JP3444794B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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JP3444794B2
JP3444794B2 JP25620998A JP25620998A JP3444794B2 JP 3444794 B2 JP3444794 B2 JP 3444794B2 JP 25620998 A JP25620998 A JP 25620998A JP 25620998 A JP25620998 A JP 25620998A JP 3444794 B2 JP3444794 B2 JP 3444794B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ピックアップ装
置、より詳細には、コンパクトディスク,レーザディス
ク等の再生専用型光ディスクの再生を行う光学的再生装
置または追記型,書き替え可能型等の光ディスクに記録
再生を行う光学的記録再生装置において使用される光ピ
ックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップ装置のトラッキングサー
ボ方式として、3ビーム法あるいは差動プッシュプル法
が知られている。図9は、3ビーム法を説明するための
模式図で、この3ビーム法は、コンパクトディスク,レ
ーザディスク等の光デイスク上のトラックにメインビー
ム(メインスポット)S1とその両側にサブビーム(サ
ブスポット)S2,S3を集光させ、このサブビーム
(サブスポット)S2,S3の光ディスク反射光を光検
出器D1,D2で検出してその差動信号(D1−D2)
をトラッキング信号とするものである。
【0003】図10は、差動プッシュプル法を説明する
ための模式図で、この差動プッシュプル法は、半導体レ
ーザ31から出射した光はコリメートレンズ32で平行
光に変換され、ビームスプリッタ33を経て対物レンズ
34にて光ディスク35上に集光し、その反射光が2分
割光検出器36に戻ってくる。このとき、2分割光検出
器36からの信号の差動信号(D1′−D2′)をトラ
ッキング信号とするものである。
【0004】この従来技術において、3ビーム法では、
トラッキング信号となるべきサブビーム(サブスポッ
ト)S2,S3の間隔が大きく開いている。このため、
光ディスクに情報が記録されていないところから、情報
が記録されている部分にいたるときのトラッキングを行
おうとした場合、サブビーム(サブスポット)S2とS
3の反射光の差が大きくなり光検出器D1,D2の差動
信号に対してトラッキングずれ信号以外の反射光量差と
の影響でトラッキングオフセットが発生する。
【0005】また、差動プッシュプル法では、その原理
上、上記の問題は発生しないものの、光ディスク35の
反射光の左右の光量分布の差を検出してトラッキング信
号としていることから、このトラッキングにおいて、対
物レンズ34がラジアル方向に移動した場合、図10
(A)のように、光ディスク35からの反射光の光軸が
ずれ2分割検出器36の中心からビーム中心がずれる
(点線部分)ことになる。
【0006】また、光ディスク35面が傾いていた場合
には、図10(B)のように、光ディスク35からの反
射光が対物レンズ34に対して傾いて戻ってくるため、
対物レンズ34に対して反射光中心がずれる(点線部
分)。このように、いずれの場合も、トラッキングがあ
っているにもかかわらず、2分割光検出器D1′,D
2′からの差動信号(D1′−D2′)にオフセットが
発生し、うまくトラッキングができないという問題点が
あった。
【0007】これらの問題点を解決するものに特願平9
−201939号として出願された発明がある。図11
(A)は、この従来発明の光ピックアップ装置を示す図
で、図中、1は半導体レーザ、2は第1の回折素子、
3′は第2の回折素子、4はビームスプリッタ、5はコ
リメートレンズ、6は対物レンズ、7は光磁気デイスク
(以下、デイスクという)である。半導体レーザ1から
出射された光は、第1の回折素子2により、ディスク7
上にメインスポットS1と2つのサブスポットS2,S
3を形成するために0次光と±1次光の3つの光に分離
され、その後、第2の回折素子3′を透過後コリメート
レンズ5により平行光に変換された後、ビームスプリッ
タ4を透過し、対物レンズ6よりディスク7上に第1の
回折素子2により生成された0次光によるメインスポッ
トS1と±1次光による2つのサブスポットS2,S3
を形成する。
【0008】ディスク7からの反射光は、再び対物レン
ズ6により平行光となり、その一部の光はビームスプリ
ッタ4で反射してディスク7の信号を再生するための図
示しない検光子及び光を電気信号に変換する受光素子等
により形成される光磁気信号検出系によりディスク7に
記録された情報が再生される。
【0009】一方、前記反射光は、ビームスプリッタ4
からコリメートレンズ5を透過し、第2の回折素子3′
によって回折され、受光素子11〜13により受光さ
れ、サーボ信号{フォーカス誤差信号(FES)及びト
ラッキング信号(TES)}が検出される。
【0010】図11(B)は、図11(A)の光ピック
アップ装置のディスク7上に形成される光スポットの位
置関係を示す図で、ディスク7上にメインスポットS1
とサブスポットS2,S3が対称に配置され、そのラジ
アル方向の間隔はトラックピッチの1/4(P/4)に
配置される。なお、l(エル),gは、それぞれデイス
ク7に形成されたランド,グルーブである。
【0011】図12は、回折素子3′による回折光が受
光部A,B,C,D,E,Fの組み合わせからなる受光
素子11,12,13のどの領域で受光されるかを説明
する図で、図12(A),図12(B),図12(C)
において、それぞれ回折素子3′は、領域21′〜2
