JP2002071919A - バックライトランプリフレクター用反射体 - Google Patents

バックライトランプリフレクター用反射体

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JP2002071919A
JP2002071919A JP2000252726A JP2000252726A JP2002071919A JP 2002071919 A JP2002071919 A JP 2002071919A JP 2000252726 A JP2000252726 A JP 2000252726A JP 2000252726 A JP2000252726 A JP 2000252726A JP 2002071919 A JP2002071919 A JP 2002071919A
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reflector according
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JP2000252726A
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Hirotaka Yoshida
吉田  浩隆
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 反射層における銀が島状になることを防ぎ、
耐久性の優れた銀薄膜を主体とする反射体を提供し、か
つ、同反射体を用いた液晶用バックライトユニットを提
供する。 【解決手段】 凹凸層20をもつ高分子フィルム上に、
透明酸化物層、銀を主体とする合金層、銀層、保護層の
4層を順に構成したものを、粘着剤により成形体に貼り
合わせることにより得られる反射体を用い、ランプリフ
レクターに加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀を用いた反射体
に関し、さらに詳しくは、液晶表示素子用のバックライ
トユニットに好適に使用し得る反射体に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光灯や白熱灯用の反射体としては、従
来しばしば鏡面研磨されたアルミニウム板が用いられて
きた。さらに近年、反射体は液晶用バックライトユニッ
トやカメラのストロボ用の反射傘として重要な産業上の
用途を占めるに至っている。
【0003】反射体に用いる金属としては、反射率が高
い金属であるアルミニウム、銀、金等が用いられる。な
かでも、アルミニウムおよび銀は可視領域での反射率が
概ね90%以上であることにより好適に用いられる。さ
らに、銀はアルミニウムよりも380nm以上の波長の
光に対しは、より高い反射率を有し、反射体としては優
れた性能を持つことが知られている。通常、銀は高価で
あるため銀板としては用いられず、透明プラスチックフ
ィルム上に銀薄膜を形成し、そのフィルムを板状の成形
体に接着することにより得られたものを、折り曲げ加工
等を行い使用される。一方で、銀薄膜は高い反射率を得
られるが紫外線により劣化し、反射率が徐々に低下する
という問題があった。これについては、透明高分子フィ
ルムに紫外線吸収剤を含有せしめることにより、銀薄膜
の光照射下における安定性を大幅に改善できることがわ
かってきた。
【0004】しかしながら、より最近になって、液晶用
のバックライトにおいては輝度をより高めるために、よ
り高い管電流の蛍光管が使用されるようになったため、
蛍光管から放射される紫外線量が増大したばかりでなく
使用温度も高くなってきた。さらに、電源からのリーク
電流を低減するために、冷陰極管ではなく熱陰極管の使
用も検討されているが、これも環境温度の上昇につなが
り反射体にとって過酷な使用環境の原因になる。このよ
うな環境下での使用により、銀薄膜が島状に変化し、反
射率が徐々に低下するという新たな問題が発生した。
【0005】バックライトランプリフレクターの用途に
関する場合、例えば、環境温度80℃で少なくとも50
00時間以上でも反射率が低下しないことが要求され、
この環境温度での高反射率であり、かつ高耐久性をもる
反射体が必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、銀が
島状になることを防ぎ、耐久性の優れた銀薄膜を主体と
する反射体を提供し、かつ、同反射体を用いた液晶用バ
ックライトユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、鋭意検討した結果、驚くべきこと
に、凹凸層をもつ高分子フィルム上に、透明酸化物層、
銀を主体とする合金層、銀層、保護層の4層を順に構成
したものを、粘着剤により成形体に貼り合わせることに
