JP4734213B2 - 電力変換装置あるいは無効電力補償装置による交流電圧制御方法 - Google Patents

電力変換装置あるいは無効電力補償装置による交流電圧制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電鉄用交流き電系統を含めた電力系統に接続され、有効電力や無効電力を供給あるいは消費することにより、負荷に供給する交流電圧の大きさを制御する電力変換装置、あるいは無効電力補償装置の制御方法に関するものである。
電力系統においては、交流電圧を一定範囲に維持するために、逆並列接続したサイリスタを制御してリアクトル電流の大きさを変える無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)や、自励式交直変換器を用いた電力変換装置が一般的に使用される。図28はき電系統に無効電力補償装置あるいは電力変換装置が接続されたシステムの構成を示す図である。
線路に沿って数十kmおきに、き電変電所100が設けられる。各き電変電所100では電力系統101から三相交流電力を受電し、系統インピーダンス102、き電変圧器103及びき電線路(トロリー線)104を介して単相交流電力を列車負荷106に供給する。変電所間の中間付近にはセクション(開閉所)107が設けられ、運用方法によって両側のき電線路104を接続したり切り離したりする。切り離されている場合は、図28のように変電所100からセクション107までの間が1つのき電区間となる。接続状態であれば、隣接する変電所間が1つのき電区間となる。各き電区間は電気的に独立している。
電力が、電力系統の系統インピーダンス102、更にき電変圧器103、き電線路104を通して列車106に供給されるため、列車106の台数が多い場合など、電圧が低下して問題になる場合がある。そこで、き電変電所100やセクション107に、105に示す無効電力補償装置あるいは電力変換装置が設置され、電圧低下の割合に応じて無効電力や有効電力をき電線路104に供給することによってき電回路電圧を適切な値に維持する。
図29に一般的な交流電圧制御を適用した無効電力補償装置(SVC)、図30に一般的な交流電圧制御を適用した電力変換装置のシステム構成(単線結線図)を示す。
図29の無効電力補償装置では、交流母線1に変圧器2を介してサイリスタ制御リアクトル3及び電力用コンデンサ4が接続されている。電圧検出器5により交流電圧の大きさVacを検出し、交流電圧Vacと電圧指令値Vrefとの差分を差分器24で演算し、交流電圧制御回路6に入力する。交流電圧制御回路6は、比例積分回路や1次遅れ回路等で構成され、検出電圧Vacが指令値Vrefに追従する(前記差分が0となる)よう動作する。交流電圧制御回路6の出力値を無効電流指令値Iqrefとして出力電流制御回路7に与える。出力電流制御回路7では指令値Iqrefどおりの無効電流が得られるようサイリスタの導通期間を演算し、その結果をパルス発生回路8に与える。パルス発生回路8では出力電流制御回路7の出力に従って、サイリスタ制御リアクトル3にスイッチングパルスを与える。これにより、リアクトルに流れる遅れ無効電流の大きさが調整され、系統電圧検出値Vacが指令値Vrefに追従するよう無効電力補償装置が動作する。
尚、き電系統においては、電圧指令値Vrefはき電系統の定格電圧(目標値)であって、例えば30kVの電圧である。また、き電系統において母線1は、き電線104や、き電変圧器103に接続され、サイリスタリアクトル3及び電力用コンデンサ4の図中下方は、鉄道のレールに接続される。
一方、図30の電力変換装置は、自励式交直変換装置を用いて、母線側の系統に対して有効電力の融通及び無効電力の供給や消費を行うシステムで、交流母線1に変圧器9を介して自励式変換器10が接続されており、変換器10の直流側には直流電源11が接続されている。この直流電源11は例えば電力系統からの交流電圧を整流して直流電圧を発生する。
電圧検出器5により交流電圧の大きさVacを検出し、電圧指令値Vrefとの差分を差分器24で演算し、交流電圧制御回路12に入力する。交流電圧制御回路12は図29の交流電圧制御回路6と基本的に同一であって、比例積分回路や1次遅れ回路等で構成され、検出電圧Vacが指令値Vrefに追従する(前記差分が0になる)よう動作する。交流電圧制御回路12の出力値を無効電流指令値Iqrefとして、電流検出器13により検出された無効電流検出値Iqとの差分を差分器54で演算する。
一方、有効電力に関してはシステムの目的ごとに制御方法は異なるが、例えば直流電源の発電量や負荷量に応じた値を有効電流指令値Idrefとして与え、電流検出器13により検出された有効電流検出値Idとの差分を差分器55で演算する。有効電流指令値Idrefは、き電系統においては例えば負荷に応じて可変される最適値である。無効電流、有効電流それぞれの検出値と指令値の差分は、出力電流制御回路14に入力される。出力電流制御回路14では、無効電流及び有効電流がそれぞれの指令値に追従するような信号を出力する。出力電流制御回路14の出力に従って、パルス発生回路15は変換器10にスイッチングパルスを与える。これにより、出力電流の無効電力成分が調整され、系統電圧検出値Vacが指令値Vrefに追従するよう変換装置が動作する。
尚、図29及び図30においては遅れ無効電力(誘導性無効電力)を正符号としている。また直流電源11のかわりに直流系を介してもう一組の自励式変換器を接続し、他の交流系統との間で有効電力を融通しながら無効電力に関しては図30と同様の制御を行う直流連系システムや、直流電源11のかわりに直流コンデンサを接続し、その直流コンデンサを充放電することによって直流電圧を一定に保ちながら無効電力に関しては図30と同様の制御を行う自励式無効電力補償装置(STATCOM;Static Synchronous Compensator)などのシステムもある。
図29と図30のシステムで無効電力の発生手段は異なるが、交流電圧制御回路6、12に関する部分の制御システムは一般に同等のものが使用されている。
また、交流き電回路のように電圧変動の主な原因が負荷(き電回路の場合は列車負荷)の消費電力である場合には、図30に示すような電力変換装置によって、検出した交流電圧の大きさに応じて無効電力だけでなく有効電力も調節することで、系統電圧を維持するシステムも提案されている(特許文献1)。
一般的に図29や図30の交流電圧制御回路6、12の応答特性は、接続される交流系統の特性にあわせて設定される。交流電圧制御回路6、12を構成する1次遅れ回路や比例積分回路の制御ゲインを大きくしたり時定数を小さくすることにより、応答速度が早くなり電圧変動を高速に抑制できる一方、振動が発生したりオーバーシュートが大きくなるなど動作が不安定になりやすい。
交流き電回路にこれらの装置を設置する場合、主な目的は負荷量が増えた場合、すなわち、列車台数が増えた時の電圧低下を防止することである。一般にき電回路は電力系統の末端であり電圧感度が高いため、交流電圧制御の応答を早くすると不安定になりやすい。また列車の発車時あるいは加速時の列車負荷の起動は比較的ゆっくりしていて数秒オーダーであるため、交流き電回路に設置される無効電力補償装置SVCや電力変換装置の交流電圧制御も、それに追従すればよい程度のゆっくりした応答特性をもたせる。
