JP2002116313A - 反射シート及びそれを用いたリフレクター - Google Patents

反射シート及びそれを用いたリフレクター

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JP2002116313A
JP2002116313A JP2000311162A JP2000311162A JP2002116313A JP 2002116313 A JP2002116313 A JP 2002116313A JP 2000311162 A JP2000311162 A JP 2000311162A JP 2000311162 A JP2000311162 A JP 2000311162A JP 2002116313 A JP2002116313 A JP 2002116313A
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Hirotaka Yoshida
吉田  浩隆
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高反射率を示す銀を反射層に使用した、
耐光性、湿熱耐久性の優れた反射シートを提供するこ
と、および同反射シートを用いたランプリフレクターに
適したリフレクターを提供すること。 【解決手段】 高分子フィルム上に、下地層、銀層、銀
を主体とする合金層、透明酸化物層を順に構成した反射
シート。および該反射シートを、高分子フィルム側を接
着面として、成形体と接着剤により貼り合わせて得られ
るリフレクター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀を高分子フィル
ム上に積層して構成する反射シート及びそれを用いたリ
フレクターに関する。さらに詳しくは、耐光性、耐湿熱
性に優れた銀を主体とする多層の構成からなる反射シー
ト及びそれを用いたリフレクター。
【0002】
【従来の技術】近年、反射層として銀を用いた反射体
が、液晶表示装置のバックライト部のランプリフレクタ
ーを中心に、蛍光灯の反射傘などに用いられている。こ
れらはPET(ポリエチレンテレフタレート)/銀薄膜
層/接着層/アルミ板からなるいわゆる銀反射板や、P
ET/銀薄膜層/白塗装/接着層/アルミ蒸着層/高分
子フィルム/白塗装からなるいわゆる銀反射シートであ
る。これらは、透明高分子フィルムであるPETを銀の
保護層として用いることにより、従来からの問題点であ
った大気暴露による銀の硫化、酸化を防止し、高反射率
を維持することに成功した。例えば、上記銀反射板の信
頼性を例に挙げると、高温試験(80℃)で1000時
間行ったが、硫化などによる黒化は観察されず、また、
反射率の低下も観察されなかった。
【0003】しかしながら、80℃の高温下で、光照射
を行ったところ、数百から数千時間で銀が紫色に変色
し、反射率が急激に低下するという新たな問題がある。
また、耐湿熱性試験(80℃、相対湿度90%)を行っ
たところ、点状の白点が多数発生し、反射率が低下する
という問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高反
射率を示す銀を反射層に使用し、かつ耐光性、湿熱耐久
性の優れた反射シート、および同反射シートを用いたリ
フレクターを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、鋭意検討した結果、驚くべきこと
に、高分子フィルム上に、下地層、銀層、銀を主体とす
る合金層、透明酸化物層の4層を順に構成した反射シー
トを、高分子フィルム側を接着面として、成形体と接着
剤により貼り合わせることにより、上記の課題を解決出
来ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、少なくとも高分子フィ
ルム(A)、下地層(B)、銀層(C)、銀を主体とす
る合金層(D)、透明酸化物層(E)の構成ABCDE
からなることを特徴とす反射シートを提供する。
【0007】390nm以下の波長の光を除いた、照射
強度500mW/cm2の擬似太陽光を、反射体温度1
00℃で300時間照射後でも反射率が90%以上を保
つ反射シートは、本発明の好ましい態様である。
【0008】前記下地層(B)が、金、銅、ニッケル、
鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、
クロム、インジウム、マンガン、チタン、もしくは、パ
ラジウムからなる厚さ5〜50nmの金属層、または、
酸化アルミニウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜
鉛、または、インジウムとスズの酸化物(ITO)から