3′に3分割されており、それぞれの領域はディスクの
ラジアル方向に領域21′と他の領域(22′+2
3′)に2分割され、更に分割された一方の領域がトラ
ック方向に領域22′と23′に2分割されている。
【0012】図12(A)において、前記サブスポット
S2の回折素子3′上でのディスクの反射光による回折
パターンをS2′とすると、該回折パターンS2′の回
折素子3′による回折光のうち、領域21′による回折
光は受光されず、領域22′による回折光は受光素子1
1の分割された受光部Cにより検出され、領域23′に
よる回折光は受光素子13の分割された受光部Dにより
検出される。
【0013】図12(B)において、前記メインスポッ
トS1の回折素子3′上でのディスク7の反射光による
回折パターンをS1′とすると、該回折パターンS1′
の回折素子3′による回折光のうち、領域21′による
回折光は、受光素子12の受光部GとHの分割線上に集
光され、領域22′による回折光は受光素子11の分割
された受光部Eにより検出され、領域23′による回折
光は受光素子13の分割された受光部Fにより検出され
る。
【0014】図12(C)において、前記サブスポット
S3の回折素子3′上でのディスクの反射光による回折
パターンをS3′とすると、該回折パターンS3′の回
折素子3′による回折光のうち領域21′による回折光
は受光されず、領域22′による回折光は受光素子11
の分割された受光部Aにより検出され、領域23′によ
る回折光は受光素子13の分割された受光部Bにより検
出される。
【0015】このとき、受光部A,B,C,D,E,
F,G、Hの各出力をAs,Bs,Cs,Ds,Es,
Fs,Gs,Hsとすると、サーボ信号(フォーカス誤
差信号(以下、FESという)及びトラッキング信号
(以下、TESという))は以下の演算式により求めら
れる。 FES=Gs−Hs TES=(Es−Fs)−α{(As−Bs)+(Cs−Ds)} …(1) ここで、αは定数であり、メインスポットS1とサブス
ポットS2,S3の強度比を表わすために設定されるも
のである。
【0016】図13は、各信号波形を用いて前記サーボ
信号の検出原理を示す図である。図13(A),図13
(B)に示すように、受光部の演算出力(As−B
s)、(Cs−Ds)、(Es−Fs)は、トラックピ
ッチPを1周期とするサイン波状の信号波形となり、信
号振幅は、|(As−Bs)|<|(Cs−Ds)|と
なっている。これは図12において、図12(A)のサ
ブスポットの回折パターンS2′の方が図12(C)の
サブスポットの回折パターンS3′より紙面上方向にシ
フトしているため、領域22′,23′で回折されるビ
ームの面積が、図12(A)の方が図12(C)より大
きくなる。そのため、図12(A)の受光素子における
演算出力(Cs−Ds)の方が図12(C)の受光素子
における演算出力(As−Bs)より信号として大きく
なるものである。
【0017】また、このときのそれぞれの信号は、光磁
気ディスクの傾きあるいは対物レンズのシフトにより回
折素子上のビームのスポット位置が変化することによる
同じオフセット成分(図13(A))が乗っている。
【0018】このため、前記(1)式で示されるTES
演算式の第2項にあたる {α(As−Bs)+α(Cs−Ds)} …(2) の演算において、 |α(As−Bs)|<|α(Cs−Ds)| となり、(2)式の演算結果は、Cs−Ds演算成分が
残留オフセットとして残る(図13(B))。
【0019】そのため、メインビームによるトラッキン
グオフセットの乗ったプッシュプル信号Es−Fsから
(2)式を差し引いた前記(1)式の演算ではディスク
の傾きあるいは対物レンズのシフトにより回折素子上の
ビームのスポット位置が変化することにより、オフセッ
ト成分を相殺できるものの、新たにCs−Ds成分が残
留オフセットとして加わってしまうこととなる。
【0020】その結果、図13(B)のように、トラッ
ク誤差信号(TES)に残留オフセットが乗り、信号の
位相が正しい信号の位相に比べφだけずれてしまい、正
しくトラッキング制御ができないという問題点があっ
た。
【0021】更に、図12(A),図12(C)にある
ように、領域21′で回折されるサブビームは受光素子
12で受光せずロスしている。そのため、TES信号等
のサーボ信号検出に使う光量が少なく良好な信号が得に
くく信号品質が良くないという問題点もあった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の実情
に鑑みてなされたもので、回折素子による1次回折光の
全てを受光素子で受光してサーボ信号を生成し、サーボ
信号にオフセットを乗せることなく良好なトラッキング
制御を行う光ピックアップ装置を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、光発
生手段と該光発生手段から出射された光束をメインビ
ームと第1及び第2のサブビームとに分離させる第1の
回折素子と、前記分離した各ビームを記録媒体上のトラ
ックに集光させるレンズと、前記第1の回折素子と前記
記録媒体の間に設けられ、前記トラックに集光した各ビ
ームの反射光を回折させる第2の回折素子と、該第2の
回折素子によって回折された回折光を受光して電気信号
に変換する光検出器を備えた光ピックアップ装置におい
て、前記第2の回折素子は、前記トラックに平行な分割
線と前記トラックに垂直な分割線により分割された互い
に異なる少なくとも4つの格子パターンを有し、前記格
子パターンのうち前記トラックに平行な分割線に対して
前記光検出器側にある格子パターンで回折して前記光検
出器上を照射する位置と前記光発生手段との距離が、前
記格子パターンのうち前記トラックに平行な分割線に対
して前記光検出器と反対側にある格子パターンで回折し
て前記光検出器上を照射する位置と前記光発生手段との
