JPH05230108A - 重合体スケール付着防止剤、重合体スケールの付着防止に有効な重合器及びそれを利用する重合体の製造方法 - Google Patents

重合体スケール付着防止剤、重合体スケールの付着防止に有効な重合器及びそれを利用する重合体の製造方法

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JPH05230108A
JPH05230108A JP30757992A JP30757992A JPH05230108A JP H05230108 A JPH05230108 A JP H05230108A JP 30757992 A JP30757992 A JP 30757992A JP 30757992 A JP30757992 A JP 30757992A JP H05230108 A JPH05230108 A JP H05230108A
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polymer
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polymer scale
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JP30757992A
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Toshihide Shimizu
敏秀 清水
Mikio Watanabe
幹雄 渡辺
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A) 芳香族アミン化合物と、(B) 芳香族ニト
ロ化合物とを有機溶媒系媒体中で縮合することにより得
られる縮合生成物を含有する、エチレン性二重結合を有
する単量体の重合用の重合体スケール付着防止剤。内壁
面に前記縮合生成物からなる塗膜を有する重合器、及び
該重合器を利用する重合体製造方法。 【効果】 重合器内の液相部ばかりでなく気相部と液相
部との界面付近においても効果的に重合体スケールの付
着を防止することができるので、本発明を適用して重合
を行った場合には、重合体スケールの除去作業を、重合
ごとに行う必要がなく、それによって生産性が向上す
る。また、得られる重合体をシート等に成形した場合、
フィッシュアイが極めて少なく、初期着色性が良好な成
形物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン性二重結合を
有する単量体の重合用の重合体スケール付着防止剤、重
合体スケールの付着防止に有効な重合器及びそれを利用
する重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エチレン性二重結合を有する単量
体の重合方法としては、懸濁重合法、乳化重合法、溶液
重合法、気相重合法あるいは塊状重合法等が知られてい
る。これらの重合法においては、いずれの場合にも重合
器内壁、撹拌装置等の単量体が接触する部位に重合体ス
ケールの付着が起こり易い。
【0003】重合体スケールが付着すると、重合体の収
率、重合器冷却能力等が低下するほか、この重合体スケ
ールが剥離して製品中に混入し、製品の品位を低下させ
るという不利がもたらされ、また、付着した重合体スケ
ールを除去するためには、過大な労力と時間を要するの
みならず、この重合体スケール中に未反応の単量体が含
まれているので、近年きわめて重大な問題となっている
単量体による人体障害の危険性がある。
【0004】従来からこのような重合器内壁等への重合
体スケールの付着防止に関して、例えば塩化ビニルの懸
濁重合において一部実施されているように、アミン化合
物、キノン化合物、アルデヒド化合物等の極性有機化合
物からなる重合体スケール付着防止剤を塗布する方法、
又はそれらの化合物を水性媒体中に添加する方法が公知
である(特公昭45−30343 号)。しかし、これらの方法
は5〜6バッチ程度までの重合の繰り返しには重合体ス
ケール付着防止効果を示すが、重合バッチ数がそれより
も多くなると防止効果がなくなってくる(持続性に劣
る)という不利がある。この点は、水溶性触媒を使用し
た場合に特に影響が著しく、工業的には満足できるもの
ではなかった。
【0005】この不利を克服すべく、特公昭60−30681
号公報において、芳香族アミン化合物と芳香族ニトロ化
合物との縮合生成物が提案されている。この芳香族アミ
ン化合物と芳香族ニトロ化合物との縮合生成物は、鉱酸
中で縮合されたものであり、この縮合生成物の塗膜を重
合器内壁面等の単量体が接触する部分に形成すると、10
0〜200 バッチ程度まで重合を繰り返し行っても、重合
器内液相部への重合体スケール付着は生じない。また、
水溶性触媒を使用した場合においても同様に液相部での
重合体スケール付着は防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の特公昭
60−30681 号公報に開示の縮合生成物の塗膜を重合器内
壁面等に形成しても、重合器内の上層部に位置する気相
部と液相部との界面付近には重合体スケールが付着する
という欠点があった。気相部と液相部との界面付近に一
旦重合体スケールが付着すると、重合を繰り返していく
にしたがって付着した重合体スケールが徐々に成長して
いき、ついには剥離して、重合体中に混入することがあ
る。このように重合体スケールが重合体に混入すると、
その重合体をシート等の成形物に加工したとき、その成
形物に多くのフィッシュアイが発生し、成形物の品質が
著しく低下してしまうことになる。
【0007】また、重合により得られる重合体には高い
白色性が求められる。即ち、重合体を着色剤を何ら添加
せずにシート等に成形しても、得られる成形物は多少着
色される。この着色は初期着色と称され、できる限り少
ないことが望まれる。ところが、前記の芳香族アミン化
合物と芳香族ニトロ化合物の縮合生成物からなる塗膜
は、剥離ないしは溶解して重合体に混入することがある
ため、成形物の白色度が低下、即ち初期着色性が悪化し
易い。
【0008】本発明の目的は、エチレン性二重結合を有
する単量体を重合する際に、重合器内の液相部ばかりで
なく気相部と液相部との界面付近においても効果的に重
合体スケールの付着を防止することができる上、シート
等に成形した場合、フィッシュアイが極めて少なく、か
つ、初期着色性が良好である成形物が得られる重合体を
製造することができる重合体スケール付着防止剤、該防
止剤を利用する重合器及び重合体の製造方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、上記目
的を達成するものとして、(A) 芳香族アミン化合物と、
(B) 芳香族ニトロ化合物とを有機溶媒系媒体中で縮合す
ることにより得られる縮合生成物を含有する、エチレン
性二重結合を有する単量体の重合用の重合体スケール付
着防止剤を提供する。また、本発明は、エチレン性二重
結合を有する単量体の重合用重合器であって、内壁面
に、(A) 芳香族アミン化合物と、(B) 芳香族ニトロ化合
物とを有機溶媒系媒体中で縮合することにより得られる
縮合生成物を含有する塗膜を有する重合器を提供する。
更に、本発明は、エチレン性二重結合を有する単量体の
重合器内における重合による重合体の製造方法であっ
て、内壁面に、(A) 芳香族アミン化合物と、(B) 芳香族
ニトロ化合物とを有機溶媒系媒体中で縮合することによ
り得られる縮合生成物を含有する塗膜を有する重合器
で、前記重合を行う工程を有し、これにより重合体スケ
ールの付着が防止される製造方法を提供する。
【0010】(A) 芳香族アミン化合物 芳香族アミン化合物(A) は、例えば下記のような一般式
(1)〜(3) で表される化合物である。
【化1】 (ここで、R1 は−H,−NH2 ,−Cl,−OH,−NO2
−COCH3 ,− OCH3 ,−N(CH3 ) 2 又は炭素原子数1〜
3のアルキル基を表し、R2 は、−H,−NH2 ,−OH,
−CH3 ,−COOH,−SO3 H を表す。)具体的には、アニ
リン、オルソ,メタもしくはパラ−フェニレンジアミ
ン、オルソ,メタもしくはパラ−アミノフェノール、オ
ルソ,メタもしくはパラ−クロロアニリン、オルソ,メ
タもしくはパラ−ニトロアニリン、オルソ,メタもしく
はパラ−メチルアニリン、 N,N−ジメチルパラフェニレ
ンジアミン、4−クロロ−オルソフェニレンジアミン、
4−メトキシオルソフェニレンジアミン、2−アミノ−
4−クロロフェノール、 2,3−ジアミノトルエン、5−
ニトロ−2−アミノフェノール、2−ニトロ−4−アミ
ノフェノール、4−ニトロ−2−アミノフェノール、オ
ルソ,メタもくしはパラ−アミノサルチル酸等が例示さ
れる。これらの中で好ましいものは、オルソ,メタもし
くはパラ−アミノフェノール、5−ニトロ−2−アミノ
フェノール、2−ニトロ−4−アミノフェノール、4−
ニトロ−2−アミノフェノール及びオルソ,メタもしく
はパラ−アミノサリチル酸である。
【0011】
【化2】 (ここで、二つのR1 は、同一でも異なってもよく、前
記のとおりであり、二つのR2 も同一でも異なってもよ
く、前記のとおりである。)具体的には、4−アミノジ
フェニルアミン、2−アミノジフェニルアミン、 4,4′
−ジアミノジフェニルアミン、4−アミノ−3′−メト
キシジフェニルアミン、4−アミノ−4′−ヒドロキシ
ジフェニルアミン等が例示される。これらの中で好まし
いものは、4−アミノジフェニルアミン、2−アミノジ
