JP3444025B2 - セグメントの組立位置決め方法 - Google Patents
セグメントの組立位置決め方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネル覆工用セグメ
ントを自動組立するためのセグメントの組立位置決め方
法に関する。 【0002】 【従来の技術】シールド工事でセグメントの自動組立を
行う場合、組立セグメントを既設セグメントの位置・姿
勢に合わせて位置決めするために光切断法を用いること
が提案されている(特開平3−199599)。 【0003】これは、エレクタ上に設置された3組の投
光器とテレビカメラを用い、図10に示すように、投光
器からの3本のスリット光を所定の組立位置近傍に粗位
置決めされた組立セグメント42と既設セグメント41
a〜41cのトンネル周方向に沿った境界部の2箇所と
トンネル軸方向に沿った境界部の1箇所に照射すること
により生じたスリット光像A,A´,B,B´,C,C
´をそれぞれテレビカメラで撮像し、これらテレビカメ
ラからの画像データを処理して得られた各スリット光像
の端点a,a´,b,b´,c,c´の座標値から前記
3箇所の段差・隙間を検出し、その段差・隙間情報を基
にして組み立てセグメント42と既設セグメント41a
〜41cの相対的な位置・姿勢の偏差を求め、その偏差
を補正することによって組み立てセグメント42を所定
の組立位置に微位置決めしようとするものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、ス
リット光が照射される組立セグメントや既設セグメント
の端部に欠けや異物があった場合、これらが組立セグメ
ントと既設セグメントとの間の段差の検出に及ぼす影響
について配慮されていなかった。図10のA,A´,
B,B´,C,C´は組立セグメントに欠けのない正常
時の光切断像の例であって、同図のカメラ画像47a〜
47cにおける△x1,△x2,△y3がセグメント間
の隙間に相当し、△y1,△y2,△x3がセグメント
間の段差に相当する。しかし、例えば組立セグメント4
2に図11、図12に示すような欠け54があった場
合、欠けの部分では、同図のカメラ画像47aに示すよ
うにスリット光像Aが変形して、正常時とは異なる端点
座標置a(ax,ay)が検出されるため、段差△y1
が見掛け上大きく算出されてしまう。このような誤った
段差・隙間情報を基にして位置・姿勢偏差と補正量を演
算し、組立セグメントの微位置決めを行うと、カメラ画
像での見掛け上の段差が大きくなった分、欠けのない部
分では組立セグメントと既設セグメントとの間に段差が
生じて、正確な位置決めができない。また、このような
状態で無理に自動組立を行った場合、セグメントを損傷
させてしまう可能性もある。 【0005】本発明の目的は、組立セグメントや既設セ
グメントの端部に、ある程度の欠けや異物があっても、
それらの影響を受けずに、既設セグメントと組立セグメ
ントの段差・隙間を算出し、その段差・隙間情報を基に
組立セグメントを既設セグメントの位置・姿勢に合わせ
て自動的に位置決めすることができる、セグメントの組
立位置決め方法を提供することにある。 【0006】 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、シールド掘進機内に設置されたエレクタに
より組立セグメントを所定の組立位置近傍に粗位置決め
し、その後、エレクタ上に設置した投光器から組立セグ
メントと既設セグメントのトンネル周方向に沿った境界
部の2箇所とトンネル軸方向に沿った境界部の1箇所に
スリット光を照射し、各々のスリット光像をエレクタ上
に設置したテレビカメラにより撮像して得られた画像デ
ータから前記3箇所の段差・隙間を算出し、その段差・
隙間情報を基にして組立セグメントと既設セグメントの
位置・姿勢偏差を求め、その偏差を補正することによっ
て組立セグメントの組立位置への微位置決めを自動的行
うセグメントの組立位置決め方法において、組立セグメ
ントの粗位置決め後、前記3箇所の段差・隙間を算出す
る前に、組立セグメントと既設セグメントの欠けや異物
の程度を判定するため、前記組立セグメントと既設セグ
メントに形成された光切断像の外接長方形の長辺と短辺
の長さを求め、短辺の長さを所定のしきい値と比較し
て、しきい値未満であれば、組立セグメント或いは既設
セグメントの欠けを無視して既設セグメント側スリット
光像の隙間方向最大座標点と組立セグメント側スリット
光像の隙間方向最小座標点の各座標値を用いてこれらセ
グメントの段差・隙間を算出し、また、所定のしきい値
以上であれば、セグメント端に欠けまたは異物があると
判断する。 【0008】セグメント端に欠けまたは異物がある場合
は、異常であることをオペレータに警告し、オペレータ
が正しいスリット光の端点位置を入力装置により入力す
ることにより、その後自動的な段差・隙間の算出、自動
位置決めを可能とする。 【0009】 【作用】組立セグメントの粗位置決め後に、組立セグメ
ントと既設セグメントのトンネル周方向に沿った境界部
の2箇所とトンネル軸方向に沿った境界部の1箇所にス
リット光を照射し、各々のスリット光像をテレビカメラ
で撮像して得られた画像データから組み立てセグメント
側スリット光像の段差方向における最大座標値と最小座
標値との差を求める。この時、スリット光が照射された
組立セグメントや既設セグメントの端部に欠けがあれ
ば、前記段差方向最大座標値と最小座標値との差が正常
時より大きくなる。しかし、組立セグメントや既設セグ
メントに欠けがある場合、すべて段差・隙間検出不能で
はなく、組立セグメントと既設セグメントの内面に形成
された直線状のスリット光像が所定のしきい値以上であ
れば、この直線部と欠けや異物部の端点座標をオペレー
タが推定し、これを入力することによって、欠けや異物
のない状態の正しい端点位置を算出し、その端点情報を
基にして組み立てセグメントと既設セグメントとの段差
・隙間を求めることにより、組立セグメントと既設セグ
メントとの位置・姿勢偏差を算出し、組立セグメントを
組み立て位置に自動位置決めすることを可能にし、前記
直線部の長さが所定のしきい値未満である場合のみ段差
