JPH1039123A - 反射板及びそれを用いたストロボ用反射傘 - Google Patents

反射板及びそれを用いたストロボ用反射傘

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JPH1039123A
JPH1039123A JP8196448A JP19644896A JPH1039123A JP H1039123 A JPH1039123 A JP H1039123A JP 8196448 A JP8196448 A JP 8196448A JP 19644896 A JP19644896 A JP 19644896A JP H1039123 A JPH1039123 A JP H1039123A
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JP
Japan
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reflector
layer
thin film
polymer film
plate
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Application number
JP8196448A
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English (en)
Inventor
Fumiharu Yamazaki
文晴 山▲崎▼
Satoshi Kawamoto
悟志 川本
Yumi Gotou
優実 後藤
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 シリコン系ハードコート層(A)01、
銀薄膜層(B)02、高分子フィルム(C)03、接着
層(D)04、板状成形体(E)05が、ABCDEの
順に形成された、Aの面が反射面である反射板、及びそ
れを成型加工したストロボ用反射傘。 【効果】 従来のアルミニウム板を使用した反射傘より
も光量が高く、連続発光によっても劣化しない反射板、
及びストロボ用反射傘が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射体に関するも
のであり、さらに詳しくは、ストロボ用の反射傘に好適
に用いることができる反射体とその反射傘に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ストロボ用の反射傘として従来、表面を
研磨したアルミニウムの板を板金加工により成形加工し
たものが用いられてきたが、近年、レンズ付きフィルム
のような簡便なカメラにもストロボが装備されるように
なり、ストロボシステム全体を軽量、及び小型にするこ
とが重要視されるようになってきた。位置的に占める割
合では、発光に用いるキセノン管を放電させるための電
源となるコンデンサが大きく、上記コンデンサを小さく
することはストロボシステム全体としての小型化ばかり
でなく低コスト化につながり産業上きわめて重要であ
る。光量を下げずにコンデンサを小型化する一つの方法
としては、キセノン管から放射される光を効率的に被写
体に到達させるために、上記の表面研磨したアルミニウ
ム(全反射率:88%〜90%)に代わって、より反射
率の高い銀(全反射率:93%以上)を用いることが考
えられる。本発明者らは、アルミニウムよりも可視光領
域で反射率が高く、かつ、アルミニウム板と同様に板金
加工や打ち抜き加工が可能な反射板に関する技術を開示
してきた(特開平5−162227号公報)。本発明者
らが発明した反射板は、高分子フィルム(C)、銀薄膜
層(B)、接着層(D)、板状成形体(E)が、CBD
Eの順に形成されたものであって、銀薄膜表面を直接大
気に暴露することがなく、銀薄膜表面の腐食の問題等を
解決し、銀を用いた反射板の耐侯性を飛躍的に向上させ
るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記銀を用い
た反射板を打ち抜き加工し、ストロボ用反射傘の形状に
板金加工し、それを実際にストロボ用反射傘として用
い、10〜50回連続発光させたところ、反射板の高分
子フィルム表面が黒化するという予期せぬ問題に遭遇し
た。実際に使用される反射傘では、少なくとも100回
の発光に対して黒化しないことが望まれる。また、可視
光領域における反射率はアルミニウムを用いた反射板よ
りも高いにも係わらず、高分子フィルムが反射面の最表
面に存在するとストロボシステムとしての光量は必ずし
