JP3445028B2 - パネルシャッター装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、チェーンで連結され
た複数のシャッター用パネルの収納時に、これらパネル
を巻き込むことなく折畳状態に収納できるパネル式のシ
ャッター装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のパネルシャッター装置
は、シャッター開閉用開口の両側に配置され、上部に収
納ボックスを有する左右一対の縦ガイドレールと、これ
らの縦ガイドレール間を昇降開閉する上下複数段のパネ
ルと、これら各パネルの上部両側に外側方へ突出するよ
うに差し込まれたロングピンと、このロングピンに軸支
された走行ローラと、前記ロングピンにより前記パネル
の相互を両側方で連結している左右一対のパネル連結チ
ェーンと、前記収納ボックス内に配置され、前記パネル
連結チェーンを噛合させて正逆両方向に回転駆動される
パネル駆動用スプロケットと、前記収納ボックス内に配
置され、前記パネル駆動用スプロケットをパネル収納方
向に通過した各パネルの前記走行ローラを転動自在に支
承する支持レールとを備えたものがある。

【０００３】かようなパネルシャッター装置は、パネル
駆動用スプロケットを正方向に回転駆動させると、パネ
ル連結チェーンを介して収納ボックス内のパネルが縦ガ
イドレールに引き出されて下降し、これに沿って縦移動
した後、各パネルが同一垂直面状に展開されて保持され
る（シャッターの閉じた状態）。一方、パネル駆動用ス
プロケットを逆方向に回転駆動させると、パネル連結チ
ェーンでパネルが引き上げられてパネル駆動用スプロケ
ットを通過した後、各パネルの走行ローラが支持レール
上を走行し、これに沿って横移動した後、各パネルがそ
れぞれ平行隣接した折畳状態で支持レールに吊持される
とともに、パネル連結チェーンが各パネルの側方で弛ん
で垂下する（シャッターの開いた状態）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のパネルシャッタ
ー装置は、各パネルの左右両側端面よりも外側において
ロングピンに走行ローラ及びパネル連結チェーンを取り
付けていたため、これら走行ローラ及びパネル連結チェ
ーンの取付長さの確保のためロングピンの突出長さを必
然的に長くしなければならず、したがって、これを収納
している収納ボックスが大型化するとともに、ロングピ
ン自体の強度を向上させるため、該ロングピンの径を大
きく設計しなければならないという問題点があった。

【０００５】この発明は、上記のような従来の問題点を
解消するためになされたもので、走行ローラ及びパネル
連結チェーンを連結するロングピンを小径に構成できる
とともに、収納ボックス全体をコンパクトに構成するこ
とができるパネルシャッター装置を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１のパネルシャッ
ター装置は、走行ローラをパネル連結チェーンよりもパ
ネル寄りに配置するとともに、支持レールをパネルの両
側部上方で且つ該パネルの側端面よりも内側に配置した
ものである。請求項２のパネルシャッター装置は、請求
項１のパネルシャッター装置において、各パネルの両側
部に該パネルの両側部上端よりも上方に突出する支持部
材を設けるとともに、この支持部材にパネルの側端面よ
り内外両側へ突出するロングピンを取り付け、このロン
グピンの内側方で走行ローラを、且つ外側方でパネル連
結チェーンを連結したものである。

【０００７】

【作用】請求項１のパネルシャッター装置は、走行ロー
ラが転動する支持レールがパネルの両側部上方でしかも
パネルの側端面よりも内側に配置されており、したがっ
て収納ボックス内におけるパネル収納用スペースの両側
に支持レール配置用のスペースを設ける必要がないか
ら、収納ボックス全体が小型化する。請求項２のパネル
シャッター装置は、ロングピンがその中途でパネルに取
り付けた支持部材に支持されているから、取り付け部位
から端部までの突出長さを片持ちの場合に比べ短くで
き、これによってロングピンを小径化することが可能に
なる。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。図１ないし図６において、１はシャッター
開閉用開口の両側に起立配置された左右一対のガイドレ
ールであり、これらのガイドレール１は対向面側に縦長
開口を有する断面略コ字状の部材からなっている。２は
両ガイドレール１の内部に両側が昇降自在に嵌込み係合
されて両ガイドレール１間を昇降開閉する上下複数段の
パネルであり、これらのパネル２相互はそれぞれの両側
方において左右一対のパネル連結チェーン３で一連に連
結されている。