距離に比べて小さくなるように配置され、前記光検出器
前記第2の回折素子により1次回折された回折光の
全てを受光し、前記メインビームのうち前記第2の回折
素子の前記トラックに平行な分割線により分割された少
なくとも2つの格子パターンからのそれぞれの回折光の
検出信号の差をA、前記第1のサブビームのうち前記第
2の回折素子の前記トラックに平行な分割線により分割
された2つの格子パターンからのそれぞれの回折光の検
出信号の差をB、前記第2のサブビームのうち前記第2
の回折素子の前記トラックに平行な分割線により分割さ
れた少なくとも2つの格子パターンからのそれぞれの回
折光の検出信号の差をCとしたとき、A−α(B+C)
(αは定数)をトラッキング誤差信号とし、前記メイ
ンビームのうち前記第2の回折素子の前記トラックに垂
直な分割線により分割された格子パターンからの回折光
が合焦時に前記光検出器の受光素子の隣接した2つの受
光領域の分割線上に照射され、前記2つの受光領域から
の信号の差をフォーカス誤差信号とすることを特徴とす
るものである。
【0024】請求項の発明は、請求項1の発明におい
て、前記光検出器は、前記メインビームの前記第2の回
折素子の格子パターンからの回折光の光検出器上照射位
置が、前記第1及び第2のサブビームのそれぞれの回折
光の光検出器上照射位置との間になるように配置される
ことを特徴とするものである。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】請求項の発明は、請求項1の発明におい
て、前記光検出器は、前記メインビームのうち前記第2
の回折素子の前記トラックに平行な分割線により分割さ
れた少なくとも2つの格子パターンからそれぞれの回
折光の光検出器上照射位置が、他の少なくとも2つの格
子パターンからのメインビームのそれぞれの回折光の光
検出器上照射位置と、前記第1及び第2のサブビームの
それぞれの回折光の光検出器上照射位置との間になるよ
うに配置されることを特徴とするものである。
【0030】請求項の発明は、請求項1の発明におい
て、前記第2の回折素子は、前記メインビーム及び前記
第1及び第2のサブビームのうち前記第2の回折素子の
記トラックに平行な分割線により分割された少なくと
も2つの格子パターンからのそれぞれの回折光の光軸
他の少なくとも2つの格子パターンからの前記メインビ
ーム及び前記第1及び第2のサブビームのそれぞれの回
折光の光軸が前記光検出器上の照射位置までの光路中
交差しないよう構成されることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1(A)は、本発
明の第1の実施例を説明するための光ピックアップ装置
の模式図で、図中、3は第2の回折素子、8はディスク
7の信号を再生するための検光子、9は受光素子(光検
出器)で、図11と同じ構成部品には同じ参照番号を付
し説明を省略する。半導体レーザ1から出射された光
は、第1の回折素子2よりディスク7上にメインスポッ
トと2つのサブスポットを形成するために、0次光と±
1次光の3つの光に分離される。その後、第2の回折素
子3、ビームスプリッタ4を透過後、コリメートレンズ
5により平行光に変換され、対物レンズ6によりディス
ク7上に第1の回折素子2により生成された0次光によ
るメインスポットと±1次光による2つのサブスポット
を形成する。
【0032】図1(B)は、図1(A)の光ピックアッ
プ装置によりデイスク7に形成される光スポットの位置
関係を示す図で、S1は第1の回折素子2により生成さ
れる0次光によるメインスポット、S2,S3は±1次
光によるそれぞれサブスポットである。1つのランドl
とグルーブgとはトラックピッチPで構成され、光スポ
ットはラジアル方向に、トラックピッチの1/4(P/
4)に位置される。
【0033】ディスク7に照射された光は、該ディスク
7で反射され、再び対物レンズ6により平行光となり、
コリメートレンズ5を透過し、一部の光はビームスプリ
ッタ4で反射してディスク7の信号を再生するための検
光子8及び光を電気信号に変換する受光素子9により形
成される光磁気信号検出系によりディスク7に記録され
た情報が再生される。
【0034】一方、更にビームスプリッタ4を透過した
光は、回折素子3によって回折され、1次回折光が受光
素子10により受光され、サーボ信号{(フォーカス誤
差信号(FES)、トラッキング信号(TES))が検
出される。
【0035】図2は、回折格子3上でのメインスポット
S1とサブスポットS2,S3の位置関係及び回折素子
3による回折光が受光素子10のどの領域で受光される
かの対応関係を示す図で、回折素子3は、図2(A),
図2(B),図2(C)に示すように、領域21〜24
に4分割されており、それぞれの領域にはディスクのラ
ジアル方向に領域(21+22)と領域(23+24)
に2分割され、さらに分割されたそれぞれの領域がトラ
ック方向に領域(21+23)と領域(22+24)に
2分割されている。
【0036】図2(A)において、サブスポットS2の
回折素子3上でのディスクの反射光による回折パターン
をS2′とすると、該回折パターンS2′の回折素子3
による回折光のうち領域21による回折光は受光素子1
0の分割された受光部Dにより検出され、領域22によ
る回折光は受光素子10の分割された受光部Bにより検
出され、領域23による回折光は受光素子10の分割さ
れた受光部Dにより検出され、領域24による回折光は
受光素子10の分割された受光部Bにより検出される。
【0037】図2(B)において、メインスポットS1
の回折素子3上でのディスクの反射光による回折パター
ンをS1′とすると、該回折パターンS1′の回折素子
3による回折光のうち領域21による回折光は、受光素
子10の分割された受光部GとHの分割線下部に集光さ
れ、領域22による回折光は受光素子10の分割された
