JP3447175B2 - 反射体及びそれを用いた反射部材 - Google Patents
反射体及びそれを用いた反射部材Info
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Description
反射層として透明高分子フィルム上に積層して構成した
反射体及びそれを用いた反射部材に関する。更に詳しく
は、耐光性、耐熱性に優れた銀を用いた反射体及びそれ
を用いた反射部材に関する。本発明の反射体および反射
部材の使用例としては、液晶表示装置のバックライトの
ランプハウス、プリンター及びFAX等に用いられる反
射鏡、蛍光灯の反射傘、ストロボの反射傘、コンパクト
の鏡等が挙げられるが、これ以外にもほとんどすべての
光反射体を挙げることができる。
持ち、また電気及び熱の伝導率が金属中で最大であるこ
とから、可視光線反射材料及び熱線反射材料、電気配線
材料として注目されている。一般的に、大気中で酸化す
ることはないが、大気中の亜硫酸ガス、硫黄と反応し黒
色の硫化銀を生成する。また、オゾンと反応し黒色の酸
化銀(AgO)を生成する。
は、銀を合金化する方法が知られている。例えば、電気
接点用には、3〜40wt%のCuを含む銀が、また、
Cdを含む銀が、更には10wt%のAuを含む銀が用
いられている。また、歯科用には25wt%のPdと1
0wt%のCuを含む銀が、装飾用には5〜20wt%
のCuを含む銀が用いられている。また、銀の実用性能
に関しては「貴金属の実際知識」山本勇三編著、東洋経
済新報社 昭和57年 頁72〜153に詳しく述べら
れている。
層または金属酸化物層、金属硫化物層、合金層、下塗り
樹脂層、保護樹脂層により被覆する方法が知られてい
る。例えば硝子上に銀を成膜した後に、CuとSnから
なる合金層を積層し、更に樹脂層を積層することにより
銀の腐食を防止し、また、耐スクラッチ性を高める方法
が知られている(特開昭48−18538)。また、本
発明者等においても、銀薄膜層の両面にアルミ、チタン
等からなる金属層を用いることにより、銀薄膜層の光、
熱、ガス等による腐食を防止することができることが示
されている(特開平1−279201)。
反射体が液晶表示装置のバックライト部のランプリフレ
クターを中心に、蛍光灯の反射傘等に用いられている。
これらはPET(ポリエチレンテレフタレート)/銀薄
膜層/接着剤層/アルミ板の層構成からなるいわゆる反
射板(銀反射板)や、PET/銀薄膜層/接着剤層/ア
ルミ薄膜層/PET/光遮蔽層からなるいわゆる反射シ
ート(銀反射シート)である。これらは、透明高分子フ
ィルムであるPETと接着剤層により銀を被覆すること
により従来からの問題点であった大気曝露による銀の硫
化、酸化を防止し、高反射率を維持することに成功し
た。たとえば上記銀反射板および銀反射シートを80℃
の恒温槽中に1000時間放置したが、硫化等による黒
色、黄色の変色は観察されず、また反射率も低下しなか
った。また60℃、85%RHの恒温恒湿槽に1000
時間放置したが同様に変色及び反射率の低下は観察され
なかった。
(米国)のQUV試験器を用いて、上記銀反射板及び銀
反射シートの紫外線照射試験を行ったところ、反射面が
赤紫色に変色するという結果を得た。これらはこれまで
に一般的に知られていた銀の硫化、酸化による黒色、黄
褐色、黄色といった色とは明らかに異なり、またPET
フィルム自身の紫外線劣化による黄変とも異なってい
た。そこで光照射下において起こる銀薄膜の反射率低下
を光劣化と呼ぶことにした。これらに対して我々は、波
長380nmから300nmにおける光線の透過率が、
10%以下である可撓性の基板の片面に銀を含む金属薄
膜を積層することにより、可視光線での反射率を著しく
低下することなく、光(紫外線)、熱などに対する耐久
性を改善した反射体(特開平5−162227)を提案
してきた。
なる反射体の紫外線劣化に関して更に検討を行ったとこ
ろ、驚くべきことに、紫外線を除いた可視光照射におい
ても同様に赤紫色に変色することを見いだした。更に、
該可視光による光劣化は、常温では非常にゆっくりと進
行するものの、高温下では急速に進行することをも見出
した。よって今後この劣化を「光熱劣化」と呼ぶことに
する。
子顕微鏡写真(断面TEM写真)である。試料はPET
上に銀薄膜を設けたPET/Agからなる反射体であ
り、照射強度500mW/cm2 、サンプル温度100
℃の促進劣化試験(光熱劣化促進試験)を300時間行
ったものである。PETと銀の界面において、直径数十
nmの粒子が観察された。PETから銀薄膜層が部分的
に剥離するとともに、PETと銀の界面において直径数
+nmの粒子が観察され、この粒子はPET中に侵入し
ていることが分かった。この粒子を電子線プローブマイ
クロアナライザー(EPMA)にて分析したところ銀で
あることが分かった。
の特徴を以下にまとめる。(1)光熱劣化は高分子フィ
ルムと銀薄膜層の界面に特有の劣化である。(2)EP
MAにて光熱劣化部分を分析したところ、従来の銀の劣
化で検出された硫黄、塩素、酸素が検出されなかった。
(3)高分子フィルムと銀薄膜層の界面以外の銀薄膜部
分では劣化が観察されない。
が見いだした新規な課題である光熱劣化による反射体の
変色を防止することを目的とする。更に詳しくは、高温
下の光照射において顕著に観察される反射体の変色を防
止し、光照射後も90%以上の反射率を維持することを
目的とする。
は、かかる問題を解決するために、鋭意研究を重ねた結
果、透明高分子フィルム(A)の片面に金属を含むプラ
ズマによる表面処理を行い、更に該表面処理面に銀薄膜
層(B)を形成することにより、透明高分子フィルムと
銀薄膜層の界面においておこる変色を抑え、300時間
の光熱劣化促進試験後も反射率が90%以上である反射
体を実現することが可能であること見いだした。本発明
はかかる知見によりなされるに至ったものである。すな
わち、本発明は、以下の発明特定事項により特徴ずけら
れる。
ム(A)、銀薄膜層(B)からなる構成ABの透明高分
子フィルム側を反射面とする反射体にして、390nm