一方、列車が、き電区間を抜ける(次のき電区間に移動する)場合は負荷電力が瞬時に減少するためステップ的に過電圧が発生する。しかし、上記のように比較的ゆっくりした応答特性をもつ無効電力補償装置や電力変換装置では、そうした瞬時の電圧変動を抑制することはできず、数百ms以上にわたって同一き電区間内の他の列車に供給する電圧が上昇した状態となる。この電圧上昇の時間が長すぎたり上昇が大きすぎると、保護装置が動作するといった問題が発生する。
電圧の急峻な変化や大幅な変化に対して、無効電力補償装置や電力変換装置の制御を切り換えることによって変動を抑制する方法として、特許文献2、特許文献3、特許文献4などが提案されている。特許文献2では大幅な電圧変動が発生した場合に、有効電力制御優先から無効電力制御優先へ切り換えている。特許文献3では系統で事故が発生した場合に、無効電力制御の指令値を最小またはそれに近い値に切り換えている。特許文献4では過電圧発生時に電圧制御とは無関係に、強制的に無効電力出力値を切り換えている。特許文献2や特許文献3の場合、無効電力制御の応答速度が遅い場合には急峻な電圧変動には対応できない。また特許文献3や特許文献4の方法の場合、事故ではなく通常の運用で生じた急峻な電圧変動に対して切換を行うと、その後の電圧変動に適切に対応できないといった問題がある。
本発明の目的は、通常の運用で生じた急峻な電圧変動に対して高速に変動を抑制し、且つ、ゆっくりした電圧変動に対しても適切に制御を行うことのできる電力変換装置及び無効電力補償の制御方法を提供することにある。
出願番号P2004-381798 電力変換装置の制御方法 特開平3-159571 自励式電力変換装置の制御装置 特開平6-70471 電力制御装置 特開平4-265631 無効電力補償装置
上記目的を達成するために、本発明の1実施例に係る交流電圧制御方法は、無効電力を入出力することによって、交流系統に供給される交流電圧の大きさを調整する無効電力補償装置における交流電圧制御方法において、前記無効電力補償装置が接続された前記交流系統の電圧検出値の大きさと、所定の電圧指令値の差分が、零に近づくように無効電流指令値を発生する工程と、前記交流電圧の基本周波数の所定サイクル数以内の短時間における前記電圧検出値の変化量が第1所定値を超えたか否か判断し、前記変化量が第1所定値を超えた場合に動作指令信号を提供する工程と、前記動作指令信号が提供された場合、第2所定値の大きさで第1所定時間継続し、その後徐々に減少してゼロとなる信号を前記無効電流指令値に付加して前記無効電流指令値を補正する工程と、前記無効電力補償装置の無効電流出力が前記補正された無効電流指令値に追従するよう制御を行う工程とを具備する。
通常の運用で生じた急峻な電圧変動に対して高速に変動を抑制し、且つ、ゆっくりした電圧変動に対しても適切に制御を行うことのできる電力変換装置及び無効電力補償の制御方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[第1実施例]
図1は本発明の第1実施例に係る無効電力補償装置の交流電圧制御ブロックの構成を示す図で、図29の交流電圧制御回路6に対して遅延回路16、差分器17、レベル検出器18、無効電流指令値補正回路19、加算器20、リミッタ回路21を追加したものである。
図29の電圧検出器5で検出された交流電圧検出値Vacが遅延回路16に入力され、設定された遅延時間ΔTdだけ遅延される。遅延時間ΔTdとしては交流電圧の基本周波数の所定サイクル数以内、例えば半サイクル程度の値を設定しておく。差分器17において交流電圧検出値Vacと遅延回路16の差分が演算されレベル検出器18に入力される。レベル検出器18では入力信号が予め設定された動作レベル値を越えた場合に、無効電流指令値補正回路19に対して動作指令(例えばHレベル信号)を与える。無効電流指令値補正回路19は動作指令が与えられると、図2に示すような無効電流指令補正値ΔIqrefを出力し、その値が加算器20により交流電圧制御回路6の出力である補正前の無効電流指令値Iqrefoに加算され、リミッタ回路21で例えば機器定格容量などを越えないような値に制限し、その結果得られた値が最終的な無効電流指令値Iqrefとして図29の出力電流制御回路7に与えられる。
これ以降の構成は図29と同様であり、交流電圧制御回路6は無効電流指令値補正回路19の動作の有無に関係なく、従来システムと同様に交流電圧検出値Vacが指令値Vrefに追従するよう動作する。
(作用)
図1の制御方法を用いた場合、交流電圧の変動が小さい場合や、き電回路における負荷起動のようにゆっくり交流電圧が変動する場合には、現時点での交流電圧検出値Vacと遅延時間ΔTd前の交流電圧検出値すなわち遅延回路16の出力電圧の差は小さいため、レベル検出器18は動作しない。このため無効電流指令補正値ΔIqrefはゼロであり、最終的な無効電流指令値Iqrefとしては交流電圧制御回路6の出力Iqrefoがそのまま使用される。すなわち従来の無効電力補償装置の制御と全く同じ動作をする。
一方、き電回路において列車負荷が当該き電区間を抜けた場合などに、交流電圧の大きさが急激に上昇し、その変動の大きさが遅延回路16の遅延時間ΔTdの間にレベル検出器18の設定レベルを越えると、レベル検出器18は動作指令を出力し、無効電流指令値補正回路19の出力が図2に示すように変化する。すなわちステップ的にサイリスタリアクトル3の遅れ無効電流が増加するように動作し、その値ΔIqrefが一定持続時間ΔTconの間継続しその後ゆるやかにゼロに戻る。この補正値ΔIqrefの下がり方は、例えば一時遅れ特性を有している。一方、交流電圧制御回路6は応答がゆっくりしているため、交流電圧が急に大きくなってもすぐには出力が変化せず、その後、徐々に無効電流指令値Iqrefoが増加するよう動作する。
図3に、列車負荷がき電区間を抜けた場合の過渡シミュレーション結果を示す。図3Aが従来の無効電力補償装置を適用した場合、図3Bが本実施形態の無効電力補償装置を適用した場合である。従来の無効電力補償装置を適用した場合には、電圧が上昇する前の電圧に対し約1.3倍の過電圧が発生するが、無効電流指令値Iqrefが過電圧を充分抑制するまで増加するのに200ms程度かかっており、大きな過電圧が100ms以上発生している。それに対し、本実施形態の制御を適用すると、過電圧発生直後に無効電流指令補正値ΔIqrefが0.3puまでステップ的に増加し(PU:定格値)、交流電圧制御回路出力Iqrefoと加算されて最終的な指令値Iqrefは0.47puとなる。これにより、過電圧は急速に低減されている。その後、交流電圧制御回路6の出力Iqrefoが徐々に増加する一方、無効電流指令補正値ΔIqrefは一定時間保持された後ゼロリセットされるため、それらが加算された最終的な指令値Iqrefは大きく変動することなく従来制御を適用した場合とほぼ同じ値で落着いている。尚、無効電流指令補正値ΔIqrefの大きさ及び持続時間ΔTconの長さは、シミュレーション、実験などにより決まる値である。
(効果)
