JP3443681B2 - 無効電力補償システム - Google Patents

無効電力補償システム

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JP3443681B2 JP32097097A JP32097097A JP3443681B2 JP 3443681 B2 JP3443681 B2 JP 3443681B2 JP 32097097 A JP32097097 A JP 32097097A JP 32097097 A JP32097097 A JP 32097097A JP 3443681 B2 JP3443681 B2 JP 3443681B2
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  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の電圧変
動を補償する無効電力補償システムに関する。
【0002】
【従来の技術】無効電力補償システムは、電力系統の電
圧を検出し、これを指令値に一致させるように、無効電
力補償装置から電力系統に注入する無効電力を制御する
システムである。ここで、無効電力補償による電圧補償
の原理を図2を参照して説明する。図2において、1は
交流電源、2は配電線インピーダンスで、Rは抵抗分、
Xはリアクトル分、3は無効電力補償装置を示す。ま
た、Vsは交流電源電圧、Vrは無効電力補償装置3が
接続された設置点の系統電圧(以下、設置点電圧とい
う)、Iqは、系統から無効電力補償装置3へ流れる無
効電流を示す。なお、Iqは遅れを正とする。図2にお
いて、リアクトル分Xに対して抵抗分Rが十分小さいな
らば、式(1)が成り立つ。
【0003】 Vr=Vs−XIq …(1) ここで、Iqの微小変化分△Iqに伴う設置点電圧Vr
の変化分を△Vrとすると、式(2)が成り立ち、式
(1)、(2)より式(3)が成り立つ。
【0004】 Vr+△Vr=Vs−X(Iq+△Iq) …(2) △Vr=−X△Iq …(3) したがって、△Iq>0のとき、すなわち、無効電流の
出力が遅れ側に変化したときには、△Vr<0となり、
設置点電圧Vrは低下する。逆に、△Iq<0のとき、
無効電流の出力が進み側に変化したときには、△Vr>
0となり、設置点電圧Vrは上昇する。このように、無
効電力補償装置3の無効電流Iqを調整することによ
り、設置点電圧Vrを制御することができる。なお、上
記では、無効電流Iqによる電圧補償の原理を説明した
が、Q=Vr・Iqとすれば無効電力Qによる電圧補償
も同様に説明できる。
【0005】このような原理を適用して、電力系統の無
効電力を制御することにより、系統の電圧変動を抑える
無効電力補償システムとして、従来、例えば、特開平4
−317523公報に記載されたものが知られている。
これによれば、配電線の負荷側に近い位置に無効電力補
償装置を接続し、その接続点の配電線の電圧を検出し、
その検出値を指令値に一致させるように、それらの偏差
に応じて無効電流の指令値を決定し、その指令値に基づ
いて無効電力補償装置の無効電流を制御して、配電線の
電圧変動を抑制するようにしている。さらに、同公報に
よれば、無効電力補償装置に加えて、配電線の電源側に
巻線タップ切り換え式の電圧調整器を設け、これと無効
電力補償装置とを協動させて、配電線の電圧変動を抑制
することが提案されている。
【0006】すなわち、無効電力補償装置による電圧補
償は、応答性が高いが、大幅な電圧変動を抑制するため
には、装置容量が大きくなり過ぎて経済的でない。ま
た、無効電力補償装置による電圧補償が長時間継続する
ことも経済的でない。そこで、無効電力補償装置の無効
電力を検出し、その無効電力の積分値が設定値を超えた
ときに、電圧調整器のタップを切り換えるようにして、
配電線の電圧を電源側に近い電圧調整器で補償し、これ
により無効電圧補償装置の分担を軽減して、装置容量及
び出力を小さくすることを可能にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術によると、無効電力補償装置と電圧調整器との間で系
統の電圧補償を協調させるためには、無効電力補償装置
の出力無効電力の検出値又はその積分値、あるいは巻線
タップ切り換え指令等の制御信号を、無効電力補償装置
側から電圧調整器側に伝送する必要がある。
【0008】ここで、電圧調整器による電圧補償の特徴
と、無効電力補償装置による電圧補償の特徴は、図3,
4に示すような相違がある。つまり、図3に示すよう
に、電圧調整器によると、その設置点よりも負荷側の電
圧が補償されるが、設置点より電源側の電圧は補償でき
ない。一方、図4に示すように、無効電力補償装置によ
ると、電源から遠ざかるほど、つまり電源から設置点ま
での配電線の長さが長いほど、電圧変動の補償幅が増加
する。したがって、電圧調整器は配電線の電源側に設置
する方が補償効果が高く、無効電力補償装置は配電線の
負荷側に近い位置に接続する方が補償効果が高い。その