なる厚さ1〜20nmの透明酸化物層である反射シート
は、本発明の好ましい態様である。
【0009】前記銀層(C)の厚みが、70〜400n
mである反射シートは、本発明の好ましい態様である。
【0010】前記銀を主体とする合金層(D)が、銀に
対し銅とパラジウムをあわせて0.001〜2重量%含
有している合金からなる層であり、該合金層の膜厚が、
5〜40nmである反射シートも、本発明の好ましい態
様である。
【0011】前記透明酸化物層(E)が、酸化アルミニ
ウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛、または、イ
ンジウムとスズの酸化物(ITO)からなる厚さ1〜2
0nmの透明酸化物、あるいは厚みが、1〜50nmで
あるような珪素酸化物層である反射シートも、本発明の
好ましい態様である。
【0012】また本発明は、前記の反射シートの高分子
フィルム層(A)側を接着面をとして、支持体に接着剤
層を介して積層してなるリフレクターを提供する。
【0013】前記支持体が、アルミ板、真鍮板、ステン
レス板、鋼板、或いはプラスチックのいずれかからなる
板またはシートであるリフレクターは、本発明の好まし
い態様である。
【0014】前記高分子フィルム(A)と支持体との接
着強度が100g/cm以上であり、かつ、接着層の厚
みが0.5μm以上50μm以下であるリフレクターも、
本発明の好ましい態様である。
【0015】前記載のリフレクターを、、光源を覆うよ
うに設置して使用できるように、反射シート側を内側に
折り曲げたリフレクターも、本発明の好ましい態様であ
る。
【0016】前記高分子フィルム(A)と支持体との接
着強度が100g/cm以上であり、かつ、接着層の厚
みが0.5μm以上50μm以下であり、かつ、反射シー
ト側の曲率半径が5mm以下であるリフレクターも、本
発明の好ましい態様である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも高分子フィルム(A)、下地層
(B)、銀層(C)、銀を主体とする合金層(D)、透
明酸化物層(E)の構成ABCDEからなることを特徴
とす反射シート、およびそれを用いたリフレクターを提
供するものである。
【0018】以下にそれぞれを詳細に説明する。本発明
の反射シートは、高分子フィルム(A)上に下地層
(B)、銀層(C)、銀を主体とする合金層(D)、透
明酸化物層(E)の4層を形成した反射シートであり、
また、本発明のリフレクターとは、該反射シートを高分
子フィルム側を接着面として、支持体に接着させたもの
である。
【0019】本発明における高分子フィルム(A)は、
例えばポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエ
チレンナフタレートなどのポリエステル類、ビスフェノ
ールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート類、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン
類、セルローストリアセテートなどのセルロース誘導体
類、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリイミ
ド類、ポリアミド類、ポリエーテルスルホン、ポリスル
ホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ素系樹脂など
の各種プラスチックからなるフィルムが挙げられる。本
発明における高分子フィルム(A)は、必ずしもこれら
に限定されるものではなく、本発明の目的に耐える程度
の常用耐熱温度を有するものであれば使用できる。耐熱
性の高いフィルムを用いれば、高温で使用できる反射シ
ートを得ることができる。使用される高分子フィルム
(A)の厚みは、特に限定されるものではないが、通常
は10〜150μm程度が好ましく用いられる。
【0020】本発明の反射シートにおいて、反射層は高
分子フィルム上に形成される少なくとも4層からなるも
のである。高分子フィルム側からの下地層(B)、銀層
(C)、銀を主体とする合金層(D)、透明酸化物層
(E)である。
【0021】下地層(B)には、金、銅、ニッケル、
鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、
クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウムな
どの金属単体、または、酸化アルミニウムが0〜5重量
%ドープされた酸化亜鉛もしくはインジウムとスズの酸
化物(ITO)などの透明酸化物が好ましく用いられ
る。
【0022】銀層(C)には、基本的には銀単体である