より、上記の課題を解決出来ることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は以下に記載する発明特
定事項に関する。
【0009】[1]液晶用バックライトランプリフレク
ターに用いる反射体において、少なくとも、透明高分子
フィルム(A)、凹凸層(B)、金属による反射層
(C)、接着層(D)、成形体(E)がABCDEの順
に形成されたことを特徴とする反射体。
【0010】[2]金属による反射層(C)が、少なく
とも、透明高分子側から、透明酸化物層、銀を主体とす
る合金層、銀層、保護層からなることを特徴とする、前
記記載の反射体。
【0011】[3]金属による反射層(C)における透
明酸化物層が、酸化アルミニウムが0〜5重量%ドープ
された酸化亜鉛、または、インジウムとスズの酸化物
(ITO)からなる厚さ1〜20nmの透明酸化物、あ
るいは厚みが、1〜50nmであるような珪素酸化物層
であることを特徴とする前記[1]及び[2]記載の反
射体。
【0012】[4]金属による反射層(C)における銀
を主体とする合金層が、銀に対し銅とパラジウムをあわ
せて0.001〜2重量%含有している合金からなる層
であり、該合金層の膜厚が、5〜40nmであることを
特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の反射
シート。
【0013】[5]金属による反射層(C)における銀
層の厚みが、70〜400nmであることを特徴とする
前記[1]〜[4]のいずれかに記載の反射シート。
【0014】[6]金属による反射層(C)における保
護層が、金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステ
ン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マン
ガン、チタン、もしくは、パラジウムからなる厚さ5〜
50nmの金属層、または、酸化アルミニウムが0〜5
重量%ドープされた酸化亜鉛、または、インジウムとス
ズの酸化物(ITO)からなる厚さ1〜20nmの透明
酸化物層であることを特徴とする前記[1]〜[5]の
いずれかに記載の反射体。
【0015】[7]成形体(E)が、アルミニウムもし
くはアルミニウム合金板であることを特徴とする前記
[1]〜[6]のいずれかに記載の反射体。
【0016】[8]成形体(E)が、少なくとも亜鉛を
30〜40重量%含有した銅亜鉛G合金板であることを
特徴とする前記[1]〜[7]のいずれかに記載の反射
体。
【0017】[9]成形体(E)が、少なくとも、クロ
ムを16〜20重量%、ニッケルを8〜12重量%含ん
だオーステナイト系ステンレス鋼板であることを特徴と
する前記[1]〜[8]のいずれかに記載の反射体。
【0018】[10]成形体(E)が、鉄を主成分と
し、炭素含有量が2重量%以下の鋼板であることを特徴
とする前記[1]〜[9]のいずれかに記載の反射体。
【0019】[11]成形体(E)が、高分子フィルム
もしくは高分子シートであることを特徴とする前記
[1]〜[10]のいずれかに記載の反射体。
【0020】[12]高分子フィルムもしくは高分子シ
ートの波長450〜750nmの可視光線に対する透過
率が1%以下であることを特徴とする前記[11]に記
載の反射体。
【0021】[13]高分子フィルムもしくは高分子シ
ートが、不透明か、もしくは金属蒸着されたものか、も
しくは、塗料が塗布されているか、もしくは、これらが
組み合わされたものであることを特徴とする前記[1
1]に記載の反射体。
【0022】[14]凹凸層(B)が主として粒子層か
らなることを特徴とする前記[1]〜[13]のいずれ
かに記載の反射体。
【0023】[15]凹凸層(B)の粒子層が、平均粒
径1μm以上15μm以下であるような微細粒子、およ
び、バインダーにより形成され、かつ、該微細粒子が凹
凸層の体積に対し、5〜52体積%の割合になるように
配合され、かつ、該凹凸層の乾燥重量(g/cm2)が
下記式(1)の条件を満足するものであることを特徴と
する前記[1]〜[14]のいずれかに記載の反射体。 式(1):0.75×2r×102/(p/a+(10
0−p)/b)≦重量(g/cm2)≦2.5×2r×
102/(p/a+(100−p)/b) 〔但し、p=100/(1+(100/v―1)×b/
a)〕であり、 r:使用した微細粒子の半径の平均値(cm) p:凹凸層中の微細粒子の割合(重量%) v:凹凸層中の微細粒子の割合(体積%) a:用いた微細粒子の密度(g/cm3) b:用いたバインダーの密度(g/cm3) [16]波長480〜780nmの光に対する全反射率
が93%以上であるであることを特徴とする前記[1]