本実施例による無効電力補償装置を使用すると、負荷起動などによるゆっくりした電圧変化に対しては、従来通り交流電圧制御により安定に系統電圧が電圧指令値に近づくよう無効電力出力が制御され、列車がき電区間を抜けて急峻な過電圧が発生した場合には、ステップ的に遅れ無効電力出力を増加させて高速に過電圧を抑制することができ、更に制御の切換などを行うことなくスムーズに通常時の制御に戻ることができる。
[第2実施例]
上記第1実施例では交流電圧制御方式を、無効電力補償装置に適用する場合について説明したが、自励式交直変換器を用いた電力変換装置の無効電力制御に本実施例を適用する場合も、全く同じ作用、効果を得ることができる。この場合、図1に示す構成の交流電圧制御ブロックを図30に示す電力変換装置の交流電圧制御回路12周辺部分に適用する。有効電力制御の方法については従来システムと同様である。
[第3実施例]
上記第1実施例では交流電圧制御回路6で使用する交流電圧検出値Vacと、遅延回路16及び差分器17に入力されて交流電圧の変動の大きさを検出するための交流電圧検出値Vacを、共通の信号としていたが、これを別々の信号を使用しても同様の効果を得ることができる。つまり、交流電圧制御回路6は比較的応答速度がゆっくりしているため、そこで使用する電圧検出値も若干の遅れは許容できるので、例えば高調波成分を除去するなどの処理をした信号を電圧検出値として使用する。一方、電圧変動の大きさを検出するための交流電圧検出値は高速性が求められるため、そうした処理を行わないといった方法を適用することができる。他の部分の構成や作用は第1実施例と同様である。
[第4実施例]
図4は本発明の第4実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロックの構成を示す図で、図30の交流電圧制御回路12に対して遅延回路16、差分器17、レベル検出器18、有効電流指令値補正回路22、無効電流指令値補正回路19、加算器20、加算器23、リミッタ回路21、リミッタ回路56を追加したものである。
図30の電圧検出器5で検出された交流電圧検出値Vacが遅延回路16に入力され、設定された遅延時間ΔTdだけ遅延される。差分器17において遅延回路16の出力信号と交流電圧検出値Vacとの差分が演算されレベル検出器18に入力される。レベル検出器18では入力信号が予め設定された動作レベル値を越えた場合に、有効電流指令値補正回路22及び無効電流指令値補正回路19に対して動作指令を与える。
有効電流指令値補正回路22及び無効電流指令値補正回路19は動作指令が与えられると、それぞれ有効電流指令補正値ΔIdref、無効電流指令補正値ΔIqrefを出力する。有効電流指令補正値ΔIdref及び無効電流指令補正値ΔIqrefは、それぞれ加算器23、加算器20により補正前の有効電流指令値Idrefo、補正前の無効電流指令値Iqrefoに加算され、リミッタ回路56、リミッタ回路21で例えば有効電力定格値、無効電力定格値などを越えないような値に制限される。その結果得られた値が最終的な有効電流指令値Idref及び無効電流指令値Iqrefとして、図30の差分器54、55にそれぞれに与えられる。以下の構成は図30と同じである。
交流電圧制御回路12は無効電流指令値補正回路19の動作の有無に関係なく、従来システムと同様に交流電圧検出値Vacが指令値Vrefに追従するように動作する。また補正前の有効電流指令値Idrefoは上位制御システムから与えられる信号で、有効電流指令値補正回路22の動作の有無に関係なく通常の値が供給される。
(作用)
図4の制御方法を用いた場合、交流電圧の変動が小さい場合や、き電回路における負荷起動のようにゆっくり電圧が変動する場合には、現時点での交流電圧検出値Vacと遅延時間ΔTd前の交流電圧検出値すなわち遅延回路16の出力の差は小さいため、レベル検出器18は動作しない。このため有効電流指令補正値ΔIdref、無効電流指令補正値ΔIqrefはゼロであり、最終的な有効電流指令値Idrefは上位制御系から与えられるIdrefoが、無効電流指令値Iqrefとしては、交流電圧制御回路12の出力Iqrefoがそのまま使用される。すなわち従来の電力変換装置と全く同じ動作をする。
一方、交流電圧の大きさが急激に上昇し、その変動の大きさが遅延回路16の遅延時間ΔTdの間にレベル検出器18の設定レベルを越えると有効電流指令値補正回路22及び無効電流指令値補正回路19の出力信号が図5に示すように変化する。すなわち有効電流及び遅れ無効電流がステップ的に増加し、その値が一定時間ΔTcond、ΔTconqの間継続し、その後ゆるやかにゼロに戻る。ここで有効電流指令補正値ΔIdrefは、図30の変換器10が消費する電力を増加させる方向の値であり、事前に変換器10が系統へ有効電力を供給する運転を行っていれば、その供給量を減らす方向の値である。有効電流、無効電流の指令値補正幅ΔIdrefとΔIqref、継続時間ΔTcondとΔTconqはそれぞれ異なる値を設定することが可能である。一方、交流電圧制御回路12は応答がゆっくりしているため、交流電圧が急に大きくなってもすぐには出力が変化せず、その後、徐々に無効電流指令値Iqrefoが増加するよう動作する。
尚、有効電流指令補正値ΔIdref及び無効電流指令補正値ΔIqrefの大きさ、ならびに持続時間ΔTcond及びΔTconqの長さは、前述したようにシミュレーション、実験などにより決まる値である。
本実施形態の制御を適用することにより、急峻な過電圧が発生した場合、変換器による有効電力消費量及び遅れ無効電力出力がステップ的に増加し、過電圧は急速に低減される。
(効果)
本実施例による電力変換装置を使用すると、負荷起動などによるゆっくりした電圧変化に対しては、従来通り交流電圧制御回路12により安定に系統電圧が電圧指令値に近づくよう無効電力出力が制御され、列車がき電区間を抜けた場合などに急峻な過電圧が発生すると、ステップ的に遅れ無効電力出力を増加させ、かつ変換器10による有効電力消費量を増やす、あるいは有効電力供給量を減らす。この結果、高速に過電圧を抑制することができ、更に制御の切換などを行うことなくスムーズに通常時の制御に戻ることができる。電圧変動の要因が負荷量、すなわち有効電力量の変化である場合には、変換器の無効電力出力のみを補正するよりも、本実施例のように有効電力と無効電力の両方を補正した方が、より効果的に電圧変動を抑制できる。
[第5実施例]
図6は本発明の第5実施例に係る電力変換装置の交流電圧の制御ブロックの構成を示す図で、図30の交流電圧制御回路12に対して遅延回路16、差分器17、レベル検出器18、電流指令値補正回路25、増幅器26、増幅器27、加算器20、加算器23、リミッタ回路21、リミッタ回路56を追加したものである。
本実施例が図4の第4実施例と異なる点は、図4の有効電流指令値補正回路22と無効電流指令値補正回路19の代わりに、電流指令値補正回路25、増幅器26、増幅器27を設けた点であり、その他の構成は第4実施例と同じである。