【０００９】さらに詳述すると、各パネル２の両側に
は、該パネル２の縦方向の長さより短いパネル延長材２
１が固着されていて、このパネル延長材２１の上部には
上方に立ち上がるように支持部材２２が固着されてい
る。そして、この支持部材２２にはロングピン２３がス
ラスト方向移動可能に取り付けられており、このロング
ピン２３は、その中途で前記支持部材２２に支持される
ことによりパネル延長材２１の側端面より内外両側に突
出した状態となっている。ロングピン２３の外側方への
突出部位は、前記パネル連結チェーン３に連結され、こ
れによってパネル２の相互はそれぞれの上部両端におい
てロングピン２３を介してパネル連結チェーン３で吊り
持ち状に連結されている一方、ロングピン２３の内側方
への突出部位には走行ローラ２４が回転自在に取り付け
られている。さらに、パネル延長材２１の下部両側に
は、該パネル延長材２１の側面に固着した取付部材２６
を介して下部ガイドローラ２５が回転自在に軸支されて
おり、この下部ガイドローラ２５は、前記ロングピン２
３とは移動経路が異なる配置とされ、シャッター開閉動
作時にその下部ガイドローラ２５がパネル連結チェーン
３と干渉しないようにしてある。

【００１０】４は前記ガイドレール１の上部に配置され
た収納ボックスであり、この収納ボックス４は、左右両
側にブラケット４ａを備えており、このブラケット４ａ
としては、前記収納ボックス４の両側壁部を形成するも
の、または該収納ボックス４の内部両側に配置されるも
ののいずれであってもよい。かかる収納ボックス４内に
おいて、両ガイドレール１の上端部近傍にはぞれぞれパ
ネル駆動用スプロケット５が配置されている。すなわ
ち、パネル駆動用スプロケット５は、これに一体化され
た回転軸（スプロケット軸）６を前記ブラケット４ａに
軸受け部材を介して支持させているもので、その回転軸
６には入力スプロケット７が設けられ、この入力スプロ
ケット７は、前記ブラケット４ａの内側面と前記パネル
駆動用スプロケット５との間に配置されて該パネル駆動
用スプロケット５と同軸回転するようになっている。入
力スプロケット７は、駆動スプロケット５の回転半径と
は、取り合い上の関連なく決定することができる。そし
て、前記パネル駆動用スプロケット５には、前記パネル
連結チェーン３が噛合されている。

【００１１】また、前記収納ボックス４内には、パネル
２の両側部上方で且つ該パネル２の側端面より内側にお
いて、前記パネル駆動用スプロケット５をパネル収納方
向側に通過したパネル２の走行ローラ２４を転動走行自
在に支承してパネル２相互を並列状態に吊持するための
支持レール８が配置されている。かかる支持レール８
は、断面略コ字状の部材からなり、この開口部がブラケ
ット４ａの内面と対向するように、該ブラケット４ａの
内側に固着したレール取付部材９を介して支持されてい
る。特に、このような支持レール８の配置によって、該
支持レール８の転動面には塵埃等が付着し難くなってい
る。なお、前記レール取付部材９としては、前記ブラケ
ット４ａを部分的に切り込んで内側に折曲形成されたも
の、あるいは前記ブラケット４ａの内側に固着されたレ
ール取付用ブラケットのいずれであってもよい。

【００１２】以上において、パネル駆動用スプロケット
５に噛合したパネル連結チェーン３で連結されている一
連のパネル２は、前記パネル駆動用スプロケット５の正
逆回転による前記パネル連結チェーン３の送り作動で、
ガイドレール１に沿った直列姿勢の縦移動と、支持レー
ル８に沿った並列姿勢の横移動とに継送されるようにな
っている。

【００１３】また、収納ボックス４内におけるガイドレ
ール１の上端側には、パネル駆動用スプロケット５の近
くに位置してパネル連結チェーンの異常屈折（弛み）を
電気的に感知するチェーン弛み感知装置１１が設けられ
ている。このチェーン弛み感知装置１１は、パネル連結
チェーン３をガイドレール１との間で挟む方向に付勢さ
れて、各パネル２相互の折り重なりや詰まり等に起因し
たパネル連結チェーン３の異常屈折部で押動されて変位
するプレート１１ａと、このプレート１１ａの変位によ
り動作するリミットスイッチ１１ｂとからなる。

【００１４】また、前記パネル駆動用スプロケット５の
近くには、このパネル駆動用スプロケット５に噛合した
パネル連結チェーン３の昇降動作時に、これと接触して
前記パネル駆動用スプロケット５から移動方向へ確実に
引き離すチェーン離脱板１２及び１３が配置されてい
る。また、前記ブラケット４ａの内側で支持レール８と
平行してはチェーン先端誘導棒１０が配置され、このチ
ェーン先端誘導棒１０には前記パネル連結チェーン３が
遊嵌されている。一方、前記収納ボックス４のパネル出
入口近傍にはパネルガイド１４が設けられ、このパネル
ガイド１４は、シャッター開閉動作時において、各パネ
ル２の前記下部ガイドローラ２５が該パネルガイド１４
に沿って転動することにより、各パネル２の下端をスム
ーズに誘導するようになっている。