〜[15]のいずれかに記載の反射体。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反射体は、高分子フィルム上に凹凸構造を有す
る層を形成した後、該凹凸層上に透明酸化物層、、銀を
主体とする合金層、銀層、保護層を順に形成した反射シ
ートである。
【0025】[透明高分子層]本発明における透明高分
子層の材料は、例えばポリエチレンテレフタラート(P
ET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル
類、ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカ
ーボネート類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフィン類、セルローストリアセテートなどのセル
ロース誘導体類、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹
脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリエーテルスルホ
ン、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ
素系樹脂などの各種プラスチックからなるフィルムが挙
げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
く、ある程度常用耐熱温度が高いものであれば使用でき
る。耐熱性の高いフィルムを用いれば、高温で使用でき
る反射板が得られることは言うまでもない。
【0026】使用される透明高分子層の厚みは、特に限
定されるものではないが、通常は10〜150μm程度
が好ましく用いられる。なお、透明高分子層に、紫外線
を遮断する性質をもたせることにより銀層の耐候性を向
上させることは当業者が理解している所であろう。
【0027】[凹凸層]本発明において透明高分子層上
に形成される凹凸層は、一般的なエンボス加工や、透明
微粒子の塗布により形成されるが、拡散成分の調整が比
較的簡単な、粒子の塗布による歩法が好ましい。この方
法によれば、使用する粒子の径、塗布液に対する粒子の
混合量、単位面積当たりの塗布量を制御することによ
り、所望の表面状態を得ることができる。
【0028】[反射層]本発明の反射体において、反射
層は凹凸層上に形成される4層からなるものである。凹
凸層側からの第1層は透明酸化物層、第2層は、銀を主
体とする合金層、第3層は銀層、第4層は保護層であ
る。
【0029】第1層の透明酸化物層には、酸化アルミニ
ウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛や、インジウ
ムとスズの酸化物(ITO)、珪素酸化物等が好ましく
用いられる。
【0030】第2層の銀を主体とする合金の金属層に
は、銀に対し銅及びパラジウムが合わせて2重量%以下
の範囲で含有している合金が好ましく用いられる。
【0031】第3層の銀層には、基本的には銀単体であ
ることが望ましいが、その性能に害を及ぼさない程度の
金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリ
ブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チ
タン、パラジウムなどの金属不純物が含まれても良い。
【0032】第4層の保護層には、金、銅、ニッケル、
鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、
クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウムな
どの金属単体、または、酸化アルミニウムが0〜5重量
%ドープされた酸化亜鉛もしくはインジウムとスズの酸
化物(ITO)などの透明酸化物が好ましく用いられ
る。
【0033】金属薄膜層の形成法は、湿式法及び乾式法
がある。湿式法とはメッキ法の総称であり、溶液から金
属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげる
とすれば、銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真
空成膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵
抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イ
オンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着
法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続
的に成膜するロール・ツー・ロール方式が可能な真空成
膜法が好ましく用いられる。