結果、電圧調整器と無効電力補償装置をそれぞれ最適な
補償効果が得られる場所に設置した場合、それらの離間
距離は、例えば数km程度以上になることがある。
【0009】このように、それぞれの装置の特徴を生か
して、最適な位置に配置しようとした場合、無効電力補
償装置と電圧調整器との間の距離が長くなり、無効電力
補償装置から電圧調整器へ制御信号を送るために、有線
通信又は無線通信による信号伝送が必要となり、これに
よって以下の問題が生じる。
【0010】1)ノイズ等の影響で、制御信号に伝送誤
りが生じた場合、装置の誤動作を招いて電圧変動を増大
させたり、あるいは有線で通信した場合には、信号線が
切れると電圧調整器が動作しなくなるなど、電圧補償動
作に対する信頼性に欠ける。 2)通信装置や通信路が必要となるため、設備構成が複
雑となりかつ設備費用が増大する。
【0011】その他、既設の電圧調整器がある場合に
は、無効電力補償装置からの信号を受信できるように電
圧調整器を改造するか、無効電力補償装置からの信号を
受信できる新たな電圧調整器に入れ替える必要があり、
設備費用が増大するという問題も生ずる。
【0012】本発明が解決しようとする課題は、上記事
情に鑑みてなされたものであり、電源側にタップ切り換
え式の電圧調整器が設置された系統の負荷側に設置され
た無効電力補償装置と電圧調整器との間で制御信号の送
受をすることなく、それらの間で協調して電圧補償分担
を図ることができる無効電力補償システムを提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、本発明は、系統の電源側に接続されたタップ切
り換え式の電圧調整器と、前記系統の負荷側に接続され
た無効電力補償装置と、系統電圧の検出値と指令値との
偏差を低減するように前記無効電力補償装置の無効電流
又は無効電力を制御する制御手段とを備えてなる無効電
力補償システムにおいて、前記制御手段は、無効電流の
検出値又は該検出値に相当する物理量を設定値に一定の
変化速度で近付けるように系統電圧の前記指令値を補正
する補正手段と、該補正された指令値が予め定められた
判定基準値を超えたときに異常信号を出力する異常判定
手段とを備え、前記異常信号に基づいて無効電流の検出
値又は該検出値に相当する物理量に係る前記設定値を大
きな値に変更することを特徴とする。
【0014】ここで、無効電流の検出値に相当する物理
量としては、例えば、出力無効電力の検出値又はその指
令値、出力無効電流の指令値等、無効電流と強い相関を
有する物理量を適用できる。
【0015】また、無効電流の検出値を設定値に一定の
変化速度で近付ける(以下、適宜、徐々に近付けるとい
う。)のは、電圧調整器のタップ切り換え装置の動作特
性と協調をとるためである。すなわち、電圧調整器のタ
ップ切り換え装置は、電圧調整器の2次側電圧(負荷側
系統電圧)を監視し、2次側電圧が一定の不感帯幅を超
えて変動し、かつその変動が設定時限を超えたときに、
その変動を補償する方向にタップを切り換えるように動
作する。したがって、タップ切り換えに係る不感帯幅と
動作時限を考慮して、無効電流の検出値を設定値に徐々
に近付ける「徐々」の程度と時間を決定する。
【0016】すなわち、上記解決手段によれば、負荷変
化により系統電圧が大きく変動すると、無効電力補償装
置は速やかに無効電流の出力を制御して、接続点の系統
電圧を指令値に一致させるように動作する。このままで
あれば、無効電力補償装置から電圧変動を抑えるのに必
要な無効電流が継続して出力されることになる。しか
し、本発明によれば、無効電力の検出値が設定値よりも
大きくなると(又は、小さくなると)それに応じて、系
統電圧の指令値が高く(又は、低く)補正され、無効電
力の検出値を設定値に一致させる補正が行われる。そこ
で、無効電力の設定値を、定常状態における無効電力補
償装置の好ましい無効電流の出力値(例えば、0)にし
ておくと、これに応じて徐々に系統電圧の指令値が補正
され、接続点の系統電圧は初期の指令値から徐々に外
れ、その点の電圧変動が大きくなることになる。そし
て、その電圧変動により、電源側の近くに設置された電
圧調整器のタップ切り換え装置が動作し、無効電力補償
装置の出力の減少により生じた電圧変動を電圧調整器に
より補償する。これにより、定常的には、無効電力補償
装置による電圧補償動作を短い時間に抑えるとともに、
容量に見合った補償量に抑えて、これを超える分は電圧
調整器に分担させることができる。以上の動作過程にお
いては、無効電力補償装置と電圧調整器はそれぞれ独立
に制御されているから、無効電力補償装置と電圧調整器
との間で制御信号を送受する必要はない。
【0017】
【0018】上記のように、本発明によれば、系統電圧
の補正された指令値が予め定められた判定基準値を超え
たときに異常信号を出力する異常判定手段を設け、該異
常信号に基づいて無効電流の検出値又は該検出値に相当
する物理量に係る前記設定値を大きな値に変更するよう
にしているから、電圧調整器が何らかの故障により動作