検出不能と見なして、自動位置決めを停止させる。 【0010】セグメント端に欠けまたは異物がある、つ
まり正常なスリット光の端点を抽出することができず、
正確な段差・隙間が計測できない場合は、異常であるこ
とをオペレータに表示または音声などで警告し、オペレ
ータの指示を仰ぐ。オペレータは、カメラ像を直接見る
ことで異常状態であることを確認し、正しいスリット光
の端点位置を、入力装置により入力することにより、そ
の後自動的な段差・隙間の算出、自動位置決めを可能と
し、セグメント端に欠けまたは異物があることによっ
て、正確にセグメントの位置決めできない、またはセグ
メント端に欠けまたは異物があることによって、正確に
段差・隙間の算出ができないために自動位置決めができ
ないなどの不具合を解消することができる。 【0011】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。図2〜図6に示すように、セグメント自動組立に用
いられるエレクタ本体12は、円筒状をしたシールド本
体11の後部に設置される。このエレクタ本体12は、
大別して、旋回機構であるエレクタリング13と旋回モ
ータ16、押し付け機構である吊りビーム21と押付ジ
ャッキ22、左右摺動機構である横スライドフレーム2
4と横スライドジャッキ25、前後摺動機構である前後
スライドフレーム27と前後スライドジャッキ28、ピ
ッチング、ローリング、ヨーイング等の姿勢制御機構で
ある球面フレーム29と姿勢制御用ジャッキ31、3
2、33およびセグメント把持部34とからなってい
る。 【0012】エレクタリング13は、シールド本体11
の内周数箇所に設置された外周ガイドローラ14と側面
ガイドローラ15により案内され、シールド本体11に
取り付けられた旋回モータ16によりピニオン17とリ
ングギヤ18を介して旋回駆動される。これに伴い、エ
レクタリング13上に支持された以下の各部も同時に左
右旋回させられる。 【0013】エレクタリング13の左右のアーム19に
ガイドロッド20を介して支持された吊りビーム21
は、アーム19との間に取り付けられた押し付けジャッ
キ22の伸縮によりZ軸方向(エレクタリング13の径
方向)に移動させられ、これに伴い吊りビーム21上に
支持された以下の各部も同方向に移動する。 【0014】吊りビーム21にリニアベアリング23を
介して支持された横スライドフレーム24は、吊りビー
ム21との間に取り付けられた横スライドジャッキ25
の伸縮により吊りビーム21上をY軸方向に移動させら
れ、これに伴い横スライドフレーム24上に支持された
以下の各部も同方向に移動する。 【0015】横スライドフレーム24にリニアベアリン
グ26を介して支持された前後スライドフレーム27
は、横スライドフレーム24との間に取り付けられた前
後スライドジャッキ28の伸縮により横スライドフレー
ム24上をX軸方向(シールド軸方向)に前後スライド
させられ、これに伴い前後スライドフレーム27上に支
持された以下の各部も同方向に移動する。 【0016】前後スライドフレーム27の球面ガイド部
27aに組み込まれた球面フレーム29は、前後スライ
ドフレーム27との間に取り付けられた2本の姿勢制御
用ジャッキ31,32の伸縮により次のような動きをす
る。図4において、2本のジャッキ31,32を同時に
伸長または収縮させた場合、球面フレーム29は球面中
心Gを含むX軸の回りに傾けられ、この動きはセグメン
ト把持部34のローリング制御に用いられる。また、ジ
ャッキ31,32のいずれか一方を伸長させ、他方を収
縮させた場合は、球面フレーム29は球面中心Gを含む
Z軸の回りに左右旋回させられ、この動きはセグメント
把持部34のヨーイング制御に用いられる。 【0017】球面フレーム29の中心軸30に吊り下げ
られたセグメント把持部34は、球面フレーム29との
間に取り付けられた姿勢制御用ジャッキ33の伸縮によ
り中心軸30の回りに傾けられ、この動きはセグメント
把持部34のピッチング制御に用いられる。 【0018】セグメント把持部34は、組立セグメント
42のグラウト穴43に合致する雄ねじが切られたねじ
軸35を備えている。また、セグメント把持部34に
は、ねじ軸35を回転させる駆動モータ36と、ねじ軸
35を駆動モータ36、軸受ブラケット37とともに昇
降動作させる昇降ジャッキ38が装備されており、図示
しない位置決めセンサにより、エレクタ下に置かれた組
立セグメント42のグラウト穴43にねじ軸35を心合
わせした後、該ねじ軸35を回転させながらセグメント
42に向かって突き出し、グラウト穴43へのねじ込み
完了後、セグメント42がセグメント把持部34の端面
に当たるまでねじ軸35を引き戻すことにより、セグメ
ント42を把持する。 【0019】エレクタ本体は以上のように構成され、組
立セグメント42を把持して最終的に所定の組立位置に
位置決めし、図示しないボルト締結装置により既設セグ
メント41に組み付ける機能を有している。 【0020】図7は、セグメント位置決めに用いる段差
・隙間検出手段と組立・既設セグメントとの位置関係及
びシステム構成を示したものである。12はエレクタ本
体を模式的に表している。42は組立セグメントを、4
1a,41bは組立セグメント42とトンネル軸方向に
隣接する既設セグメントを、41cは組立セグメント4
2とトンネル周方向に隣接する既設セグメントをそれぞ
れ表している。これら組立・既設セグメント間の段差・
隙間を検出するために、3組の投光器44a,44b,
44cとテレビカメラ45a,45b,45cがエレク
タ本体12のセグメント把持部34に剛体(図示せず)
を介して固定されている。したがって、投光器44a〜
44c、テレビカメラ45a〜45cと把持部34及び
組み立てセグメント42の相対的な位置・姿勢はエレク
タの動きにかかわらず、把持中は一定である。投光器4
4a、44bは組立セグメント42と既設セグメント4
1a、41bのトンネル周方向に沿った境界部の2箇所
に、投光器44cは組立セグメント42と既設セグメン
ト41cのトンネル軸方向に沿った境界部にそれぞれス
リット光を照射し、各セグメント上に生じたスリット光