フェニルアミン、 4,4′−ジアミノジフェニルアミンで
ある。
【0012】
【化3】 (ここで、二つのR1 は、同一でも異なってもよく、前
記のとおりであり、R2も前記のとおりである。〕具体
的には、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、
1,5−ジアミノナフタリン、1−アミノ−5−ヒドロキ
シナフタリン、 1,8−ジアミノナフタリン、2,3−ジア
ミノナフタリン等が例示される。これらの中で好ましい
ものは、α−ナフチルアミン、 1,5−ジアミノナフタリ
ン、 1,8−ジアミノナフタリン、 2,3−ジアミノナフタ
リンである。上記の芳香族アミン化合物は、単独でも2
種以上の組合せであっても使用可能である。
【0013】(B) 芳香族ニトロ化合物 芳香族ニトロ化合物(B) は、例えば下記のような一般式
(4) で表される化合物である。
【化4】 (ここで、R3 は−H,−Cl,−OH,− OCH3 ,−OC2
H 5 ,−COOH,又は−SO3 H を表す。)具体的には、ニ
トロベンゼン、オルソ,メタもしくはパラ−オキシニト
ロベンゼン、オルソ,メタもしくはパラ−ニトロアニソ
ール、オルソ,メタもしくはパラ−クロロニトロベンゼ
ン、オルソ,メタもしくはパラ−ニトロ安息香酸、オル
ソ,メタもしくはパラ−ニトロベンゼンスルホン酸等が
例示される。
【0014】縮合反応 前記した芳香族アミン化合物(A) と芳香族ニトロ化合物
(B) の縮合生成物は、有機溶媒系媒体中で、必要に応じ
て触媒存在下、通常、室温〜200 ℃で、 0.5〜150 時
間、好ましくは室温〜150 ℃で3〜50時間で反応させる
ことにより製造される。尚、芳香族ニトロ化合物が縮合
触媒としても作用するので、特に他の縮合触媒を添加す
る必要はない。
【0015】他の縮合触媒を添加する場合に使用可能な
縮合触媒としては、例えばα,α′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、α,α′−アゾビス− 2,4−ジメチルバレ
ロニトリル等のアゾ化合物、ヨウ素、臭素、塩素等の元
素ないし分子状の単体ハロゲン、過酸化水素、過酸化ナ
トリウム、ベンゾイルパーオキサイド、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酢酸、キュメンハイドロパ
ーオキサイド、過安息香酸、p−メンタンハイドロパー
オキサイド等の過酸化物、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過ヨ
ウ素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等の酸素酸あるい
は酸素酸塩等が挙げられる。
【0016】上記の縮合反応の媒体として使用する有機
溶媒系媒体とは、有機溶媒、又は水と混和性を有する有
機溶媒と水との混合溶媒をいう。混合溶媒を使用する場
合には、該混合溶媒中の有機溶媒の含有割合を20重量%
以上とすることが好ましく、更に、50重量%以上とする
ことが好ましい。有機溶媒としては、例えば、アルコー
ル類、ケトン類、エステル類等が挙げられ、その中でも
水と混和性を有する有機溶媒としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類及び酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類が挙げられる。
【0017】上記有機溶媒系媒体のpHは、通常1〜13
の範囲であり、pH調整剤は特に制約なく使用すること
ができる。
【0018】縮合生成物は、芳香族アミン化合物、芳香
族ニトロ化合物の種類、組成比及び反応温度、反応時間
に影響されるが、本発明においては、芳香族アミン化合
物(A) 1重量部当たり、芳香族ニトロ化合物(B) を0.01
〜1.50重量部とすることが好ましく、更に、 0.1〜0.7
重量部とすることが好ましい。芳香族ニトロ化合物(B)
が多すぎても少なすぎても得られる縮合生成物の重合体
スケール付着防止効果が低下する。
【0019】また、前記した(A) 芳香族アミン化合物と
(B) 芳香族ニトロ化合物の縮合に際し、更に、(C) 芳香
族ヒドロキシ化合物を添加すると、より重合体スケール
付着防止効果を向上させることができる縮合生成物が得
られる。また、そのような縮合生成物を含有する重合体
スケール付着防止剤を使用して重合を行うことにより、
得られる重合体をシート等に成形した場合の成形物の初
期着色性がより良好なものとなる。
【0020】(C) 芳香族ヒドロキシ化合物 芳香族ヒドロキシ化合物(C) は、例えば下記のような一
般式 (5)〜(6) で表される化合物である。
【化5】 (ここで、R4 は、−H,−Cl,−OH,−COCH3 ,− O
CH3 ,−COOH,−SO3 H又は炭素数1〜3のアルキル基
を表し、R5 は、−H,−Cl,−OH,− OCH3 ,−OC2
H 5 又は−COOHを表す。)具体的には、フェノール、ヒ
ドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキシ
ヒドロキノン、ピロガロール、オルソ、メタ、もしくは
パラ−クロロフェノール、オルソ、メタ、もしくはパラ
−ヒドロキシ安息香酸、 2,4−ジヒドロキシ安息香酸、
2,5−ジヒドロキシ安息香酸、 2,6−ジヒドロキシ安息
香酸、 3,4−ジヒドロキシ安息香酸、 3,5−ジヒドロキ
シ安息香酸、 2,5−、 2,6−もしくは 3,5−ジヒドロキ
シトルエン等のフェノール類が例示される。これらの中
で好ましいものは、ヒドロキノン、レゾルシノール、カ
テコール、ヒドロキシヒドロキノン、オルソ,メタもし
くはパラ−ヒドロキシ安息香酸、ピロガロールである。
【0021】
【化6】 (ここで、二つのR4 は同一でも異なってもよく、前記
のとおりであり、R5 も前記のとおりである。〕具体的
には、α−ナフトール、β−ナフトール、 1,3−、 1,4
−、 1,5−、 2,3−, 2,6−もしくは 2,7−ジヒドロキ
シナフタリン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトール類が例示さ
れる。これらの中で好ましいものは、α−ナフトール、
β−ナフトール、 1,3−もしくは2,7−ジヒドロキシナ
フタリンである。上記の芳香族ヒドロキシ化合物は、単
独でも2種以上の組合せであっても使用可能である。
【0022】芳香族ヒドロキシ化合物(C) は、 (A)成分
と (B)成分との縮合反応を開始させる前に添加すること
もできるが、 (A)成分と (B)成分との縮合反応を開始さ
せた後に添加するのが好ましく、更に、 (A)成分と (B)
成分との縮合生成物析出直前、即ち、 (A)成分及び (B)
成分の種類、反応速度等により異なるが、 (A)成分及び
(B)成分の縮合反応転化率が50〜99重量%に達したと
き、特に、70〜95重量%に達したときに添加するのが好
ましい。また、 (C)成分の添加後、通常、2〜50時間反
応を行う。ここで、縮合反応転化率とは、 (A)成分及び
(B)成分(単量体として)の合計仕込み量に対する、仕
込まれた (A)成分及び (B)成分の中の縮合反応により消
失した量の割合である。即ち、 (A)成分及び (B)成分
(単量体として)の合計仕込み量をa重量部とし、 (A)
成分と (B)成分との縮合反応開始後の未反応の (A)成分
及び (B)成分の合計量をb重量部とすると、縮合反応に
より消失した量は(a−b)重量部であるから、縮合反
応転化率は、下記式により求められる。 縮合反応転化率(重量%)={(a−b)/a}× 100
【0023】(A)成分と (B)成分との縮合反応転化率が5
0〜99重量%に達するのに要する時間は、 (A)成分及び
(B)成分の種類等により異なるが、通常、縮合反応開始
から0.2〜100 時間である。(A)成分、 (B)成分及び (C)
成分の縮合反応全体に要する時間は、芳香族アミン化合
物(A) 、芳香族ニトロ化合物(B) 、芳香族ヒドロキシ化
合物(C) 等の種類、反応温度、芳香族ヒドロキシ化合物
の添加の時期等により異なるが、通常、室温〜200 ℃で
0.5〜200 時間であり、好ましくは、室温〜150 ℃で5
〜100 時間である。
【0024】芳香族ヒドロキシ化合物(C) の添加量は、
芳香族アミン化合物、芳香族ニトロ化合物及び芳香族ヒ
ドロキシ化合物の種類、組成比、反応温度、反応時間等
に影響されるが、本発明においては、芳香族アミン化合
物(A) 1重量部当たり、芳香族ヒドロキシ化合物(C) を
0.05〜20重量部とすることが好ましく、更に、 0.1〜10
重量部とすることが好ましい。芳香族ヒドロキシ化合物
(C) の添加量が少なすぎると、初期着色性をあまり向上
させることができず、芳香族ヒドロキシ化合物(C) の添
加量が多すぎると、重合体スケール付着防止効果が低下
する。
【0025】本発明の重合体スケール付着防止剤の有効
成分である上記縮合生成物の中で好ましいものは、 (I) (A)成分として前記一般式(1) で表される芳香族ア
ミン化合物を使用し、(C)成分として前記一般式(6) で
表される芳香族ヒドロキシ化合物を使用することにより
得られる縮合生成物; (II) (A)成分として前記一般式(2) で表される芳香族ア
ミン化合物を使用し、(C)成分として前記一般式(5) で
表される芳香族ヒドロキシ化合物を使用することにより
得られる縮合生成物; (III) (A)成分として前記一般式(2) で表される芳香族
アミン化合物を使用し、 (C)成分として前記一般式(6)