【００１５】また、前記収納ボックス４の後面側（図３
において右側）には、パネル駆動手段（開閉機）１６が
取付ブラケット１７を介して配設されている。そして、
収納ボックス５内には、前記パネル駆動手段１６に連動
チェーン３１と連動スプロケット３２とを介して連動さ
れ、前記ブラケット４ａに軸受け部材を介して回転自在
に支承された主動回転軸３３と、この主動回転軸３３の
両端部に連結された伝動スプロケット３４と、この伝動
スプロケット３４と前記入力スプロケット７とに巻回噛
合された無端状の伝動チェーン３５とがそれぞれ配置さ
れている。

【００１６】次に動作について説明する。パネル２の昇
降動作は、パネル駆動手段１６を起動させると、その回
転駆動力が連動チェーン３１、連動スプロケット３２、
主動回転軸３３、伝動スプロケット３４、伝動チェーン
３５、入力スプロケット７、回転軸６のそれぞれを介し
てパネル駆動用スプロケット５に伝達されることによっ
て行われる。

【００１７】すなわち、上述したような動力伝達によっ
て、パネル駆動用スプロケット５が図３の矢印Ｘ方向に
回転駆動されると、これに噛合したパネル連結チェーン
３がガイドレール１に沿って上昇し、そのパネル連結チ
ェーン３の上昇に伴って、当該パネル連結チェーン３で
連結された上下複数段の各パネル２が順次引き上げられ
る。これによって、パネル２の上端がパネル駆動用スプ
ロケット５に到達すると、そのパネル２の上端部は、パ
ネル連結チェーン３とともにパネル駆動用スプロケット
５にピッチ円周に沿って円運動し、支持レール８の方向
に誘導移動される。また、この際、パネル２の下端部
は、下部ガイドローラ２５がパネルガイド１４によって
斜め上方へ回動誘導されることにより、横振れ防止状態
で収納ボックス４内に進行する。このようにして、収納
ボックス４内の収納方向に移動したパネル２は、後続の
パネル２の移動経路からスムーズに離脱するので、後続
のパネル２の上昇が妨げられることはない。

【００１８】そして、パネル駆動用スプロケット５を収
納方向に通過すると、パネル２の走行ローラ２４が支持
レール８の内側に移行し、この支持レール８の内側をそ
の傾斜によって前記走行ローラ２４が転動することによ
り、パネル２は吊り下げ状態で支持レール８に沿って収
納ボックス４内に移動する。この際、パネル連結チェー
ン３とパネル駆動用スプロケット５とが異常に噛み合っ
ていると、このパネル駆動用スプロケット５の近くでチ
ェーン離脱板１２に前記パネル連結チェーン３が接触す
るため、このパネル連結チェーン３が前記パネル駆動用
スプロケット５から確実に離脱し、上述のようにパネル
２の収納動作は円滑に遂行される。

【００１９】ここで、パネル収納時において、パネル連
結チェーン３は、チェーン先端誘導棒１０によって絡み
付くことなくパネル２とともに収納ボックス４内に移動
し、パネル２の折畳収納状態では、各パネル２はそれら
相互の側面が蛇行状に規則正しく隣接した収納状態とな
る。

【００２０】そして、この一連の動作は、後続のパネル
２が支持レール８の近くに到達する毎に繰り返される。
逆に、パネル２の繰り出し動作は、パネル駆動手段１６
の逆起動によって行われる。すなわち、パネル駆動手段
１６を逆起動させると、パネル駆動用スプロケット５が
逆回転駆動されることにより、これに噛合したパネル連
結チェーン３が繰り出され、これによって各パネル２が
順次引き出される。この際、パネル駆動用スプロケット
５の近くのもう一方のチェーン離脱板１３によって、パ
ネル連結チェーン３はパネル駆動用スプロケット５から
スムーズに離脱する。この繰り出し動作、すなわちパネ
ルの縦移動が完了した際には、上下に隣り合うパネル２
のパネル延長材２１間には空隙が形成され、この空隙に
走行ローラ２４が位置した状態となり、したがって各パ
ネル２間は隙間が生じることなくきちんと閉じられる。