しない場合が生ずると、補正された指令値が増加を続
け、これに基づいて電圧調整器の異常を判定することが
できるから、無効電力補償装置の無効電流の設定値を大
きく変更し、これによる電圧補償動作を、装置容量に応
じて十分に発揮させることができる。
【0019】さらに、系統電圧の補正された指令値が予
め定められた判定基準値を超えたときに異常信号を出力
する異常判定手段を設け、該異常信号に基づいて無効電
流の検出値又は該検出値に相当する物理量に係る前記設
定値を大きな値に変更することが好ましい。つまり、電
圧調整器が何らかの故障により動作しない場合が生ずる
と、補正された指令値が増加を続けることになり、これ
に基づいて電圧調整器の異常を判定することができるか
ら、無効電力補償装置の無効電流の設定値を大きく変更
し、これによる電圧補償動作を、装置容量に応じて十分
に発揮させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の無効電力補償シ
ステムの一実施例を示す構成図である。図において、交
流電源1に接続された配電線4の電源側から離れた負荷
側に近い位置に無効電力補償装置3が接続され、配電線
4の電源側に近い位置に電圧調整器12が接続されてい
る。図において符号2は、図2と同様に、配電線4のイ
ンピーダンスを表し、抵抗分Rとリアクタンス分Xとか
らなる。電圧調整器12は、図示していない巻線タップ
切り換え装置により、電圧調整器12の負荷側端の系統
電圧を検出し、その検出電圧が不感帯を有する上下限設
定値を超え、かつ所定の時限を経過したときに、昇圧又
は降圧方向にタップを切り換えるようになっている。無
効電力補償装置3は、半導体スイッチ素子を用いて形成
されたインバータが適用されている。
【0021】ここで、無効電力補償装置3の制御装置の
構成について説明する。無効電力補償装置3が接続され
た位置の系統電圧(設置点電圧)は、電圧センサ16を
介して電圧検出回路17によって検出される。この設置
点電圧の検出値Vは減算器6に入力され、ここにおいて
後述する設置点電圧の指令値V*との偏差ΔVが求めら
れる。指令値V*は、後述するリミッタ回路24を介し
て減算器6に入力される。減算器6から出力される偏差
ΔVは電圧制御回路7に入力され、その偏差ΔVを低減
する無効電流指令値iqrefが演算され、電流制御回路
8に出力される。電流制御回路8は、電圧制御回路7か
ら入力される無効電流指令値iqrefに対応する無効電
流が無効電力補償装置3から出力されるように、PWM
制御回路9に制御信号を出力する。このとき、電流制御
回路8は、無効電力補償装置3の出力端に設けられた電
流センサ10により検出される出力電流の検出値iに基
づいてフィードバック制御をする。PWM制御回路9
は、電流制御回路8から出力される制御信号に従ってイ
ンバータのゲートパルス信号を生成し、無効電力補償装
置3へ出力する。このようにして、無効電力補償装置3
は、設置点電圧の検出値Vとその指令値V*との電圧偏
差△Vを0にするように、すなわち設置点電圧の検出値
Vを指令値V*に一致させるように、電圧制御回路7と
電流制御回路8を介して無効電力出力を制御する。
【0022】次に、本発明の特徴部に係る構成ついて説
明する。本実施形態では、無効電流検出回路18と、無
効電流の定常指令値設定回路19と、電圧指令補正回路
21を設け、無効電力補償装置3の無効電流を検出し、
無効電流の検出値が無効電流の定常指令値iq*に漸近
させるように、設置点電圧の指令値V*を補正により増
減するところに特徴がある。
【0023】すなわち、無効電流の定常指令値設定回路
19には、無効電力補償装置3が定常的に補償すべき無
効電流の値として、無効電流の定常指令値iq*が設定
される。つまり、ある電圧変動が生じてから十分な時間
が経過した定常状態における無効電流の指令値であり、
iq*は通常は「0」に設定する。無効電流検出回路1
8は、電流センサ10から無効電力補償装置3の出力電
流iの検出値を、電圧センサ16から無効電力補償装置
3の設置点電圧の検出値Vを取り込み、出力電流iに含
まれる無効電流の検出値iqを求める。そして、この無
効電流の検出値iqと定常指令値iq*との偏差eを減
算器20により演算し、電圧指令補正回路21に出力す
る。
【0024】電圧指令補正回路21は、偏差eを入力し
て、偏差eが徐々に0に漸近するように電圧指令V*を
演算する。すなわち、iqとiq*の偏差eが徐々に0
に漸近させるということは、時間がたつにつれてiqが
iq*に漸近し、定常状態になれば一致することを意味
する。例えば、iq*=0の場合は、iqが徐々に0に
漸近するように電圧指令V*を演算する。これは、iq
が進み出力のときは電圧指令V*を下げるように、iq
が遅れ出力のときは電圧指令V*を上げるように演算す
ればよい。つまり、電圧指令補正値演算回路22によ
り、偏差eが徐々に0に漸近させるように、電圧指令基
準値V0*を補正する補正値ΔV*が演算され、加算器