で表される芳香族ヒドロキシ化合物を使用することによ
り得られる縮合生成物; (IV) (A)成分として前記一般式(2) で表される芳香族ア
ミン化合物を使用し、(C)成分として前記一般式(5) で
表される芳香族ヒドロキシ化合物及び前記一般式(6) で
表される芳香族ヒドロキシ化合物を併用することにより
得られる縮合生成物; (V) (A)成分として前記一般式(3) で表される芳香族ア
ミン化合物を使用し、(C)成分として前記一般式(5) で
表される芳香族ヒドロキシ化合物を縮合成分として使用
した縮合生成物;及び (VI) (A)成分として前記一般式(2) で表される芳香族ア
ミン化合物及び前記一般式(3) で表される芳香族アミン
化合物を併用し、 (C)成分として前記一般式(5) で表さ
れる芳香族ヒドロキシ化合物を使用した縮合生成物であ
る(尚、 (I)〜(VI)の縮合生成物において、 (B)成分は
全て前記一般式(4)で表される芳香族ニトロ化合物であ
る。)。これらの中で特に好ましいものは、(II)、 (V)
及び(VI)の縮合生成物である。
【0026】前記の (A)成分と (B)成分の縮合生成物を
有効成分とする本発明の重合体スケール付着防止剤は、
例えば、重合器内壁面などに塗膜として形成されること
によって、重合器内壁面などへの重合体スケール付着を
防止するものである。通常、前記塗膜を重合器内壁面な
どに形成する場合には、溶液又は分散液の状態で、即ち
塗布液として使用される。
【0027】塗布液の調製 上記のような塗布液は、例えば、 (A)成分と (B)成分と
の縮合反応を行った縮合生成物含有溶液に、必要に応じ
て下記の溶媒を添加して調製すればよい。また、前記縮
合生成物含有溶液の溶媒を除去後、粉砕して下記の溶媒
を添加したり、縮合生成物含有溶液を冷水に投入して縮
合生成物を沈殿させた後、その沈殿物を濾別、乾燥した
ものに下記の溶媒を添加することにより調製してもよ
い。
【0028】塗布液の調製に使用する溶媒としては、例
えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノ
ール、2−メチル−プロパノール、3−メチル−1−ブ
タノール、2−メチル−2−ブタノール、2−ペンタノ
ール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;ギ酸
メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト
酢酸メチル等のエステル系溶剤;4−メチルジオキソラ
ン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル
系溶剤;フラン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトニトリル等の非プロトン系溶剤等が
挙げられる。これらは適宜単独で又は二種以上の混合溶
媒として使用される。
【0029】上記溶媒の中で好ましいものは、水、及び
水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶媒である。
上記した有機溶媒の中で水と混和性を有する有機溶媒と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール等のア
ルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶
剤が挙げられる。水と混和性を有する有機溶媒と水との
混合溶媒を使用する場合の有機溶媒の含有量は、引火、
爆発等の危険がなく、毒性等の取扱上の安全の問題がな
い量とするのが好ましく、具体的には、有機溶媒が50重
量%以下であるこのが好ましく、更に、30重量%以下で
あることが好ましい。
【0030】塗布液のpHを調整する際に使用するpH
調整剤は、特に制約なく使用することができる。pH調
整剤としては、例えば、リン酸、過塩素酸、硫酸、塩
酸、硝酸、フィチン酸、酢酸、パラトルエンスルホン
酸、タンニン酸等の酸性化合物、及びLiOH、NaOH、KOH
、Na2 CO3 、Na2 HPO 4 、Na2 SiO 3 、NH4 OH等のア
ルカリ金属化合物或いはアンモニア化合物、エチレンジ
アミン、テトラメチレンジアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グア
ニジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン等の有機アミン化合物等のアルカリ性化合物が挙げら
れる。また、塗布液の溶媒として、水、又は水と混和性
を有する有機溶媒と水との混合溶媒を使用する場合に
は、塗布液はアルカリ性であることが好ましく、これに
より重合体スケール付着防止効果がより一層向上する。
これは、塗布液をアルカリ性にすることにより、 (A)成
分と (B)成分の縮合生成物の溶媒に対する溶解性が向上
し、塗布液が均一になるためであると推定される。塗布
液は、更に、pH7.5〜13.5であることが好ましく、特
に、pH 8.0〜12.5であることが好ましい。
【0031】塗布液中の (A)成分と (B)成分の縮合生成
物の濃度は、後記の総塗布量が得られる限り、特に制限
されないが、通常 0.001〜15重量%程度、好ましくは0.
01〜5重量%である。
【0032】また、重合体スケール付着防止効果をより
向上させるため、塗布液に、(D) 水溶性高分子化合物及
び/又は(E) コロイドシリカ及びアルカリ金属のケイ酸
塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加するの
が好ましい。より好ましくは、 (D)と (E)を併用する。
これらの添加剤(D) 及び(E) は、恐らく、縮合生成物と
相互作用して、塗布面の親水性を高めたり((D) 水溶性
高分子化合物)、重合器壁への付着を高めたり((E) コ
ロイドシリカ及びアルカリ金属のケイ酸塩からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種)するためであると推定され
る。
【0033】(D) 水溶性高分子化合物 水溶性高分子化合物(D) としては、例えば、ゼラチン、
カゼイン等の両性高分子化合物、ポリアクリル酸、ポリ
スチレンスルホン酸、カルボキシメチルセルロース、ア
ルギン酸、アルギン酸ナトリウム等のアニオン性高分子
化合物、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等
のカチオン性含窒素高分子化合物、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ペクチン等のヒドロキシル基含有高分子化
合物等が挙げられる。上記の水溶性高分子化合物の中で
好ましいものは、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル
酸、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン及びペクチンである。これらの水溶性高分子化合物
の添加量は (A)成分と (B)成分の縮合生成物1重量部当
たり、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜2重量部
である。
【0034】(E) コロイドシリカ及びアルカリ金属のケ
イ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種 コロイドシリカは、水性媒体又は、例えば、メタノー
ル、プロパノール、エチレングリコール等の非水性媒体
からなる分散媒中に二酸化ケイ素(シリカ)の超微粒子
が分散してなるコロイドである。コロイド粒子は一般に
粒径1〜100 mμである。コロイドシリカ、例えば水性
媒体に分散したものは、代表的な製造法として、ケイ酸
ナトリウムの水溶液に塩酸を加えることにより得られる
ことがよく知られているが、これに限られない。上記の
コロイドシリカが得られる限り、いずれの製造方法でも
よい。また、アルカリ金属のケイ酸塩としては、例え
ば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
のメタケイ酸塩( M2 SiO 3 )、オルトケイ酸塩( M4S
iO 4 )、二ケイ酸塩( M2 Si2 O 3 )、三ケイ酸塩(
M3 Si3 O 7 )、セスキケイ酸( M4 Si3 O 10)等(な
お、ここでMはリチウム、ナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属を示す)、並びに水ガラス、が挙げられる。
これらのコロイドシリカ及びアルカリ金属のケイ酸塩か
らなる群から選ばれる少なくとも1種(E) の添加量は
(A)成分と (B)成分の縮合生成物1重量部当たり、通常
0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
【0035】上記の (D)成分と (E)成分を併用する場
合、水溶性高分子化合物とコロイドシリカ、又は水溶性
高分子化合物とアルカリ金属のケイ酸塩の組合せで使用
するのが好ましい。水溶性高分子化合物とコロイドシリ
カの組合せで使用する場合、水溶性高分子化合物 100重
量部に対してコロイドシリカを5〜3000重量部使用する
のが好ましく、更に、50〜1000重量部使用するのが好ま
しい。水溶性高分子化合物とアルカリ金属のケイ酸塩を
使用する場合、水溶性高分子化合物 100重量部に対して
アルカリ金属のケイ酸塩を5〜3000重量部使用するのが