【0034】真空蒸着法では、金属の原材料を電子ビー
ム、抵抗加熱、誘導加熱などで溶融させ、蒸気圧を上昇
させ、好ましくは13.3mPa(0.1mTorr)
以下で基材表面に蒸発させる。この際に、アルゴンなど
のガスを13.3mPa以上導入させ、高周波もしくは
直流のグロー放電を起こしても良い。
【0035】スパッタ法には、DCマグネトロンスパッ
タ法、RFマグネトロンスパッタ法、イオンビームスパ
ッタ法、ECRスパッタ法、コンベンショナルRFスパ
ッタ法、コンベンショナルDCスパッタ法などを使用し
うる。
【0036】スパッタ法においては、原材料は金属の板
状のターゲットを用いればよく、スパッタガスにはヘリ
ウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどを
使用しうるが、好ましくはアルゴンが用いられる。ガス
の純度は99%以上が好ましいが、より好ましくは9
9.5%以上である。また、透明酸化膜の形成には、真
空成膜法が好ましく用いられる。主に、スパッタ法が使
用され、スパッタガスには、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、クリプトン、キセノンなどを使用し、場合において
は酸素ガスを用いて行うこともある。
【0037】第1層である透明酸化物層の厚みは、1〜
20nmが好ましく、より好ましくは1〜7nm、さら
に好ましくは1〜5nmである。かかる層の厚みが1n
mより薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、第
2層の銀層に凝集を発生させる。また、20nmより厚
くしてもその効果に変化が無いばかりか、資源を有効に
利用するという観点からも好ましくない。
【0038】第2層である銀を主体とする合金の金属層
の厚みは、5〜40nmが好ましい。かかる層の厚みが
5nmよりも薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られ
ず、また、40nmより厚い場合は第3層である銀層の
特性がでなくなってしまい好ましくない。
【0039】第3層である銀層の厚みは、70〜400
nmが好ましく、より好ましくは100〜300nm、
さらに好ましくは150〜250nmである。かかる層
の厚みが70nmより薄い場合は、十分な金属層の形成
が出来ていないため、所望の反射率を得ることが出来な
い。また、400nmよりも厚くしてもその効果に変化
が無いばかりか、資源を有効に利用するという観点から
も好ましくない。
【0040】第4層である保護層において、金属層を用
いた場合、その厚みは、5〜50nmが好ましく、より
好ましくは5〜30nmである。該層の厚みが5nmよ
り薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、第2層
の銀層に凝集を発生させる。また、50nmより厚くし
てもその効果に変化が無いばかりか、資源を有効に利用
するという観点からも好ましくない。また、透明酸化物
を用いた場合、該層の厚みは、1〜20nmが好まし
く、さらに好ましくは、5〜10nmである。かかる層
の厚みが1nmより薄い場合は、所望のバリヤー効果が
得られず、第2層の銀層に凝集を発生させる。
【0041】前記各層の膜厚の測定方法としては、触針
粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバランス、水晶
振動子法などを用いる方法があり、特に水晶振動子法で
は成膜中に膜厚が測定可能であるため所望の膜厚を得る
のに適している。また、前もって成膜の条件を定めてお
き、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関係を
調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法もあ
る。
【0042】また、反射層を透明高分子フィルム(層)
上に設ける際に、該高分子フィルム表面に、コロナ放電
処理、グロー放電処理等を行うことが反射層と高分子フ
ィルムの密着性を向上させる効果があることは当業者の
技術的常識の範囲であろう。
【0043】本発明で用いられる接着剤は、熱または触
媒の助けにより接着される接着剤であり、具体的には、
シリコン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系
接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着
剤など一般的な接着剤を用いることができる。エポキシ
系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、これもまた
好適に利用できる。シアノアクリレート系接着剤は、即