ことが望ましいが、その性能に害を及ぼさない程度の
金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリ
ブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チ
タン、パラジウムなどの金属不純物が含まれても良い。
【0023】銀を主体とする合金の金属層(D)には、
銀に対し銅及びパラジウムが合わせて2重量%以下の範
囲で含有している合金が好ましく用いられる。
【0024】透明酸化物層(E)には、酸化アルミニウ
ムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛や、インジウム
とスズの酸化物(ITO)、珪素酸化物などが好ましく
用いられる。
【0025】上記下地層(B)、銀層(C)、銀を主体
とする合金層(D)および透明酸化物層(E)における
金属薄膜層の形成法は、湿式法及び乾式法がある。湿式
法とはメッキ法の総称であり、溶液から金属を析出させ
膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀
鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真空成膜法の総
称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空
蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーテ
ィング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ
法などがある。とりわけ、本発明には連続的に成膜する
ロール・ツー・ロール方式が可能な真空成膜法が好まし
く用いられる。
【0026】真空蒸着法では、金属の原材料を電子ビー
ム、抵抗加熱、誘導加熱などで溶融させ、蒸気圧を上昇
させ、好ましくは13.3mPa(0.1mTorr)
以下で基材表面に蒸発させる。この際に、アルゴンなど
のガスを13.3mPa以上導入させ、高周波もしくは
直流のグロー放電を起こしても良い。
【0027】スパッタ法には、DCマグネトロンスパッ
タ法、RFマグネトロンスパッタ法、イオンビームスパ
ッタ法、ECRスパッタ法、コンベンショナルRFスパ
ッタ法、コンベンショナルDCスパッタ法などを使用し
うる。スパッタ法においては、原材料は金属の板状のタ
ーゲットを用いればよく、スパッタガスにはヘリウム、
ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどを使用し
うるが、好ましくはアルゴンが用いられる。ガスの純度
は99%以上が好ましいが、より好ましくは99.5%
以上である。また、透明酸化膜の形成には、真空成膜法
が好ましく用いられる。主に、スパッタ法が使用され、
スパッタガスには、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリ
プトン、キセノンなどを使用し、場合においては酸素ガ
スを用いて行うこともある。
【0028】本発明の下地層(B)において、金属層を
用いた場合、その厚みは、および5〜50nmが好まし
く、より好ましくは5〜30nmである。該層の厚み薄
すぎると、所望のバリヤー効果が得られず、第2層の銀
層に凝集を発生させる。また、50nmより厚くしても
その効果に変化が無い。また、透明酸化物を用いた場
合、該層の厚みは、1〜20nmが好ましく、さらに好
ましくは、5〜10nmである。
【0029】本発明の銀層(C)の厚みは、十分な金属
層の形成および反射率の観点から、70〜400nmが
好ましく、より好ましくは100〜300nm、さらに
好ましくは150〜250nmである。
【0030】本発明の銀を主体とする合金の金属層
(D)の厚みは、バリヤー効果および銀層の特性発現の
観点から、5〜40nmが好ましい。
【0031】本発明の透明酸化物層(E)の厚みは、1
〜20nmが好ましく、より好ましくは1〜7nm、さ
らに好ましくは1〜5nmである。この層の厚みが薄す
ぎる場合は、所望のバリヤー効果が得られず、第2層の
銀層に凝集を発生させる。また、20nmより厚くして
もその効果に変化が無い。
【0032】前記各層の膜厚の測定方法としては、触針
粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバランス、水晶
振動子法などを用いる方法があり、特に水晶振動子法で
は成膜中に膜厚が測定可能であるため所望の膜厚を得る
のに適している。また、前もって成膜の条件を定めてお
き、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関係を