以下の波長の光を除いた、照射強度500mW/cm2
の擬似太陽光を、反射体温度100℃で300時間照射
後でも反射率が90%以上を保つ反射体。 (項2) 透明高分子フィルム(A)の片面に金属を含
むプラズマによる表面処理を行って表面処理面とし、更
に、該表面処理面に前記銀薄膜層(B)を形成してなる
項1に記載の反射体。
処理により、透明高分子フィルム処理面に付着する金属
原子が、4×1014原子/cm2 乃至2×1016原子/
cm2 である項2に記載の反射体。 (項4) 金属を含むプラズマによる表面処理におい
て、該金属がTi、V、Cr、Cu、Zn、およびWか
ら選択された一種である項2または項3に記載の反射
体。
薄膜層(C)側を支持体に接着剤層を介して積層してな
る反射部材。 (項6) 支持体が金属板または高分子フィルムである
項5に記載の反射部材。
テンレス板および鋼板から選択された一種である項6に
記載の反射部材。 (項8) 項1乃至4に記載の反射体(C)と、接着剤
層(D)と、高分子フィルム(E)と、光遮蔽層(F)
とがこの順で積層してなる構成CDEFの反射部材であ
って、該反射体(C)の銀薄膜層側を、接着剤層側とす
る反射部材。
(C)と、接着剤層(D)と、金属層(G)と高分子フ
ィルム(H)と、光遮蔽層(F)からなる構成CDGH
FまたはCDHGFの反射部材であって、該反射体
(C)の銀薄膜層側を該接着剤側層とする反射部材。 (項10) 波長380〜300nmにおける光線透過
率が10%以下である透明高分子フィルム(A)を用い
た項1乃至4のいずれかに記載の反射体。 (項11) 波長380〜300nmにおける光線透過
率が10%以下である透明高分子フィルム(A)を用い
た項5乃至9に記載のいずれかに記載の反射部材。
に、図1はすでに述べたように、光熱劣化を起こした反
射体の断面の透過電子顕微鏡写真であり、図2は本発明
の最も簡単な反射体の構造断面図であり、図3は図2に
示した反射体と金属板50とを接着剤層40を介してラ
ミネートして作製した反射部材の構造断面図であり、図
4は図2に示した反射体と高分子フィルム60とを接着
剤層40を介してラミネートして作成した反射部材の構
造断面図であり、図5は図4に示した反射部材に更に光
遮蔽層70を積層した反射部材であり、図6は図5に示
した反射部材の接着剤層40と高分子フィルム60との
間に金属層80を設けた反射部材であり、図7は図5に
示した反射部材の高分子フィルム60と光遮蔽層70の
間に金属層80を設けた反射部材である。図8はプラズ
マ処理を施されていない透明高分子フィルム表面の微細
構造を表すAMF像であり、図9は金属を含むプラズマ
による表面処理を施した透明高分子フィルム表面の微細
構造を表すAMF像であり、図10は透過限界波長が3
90nmであるUVカットフィルタを通して得られた疑
似太陽光のスペクトルを示すグラフであり、図11は反
射体への光照射時間と反射体の反射率との関係の一例を
示すグラフである。
媒質から反射体に入射する光を元の媒質に戻す物体のこ
とであり、主にここでは可視領域の光の90%以上を、
元の媒質に戻す物体のことであり、更に好ましくは可視
領域の光の92%以上を元の媒質に戻す物体のことであ
る。
概略を説明すると、透明高分子フィルム10側から入射
した光90は、そのほとんどが透明高分子フィルム10
及び金属を含むプラズマによる表面処理面20を透過
し、銀薄膜層30に達し、銀薄膜層30で反射し、金属
を含むプラズマによる表面処理面20及び透明高分子フ
ィルム10を透過し、再び元の媒質中に戻る。
して図2に示す反射体と金属50とを積層した構成であ
り、銀薄膜層が接着剤層40と接しているこの反射部材
の製造方法としては、透明高分子フィルム10の片面に
金属を含むプラズマによる表面処理を行って表面処理面
20を形成し、更に該表面処理面20に銀薄膜層30を
形成し、該銀薄膜層30面に接着剤層40を塗布し、該
接着剤層と金属板50とをラミネートする方法があげら
れる。接着剤層と金属板とのラミネートは接着剤の塗布
後に引き続いて行うのが一般的であるが、これ以外に
も、塗布工程とラミネート工程を分離して行うこともで
きる。例えば熱可塑性のポリエステル系接着剤を用いた
際には、塗布済みの接着剤を熱ロールで溶融させること
により、任意の時点にラミネートを行うことができる。
介して図2に示す反射体と別の高分子フィルム60とを
積層した構成であり、銀薄膜層30が接着剤層40と接
している。この反射部材は、図3における金属板50を
高分子フィルム60に置き換えたものであり、図3に示
した反射部材と同様に製造することができる。図5に示
した反射部材は図4の反射部材に更に光遮蔽層30をコ
ーティングにより塗布することで製造できる。
射部材における接着剤層40と高分子フィルム60との
間に金属層80を設けた構成のものであり、高分子フィ
ルム60の代わりに、高分子フィルム60に蒸着等によ
りあらかじめ金属層80を成膜したフィルムを用い、高
分子フィルムの金属層80側を接着剤層40側としてラ
ミネートすることで製造できる。
分子フィルム60にあらかじめ蒸着等により金属層80
を成膜したフィルムを、高分子フィルム60側を接着剤
層40側としてラミネートすることで製造できる。
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ
スチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(P
C)、ポリイミド(PI)、三酢酸セルロース系樹脂、
ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、フッ素系
樹脂等が使用できるが、必ずしもこれらに限定されるわ
けではなく、透明であり、ある程度ガラス転移温度が高
いものであれば使用できる。
はないが、好ましくは10〜200μm程度が、より好
ましくは10〜100μm程度が、更により好ましくは
25〜50μm程度が用いられる。
しては、波長550nmの光線透過率が80%以上であ
ることが好ましい。より好ましくは、波長500〜60