好ましく、更に、50〜1000重量部使用するのが好まし
い。
【0036】また、上記塗布液には、無機コロイドを添
加することも可能である。無機コロイドとしては、例え
ば、アルミニウム、トリウム、チタン、ジルコニウム、
アンチモン、スズ、鉄等の金属酸化物又は水酸化物、タ
ングステン酸、五酸化バナジウム、金又は銀コロイド、
ヨウ化銀ゾル、セレン、イオウ等のコロイドが例示され
る。
【0037】塗膜の形成 上記のようにして調製される塗布液を用いて重合器内壁
面に塗膜を形成するには、まず、塗布液を重合器内壁面
に塗布し、次いで、例えば室温から 100℃までの温度範
囲で充分に乾燥させた後、さらに必要に応じて水洗す
る。また、前記塗膜は、重合器内壁面だけでなく、重合
中に単量体が接触する他の部位にも塗布することが好ま
しい。例えば、撹拌翼、撹拌軸、バッフル、コンデン
サ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナット等が挙げら
れる。さらに好ましくは、前記塗布液は重合中に単量体
が接触する部位以外であっても、重合体スケールが付着
する恐れのある部位、例えば未反応単量体の回収系統の
機器及び配管の内面等には、前記塗膜を形成した方がよ
い。具体的には、モノマー蒸留塔、コンデンサ、モノマ
ー貯蔵タンク、バルブ等の内面が挙げられる。
【0038】なお、塗布液を重合器内壁面に塗布する方
法は、特に限定されず、例えばハケ塗り、スプレー塗
布、塗布液で重合器を満たした後に抜き出す方法等を始
めとして、そのほか特開昭57−61001 号、同55−36288
号、特公昭56−501116号、同56−501117号、特開昭59−
11303 号等に記載の自動塗布方法を用いることもでき
る。
【0039】また、塗布液が塗布されたことにより、濡
れた状態の表面を乾燥する方法も限定されることはな
く、例えば次のような方法を使用することができる。す
なわち、塗布液の塗布後、適当に昇温した温風を塗布面
に当てる方法、あるいは塗布液を塗布すべき重合器内壁
面及びその他の表面を予め、例えば30〜80℃に加熱して
おき、その加熱した表面に塗布液を直接塗布する方法等
を使用することができる。そして塗布面の乾燥後は、そ
の塗布面を必要に応じて水洗する。
【0040】この様にして得られた塗膜は、乾燥後の総
塗布量が、通常、 0.001〜5g/m2、特に0.05〜2g/m2
であることが好ましい。
【0041】以上の塗布作業は、1〜10数バッチの重合
ごとに行えばよい。形成された塗膜は高い耐久性を有
し、重合体スケールの付着防止作用が持続するので、必
ずしも1バッチの重合ごとに行う必要はないため、生産
性が向上する。
【0042】重合 上記のようにして、重合器内壁、及び好ましくはその他
重合中に単量体が接触する部位等に塗布処理を施して塗
膜を形成した後、その重合器内で常法により重合を行
う。すなわち、エチレン性二重結合を有する単量体及び
重合開始剤(触媒)のほか、必要に応じて、水等の重合
媒体、及び懸濁剤、固体分散剤、ノニオン性、アニオン
性乳化剤等の分散剤等を仕込み、次いで、常法により重
合を行う。
【0043】本発明の方法を適用して重合を行うエチレ
ン性二重結合を有する単量体としては、例えば、塩化ビ
ニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル
酸、及びこれらのエステル又は塩;マレイン酸、フマル
酸、及びこれらのエステル又は無水物;ブタジエン、ク
ロロプレン、イソプレン等のジエン系単量体;スチレ
ン、アクリロニトリル、ハロゲン化ビニリデン、ビニル
エーテル等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2
種以上の組合せで用いられる。
【0044】また、本発明の方法が適用される重合の形
式は特に限定されず、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、
塊状重合及び気相重合のいずれの重合形式においても有
効であり、特に、懸濁重合、乳化重合等のように水性媒
体中での重合に、より適する。
【0045】以下、懸濁重合及び乳化重合の場合を例に
挙げて、一般的な重合方法を具体的に説明する。まず、
水及び分散剤を重合器に仕込み、その後、重合開始剤を
仕込む。次に、重合器内を排気して 0.1〜760 mmHgに減
圧した後、単量体を仕込み(この時、重合器の内圧は、
通常 0.5〜30kgf/cm2 ・Gになる)、その後、30〜150
℃の反応温度で重合する。重合中には、必要に応じて、
水、分散剤及び重合開始剤の一種又は二種以上を添加す
る。また、重合時の反応温度は、重合される単量体の種
類によって異なり、例えば、塩化ビニルの重合の場合に
は30〜80℃で重合を行い、スチレンの重合の場合には50
〜150 ℃で重合を行う。重合は重合器の内圧が0〜7kg
f/cm2 ・Gに低下した時に、あるいは重合器外周に装備
されたジャケット内に流入、流出させる冷却水の入口温
度と出口温度との差がほぼなくなった時(すなわち重合
反応による発熱がなくなった時)に、完了したと判断さ
れる。重合の際に仕込まれる水、分散剤及び重合開始剤
は、通常、単量体 100重量部に対して、水20〜500 重量
部、分散剤0.01〜30重量部、重合開始剤0.01〜5重量部
である。
【0046】溶液重合の場合には、重合媒体として水の
代わりに、例えばトルエン、キシレン、ピリジン等の有
機溶媒を使用する。分散剤は必要に応じて用いられる。
その他の重合条件は、一般に懸濁重合及び乳化重合につ
いての重合条件と同様である。塊状重合の場合には、重
合器内を約0.01〜760 mmHgの圧力に排気した後、その重
合器内に単量体及び重合開始剤を仕込み、−10〜250 ℃
の反応温度で重合する。例えば、塩化ビニルの重合の場
合には30〜80℃で、スチレンの重合の場合には50〜150
℃で実施される。
【0047】本発明の重合体スケールの付着防止方法を
適用して重合を行った場合には、重合器内壁面等の材質
にかかわらず重合体スケールの付着を防止することがで
き、例えば、ステンレス製その他のスチール製の重合
器、グラスライニングされた重合器等で重合を行う場合
にも重合体スケールの付着を防止することができる。
【0048】また、重合系に添加されるものは、何ら制
約なく使用することができる。すなわち、例えば、t−
ブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(2−エチル
ヘキシル)パーオキシジカーボネート、 3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキサイド、α−クミルパーオキ
シネオデカノエート、クメンハイドロパーオキサイト、
シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シピバレート、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシ
ジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、 2,4−ジクロルベンゾイルパーオキ
サイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−ア
ゾビス− 2,4−ジメチルバレロニトリル、ベルオキソ二
硫酸カリウム、ベルオキソ二硫酸アンモニウム、p−メ
ンタンハイドロパーオキサイド等の重合開始剤;部分ケ
ン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、酢酸ビニ
ルと無水マレイン酸の共重合体、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン等の天
然又は合成高分子化合物等の懸濁剤;リン酸カルシウ
ム、ヒドロキシアパタイト等の固体分散剤;ソルビタン
モノラウレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル等のノニオン性乳化剤;ラウ
リル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム等のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン性乳化
剤;炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤;三塩基性
硫酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ジブチルすずジラウ
レート、ジオクチルすずメルカプチド等の安定剤;ライ
スワックス、ステアリン酸、セチルアルコール等の滑
剤;DDP:DBP等の可塑剤;t−ドデシルメルカプ
タン等のメルカプタン類、トリクロロエチレン等の連鎖
移動剤;pH調節剤等が存在する重合系においても、本
発明の方法は重合体スケールの付着を効果的に防止する
ことができる。
【0049】なお、本発明の重合体スケール付着防止剤
は、重合器内壁面等への塗膜形成に用いた上で、さらに
直接重合系に添加してもよく、これによってスケール防
止効果を向上させることもできる。その場合、重合体ス
ケール付着防止剤の添加量は、仕込まれる単量体全重量
に対して約10〜1000ppm 程度が適当である。添加に際し
ては、フィッシュアイ、嵩比重、粒度分布等の製品重合
体の品質に影響を与えないように配慮する。
【0050】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳
細に説明する。尚、以下の各表において*印を付した実
験No. は比較例であり、それ以外の実験No. は本発明の
実施例である。製造例1 縮合生成物No.1の製造 耐圧反応器に、メタノール 980g、芳香族アミン化合物
(A) としてパラ−アミノフェノール10g及び4−アミノ
ジフェニルアミン8gを仕込み、撹拌してパラ−アミノ
フェノール及び4−アミノジフェニルアミンをメタノー
ルに溶解した。こうして得られたメタノール溶液に芳香
族ニトロ化合物(B) としてニトロベンゼン2gを添加し
て、50℃に昇温し、50℃で10時間反応させた後冷却し
た。このようにして縮合生成物No.1のメタノール溶液が
得られた。
【0051】縮合生成物No.2〜17の製造 各製造において、表1に示した芳香族アミン化合物(A)
及び芳香族ニトロ化合物(B) 、並びに表2に示した溶媒
を用いて、表2に示した条件(合計濃度、 (A-1): (A-
2): (B)比、反応温度及び反応時間)下で前記縮合生成
物No.1と同様の方法で縮合反応を行わせた。こうして縮
合生成物No.2〜17の溶液が得られた。
【0052】縮合生成物No.18 の製造 特公昭60−30681 号に記載された縮合生成物No.1(アニ
リンとニトロベンゼンを鉱酸存在下で縮合することによ
り得られた縮合生成物)を同号に従って製造し、縮合生
成物No.18 を得た。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】実施例1(実験No.101〜118 ) 内容積1000リットルの撹拌機付きステンレス製重合器を
用いて次のようにして重合を行った。各実験において、
表3に示した条件(溶媒組成、濃度、及びpH)になる
ように、表3に示した縮合生成物、溶媒及びpH調整剤
を用いて塗布液を調製した。これら塗布液を重合器の内
壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中に単量体が接触する
部分に塗布し、40℃で15分間加熱乾燥して塗膜を形成
後、水洗した。ただし、No.118の実験は、縮合生成物N
o.18 を含有する塗布液を塗布した比較例である。
【0056】その後、各実験において、上記のように塗
布処理して塗膜が形成された重合器中に、水 400kg、塩
化ビニル 200kg、部分ケン化ポリビニルアルコール 250
g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース25g及び 3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド70gを仕
込み、撹拌しながら66℃で6時間重合した。重合終了
後、生成重合体及び未反応単量体を回収し、重合器内を
水洗して残存レジンを除去した。
【0057】上記のような塗膜の形成から重合を経て重
合器内の水洗に到るまでの操作を1バッチとして、同じ
操作を20バッチ繰り返し、20バッチ目の重合器内液相部
の重合体スケール付着量、及び気相部と液相部との界面
付近の重合体スケール付着量を各実験について下記の方
法で測定した。その結果を表4に示す。
【0058】・重合体スケール付着量の測定 重合器内の所定箇所10×10cmの区域に付着した重合体ス
ケールをへらで掻き落として天秤で秤量した。計量値を
100倍して1m2 当たりの重合体のスケール付着量を求
めた。
【0059】また、各実験で得られた重合体をシートに
成形した場合のフィシュアイを、下記の方法で測定し
た。その結果を表4に示す。 ・フィシュアイの測定 重合体 100重量部、ジオクチルフタレート(DOP)50
重量部、ジブチルすずジラウレート1重量部、セチルア
ルコール1重量部、酸化チタン0.25重量部、カーボンブ
ラック0.05重量部の配合割合で調製した混合物を、6イ
ンチロールを用いて 150℃で7分間混練した後、厚さ
0.2mmのシートに成形し、得られたシート100cm2 当たり
に含まれるフィシュアイの個数を光透過法により調べ
た。
【0060】さらに、各実験で得られた重合体をシート
に成形した場合の初期着色性を評価するために明度指数
(L値)を下記の方法で測定した。その結果を表4に示
す。
【0061】・明度指数(L値)の測定 得られた重合体 100重量部、安定剤(昭島化学社製、TS
-101)1重量部、安定剤(勝田化工社製、C-100J) 0.5
重量部及び可塑剤としてジオクチルフタレート50重量部
を2本ロールミルを用いて 160℃で5分間混練した後、
厚さ1mmのシートに成形する。次に成形したシートを4
×4×1.5 cmの型枠に入れ、 160℃、65〜70kgf/cm2
加熱、加圧成形して測定用試料を作製する。この試料に
ついて、JIS Z 8730(1980)に記載のハンターの色差式に
おける明度指数Lを求め、L値が大きい程白色度が高
い、即ち初期着色性が良好であると評価した。L値は次
のようにして求める。JIS Z 8722の記載に従って、標準
光C、光電色彩計(日本電色工業株式会社製、Z-1001DP
型測色色差計)を用い、刺激値直読方法により、XYZ
表色系の刺激値Yを求める。照明及び受光の幾何学的条
件としては、JIS Z 8722の 4.3.1項に記載の条件dを採
用した。求められた刺激値Yから、JIS Z 8730(1980)に
記載の式:L=10Y1/2 により、L値が算出される。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】実施例2(実験No.201〜217 ) 内容積20リットルの撹拌機付きステンレス製重合器を用
いて次のようにして重合を行った。各実験において、表
5に示した条件(溶媒組成、濃度、及びpH)になるよ
うに、表5に示した縮合生成物、溶媒及びpH調整剤を
用いて塗布液を調製した。これら塗布液を重合器の内壁
及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中に単量体が接触する部
分に塗布し、40℃で15分間加熱乾燥して塗膜を形成後、
水洗した。
【0065】次に、各実験において、上記のように塗布
処理した塗膜が形成された重合器中に、水9kg、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム 225g、t−ドデシル
メルカプタン12g及びペルオキソ二硫酸カリウム13gを
仕込み、重合器内を窒素ガス置換した後、スチレン 1.3
kg及びブタジエン 3.8kgを仕込んで50℃で20時間重合し
た。重合終了後、生成重合体及び未反応単量体を回収
し、重合器内を水洗して残存レジンを除去した。
【0066】上記のような塗膜の形成から重合を経て重
合器内の水洗に到るまでの操作を1バッチとして、同じ
操作を15バッチ繰り返し、15バッチ目の重合器内液相部
の重合体スケール付着量、及び気相部と液相部との界面
付近の重合体スケール付着量を各実験について実施例1
と同様に測定した。その結果を表6に示す。
【0067】また、各実験で得られた重合体をシートに
成形した場合の初期着色性を評価するために明度指数
(L値)を下記の方法で測定した。その結果を表6に示
す。 ・明度指数(L値)の測定 得られた重合体ラテックス1kgに2%硫酸マグネシウム
溶液を1kgを加えて、凝集沈澱を行った後、沈澱物を濾
別する。濾別した沈澱物を80〜90℃の熱水で2〜3回洗
浄した後、減圧乾燥器を用いて40℃で25時間乾燥して樹
脂を得た。得られた樹脂を9×9cm、厚さ 0.1cmの型枠
に入れ、 195℃、50〜60kgf/cm2 で加熱し、最終圧力80
kgf/cm2 で加圧成形して測定用試料を作製する。この試
料について、実施例1と同様にして明度指数L値を求め
た。
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】製造例2 縮合生成物No.19 の製造 耐圧反応器に、メタノール9600g、芳香族アミン化合物
(A) として4−アミノジフェニルアミン 184g、及び芳
香族ヒドロキシ化合物(C) としてピロガロール378gを
仕込み、室温で撹拌して、4−アミノジフェニルアミン
及びピロガロールをメタノールに溶解した。こうして得
られたメタノール溶液にアルカリ性化合物としてトリエ
タノールアミンを加えて該溶液のpHを 9.0に調整し
た。次にpH調整した溶液に芳香族ニトロ化合物(B) と
してニトロベンゼン12.3gを加えた後50℃に昇温し、50
℃で5時間反応させた後冷却した。このようにして縮合
生成物No.19 のメタノール溶液が得られた。
【0071】縮合生成物No. 20〜30の製造 各製造において、表7に示した芳香族アミン化合物(A)
、芳香族ニトロ化合物(B) 及び芳香族ヒドロキシ化合
物(C) 並びに表8に示したアルカリ性化合物及び溶媒を
用いて、前記縮合生成物No.1の製造と同様の方法で縮合
反応を行わせた。このようにして縮合生成物No. 20〜30
の溶液が得られた。
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】実施例3(実験No.301〜312 ) 内容積1000リットルの撹拌機付きステンレス製重合器を
用いて次のようにして重合を行った。各実験において、
表9に示した条件(溶媒組成、濃度、及びpH)になる
ように、表9に示した縮合生成物、溶媒及びpH調整剤
を用いて塗布液を調製した。これら塗布液を重合器の内
壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中に単量体が接触する