調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法もあ
る。
【0033】また、反射層を透明高分子フィルム(層)
上に設ける際に、該高分子フィルム表面に、コロナ放電
処理、グロー放電処理等の処理は、反射層と高分子フィ
ルムの密着性を向上させる効果があるので、本発明の実
施にあたって採用してもよい。また他の処理も当業者の
技術的常識の範囲で適宜採用することができる。
【0034】このようにして作製された反射シートの、
金属反射層側から測定される反射率は典型的には、55
0nmの波長の光に対して90%以上であり、より詳し
くは92%以上であり、さらに好ましくは94%以上で
ある。
【0035】また、本発明の反射シートの両面に、透明
な保護層を設けてもよい。このような保護層により、反
射シートの表面硬度、耐光性、ガスバリヤ性、耐水性な
ど外的環境因子の影響をさらに抑制することができる。
このような保護層の形成に利用できる物質の例として
は、例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹
脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタアクリロニト
リル樹脂、エチルシリケートより得られる重合体などの
珪素樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂などの有機物
質の他に酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタンなどの無機物
が有用である。400nm以下、好ましくは380nm
以下の波長の光をカットし、好ましくは10%以下にカ
ットする能力を有するものを積層することは銀層の光り
劣化(紫外線劣化)を防止するうえで好ましい。
【0036】透明保護層の形成方法としては、コーティ
ング、フィルムのラミネートなど、既存の方法があげら
れる。また、この透明保護層の膜厚は、光り反射機能を
低下させず、かつ、可撓性を損なわない範囲で、保護効
果を発揮する必要があり、その材料、用途に応じて適宜
変更して用いられる。
【0037】光照射後の反射シートの劣化の程度を調べ
る光熱劣化促進試験(光促進劣化試験とも言う)の照射
光としては、390nm以下の波長の光を除いた、照射
強度500mW/cm2の擬似太陽光を用いる。擬似太
陽光とは、屋外での晴天時の太陽光と同様なスペクトル
をもつ光である。具体的には、キセノンランプに光学フ
ィルターを組み合わせて擬似太陽光スペクトルを得るの
である。さらにUVカットフィルターにより、390n
m以下の波長をカットする。こうして得られた光の照射
強度をサンプルの表面でおよそ500mW/cm2
し、光熱劣化促進試験を行う。この様にすることによ
り、問題となる光劣化を短時間で発生させることが可能
となる。
【0038】光熱劣化促進試験は、試料に上記光を照射
すると共に、さらにサンプルを100℃に加熱して行
う。100℃に加熱することによりさらに劣化が促進さ
れる。試料の加熱は、試料を保持したアルミ板の下に板
状ヒーターを設置し、このヒーターを温調機(温度コン
トローラー)で制御することで行った。温調は、アルミ
板の上に密着させた熱電対により温度を測定して行っ
た。
【0039】本発明のリフレクターは、前述の反射シー
トを、接着剤を介して板状成形体である支持体に固定し
たものである。用いられる接着剤は、熱または触媒の助
けにより接着される接着剤であり、具体的には、シリコ
ン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着
剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤な
ど一般的な接着剤を用いることができる。エポキシ系接
着剤は強度、耐熱性に優れているため、これもまた好適
に利用できる。シアノアクリレート系接着剤は、即効性
と強度に優れているため、効率的な反射体作製に利用で
きる。これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化型、
ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ましく
は連続生産が可能な熱硬化型あるいはホットメルト型が
使用される。どの接着剤を使用した場合でもその厚み
は、0.5μm〜50μmが好ましい。
【0040】反射シートと板状成形体との接着は、反射
シートの高分子フィルム側への接着剤のコーティング、
乾燥、ローラーによる板状成形体とのラミネート、の手
順により行われる。接着剤のコーティング方法は、基材