受光部GとHの分割線上部に集光され、領域23による
回折光は受光素子10の分割された受光部Fにより検出
され、領域24による回折光は受光素子10の分割され
た受光部Eにより検出される。
【0038】図2(C)において、サブスポットS3の
回折素子3上でのディスクの反射光による回折パターン
をS3′とすると、該回折パターンS3′の回折素子3
による回折光のうち領域21による回折光は、受光素子
10の分割された受光部Cにより検出され、領域22に
よる回折光は受光素子10の分割された受光部Aにより
検出され、領域23による回折光は受光素子10の分割
された受光部Cにより検出され、領域24による回折光
は受光素子10の分割された受光部Aにより検出され
る。
【0039】このとき、サーボ信号は以下の演算式によ
り求められる。 FES=Gs−Hs TES=(Es−Fs)−α{(Bs−Ds)+(As−Cs)} …(3) ここで、αは定数であり、メインスポットS1とサブス
ポットS2,S3の強度比を表わすために設定されるも
のである。
【0040】このようなTES検出方式によれば、図2
から分かるように、回折素子3におけるメインスポット
S1,サブスポットS2,S3の1次回折光は、全て受
光素子10上に落ちる。従って、従来の3ビーム法ある
いは差動プッシュプル法で問題点とされたトラッキング
オフセットが改善され、更に従来に比べ2倍のビーム光
量を用いて信号生成ができるため、信号量も多く、安定
したサーボ信号を得ることができる。図6は、各信号波
形を用いて上記サーボ信号の検出原理を示す図で、各演
算出力(As−Cs)、(Bs−Ds)、(Es−F
s)は、図13(A),図13(B)に示すように、ト
ラックピッチPを1周期とするサイン波状の信号波状と
なる。
【0041】ここで、図2(A)における領域22,2
4から回折し、受光部Bに落ちるスポット面積と図2
(C)における領域22,24から回折し、受光部Aに
落ちるスポット面積あるいは図2(A)における領域2
1,23から回折し、受光部Dに落ちるスポット面積と
図2(C)における領域21,23から回折し、受光部
Cに落ちるスポット面積は等しくなる。
【0042】このため、前記(3)式のTES演算式の
第2項において、(Bs−Ds)と(As−Cs)は、
図6(A)のように、逆位相でほぼ同じ信号振幅である
ため、 α{(Bs−Ds)+(As−Cs)} …(4) の演算結果はトラッキングオフセット成分のみが残る。
【0043】そのため、図6(B)におけるメインビー
ムによるトラッキングオフセットの乗ったプッシュプル
信号(Es−Fs)から(4)式を差し引いた前記
(3)式の演算ではトラッキングオフセット成分を完全
に相殺することができる。その結果、トラック誤差信号
にオフセットがなく、正しくトラッキング制御を行うこ
とができる。
【0044】なお、実施例1では、ディスク7上の第1
の回折素子2により生成された0次光によるメインスポ
ットS1と±1次光による2つのサブスポットS2,S
3のラジアル方向の間隔は、トラックピッチの1/4
(P/4)でも、又は図7(A)のようにトラックピッ
チの1/2(P/2)、又は図7(B)のようにトラッ
クピッチの3/2(3P/2)とトラックピッチ1/2
の奇数倍の間隔で照射した場合でも前記の構成と信号検
出系を使うことができる。図8に各信号波形を用いて上
記サーボ信号検出原理を示す。
【0045】(As−Cs)、(Bs−Ds)、(Es
−Fs)は、図8(A),図8(B)に示すように、ト
ラックピッチPを1周期とするサイン波状の信号波形と
なる。このため、前記(3)式のTES演算式の第2項
において、(Bs−Ds)と(As−Cs)は、図13
(A)のように、同位相でかつ(Es−Fs)波形と逆
位相でほぼ同じ信号振幅であるため、α{(Bs−D
s)+(As−Cs)}の演算結果は(Es−Fs)と
同位相のトラッキングオフセット成分と逆位相のプッシ
ュプル信号成分が残る。
【0046】そのため、図8(B)におけるメインビー
ムによるトラッキングオフセットの乗ったプッシュプル
信号(Es−Fs)から(4)式を差し引いた前記
(3)式の演算ではトラッキングオフセット成分を相殺
できプッシュプル信号が増幅される。
【0047】このように、ディスク上でサブビームをメ
インビームに対しトラックピッチの1/2の奇数倍の間
隔で照射した場合でも、図2に示すように、回折素子3
におけるメインスポットS1,サブスポットS2,S3
の1次回折光が全て受光素子10上に落ちる構成は変わ
らない。このため、従来の3ビーム法あるいは差動プッ
シュプル法での課題であるトラッキングオフセットが改
善され、従来に比べ2倍のビーム光量を用いて信号生成
ができるため、信号量も多く、安定したサーボ信号を得
ることができる効果も同様にある。
【0048】また、回折素子3は実施例1のような構成
とした場合、受光素子から近い位置の領域ほど格子ピッ
チが小さくなる傾向にある。このとき、格子ピッチが小
さくなるとその作成が困難になる。また、回折素子を作
成する過程で素子をレリーフ型のもので実現しようとし
た場合、格子ピッチに合わせた溝をRIE(反応性イオ
ンビームエッチング)で作製していくが、格子ピッチが
狭い部分は広い部分に比べて溝が浅くなる傾向にある。
このとき、回折素子の回折効率はこの溝の深さに依存し
ているため、格子ピッチが狭い領域と広い領域があると
その間に回折効率差が発生し、サーボ信号に悪影響を及
ぼす問題が発生する。
【0049】このため、実施例1では、回折素子3の
つの格子パターン21〜24のうち、記録媒体7上のト
ラックに平行な分割線に対して受光素子10に近い側の
領域21,23からの回折光の受光素子10の照射位置
を、記録媒体7上のトラックに平行な分割線に対して
光素子10から遠い側の領域22,24からの回折光の
受光素子10の照射位置より回折素子に近くし、回折
