより析出した
樹脂をろ過、水洗後乾燥して、5.1kg の2,2′−ジヒ
ドロキシビフェニル−ホルムアルデヒド縮合樹脂(縮合
生成物No. 2)を得た。縮合生成物No. 2の重量平均分
子量は4300であった。
【0165】製造例3(縮合生成物No.3の製造)
特開昭57-164107 の製造例1を参照して、重合体スケー
ル付着防止剤を製造した。耐圧反応器に1−ナフトール
250 モル(36.0kg)と1規定NaOH水溶液(NaOH 180モル、
7.2kg 含有) 180 Lを仕込み、撹拌しながら、70℃に昇
温した。次に、反応混合物にホルムアルデヒド(38w/v
%水溶液19.75 L、250 モル)を1.5 時間に亘って滴下
した。この間反応器の内温が80℃を越えないようにし
た。次に撹拌を続けながら反応混合物を3時間かけて60
℃に冷却した。次に、反応混合物を98℃に昇温し、98℃
で0.5 時間反応させた。その後、反応混合物を冷却し縮
合生成物(縮合生成物No. 3)のアルカリ性溶液を得
た。縮合生成物No. 3の重量平均分子量は1500であっ
た。
ル付着防止剤を製造した。耐圧反応器に1−ナフトール
250 モル(36.0kg)と1規定NaOH水溶液(NaOH 180モル、
7.2kg 含有) 180 Lを仕込み、撹拌しながら、70℃に昇
温した。次に、反応混合物にホルムアルデヒド(38w/v
%水溶液19.75 L、250 モル)を1.5 時間に亘って滴下
した。この間反応器の内温が80℃を越えないようにし
た。次に撹拌を続けながら反応混合物を3時間かけて60
℃に冷却した。次に、反応混合物を98℃に昇温し、98℃
で0.5 時間反応させた。その後、反応混合物を冷却し縮
合生成物(縮合生成物No. 3)のアルカリ性溶液を得
た。縮合生成物No. 3の重量平均分子量は1500であっ
た。
【0166】製造例4(縮合生成物No.4の製造)
特開昭57-192413 の塗布化合物の合成2を参照して重合
体スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器にピロガ
ロール100 モル(12.6kg)及び水100 Lを仕込み、ピロガ
ロールを水に溶解させた。次に、得られた溶液にベンズ
アルデヒド 200モル(21.2kg)及びりん酸 300モル(29.4k
g)を加え、それらの混合物を100 ℃で6時間反応させた
ところ、水に不溶な赤褐色の生成物が得られた。この水
不溶性生成物をエーテルで洗浄後、該水不溶性生成物中
からメタノールでメタノール可溶性成分を抽出し、次に
抽出液からメタノールを乾燥により除去して残渣として
縮合生成物No. 4(ピロガロール−ベンズアルデヒド縮
合物)を得た。縮合生成物No. 4の重量平均分子量は40
00であった。
体スケール付着防止剤を製造した。耐圧反応器にピロガ
ロール100 モル(12.6kg)及び水100 Lを仕込み、ピロガ
ロールを水に溶解させた。次に、得られた溶液にベンズ
アルデヒド 200モル(21.2kg)及びりん酸 300モル(29.4k
g)を加え、それらの混合物を100 ℃で6時間反応させた
ところ、水に不溶な赤褐色の生成物が得られた。この水
不溶性生成物をエーテルで洗浄後、該水不溶性生成物中
からメタノールでメタノール可溶性成分を抽出し、次に
抽出液からメタノールを乾燥により除去して残渣として
縮合生成物No. 4(ピロガロール−ベンズアルデヒド縮
合物)を得た。縮合生成物No. 4の重量平均分子量は40
00であった。
【0167】製造例5(縮合生成物No.5の製造)
特公昭59-16561の製造例Iを参照して、重合体スケール
付着防止剤を製造した。耐圧反応器にm−フェニレンジ
アミン100 モル(10.8kg)、レゾルシノール200モル(22.0
kg)及び触媒として35%塩酸1.04kg(HClとして10モル)
を仕込み、305℃に昇温した。反応容器内の混合物が305
℃に達したら、直ちに冷却した。昇温及び反応の過程
で生成した水蒸気は除去し、内圧は150kPa以下に保っ
た。冷却後、得られたm−フェニレンジアミン−レゾル
シノール縮合物を粉砕して縮合生成物No. 5を得た。縮
合生成物No. 5の重量平均分子量は3000でたった。
付着防止剤を製造した。耐圧反応器にm−フェニレンジ
アミン100 モル(10.8kg)、レゾルシノール200モル(22.0
kg)及び触媒として35%塩酸1.04kg(HClとして10モル)
を仕込み、305℃に昇温した。反応容器内の混合物が305
℃に達したら、直ちに冷却した。昇温及び反応の過程
で生成した水蒸気は除去し、内圧は150kPa以下に保っ
た。冷却後、得られたm−フェニレンジアミン−レゾル
シノール縮合物を粉砕して縮合生成物No. 5を得た。縮
合生成物No. 5の重量平均分子量は3000でたった。
【0168】製造例6(縮合生成物No.6の製造)
特公昭59-16561の製造例VIを参照して、重合体スケール
付着防止剤を製造した。耐圧反応器にp−アミノフェノ
ール100 モル(10.9kg)及び30%塩酸0.99kg(HClとして9.