部分に塗布し、40℃で15分間加熱乾燥して塗膜を形成
後、水洗した。
【0075】次に、各実験において、上記のように塗布
処理して塗膜が形成された重合器中で実施例1と同様の
方法で重合を行った。重合終了後、生成重合体及び未反
応単量体を回収し、重合器内を水洗して残存レジンを除
去した。その後、上記のような塗膜の形成から重合を経
て重合器内壁の水洗に至るまでの操作を1バッチとし
て、同じ操作を50バッチ繰り返し、50バッチ目の重合器
内液相部の重合体スケール付着量、及び気相部と液相部
との界面付近の重合体スケール付着量を各実験について
実施例1と同様の方法で調べた。その結果を表10に示
す。また、各実験で得られた重合体をシートに成形した
場合のフィシュアイ及び明度指数(L値)を、実施例1
と同様の方法で測定した。その結果を表10に示す。
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】製造例3 縮合生成物No.31 の製造 耐圧反応器に、メタノール 980g、芳香族アミン化合物
(A) としてパラ−アミノフェノール10g及び4−アミノ
ジフェニルアミン5gを仕込み、室温で撹拌してパラア
ミノフェノール及び4−アミノジフェニルアミンをメタ
ノールに溶解した。こうして得られたメタノール溶液に
芳香族ニトロ化合物(B) としてニトロベンゼンを2g添
加して、得られた混合物を80℃に昇温し、80℃で5時間
反応させた後、芳香族ヒドロキシ化合物(C) としてピロ
ガロール3gを添加した。ピロガロールの添加を開始し
た時の芳香族アミン化合物と芳香族ニトロ化合物の縮合
反応転化率を下記の方法で測定したところ、71重量%で
あった。ピロガロールを添加した後、更に反応混合物の
攪拌を45時間続けた。その後、この反応混合物を冷却し
た。このようにして縮合生成物No.31 のメタノール溶液
が得られた。
【0079】・縮合反応転化率の測定 液体クロマトグラフィーを用いて縮合反応液中の未反応
の芳香族アミン化合物(縮合生成物No.31 の製造では、
パラアミノフェノール及び4−アミノジフェニルアミ
ン)及び芳香族ニトロ化合物(縮合生成物No.31 の製造
では、ニトロベンゼン)を定量した。縮合反応転化率
は、次のようにして求めた。芳香族アミン化合物と芳香
族ニトロ化合物の仕込み合計量をagとする。また、上
記により定量した未反応の芳香族アミン化合物及び芳香
族ニトロ化合物の合計量をbgとする。式: 縮合反応転化率(重量%)={(a−b)/a}× 100 により縮合反応転化率が算出される。
【0080】縮合生成物No. 32〜44の製造 各製造において、表11に示した芳香族アミン化合物(A)
、芳香族ニトロ化合物(B) 及び芳香族ヒドロキシ化合
物(C) 並びに表12に示した溶媒を用いて、縮合生成物N
o.31 の製造と同様の方法で縮合生成物を製造した。表1
2には、合計濃度、(A-1): (A-2): (B): (C)比、反応
温度、 (A)成分と (B)成分との縮合反応開始から (C)成
分の添加を開始するまでの時間( (C)成分添加開始時
間)、 (C)成分の添加を開始した時の (A)成分と (B)成
分の縮合反応転化率、 (C)成分を添加した後の攪拌時間
及び (A)成分と (B)成分との縮合反応開始から (C)成分
の添加を経て攪拌を終了するまでに要した時間(合計反
応時間)を示す。
【0081】縮合生成物No.45 の製造 耐圧反応器に、メタノール 980g、芳香族アミン化合物
(A) としてパラ−アミノフェノール10g及び4−アミノ
ジフェニルアミン5gと、芳香族ヒドロキシ化合物(C)
としてピロガロール3gとを仕込み、パラ−アミノフェ
ノール、4−アミノジフェニルアミン及びピロガロール
をメタノールに溶解した。こうして得られたメタノール
溶液に、芳香族ニトロ化合物(B) としてニトロベンゼン
2gを添加して、得られた混合物を80℃に昇温し、80℃
で50時間反応させた後、冷却した。このようにして縮合
生成物No.45 のメタノール溶液が得られた。
【0082】
【表11】
【0083】
【表12】
【0084】実施例4(実験No.401〜415 ) 内容積1000リットルの撹拌機付きステンレス製重合器を
用いて次のようにして重合を行った。各実験において、
表13に示した条件(溶媒組成、濃度、及びpH)になる
ように、表13に示した縮合生成物、溶媒及びpH調整剤
を用いて塗布液を調製した。これら塗布液を重合器の内
壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中に単量体が接触する
部分に塗布し、40℃で15分間加熱乾燥して塗膜を形成
後、水洗した。
【0085】次に、各実験において、上記のように塗布
処理して塗膜が形成された重合器中で実施例1と同様の
方法で重合を行った。重合終了後、生成重合体及び未反
応単量体を回収し、重合器内を水洗して残存レジンを除
去した。
【0086】そして、上記のような塗膜の形成から重合
を経て重合器内壁の水洗に至るまでの操作を1バッチと
して、同じ操作を 100バッチ繰り返し、 100バッチ目の
重合器内の液相部の重合体スケール付着量、及び気相部
と液相部との界面付近の重合体スケール付着量を各実験
について実施例1と同様の方法で測定した。その結果を
表14に示す。また、各実験で得られた重合体をシートに
成形した場合のフィッシュアイ及び明度指数(L値)
を、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表14
に示す。
【0087】
【表13】
【0088】
【表14】
【0089】実施例5(実験No.501〜515 ) 内容積1000リットルの撹拌機付きステンレス製重合器を
用いて次のようにして重合を行った。各実験において、
表15に示した条件(溶媒組成、濃度、及びpH)になる
ように、表15に示した縮合生成物、溶媒及びpH調整剤
を用いて塗布液を調製した。これら塗布液を重合器の内
壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中に単量体が接触する
部分に塗布し、40℃で15分間加熱乾燥して塗膜を形成
後、水洗した。
【0090】次に、各実験において、上記のように塗布
処理して塗膜が形成された重合器中で実施例2と同様の
方法で重合を行った。重合終了後、生成重合体及び未反
応単量体を回収し、重合器内を水洗して残存レジンを除
去した。
【0091】そして、上記のような塗膜の形成から重合
を経て重合器内壁の水洗に至るまでの操作を1バッチと
して、同じ操作を50バッチ繰り返し、50バッチ目の重合
器内液相部の重合体スケール付着量、及び気相部と液相
部との界面付近の重合体スケール付着量を各実験につい
て実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表16に
示す。また、各実験で得られた重合体をシートに成形し
た場合の明度指数(L値)を実施例2と同様の方法で測
定した。その結果を表16に示す。
【0092】
【表15】
【0093】
【表16】
【0094】実施例6(実験No.601〜611 ) 内容積1000リットルの撹拌機付きステンレス製重合器を
用いて次のようにして重合を行った。各実験において、
表17に示した条件(溶媒組成、合計濃度、 (F): (D):
(E)比、及びpH)になるように、表17に示した縮合生
成物(F) 、水溶性高分子化合物(D) 、コロイドシリカ及
びアルカリ金属のケイ酸塩からなる群から選ばれる少な
くとも1種(F) 、溶媒及びpH調整剤を用いて塗布液を
調製した。また、本実施例6及び以下に示す実施例7〜
9で使用したコロイドシリカ(表17、20、22及び24中の
a〜e)は、表19に示すとおりである。各実験におい
て、調製した塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹拌翼
その他重合中に単量体が接触する部分に塗布し、40℃で
15分間加熱乾燥して塗膜を形成後、水洗した。
【0095】その後、各実験において、このように塗布
処理して塗膜が形成された重合器中で実施例1と同様の
方法で重合を行った。重合終了後、生成重合体及び未反
応単量体を回収し、重合器内を水洗して残存レジンを除
去した。
【0096】そして、上記のような塗膜の形成から重合
を経て重合器内の水洗に到るまでの操作を1バッチとし
て、同じ操作を 100バッチ繰り返し、 100バッチ目の重
合器内の重合体スケール付着量、及び気相部と液相部と
の界面付近の重合体スケール付着量を各実験について実
施例1と同様の方法で調べた。その結果を表18に示す。
さらに、各実験で得られた重合体をシートに成形した場
合のフィッシュアイ及び明度指数(L値)の測定を実施
例1と同様の方法で測定した。その結果を表18に示す。
【0097】
【表17】
【0098】
【表18】
【0099】
【表19】
【0100】実施例7(実験No.701〜711 ) 内容積1000リットルの撹拌機付きステンレス製重合器を
用いて次のようにして重合を行った。各実験において、
表20に示した条件(溶媒組成、合計濃度、 (F): (D):
(E)比、及びpH)になるように、表20に示した縮合生
成物(F) 、水溶性高分子化合物(D) 、コロイドシリカ及
びアルカリ金属のケイ酸塩からなる群から選ばれる少な
くとも1種(F) 、溶媒及びpH調整剤を用いて塗布液を
調製した。これら塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹
拌翼その他重合中に単量体が接触する部分に塗布し、40