や接着剤の種類によって多くの方法があるが、広く使用
されているのは、グラビアコーター方式及び、リバース
コーター方式である。グラビアコーター方式では、接着
剤に一部浸されているグラビアロールを回転させ、バッ
クアップロールによって送られるフィルムを接着剤の付
着したグラビアロールに接触させることによりコーティ
ングする。コーティング量はロールの回転数、接着剤の
粘度を制御することで調整できる。リバースコーター方
式も、グラビアコーター方式に類似した方法だが、コー
ティングロールに付着する接着剤の量を、それに接して
設置されているメタリングロールによって調整する。コ
ーティングされた接着剤の乾燥温度、及びラミネート温
度は接着剤の種類によってまちまちであるが、上記にか
かげた一般的な接着剤を用いる場合は100℃前後であ
る。
【0041】この接着剤による反射シートと、板状成形
体との接着強度は、180度ピール強度で測定して10
0g/cm以上である事が好ましい。この接着強度にあ
まりに達しない場合には、板金加工した際、反射シート
の、板状成形体からの剥がれなどが生じ、変形などを引
き起こす可能性があるためである。
【0042】板状成形体には、アルミニウム、アルミニ
ウム合金、ステンレス鋼、鋼亜鉛合金、鋼などが使用さ
れるが、これらの金属にはそれぞれ長所があり、次のよ
うに使い分けることができる。アルミニウムは軽量かつ
加工性に優れ、また、熱伝導率が高くそれにかかる熱を
効果的に大気中に逃がすことができるため、ランプ発光
によって反射体が加熱されるLCD用バックライトに好
適に利用できる。アルミ合金は軽量かつ機械的強度が強
い。ステンレス鋼は機械的が適度にあり、また耐蝕性に
優れている。鋼亜鉛合金すなわち黄銅または真鍮は、機
械的強度の強いことに加え、はんだづけが容易なため電
気的端子をとり易い。鋼は安価なため、コストを抑える
必要がある時に好ましく用いられる。
【0043】板状成形体には、またプラスチックの板や
シート を用いることができる。用いられる材質として
は、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラ
ート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリブチレンテレフタラー(PBT)、アクリル
樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエーテルサルフォン(P
ES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポ
リアレリート、ポリエーテルイミド、ポリイミドなどの
ホモポリマー、またはコポリマーが挙げられる。特に好
ましくは、ポリエチレンテレフタラートフィルムであ
り、該高分子フィルムが最外層である場合には外観上白
色のものが好まれる。支持体としての高分子フィルムの
厚みは、コスト低減及び、曲げやすさからは、薄い方が
好ましく、反射シートとのラミネートする際の取扱い
(ハンドリング)性及び、形状保持性からは、厚い方が
好まれる。好ましいフィルムの厚みは、5μm〜500
μm、より好ましくは10μm〜200μmであり、さ
らに好ましくは15μm〜100μmである。
【0044】本発明品である反射シートの構成、及び電
気特性の代表的な評価方法を以下に説明する。銀薄膜
層、接着層、板状成形体の各部の厚さは、その断面を透
過型電子顕微鏡(TEM)で観察することで直接測定で
きる。高分子フィルムの材料分析は、赤外分光(IR)
によりできる。また、接着剤の材料分析は高分子フィル
ムと板状成形体を引き剥がして接着剤を露出させ、適当
な溶媒にそれを溶かした試料を作成し、その赤外分光
(IR)をとることでできる。銀薄膜層及び、板状成形
体の材料分析は、蛍光X線分光(XRF)によりでき
る。さらに、X線マイクロアナライザー(EPMA)で
は蛍光X線分光より微細な部分の元素分析が行える。ま
た、オージェ電子分光法(AES)、二次イオン質量分
析法(SIMS)により組成分析、及び深さプロファイ
ルをとることで厚さも知ることができる。
【0045】本発明の反射シートは、リフレクター用に
好適である。また本発明のリフレクターは、液晶ディス
プレイ装置に用いられるランプリフレクターに好適であ
る。本発明の理解を助けるために図を用いて説明する。
図1は本発明の反射シートの層構成を示す断面図であ
り、高分子フィルム(A)が5、下地層(B)が4、銀
層(C)が3、銀を主体とする合金層(D)が2、透明
酸化物層(E)が1とABCDEの順で構成されている
反射シートを示している。図2は、該反射シートを用い
たリフレクターの層構成を示す断面図である。高分子フ
ィルム層(A)5側を接着面として、支持体7に接着剤
層6を介して積層した積層体よりなるリフレクターが示