0nmの範囲の光に対して光線透過率が80%以上であ
り、更に好ましくは波長400〜800nmの範囲の光
に対して光線透過率が80%以上である。光線透過率が
80%よりも低いと、反射体とした時の反射率が90%
を下回り、反射体としての性能上好ましくない。
高分子フィルムが紫外線を吸収する特性を有することが
好ましいことは、本発明者らが既に提案している(US
−5276600)。波長380nm〜300nmにお
ける光線透過率が10%以下である透明高分子フィルム
とは、紫外線吸収剤などが混合されたプラスチックフイ
ルム、紫外線吸収剤や酸化亜鉛などの紫外線をカットす
る層が形成されたプラスチックフイルム等である。
と、紫外線吸収剤を含んだ二軸延伸ポリプロピレン、同
ポリエチレンテレフタレート(PET)、同ポリエチレ
ンナフタレート(PEN)、同ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)、同アクリル樹脂、同ポリエーテルイミ
ド、同ポリイミドなどのホモポリマーまたはコポリマー
が挙げられる。特に好ましくは、紫外線吸収剤を含んだ
PETが好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、ベンゾフェノン
系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤が
挙げられる。
式法がある。湿式法とはメツキ法の総称であり、溶液か
ら銀を析出させ膜を形成する方法である。具体例を挙げ
るとすれば、銀鏡反応等がある。一方、乾式法とは、真
空成膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵
抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イ
オンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着
法、スパッタ法等がある。とりわけ、本発明には連続的
に成膜するロールツロール方式が可能な真空成膜法が好
ましく用いられる。
抵抗加熱、誘導加熱等で溶融させ、蒸気圧を上昇させ、
好ましくは0.1mTorr(約0.01Pa)以下で
基材表面に銀を蒸着させる。
ルゴン等のガスを0.1mTorr(約0.01Pa)
以上導入し、高周波もしくは直流のグロー放電を起こ
し、銀の原材料を電子ビーム、抵抗加熱、誘導加熱等で
溶融させ、蒸気圧を上昇させ基材表面に銀を成膜する。
タ法、RFマグネトロンスパッタ法、イオンビームスパ
ッタ法、ECRスパッタ法、コンベンショナルRFスパ
ッタ法、コンベンショナルDCスパッタ法等を使用し得
る。スパッタ法においては、原材料は銀の板状のターゲ
ットを用いればよく、スパッタガスには、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン、クリプトン、キセノン等を使用し得る
が、好ましくはアルゴンが用いられる。ガスの純度は、
99%以上が好ましいが、より好ましくは99.5%以
上である。
m〜300nmが好ましく、より好ましくは100nm
〜200nmである。これがあまり薄いと、銀の膜厚が
十分でないために透過する光が存在し反射率が低下す
る。一方、これが厚すぎる場合は、反射率は上昇せず飽
和傾向を示す上に、銀の資源を有効に利用するという観
点からも好ましくない。
の、金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、
モリブデン、タンタル、クロム、インジュウム、マンガ
ン、チタン、アルミ等の金属不純物が含まれてもよい。
使用する銀層の純度は99%以上が好ましく、より好ま
しくは99.9%以上、更により好ましくは99.99
%以上である。
定は、触針粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバラ
ンス、水晶振動子法等によって行うことができる。中で
も水晶振動子法では成膜中に膜厚が測定可能なので所望
の膜厚を得るのに適している。また、前もって成膜の条
件を定めておき、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と
膜厚の関係を調べた上で、成膜時間により膜を制御する
方法もある。
に、金属を含むプラズマによる表面処理を行い、この表
面処理上に銀薄膜層を設けることが好ましい。本発明に
おいては、このような表面処理を行うことによって、透
明高分子フィルムと銀薄膜層との界面において起こる光
熱劣化が抑えられるようになると考えられる。以下、本
発明で言う金属を含むプラズマ処理に関して以下に詳し
く例示する。
に放電ガスを導入し、DCグロー放電またはRFグロー
放電によりプラズマを生成したところに、電子ビーム、
抵抗加熱、誘導加熱等で蒸発させた金属の蒸発粒子を導
入することで得ることができる。また、グロー放電によ
るプラズマ中で金属のハロゲン化物、水素化物等を分解
反応させることにより金属を含むプラズマを得ることが
できる。また、所望の金属を陰極にしたDCグロー放電
またはRFグロー放電によりプラズマを発生することに
より、金属を含むプラズマを得ることもできる。簡易的
な方法として所望金属を陰極とするスパッタ法により得
ることができる他に、上記以外の既存の蒸着法(アーク
蒸着法、レーザー蒸着法、クラスターイオンビーム蒸着
等)とRF及びDCグロー放電によるプラズマとを組み
合わせることによっても金属を含むプラズマを得ること
ができる。
る表面処理方法に用いられる金属としては、Ti,V,
Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,G
e,Y,Zr,Nb,Mo,Rh,Pd,Cd,In,
Sn,Sb,Te,Nd,Sm、Eu,Gd,Ta,
W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Pb,Bi等があ
げられる。なかでもTi、W、Cr、V、Zn、Cuが