℃で15分間加熱乾燥して塗膜を形成後、水洗した。
【0101】その後、各実験において、このように塗布
処理して塗膜が形成された重合器中で実施例1と同様の
方法で重合を行った。重合終了後、生成重合体及び未反
応単量体を回収し、重合器内を水洗して残存レジンを除
去した。
【0102】そして、上記のような塗膜の形成から重合
を経て重合器内の水洗に到るまでの操作を1バッチとし
て、同じ操作を 150バッチ繰り返し、 150バッチ目の重
合器内の重合体スケール付着量、及び気相部と液相部と
の界面付近の重合体スケール付着量を各実験について実
施例1と同様の方法で調べた。その結果を表21に示す。
さらに、各実験で得られた重合体をシートに成形した場
合のフィッシュアイ及び明度指数(L値)の測定を実施
例1と同様の方法で測定した。その結果を表21に示す。
【0103】
【表20】
【0104】
【表21】
【0105】実施例8(実験No.801〜811 ) 内容積1000リットルの撹拌機付きステンレス製重合器を
用いて次のようにして重合を行った。各実験において、
表22に示した条件(溶媒組成、合計濃度、 (F): (D):
(E)比、及びpH)になるように、表22に示した縮合生
成物(F) 、水溶性高分子化合物(D) 、コロイドシリカ及
びアルカリ金属のケイ酸塩からなる群から選ばれる少な
くとも1種(F) 、溶媒及びpH調整剤を用いて塗布液を
調製した。これら塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹
拌翼その他重合中に単量体が接触する部分に塗布し、40
℃で15分間加熱乾燥して塗膜を形成後、水洗した。
【0106】その後、各実験において、このように塗布
処理して塗膜が形成された重合器中で実施例2と同様の
方法で重合を行った。重合終了後、生成重合体及び未反
応単量体を回収し、重合器内を水洗して残存レジンを除
去した。
【0107】そして、上記のような塗膜の形成から重合
を経て重合器内の水洗に到るまでの操作を1バッチとし
て、同じ操作を50バッチ繰り返し、50バッチ目の重合器
内の重合体スケール付着量、及び気相部と液相部との界
面付近の重合体スケール付着量を各実験について実施例
1と同様の方法で調べた。その結果を表23に示す。さら
に、各実験で得られた重合体をシートに成形した場合の
明度指数(L値)の測定を実施例2と同様の方法で測定
した。その結果を表23に示す。
【0108】
【表22】
【0109】
【表23】
【0110】実施例9(実験No.901〜911 ) 内容積1000リットルの撹拌機付きステンレス製重合器を
用いて次のようにして重合を行った。各実験において、
表24に示した条件(溶媒組成、合計濃度、 (F): (D):
(E)比、及びpH)になるように、表24に示した縮合生
成物(F) 、水溶性高分子化合物(D) 、コロイドシリカ及
びアルカリ金属のケイ酸塩からなる群から選ばれる少な
くとも1種(F) 、溶媒及びpH調整剤を用いて塗布液を
調製した。これら塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹
拌翼その他重合中に単量体が接触する部分に塗布し、40
℃で15分間加熱乾燥して塗膜を形成後、水洗した。
【0111】その後、各実験において、このように塗布
処理して塗膜が形成された重合器中で実施例2と同様の
方法で重合を行った。重合終了後、生成重合体及び未反
応単量体を回収し、重合器内を水洗して残存レジンを除
去した。
【0112】そして、上記のような塗膜の形成から重合
を経て重合器内の水洗に到るまでの操作を1バッチとし
て、同じ操作を80バッチ繰り返し、80バッチ目の重合器
内の重合体スケール付着量、及び気相部と液相部との界
面付近の重合体スケール付着量を各実験について実施例
1と同様の方法で調べた。その結果を表25に示す。さら
に、各実験で得られた重合体をシートに成形した場合の
明度指数(L値)の測定を実施例2と同様の方法で測定
した。その結果を表25に示す。
【0113】
【表24】
【0114】
【表25】
【0115】実施例10 内容積1000リットルの撹拌機付ステンレス製重合器を用
いて次のようにして重合を行った。実験No.901で使用し
た塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合
中に単量体が接触する部分に塗布し、50℃で10分間加
熱、乾燥して塗膜を形成後、水洗した。その後、このよ
うに塗布処理して塗膜が形成された重合器中に、水 400
kg、スチレン 260kg、アクリロニトリル 140kg、ポリア
クリルアミド部分ケン化物 400g及びα,α′−アゾビ
スイソブチロニトリル 1.2kgを仕込み、撹拌しながら90
℃で5時間重合した。 重合終了後、生成重合体及び未
反応単量体を回収し、重合器内を水洗して残存レジンを
除去した。以後、上記のような塗膜の形成から重合を経
て重合器内の水洗に到るまでの操作を80バッチ繰り返
し、80バッチ目の重合器内液相部の重合体スケール付着
量、及び気相部と液相部との界面付近の重合体スケール
付着量を実施例1と同様に測定した。その結果、液相部
の重合体スケール付着量は0g/m2 であり気相部と液相
部との界面付近の重合体スケール付着量は72g/m2 であ
った。
【0116】実施例11 内容積20リットルの撹拌機付ステンレス製重合器を用い
て次のようにして重合を行った。実験No.901で使用した
塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中
に単量体が接触する部分に塗布し、50℃で10分間加熱、
乾燥して塗膜を形成後、水洗した。その後、このように
塗布処理して塗膜が形成された重合器中に水 9.5kg、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 240g、t−ドデ
シルメルカプタン15g、ブタジエン 2.1kg、メチルメタ
クリレート 2.8g、スチレン 320g及び過硫酸カリウム
16gを仕込み60℃で10時間重合した。重合終了後、生成
重合体及び未反応単量体を回収し、重合器内を水洗して
残存レジンを除去した。以後、上記のような塗膜の形成
から重合を経て重合器内の水洗に到るまでの操作を80バ
ッチ繰り返し、80バッチ目の重合器内液相部の重合体ス
ケール付着量、及び気相部と液相部との界面付近の重合
体スケール付着量を実施例1と同様に測定した。その結
果、液相部の重合体スケール付着量は0g/m2 であり気
相部と液相部との界面付近の重合体スケール付着量は42
g/m2 であった。
【0117】実施例12 内容積 100リットルの撹拌機付ステンレス製重合器を用
いて次のようにして重合を行った。実験No.904で使用し
た塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合
中に単量体が接触する部分に塗布し、50℃で15分間加
熱、乾燥して塗膜を形成後、水洗した。その後、このよ
うに塗布処理して塗膜が形成された重合器中に水40kg、
不均化ロジン酸カリウム 500g、ポリブタジエンラテッ
クス(固形分45%)13kg、スチレン単量体9kg、アクリ
ロニトリル単量体5kg、t−ドデシルメルカプタン40
g、及びクメンハイドロパーオキサイド 140gを仕込
み、重合器内温47℃でブドウ糖 200g、硫酸第1鉄2g
及びピロリン酸ソーダ 100gを仕込み、撹拌しながら65
℃で4時間重合した。重合終了後、生成重合体及び未反
応単量体を回収し、重合器内を水洗して残存レジンを除
去した。以後、上記のような塗膜の形成から重合を経て
重合器内の水洗に到るまでの操作を80バッチ繰り返し、
80バッチ目の重合器内液相部の重合体スケール付着量、
及び気相部と液相部との界面付近の重合体スケール付着
量を実施例1と同様に測定した。その結果、液相部の重
合体スケール付着量は0g/m2 であり気相部と液相部と
の界面付近の重合体スケール付着量は58g/m2 であっ
た。
【0118】実施例13 内容積20リットルの撹拌機付ステンレス製重合器を用い
て次のようにして重合を行った。実験No.905で使用した
塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中
に単量体が接触する部分に塗布し、50℃で15分間加熱、
乾燥して塗膜を形成後、水洗した。その後、このように
塗布処理して塗膜が形成された重合器中に水 4.0kg、及
びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6gを仕込
み、撹拌しながら60℃に昇温した。次に重合器内気相部
を窒素ガスで置換した後、アクリル酸nブチル94g、メ
タクリル酸メチル 220g、アクリル酸5g及びメタクリ
ル酸5gを仕込み、続いて過硫酸アンモニウム1g及び
ヒドロ亜硫酸ナトリウム1gを仕込んで60℃で20分間撹
拌した。更に、前記重合器に混合モノマー(アクリル酸
nブチル 2.1kg、メタクリル酸メチル 4.8kg、アクリル
酸 100g及びメタクリル酸 100gを混合したもの)、1
重量%過硫酸アンモニウム水溶液 500g、1重量%ヒド
ロ亜硫酸ナトリウム水溶液 500g及び25重量%ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル水溶液 2.0kgを3時
間かけて均一に添加した。添加終了後、前記重合器を70
℃に昇温して70℃で2時間重合した。重合終了後、生成
重合体及び未反応単量体を回収し、重合器内を水洗して