されている。図3は本発明のリフレクターを、好適な実
施態様であるランプリフレクターに成形した態様を示す
図である。図4には図3のランプリフレクターの断面が
示されている。図5に、本発明のランプリフレクターを
液晶ディスプレイのバックライトユニットに取付けた態
様を示した。該装置では図3に示したランプリフレクタ
ーがランプ(冷陰極管)を覆うように設置して用いら
れ、その断面はU字型或いはコの字型で用いられてい
る。
【0046】本発明のランプリフレクターは、上記リフ
レクターを、成形加工することにより得られる。加工の
手順としては、例えば、まず板材から所望の型に打ち抜
き加工、穴あけ加工続いて、折り曲げ加工することによ
って製造する。
【0047】折り曲げ加工は直線縁に沿って板材を曲げ
る加工法であり、例えばプレスを用いたV型曲げ、U型
曲げが、またタンゼントベンダーを用いた折り畳み曲げ
が使用される。
【0048】ランプリフレクター用としては、リフレク
ターを、光源を覆うように設置して使用できるように、
反射シート側を内側に折り曲げて成形することが好まし
い。
【0049】本発明のランプリフレクター用としては、
高分子フィルム(A)と支持体との接着強度が100g
/cm以上であり、かつ、接着層の厚みが0.5μm以
上50μm以下であり、かつ、反射シート側の曲率半径
が5mm以下であることが好ましい。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これら実施例によって何ら制限される
ものではない。
【0051】(実施例1)ポリエチレンテレフタラート
(PET)上に、DCマグネトロンスパッタ法で、2%
のAl23がドープされた酸化亜鉛(純度99.9%)
をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパッ
タガスとして、酸化亜鉛を膜厚5nmになるように形成
した。続いて、このシートをスパッタ装置から取り出す
ことなく、同様にDCマグネトロンスパッタ法で、純度
99.9%の銀をターゲットととし、純度99.5%の
アルゴンをスパッタガスとして銀を膜厚200nmにな
るように成形した。続いて、このシートをスパッタ装置
から取り出すことなく、同様にDCマグネトロンスパッ
タ法にて純度99.9%のAPC1%(Agに対し、P
dとCuが合計で1重量%配合された合金)をターゲッ
トとし、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとし
て、APC1%が膜厚8nmになるように成形した。
【0052】続いて、このシートをスパッタ装置から取
り出すことなく、RFマグネトロンスパッタ法にて純度
99.9%のSiO2をターゲットとし、純度99.5
%のアルゴンをスパッタガスとして、SiO2を膜厚5
nmになるように成形した。できたシートを日立自記分
光光度計(型式U―3400)に150φの積分球を設
置し、550nmにおける反射層側の全反射率の測定を
行ったところ、反射率95.6た。続いて、このシート
の光熱劣化試験を行った。光源には山下電装(株)のソー
ラシミュレータ型式YSS−505Hを用い、東芝化成
工業(株)のシャープカットフィルターL−390nmを
用い、390nm以下の波長の光を除いた、照射強度5
00mW/cm2の擬似太陽光下で行った。また反射シ
ートは100℃に加熱した。この条件下で300時間経
過した後、反射率を測したところ、93.9%であっ
た。
【0053】(比較例1)反射層にAPC1%をスパッ
タしなかったこと以外は、実施例1に準じて反射シート
を作製した。得られたシートの全反射率を測定したとこ
ろ、96.1%であった。続いて、実施例1と同様の光
熱劣化促進実験を300時間行った後、再度、全反射率
を測定したところ、65.3%と低下しており、反射体
として十分な反射率を得ることができなくなった。
【0054】
【発明の効果】本発明の反射シートを用いることで、長
時間の過酷な使用時においても高輝度アルミ板よりも反
射率が高く、かつ、反射率の低下のないリフレクターを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射シートの一例を示す断面図
【図2】 本発明のリフレクターの一例を示す断面図
【図3】 本発明のリフレクターを成形加工したランプ
リフレクターの一例
【図4】 ランプリフレクターの断面構成
【図5】 液晶表示装置バックライトユニットに取付け
たランプリフレクターの一例
【符号の説明】