角(半導体レーザ1と第2の回折素子上の領域21また
は22を結ぶ線と、受光素子10上の照射位置と第2の
回折素子上の領域21または22を結ぶ線とがなす角
が緩くなるように設計している。このため、回折素子3
の領域21,23の格子ピッチが比較的大きくなり、領
域22,24の格子ピッチ並に緩和できる。これによ
り、回折素子の作成が容易になるとともに、各領域間に
回折効率差の少ない回折素子が実現でき良好なサーボ信
号が得られる。
【0050】次に、フォーカスエラー信号(FES)の
検出原理について説明する。図3は、フォーカスエラー
信号(FES)の検出原理を説明する図で、まず、ディ
スク上でビーム焦点が合っている場合、図3(A)に示
すように、受光部A,B,C,D,E,F,G,H上で
はビームはそれぞれ1点に集光している。このとき、F
ES=Gs−Hs=0となる。
【0051】ディスク7がビームの合焦位置より近い位
置(near)にあるとき、図3(B)に示すように、受光
部A〜H上ではビームはちょうど回折素子3の各回折領
域と相似な形で広がってくる。このため、受光部Hには
メインビームの回折光b1,b2,b4が広がってきて
Hs信号量が増加しFES=Gs−HsによりFESは
マイナス信号として増加する。
【0052】ディスクがビームの合焦位置より遠い位置
(far)にあるとき、図3(C)に示すように、受光部
上ではビームはちょうど回折素子3の各回折領域と相似
な形が反転した形で広がってくる。このため、受光部G
にはメインビームの回折光b1とb2,b5が広がって
きてGs信号量が増加しFES=GS−HsによりFE
Sはプラス信号として増加する。
【0053】つまり、受光部G,H上にあるメインビー
ムの領域22,21の回折光b1,b2以外に、残りの
領域24,23からのメインビームの回折光b5,b4
を、受光素子上の回折光b1,b2とその外側にあるサ
ブビームの回折光b3,b6の間に照射するようにした
ため、メインビームの回折光b1,b2,b4,b5の
すべてがFES信号演算に寄与するため、FES信号感
度は、特願平9−201939号の発明の場合より増加
し安定で信頼性の高いフォーカスサーボが実現できる。
【0054】このように、実施例1の光ピックアップ装
置では、回折素子3のトラックに平行な分割線により分
割された領域21,23からの回折光と領域22,24
からの回折光を用いてオフセットのない信号品質の良い
トラッキング信号を生成し、回折素子3のトラックに垂
直な分割線により分割された領域21,22からの回折
光と領域23,24からの回折光を用いてトラッキング
信号の影響を受けず、オフセットのないフォーカスエラ
ー信号が生成できる。
【0055】(実施例2)図4は、本発明の第2の実施
例を説明するための回折素子と受光素子の関係を表す模
式図であり、図中、10′は受光素子(光検出器)であ
り、図1と同じ構成部品には同じ参照番号を付し説明を
省略する。図4(A)において、回折素子3は、領域2
1〜24に4分割されており、それぞれの領域はディス
クのラジアル方向に領域(21+22)と領域(23+
24)に2分割され、さらに分割されたそれぞれの領域
がトラック方向に領域(21+23)と領域(22+2
4)に2分割されている。
【0056】図4(A)において、サブスポットS2の
回折素子3上でのディスクの反射光による回折パターン
をS2′とすると、該回折パターンS2′の回折素子3
による回折光のうち領域21による回折光は受光素子1
0′の分割された受光部Eにより検出され、領域22に
よる回折光は受光素子10′の分割された受光部Dによ
り検出され、領域23による回折光は受光素子10′の
分割された受光部Aにより検出され、領域24による回
折光は受光素子10′の分割された受光部Jにより検出
される。
【0057】図4(B)において、メインスポットS1
の回折素子3上でのディスクの反射光による回折パター
ンをS1′とすると、該回折パターンS1′の回折素子
3による回折光のうち領域21による回折光は、受光素
子10′の分割された受光部FとGの分割線下部に集光
され、領域22による回折光は受光素子10′の分割さ
れた受光部FとGの分割線上に集光され、領域23によ
る回折光は受光素子10′の分割された受光部Bにより
検出され、領域24による回折光は受光素子10′の分
割された受光部Kにより検出される。
【0058】図4(C)において、サブスポットS3の
回折素子3上でのディスクの反射光による回折パターン
をS3′とすると、該回折パターンS3′の回折素子3
による回折光のうち領域21による回折光は、受光素子
10′の分割された受光部Iにより検出され、領域22
による回折光は受光素子10′の分割された受光部Hに
より検出され、領域23による回折光は受光素子10′
の分割された受光部Cにより検出され、領域24による
回折光は受光素子10′の分割された受光部Lにより検
出される。
【0059】このとき、サーボ信号は以下の演算式で求
められる。 FES=Fs−Gs TES=(Bs−Ks) −α[{(As+Es)−(Ds+Js)} +{(Cs+Is)−(Hs+Ls)}] …(5) ここで、αは定数であり、メインスポットS1とサブス
ポットS2,S3の強度比を表わすため設定されたもの
である。
【0060】このようなTES検出方式によれば、図4
に示すように、回折素子3におけるメインスポットS
1,サブスポットS2,S3の1次回折光は、全て受光
素子10′上に落ちる。従って、従来の3ビーム法ある
いは差動プッシュプル法での課題であるトラッキングオ
フセットが改善されることになる。
【0061】ここで、図4(A)における領域22,2
4から回折し、受光部D,Jに落ちるスポット面積と図
4(C)における領域22,24から回折し、受光部
H,Lに落ちるスポット面積あるいは図4(A)におけ
る領域21,23から回折し、受光部E,Aに落ちるス