残存レジンを除去した。以後、上記のような塗膜の形成
から重合を経て重合器内の水洗に到るまでの操作を80バ
ッチ繰り返し、80バッチ目の重合器内液相部の重合体ス
ケール付着量、及び気相部と液相部との界面付近の重合
体スケール付着量を実施例1と同様に測定した。その結
果、液相部の重合体スケール付着量は0g/m2 であり気
相部と液相部との界面付近のスケール付着量は72g/m2
であった。
【0119】実施例14 内容積20リットルの撹拌機付ステンレス製重合器を用い
て次のようにして重合を行った。実験No.906で使用した
塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中
に単量体が接触する部分に塗布し、60℃で10分間加熱、
乾燥して塗膜を形成後、水洗した。その後、このように
塗布処理して塗膜が形成された重合器中に水 4.5kg、完
全けん化ポリビニルアルコール 312g及び炭酸ナトリウ
ム6gを仕込み撹拌しながら65℃に昇温した。次に前記
重合器に酢酸ビニル 550g及び1重量%過硫酸アンモニ
ウム水溶液 550gを仕込み、80℃に昇温した。続いて、
前記重合器中に酢酸ビニル 5.0kg及び1重量%過硫酸ア
ンモニウム水溶液 1.0kgを4時間かけて均一に添加し
た。酢酸ビニル及び過硫酸アンモニウムの添加終了後、
重合器内を90℃に昇温して90℃で2時間重合した。重合
終了後、生成重合体及び未反応単量体を回収し、重合器
内を水洗して残存レジンを除去した。以後、上記のよう
な塗膜の形成から重合を経て重合器内の水洗に到るまで
の操作を 100バッチ繰り返し、 100バッチ目の重合器内
液相部の重合体スケール付着量、及び気相部と液相部と
の界面付近の重合体スケール付着量を実施例1と同様に
測定した。その結果、液相部の重合体スケール付着量は
0g/m2 であり、気相部と液相部との界面付近の重合体
スケール付着量は45g/m2 であった。
【0120】実施例15 内容積20リットルの撹拌機付ステンレス製重合器を用い
て次のようにして重合を行った。実験No.906で使用した
塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中
に単量体が接触する部分に塗布し、50℃で20分間加熱、
乾燥して塗膜を形成後、水洗した。その後このように塗
布処理して塗膜が形成された重合器中に水 7.0kg、部分
けん化ポリビニルアルコール 430g、ピロリン酸ナトリ
ウム7g、及びヒドロ亜硫酸ナトリウム7gを仕込み、
50℃に昇温した。次に重合器内気相部を窒素ガスで置換
した後、70℃に昇温し、エチレンを内圧14kg/cm2 ・G
になるまで仕込んだ。続いて酢酸ビニル 6.0kg及び2重
量%過硫酸アンモニウム水溶液 1.0kgを4時間かけて均
一に添加した。酢酸ビニル及び過硫酸アンモニウムの添
加終了後重合器内を80℃に昇温して80℃で3時間重合し
た。重合終了後、生成重合体及び未反応単量体を回収
し、重合器内を水洗して残存レジンを除去した。以後、
上記のような塗膜の形成から重合を経て重合器内の水洗
に到るまでの操作を80バッチ繰り返し、80バッチ目の重
合器内液相部の重合体スケール付着量、及び気相部と液
相部との界面付近の重合体スケール付着量を実施例1と
同様に測定した。その結果、液相部の重合体スケール付
着量は0g/m2 であり、気相部と液相部との界面付近の
重合体スケール付着量は58g/m2 であった。
【0121】実施例16 内容積20リットルの撹拌機付ステンレス製重合器を用い
て次のようにして重合を行った。実験No.909で使用した
塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹拌翼その他重合中
に単量体が接触する部分に塗布し、60℃で20分間加熱、
乾燥して塗膜を形成後、水洗した。その後、このように
塗布処理して塗膜が形成された重合器中に、ケン化度9
9.4モル%、重合度2250のポリビニルアルコール 1.2kg
を水15リットルに溶解した水溶液を仕込んだ。該水溶液
を撹拌しつつ、35%濃塩酸1kgを加え、10分後、ブチル
アルデヒド 800gを15分間かけて滴下した。その後重合
器内を60℃に昇温し、60℃で3時間反応を行った。重合
終了後、生成重合体及び未反応単量体を回収し、重合器
内を水洗して残存レジンを除去した。以後、上記のよう
な塗膜の形成から重合を経て重合器内の水洗に到るまで
の操作を80バッチ繰り返し、80バッチ目の重合器内液相
部の重合体スケール付着量、及び気相部と液相部との界
面付近の重合体スケール付着量を実施例1と同様に測定
した。その結果、液相部の重合体スケール付着量は0g
/m2 であり、気相部と液相部との界面付近の重合体スケ
ール付着量は82g/m2 であった。
【0122】実施例17 プレポリマーの調製例 以下の本実施例17において使用するプレポリマーを、下
記の方法で調製した。重合器に、スチレン単量体6000
g、ポリブタジエンゴム 720g、ミネラルオイル(出光
興産(株)製 CP-50) 480g及びn−ドデシルメルカプ
タン6000gを仕込み、 115℃で5時間反応させてプレポ
リマーを調製した。
【0123】内容積20リットルの撹拌機付ステンレス製
重合器を用いて次のようにして重合を行った。実験No.9
01で使用した塗布液を重合器の内壁及び撹拌軸、撹拌翼
その他重合中に単量体が接触する部分に塗布し、60℃で
10分間加熱、乾燥して塗膜を形成後、水洗した。その
後、このように塗布処理して塗膜が形成された重合器中
に、水7000g、上記調製例で得られたプレポリマー7000
g、ヒドロキシアパタイト70g、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.14g、過酸化ベンゾイル17.5g及び
過安息香酸−t−ブチル10.5gを仕込み、92℃で 3.5時
間反応させた後、 135℃で1時間反応させて重合体を製
造した。重合終了後、生成重合体及び未反応単量体を回
収し、重合器内を水洗して残存レジンを除去した。以
後、上記のような塗膜の形成から重合を経て重合器内の
水洗に到るまでの操作を80バッチ繰り返し、80バッチ目
の重合器内液相部のスケール付着量、及び気相部と液相
部との界面付近のスケール付着量を実施例1と同様に測
定した。その結果、液相部の重合体スケール付着量は0
g/m2 であり、気相部と液相部との界面付近のスケール
付着量は32g/m2 であった。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、重合器内の液相部ばか
りでなく気相部と液相部との界面付近においても効果的
に重合体スケールの付着を防止することができる。従っ
て、本発明を適用して重合を行った場合には、重合体ス
ケールの除去作業を、重合ごとに行う必要がなく、それ
によって生産性が向上する。また、本発明を適用して重
合を行った場合に得られる重合体をシート等に成形した
場合、フィッシュアイが極めて少ない成形物を得ること
ができる。更に、上記成形物は初期着色性が良好であ
る。具体的には、JIS Z 8730(1980)に記載のハンター色
差式における明度指数(L値)が、例えば、塩化ビニル
重合体の場合には70以上、SBRの場合には80以上であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 芳香族アミン化合物と、 (B) 芳香族ニトロ化合物とを有機溶媒系媒体中で縮合す
    ることにより得られる縮合生成物を含有する、エチレン
    性二重結合を有する単量体の重合用の重合体スケール付
    着防止剤。
  2. 【請求項2】請求項1の重合体スケール付着防止剤であ
    って、前記縮合生成物が、 (A)成分と (B)成分の縮合に
    際し、更に、 (C) 芳香族ヒドロキシ化合物を添加して縮合することに
    より得られるものであるもの。
  3. 【請求項3】請求項2の重合体スケール付着防止剤であ
    って、前記縮合生成物が、 (C)成分を (A)成分と (B)成
    分との縮合反応中に添加することにより得られるもので
    あるもの。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3の重合体スケール付着
    防止剤であって、更に、 (D) 水溶性高分子化合物及び/又は (E) コロイドシリカ及びアルカリ金属のケイ酸塩からな
    る群から選ばれる少なくとも1種とを含有するもの。
  5. 【請求項5】エチレン性二重結合を有する単量体の重合
    用重合器であって、 内壁面に、 (A) 芳香族アミン化合物と、 (B) 芳香族ニトロ化合物とを有機溶媒系媒体中で縮合す
    ることにより得られる縮合生成物を含有する塗膜を有す
    る重合器。
  6. 【請求項6】エチレン性二重結合を有する単量体の重合
    器内における重合による重合体の製造方法であって、 内壁面に、 (A) 芳香族アミン化合物と、 (B) 芳香族ニトロ化合物とを有機溶媒系媒体中で縮合す
    ることにより得られる縮合生成物を含有する塗膜を有す
    る重合器で、前記重合を行う工程を有し、これにより重
    合体スケールの付着が防止される製造方法。
JP30757992A 1991-10-21 1992-10-21 重合体スケール付着防止剤、重合体スケールの付着防止に有効な重合器及びそれを利用する重合体の製造方法 Pending JPH05230108A (ja)

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