1 透明酸化物層 2 銀を主体とする合金層 3 銀層 4 下地層 5 高分子フィルム 6 接着剤層 7 支持体 8 ランプリフレクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13357 G02F 1/1335 530 Fターム(参考) 2H042 DA04 DA10 DA14 DA17 2H091 FA14Z FA41Z FB02 FB06 FB08 FC01 LA16 4F100 AA17E AA19B AA19E AA20E AA25B AA25E AA33B AA33E AB03E AB04E AB10E AB16B AB17B AB17D AB24C AB24D AB25B AB31D AK01A AK01E AS00B AT00E BA05 BA06 CB00 GB41 JA20 JD15 JK06 JL00 JL09 JN01B JN01E JN06 YY00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも高分子フィルム(A)、下地
    層(B)、銀層(C)、銀を主体とする合金層(D)、
    透明酸化物層(E)の構成ABCDEからなることを特
    徴とす反射シート。
  2. 【請求項2】 390nm以下の波長の光を除いた、照
    射強度500mW/cm2の擬似太陽光を、反射体温度
    100℃で300時間照射後でも反射率が90%以上を
    保つことを特徴とする請求項1記載の反射シート。
  3. 【請求項3】 下地層(B)が、金、銅、ニッケル、
    鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、
    クロム、インジウム、マンガン、チタン、もしくは、パ
    ラジウムからなる厚さ5〜50nmの金属層、または、
    酸化アルミニウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜
    鉛、または、インジウムとスズの酸化物(ITO)から
    なる厚さ1〜20nmの透明酸化物層であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の反射シート。
  4. 【請求項4】 銀層(C)の厚みが、70〜400nm
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の反射シート。
  5. 【請求項5】 銀を主体とする合金層(D)が、銀に対
    し銅とパラジウムをあわせて0.001〜2重量%含有
    している合金からなる層であり、該合金層の膜厚が、5
    〜40nmであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の反射シート。
  6. 【請求項6】 透明酸化物層(E)が、酸化アルミニウ
    ムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛、または、イン
    ジウムとスズの酸化物(ITO)からなる厚さ1〜20
    nmの透明酸化物、あるいは厚みが、1〜50nmであ
    るような珪素酸化物層であることを特徴とする請求項1
    〜5記載の反射シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の反射シー
    トの高分子フィルム層(A)側を接着面として、支持体
    に接着剤層を介して積層した積層体よりなるリフレクタ
    ー。
  8. 【請求項8】 前記支持体が、アルミ板、真鍮板、ステ
    ンレス板、鋼板、或いはプラスチックのいずれかよりな
    る板またはシートであることを特徴とする請求項7に記
    載のリフレクター。
  9. 【請求項9】 高分子フィルム(A)と支持体との接着
    強度が100g/cm以上であり、かつ、接着層の厚み
    が0.5μm以上50μm以下であることを特徴とする請
    求項7または8に記載のリフレクター。
  10. 【請求項10】 前記積層体を打ち抜き加工することを
    特徴とする請求項7〜9に記載のリフレクター。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10に記載のリフレクター
    を、光源を覆うように設置して使用できるように、反射
    シート側を内側に折り曲げて成形することを特徴とする
    ランプリフレクター。
  12. 【請求項12】高分子フィルム(A)と支持体との接着
    強度が100g/cm以上であり、かつ、接着層の厚み
    が0.5μm以上50μm以下であり、かつ、反射シート
    側の曲率半径が5mm以下であることを特徴とする請求
    項11に記載のランプリフレクター。
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