ポット面積と図4(C)における領域21,23から回
折し、受光部I,Cに落ちるスポット面積は等しくな
る。
【0062】このため、前記(5)式のTES演算式の
第2項において、(As+Es)−(Ds+Js)ある
いは(Cs+Is)−(Hs+Ls)で,面積差による
オフセットは発生せず、 α[{(As+Es)−(Ds+Js)}+{(Cs+Is)−(Hs+Ls)}] …(6) の演算結果は、トラッキングオフセット成分のみが残
る。
【0063】そのため、メインビームによるトラッキン
グオフセットの乗ったプッシュプル信号(Bs−Ks)
から(6)式を差し引いた前記(5)式の演算ではトラ
ッキングオフセット成分を完全に相殺できる。その結
果、トラック誤差信号にオフセットがなく、正しくトラ
ッキング制御ができる。
【0064】なお、実施例2では、ディスク7上の第1
の回折素子2により生成された0次光によるメインスポ
ットS1と±1次光による2つのサブスポットS2,S
3のラジアル方向の間隔はトラックピッチの1/4(P
/4)でも、又は図7(A)のようにトラックピッチの
1/2(P/2)、又は図7(B)のようにトラックピ
ッチの3/2(3P/2)とトラックピッチの1/2の
奇数倍の間隔で照射した場合でも上記の構成と信号検出
系を使うことができる。
【0065】そのため、このようなTES検出方式で
は、従来の3ビーム法あるいは差動プッシュプル法での
課題であるトラッキングオフセットが改善され、従来に
比べ2倍のビーム光量を用いて信号生成ができるため、
信号量も多く、安定したサーボ信号を得ることができる
効果も同様にある。
【0066】また、回折素子3は実施例2のような構成
とした場合、受光素子から近い位置の領域ほど格子ピッ
チが小さくなる傾向にある。このとき、格子ピッチが小
さくなるとその作製が困難になる。また、回折素子を作
成する過程で素子をレリーフ型のもので実現しようとし
た場合、格子ピッチにあわせた溝をRIE(反応性イオ
ンビームエッチング)で作製していくが、格子ピッチが
狭い部分は広い部分に比べて溝が浅くなる傾向にある。
このとき、回折素子の回折効率はこの溝の深さに依存し
ているため、格子ピッチが狭い領域と広い領域があると
その間に回折効率差が発生し、サーボ信号に悪影響を及
ぼす問題が発生する。
【0067】このため、実施例2では、回折素子3のう
ち受光素子10に近い領域21,23からの回折光の受
光素子10の照射位置を受光素子10から遠い領域2
2,24からの回折光の受光素子10の照射位置より回
折素子に近くし、回折角が緩くなるように設計してい
る。このため、回折素子3の領域21,23の格子ピッ
チが比較的大きくなり、領域22,24の格子ピッチ並
に緩和できる。これにより、回折素子の作成が容易にな
るとともに、各領域間に回折効率差の少ない回折素子が
実現でき、良好なサーボ信号が得られる。
【0068】(実施例3)図5は、本発明の第3の実施
例を説明するための回折素子と受光素子の関係を表す模
式図であり、図中、10″は受光素子(光検出器)で、
図1と同じ構成部品には同じ参照番号を付し説明を省略
する。回折素子3は、図5(A)に示すように、領域2
1〜24に4分割されており、それぞれの領域はディス
クのラジアル方向に領域(21+22)と領域(23+
24)に2分割され、さらに分割されたそれぞれの領域
がトラック方向に領域(21+23)と領域(22+2
4)に2分割されている。
【0069】図5(A)において、サブスポットS2の
回折素子3上でのディスクの反射光による回折パターン
をS2′とすると、該回折パターンS2′の回折素子3
による回折光のうち、領域21による回折光は受光素子
10″の分割された受光部Eにより検出され、領域22
による回折光は受光素子10″の分割された受光部Dに
より検出され、領域23による回折光は受光素子10″
の分割された受光部Aにより検出され、領域24による
回折光は受光素子10″に分割された受光部Jにより検
出される。
【0070】図5(B)において、メインスポットS1
の回折素子3上でのディスク反射光による回折パターン
をS1′とすると、該回折パターンS1′の回折素子3
による回折光のうち、領域21による回折光は受光素子
10″の分割された受光部FとGの分割線下部に集光さ
れ、領域22による回折光は受光素子10″の分割され
た受光部FとGの分割線上部に集光され、領域23によ
る回折光は受光素子10″の分割された受光部Bにより
検出され、領域24による回折光は受光素子10″の分
割された受光部Kにより検出される。
【0071】図5(C)において、サブスポットS3の
回折素子3上でのディスクの反射光による回折パターン
をS3′とすると、該回折パターンS3′の回折素子3
による回折光のうち領域21による回折光は受光素子1
0″の分割された受光部Iにより検出され、領域22に
よる回折光は受光素子10″の分割された受光部Hによ
り検出され、領域23による回折光は受光素子10″の
分割された受光部Cにより検出され、領域24による回
折光は受光素子10″の分割された受光部Lにより検出
される。
【0072】このとき、サーボ信号は以下の演算式で求
められる。 FES=Fs−Gs TES=(Bs−Ks) −α[{(As+Es)−(Ds+Js)} +{(Cs+Is)−(Hs+Ls)}] …(7) ただし、αは定数で、メインスポットS1とサブスポッ
トS2,S3の強度比をあらわすため設定されたもので
ある。
【0073】このようなTES検出方式よれば、図5に
示すように、回折素子3におけるメインスポットS1,
サブスポットS2,S3の1次回折光は、全て受光素子
10″上に落ちる。従って、従来の3ビーム法あるいは
差動プッシュプル法での課題であるトラッキングオフセ
ットが改善される。
【0074】ここで、図5(A)における領域22,2
4から回折し、受光部D,Jに落ちるスポット面積と、