像A,A´,B,B´,C,C´はテレビカメラ45a
〜45cによりそれぞれ撮像される。図10〜図12に
おいて、46a〜46cはテレビカメラ45a〜45c
のカメラ視野を47a〜47cはテレビカメラ45a〜
45cに映ったカメラ画像を示す。 【0021】これらテレビカメラからの画像データはカ
メラ切換器48と画像入力装置49を介して画像メモリ
50に取り込まれる。51は画像メモリ50に格納され
た画像データを処理してスリット光像の端点座標を求め
る画像処理装置、52は画像処理装置51で求められた
端点座標値または事前に入力された数値データから後述
する位置決め制御演算を行い、その結果を指令値として
サーボ制御装置53へ出力するエレクタ本体の制御装置
(以下、本体制御装置と記す)であり、サーボ制御装置
53は、その指令に従ってエレクタ本体の旋回モータ1
6及び油圧ジャッキ22,25,28,31,32,3
3を含む7軸のアクチュエータを制御する。 【0022】以下、組立セグメントを位置決めするため
の制御手順を図1及び図8〜図13を用いて説明する。 【0023】本体制御装置52で実行される位置決め制
御は、図8に示すように、大きく分けて粗位置決め制御
100と微位置決め制御200の2段階からなる。 【0024】まず、手順100の粗位置決め制御につい
て説明する。粗位置決め制御の詳細な手順を図9に示
す。手順101の粗位置決め演算では、設計時のセグメ
ント位置・姿勢データもしくは既設セグメントの位置・
姿勢計測結果から組み立てセグメントが最終的に位置決
めされるであろう目標位置を予測演算し、その目標位置
を基にして図7に示す組立セグメント42及び既設セグ
メント41a〜41c上のスリット光像A,A´,B,
B´,C,C´がテレビカメラ45a〜45cのカメラ
視野に入り、かつ組立セグメント42と既設セグメント
41a〜41cが接触しないエレクタ位置・姿勢(以
下、粗位置と記す)を演算する。エレクタ位置・姿勢と
は、エレクタ本体12のセグメント把持部34の位置・
姿勢を意味し、把持中の組立セグメントの位置・姿勢と
同じである。なお、粗位置はエレクタ本体の旋回角度と
図2に示すエレクタ座標系(X,Y,Z)で表される。 【0025】手順102のアクチュエータ指令値演算
で、先に求めた粗位置から旋回モータ16を含む各アク
チュエータの指令値を演算し、手順103のアクチュエ
ータ制御でサーボ制御装置53へ指令値を出力し、サー
ボ制御装置53がアクチュエータを制御し終えるのを待
つ。 【0026】次に、手順200の微位置決め制御につい
て説明する。微位置決め制御の詳細な手順を図1に示
す。先の粗位置決め制御終了後に、図7に示す組立セグ
メント42と既設セグメント41a〜41cのトンネル
周方向に沿った境界部の2箇所とトンネル軸方向に沿っ
た境界部の1箇所に投光器44a〜44cからのスリッ
ト光を照射し、各々のスリット光像A,A´,B,B
´,C,C´をテレビカメラ45a〜45cで撮像す
る。 【0027】スリット光が照射された組立セグメントの
端部に欠けがない場合の組立セグメント42、既設セグ
メント41a〜41cとスリット光像の位置関係を図1
0に示し、この時3台のテレビカメラ45a〜45cに
映ったカメラ画像47a〜47cを同図に拡大して示
す。 【0028】また、例えばスリット光が照射された組立
セグメントの端部に欠けがある場合の組立セグメント4
2、既設セグメント41a〜41cとスリット光像の位
置関係を図11、図12に示し、このとき3台のテレビ
カメラ45a〜45cに映ったカメラ画像47a〜47
cを同図に拡大して示す。 【0029】図11,12中のカメラ画像47aにおい
て、スリット光像Aがセグメント欠け部分に照射されて
いるために、直線ではなく曲線状になり、本来そこにあ
るべき直線状のスリット光像端点を認識することができ
ない。 【0030】手順201のスリット光像端点抽出では、
カメラ切換器48によりテレビカメラ45a〜45cか
らの画像データを順次切り換え選択して画像メモリ50
に取り込み、これら画像データを画像処理装置51で処
理して、画像座標系(xv,yv)でのスリット光像
A,A´,B,B´,C,C´の端点座標を抽出し、記
憶する。ここで抽出した端点座標は、a(ax,a
y),a´(ax´,ay´),b(bx,by),b
´(bx´,by´),c(cx,cy),c´(cx
´,cy´)と表せる。 【0031】次に、手順202で、正しくスリット光の
端点を抽出できたか否かをオペレータが判断する。も
し、カメラ画像が図11,12の47aの様にスリット
光が曲線状になっている場合は、抽出した端点が正しい
端点ではないと判断する。その場合は手順203に進み
<入力装置60によって正しい端点を入力する。セグメ
ントの欠け様によってスリット光が直線になっていない
場合のカメラ画像は図14の様になっている。 【0032】手順203で正しい端点を入力する入力装
置としては、図14のカメラ画像を見ながらオペレータ
が正しい端点(本来ここに端点があるであろう点)の位
置を予測して、カメラ画像上でカーソル400やマウス
を用いて端点位置を指定する。または画面上の端点の
X,Y座標値をキーボードなどを利用して、直接画像処
理装置51へ入力する方法がある。 【0033】次に、手順204,205の段差・隙間算
出について説明する。図10のように組み立てセグメン
トに欠けがないと判定された場合は、手順204で、通
常のように既設セグメント側スリット光像A´の隙間方
向(xv方向)最大座標点である端点a´の座標値と組
立セグメント側スリット光像Aの隙間方向最小座標点で
ある端点aの座標値を用いて既設セグメント41a、組
立セグメント42間の段差・隙間を算出する。これを式
で表せば次のようになる。 【0034】段差=(ay´−ay)・k1 隙間=(ax´−ax)・k2 ただし、k1,k2は、画像データをmm単位の数値に変
換するための係数である。 【0035】以上の説明はテレビカメラ45aからの画
像データについて説明したが、他のテレビカメラ45
b,45cからの画像データについても同様の判定、処
理を行う。 【0036】テレビカメラ45a〜45cからの画像デ
ータすべてについて段差・隙間が求められた場合は、こ