23にて電圧指令基準値V0*に加算されて、電圧の指
令値V*が生成される。その電圧の指令値V*はリミッ
タ回路24を介して、前述した減算器6に入力される。
リミッタ回路24は指令値V*を所定の大きさに制限す
るものである。電圧指令補正回路21の構成および動作
の詳細は、後に説明する。
【0025】上述したように、無効電流検出回路18、
無効電流の定常指令値設定回路19、電圧指令補正回路
21は、無効電力補償装置3の無効電流の定常出力に対
するフィードバック制御回路となっている。この無効電
流定常出力制御の制御時間を電圧調整器12の動作時限
に協調させて設定することにより、電圧調整器12へ信
号を伝送することなく、無効電力補償装置3の出力が大
きくかつ長時間継続するときに、電圧調整器12へ電圧
補償を分担させることができる。この動作を図5を用い
て説明する。
【0026】図5は、図1の実施の形態における無効電
力補償装置3と電圧調整装置12による電圧補償の様子
を、時間を横軸にして表したものである。同図(a)は
配電線4の負荷量P、(b)は無効電力補償装置3の電
圧指令値V*、(c)は無効電力補償装置3の設置点電
圧の検出値V、(d)は無効電力補償装置3の無効電流
iq、(e)は電圧調整器12の2次側電圧Vt、
(f)は電圧調整器3のタップ比△Tの時間変化の様子
を表している。また、横軸の時間スケールは1目盛りが
30秒〜2分程度に相当する。
【0027】ここで、電圧調整器12の動作について補
足する。電圧調整器12は不感帯幅と動作時限により動
作が決められる。電圧調整器12はタップの2次側電圧
を検出しており、タップ2次側電圧が不感帯幅を越えた
時間が、動作時限を越えるとタップが切り換わり、電圧
が不感帯幅内へ入るように制御される。動作時限は通常
30秒〜2分程度に設定される。
【0028】図5において、t0〜t1の期間は定常状態
にある。時刻t1において配電線の負荷量Pがステップ
状に急減すると、無効電力補償装置の設置点電圧の検出
値Vが上昇する。これに応動して、無効電力補償装置3
は直ちに(数サイクル程度)無効電流を出力して電圧変
動を抑制する(d)。これにより、設置点電圧の検出値
Vは、その指令値V*に維持される。次いで、t1〜t2
の期間では、負荷は減少したままの一定状態にあるか
ら、無効電力補償装置3から無効電流が継続して出力さ
れる。そのため、図1の電圧指令補正回路21が動作
し、検出される無効電流を0に漸近させるように、電圧
指令を補正するフィードバック制御が働く。この期間、
無効電力補償装置3は遅れの無効電流を出力しているた
め、これを0に下げるように電圧指令値V*を徐々に上
げていく。この結果、無効電力補償装置3の無効電流は
低下して行き、設置点電圧の検出値Vはその指令値V*
に追従して徐々に上昇する。時刻t2になると、電圧調
整器12の2次側電圧Vtが不感帯を越え、動作時限を
過ぎるため、電圧調整器のタップを切り換えが行われ、
2次側電圧Vtを下げる。しかし、無効電力補償装置3
の応答が速いため、電圧低下が高速に動作して無効電力
は進み出力となり、設置点電圧の検出値Vは時刻t2に
おける指令値V*に維持される。そして、t2〜t3の期
間では、無効電力補償装置3の進み無効電流を0にする
制御となり、指令値V*を徐々に下げる動作となる。こ
の結果、無効電力補償装置3の無効電流は0に漸近し、
設置点電圧の検出値Vも徐々に低下する。時刻t3で
は、さらに電圧調整器12のタップ切り換えが行われ、
2次側電圧Vtを下げる動作になる。このときも、無効
電力補償装置3が電圧低下を高速に補償するので、設置
点電圧の検出値Vは時刻t3における指令値V*に維持
される。また、無効電力補償装置3は再び進み無効電力
を出力することになる。t3〜t4の期間では、再度、無
効電力補償装置3の進み無効電流の出力を0にするた
め、電圧の指令値V*を徐々に下げて行く。この結果、
設置点電圧の検出値Vも徐々に低下する。そして、時刻
t4において定常状態に落ちつく。時刻t4以降では、無
効電力補償装置3の無効電流は0であり、電圧調整器1
2のタップは負荷変動前に比べ、2タップ下げ方向に切
り替わっている。すなわち、負荷変動による電圧上昇に
対する補償は、定常状態において、無効電力補償装置3
から電圧調整器12に分担される。また、無効電力補償
装置3と電圧調整器12は、それぞれ独立制御されてお
り、両者間に協調のための制御信号の伝送は行われてい
ない。つまり、従来技術では、無効電力補償装置3から
電圧調整器12へ制御信号を伝送する必要があったが、
本実施の形態では、図1に示すように無効電力補償装置
3と電圧調整器12とは制御において独立しており、無
効電力補償装置3から電圧調整器12へ信号を伝送する
ことなく、無効電力補償装置3の出力が大きくかつ長時
間継続するときには、電圧調整器12へ電圧補償を分担
させることができ、無効電力補償装置3の出力を軽減す
ることができる。
【0029】また、本実施の形態では、図5(c)の無
効電力補償装置3の設置点電圧の検出値Vおよび図5