電流指令値補正回路25の出力に対して増幅器26で増幅率Kd倍した値が、有効電流指令補正値ΔIdrefとして加算器23に供給される。有効電流指令補正値ΔIdrefは、加算器23により上位制御系からの指令値Idrefoと加算され、リミッタ回路56を通り、最終的な有効電流指令値Idrefが提供される。また電流指令値補正回路25の出力に対して増幅器27で増幅率Kq倍した値が、無効電流指令補正値ΔIqrefとして加算器20に供給される。無効電流指令補正値ΔIqrefは、加算器20により交流電圧制御回路12の出力Iqrefoと加算され、リミッタ回路21を通り、最終的な無効電流指令値Iqrefが提供される。
(作用)
図4の第4実施例は、有効電流指令補正値ΔIdref、無効電流指令補正値ΔIqrefがそれぞれ図5に示すように個別の値、継続時間、戻し速度を設定できる構成である。それに対して図6の第5実施例における電流指令値補正回路25は図2と同様の信号を出力し、この出力信号に対して異なる増幅率Kd、Kq倍した値が有効電流指令補正値ΔIdref、無効電流指令補正値ΔIqrefとなる。このため、両信号の大きさは個別に設定できるが、継続時間や戻し速度は共通である。有効電力の補正と無効電力の補正の継続時間や戻し速度に違いを持たせる必要がない場合には、第4実施例に比べて回路構成が簡便な第5実施例を使用しても同等の作用及び効果を得ることができる。シミュレーション結果、実験結果、変電所の特性、き電系統の特性を考慮して適切な回路構成が決定される。
[第6実施例]
図7は本発明の第6実施例に係る電力変換装置の交流電圧の制御ブロックの構成を示す図で、前述の第4及び第5実施例等では、上位系から与えられる有効電流指令値Idrefoを、交流電圧制御回路12の出力を使用して生成したものである。上記特許文献1で提案されている制御方法に対し、第4実施例と同様に遅延回路16、差分器17、レベル検出器18、有効電流指令値補正回路22、無効電流指令値補正回路19、加算器20、加算器23、リミッタ回路21、リミッタ回路56を追加したものである。
(作用)
図7の制御方法を用いた場合、交流電圧の変動が小さい場合や、き電回路における負荷起動のようにゆっくり電圧が変動する場合には、現時点での交流電圧検出値Vacと遅延時間ΔTd前の交流電圧検出値すなわち遅延回路16の出力の差は小さいためレベル検出器18は動作しない。このため有効電流指令補正値ΔIdref、無効電流指令補正値ΔIqrefはゼロであり、最終的な有効電流指令値Idref及び、無効電流指令値Iqrefとしては、交流電圧制御回路12の出力をそれぞれ増幅器28、増幅器29でKP倍、KQ倍した値がそのまま使用される。
一方、交流電圧の大きさが急激に上昇し、その変動の大きさが遅延回路16の遅延時間ΔTdの間にレベル検出器18の設定レベルを越えると有効電流指令値補正回路22及び無効電流指令値補正回路19の出力信号が図5に示すように変化し、一方、交流電圧制御回路12は応答がゆっくりしているため、交流電圧が急に大きくなってもすぐには出力が変化せず、その後、徐々に有効電流指令値Idrefo及び無効電流指令値Iqrefoが増加するよう動作する。
本実施形態の制御を適用することにより、急峻な過電圧が発生した場合、変換器による有効電力消費量及び遅れ無効電力出力がステップ的に増加し、過電圧は急速に低減される。
(効果)
本実施例による電力変換装置を使用すると、負荷起動などによるゆっくりした電圧変化に対しては、従来通り交流電圧制御により安定に系統電圧が電圧指令値に近づくよう有効電力出力及び無効電力出力が制御され、列車がき電区間を抜けた場合などに急峻な過電圧がすると、ステップ的に遅れ無効電力出力を増加させ、かつ変換器による有効電力消費量を増やす、あるいは有効電力供給量を減らす。この結果、高速に過電圧を抑制することができ、更に制御の切換などを行うことなくスムーズに通常時の制御に戻ることができる。電圧変動の要因が、負荷量すなわち有効電力量の変化である場合には、変換器の無効電力出力のみを補正するよりも、有効電力と無効電力の両方を補正した方が、より効果的に電圧変動を抑制できる。
[第7実施例]
図8は本発明の第7実施例に係る電力変換装置の交流電圧の制御ブロックの構成を示す図である。本実施例が図7の第6実施例と異なる点は、図7の有効電流指令値補正回路22と無効電流指令値補正回路19の代わりに、電流指令値補正回路25、増幅器26、増幅器27を設けた点であり、その他の構成は第6実施例と同じである。すなわち、第4実施例(図4)に対する第5実施例(図6)と同様である。
電流指令値補正回路25の出力に対して、増幅器26で増幅率Kd倍した値が有効電流指令補正値ΔIdrefとして加算器23に供給される。交流電圧制御回路12の出力に対して増幅器28で増幅率Kp倍した値が有効電流指令値Idrefoとして加算器23に供給される。加算器23は有効電流指令補正値ΔIdrefと有効電流指令値Idrefoとを加算し、その加算結果はリミッタ56を通り、最終的な電流指令値Idrefとして提供される。
また電流指令値補正回路25の出力に対して増幅器27で増幅率Kq倍した値が無効電流指令補正値ΔIqrefとして加算器20に供給される。交流電圧制御回路12の出力に対し増幅器29で増幅率KQ倍した値が無効電流指令値Iqrefoに加算器20に供給される。加算器20は無効電流指令補正値ΔIqrefと無効電流指令値Iqrefoとを加算し、その加算結果はリミッタ21を通り、最終的な無効電流指令値Iqrefとして提供される。
(作用)
前述の第6実施例は、有効電流指令補正値ΔIdref、無効電流指令補正値ΔIqrefがそれぞれ図5に示すように個別の値、継続時間、戻し速度を設定できる構成である。それに対して図8の第7実施例における電流指令値補正回路25は図2と同様の信号を出力し、この出力信号に対して異なる増幅率Kd、Kq倍した値が有効電流指令補正値ΔIdref、無効電流指令補正値ΔIqrefとなる。このため、両信号の補正の大きさは個別に設定できるが、継続時間や戻し速度は共通である。有効電力の補正と無効電力の補正の継続時間や戻し速度に違いを持たせる必要がない場合には、前述の第6実施例に比べて回路構成が簡便な第7実施例を使用しても同等の作用及び効果を得ることができる。前述したように、シミュレーション結果、実験結果、変電所の特性、き電系統の特性を考慮して適切な回路構成が決定される。
[その他の実施例]
以上で説明した各実施例(第4実施例〜第7実施例)では、検出した交流電圧の大きさが短時間で大きく変化した際に、有効電流指令値及び無効電流指令値に対して補正を行う構成としたが、無効電流指令値のみ、あるいは有効電流指令値のみに対して補正を行う構成でも同等の効果を得ることができる。
例えば融通する有効電力量は一定に保ちたいようなシステムでは無効電力のみに補正を行う。方法としては例えば図4や図7の構成の制御回路であれば、有効電流指令値補正回路22内の補正値ΔIdrefの大きさをゼロに設定するか、あるいは有効電流指令値補正回路22自体を省略すればよい。また図6や図8の構成の制御回路であれば、増幅器26の増幅率Kdをゼロに設定するか、あるいは増幅器26自体を省略すればよい。逆に有効電力のみに補正を行う場合も同様の方法で実現できる。
有効電力のみ、あるいは無効電力のみの制御でも交流電圧の大きさを制御することはできるので、適用するシステムの設置目的や設置系統の特性などに応じて有効電力の補正と無効電力の補正の比率を選択すればよい。