も高くなるわけではなく、逆に低下していた。
【0004】そこで、この問題を解決する方法を鋭意研
究したところ、反射面にシリコン系ハードコートを保護
層として形成することで黒化を防止できることを見いだ
した。さらに高分子フィルムが表面に存在することで、
光入射角が高くなると反射率が低下することを発見し、
銀薄膜層を高分子フィルムよりも反射面側に配置するこ
とでストロボ光量低下を抑えることができることを見い
だし、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1) 少なくとも、シリコン系ハードコート層
(A)、銀薄膜層(B)、高分子フィルム(C)、接着
層(D)、板状成形体(E)が、ABCDEの順に形成
された、Aの面が反射面である反射板、(2) 板状成
形体(E)がアルミニウム、アルミ合金、ステンレス
鋼、銅亜鉛合金、および鋼から選ばれたものである
(1)記載の反射板、(3) 少なくとも、シリコン系
ハードコート層(A)、銀薄膜層(B)、高分子フィル
ム(C)、接着層(D)、板状成形体(E)が、ABC
DEの順に形成された、Aの面が反射面である反射板を
用いたストロボ用反射傘、(4) 板状成形体(E)が
アルミニウム、アルミ合金、ステンレス鋼、銅亜鉛合
金、および鋼から選ばれたものである(3)記載のスト
ロボ用反射傘である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明を説明する。[図1]は、本発明の反射板の一例
を示す構造断面図である。[図1]において01はシリ
コン系ハードコート層、02は銀薄膜層、03は高分子
フィルム、04は接着層、05は板状成形体である。こ
れらが層状に順次形成されて反射板、20を構成する。
反射面はシリコン系ハードコート面側であり、図中では
矢印99の方向である。入射光が反射するのはシリコン
系ハードコート面と銀薄膜層との界面である。
【0007】一方、[図2]は従来タイプの銀反射板の
一例を示す構造断面図である。[図2]において03は
高分子フィルム、02は銀薄膜層、04は接着層、05
は板状成形体である。これらが順次形成されて反射板、
20を構成する。反射面は高分子フィルム側であり、図
中では矢印99の方向である。入射光が反射するのは高
分子フィルムと銀薄膜層との界面である。本発明品と大
きく異なるのは、従来タイプの銀反射板には反射面側に
高分子フィルムが存在することである。
【0008】本発明における高分子フィルムの材料は、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートもしくはポ
リスチレン等が使用できるが、必ずしもこれらに限定さ
れるわけではなく、ある程度常用耐熱温度が高く、表面
が平滑であれば使用できる。キセノン管を発光させた
時、ランプが加熱され、キセノン管と接触させて配置さ
れる反射傘もまた加熱されることになり、その熱に対し
て少なくとも、変形や変色の起こらない高分子フィルム
を用いることが好ましい。
【0009】また、本発明においてはかかる高分子フィ
ルムの一方の面には無機薄膜層を、その裏面には銀薄膜
層を形成するわけであるが、その形成過程で透明高分子
フィルムが加熱されるため、透明高分子フィルムには常
用耐熱温度が80℃以上、より好ましくは常用耐熱温度
100℃以上のものを用いるのが望ましい。なかでもポ
リエチレンテレフタレートは常用耐熱温度が120℃で
あり、加工性に優れているため、本発明の高分子フィル
ムとして好適に使用できる。また、ポリエーテルサルフ
ォンは常用耐熱温度が170℃と高いため、特に耐熱性
を必要とされる場合に好んで用いられる。高分子フィル
ムの厚さには限定的な制限値はないが、25〜150μ
mが好ましく用いられる。
【0010】本発明においては、高分子フィルムの一方
の面に銀薄膜層を形成するわけであるが、その形成前に
スパッタリング処理、コロナ処理、紫外線照射、電子線
照射、などのエッチング処理や、下塗り処理を施して銀
薄膜層と高分子フィルムとの密着性を向上させるための
処理を施してもよい。また、必要に応じて洗剤洗浄や超
音波洗浄処理等の防塵処理を施してもよい。
【0011】本発明品を得るためには、上記高分子フィ
ルムの片方の面に銀薄膜層を形成する。かかる銀薄膜層
の形成方法には、従来公知の化学液相成長法及び物理気
相成長法が利用できる。化学液相成長法とはいわゆるメ
ッキ法の総称であり、溶液から銀を析出させ膜を形成す
る方法である。具体例を挙げるとすれば、銀鏡反応等が
ある。一方、物理気相成長法とは、真空成膜法の総称で