(b)の電圧調整器12の2次側電圧Vtにおいて、時
刻t2,t3にて、電圧調整器が動作しているにもかか
わらず、電圧調整器12のタップ切り替えで生じる急峻
な電圧変動が無効電力補償装置3によって高速に補償さ
れるようになる。すなわち、無効電力補償装置3から電
圧調整器12へ電圧補償を分担させる過程において、配
電線に生じる電圧変化を滑らかに行うことができる。し
たがって、本実施の形態では、配電線に接続している電
子機器のような急峻な電圧変動に弱い機器に対する影響
を軽減できる。
【0030】次に、図6、7により、図1に示した電圧
指令補正回路21の詳細を説明する。図6は、電圧指令
演算回路21を実現する回路構成の一例である。図6に
おいて、図1と同じ参照番号は同じものを示す。図6に
示すように、電圧指令補正値演算回路22は、積分回路
221と、ゲイン回路222と、積分開始・停止指令設
定回路223から形成されている。
【0031】ここで、図6の電圧指令演算回路21の動
作を説明する。積分回路221において、無効電流の検
出値iqと無効電流の定常指令値iq*の偏差eが積分
され、これにゲイン回路222においてゲインKが乗じ
られ、ゲイン回路222から電圧指令の補正値△V*と
して出力される。この△V*を電圧指令基準値V0*に
加算器23で加算し、その加算値をリミッタ回路24に
出力する。リミッタ回路24では、予め設定された上下
限値内にその加算値を制限して系統電圧の指令値V*と
して、図1の減算器6に出力する。
【0032】このように、図6の例によれば、積分回路
221を用いているため、偏差eが0になるまで、△V
*は更新されていく。積分回路221の積分時定数と、
ゲイン回路222のゲインKの大きさは、無効電流を定
常状態にするための制御の応答時間に関係し、電圧調整
器12のタップ切り換えに係る動作時限値を基に設定す
る。また、ゲイン回路222のゲインの符号は次のよう
に決める。すなわち、無効電流の検出値の符号が、遅れ
を正としているならば、ゲイン回路222の符号は負に
設定する。このとき、無効電力が遅れならば電圧指令の
補正値△V*は正となり電圧指令値V*は上昇し、無効
電力が進みならば△V*は負となり電圧指令値V*は低
下する。いずれの場合も、無効電流が減少するように働
く。リミッタ回路24で制限する上下限値の範囲として
は、例えば配電線4の電圧の管理目標幅に対応して設定
する。このようなリミッタ回路24を設けることによ
り、電圧の指令値V*が配電線4の管理目標幅から逸脱
することを防止できる。また、リミッタ回路24にて入
力値がリミッタにかかったときは、積分が飽和しないよ
うに積分開始・停止指令設定回路223に信号を送り、
積分回路221の積分動作を停止させる。その後、入力
値がリミッタ以下に戻ったときは、積分開始・停止指令
設定回路223へ信号を送って積分動作を再開させる。
【0033】図7は、電圧指令演算回路21を実現する
回路構成の第2の例である。図7において、図6と同じ
参照番号は同じものを示す。図6と異なる点は、積分回
路221の入力側に比較回路224を挿入したことにあ
る。この比較回路221において、無効電流の検出値i
qと定常指令値iq*との偏差eに対し、予め設定され
たしきい値との比較演算が行われ、偏差eがしきい値よ
り大きい場合は定数Eが出力され、小さい場合は0が出
力される。そして、積分回路221において比較回路2
24の出力が積分される。この積分回路221以降の動
作は図6と同様である。図6の電圧指令演算回路21
は、偏差eを直接積分するため、偏差eが大きい電圧変
動の直後には補正値△V*が大きくなり、電圧変動直後
から無効電力補償装置3の無効電流が大きく絞られてし
まうことになる。これに対して、図7の電圧指令演算回
路21は、比較回路224を設け、その比較回路224
の出力を積分するようにしているため、偏差eが大きい
場合でも、補正値△V*はK×Eの一定の変化速度で変
化する。このため、電圧変動直後でも無効電力補償装置
3の無効電流が大きく絞られることなく、徐々に一定の
割合で絞られるという特徴がある。
【0034】以上説明したように、図1の本実施の形態
によれば、無効電流検出回路18と無効電流の定常指令
値設定回路19と電圧指令補正回路21の作用により、
無効電力補償装置3の無効電流の出力が長時間続く場合
には、電圧変動の補償分担を電圧調整器12へ、無効電
力補償装置3から電圧調整器12への制御信号を伝送す
ることなく行うことができる。その結果、伝送誤り、通
信エラー等による電圧調整器誤動作の問題が発生せず、
電圧変動補償に対して信頼性の高い無効電力補償システ
ムを実現できる。
【0035】図8に、本発明の第2の実施の形態の無効
電力補償システムの構成図を示す。図において、図1と
同一符号を付したものは同一の機能構成を有するもので
あるから、説明を省略する。本実施の形態が図1の実施
の形態と異なる点は、無効電流の検出値iqに代えて、
電圧制御回路7が出力する無効電流の指令値iqrefを
用いたことにある。この場合、図1の実施の形態と比較