[第8実施例]
図9は本発明の第8実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。この制御ブロックは、図1に示す第1実施例のレベル検出器18と無効電流指令値補正回路19の代わりに、複数のレベル検出器18−1、18−2〜18−n及び複数の無効電流指令値補正回路19−1、19−2〜19−n、及び最大値選択回路30を設けたものである。
第1実施例と同様に、交流電圧検出値Vacが遅延回路16に入力され、設定された遅延時間ΔTdだけ遅延され、差分器17において交流電圧検出値Vacと遅延回路16の差分が演算される。この差分が複数のレベル検出器18−1、18−2〜18−nに入力される。各レベル検出器は入力信号が予め設定された動作レベル値を越えた場合に、無効電流指令値補正回路19−1、19−2〜19−nに対して動作指令を与える。この動作レベル値は各レベル検出器ごとに異なる値が設定されている。
各無効電流指令値補正回路は動作指令が与えられると、それぞれ異なる値の無効電流指令補正値ΔIqref−1、ΔIqref−2〜ΔIqref−nを出力し、その値が最大値選択回路30に入力される。最大値選択回路30は、入力される無効電流指令補正値の中で、最も大きい値を常に選択し、選択した値を無効電流指令補正値ΔIqrefとして出力する。これ以降の構成は図1の第1実施例と同様であり、無効電流指令補正値ΔIqrefは加算器20により補正前の無効電流指令値Iqrefoに加算され、最終的な無効電流指令値Iqrefとして図29の出力電流制御回路7に与えられる。
(作用)
本実施例において、無効電流指令値補正回路19−1、19−2〜19−nに設定されている無効電流指令補正値ΔIqref−1、ΔIqref−2〜ΔIqref−nは、それぞれの動作指令を与えるレベル検出器18−1、18−2〜18−nに設定された動作レベル値に応じた値を使用する。動作レベル値が大きいほど、すなわち電圧の変化量が大きいほど無効電流指令補正値の大きさも大きい値とする。例えば、レベル検出器18−1のレベル値がΔV=2kV、レベル検出器18−2のレベル値がΔV=3kV、レベル検出器18−3のレベル値がΔV=4kVの場合、値ΔIqref−1=0.1pu、ΔIqref−2=0.2pu、ΔIqref−3=0.3puといった値を設定する。
このシステムで、電圧変化量が例えば4kVを越えた場合、各無効電流指令値補正回路19−1、19−2〜19−n及び最大値選択回路30の出力信号である最終的な無効電流指令補正値ΔIqrefは図10のように変化する。電圧変化量が2kVを越えた時点で無効電流指令値補正回路19−1が動作し、3kVを越えた時点で無効電流指令値補正回路19−2が動作し、4kVを越えた時点で無効電流指令値補正回路19−3が動作するが、動作時間差はわずかであり最終的な出力値は0.3puでほぼ無効電流指令値補正回路19−3の出力と等しい。
一方、電圧最大変化量が3〜4kVの間であれば無効電流指令値補正回路19−1と19−2のみが動作し、最終的な出力値は0.2puでほぼ無効電流指令値補正回路19−2の出力と等しい。更に、電圧最大変化量が2〜3kVの間であれば無効電流指令値補正回路19−1のみが動作し、最終的な出力値は0.1puである。
(効果)
以上のように、電圧変化量が大きいほど無効電流指令補正値も大きくなるため、より効果的に電圧変動を抑制することができる。また必要以上に補正を行うことによる電圧のアンダーシュートを防止できる。
[第9実施例]
図11は本発明の第9実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、有効電流指令補正値ΔIdref及び無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。この制御ブロックは、図4に示す第4実施例あるいは図7に示す第6実施例のレベル検出器18、有効電流指令値補正回路22、無効電流指令値補正回路19の代わりに、複数のレベル検出器18−1、18−2〜18−n、複数の有効電流指令値補正回路22−1、22−2〜22−n、複数の無効電流指令値補正回路19−1、19−2〜19−n、及び最大値選択回路31、最大値選択回路30を設けたものである。
前述の第4実施例、第6実施例と同様に、交流電圧検出値Vacが遅延回路16に入力され、設定された遅延時間ΔTdだけ遅延され、差分器17において交流電圧検出値Vacと遅延回路16の差分が演算される。この差分が複数のレベル検出器18−1、18−2〜18−nに入力される。各レベル検出器は入力信号が予め設定された動作レベル値を越えた場合に、有効電流指令値補正回路22−1、22−2〜22−n及び無効電流指令値補正回路19−1、19−2〜19−nに対して動作指令を与える。この動作レベル値は各レベル検出器ごとに異なる値が設定されている。
各有効電流指令値補正回路及び無効電流指令値補正回路は動作指令が与えられると、それぞれ異なる値の有効電流指令補正値、無効電流指令補正値を出力する。有効電流指令補正値は最大値選択回路31に、無効電流指令補正値は最大値選択回路30に入力されて、それぞれ最も大きい値が最終的な有効電流指令補正値ΔIdref、最終的な無効電流指令補正値ΔIqrefとして出力される。これ以降の構成は図4の第4実施例や図7の第6実施例と同様であり、有効電流指令補正値ΔIqrefは加算器23により補正前の有効電流指令値Idrefoに加算され、無効電流指令補正値ΔIqrefは加算器20により補正前の無効電流指令値Iqrefoに加算され、それぞれ最終的な電流指令値として、図30の差分器54、55にそれぞれに与えられる。
(作用)
本実施例では第8実施例と同様に、有効電流指令値補正回路22−1、22−2〜22−nに設定されている各有効電流指令補正値と、無効電流指令値補正回路19−1、19−2〜19−nに設定されている各無効電流指令補正値は、それぞれの動作指令を与えるレベル検出器18−1、18−2〜18−nに設定された動作レベル値に応じた値を使用する。動作レベル値が大きいほど、すなわち電圧の変化量が大きいほど有効電流指令補正値及び無効電流指令補正値の大きさも大きい値とする。
(効果)
これにより、電圧変化量が大きいほど有効電流指令補正値及び無効電流指令補正値も大きくなるため、より効果的に電圧変動を抑制することができる。また必要以上に補正を行うことによる電圧のアンダーシュートを防止できる。
[第10実施例]
図12は本発明の第10実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、有効電流指令補正値ΔIdref及び無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。この制御ブロックは、図6に示す第5実施例あるいは図8に示す第7実施例のレベル検出器18、電流指令値補正回路25の代わりに、複数のレベル検出器18−1、18−2〜18−n、複数の電流指令値補正回路25−1、25−2〜25−n、及び最大値選択回路30を設けたものである。