あり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着
法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法等
がある。とりわけ、本発明には連続的に成膜するロール
ツロール方式が可能な真空成膜法が好ましく用いられ
る。
【0012】真空蒸着法では銀の原材料を電子ビーム、
抵抗加熱、誘導加熱等で溶融させ、蒸気圧を上昇させ、
好ましくは0.1mTorr(約0.1Pa)以上導入
させ、高周波もしくは直流のグロー放電を起こしてもよ
い。
【0013】スパッタ法では、直流(DC)マグネトロ
ンスパッタ法、高周波(RF)マグネトロンスパッタ
法、イオンビームスパッタ法、ECRスパッタ法、コン
ベンショナルRFスパッタ法、コンベンショナルDCス
パッタ法等を使用し得る。スパッタ法においては、原材
料は銀の板状のターゲットを用いればよく、スパッタガ
スにはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセ
ノン等を使用し得るが、好ましくはアルゴンが用いられ
る。ガスの純度は、99.0%以上が好ましいが、より
好ましくは99.5%以上である。
【0014】銀薄膜層の厚さは70nm〜300nmが
好ましい。70nm未満では、銀の膜厚が十分でないた
めに、透過する光が存在し、反射率が十分でなくなる。
一方、膜厚が300nmを超えても、反射率は上昇せ
ず、飽和傾向を示す上に、銀薄膜層の高分子フィルムに
対する密着性が低下するので好ましくない。
【0015】膜厚の測定は、触針粗さ計、繰り返し反射
干渉計、マイクロバランス、水晶振動子法等があるが、
水晶振動子法では成膜中に膜厚の測定が可能なので所望
の膜厚を得るのに適している。また、前もって成膜条件
を定めておき、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と膜
厚の関係を調べた上で、成膜時間により膜厚制御する方
法もある。
【0016】なお、銀薄膜層には、性能に害を及ぼさな
い程度の、金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングス
テン、モリブデン、タンタル、クロム、インジュウム、
マンガン、チタン等の金属不純物が含まれてもよい。
【0017】高分子フィルムが可視光領域において透明
である場合には高分子フィルム側を反射面として使用
し、銀薄膜層側に板状成形体を接着すれば従来タイプの
銀反射板となる。この場合、高分子フィルムは銀薄膜層
の保護層としての機能を果たす。しかしながら、高分子
フィルムが反射面側に存在する従来タイプの銀反射板を
そのまま成型加工した反射傘を使用したストロボは、反
射率が銀反射板よりも低いアルミニウム板を使用したス
トロボと同等の明るさか、逆に明るさは低下してしま
う。それは、高分子フィルムが反射面側に存在するため
に、光の入射角度が大きくなったときに反射率が低下す
ることと、入射光が高分子フィルムを通過することによ
りロスが生ずることによる。また、高分子フィルムがキ
セノン管と直接接する構造となるため、ストロボ発光を
誘起させるための高周波トリガによる劣化や、キセノン
管の加熱による高分子フィルムの変形が生じ、繰り返し
のストロボ発光によって反射傘が黒くなる現象、黒化が
生じる。
【0018】そこで本発明では反射面を高分子フィルム
側とするのではなく、銀薄膜側を反射面とする。しかし
ながら、銀薄膜層がキセノン管と接する表面に存在する
と、銀薄膜層がストロボ発光によって劣化するため、保
護層としてシリコン系ハードコート層を反射面表面に形
成するのである。
【0019】シリコン系ハードコートはシロキサン系縮
合物であり、摩耗、衝撃から本体を保護するものであ
る。シリコン系ハードコートはさらに、耐熱性、電気的
絶縁性に優れ、高周波トリガが印加され、加熱されるキ
セノン管と接する反射傘の表面保護剤として適したもの
である。
【0020】本発明において使用することができるシリ
コン系ハードコートとしては、無色透明で層を形成した
時にある程度の可とう性を有するものであればよい。無
色透明でないとストロボの発光色がそれによって変化し
てしまう。また可とう性を有していない場合、反射傘の
形状に成型加工した時に、該層にひび割れが発生してし
まう。本発明において使用することができるシリコン系
ハードコート剤を具体的に列挙すれば、大八化学工業株
式会社製、「Siコート2」や、「Siコート900」