【００２１】また、以上のようなパネル２の昇降動作過
程において、万一、ガイドレール１内で各パネル２相互
が折り重なったり、詰まったりした場合には、パネル連
結チェーン３には異常屈折が生じるので、その異常屈折
部でチェーン弛み感知装置１１のプレート１１ａが押さ
れて変位し、リミットスイッチ１１ｂが作動することに
よって、チェーン弛み感知装置１１は各パネル２相互の
折り重なりや詰まり等に起因したパネル連結チェーン３
の異常屈折を電気的に感知する。したがって、この感知
信号を例えばパネル駆動手段１６の自動停止信号や警報
信号として利用すれば、パネル連結チェーン３の異常屈
折感知時には、パネル駆動手段１６を即座に停止させる
ことができる。

【００２２】以上のように、この発明によれば、支持レ
ール８をパネル２の両側部上方で且つパネル２の側端面
よりも内側に配置したことにより、収納ボックス４内に
おけるパネル２の収納用スペースの両側に支持レール８
の配置用スペースを設けなくてもよいから、収納ボック
ス４全体を小型化させることができる。また、走行ロー
ラ２４を支持するロングピン２１は、その中途でパネル
２の支持部材２２に取り付けられているから、取り付け
部位から端部までの突出長さを片持ちの場合に比べ短く
でき、これによって該ロングピン２１を小径化すること
ができる。さらに、パネル駆動用スプロケット５と入力
スプロケット７との位置関係により、これらを互いに独
立に設定できるので、設計計画が容易に且つ柔軟になる
といった利点を得ることもできる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように、請求項１のパネルシャッ
ター装置によれば、パネルの両側部上方で且つパネルの
側端面よりも内側に支持レールを配置したことで、収納
ボックス内におけるパネル収納用スペースの両側に支持
レール配置用のスペースを設ける必要がなく、これによ
って収納ボックス全体を小型化できる効果がある。請求
項２のパネルシャッター装置によれば、各パネルの両側
部に該パネルの両側部上端よりも上方に突出する支持部
材を設けるとともに、この支持レールにパネルの側端面
より内外両側へ突出するロングピンを取り付け、このロ
ングピンで内側方に走行ローラを、且つ外側方にパネル
連結チェーンを連結したことで、走行ローラのロングピ
ンにおける取付長さを、パネル両側端面より外側で短く
することができ、これによって収納ボックス全体を小型
化できる効果がある。また、ロングピンは、その中途で
パネルに取り付けられているから、取り付け部位から端
部までの突出長さを片持ちの場合に比べ短くでき、これ
によってロングピンを小径化することができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例によるパネルシャッター装
置の正断面図である。

【図２】この発明の一実施例によるパネルシャッター装
置の平断面拡大図である。

【図３】この発明の一実施例によるパネルシャッター装
置の側断面図である。

【図４】この発明の一実施例によるパネルの側面図であ
る。

【図５】この発明の一実施例による走行ローラとパネル
連結チェーンのロングピンへの取付状態を示す図であ
り、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図である。

【図６】この発明の一実施例によるパネルシャッター装
置の正面図である。

【符号の説明】

１ ガイドレール ２ パネル ３ パネル連結チェーン ４ 収納ボックス ５ パネル駆動用スプロケット ８ 支持レール ２２ 支持部材 ２３ ロングピン ２４ 走行ローラ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャッター開閉用開口の両側に配置さ
   れ、上部に収納ボックスを有する左右一対のガイドレー
   ルと、これらのガイドレール間を昇降開閉する上下複数
   段のパネルと、該パネルの上部両側に軸支された吊り下
   げ用の走行ローラと、前記パネルの相互を両側方で連結
   している左右一対のパネル連結チェーンと、前記収納ボ
   ックス内に配置され、前記パネル連結チェーンを噛合さ
   せたパネル駆動用スプロケットと、前記収納ボックス内
   に配置され、前記パネル駆動用スプロケットからパネル
   収納方向側に移動するパネルの前記走行ローラを転動自
   在に支承する支持レールとを備え、前記パネル駆動用ス
   プロケットの正逆回転による前記パネル連結チェーンの
   送り作動によって、前記一連のパネルを、前記両ガイド
   レールに沿った直列姿勢の縦移動と、前記支持レールに
   沿った並列姿勢の横移動とに継送するパネルシャッター
   装置において、 前記走行ローラを前記パネル連結チェーンよりも前記パ
   ネル寄りに配置するとともに、前記支持レールを前記パ
   ネルの両側部上方で且つ該パネルの側端面よりも内側に
   配置したことを特徴とするパネルシャッター装置。
2. 【請求項２】 前記各パネルの両側部に該パネルの両側
   部上端よりも上方に突出する支持部材を設けるととも
   に、この支持部材に前記パネルの側端面より内外両側へ
   突出するロングピンを取り付け、このロングピンの内側
   方で前記走行ローラを、且つ外側方で前記パネル連結チ
   ェーンを連結したことを特徴とする請求項１に記載のパ
   ネルシャッター装置。