して、同様の効果が得られるとともに、無効電流検出回
路18が不要となるから、構成を簡単にできる効果があ
る。
【0036】図9に、本発明の第3の実施の形態に係る
無効電力補償システムの構成図を示す。図において、図
1と同一符号を付したものは同一の機能構成を有するも
のであるから、説明を省略する。本実施の形態が図1の
実施の形態と異なる点は、無効電流による制御に代え
て、無効電力による制御にしたことにある。つまり、無
効電力検出回路25により、出力電流iと系統の検出電
圧Vとから、無効電力Qを検出し、無効電力の定常指令
値設定回路26に設定された定常指令値Q*と偏差eを
求め、これを電圧指令補正回路21の入力としたもので
あり、図1実施の形態と同様の効果が得られる。これに
加え、図9実施の形態によれば、電源電圧の波形が歪ん
だ場合にも、正確に無効電力を演算できるため、検出精
度が向上し、無効電力補償装置3の無効電力の定常出力
を厳密に定常指令値Q*に合わせることができる。その
結果、無効電力補償装置3に対する余分な出力を抑制で
き、装置の損失を抑制できる。
【0037】図10に、本発明の第4の実施の形態に係
る無効電力補償システムの構成図を示す。図において、
図1と同一部分については同一参照番号を付して説明を
省略する。本実施の形態では、図1の構成に対して電圧
異常判定回路27を設け、その判定結果に基づいて、無
効電力の定常指令値設定回路28の定常指令設定値iq
*を設定変更できるようにしたことにある。つまり、電
圧異常判定回路27は、電圧指令補正値演算回路22の
出力△V*と電圧指令基準値V0*との加算値を入力信
号として、この入力値を予め設定された異常判定しきい
値と比較する。そして、入力値がある時間以上しきい値
の範囲を越えている場合に、電圧調整器12や配電変電
所の送り出し電圧制御等の他の電圧制御に異常が起こっ
ていると判定し、異常検出信号を無効電力の定常指令値
設定回路28に出力する。ここで、異常検出信号には、
過電圧異常検出と低電圧異常検出の2種類がある。そし
て、定常指令値設定回路28は、異常検出信号を入力し
た場合、異常時の定常指令値に切り換える。ここで、異
常時の定常指令値として、過電圧異常検出時には遅れの
無効電流値を、低電圧異常検出時には進みの無効電流値
を、それぞれ設定しておく。電圧指令補正回路21は、
無効電流検出回路18の検出する無効電流の検出値iq
の定常値を、異常時の定常指令値に一致させるように、
電圧指令値V*を逐次演算する。
【0038】この結果、定常状態において無効電力補償
装置3は、異常時の定常指令値と一致する無効電流を出
力することになり、この定常出力分が電圧調整器等の異
常によって発生した電圧変動を抑制する。
【0039】このように図10の実施の形態によれば、
電圧異常判定回路27と無効電流定常出力指令設定回路
28の作用により、電圧調整器12に異常が発生して定
常的な電圧異常が発生した場合にも、この電圧異常を検
出して、無効電力補償装置3が定常的に無効電流を出力
することにより、異常電圧を補償するため、電圧調整器
故障時も系統の電圧変動補償能力を維持できる。
【0040】なお、図10では、電圧異常判定回路27
の出力を出力無効流の定常指令値設定回路28に入力し
ていたが、図11に示す第4の実施の形態のように、無
効電流検出回路18と減算器20との間に不感帯回路2
9を設け、電圧異常判定回路27の出力を不感帯回路2
9へ入力させ、電圧異常判定回路27から異常検出信号
が入力された場合に、不感帯回路29の不感帯動作を実
行させるようにしてもよい。これによれば、図10実施
の形態と同様に、定常状態において無効電力補償装置3
は、不感帯幅に相当する無効電流を出力し、この定常出
力分が電圧調整器等の異常によって発生した電圧異常を
抑制する。したがって、電圧調整器12に異常が発生し
て定常的な電圧異常が発生した場合にも、この電圧異常
を検出して、無効電力補償装置3が定常的に無効電流を
出力することにより、異常電圧を補償するため、電圧調
整器故障時も系統の電圧変動補償能力を維持できる。
【0041】また、上述した各実施の形態の無効電力補
償装置3は、IGBT、GTO、パワートランジスタ等
の自己消弧素子で構成されたインバータを用いた無効電
力補償装置、又はサイリスタで構成されたインバータを
用いた無効電力補償装置を適用できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無効電力補償装置の出力が長時間続く場合の電圧調整器
への電圧補償分担を、無効電力補償装置から電圧調整器
への制御信号を伝送することなく独立して行うことがで
きる。その結果、伝送誤り、通信エラー等による電圧調
整器の誤動作の問題が発生せず、電圧変動補償に対する
信頼性を向上する効果がある。
【0043】また、電圧調整器に異常が発生して定常的
な電圧異常が発生した場合にも、無効電力補償装置が異
常を判定して異常電圧を補償するため、他の制御機器故
障時も系統の電圧変動補償能力を維持する効果がある。