等が挙げられる。特に「Siコート900」は可とう性
に優れるため、より好適に使用できる。
【0021】シリコン系ハードコート層の厚さは1μm
〜10μmの範囲が好ましい。該層が薄すぎると銀薄膜
層を保護する役割としての機能が得られず、ストロボの
繰り返し発光により銀薄膜層が劣化してしまう。また逆
に厚すぎると、反射傘の形状に加工した際、ひび割れさ
生じる可能性があるのに加え、光の透過距離が長くなり
光のロスが増加するため好ましくない。
【0022】シリコン系ハードコート層の形成は、従来
公知のコーティング手法によればよく、グラビヤロール
コーティング、リバースロールコーティング、ディップ
ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター等いず
れの手法も使用できる。なかでもグラビヤロールコーテ
ィングやリバースロールコーティングは均一な層を精度
よくコーティングできるため好適に使用できる。
【0023】シリコン系ハードコートをコーティングし
た後には通常それを乾燥させる必要がある。乾燥させる
ためには加熱乾燥工程を通せばよく、その条件は「Si
コート900」の場合、150℃で1分間、あるいは1
20℃で3分間程度でよい。乾燥工程にかかる時間は3
分程度と短いため、ロールフィルムに連続的にシリコン
系ハードコートをコーティングし、乾燥させた後巻き取
っていくことが可能である。
【0024】本発明においては、反射傘の形状を保持さ
せるために銀薄膜層、及びシリコン系ハードコート層を
形成した高分子フィルムに板状成形体を貼り合わせる。
貼り合わせるのに用いられる接着剤は、熱または触媒の
助けにより接着される接着剤であり具体的には、シリコ
ン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着
剤、シアノアクリレート系接着剤など一般的な接着剤を
用いることができる。シリコン系接着剤、及びポリエス
テル系接着剤は耐熱性、電気特性に優れているためトリ
ガを印加するストロボ用反射体用に好適に利用できる。
エポキシ系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、こ
れもまた好適に利用できる。シアノアクリレート系接着
剤は、速攻性と強度に優れているため、効率的な反射体
作製に利用できる。これらの接着剤は、接着方法によっ
て熱硬化型、ホットメルト型、二液混合型に大別される
が、好ましくは連続生産が可能な熱硬化型あるいはホッ
トメルト型が使用される。熱接着剤の厚みには、特に限
定はないが、通常0.5μm〜50μm、好ましくは1
μm〜20μm程度である。
【0025】高分子フィルムと板状成形体との接着は、
接着剤のコーティング、乾燥、ローラーによる板状成形
体とのラミネート、の手順により行われる。接着剤のコ
ーティング方法は、基材や接着剤の種類によって多くの
方法があるが、広く使用されているのはグラビアコータ
ー方式及びリバースコーター方式である。グラビアコー
ター方式では、接着剤に一部分が浸されているグラビア
ロールを回転させ、バックアップロールによって送られ
るフィルムを、接着剤の付着したグラビアロールに接触
させることでコーティングする。コーティング量はロー
ルの回転数、接着剤の粘度を制御することで調整でき
る。リバースコーター方式も、グラビアロール方式に類
似した方法だが、コーティングロールに付着する接着剤
の量を、それに接して設置されているメタリングロール
によって調整する。コーティングされた接着剤の乾燥温
度、及びラミネート温度は接着剤の種類によってまちま
ちであるが、上記に掲げた一般的な接着剤を用いる場合
は100℃前後である。
【0026】この接着剤による銀薄膜層を形成した透明
高分子フィルムと板状成形体との密着強度は、180度
ピール強度で測定して100g/cm以上であることが
望ましい。この密着強度に達しない場合には、ストロボ
用反射体として板金加工した際、銀薄膜層を形成した高
分子フィルムの板状成形体からの剥がれ等が生じ、変形
等を引き起こす。
【0027】板状成形体に要求される特性としては、ス
トロボ用反射傘の形状に曲げられること、ストロボ発光
を誘起させるためのトリガ端子が取り付けられること、
高周波トリガが確実にキセノン管の発光を誘起するため
に導電性を持つことが要求される。すなわち、ストロボ
においては反射傘自体が発光誘発のためのトリガ印加端
子として機能する。
【0028】上記の要求から板状成形体には、アルミニ
ウム、アルミ合金、ステンレス鋼、鋼亜鉛合金、鋼等が
使用されるが、これらの金属にはそれぞれ長所があり次