5 モル) を仕込み、169 ℃に昇温した。169 ℃に達した
ら、キシレン18Lを徐々に添加した。キシレンの添加目
的は縮合反応中に生成する水を共沸混合物として除去す
るためである。次に、反応混合物を222 ℃に昇温し、22
2 ℃で3時間反応させた。反応中に発生するキシレンと
水との混合蒸気を除去し、内圧は150KPa以下に保った。
3時間の反応後、反応混合物を冷却した。得られた反応
生成物は固体であった。次に、該反応生成物を粉砕し微
粒状態にした後、水で洗浄し、ろ過し、そして乾燥して
縮合生成物No. 6を得た。縮合生成物No. 6の重量平均
分子量は2500であった。
付着防止剤を製造した。耐圧反応器にp−アミノフェノ
ール100 モル(10.9kg)及び30%塩酸0.99kg(HClとして9.
5 モル) を仕込み、169 ℃に昇温した。169 ℃に達した
ら、キシレン18Lを徐々に添加した。キシレンの添加目
的は縮合反応中に生成する水を共沸混合物として除去す
るためである。次に、反応混合物を222 ℃に昇温し、22
2 ℃で3時間反応させた。反応中に発生するキシレンと
水との混合蒸気を除去し、内圧は150KPa以下に保った。
3時間の反応後、反応混合物を冷却した。得られた反応
生成物は固体であった。次に、該反応生成物を粉砕し微
粒状態にした後、水で洗浄し、ろ過し、そして乾燥して
縮合生成物No. 6を得た。縮合生成物No. 6の重量平均
分子量は2500であった。
【0169】製造例7(縮合生成物No.7の製造)
特開昭54-7487 の実施例1を参照して、重合体スケール
付着防止剤を製造した。反応器にレゾルシノール200 モ
ル(22.0kg)を仕込み、窒素雰囲気下で加熱した。レゾル
シノールを300 ℃に昇温し、300 ℃で8時間反応させた
後、冷却した。得られた固体状の自己縮合レゾルシノー
ルを粉砕して縮合生成物No. 7を得た。縮合生成物No.
7の重量平均分子量は1700であった。
付着防止剤を製造した。反応器にレゾルシノール200 モ
ル(22.0kg)を仕込み、窒素雰囲気下で加熱した。レゾル
シノールを300 ℃に昇温し、300 ℃で8時間反応させた
後、冷却した。得られた固体状の自己縮合レゾルシノー
ルを粉砕して縮合生成物No. 7を得た。縮合生成物No.