れらの段差・隙間情報を基にして、手順205で組立セ
グメント42と既設セグメント41a〜41cとの位置
・姿勢偏差量を演算する。組立セグメント42と既設セ
グメント41a〜41cとの段差を△z1,△z2,△z
3、隙間を△x1,△x2,△y3とすると、偏差量は、例
えば次式により求められる。 【0037】 ここで、edx,edy,edzはそれぞれ図13に示
すx軸方向、y軸方向、z軸方向の位置偏差を、eδ
x,eδy,eδzはそれぞれx軸回り、y軸回り、z
軸回りの姿勢偏差を表す。また、Lxa,Lxc,Ly
a,Lybは、図13に示すように、組立セグメント4
2の中心(座標原点o)から組立セグメント上のスリッ
ト光像A,B,Cの各端点a,b,cまでのx軸方向及
びy軸方向の距離を表している。 【0038】これらの偏差量から位置・姿勢の補正量d
x,dy,dz,δx,δy,δzが次式により求めら
れる。 dx=−edx dy=−edy dz=−edz δx=−eδx δy=−eδy δz=−eδz 手順206では、先に求めた補正量を閾値と比較し、閾
値以内であれば、位置決め制御を終了する(210)。
閾値以内でなければ、手順207で、先に求めた補正量
を基にしてエレクタの目標位置・姿勢を演算し、手順2
08のアクチュエータ指令値演算、手順209のアクチ
ュエータ制御を経て手順201に戻り、手順205で演
算した補正量が閾値以内になるまで手順201〜209
を繰り返す。こうして、位置・姿勢の偏差を補正し、組
立セグメントを最終的に位置決めする。 【0039】なお、手順204で段差算出不能信号が出
力された場合は、オペレータがスケールなどを用いてセ
グメント間の段差・隙間を実測し、その測定値を本体制
御装置52に入力して手順205の偏差量演算を実行さ
せるか、またはテレビカメラによる組立・既設セグメン
トの境界部の画像を観察しながらエレクタ本体をマニュ
アル操作することによって、セグメントの組立を続行で
きる。 【0040】 【発明の効果】本発明によれば、組立セグメントの端部
にある程度の欠けがあり、スリット光の端点が正しく抽
出できない場合でも、正しい端点をオペレータが入力す
ることにより、欠けの影響を受けずに、端点を誤認識す
ること無く、組立セグメントと既設セグメントの境界部
の段差・隙間を算出し、その段差・隙間情報を基にして
組立セグメントを組立可能な位置に自動的に位置決めす
ることができる。また、欠けがあった場合でも、自動組
立てを中止すること無く、位置決めすることができる。
ントを自動組立するためのセグメントの組立位置決め方
法に関する。 【0002】 【従来の技術】シールド工事でセグメントの自動組立を
行う場合、組立セグメントを既設セグメントの位置・姿
勢に合わせて位置決めするために光切断法を用いること
が提案されている(特開平3−199599)。 【0003】これは、エレクタ上に設置された3組の投
光器とテレビカメラを用い、図10に示すように、投光
器からの3本のスリット光を所定の組立位置近傍に粗位
置決めされた組立セグメント42と既設セグメント41
a〜41cのトンネル周方向に沿った境界部の2箇所と
トンネル軸方向に沿った境界部の1箇所に照射すること
により生じたスリット光像A,A´,B,B´,C,C
´をそれぞれテレビカメラで撮像し、これらテレビカメ
ラからの画像データを処理して得られた各スリット光像
の端点a,a´,b,b´,c,c´の座標値から前記
3箇所の段差・隙間を検出し、その段差・隙間情報を基
にして組み立てセグメント42と既設セグメント41a
〜41cの相対的な位置・姿勢の偏差を求め、その偏差
を補正することによって組み立てセグメント42を所定
の組立位置に微位置決めしようとするものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、ス
リット光が照射される組立セグメントや既設セグメント
の端部に欠けや異物があった場合、これらが組立セグメ
ントと既設セグメントとの間の段差の検出に及ぼす影響
について配慮されていなかった。図10のA,A´,
B,B´,C,C´は組立セグメントに欠けのない正常
時の光切断像の例であって、同図のカメラ画像47a〜
47cにおける△x1,△x2,△y3がセグメント間
の隙間に相当し、△y1,△y2,△x3がセグメント
間の段差に相当する。しかし、例えば組立セグメント4
2に図11、図12に示すような欠け54があった場
合、欠けの部分では、同図のカメラ画像47aに示すよ
うにスリット光像Aが変形して、正常時とは異なる端点
座標置a(ax,ay)が検出されるため、段差△y1
が見掛け上大きく算出されてしまう。このような誤った
段差・隙間情報を基にして位置・姿勢偏差と補正量を演
算し、組立セグメントの微位置決めを行うと、カメラ画
像での見掛け上の段差が大きくなった分、欠けのない部
分では組立セグメントと既設セグメントとの間に段差が
生じて、正確な位置決めができない。また、このような
状態で無理に自動組立を行った場合、セグメントを損傷
させてしまう可能性もある。 【0005】本発明の目的は、組立セグメントや既設セ
グメントの端部に、ある程度の欠けや異物があっても、
それらの影響を受けずに、既設セグメントと組立セグメ
ントの段差・隙間を算出し、その段差・隙間情報を基に
組立セグメントを既設セグメントの位置・姿勢に合わせ
て自動的に位置決めすることができる、セグメントの組
立位置決め方法を提供することにある。 【0006】 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、シールド掘進機内に設置されたエレクタに
より組立セグメントを所定の組立位置近傍に粗位置決め
し、その後、エレクタ上に設置した投光器から組立セグ
メントと既設セグメントのトンネル周方向に沿った境界
部の2箇所とトンネル軸方向に沿った境界部の1箇所に
スリット光を照射し、各々のスリット光像をエレクタ上
に設置したテレビカメラにより撮像して得られた画像デ
ータから前記3箇所の段差・隙間を算出し、その段差・
隙間情報を基にして組立セグメントと既設セグメントの
位置・姿勢偏差を求め、その偏差を補正することによっ
て組立セグメントの組立位置への微位置決めを自動的行