効性と強度に優れているため、効率的な反射体作製に利
用できる。これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化
型、ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ま
しくは連続生産が可能な熱硬化型あるいはホットメルト
型が使用される。熱接着剤の厚みには、特に限定はない
が、通常0.5μm、好ましくは1〜20μm程度であ
る。
【0044】高分子フィルムと板状成形体との接着は、
反射層への接着剤のコーティング、乾燥、ローラーによ
る板状成形体とのラミネート、の手順により行われる。
接着剤のコーティング方法は、基材や接着剤の種類によ
って多くの方法があるが、広く使用されているのは、グ
ラビアコーター方式及び、リバースコーター方式であ
る。グラビアコーター方式では、接着剤に一部浸されて
いるグラビアロールを回転させ、バックアップロールに
よって送られるフィルムを接着剤の付着したグラビアロ
ールに接触させることによりコーティングする。コーテ
ィング量はロールの回転数、接着剤の粘度を制御するこ
とで調整できる。リバースコーター方式も、グラビアコ
ーター方式に類似した方法だが、コーティングロールに
付着する接着剤の量を、それに接して設置されているメ
タリングロールによって調整する。コーティングされた
接着剤の乾燥温度、及びラミネート温度は接着剤の種類
によってまちまちであるが、上記にかかげた一般的な接
着剤を用いる場合は100℃前後である。
【0045】この接着剤による反射層を形成した高分子
フィルムと、板状成形体との密着強度は、180度ピー
ル強度で測定して100g/cm以上である事が望まし
い。この密着強度にあまりに達しない場合には、板金加
工した際、反射層を形成した高分子フィルムの、板状成
形体からの剥がれ等が生じ、変形等を引き起こす可能性
があるためである。
【0046】[成形体]板状成形体には、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鋼亜鉛合金、鋼
等が使用されるが、これらの金属にはそれぞれ長所があ
り、次のように使い分けることができる。アルミニウム
は軽量かつ加工性に優れ、また、熱伝導率が高くそれに
かかる熱を効果的に大気中に逃がすことができるため、
ランプ発行によって反射体が加熱されるLCD用バック
ライトに好適に利用できる。アルミ合金は軽量かつ機械
的強度が強い。ステンレス鋼は機械的が適度にあり、ま
た耐蝕性に優れている。鋼亜鉛合金すなわち黄銅または
真鍮は、機械的強度の強いことに加え、はんだづけが容
易なため電気的端子をとり易い。鋼は安価なため、コス
トを抑える必要がある時に好ましく用いられる。
【0047】プラスチックの板やシートを用いることが
できるのは勿論のことである。さらに、プラスチックフ
ィルムを用いる場合、特に、外観を美しく保つために、
金属蒸着フィルムや塗装を施したフィルムをラミネート
することが好ましい。
【0048】このようにして作製された反射板の透明高
分子側から測定される反射率は、典型的には、550n
mの波長の光に対して93%以上であり、より詳しくは
480〜780nmの範囲で93%以上である。
【0049】[反射体]本発明品である反射体の構成、
及び電気特性の代表的な評価方法を以下に説明する。銀
薄膜層、接着層、板状成形体の各部の厚さは、その断面
を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することで直接測
定できる。高分子フィルムの材料分析は、赤外分光(I
R)によりできる。また、接着剤の材料分析は銀薄膜層
と板状成形体を引き剥がして接着剤を露出させ、適当な
溶媒にそれを溶かした試料を作成し、その赤外分光(I
R)をとることでできる。銀薄膜層及び、板状成形体の
材料分析は、蛍光X線分光(XRF)によりできる。さ
らに、X線マイクロアナライザー(EPMA)では蛍光
X線分光より微細な部分の元素分析が行える。また、銀
薄膜層の形成された高分子フィルムを、接着剤から引き
剥がし銀薄膜層を露出させれば、オージェ電子分光法
(AES)により組成分析、及び深さプロファイルをと
ることで厚さも知ることができる。
【0050】
【実施例】(実施例1)以下、実施例により本発明を具
体的に説明する。実施例1 平均粒子が5μmであるア
クリル系樹脂(根上工業(株)製、品名:アートパー
ル)と、バインダーとしてアクリル系樹脂(三井化学
(株)製、品名:アルマテックスE269)(共に密度
1.2g/cm3)を、トルエンとエチルメチルケトン
からなる溶剤を用いて、固形分比35%、固形分中の粒
子の割合を37.0体積%とした溶液を調合した。粘度
は38cpsであった。これらの物性値を式(1)に代
入することにより、塗布重量範囲を計算したところ4.