7の重量平均分子量は1700であった。
【0170】塗布液の調製
表1に示す縮合生成物No.1〜7の一つ〔成分(a
)〕及びポリアルキレンオキサイド〔成分(b )〕
を、それぞれ同表に示す溶媒に溶解又は分散させた。な
お、塗布液No.1*では、成分(a )を使用せずに、
また、塗布液No.2*では、成分(b )を使用せず
に、塗布液を調製した。次いで、成分(a )と成分(b
)とを、同表に示す重量比となるように混合した。さ
らに、場合により、無機コロイド〔成分(c )〕を表1
に示す濃度で調製し、同表に示す配合比(固形分換算)
となるように添加した。こうして、No.1*〜5*並
びにNo.6〜19の塗布液を調整した。なお、塗布液N
o.に*を付したものは、本発明の条件を満たさないも
のであり、後述の比較例に供したものである。
)〕及びポリアルキレンオキサイド〔成分(b )〕
を、それぞれ同表に示す溶媒に溶解又は分散させた。な
お、塗布液No.1*では、成分(a )を使用せずに、
また、塗布液No.2*では、成分(b )を使用せず
に、塗布液を調製した。次いで、成分(a )と成分(b
)とを、同表に示す重量比となるように混合した。さ
らに、場合により、無機コロイド〔成分(c )〕を表1
に示す濃度で調製し、同表に示す配合比(固形分換算)
となるように添加した。こうして、No.1*〜5*並
びにNo.6〜19の塗布液を調整した。なお、塗布液N
o.に*を付したものは、本発明の条件を満たさないも
のであり、後述の比較例に供したものである。
【0171】
【表1】
【0172】実施例1
各実験において、内容積1000Lの攪拌機付ステンレス製
重合器の内壁、攪拌機、単量体が接触するその他の部分
に表2に示す塗布液を塗布し、50℃の温度で15分間加
熱、乾燥後、水洗して塗膜を形成した。しかし、比較例
である実験No.101* では、塗膜の形成処理を行わなかっ
た。
重合器の内壁、攪拌機、単量体が接触するその他の部分
に表2に示す塗布液を塗布し、50℃の温度で15分間加
熱、乾燥後、水洗して塗膜を形成した。しかし、比較例
である実験No.101* では、塗膜の形成処理を行わなかっ
た。
【0173】このようにして塗膜を形成した重合器内に
水420 kg、けん化度90モル%部分けん化ポリビニル
アルコール320 g、スチレン180 kg及び過酸化ベンゾ
イル1.7 kgを仕込み、攪拌しながら内温80℃で8時間
重合させた。重合終了後、下記の測定方法により重合体
スケール付着量(g/m2 )を測定した。結果を表2に
示す。なお、実験No. に*を付したものは、本発明の条
件を満たさない比較例である。
水420 kg、けん化度90モル%部分けん化ポリビニル
アルコール320 g、スチレン180 kg及び過酸化ベンゾ
イル1.7 kgを仕込み、攪拌しながら内温80℃で8時間
重合させた。重合終了後、下記の測定方法により重合体
スケール付着量(g/m2 )を測定した。結果を表2に
示す。なお、実験No. に*を付したものは、本発明の条
件を満たさない比較例である。
【0174】重合体スケール付着量の測定方法:10cm四
方の面積に付着した重合体スケールを肉眼で確認するこ
とができる限りすべてステンレス製のへらで掻き落とし
て計量した後、該計量値を 100倍して1m2 当たりの重
合体スケール付着量を求めた。
方の面積に付着した重合体スケールを肉眼で確認するこ
とができる限りすべてステンレス製のへらで掻き落とし
て計量した後、該計量値を 100倍して1m2 当たりの重
合体スケール付着量を求めた。
【0175】
【表2】
【0176】実施例2
各実験において、表3に示す塗布液を用いた以外は、実
施例1と同様の重合器及び操作により、塗膜を形成し
た。しかし、比較例である実験No.201* では塗膜の形成
処理を行わなかった。この重合器内に水210 kgを仕込
み、窒素で置換した。次に、重合器の内温が75℃になる
ように昇温を始め、途中、内温が65℃の時に、ラウリル
ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム700 g、ス
チレン8kg、アクリル酸ブチル5.3 kg及び水4kg
を加えた。さらに、内温が75℃になった時に、過硫酸カ
リウム120 g、亜硫酸水素ナトリウム120 g及び水6k
gを加えた。次いで、発熱ピークが過ぎた時に、ラウリ
ルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム12.5k
g、過硫酸カリウム480 g、亜硫酸水素ナトリウム480
g、スチレン152 kg、アクリル酸ブチル100 kg及び
水100 kgの混合物を3時間かけて添加した。添加終了
後、さらに1時間保持した。重合終了後、重合器内を水
洗し、実施例1と同様の操作で、重合体スケール付着量
(g/m2 )を測定した。その結果を表3に示す。
施例1と同様の重合器及び操作により、塗膜を形成し
た。しかし、比較例である実験No.201* では塗膜の形成
処理を行わなかった。この重合器内に水210 kgを仕込
み、窒素で置換した。次に、重合器の内温が75℃になる
ように昇温を始め、途中、内温が65℃の時に、ラウリル
ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム700 g、ス
チレン8kg、アクリル酸ブチル5.3 kg及び水4kg
を加えた。さらに、内温が75℃になった時に、過硫酸カ
リウム120 g、亜硫酸水素ナトリウム120 g及び水6k
gを加えた。次いで、発熱ピークが過ぎた時に、ラウリ
ルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム12.5k
g、過硫酸カリウム480 g、亜硫酸水素ナトリウム480
g、スチレン152 kg、アクリル酸ブチル100 kg及び
水100 kgの混合物を3時間かけて添加した。添加終了
後、さらに1時間保持した。重合終了後、重合器内を水
洗し、実施例1と同様の操作で、重合体スケール付着量
(g/m2 )を測定した。その結果を表3に示す。
【0177】
【表3】
【0178】実施例3
各実験において、表4に示す塗布液を用いた以外は、実