前述の第5実施例、第7実施例と同様に、交流電圧検出値Vacが遅延回路16に入力され、設定された遅延時間ΔTdだけ遅延され、差分器17において交流電圧検出値Vacと遅延回路16の差分が演算される。この差分が複数のレベル検出器18−1、18−2〜18−nに入力される。各レベル検出器は入力信号が予め設定された動作レベル値を越えた場合に、電流指令値補正回路25−1、25−2〜25−nに対して動作指令を与える。この動作レベル値は各レベル検出器ごとに異なる値が設定されている。各電流指令値補正回路は動作指令が与えられると、それぞれ異なる値の電流指令補正値を出力し、それらの電流指令補正値は最大値選択回路30に入力されて、最も大きい値が選択され、増幅器26、増幅器27に与えられる。各増幅器の出力が最終的な有効電流指令補正値ΔIdref、最終的な無効電流指令補正値ΔIqrefとして出力される。これ以降の構成は図6の第5実施例や図8の第7実施例と同様である。すなわち、有効電流指令補正値ΔIdrefは例えば図6の加算器23により補正前の有効電流指令値Idrefoに加算され、無効電流指令補正値ΔIqrefは加算器20により補正前の無効電流指令値Iqrefoに加算され、それぞれ最終的な電流指令値として図30の差分器54、55にそれぞれに与えられる。
(作用)
本実施例では第8実施例と同様に、電流指令値補正回路25−1、25−2〜25−nに設定されている各電流指令補正値は、それぞれの動作指令を与えるレベル検出器18−1、18−2〜18−nに設定された動作レベル値に応じた値を使用する。動作レベル値が大きいほど、すなわち電圧の変化量が大きいほど電流指令補正値の大きさも大きい値とする。
(効果)
これにより、電圧変化量が大きいほど有効電流指令補正値及び無効電流指令補正値も大きくなるため、より効果的に電圧変動を抑制することができる。また必要以上に補正を行うことによる電圧のアンダーシュートを防止できる。
[その他の実施例]
以上で説明した第9実施例及び第10実施例では、電圧変動のレベル(大きさ)に応じて、有効電流指令補正値と無効電流指令補正値の両方の大きさを変える構成とした。しかし、有効電流指令補正値は各レベル共通とし、無効電流指令補正値のみ電圧変動のレベルに応じて大きさを変える方法を使用しても同等の効果を得ることができる。逆に無効電流指令補正値は各レベル共通とし、有効電流指令補正値のみ電圧変動の大きさのレベルに応じて大きさを変える方法を使用しても同等の効果を得ることができる。
[第11実施例]
図13は本発明の第11実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図で、図1に示す第1実施例に対し、レベル検出器32と論理積(AND)回路33を追加したものである。
第1実施例と同様に、交流電圧検出値Vacが遅延回路16に入力され、設定された遅延時間ΔTdだけ遅延され、差分器17において交流電圧検出値Vacと遅延回路16の差分が演算される。この差分がレベル検出器18に入力され、レベル検出器18は入力信号が予め設定された動作レベル値を越えた場合に「ON(Hレベル)」信号を論理積回路33へ与える。一方、レベル検出器32には現時点での交流電圧検出値Vacが入力され、その大きさが予め設定された動作レベル値を越えた場合に「ON」信号を論理積回路33へ与える。
論理積回路33ではレベル検出器18及びレベル検出器32の出力の両方が「ON」となった場合に、無効電流指令値補正回路19に対して動作指令を与える。これ以降の構成は図1の第1実施例と同様である。すなわち、無効電流指令補正値ΔIqrefは図1の加算器20により補正前の無効電流指令値Iqrefoに加算され、最終的な無効電流指令値Iqrefとして図29の出力電流制御回路7に与えられる。
(作用)
本実施例を使用した場合、交流電圧検出値Vacが急激に大きく変動し、かつその過電圧値が一定値以上になった場合に、無効電流指令値補正回路19が動作して遅れ無効電流がステップ的に増加することによって過電圧が抑制される。Vacが急激に大きく変動しても、例えば変動する前の電圧が低下していて急峻に上昇した電圧の絶対値がレベル検出器32に設定された動作レベルを超えなければ、従来の制御と同様に交流電圧制御回路6のみで電圧の制御が行なわれる。また過電圧の絶対値が大きくても、変動がゆっくりしている場合にはレベル検出器18が動作しないので従来の制御と同様に交流電圧制御回路6のみで電圧の制御が行なわれる。
(効果)
電圧が急激に大きくなっても、その絶対値が大きくなければ問題のないような系統に接続されている場合には、本実施例の制御を適用することにより、急激な過電圧を抑制し、かつ低め電圧で運転している場合の不要な過電圧抑制動作を防止することができる。
[第12実施例]
図14は本発明の第12実施例に係る電力変換装置の制御回路中の、有効電流指令補正値ΔIdref、及び無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図で、図8に示す第7実施例に対し、レベル検出器32と論理積(AND)回路33を追加したものである。第11実施例と同様に、レベル検出器18は入力信号が予め設定された動作レベル値を越えた場合に「ON」信号を論理積回路33へ与える一方、レベル検出器32には現時点での交流電圧検出値Vacが入力され、その大きさが予め設定された動作レベル値を越えた場合に「ON」信号を論理積回路33へ与える。論理積回路33ではレベル検出器18及びレベル検出器32の出力の両方が「ON」となった場合に、電流指令値補正回路25に対して動作指令を与える。これ以外の構成は図8の第7実施例と同様である。
(作用)
本実施例を使用した場合、交流電圧検出値Vacが急激に大きく変動し、かつその過電圧値が一定値以上になった場合に、電流指令値補正回路25が動作して遅れ無効電流及び有効電力がステップ的に増加することによって過電圧が抑制される。検出値Vacが急激に大きく変動しても、たとえば変動する前の電圧が低下していて過電圧の絶対値がレベル検出器32に設定された動作レベルを超えなければ、従来の制御と同様に交流電圧制御回路12のみで電圧の制御が行なわれる。また過電圧の絶対値が大きくても、変動がゆっくりしている場合にはレベル検出器18が動作しないので従来の制御と同様に交流電圧制御回路12のみで電圧の制御が行なわれる。
(効果)
電圧が急激に大きくなっても、その絶対値が大きくなければ問題のないような系統に接続されている場合には、本実施例の制御を適用することにより、急激な過電圧を抑制し、且つ低め電圧で運転している場合の不要な過電圧抑制動作を防止することができる。
[その他の実施例]
図1の第1実施例に対して交流電圧検出値Vacに対するレベル検出器32と論理積回路33を追加することにより図13の第11実施例を構成し、図8の第7実施例に対して交流電圧検出値Vacに対するレベル検出器32と論理積回路33を追加することにより図14の第12実施例を構成したように、図4に示す第4実施例、図6に示す第5実施例、あるいは図7に示す第6実施例に対しても、交流電圧検出値Vacに対するレベル検出器32と論理積回路33を追加することによって、第11実施例、第12実施例と同様の効果を得ることができる。1例として、図7に示す第6実施例に対して、交流電圧検出値Vacに対するレベル検出器32と論理積回路33を追加した構成を図15に示す。