うセグメントの組立位置決め方法において、組立セグメ
ントの粗位置決め後、前記3箇所の段差・隙間を算出す
る前に、組立セグメントと既設セグメントの欠けや異物
の程度を判定するため、前記組立セグメントと既設セグ
メントに形成された光切断像の外接長方形の長辺と短辺
の長さを求め、短辺の長さを所定のしきい値と比較し
て、しきい値未満であれば、組立セグメント或いは既設
セグメントの欠けを無視して既設セグメント側スリット
光像の隙間方向最大座標点と組立セグメント側スリット
光像の隙間方向最小座標点の各座標値を用いてこれらセ
グメントの段差・隙間を算出し、また、所定のしきい値
以上であれば、セグメント端に欠けまたは異物があると
判断する。 【0008】セグメント端に欠けまたは異物がある場合
は、異常であることをオペレータに警告し、オペレータ
が正しいスリット光の端点位置を入力装置により入力す
ることにより、その後自動的な段差・隙間の算出、自動
位置決めを可能とする。 【0009】 【作用】組立セグメントの粗位置決め後に、組立セグメ
ントと既設セグメントのトンネル周方向に沿った境界部
の2箇所とトンネル軸方向に沿った境界部の1箇所にス
リット光を照射し、各々のスリット光像をテレビカメラ
で撮像して得られた画像データから組み立てセグメント
側スリット光像の段差方向における最大座標値と最小座
標値との差を求める。この時、スリット光が照射された
組立セグメントや既設セグメントの端部に欠けがあれ
ば、前記段差方向最大座標値と最小座標値との差が正常
時より大きくなる。しかし、組立セグメントや既設セグ
メントに欠けがある場合、すべて段差・隙間検出不能で
はなく、組立セグメントと既設セグメントの内面に形成
された直線状のスリット光像が所定のしきい値以上であ
れば、この直線部と欠けや異物部の端点座標をオペレー
タが推定し、これを入力することによって、欠けや異物
のない状態の正しい端点位置を算出し、その端点情報を
基にして組み立てセグメントと既設セグメントとの段差
・隙間を求めることにより、組立セグメントと既設セグ
メントとの位置・姿勢偏差を算出し、組立セグメントを
組み立て位置に自動位置決めすることを可能にし、前記
直線部の長さが所定のしきい値未満である場合のみ段差
検出不能と見なして、自動位置決めを停止させる。 【0010】セグメント端に欠けまたは異物がある、つ
まり正常なスリット光の端点を抽出することができず、
正確な段差・隙間が計測できない場合は、異常であるこ
とをオペレータに表示または音声などで警告し、オペレ
ータの指示を仰ぐ。オペレータは、カメラ像を直接見る
ことで異常状態であることを確認し、正しいスリット光
の端点位置を、入力装置により入力することにより、そ
の後自動的な段差・隙間の算出、自動位置決めを可能と
し、セグメント端に欠けまたは異物があることによっ
て、正確にセグメントの位置決めできない、またはセグ
メント端に欠けまたは異物があることによって、正確に
段差・隙間の算出ができないために自動位置決めができ
ないなどの不具合を解消することができる。 【0011】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。図2〜図6に示すように、セグメント自動組立に用
いられるエレクタ本体12は、円筒状をしたシールド本
体11の後部に設置される。このエレクタ本体12は、
大別して、旋回機構であるエレクタリング13と旋回モ
ータ16、押し付け機構である吊りビーム21と押付ジ
ャッキ22、左右摺動機構である横スライドフレーム2
4と横スライドジャッキ25、前後摺動機構である前後
スライドフレーム27と前後スライドジャッキ28、ピ
ッチング、ローリング、ヨーイング等の姿勢制御機構で
ある球面フレーム29と姿勢制御用ジャッキ31、3
2、33およびセグメント把持部34とからなってい
る。 【0012】エレクタリング13は、シールド本体11
の内周数箇所に設置された外周ガイドローラ14と側面
ガイドローラ15により案内され、シールド本体11に
取り付けられた旋回モータ16によりピニオン17とリ
ングギヤ18を介して旋回駆動される。これに伴い、エ
レクタリング13上に支持された以下の各部も同時に左
右旋回させられる。 【0013】エレクタリング13の左右のアーム19に
ガイドロッド20を介して支持された吊りビーム21
は、アーム19との間に取り付けられた押し付けジャッ
キ22の伸縮によりZ軸方向(エレクタリング13の径
方向)に移動させられ、これに伴い吊りビーム21上に
支持された以下の各部も同方向に移動する。 【0014】吊りビーム21にリニアベアリング23を
介して支持された横スライドフレーム24は、吊りビー
ム21との間に取り付けられた横スライドジャッキ25
の伸縮により吊りビーム21上をY軸方向に移動させら
れ、これに伴い横スライドフレーム24上に支持された
以下の各部も同方向に移動する。 【0015】横スライドフレーム24にリニアベアリン
グ26を介して支持された前後スライドフレーム27
は、横スライドフレーム24との間に取り付けられた前
後スライドジャッキ28の伸縮により横スライドフレー
ム24上をX軸方向(シールド軸方向)に前後スライド
させられ、これに伴い前後スライドフレーム27上に支
持された以下の各部も同方向に移動する。 【0016】前後スライドフレーム27の球面ガイド部
27aに組み込まれた球面フレーム29は、前後スライ
ドフレーム27との間に取り付けられた2本の姿勢制御
用ジャッキ31,32の伸縮により次のような動きをす
る。図4において、2本のジャッキ31,32を同時に
伸長または収縮させた場合、球面フレーム29は球面中
心Gを含むX軸の回りに傾けられ、この動きはセグメン
ト把持部34のローリング制御に用いられる。また、ジ
ャッキ31,32のいずれか一方を伸長させ、他方を収
縮させた場合は、球面フレーム29は球面中心Gを含む
Z軸の回りに左右旋回させられ、この動きはセグメント
把持部34のヨーイング制御に用いられる。 【0017】球面フレーム29の中心軸30に吊り下げ
られたセグメント把持部34は、球面フレーム29との
間に取り付けられた姿勢制御用ジャッキ33の伸縮によ