【0044】なお、無効電力補償装置の制御方法とし
て、無効電力補償装置の設置点より負荷側の有効電力と
無効電力を検出して、これらの変動を抑制するように無
効電力補償装置の出力を制御する方法も考えられるが、
この場合は、無効電力補償装置の設置点より電源側にあ
る負荷の変動による電圧変動を補償できない。これに対
して本発明の無効電力補償装置では、配電線の電圧を検
出しているため、電源側、負荷側によらず、配電線にお
ける負荷変動による電圧変動を抑制できるという効果が
ある。
【0045】加えて、本発明の無効電力補償装置では、
配電線の電圧を検出しているため、電圧調整器のタップ
切り替え動作で生じる急峻な電圧変動を無効電圧補償装
置が補償できる。この結果、無効電力補償装置から電圧
調整器への電圧補償分担の過程で生じる電圧変化が滑ら
かになるため、配電線に接続している電子機器のような
急峻な電圧変動に弱い機器に対する影響を軽減できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の無効電力補償システム
を適用してなる電力系統の全体構成図である。
【図2】無効電力制御による電圧補償の原理を説明する
図である。
【図3】電圧調整器による電圧補償の特徴を説明する図
である。
【図4】無効電力補償装置による電圧補償の特徴を説明
する図である。
【図5】図1実施の形態の動作を説明するための、各部
の動作波形を示す図である。
【図6】図1実施の形態の電圧指令補正回路の具体例を
示す図である。
【図7】図1実施の形態の電圧指令補正回路の他の具体
例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の無効電力補償シス
テムを適用してなる電力系統の全体構成図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の無効電力補償シス
テムを適用してなる電力系統の全体構成図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態の無効電力補償シ
ステムを適用してなる電力系統の全体構成図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態の無効電力補償シ
ステムを適用してなる電力系統の全体構成図である。
【符号の説明】
1 交流電源 3 無効電力補償装置 4 配電線 6 減算器 7 電圧制御回路 8 電流制御回路 9 PWM制御回路 10 電流センサ 12 電圧調整器 16 電圧センサ 17 電圧検出回路 18 無効電流検出回路 19、28 無効電流の定常指令値設定回路 20 減算器 21 電圧指令補正回路 22 電圧指令補正値演算回路 23 加算器 24 リミッタ回路 25 無効電力検出回路 26 無効電力の定常指令値設定回路 27 電圧異常判定回路 29 不感帯回路 221 積分回路 222 ゲイン回路 223 積分開始・停止指令設定回路 224 比較回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 叶井 実 東京都千代田区神田駿河台四丁目1番地 株式会社 日立製作所 電力事業部内 (72)発明者 中村 知治 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (72)発明者 安孫子 堅二 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1 号 東北電力株式会社内 (72)発明者 今野 正徳 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1 号 東北電力株式会社内 (72)発明者 高杉 和郎 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1 号 東北電力株式会社内 (72)発明者 石橋 孝二 宮城県多賀城市宮内二丁目2番1号 東 北電機製造株式会社内 (72)発明者 日山 泰之 宮城県多賀城市宮内二丁目2番1号 東 北電機製造株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−56035(JP,A) 特開 平4−317523(JP,A) 特開 昭57−16524(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 3/00 - 5/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 系統の電源側に接続されたタップ切り換
    え式の電圧調整器と、前記系統の負荷側に接続された無
    効電力補償装置と、系統電圧の検出値と指令値との偏差
    を低減するように前記無効電力補償装置の無効電流又は
    無効電力を制御する制御手段とを備えてなる無効電力補
    償システムにおいて、前記制御手段は、無効電流の検出
    値又は該検出値に相当する物理量を設定値に一定の変化