また、図9の第8実施例や図11の第9実施例、図12の第10実施例のように、電圧変化分に対する複数のレベル検出器18を設け、レベル値に応じて電流指令値に対する補正の大きさを変えたのと同様、図13の第11実施例及び図14の第12実施例においても、レベル検出器32とレベル検出器18の両方、あるいはいずれかについて、検出レベル値の異なる複数台のレベル検出器を設け、電圧変化の大きさ及び電圧の絶対値の大きさの組合せに応じて電流指令値の補正の大きさを変えてもよい。これにより、電圧変化量が大きいほどあるいは過電圧の絶対値が大きいほど有効電流指令補正値及び無効電流指令補正値も大きくなるため、より効果的に電圧変動を抑制することができる。また必要以上に補正を行うことによる電圧のアンダーシュートを防止できる。
[第13実施例]
図16は本発明の第13実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。この制御ブロックは図1に示す第1実施例に対し、レベル検出器32と論理和(OR)回路34を追加したものである。
第1実施例と同様に、交流電圧検出値Vacが遅延回路16に入力され、設定された遅延時間ΔTdだけ遅延され、差分器17において交流電圧検出値Vacと遅延回路16の差分が演算される。この差分がレベル検出器18に入力され、レベル検出器18は入力信号が予め設定された動作レベル値を越えた場合に「ON」信号を論理和回路34へ与える。一方、レベル検出器32には現時点での交流電圧検出値Vacが入力され、その大きさが予め設定された動作レベル値を越えた場合に「ON」信号を論理和回路34へ与える。
論理和回路34ではレベル検出器18あるいはレベル検出器32の出力のいずれか一方が「ON」となった場合に、無効電流指令値補正回路19に対して動作指令を与える。これ以降の構成は図1の第1実施例と同様である。すなわち、無効電流指令補正値ΔIqrefは加算器20により補正前の無効電流指令値Iqrefoに加算され、最終的な無効電流指令値Iqrefとして図29の出力電流制御回路7に与えられる。
(作用)
本実施例を使用した場合、交流電圧検出値Vacが急激に大きく変動した場合、あるいは過電圧値が一定値以上になった場合に、無効電流指令値補正回路19が動作し、遅れ無効電流がステップ的に増加することによって過電圧が抑制される。検出値Vacの電圧上昇が交流電圧制御回路6の応答速度より速く、遅延回路16と差分器17とレベル検出器18で構成されるレベル検出回路の応答速度より遅い場合で、過電圧の絶対値がレベル検出器32に設定された動作レベルを超えた場合には、無効電流指令値補正回路19が動作して過電圧を急速に抑制するよう動作する。
(効果)
電圧の変動がそれほど急峻でなくても、過電圧絶対値が大きいと問題が生じるような系統に接続されている場合には、本実施例の制御を適用することにより、確実に過電圧を抑制することができる。
[第14実施例]
図17は本発明の第14実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、有効電流指令補正値ΔIdref、及び無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。この制御ブロックは、図8に示す第7実施例に対し、レベル検出器32と論理和(OR)回路34を追加したものである。図16の第13実施例と同様に、レベル検出器18は入力信号が予め設定された動作レベル値を越えた場合に「ON」信号を論理和回路34へ与える。一方、レベル検出器32には現時点での交流電圧検出値Vacが入力され、その大きさが予め設定された動作レベル値を越えた場合に「ON」信号を論理和回路34へ与える。論理和回路34ではレベル検出器18あるいはレベル検出器32の出力のいずれか一方が「ON」となった場合に、電流指令値補正回路25に対して動作指令を与える。これ以降の構成は図8の第7実施例と同様である。
(作用)
本実施例を使用した場合、交流電圧検出値Vacが急激に大きく変動した場合、あるいは過電圧値が一定値以上になった場合に、電流指令値補正回路25が動作して有効電力及び遅れ無効電流がステップ的に増加することによって過電圧が抑制される。Vacの変動が比較的ゆっくりしていてレベル検出器18では動作しない場合でも、過電圧の絶対値が大きくなりレベル検出器32に設定された動作レベルを超えた場合には、電流指令値補正回路25が動作して過電圧を急速に抑制するよう動作する。
(効果)
電圧の変動がそれほど急峻でなくても、過電圧絶対値が大きいと問題が生じるような系統に接続されている場合には、本実施例の制御を適用することにより、確実に過電圧を抑制することができる。
[その他の実施例]
図1の第1実施例に対して交流電圧検出値Vacに対するレベル検出器32と論理和回路34を追加することにより図16の第13実施例を構成し、図8の第7実施例に対して交流電圧検出値Vacに対するレベル検出器32と論理和回路34を追加することにより図17の第14実施例を構成したように、図4に示す第4実施例、図6に示す第5実施例、あるいは図7に示す第6実施例に対しても、交流電圧検出値Vacに対するレベル検出器32と論理和回路34を追加することによって、第13実施例、第14実施例と同様の効果を得ることができる。1例として、図7に示す第6実施例に対して、交流電圧検出値Vacに対するレベル検出器32と論理和回路34を追加した構成を図18に示す。
また、図9の第8実施例や図11の第9実施例、図12の第10実施例のように、電圧変化分に対する複数のレベル検出器18を設け、レベル値に応じて電流指令値に対する補正の大きさを変えたのと同様、図16の第13実施例及び図17の第14実施例においても、レベル検出器32とレベル検出器18の両方、あるいはいずれかについて、レベル値の異なる複数台のレベル検出器を設ける構成とすれば、電圧変化の大きさ及び電圧の絶対値の大きさの組合せに応じて電流指令値の補正の大きさを変えることができる。これにより、電圧変化量が大きいほどあるいは過電圧の絶対値が大きいほど有効電流指令補正値及び無効電流指令補正値も大きくなるため、より効果的に電圧変動を抑制することができる。また必要以上に補正を行うことによる電圧のアンダーシュートを防止できる。
[第15実施例]
図19は本発明の第15実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、有効電流指令値及び無効電流指令値を出力する制御ブロックを示し、特に各電流指令値に対する出力リミッタの構成を示すブロック図である。図中の有効電流指令補正値ΔIdref’は図4、図7における有効電流指令値補正回路22の出力信号、あるいは図6、図8、図12、図14、図17における増幅器26の出力信号、あるいは図11における最大値選択回路31の出力信号である。また、無効電流指令補正値ΔIqref’は図4、図7における無効電流指令値補正回路19の出力信号、あるいは図6、図8、図12、図14、図17における増幅器27の出力信号、あるいは図11における最大値選択回路30の出力信号である。更に、図中の有効電流指令値Idrefo’は図4〜図17の各実施形態で上位制御系あるいは交流電圧制御回路12から与えられる有効電流指令値信号である。また、無効電流指令値Iqrefo’は図4〜図17の各実施形態で交流電圧制御回路12あるいは増幅回路29から与えられる無効電流指令値信号である。