図5(C)における領域22,24から回折し、受光部
H,Lに落ちるスポット面積あるいは図5(A)におけ
る領域21,23から回折し、受光部E,Aに落ちるス
ポット面積と、図5(C)における領域21,23から
回折し、受光部I,Cに落ちるスポット面積は等しくな
る。
【0075】このため、前記(7)式のTES演算式の
第2項において、(As+Es)−(Ds+Js)ある
いは(Cs+Is)−(Hs+Ls)で面積差によって
発生するオフセットは発生せず、 α[{(As+Es)−(Ds+Js)}+{(Cs+Is)−(Hs+Ls)}] …(8) の演算結果はトラッキングオフセット成分のみが残る。
【0076】そのため、メインビームによるトラッキン
グオフセットののったプッシュプル信号(Bs−Ks)
から(8)式を差し引いた前記(7)式の演算では、ト
ラッキングオフセット成分を完全に相殺できる。その結
果、トラック誤差信号にオフセットがなく、正しくトラ
ッキング制御ができる。
【0077】なお、実施例3では、ディスク7上の第1
の回折素子2により生成された0次光によるメインスポ
ットS1と±1次光による2つのサブスポットS2,S
3のラジアル方向の間隔は、トラックピッチの1/4
(P/4)でも、又は図7(A)のように、トラックピ
ッチの1/2(P/2)、又は図7(B)のようにトラ
ックピッチの3/2(3P/2)とトラックピッチの1
/2の奇数倍の間隔で照射した場合でも、前記の構成と
信号検出系を使うことができる。
【0078】そのため、このようなTES検出方式で
は、従来の3ビーム法あるいは差動プッシュプル法での
課題であるトラッキングオフセットが改善され、従来に
比べ2倍のビーム光量を用いて信号生成ができるため、
信号量も多く、安定したサーボ信号を得ることができる
効果も同様にある。
【0079】また、回折素子3は実施例3のような構成
とした場合、受光素子から近い位置の領域ほど格子ピッ
チが小さくなる傾向にある。このとき、格子ピッチが小
さくなるとその作製が困難になる。また、回折素子を作
成する過程で素子をレリーフ型のもので実現しようとし
た場合、格子ピッチにあわせた溝をRIE(反応性イオ
ンビームエッチング)で作製していくが、格子ピッチが
狭い部分は広い部分に比べて溝が浅くなる傾向にある。
このとき、回折素子の回折効率は、この溝の深さに依
存しているため、格子ピッチが狭い領域と広い領域があ
るとその間に回折効率差が発生し、サーボ信号に悪影響
を及ぼす問題が発生する。
【0080】このため、実施例3では、回折素子3のう
ち受光素子10″に近い領域21,23からの回折光の
受光素子10″の照射位置を受光素子10″から遠い領
域22,24からの回折光の受光素子10″の照射位置
より回折素子に近くし、回折角が緩くなるように設計し
ている。このため、回折素子3の領域21,23の格子
ピッチが比較的大きくなり、領域22,24の格子ピッ
チ並に緩和できる。これにより、回折素子の作製が容易
になるとともに、各領域間に回折効率差の少ない回折素
子が実現でき、良好なサーボ信号が得られる。
【0081】また、実施例3の受光部A,B,Cと受光
部J,K,Lの配置は縦に並んで配列した結果、トラッ
クに平行な分割線により分割された2つの回折素子領域
21,22からの回折光と、他の2つの回折素子領域2
3,24からの回折光は光検出器上照射位置までの光路
中交差しない構成となっているため、実施例2における
受光部A,B,Cと受光部J,K,Lの配置に比べ横方
向は小さく配置でき、コンパクトな構成が実現できる。
【0082】
【発明の効果】請求項1の発明に対応する効果:従来に
比べ2倍のビーム光量を用いて信号生成ができるため、
信号量も多く、安定したサーボ信号を得ることができ
る。また、回折素子3のトラックに平行な分割線により
分割された領域21,23からの回折光と領域22,2
4からの回折光を用いてオフセットのない信号品質の良
いトラッキング信号を生成し、回折素子3のトラックに
垂直な分割線により分割された領域21,22からの回
折光と領域23,24からの回折光を用いてトラッキン
グ信号の影響を受けずオフセットのないフォーカスエラ
ー信号が生成できる。また、対物レンズが動いたり、デ
ィスクが傾いてもトラック誤差信号にオフセットがな
く、正しくトラッキング制御ができる。また、回折素子
の作成が容易になるとともに、各領域間に回折効率差の
少ない回折素子が実現でき、良好なサーボ信号が得られ
る。また、トラッキング信号の影響を受けずオフセット
のないフォーカスエラー信号が生成できる。
【0083】請求項2に対応する効果:回折素子におけ
るメインスポット、第1、第2のサブスポットの1次回
折光は全て受光素子上に落ちるので、トラッキングオフ
セットが改善され、従来に比べ2倍のビーム光量を用い
て信号生成ができ、安定したサーボ信号を得ることがで
きる。
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】請求項3の発明に対応する効果:メインビ
ームの全ての回折光がFES信号の演算に寄与するた
め、FES信号感度は増加し、安定で信頼性の高いフォ
ーカスサーボが実現できる。
【0088】請求項4の発明に対応する効果:受光素子
の幅方向が小さく配置でき、コンパクトなピックアップ
構成が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するための光ピッ
クアップ装置の模式図である。
【図2】ディスク上の光スポットの位置関係、及び回折
光と受光領域との対応関係を示す図である。
【図3】本発明のフォーカスエラー信号(FES)の検
出原理を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施例を説明するための回折素
子と受光素子の関係を表す模式図である。
【図5】本発明の第3の実施例を説明するための回折素