    速度で近付けるように系統電圧の前記指令値を補正する
    補正手段と、該補正された指令値が予め定められた判定
    基準値を超えたときに異常信号を出力する異常判定手段
    とを備え、前記異常信号に基づいて無効電流の検出値又
    は該検出値に相当する物理量に係る前記設定値を大きな
    値に変更することを特徴とする無効電力補償システム。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、無効電流の検出値又は
    該検出値に相当する物理量と前記設定値との偏差に基づ
    いて、該偏差を一定の変化速度で低減するように系統電
    圧の前記指令値を補正することを特徴とする請求項
    記載の無効電力補償システム。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、無効電流の検出値又は
    該検出値に相当する物理量と設定値との偏差を積分する
    積分手段と、該積分手段の出力を系統電圧の前記指令値
    に加算する加算手段とを備えてなることを特徴とする請
    求項に記載の無効電力補償システム。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、無効電流の検出値又は
    該検出値に相当する物理量と設定値との偏差が予め設定
    されたしきい値を超えたときに一定値を出力する比較手
    段と、該比較手段の出力を積分する積分手段と、該積分
    手段の出力を系統電圧の前記指令値に加算する加算手段
    とを備えてなることを特徴とする請求項に記載の無効
    電力補償システム。
  5. 【請求項5】 前記補正手段は、補正後の系統電圧の指
    令値の大きさを制限するリミッタ回路を有し、該リミッ
    タ回路が動作したときに前記積分手段の積分動作を停止
    させることを特徴とする請求項3又は4に記載の無効電
    力補償システム。
  6. 【請求項6】 前記補正手段に入力される無効電流の検
    出値又は該検出値に相当する物理量を入力とし、該入力
    値が予め定めた不感帯を超えたときに該入力値を前記補
    正手段に入力する不感帯回路を設け、前記異常信号によ
    り前記不感帯回路を動作させることを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれかに記載の無効電力補償システム。
  7. 【請求項7】 系統の電源側に接続されたタップ切り換
    え式の電圧調整器と、前記系統に接続された無効電力補
    償装置と、系統電圧の検出値と指令値との偏差を低減す
    るように前記無効電力補償装置の無効電流又は無効電力
    を制御する制御手段とを備えてなる無効電力補償システ
    ムにおいて、前記制御手段は、無効電流の検出値又は該
    検出値に相当する物理量と設定値との偏差を求め、該偏
    差が予め設定されたしきい値を超えたときに一定値を出
    力する比較手段と、該比較手段の出力を積分する積分手
    段と、該積分手段の出力を系統電圧の前記指令値に加算
    する加算手段とを備えてなることを特徴とする無効電力
    補償システム。
  8. 【請求項8】 系統の電源側に接続されたタップ切り換
    え式の電圧調整器と、前記系統に接続された無効電力補
    償装置と、系統電圧の検出値と指令値との偏差を低減す
    るように前記無効電力補償装置の無効電流又は無効電力
    を制御する制御手段とを備えてなる無効電力補償システ
    ムにおいて、前記制御手段は、無効電流の指令値を設定
    値に一定の変化速度で近付けるように系統電圧の指令値
    を補正する補正手段を有し、該補正手段は、無効電流の
    指令値と設定値との偏差を積分する積分手段と、該積分
    手段の出力を系統電圧の前記指令値に加算する加算手段
    とを備えてなることを特徴とする無効電力補償システ
    ム。
  9. 【請求項9】 系統の電源側に接続されたタップ切り換
    え式の電圧調整器と、前記系統に接続された無効電力補
    償装置と、系統電圧の検出値と指令値との偏差を低減す
    るように前記無効電力補償装置の無効電流又は無効電力
    を制御する制御手段とを備えてなる無効電力補償システ
    ムにおいて、前記制御手段は、無効電流の指令値を設定
    値に一定の変化速度で近付けるように系統電圧の指令値
    を補正する補正手段を有し、該補正手段は、無効電流の
    指令値と設定値の偏差が予め設定されたしきい値を超え
    たときに一定値を出力する比較手段と、該比較手段の出
    力を積分する積分手段と、該積分手段の出力を系統電圧
    の前記指令値に加算する加算手段とを備えてなることを
    特徴とする無効電力補償システム。
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