好ましい。なお、Mg、Al、Siを用いた場合は本発
明の目的を達成できない。
面処理とは、上記金属を含むプラズマに、透明高分子フ
ィルム表面を曝露することにより達成できる。その際、
フィルム温度が上昇しないように裏面より透明高分子フ
ィルムを冷却することがある。また、ロールツロール装
置を用いることにより長尺のフィルムを連続的に金属を
含むプラズマにより処理することが可能になるので、工
業的には該装置が工業的に好ましく用いられる。
量は、透明高分子フィルムの処理面に付着した金属原子
量を用いて表すことができる。該処理面に付着する金属
の量は好ましくは4×1014原子/cm2 乃至2×10
16原子/cm2 であり、より好ましくは5×1014原子
/cm2 乃至1×1016原子/cm2 であり、さらによ
り好ましくは1×1015原子/cm2 乃至8×1015原
子/cm2 であり、さらにさらにより好ましくは2×1
015原子/cm2 乃至6×1015原子/cm2である。
表面処理面に付着する金属の量があまり少なすぎると本
発明の目的とする光熱劣化に対する十分な効果が得られ
ない。またあまり多すぎると、初期反射率が低下し、本
発明の目的の一つである90%以上の反射率が得られな
い。
きるが、上記した範囲の金属原子の量では、蒸着金属層
が連続膜にはなっていないと考えられるので、一般的に
は連続膜として考えられる100nm程度の膜を形成し
た際に要した時間を参考に、表面処理時間から計算で求
めることができる。
において表面処理を行った際に付着した金属層の膜厚が
D(nm)であったとすると、該金属の密度ρ(g/c
m3)、原子量Mから、付着した金属の量N(原子/c
m2 )は、N=D×ρ×6.02×1016/Mなる式で
求めることができる。従って、所望の、金属量n(原子
/cm2 )を表面に付着させるには、同じ処理条件にて
t×(n/N)秒間処理を行えばよいことになる。ま
た、水晶発振子を用いた膜厚モニターを使用する場合に
は、測定される周波数の減少がδf(Hz)であったと
きに、付着した金属の量がN(原子/cm2 )であれ
ば、実際にn(原子/cm2 )だけの金属を付着させる
のに必要な周波数の減少はδf×(n/N)で計算でき
る。
ンを含むプラズマ処理を施し、連続な膜であると考えら
れる厚みの100nmの膜が形成されるほどチタン原子
を付着させるときに1000秒間の時間を要した。付着
したチタンの量は上記式より約6×1017原子/cm2
である。従って、該チタンを含むプラズマ処理条件にて
3×1015原子/cm2のチタン原子を付着させるため
には、1000秒×(3×1015原子/cm2)/(6
×1017原子/cm2)=5秒より、5秒間処理をすれ
ばよいことになる。
にあたって重要な点は以下の2点である。1つには、初
期反射率が90%以下になるほど該表面処理を行っては
ならないこと。2つには、透明高分子フィルムの銀薄膜
層を積層する面に、光熱劣化を抑制するに十分な表面処
理を行うことである。なお、金属を含むプラズマによる
表面処理の前に、透明高分子フイルム表面に、コロナ放
電処理、グロー放電処理、表面化学処理、粗面化処理等
を行うことは銀薄膜層と高分子フィルムの密着性を向上
させる手段として当業者が用いる常套手段であろう。
た透明高分子フィルム表面がどの様に変化しているかに
ついての詳細は明らかではない。しかしながら、本発明
者らは、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;
AFM)により得られた表面の微細構造を得ることに成
功した。AFMでは原子オーダーの先端形状を有する探
針の先端と表面原子との間に働く斥力もしくは引力を検
出し、表面形状の状態を得る。図8は該表面処理を行っ
ていない透明高分子フィルム(PET)表面の微細構造
であり、図9は該表面処理を行った透明高分子フィルム
(PET)表面である。図8では探針が高分子表面を引
っかい様な痕跡が見られ、明確な像が得られていない
が、図9では探針による傷がなく明確な像が得られた。
図8と図9における像の違いは直感的には該表面処理に
より高分子表面の硬さが変化したために、探針の食い込
みが減少したためであると考えられるが、物理的には表
面近傍における探針と表面の間に働く力が変化したため
であると考えられる。探針と表面の間に働く力の曲線
(フォースカーブ)を比較したところ、表面処理を行わ
ないPETフィルムでは表面近傍できわめて急峻な変化
をするのに対して、表面処理を行ったPETフィルムで
は緩やかな曲線に変化していることが明らかとなった。
また、図9からはPETフィルム表面の凸凹が段差にし
た約10nmであることもわかった。
あるので表面に局在しているものと考えられる。仮に、
理想的に平坦な表面に金属原子が一層ずつ整然と積み上
がっていくとしても、金属原子の付着量が5×1014〜
1×1016原子/cm2では金属原子が0.5層〜10
層積み上がっているにすぎない。その高さはせいぜい
0.1〜数nmである。この値は図9より明らかなよう
にPETフィルム表面の凹凸約10nmに比べて非常に
小さい。よって、本発明による金属を含むプラズマによ
る表面処理を施した後の透明高分子フィルム表面におい
ては、金属は局所的(例えば高分子フィルムを構成する
官能基上)に付着していると考える方が自然であり、む
しろ好ましい形態であるといえる。例えば、L.J.G
erenser(Janaral of Vaccum
Science and Tcchnology
A,8刊、頁3682(1990年))は、PETフィ
ルム上の銀原子の反応サイトを調査し、銀原子はカルボ
キシル基と反応しやすいと結論している。
量は、X線光電子分光法(XPS)、ラザフォード後方
散乱分光法(RBS)、付着金属を溶解させた後に行う
誘導結合プラズマ(ICP)発光分光法、2次イオン質
量分析法(SIMS)、レーザー誘起蛍光分光法(LI
F)、蛍光X線分析法(XRF)等で調査が可能であ
る。実際の定量は、ICPやRBSが好ましく用いられ
るが、実用的にはXPSが好ましい。XPSで実際に測
定する時には、0電子の脱出深さを考慮して付着金属量