のように使い分けることができる。アルミニウムは軽量
かつ加工性に優れ、また、熱伝導率が高くそれにかかる
熱を効果的に大気中に逃がすことができるため、キセノ
ン管の発光によって反射体が加熱されるストロボ用反射
傘に好適に利用できる。アルミ合金は軽量かつ機械的強
度が強いため、ストロボ用反射傘に好適に利用できる。
ステンレス鋼は機械的強度が高度にあり、また耐蝕性に
優れているため、ストロボ用反射傘に好適に利用でき
る。鋼亜鉛合金すなわち黄銅またはしんちゅうは、機械
的強度の強いことに加え、はんだづけが容易なためトリ
ガ端子をとり易く、これもまたストロボ用反射傘に好適
に利用できる。鋼は安価なため、コストを抑える必要が
ある時に好ましく用いられる。
【0029】板状成形体の厚さとしては、金属の加工性
にもよるが、概ね0.1〜1mm程度である。あまり薄
いと支持体としての機能が果たせず、またあまり厚いと
ストロボ用反射傘の形状に曲げることができず好ましく
ない。
【0030】かくして、作製された反射板の反射率は典
型的には550nmの波長の光に対して93%以上であ
り、より詳しくは450nm〜750nmの範囲で93
%以上である。
【0031】当該反射板を用いてストロボ用反射傘を作
製するには、アルミ板をストロボ用反射傘に加工する従
来の方法がそのまま適用できる。それは、反射体を反射
傘を平面的に展開した形状に裁断し、この裁断した平板
を折曲げ加工して形成される(特開昭55−11800
2号)。当該方法は製造コストが安いことから、レンズ
付きフィルム用ストロボ反射傘の製造に利用されてい
る。
【0032】本発明品である銀反射体の構成の代表的な
評価方法を以下に説明する。無機薄膜層、透明高分子フ
ィルム、銀薄膜層、接着層、板状成形体の各部の厚さ
は、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察する
ことで直接測定できる。また、オージェ電子分光(AE
S)により、層構造の深さ方向の組成を分析することに
よっても測定することが可能である。透明高分子フィル
ムの材料分析は、赤外分光(IR)によりできる。ま
た、接着剤の材料分析は、銀薄膜層と板状成形体を引き
剥して接着剤を露出させ、適当な溶媒にそれを溶かした
試料を作製し、その赤外分光(IR)をとることで分析
できる。無機薄膜層、銀薄膜層及び板状形成体の材料分
析は、蛍光X線分光(XRF)やオージェ電子分光(A
ES)により行える。さらに、X線マイクロアナライザ
(EPMA)では蛍光X線分光より微細な部分の元素分
析が行える。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施の態様の一
例を説明する。 [実施例1]ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚
さ50μm、全光線透過率=87%)の一方の面に、純
度99.9%の銀を原料として、電子ビーム真空蒸着法
で、厚さ150nmの銀を蒸着し、銀薄膜層を形成し
た。その銀薄膜層の上にさらに、シリコン系ハードコー
ト剤、Siコート900(大八化学工業株式会社製)を
グラビヤコーティング法により塗布、その後120℃で
3分間乾燥させることにより、厚さ2μmのシリコン系
ハードコート層を形成した。その高分子フィルム側と板
状成形体であるアルミニウム板(厚さ150μm)とを
ポリエステル系ホットメルト型接着剤で接着し、反射板
を得た。接着層の厚さは4μmであった。その反射板の
波長550nmの光線に対する反射率を測定した後、板
金加工によってストロボ用反射傘を得た。キセノン管と
珪素酸化物層側を接触させて固定、ストロボ発光回路の
トリガ端子を反射板のアルミニウム板に接続すること
で、写真撮影用のストロボを形成した。
【0034】[実施例2]板状成形体に鋼亜鉛合金(厚
さ:150μm)を使用した以外は実施例1と同様の手
法により反射板、及びストロボ用反射傘を得た。
【0035】[実施例3]シリコン系ハードコート層の
厚さを1μmとした以外は実施例1と同じ手法により反
射板、及びストロボ用反射傘を得た。
【0036】[実施例4]銀薄膜層の形成方法を、純度
99.99%の銀をターゲットに、アルゴンガス2mT
orrの雰囲気の下における直流マグネトロン法とした
以外は実施例1と同じ手法により反射板、及びストロボ
用反射傘を得た。
【0037】[比較例1]シリコン系ハードコート層を
形成しなかったこと以外は実施例1と同じ手法により反
射板、及びストロボ用反射傘を作製した。