り中心軸30の回りに傾けられ、この動きはセグメント
把持部34のピッチング制御に用いられる。 【0018】セグメント把持部34は、組立セグメント
42のグラウト穴43に合致する雄ねじが切られたねじ
軸35を備えている。また、セグメント把持部34に
は、ねじ軸35を回転させる駆動モータ36と、ねじ軸
35を駆動モータ36、軸受ブラケット37とともに昇
降動作させる昇降ジャッキ38が装備されており、図示
しない位置決めセンサにより、エレクタ下に置かれた組
立セグメント42のグラウト穴43にねじ軸35を心合
わせした後、該ねじ軸35を回転させながらセグメント
42に向かって突き出し、グラウト穴43へのねじ込み
完了後、セグメント42がセグメント把持部34の端面
に当たるまでねじ軸35を引き戻すことにより、セグメ
ント42を把持する。 【0019】エレクタ本体は以上のように構成され、組
立セグメント42を把持して最終的に所定の組立位置に
位置決めし、図示しないボルト締結装置により既設セグ
メント41に組み付ける機能を有している。 【0020】図7は、セグメント位置決めに用いる段差
・隙間検出手段と組立・既設セグメントとの位置関係及
びシステム構成を示したものである。12はエレクタ本
体を模式的に表している。42は組立セグメントを、4
1a,41bは組立セグメント42とトンネル軸方向に
隣接する既設セグメントを、41cは組立セグメント4
2とトンネル周方向に隣接する既設セグメントをそれぞ
れ表している。これら組立・既設セグメント間の段差・
隙間を検出するために、3組の投光器44a,44b,
44cとテレビカメラ45a,45b,45cがエレク
タ本体12のセグメント把持部34に剛体(図示せず)
を介して固定されている。したがって、投光器44a〜
44c、テレビカメラ45a〜45cと把持部34及び
組み立てセグメント42の相対的な位置・姿勢はエレク
タの動きにかかわらず、把持中は一定である。投光器4
4a、44bは組立セグメント42と既設セグメント4
1a、41bのトンネル周方向に沿った境界部の2箇所
に、投光器44cは組立セグメント42と既設セグメン
ト41cのトンネル軸方向に沿った境界部にそれぞれス
リット光を照射し、各セグメント上に生じたスリット光
像A,A´,B,B´,C,C´はテレビカメラ45a
〜45cによりそれぞれ撮像される。図10〜図12に
おいて、46a〜46cはテレビカメラ45a〜45c
のカメラ視野を47a〜47cはテレビカメラ45a〜
45cに映ったカメラ画像を示す。 【0021】これらテレビカメラからの画像データはカ
メラ切換器48と画像入力装置49を介して画像メモリ
50に取り込まれる。51は画像メモリ50に格納され
た画像データを処理してスリット光像の端点座標を求め
る画像処理装置、52は画像処理装置51で求められた
端点座標値または事前に入力された数値データから後述
する位置決め制御演算を行い、その結果を指令値として
サーボ制御装置53へ出力するエレクタ本体の制御装置
(以下、本体制御装置と記す)であり、サーボ制御装置
53は、その指令に従ってエレクタ本体の旋回モータ1
6及び油圧ジャッキ22,25,28,31,32,3
3を含む7軸のアクチュエータを制御する。 【0022】以下、組立セグメントを位置決めするため
の制御手順を図1及び図8〜図13を用いて説明する。 【0023】本体制御装置52で実行される位置決め制
御は、図8に示すように、大きく分けて粗位置決め制御
100と微位置決め制御200の2段階からなる。 【0024】まず、手順100の粗位置決め制御につい
て説明する。粗位置決め制御の詳細な手順を図9に示
す。手順101の粗位置決め演算では、設計時のセグメ
ント位置・姿勢データもしくは既設セグメントの位置・
姿勢計測結果から組み立てセグメントが最終的に位置決
めされるであろう目標位置を予測演算し、その目標位置
を基にして図7に示す組立セグメント42及び既設セグ
メント41a〜41c上のスリット光像A,A´,B,
B´,C,C´がテレビカメラ45a〜45cのカメラ
視野に入り、かつ組立セグメント42と既設セグメント
41a〜41cが接触しないエレクタ位置・姿勢(以
下、粗位置と記す)を演算する。エレクタ位置・姿勢と
は、エレクタ本体12のセグメント把持部34の位置・
姿勢を意味し、把持中の組立セグメントの位置・姿勢と
同じである。なお、粗位置はエレクタ本体の旋回角度と
図2に示すエレクタ座標系(X,Y,Z)で表される。 【0025】手順102のアクチュエータ指令値演算
で、先に求めた粗位置から旋回モータ16を含む各アク
チュエータの指令値を演算し、手順103のアクチュエ
ータ制御でサーボ制御装置53へ指令値を出力し、サー
ボ制御装置53がアクチュエータを制御し終えるのを待
つ。 【0026】次に、手順200の微位置決め制御につい
て説明する。微位置決め制御の詳細な手順を図1に示
す。先の粗位置決め制御終了後に、図7に示す組立セグ
メント42と既設セグメント41a〜41cのトンネル
周方向に沿った境界部の2箇所とトンネル軸方向に沿っ
た境界部の1箇所に投光器44a〜44cからのスリッ
ト光を照射し、各々のスリット光像A,A´,B,B
´,C,C´をテレビカメラ45a〜45cで撮像す
る。 【0027】スリット光が照射された組立セグメントの
端部に欠けがない場合の組立セグメント42、既設セグ
メント41a〜41cとスリット光像の位置関係を図1
0に示し、この時3台のテレビカメラ45a〜45cに
映ったカメラ画像47a〜47cを同図に拡大して示
す。 【0028】また、例えばスリット光が照射された組立
セグメントの端部に欠けがある場合の組立セグメント4
2、既設セグメント41a〜41cとスリット光像の位
置関係を図11、図12に示し、このとき3台のテレビ
カメラ45a〜45cに映ったカメラ画像47a〜47
cを同図に拡大して示す。 【0029】図11,12中のカメラ画像47aにおい
て、スリット光像Aがセグメント欠け部分に照射されて
いるために、直線ではなく曲線状になり、本来そこにあ
るべき直線状のスリット光像端点を認識することができ
ない。 【0030】手順201のスリット光像端点抽出では、
カメラ切換器48によりテレビカメラ45a〜45cか