施例1と同様の重合器及び操作により、塗膜を形成し
た。しかし、比較例である実験No.301* では塗膜の形成
処理を行わなかった。この重合器内に水400 kg、塩化
ビニル単量体200kg、けん化度80モル%の部分けん
化ポリビニルアルコール250 g、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース25g及びジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート75gを仕込み、攪拌しながら57℃で6時間重
合した。重合終了後、水洗した。この操作を1バッチと
し、塗膜の形成処理をせずに連続して50バッチ重合を
繰り返した。ただし、実験No.301 及び302 では、1
バッチのみ重合した。重合終了後、重合器内を水洗し、
実施例1と同様の操作で、重合体スケール付着量(g/
m2 )を測定した。その結果を表4に示す。
施例1と同様の重合器及び操作により、塗膜を形成し
た。しかし、比較例である実験No.301* では塗膜の形成
処理を行わなかった。この重合器内に水400 kg、塩化
ビニル単量体200kg、けん化度80モル%の部分けん
化ポリビニルアルコール250 g、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース25g及びジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート75gを仕込み、攪拌しながら57℃で6時間重
合した。重合終了後、水洗した。この操作を1バッチと
し、塗膜の形成処理をせずに連続して50バッチ重合を
繰り返した。ただし、実験No.301 及び302 では、1
バッチのみ重合した。重合終了後、重合器内を水洗し、
実施例1と同様の操作で、重合体スケール付着量(g/
m2 )を測定した。その結果を表4に示す。
【0179】
【表4】
【0180】
【発明の効果】本発明によれば、重合器の内壁、攪拌機
等のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体が接触す
る部分における重合体スケールの付着を効果的に防止す
ることができる。特に、従来の重合体スケール付着防止
剤の塗膜に対する溶解能が大きいために、重合体スケー
ルの付着の防止が困難であったスチレン、アクリル酸エ
ステル、アクリロニトリル等の単量体の重合でもスケー
ルの付着を効果的に防止することができる。
等のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体が接触す
る部分における重合体スケールの付着を効果的に防止す
ることができる。特に、従来の重合体スケール付着防止
剤の塗膜に対する溶解能が大きいために、重合体スケー
ルの付着の防止が困難であったスチレン、アクリル酸エ
ステル、アクリロニトリル等の単量体の重合でもスケー
ルの付着を効果的に防止することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−263804(JP,A)
特開 平4−351604(JP,A)
特開 昭51−90382(JP,A)
特開 昭60−1264(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08F 2/00 - 2/60
Claims (3)
- 【請求項1】(a)共役π結合を8個以上有し、分子量
が1000以上の芳香族化合物、及び(b)重量平均分子量
が2000以上のポリアルキレンオキサイドを含有し、
(a)成分と(b)成分との重量比が100/500 〜100/1
である、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重
合用の重合体スケール付着防止剤。 - 【請求項2】 さらに無機コロイドを含有する、請求項
1記載の重合体スケール付着防止剤。 - 【請求項3】 エチレン性不飽和二重結合を有する単量
体を内壁面に重合体スケール付着防止性塗膜を有する重
合器内において重合する工程を有する重合体の製造方法
において、前記の塗膜が請求項1又は2に記載の重合体
スケール付着防止剤からなることを特徴とする重合体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24713696A JP3391989B2 (ja) | 1995-09-01 | 1996-08-29 | 重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24863895 | 1995-09-01 | ||
JP7-248638 | 1995-09-01 | ||
JP24713696A JP3391989B2 (ja) | 1995-09-01 | 1996-08-29 | 重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09124709A JPH09124709A (ja) | 1997-05-13 |
JP3391989B2 true JP3391989B2 (ja) | 2003-03-31 |
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ID=26538069
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24713696A Expired - Fee Related JP3391989B2 (ja) | 1995-09-01 | 1996-08-29 | 重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3391989B2 (ja) |
-
1996
- 1996-08-29 JP JP24713696A patent/JP3391989B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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