の評価を行う。例えば、Tiを含むプラズマ処理をした
後のXPSによるTiの表面濃度が、80%であったと
する。光電子の平均的な脱出深さは、2原子層であるか
ら、3×1015(2原子層)×0.8=2.4×1015
原子/cm 2の原子が付着していると評価できる。な
お、XPSの測定値を前もってICPにより校正してお
くことで測定精度が向上する。
プラズマによる表面処理を行い、該表面処理面に銀薄膜
層を形成した後、さらに銀薄膜層の保護やフィルムの滑
り性の向上の目的のため、クロム、ニッケル、チタン、
アルミニウム、モリブデン、タングステン等の単金属も
しくは合金、またはインコネル、インコロイ、モネル、
ハステロイ、ステンレス、ジェラルミン等の合金層を1
0nm〜30nm積層することが有効である。
率は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは9
2%以上であり、更に好ましくは94%以上である。な
お、本発明において、反射率は特に明記しない限り、5
50nmの波長の光に対しての値をいうものとする。
熱劣化促進試験(光促進劣化試験とも言う)の照射光と
しては、390nm以下の波長の光を除いた、照射強度
500mW/cm2 の擬似太陽光を用いる。擬似太陽光
とは、屋外での晴天時の太陽光と同様なスペクトルを持
つ光である。具体的には、キセノンランプに光学フィル
ムターを組み合わせて疑似太陽光スペクトルを得るので
ある。さらに、UVカットフィルターにより、390n
m以下の波長の光をカットする。こうして得られた光の
照射強度をサンプル表面でおよそ500mW/cm2 と
し、光熱劣化促進試験を行った。この様にすることによ
り産業上問題となる透明高分子フィルムと銀薄膜との界
面で発生する光劣化を短時間で発生させることが可能な
のである。
劣化促進試験の照射光が、390nm以下の波長の光を
除いた、照射強度500mW/cm2 の疑似太陽光であ
ると書いてあっても、実際には、透過限界波長が390
nmであるUVカットフィルターを用いて紫外線をカッ
トした照射強度500mW/cm2 の疑似太陽光を光熱
劣化促進試験に用いていることである。
度を100℃に保ち、透過限界波長が390nmである
UVカットフィルタを用いて紫外線をカットした照射強
度500mW/cm2 の類似太陽光を300時間照射し
たときに、波長550nmでの反射率が90%以上を保
つ反射体のことである。
なる波長と、透過率がB%になる波長の中間値で表され
ていることが多く(例えば透過率が72%になる波長と
5%になる波長の中間の波長を言う)、これらの値と実
質的に除かれる波長の値が異なることは当業者の知ると
ころである。
以下に述べる実施例で用いられた透過限界波長が390
nmのUVカットフィルターを通して得られた疑似太陽
光のスペクトルの一例を示す。このスペクトル図より、
今回用いた照射光は、実質的には360nm以下の紫外
光を除いた光であるということもできる。
ィルターとしてはシグマ光機(株)のシャープカットフ
ィルター品番SCF−50S−39L(透過限界波長3
90nm、波長360nmにおける透過率が1%以下)
が、また、東芝化成工業(株)のシャープカットフィル
ター L−39(透過限界波長390nm、波長360
nmにおける透過率が1%以下)がある。光学特性にお
いてはほぼ同様であり、どちらを用いても同様の試験結
果が得られている。
すると共に、さらにサンプルを100℃に加熱して行っ
た。100℃に加熱することにより更に劣化が促進され
る。試料の加熱は、試料を保持したアルミ板の下に板状
のヒーターを設置し、このヒーターを温調機(温度コン
トローラー)で制御することで行った。温調はアルミ板
上に密着させた熱電対により温度を測定し行った。
射板を、例えば、金属板または高分子シートからなる支
持体に、接着剤層を介して固定したものである。ラミネ
ートに用いられる接着剤(粘着剤も含む)としては、ポ
リエステル系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接
着剤、シリコン系接着剤、エポキシ系接着剤、メラミン
系接着剤等があげられるが、必ずしもこれらの種類に限
定されるわけではなく、実用上の接着強度があれば任意
のものを使用できる。接着強度としては180度ピール
強度の測定値が100g/cmあれば十分であり、好ま
しくは500g/cmであり、より好ましくは1000
g/cmである。あまりに接着強度が小さいと、反射体
として曲率半径1〜5mm程度に曲げた時に、透明高分
子フィルム側が金属板または高分子シートより浮き上が
る等の事態を引き起こすのであまり好ましくない。
0μmが好ましく、より好ましくは1μm〜20μmで
あり、更に好ましくは2μm〜10μmである。あまり
に厚すぎると材料費の点からコスト増となり好ましくな
い。あまりに薄すぎると十分な接着強度が得られない。
法、メイヤーバーコート法、リバースコート法、グラビ
アコート法、ダイコート法等があげられるが、これらは
使用する接着剤の種類、粘度、塗布量、塗布速度、得ら
れる面状態等を考慮して選定される。
透明高分子フィルム上に、透明な保護層を設けても良
い。このような保護層により、反射体の表面硬度、耐光
性、耐ガス性、耐水性など外的環境因子の影響をさらに
抑制することができる。このような保護層の形成に利用
できる物質の例としては、例えば、ポリメタクリル酸メ
チルなどのアクリル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、
ポリメタアクリルニトリル樹脂、エチルシリケ−トより
得られる重合体などの珪素樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ッ素樹脂などの有機物質の他に酸化珪素、酸化亜鉛、酸
化チタンなどの無機物質が有用である。400nm以
下、好ましくは380nm以下の波長の光をカットし、
好ましくは10%以下にカットする能力を有するものを
積層することは銀層の光劣化(紫外線劣化)を防止する