5(g/m2)≦塗布量(g/m2)≦10.8(g/m
2)となったため、ドライ塗布量が8.5g/m2となる
ようにポンプ圧力とラインスピードを調整し、厚さ50
μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム
の上に、リップコート法にて塗布を行った。この際、ブ
ツによる筋は観察されず、良好な塗布面が得られた。
【0051】できたシートに、RFマグネトロンスパッ
タ法にて純度99.9%のSiO2をターゲットとし、
純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、Si
2を膜厚5nmになるように成形した。続いて、この
シートをスパッタ装置から取り出すことなく、DCマグ
ネトロンスパッタ法にて純度99.9%のAPC1%
(Agに対し、PdとCuが合計で1重量%配合された
合金)をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンを
スパッタガスとして、APC1%が膜厚8nmになるよ
うに成形した。続いて、このシートをスパッタ装置から
取り出すことなく、同様にDCマグネトロンスパッタ法
で、純度99.9%の銀をターゲットととし、純度9
9.5%のアルゴンをスパッタガスとして銀を膜厚20
0nmになるように成形した。続いて、このシートをス
パッタ装置から取り出すことなく、DCマグネトロンス
パッタ法で、2%のAl23がドープされた酸化亜鉛
(純度99.9%)をターゲットとし、純度99.5%
のアルゴンをスパッタガスとして、酸化亜鉛を膜厚5n
mになるように形成した。できたシートの反射層側とア
ルミニウム板(Al050、厚さ0.5mm)とをポリ
エステル系ホットメルト型接着剤(東洋紡、バイロンA
S500)で接着し、反射板を形成した。それを打ち抜
き加工によりランプリフレクターを得た。
【0052】(実施例2)第1層のSiO2の代わりに
ITOを、厚さ10nmになるようにスパッタしたこと
以外は実施例1と同様の手順で反射板を作製し、ランプ
リフレクターの形状に加工した。
【0053】(実施例3)第2層のAPC1%(Agに
対し、PdとCuが合計で1重量%配合された合金)の
代わりに、APC2%(Agに対し、PdとCuが合計
で2重量%配合された合金)を、厚さ8nmになるよう
にスパッタしたこと以外は実施例1と同様の手順で反射
板を作製し、ランプリフレクターの形状に加工した。
【0054】(実施例4)第4層の2%のAl23がド
ープされた酸化亜鉛の代わりに、チタンを10nmスパ
ッタしたこと以外は実施例1と同様の手順で反射板を作
製し、ランプリフレクターの形状に加工した。
【0055】(比較例1)第1層にSiO2をスパッタ
しなかったこと以外は実施例1と同様の手順で反射板を
作製し、ランプリフレクターの形状に加工した。
【0056】(比較例2)第2層にAPC1%をスパッ
タしなかったこと以外は実施例1と同様の手順で反射板
を作製し、ランプリフレクターの形状に加工した。
【0057】(比較例3)第4層に2%のAl23がド
ープされた酸化亜鉛をスパッタしなかったこと以外は実
施例1と同様の手順で反射板を作製し、ランプリフレク
ターの形状に加工した。
【0058】上記実施例及び比較例で作製したランプリ
フレクターを、図3に示すように実装し、雰囲気温度8
0℃、相対湿度60%で蛍光管を点灯させ、点灯後20
00時間及び5000時間での波長550nmでの反射
率を測定した。その結果を表1に示す。なお反射率の測
定には日立自記分光光度計(型式U―3400)に15
0φの積分球を設置したものを用い測定した。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の反射体を用いることで、長時間
の過酷な使用時においても高輝度アルミ板よりも反射率
が高く、かつ、反射率の低下のない反射板を得ることが
でき、さらには、高信頼性の液晶表示用バックライトラ
ンプリフレクターを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射体の一例を示す断面図
【図2】 反射板を成形加工したランプリフレクターの
一例
【図3】 ランプリフレクターの断面構成
【図4】 液晶表示素子バックライトユニットに取付け
たランプリフレクターの例
【符号の説明】
10 透明高分子層 20 凹凸層 30 反射層 40 粘着層 50 成形体 60 ランプリフレクター 70 蛍光管 80 導光板

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶用バックライトランプリフレクター
    に用いる反射体において、少なくとも、透明高分子フィ
    ルム(A)、凹凸層(B)、金属による反射層(C)、
    接着層(D)、成形体(E)がABCDEの順に形成さ
    れたことを特徴とする反射体。
  2. 【請求項2】 金属による反射層(C)が、少なくと
    も、透明高分子側から、透明酸化物層、銀を主体とする
    合金層、銀層、保護層の4層からなることを特徴とす
    る、請求項1記載の反射体。
  3. 【請求項3】 金属による反射層(C)における透明酸
    化物層が、酸化アルミニウムが0〜5重量%ドープされ
    た酸化亜鉛、または、インジウムとスズの酸化物(IT