子と受光素子の関係を表す模式図である。
【図6】本発明の光ピックアップ装置におけるサーボ信
号の検出原理を示す図である。
【図7】本発明の光ピックアップ装置におけるディスク
上でのメインスポットとサブスポットの位置関係を示す
図である。
【図8】本発明の光ピックアップ装置におけるサーボ信
号の検出原理を示す図である。
【図9】従来の3ビーム法を説明するための模式図であ
る。
【図10】従来の差動プッシュプル法を説明するための
模式図である。
【図11】従来発明の光ピックアップ装置と光スポット
の関係を示す図である。
【図12】従来発明の回折光と受光部の受光領域との関
係を示す図である。
【図13】従来の光ピックアップ装置におけるサーボ信
号の検出原理を示す図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ、2…第1の回折素子、3,3′…第
2の回折素子、4…ビームスプリッタ、5…コリメート
レンズ、6…対物レンズ、7…光磁気デイスク、8…検
光子、9,10,10′,10″,11,12,13…
受光素子、21,22,23,24…受光領域、A,
B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L…受光素
子の受光部、b1,b2,b3,b4,b5,b6…ビ
ーム回折光、S1…メインスポット、S2,S3…サブ
スポット、S1′…メインスポットの回折パターン、S
2′,S3′…サブスポットの回折パターン。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 - 7/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光発生手段と該光発生手段から出射さ
    れた光束をメインビームと第1及び第2のサブビームと
    に分離させる第1の回折素子と、前記分離した各ビーム
    を記録媒体上のトラックに集光させるレンズと、前記
    1の回折素子と前記記録媒体の間に設けられ、前記ト
    ックに集光した各ビームの反射光を回折させる第2の回
    折素子と、該第2の回折素子によって回折された回折光
    を受光して電気信号に変換する光検出器を備えた光ピッ
    クアップ装置において、 前記第2の回折素子は、前記トラックに平行な分割線と
    前記トラックに垂直な分割線により分割された互いに異
    なる少なくとも4つの格子パターンを有し、前記格子パ
    ターンのうち前記トラックに平行な分割線に対して前記
    光検出器側にある格子パターンで回折して前記光検出器
    上を照射する位置と前記光発生手段との距離が、前記格
    子パターンのうち前記トラックに平行な分割線に対して
    前記光検出器と反対側にある格子パターンで回折して前
    記光検出器上を照射する位置と前記光発生手段との距離
    に比べて小さくなるように配置され、 前記光検出器は前記第2の回折素子により1次回折さ
    れた回折光の全てを受光し、前記メインビームのうち前
    記第2の回折素子の前記トラックに平行な分割線により
    分割された少なくとも2つの格子パターンからのそれぞ
    れの回折光の検出信号の差をA、前記第1のサブビーム
    のうち前記第2の回折素子の前記トラックに平行な分割
    線により分割された2つの格子パターンからのそれぞれ
    の回折光の検出信号の差をB、前記第2のサブビームの
    うち前記第2の回折素子の前記トラックに平行な分割線
    により分割された少なくとも2つの格子パターンからの
    それぞれの回折光の検出信号の差をCとしたとき、 A−α(B+C) (αは定数) をトラッキング誤差信号とし、前記メインビームのうち
    前記第2の回折素子の前記トラックに垂直な分割線によ
    り分割された格子パターンからの回折光が合焦時に前記
    光検出器の受光素子の隣接した2つの受光領域の分割線
    上に照射され、前記2つの受光領域からの信号の差をフ
    ォーカス誤差信号と することを特徴とする光ピックアッ
    プ装置。
  2. 【請求項2】 前記光検出器は、前記メインビームの前
    記第2の回折素子の 格子パターンからの回折光の光検出
    器上照射位置が、前記第1及び第2のサブビームのそれ
    ぞれの回折光の光検出器上照射位置との間になるように
    配置されることを特徴とする請求項1に記載の光ピック
    アップ装置。
  3. 【請求項3】 前記光検出器は、前記メインビームのう
    前記第2の回折素子の前記トラックに平行な分割線に
    より分割された少なくとも2つの格子パターンから
    れぞれの回折光の光検出器上照射位置が、他の少なくと
    も2つの格子パターンからのメインビームのそれぞれの
    回折光の光検出器上照射位置と、前記第1及び第2の
    ブビームのそれぞれの回折光の光検出器上照射位置との
    間になるように配置されることを特徴とする請求項1に
    記載の光ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の回折素子は、前記メインビー
    ム及び前記第1及び第2のサブビームのうち前記第2の
    回折素子の前記トラックに平行な分割線により分割され
    た少なくとも2つの格子パターンからのそれぞれの回折
    の光軸と他の少なくとも2つの格子パターンからの
    メインビーム及び前記第1及び第2のサブビームのそ
    れぞれの回折光の光軸が前記光検出器上の照射位置まで
    の光路中交差しないよう構成されることを特徴とする
    請求項1に記載の光ピックアップ装置。
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