【0038】[比較例2]実施例1と同じ手法により銀
薄膜層を形成した後、銀薄膜層側とアルミニウム板とを
実施例1と同じ手法により接着し反射板、及びストロボ
用銀反射板を得た。
【0039】[比較例3]比較例2と同じ手法で得た反
射板の反射面側、すなわちアルミニウム板を接着した面
とは逆の高分子フィルム側に、シリコン系ハードコート
剤、Siコート900(大八化学工業株式会社製)を実
施例1と同じ手法により形成し反射板、及びストロボ用
反射傘を得た。
【0040】[比較例4]表面研磨処理されたアルミニ
ウム板(厚さ:150μm)をそのまま反射板とし、そ
れを実施例1と同じ手法でストロボ用反射傘とした。反
射面は表面研磨された面とした。
【0041】実施例1〜4、比較例1〜4により得られ
た反射板、及びストロボ用反射傘の性能は以下の手法に
より評価した。反射板の性能である反射率は分光光度計
(日立製作所製:U−3400)で、反射板と垂直方向
の条件の下で測定した。測定に使用した光の波長は55
0nmである。
【0042】ストロボの反射傘としての性能は、その明
るさをキセノン管を同一の条件の下で発光させたときの
ガイドナンバー(略称:GN)を、ドイツ規格:DIN
19011−1973に準拠して測定した。ストロボ
の発光回路には[図3]に掲げる回路を使用し、反射傘
はキセノン管と接触させ、その裏側からは発光を誘起さ
せるためのトリガ端子を取り付けた。ストロボ用反射傘
をキセノン管に接触させた構造の断面図を[図4]に、
発光面の裏側から見た図を[図5]に掲げた。[図3]
〜[図5]において、10はキセノン管、20は銀反射
板、30はトリガ端子である。ストロボ構造のキセノン
管を発光させるためのコンデンサの電圧は320Vと
し、発光させるまでにコンデンサの電圧が320Vに充
電されていることを確認した後に発光させた。本測定法
によればガイドナンバーが高いほど明るいストロボとい
える。また、反射傘の耐久性はキセノン管を15秒間隔
で発光させ、反射傘に黒化や変形を来たした発光回数を
その反射傘の寿命発光回数とした。以上の結果[表1]
に掲げた。
【0043】
【表1】
【0044】[表1]より、本発明の反射板は、ストロ
ボとしての明るさを示すガイドナンバーが高く、300
回以上の寿命発光回数を持つことから、ストロボ用反射
傘として好適に使用できるが明らかである。
【0045】
【発明の効果】本発明に従えば、ストロボの光量を高め
ることのできる反射板、及びストロボ用反射傘を提供す
ることができる。それは、連続発光に対して黒化、変形
等の劣化を生じないものであり、十分な耐久性をも有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射板の一例を示す構造断面図
【図2】従来の反射板の一例を示す構造断面図
【図3】ストロボ発光回路を示す図
【図4】キセノン管に銀反射板を接触させたストロボ構
造の断面図
【図5】キセノン管に銀反射板を接触させたストロボ構
造の発光面の裏側から見た図
【符号の説明】
01 シリコン系ハードコート層 02 銀薄膜層 03 高分子フィルム 04 接着層 05 板状成形体 10 キセノン管 20 反射板 30 トリガ端子 99 反射面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/10 G03B 15/05 G03B 15/05 G02B 1/10 Z (72)発明者 福田 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、シリコン系ハードコート層
    (A)、銀薄膜層(B)、高分子フィルム(C)、接着
    層(D)、板状成形体(E)が、ABCDEの順に形成
    された、Aの面が反射面である反射板。
  2. 【請求項2】 板状成形体(E)がアルミニウム、アル
    ミ合金、ステンレス鋼、銅亜鉛合金、および鋼から選ば
    れたものである請求項1記載の反射板。
  3. 【請求項3】 少なくとも、シリコン系ハードコート層
    (A)、銀薄膜層(B)、高分子フィルム(C)、接着
    層(D)、板状成形体(E)が、ABCDEの順に形成
    された、Aの面が反射面である反射板を用いたストロボ
    用反射傘。
  4. 【請求項4】 板状成形体(E)がアルミニウム、アル
    ミ合金、ステンレス鋼、銅亜鉛合金、および鋼から選ば
    れたものである請求項3記載のストロボ用反射傘。
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