    O)からなる厚さ1〜20nmの透明酸化物、あるいは
    厚みが、1〜50nmであるような珪素酸化物層である
    ことを特徴とする請求項1及び2記載の反射体。
  4. 【請求項4】 金属による反射層(C)における銀を主
    体とする合金層が、銀に対し銅とパラジウムをあわせて
    0.001〜2重量%含有している合金からなる層であ
    り、該合金層の膜厚が、5〜40nmであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射シート
  5. 【請求項5】 金属による反射層(C)における銀層の
    厚みが、70〜400nmであることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の反射シート。
  6. 【請求項6】 金属による反射層(C)における保護層
    が、金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、
    モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガ
    ン、チタン、もしくは、パラジウムからなる厚さ5〜5
    0nmの金属層、または、酸化アルミニウムが0〜5重
    量%ドープされた酸化亜鉛、または、インジウムとスズ
    の酸化物(ITO)からなる厚さ1〜20nmの透明酸
    化物層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の反射体。
  7. 【請求項7】 成形体(E)が、アルミニウムもしくは
    アルミニウム合金板であることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載の反射体。
  8. 【請求項8】 成形体(E)が、少なくとも亜鉛を30
    〜40重量%含有した銅亜鉛G合金板であることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の反射体。
  9. 【請求項9】 成形体(E)が、少なくとも、クロムを
    16〜20重量%、ニッケルを8〜12重量%含んだオ
    ーステナイト系ステンレス鋼板であることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載の反射体。」
  10. 【請求項10】 成形体(E)が、鉄を主成分とし、炭
    素含有量が2重量%以下の鋼板であることを特徴とする
    請求項1〜9のいずれかに記載の反射体。
  11. 【請求項11】 成形体(E)が、高分子フィルムもし
    くは高分子シートであることを特徴とする請求項1〜1
    0のいずれかに記載の反射体。
  12. 【請求項12】 高分子フィルムもしくは高分子シート
    の波長450〜750nmの可視光線に対する透過率が
    1%以下であることを特徴とする請求項11に記載の反
    射体。
  13. 【請求項13】 高分子フィルムもしくは高分子シート
    が、不透明か、もしくは金属蒸着されたものか、もしく
    は、塗料が塗布されているか、もしくは、これらが組み
    合わされたものであることを特徴とする請求項11に記
    載の反射体。
  14. 【請求項14】 凹凸層(B)が主として粒子層からな
    ることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の
    反射体。
  15. 【請求項15】 凹凸層(B)の粒子層が、平均粒径1
    μm以上15μm以下であるような微細粒子、および、
    バインダーにより形成され、かつ、該微細粒子が凹凸層
    の体積に対し、5〜52体積%の割合になるように配合
    され、かつ、該凹凸層の乾燥重量(g/cm2)が下記
    式(1)の条件を満足するものであることを特徴とする
    請求項1〜14のいずれかに記載の反射体。 式(1):0.75×2r×102/(p/a+(10
    0−p)/b)≦重量(g/cm2)≦2.5×2r×
    102/(p/a+(100−p)/b) 〔但し、p=100/(1+(100/v―1)×b/
    a)〕であり、 r:使用した微細粒子の半径の平均値(cm) p:凹凸層中の微細粒子の割合(重量%) v:凹凸層中の微細粒子の割合(体積%) a:用いた微細粒子の密度(g/cm3) b:用いたバインダーの密度(g/cm3
  16. 【請求項16】 波長480〜780nmの光に対する
    全反射率が93%以上であるであることを特徴とする請
    求項1〜13のいずれかに記載の反射体。
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WO2009050927A1 (ja) * 2007-10-18 2009-04-23 Sharp Kabushiki Kaisha バックライト装置、及び表示装置
JP2018058274A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 旭化成株式会社 積層成形体

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