上で好ましい。
ング、フィルムのラミネ−トなど、既存の方法があげら
れる。また、この透明保護層の膜厚は、光反射能を低下
させず、かつ可撓性を損なわない範囲で、保護効果を発
揮する必要があり、その材料、用途に応じて適宜変更し
て用いられる。
アルミ板、アルミ合金板、真鍮板、ステンレス板、鋼板
等が上げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけで
はなく、反射部材の用途により選択される。例えば、ア
ルミは軽量かつ加工性に優れ、また熱伝導率が高くそれ
にかかる熱を効果的に大気中に逃がすことができるた
め、ノートパソコンなどのLCDのバックライトに用い
られる反射部材に好適に利用できる。アルミ合金は軽量
かつ機械的強度が強いことから、構造部材を兼ねる反射
部材に好適に利用できる。ステンレスは機械的強度が高
度にあり、また耐食性にすぐれているので、屋外で使用
される反射部材をはじめ、材料の薄板化が必要な用途に
好適に用いられる。真鍮(黄銅)、すなわち銅亜鉛合金
は機械的強度の強いことに加え、はんだづけが容易なた
めアースを必要とする反射部材に好適に用いられる。鋼
板は安価であることから、コストを優先する用途である
蛍光灯用反射傘等に好適に用いられる。
しては、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフ
タレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PE
N)、ポリブチレンテレフテレ−ト(PBT)、アクリ
ル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエーテルサルホン(P
ES)、ポリエ−テルエ−テルケトン(PEEK)、ポ
リアリレ−ト、ポリエ−テルイミド、ポリイミドなどの
ホモポリマ−またはコポリマ−があげられる。特に好ま
しくは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
該高分子フィルムが最外層である場合には外観上白色の
ものが好まれる。支持体としての高分子フィルムの厚み
は、コスト低減及び、曲げ易さからは薄い方が好まし
く、銀薄膜層等とラミネートする際の取扱い(ハンドリ
ング)性及び形状保持性からは、厚みは厚い方が良い。
好ましいフィルムの厚みは、5μm〜500μm 、さら
に好ましくは10μm〜200μmであり、15μm〜1
00μmが好ましく用いられる。
ることから、非常にわずかではあるが光が透過すること
がある。そこで支持体として、高分子フィルムを用いた
場合には、これらの光を遮蔽するために金属層および光
遮蔽層を用いる。また支持体側から反射部材に入射した
光が反射することをふせぐために、光遮蔽を用いること
もできる。金属としてはAl、Cr等が用いられる。
散させた白色塗装が用いられる。白色顔料としてはアル
ミナ、チタニア(チタン白)、酸化鉛(鉛白)、酸化亜
鉛(亜鉛華)、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バ
リウム、チタン酸カリウム、珪酸ソーダ等があげられ
る。樹脂としてはアクリル系樹脂や、ポリエステル系樹
脂、ウレタン系樹脂等が用いられる。
の代表的な評価方法を以下に説明する。銀薄膜層、接着
剤層、支持体の各部の厚さは、その断面を透過型電子顕
微鏡(TEM)で観察することで直接測定できる。高分
子フィルムの材料分析は、赤外分光(IR)を行うこと
により行われる。また、接着剤の材料分析は、銀薄膜層
と支持体を引き剥して接着剤を露出させ、適当な溶媒に
それを溶かした試料を作製し、その赤外分光(IR)を
行うことができる。銀薄膜層及び支持体の材料分析は、
蛍光X線分光(XRF)により行なえる。さらに、X線
マイクロアナライザ(EPMA)では蛍光X線分光より
微細な部分の元素分析が行える。また、銀薄膜層の形成
された高分子フィルムを、接着剤層から引き剥し銀薄膜
層を露出させれば、オージェ電子分光法(AES)によ
り組成分析、及び深さプロファイルをとることで厚さも
知ることができる。
あるが、以下に述べる実施例では、分光光度計に積分球
を設置して測定した。具体的には、日立自動自記分光光
度計(型式:U−3400)に150φ積分球(型式:
150−0901)を設置し測定した。標準サンプル
(リファレンス)には酸化アルミニウムからなる標準白
色板を用いた。
率(平行光線透過率)は例えば、日立自動自記分光光度
計(型式:U−3400)に、フィルムホルダ(型式:
210−2112)を設置し、測定した。また、全光線
透過率(平行光線透過率+拡散透過率)は150φ積分
球を設置し、サンプルを積分球の試料側光束入口に固定
し測定した。
る。光熱劣化促進試験は、390nm以下の波長の光を
除いた照射強度500mW/cm2 の擬似太陽光を用い
て行った。また、反射体は100℃に加熱した。光源に
は山下電装(株)のソーラシミュレータ型式YSS−5
05Hを用いた。また、東芝化成工業(株)シャープカ
ットフィルター L−39を用いて、390nm以下の
波長の光を除いた。
計(U−3400)に150φ積分球を設置し測定し
た。標準試料サンプル(リファレンス)には酸化アルミ
ニウムからなる標準白色板を用いた。透明高分子フィル
ムの光線透過率(平行光線透過率+拡散透過率)は日立
自動自記分光光度計(U−3400)にフィルムホルダ
(型式:210−2112)を設置し、フィルムホルダ
に試料となる透明高分子フィルムを保持することによっ
て測定した。。
純度99.5%のアルゴンを2×10-3Torr導入
し、DCグロー放電により、プラズマを生成した。この
際、陰極にチタンを用いて、チタンを含むプラズマ雰囲
気を作りだした。透明高分子フィルム(帝人(株)製ポ
リエステルフィルム、テトロンフィルムタイプHB3、
厚さ25μm、光線透過率=87.3%)の片面に該チ
タンを含むプラズマを用いて、表面に付着するチタンの
量が5×1014原子/cm2となるように、処理を行っ
た。続いて該プラズマ処理面上に蒸着にて、純度99.