らの画像データを順次切り換え選択して画像メモリ50
に取り込み、これら画像データを画像処理装置51で処
理して、画像座標系(xv,yv)でのスリット光像
A,A´,B,B´,C,C´の端点座標を抽出し、記
憶する。ここで抽出した端点座標は、a(ax,a
y),a´(ax´,ay´),b(bx,by),b
´(bx´,by´),c(cx,cy),c´(cx
´,cy´)と表せる。 【0031】次に、手順202で、正しくスリット光の
端点を抽出できたか否かをオペレータが判断する。も
し、カメラ画像が図11,12の47aの様にスリット
光が曲線状になっている場合は、抽出した端点が正しい
端点ではないと判断する。その場合は手順203に進み
<入力装置60によって正しい端点を入力する。セグメ
ントの欠け様によってスリット光が直線になっていない
場合のカメラ画像は図14の様になっている。 【0032】手順203で正しい端点を入力する入力装
置としては、図14のカメラ画像を見ながらオペレータ
が正しい端点(本来ここに端点があるであろう点)の位
置を予測して、カメラ画像上でカーソル400やマウス
を用いて端点位置を指定する。または画面上の端点の
X,Y座標値をキーボードなどを利用して、直接画像処
理装置51へ入力する方法がある。 【0033】次に、手順204,205の段差・隙間算
出について説明する。図10のように組み立てセグメン
トに欠けがないと判定された場合は、手順204で、通
常のように既設セグメント側スリット光像A´の隙間方
向(xv方向)最大座標点である端点a´の座標値と組
立セグメント側スリット光像Aの隙間方向最小座標点で
ある端点aの座標値を用いて既設セグメント41a、組
立セグメント42間の段差・隙間を算出する。これを式
で表せば次のようになる。 【0034】段差=(ay´−ay)・k1 隙間=(ax´−ax)・k2 ただし、k1,k2は、画像データをmm単位の数値に変
換するための係数である。 【0035】以上の説明はテレビカメラ45aからの画
像データについて説明したが、他のテレビカメラ45
b,45cからの画像データについても同様の判定、処
理を行う。 【0036】テレビカメラ45a〜45cからの画像デ
ータすべてについて段差・隙間が求められた場合は、こ
れらの段差・隙間情報を基にして、手順205で組立セ
グメント42と既設セグメント41a〜41cとの位置
・姿勢偏差量を演算する。組立セグメント42と既設セ
グメント41a〜41cとの段差を△z1,△z2,△z
3、隙間を△x1,△x2,△y3とすると、偏差量は、例
えば次式により求められる。 【0037】 ここで、edx,edy,edzはそれぞれ図13に示
すx軸方向、y軸方向、z軸方向の位置偏差を、eδ
x,eδy,eδzはそれぞれx軸回り、y軸回り、z
軸回りの姿勢偏差を表す。また、Lxa,Lxc,Ly
a,Lybは、図13に示すように、組立セグメント4
2の中心(座標原点o)から組立セグメント上のスリッ
ト光像A,B,Cの各端点a,b,cまでのx軸方向及
びy軸方向の距離を表している。 【0038】これらの偏差量から位置・姿勢の補正量d
x,dy,dz,δx,δy,δzが次式により求めら
れる。 dx=−edx dy=−edy dz=−edz δx=−eδx δy=−eδy δz=−eδz 手順206では、先に求めた補正量を閾値と比較し、閾
値以内であれば、位置決め制御を終了する(210)。
閾値以内でなければ、手順207で、先に求めた補正量
を基にしてエレクタの目標位置・姿勢を演算し、手順2
08のアクチュエータ指令値演算、手順209のアクチ
ュエータ制御を経て手順201に戻り、手順205で演
算した補正量が閾値以内になるまで手順201〜209
を繰り返す。こうして、位置・姿勢の偏差を補正し、組
立セグメントを最終的に位置決めする。 【0039】なお、手順204で段差算出不能信号が出
力された場合は、オペレータがスケールなどを用いてセ
グメント間の段差・隙間を実測し、その測定値を本体制
御装置52に入力して手順205の偏差量演算を実行さ
せるか、またはテレビカメラによる組立・既設セグメン
トの境界部の画像を観察しながらエレクタ本体をマニュ
アル操作することによって、セグメントの組立を続行で
きる。 【0040】 【発明の効果】本発明によれば、組立セグメントの端部
にある程度の欠けがあり、スリット光の端点が正しく抽
出できない場合でも、正しい端点をオペレータが入力す
ることにより、欠けの影響を受けずに、端点を誤認識す
ること無く、組立セグメントと既設セグメントの境界部
の段差・隙間を算出し、その段差・隙間情報を基にして
組立セグメントを組立可能な位置に自動的に位置決めす
ることができる。また、欠けがあった場合でも、自動組
立てを中止すること無く、位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主要部である組立セグメントの微位置
決め制御の詳細な手順を示す図である。 【図2】本発明のセグメント自動組立に用いるエレクタ
本体の一部を切断した正面図である。 【図3】図2のIII−III断面図である。 【図4】図2のIV−IV断面図である。 【図5】図2のV−V断面図である。 【図6】図2のセグメント把持部の詳細断面図である。 【図7】セグメントの位置決めに用いる投光器、テレビ
カメラと組立セグメント、既設セグメントの位置関係及
びシステム構成を示す図である。 【図8】本発明の本体制御装置の大まかな制御手順を示
す図である。 【図9】図8の制御手順における粗位置決め制御の詳細
な手順を示す図である。 【図10】粗位置決め制御手順終了後の組立て・既設セ
グメントとスリット光像の位置関係及び3箇所のカメラ
画像を示す図である(ただし、組立セグメントに欠けが
ない場合)。 【図11】粗位置決め制御手順終了後の組立・既設セグ
メントとスリット光像の位置関係及び3箇所のカメラ画
像を示す図である(ただし、組立セグメントの欠けの大
きさが許容範囲内の場合)。 【図12】粗位置決め制御手順終了後の組立・既設セグ
メントとスリット光像の位置関係及び3箇所のカメラ画
像を示す図である(ただし、組立セグメントの欠けが大
きすぎる場合)。 【図13】図1の位置・姿勢偏差演算についての説明図
である。 【図14】欠けに対する検出方法を説明するためのテレ
ビ画像図である。 【符号の説明】 11…シールド本体、12…エレクタ本体、41a〜4
1c…既設セグメント、42…組立セグメント、44a
〜44c…投光器、45a〜45c…テレビカメラ、4
6a〜46c…カメラ視野、47a〜47c…カメラ画
像、48…カメラ切換器、49…画像入力装置、50…
画像メモリ、51…画像処理装置、52…本体制御装
置、53…サーボ制御装置、54…組立セグメントの欠
け
決め制御の詳細な手順を示す図である。 【図2】本発明のセグメント自動組立に用いるエレクタ
本体の一部を切断した正面図である。 【図3】図2のIII−III断面図である。 【図4】図2のIV−IV断面図である。 【図5】図2のV−V断面図である。 【図6】図2のセグメント把持部の詳細断面図である。 【図7】セグメントの位置決めに用いる投光器、テレビ
カメラと組立セグメント、既設セグメントの位置関係及
びシステム構成を示す図である。 【図8】本発明の本体制御装置の大まかな制御手順を示
す図である。 【図9】図8の制御手順における粗位置決め制御の詳細
な手順を示す図である。 【図10】粗位置決め制御手順終了後の組立て・既設セ
グメントとスリット光像の位置関係及び3箇所のカメラ
画像を示す図である(ただし、組立セグメントに欠けが
ない場合)。 【図11】粗位置決め制御手順終了後の組立・既設セグ
メントとスリット光像の位置関係及び3箇所のカメラ画
像を示す図である(ただし、組立セグメントの欠けの大
きさが許容範囲内の場合)。 【図12】粗位置決め制御手順終了後の組立・既設セグ
メントとスリット光像の位置関係及び3箇所のカメラ画
像を示す図である(ただし、組立セグメントの欠けが大
きすぎる場合)。 【図13】図1の位置・姿勢偏差演算についての説明図
である。 【図14】欠けに対する検出方法を説明するためのテレ
ビ画像図である。 【符号の説明】 11…シールド本体、12…エレクタ本体、41a〜4
1c…既設セグメント、42…組立セグメント、44a
〜44c…投光器、45a〜45c…テレビカメラ、4
6a〜46c…カメラ視野、47a〜47c…カメラ画
像、48…カメラ切換器、49…画像入力装置、50…
画像メモリ、51…画像処理装置、52…本体制御装
置、53…サーボ制御装置、54…組立セグメントの欠
け
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 草木 貴巳
茨城県土浦市神立町650番地 日立建機
株式会社 土浦工場内
(72)発明者 平沢 幸久
茨城県土浦市神立町650番地 日立建機
株式会社 土浦工場内
(72)発明者 森 泰雄
茨城県土浦市神立町650番地 日立建機
株式会社 土浦工場内
(56)参考文献 特開 平5−321597(JP,A)
特開 平3−199599(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
E21D 11/40
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】シールド掘進機内に設置されたエレクタに
より組立セグメントを所定の組立位置近傍に粗位置決め
し、エレクタ上に設置した投光器から組立セグメントと
既設セグメントのトンネル周方向に沿った境界部の少な
くとも2箇所とトンネル軸方向に沿った境界部の少なく
とも1箇所にスリット光を照射し、各々のスリット光像
をエレクタ上に設置したテレビカメラにより撮像して得
られた画像データから前記少なくとも3箇所の組立セグ
メントと既設セグメントの端部同士の段差・隙間を検出
し、その段差・隙間情報を基にして組立セグメントと既
設セグメントとの位置・姿勢偏差を求め、その偏差を補
正することによって組立セグメントの組立位置への微位
置決めを自動的に行うセグメントの組立位置決め方法に
おいて、前記段差・隙間情報から、前記段差または前記
隙間の少なくとも一方を検出できない場合、外部から前
記セグメントの正規の端点に関する段差・隙間情報を入
力し、入力された該正規の端点に関する情報を用いて、
前記セグメントの自動位置決めを行うことを特徴とする
セグメントの組立位置決め方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16579495A JP3444025B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | セグメントの組立位置決め方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16579495A JP3444025B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | セグメントの組立位置決め方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0913893A JPH0913893A (ja) | 1997-01-14 |
JP3444025B2 true JP3444025B2 (ja) | 2003-09-08 |
Family
ID=15819124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16579495A Expired - Fee Related JP3444025B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | セグメントの組立位置決め方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3444025B2 (ja) |
-
1995
- 1995-06-30 JP JP16579495A patent/JP3444025B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0913893A (ja) | 1997-01-14 |
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