9%の銀を蒸着材料として、銀を150nm厚積層し
た。得られた試料の反射率を透明高分子フィルム側から
測定したところ、反射率=95.5%であった。光熱劣
化促進試験を300時間行ったところ、反射率は91.
5%であった。
5×1015原子/cm2となるように処理を行う以外、
実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の反射
率を透明高分子フィルム側から測定したところ、反射率
=95.4%であった。光熱劣化促進試験を300時間
行ったところ、反射率は94.7%であった。
1×1016原子/cm2となるように処理を行う以外、
実施例1と同様に作製した。得られた試料の反射率を透
明高分子フィルム側から測定したところ、反射率=9
1.1%であった。光熱劣化促進試験を300時間行っ
たところ、反射率は91.0%であった。
純度99.5%のアルゴンを2×10-3Torr導入
し、DCグロー放電により、プラズマを生成した。この
際陰極にチタンを用いて、チタンを含むプラズマ雰囲気
を作りだした。透明高分子フィルム(帝人(株)製ポリ
エステルフィルム、テトロンフィルムタイプHB3、厚
さ25μm、光線透過率=87.6%)の片面に該チタ
ンを含むプラズマを用いて、表面に付着するチタンの量
が5×1015原子/cm2となるように処理を行った。
続いて該プラズマ処理面上に、純度99.9%の銀をタ
ーゲットとして、スパッタガスとして純度99.5%の
アルゴンを用いて、DCマグネトロンスパッタ法にて銀
を150nm厚積層した。得られた試料の反射率を透明
高分子フィルム側から測定したところ、反射率=95.
6%であった。光熱劣化促進試験を300時間行ったと
ころ、反射率は95.4%であった。
純度99.5%のアルゴンを2×10-3Torr導入
し、DCグロー放電により、プラズマを生成した。この
際陰極にチタンを用いて、チタンを含むプラズマ雰囲気
を作りだした。透明高分子フィルム(東洋紡績(株)製
ポリエステルフィルム、タイプA4100、厚さ25μ
m、光線透過率=87.6%)の片面に該チタンを含む
プラズマを用いて、表面に付着するチタンの量が5×1
015原子/cm2となるように、処理を行った。続いて
該プラズマ処理面上に、純度99.9%の銀をターゲッ
トとして、スパッタガスとして純度99.5%のアルゴ
ンを用いて、DCマグネトロンスパッタ法にて銀を15
0nm厚積層した。得られた試料の反射率を透明高分子
フィルム側から測定したところ、反射率=96.0%で
あった。光熱劣化促進試験を300時間行ったところ、
反射率は96.0%であった。
%のバナジウムを用いる以外実施例5と同様に作製し
た。得られた試料の反射率を透明高分子フィルム側から
測定したところ、反射率=94.7%であった。光熱劣
化促進試験を300時間行ったところ、反射率は94.
3%であった。
%のクロムを用いる以外実施例5と同様に作製した。得
られた試料の反射率を透明高分子フィルム側から測定し
たところ、反射率=95.7%であった。光熱劣化促進
試験を300時間行ったところ、反射率は91.6%で
あった。
9%の銅を用いる以外実施例5と同様に作製した。得ら
れた試料の反射率を透明高分子フィルム側から測定した
ところ、反射率=95.2%であった。光熱劣化促進試
験を300時間行ったところ、反射率は95.0%であ
った。
%の亜鉛を用いる以外実施例5と同様に作製した。得ら
れた試料の反射率を透明高分子フィルム側から測定した
ところ、反射率=95.0%であった。光熱劣化促進試
験を300時間行ったところ、反射率は94.7%であ
った。
9%のタングステンを用いる以外実施例5と同様に作製
した。得られた試料の反射率を透明高分子フィルム側か
ら測定したところ、反射率=95.5%であった。光熱
劣化促進試験を300時間行ったところ、反射率は9
5.4%であった。
(株)製ポリエステルフィルム、テトロンフィルムタイ
プHB3、厚さ25μm、光線透過率=87.3%)に
蒸着にて純度99.9%の銀を蒸着材料として、銀を1
50nm厚積層した。得られた試料の反射率を透明高分
子フィルム側から測定したところ、反射率=96.0%
であった。光熱劣化促進試験を300時間行ったとこ
ろ、反射率は51.2%であった。初期の反射率は9
6.0%と十分な値であったが光熱劣化促進試験後の反
射率は51.2%であり、もはや反射体としては適さな
いものであった。
績(株)製ポリエステルフィルム、タイプA4100、
厚さ25μm、光線透過率=87.6%)に純度99.
9%の銀をターゲットとして、スパッタガスとして純度
99.5%のアルゴンを用いて、DCマグネトロンスパ
ッタ法にて銀を150nm厚積層した。得られた試料の
反射率を透明高分子フィルム側から測定したところ、反
射率=96.1%であった。光熱劣化促進試験を300
時間行ったところ、反射率は60.2%であった。初期
の反射率は96.1%と十分な値であったが光熱劣化促
進試験後の反射率は60.2%であり、もはや反射体と
しては適さないものであった。
5×1016原子/cm2となるように処理を行う以外、
実施例1と同様に試料を作製した。得られた試料の反射
率を透明高分子フィルム側から測定したところ、反射率
=82.9%であった。初期の反射率が低く、反射体と
しては適さない。
%のマグネシウムを用いる以外実施例5と同様に作製し
た。得られた試料の反射率を透明高分子フィルム側から
測定したところ、反射率=95.8%であった。光熱劣
化促進試験を300時間行ったところ、反射率は31.
2%であった。初期の反射率は95.8%と十分な値で
あったが光熱劣化促進試験後は31.2%であり反射体
としては適さない。
%のアルミを用いる以外実施例5と同様に作製した。得
られた試料の反射率を透明高分子フィルム側から測定し
たところ、反射率=96.2%であった。光熱劣化促進
試験を300時間行ったところ、反射率は24.9%で
あった。初期の反射率は96.2%と十分な値であった
が光熱劣化促進試験後は24.9%であり反射体として
は適さない。
%のシリコンを用いる以外実施例5と同様に作製した。
得られた試料の反射率を透明高分子フィルム側から測定
したところ、反射率=96.2%であった。光熱劣化促
進試験を300時間行ったところ、反射率は29.2%
であった。初期の反射率は96.2%と十分な値であっ
たが光熱劣化促進試験後は29.2%であり反射体とし
ては適さない。上記実施例および比較例を以下〔表1〕
にまとめる。
u、Zn、Wを含むプラズマにより透明高分子フィルム
の表面を処理することにより、光熱劣化による反射率の
低下を抑えることができ、光熱劣化促進試験を300時
間実施後も90%以上の反射率を保ちうることが分か
る。また、実施例5〜10及び比較例2に示したサンプ
ルについて行った光熱劣化促進試験結果(横軸に試験時
間、縦軸に反射率)を図11に示す。これらより金属を
含むプラズマによる表面処理方法で用いる金属としては
WとTiが最も優れ、続いてCu、V、Zn、Crであ
ることが分かる。
を含むプラズマによる表面処理を行い、更に該表面処理
面に銀薄膜層(B)を形成することにより、上記透明高
分子フィルムと銀薄膜層の界面においておこる、光熱劣
化を抑えることができる。
真
M像写真
明高分子フィルム表面の粒子構造を表すAFM像写真
ルターを通して得られた疑似太陽光のスペクトルを示す
グラフ
を示すグラフ
Claims (11)
- 【請求項1】 少なくとも、透明高分子フィルム
(A)、銀薄膜層(B)からなる構成ABの透明高分子
フィルム側を反射面とする反射体にして、390nm以
下の波長の光を除いた、照射強度500mW/cm2 の
擬似太陽光を、反射体温度100℃で300時間照射後
でも反射率が90%以上を保つ反射体。 - 【請求項2】 透明高分子フィルム(A)の片面に金属
を含むプラズマによる表面処理を行って表面処理面と
し、更に、該表面処理面に前記銀薄膜層(B)を形成し
てなる請求項1に記載の反射体。 - 【請求項3】 金属を含むプラズマによる表面処理によ
り、透明高分子フィルム処理面に付着する金属原子が、
4×1014原子/cm2 乃至2×1016原子/cm2 で
ある請求項2に記載の反射体。 - 【請求項4】 金属を含むプラズマによる表面処理にお
いて、該金属がTi、V、Cr、Cu、Zn、およびW
から選択された一種である請求項2または請求項3に記
載の反射体。 - 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の反射体の銀薄膜
層(C)側を支持体に接着剤層を介して積層してなる反
射部材。 - 【請求項6】 支持体が金属板または高分子フィルムで
ある請求項5に記載の反射部材。 - 【請求項7】 金属板がアルミ板、真鍮板、ステンレス
板および鋼板から選択された一種である請求項6に記載
の反射部材 - 【請求項8】 請求項1乃至4に記載の反射体(C)
と、接着剤層(D)と、高分子フィルム(E)と、光遮
蔽層(F)とをこの順で積層してなる構成CDEFの反
射部材であって、該反射体(C)の銀薄膜層側を、接着
剤層側とする反射部材。 - 【請求項9】 請求項1乃至4に記載の反射体(C)
と、接着剤層(D)と、金属層(G)と高分子フィルム
(H)と、光遮蔽層(F)からなる構成CDGHFまた
はCDHGFの反射部材であって、該反射体(C)の銀
薄膜層側を該接着剤側層とする反射部材。 - 【請求項10】 波長380〜300nmにおける光線
透過率が10%以下である透明高分子フィルム(A)を
用いた請求項1乃至4のいずれかに記載の反射体。 - 【請求項11】 波長380〜300nmにおける光線
透過率が10%以下である透明高分子フィルム(A)を
用いた請求項5乃至9に記載のいずれかに記載の反射部
材。
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JP25118295 | 1995-09-28 | ||
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