上位制御系または交流電圧制御回路12から与えられる有効電流指令値Idrefo’は、例えば有効電力定格値±0.8puなど、予め設定された上下限値をもつリミッタ回路35で値が制限された後、加算器23で有効電流指令補正値ΔIdref’と加算されリミッタ回路56に与えられる。尚、この有効電力定格値とは厳密にいうと、図30に示すような変換器10の有効電力定格値に対応する有効電流定格値である。例えば系統の定格電圧が30kVの場合、有効電流定格値(pu)は有効電力定格値を30kVで割った値である。この例では、リミッタ回路35の制限値は、この有効電流定格値±0.8puに設定される。以下の説明においても同様に、リミッタ回路の制限値を示す場合に用いられる電力定格値は、電力定格値に対応する電流定格値を示す。
また、交流電圧制御回路12あるいは増幅回路29から与えられる無効電流指令値Iqrefo’は、例えば無効電力定格値±0.6puなど、予め設定された上下限値をもつリミッタ回路36で値が制限された後(ここで−0.6puは変換器が系統から吸収する電力定格に相当する)、加算器20で無効電流指令補正値ΔIqref’と加算されリミッタ回路21に与えられる。
無効電流指令値に対するリミッタ回路21は上限値として例えば変換器10の容量定格(皮相電力定格値)MVAmax=+1.0pu、下限値としてMVAmin=−1.0puなど予め設定された上下限値をもっており、最終的な無効電流指令値Iqrefはその値を逸脱しないよう制限される。更にこの最終的な無効電流指令値Iqrefはリミット値演算回路37に与えられ、リミット値演算回路37ではこの値を基に、リミッタ回路56で使用する上下限リミット値を演算する。演算方法としては、たとえば変換器の容量定格がMVAの場合、上限リミット値=+√(MVA−Iqref)、下限リミット値=−√(MVA−Iqref)とする。最終的な有効電流指令値Idrefはその上下限値を逸脱しないようリミッタ回路56で制限される。
(作用)
図19に示す第15実施例を使用した場合、過電圧が発生しておらず有効電流指令補正値ΔIdref’、無効電流指令補正値ΔIqref’がゼロの時は上位制御系や交流電圧制御回路から与えられる電流指令値Idref’、Iqref’がそれぞれ有効電力定格値±0.8pu、無効電力定格値±0.6puで制限され、従来の制御回路と同等に動作する。過電圧が発生し有効電流指令補正値ΔIdref’、無効電流指令補正値ΔIqref’が発生した場合、リミッタ回路21により無効電流指令値Iqrefは変換器容量定格値±1.0puを越えない範囲内で補正が行われる。その結果得られる値は、場合によっては無効電力定格値±0.6puを越える大きさ(例えば+0.9pu)になる可能性がある。その場合、リミット値演算回路37で演算されるリミッタ回路56の上下限リミット値は、±√(MVA−Iqref)=±√(1−0.9)=±0.436puとなる。有効電流指令値Idrefはこの範囲を逸脱しないようリミッタ回路56により制限されて出力される。
(効果)
この第15実施例によれば、通常時は従来の制御装置と同様、有効電流指令値と無効電流指令値はそれぞれ有効電力定格、無効電力定格を逸脱しない範囲の値で、更に皮相電流が変換器定格容量を越えない範囲で運転される。過電圧が発生した場合には、無効電流指令値に対して変換器定格容量を越えない範囲で補正が行われ、その結果得られた値に基づいて制限値が演算され、有効電流指令値が制限(低減)される。この結果、無効電力出力を優先する運転となり、より効果的に過電圧を抑制することができる。これはき電系統の負荷が殆どリアクトル成分だからである。
[第16実施例]
図20は本発明の第16実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、有効電流指令値及び無効電流指令値を出力する制御ブロックを示し、特に各電流指令値に対する出力リミッタの他の構成を示すブロック図である。図中の有効電流指令補正値ΔIdref’は上記第15実施例と同様に図4、図7における有効電流指令値補正回路22の出力信号、あるいは図6、図8、図12、図14、図17における増幅器26の出力信号、あるいは図11における最大値選択回路31の出力信号である。無効電流指令補正値ΔIqref’は、また第15実施例と同様に、図4、図7における無効電流指令値補正回路19の出力信号、あるいは図6、図8、図12、図14、図17における増幅器27の出力信号、あるいは図11における最大値選択回路30の出力信号である。更に、図中の有効電流指令値Idrefo’は図4〜図8、図14、図17等の実施例で上位制御系あるいは交流電圧制御回路12あるいは増幅器28から与えられる有効電流指令値信号である。また、無効電流指令値Iqrefo’は図4〜図8、図14、図17等の実施例で交流電圧制御回路12あるいは増幅回路29から与えられる無効電流指令値信号である。
上位制御系または交流電圧制御回路12から与えられる有効電流指令値Idrefo’と無効電流指令値Iqrefo’は、例えば有効電力定格値±0.8puと無効電力定格値±0.6puなど予め設定された上下限値をそれぞれもつリミッタ回路35、36で制限された後、リミット値演算回路38に与えられる。リミット値演算回路38では、変換器の定格容量値MVA(例えば1.0pu)と有効電流指令値Idrefo、無効電流指令値Iqrefoより、リミッタ回路39で使用される上下限リミット値、すなわち無効電流指令補正値ΔIqref’に対するリミット値を演算する。演算は有効電流指令値Idrefoと、補正後の無効電流指令値Iqrefo+ΔIqrefから得られる皮相電流が定格容量を越えないようにΔIqrefに対するリミット値を求めるものである。すなわち定格容量をMVAとすると、上限リミット値ΔIqrefmax=√(MVA−Idrefo)−Iqrefo、下限リミット値ΔIqrefmin=−√(MVA−Idrefo)−Iqrefo、という演算によりリミッタ回路39の上下限リミット値を求める。無効電流指令補正値ΔIqref’はこのリミット値で値が制限された後、加算器20で無効電流指令値Iqrefoと加算されて最終的な無効電流指令値Iqrefが得られる。一方、この最終的な無効電流指令値Iqrefとリミッタ回路35の出力信号である有効電流指令値Idrefoがリミット値演算回路40に与えられる。
リミット値演算回路40では、変換器の定格容量値MVA(例えば1.0pu)と有効電流指令値Idrefo、最終的な無効電流指令値Iqrefより、リミッタ回路41で使用される上下限リミット値、すなわち有効電流指令補正値ΔIdref’に対する上下限リミット値を演算する。演算は最終的な無効電流指令値Idrefと、補正後の有効電流指令値Idrefo+ΔIdrefから得られる皮相電流が定格容量を越えないようにΔIdrefに対するリミット値を求めるものである。すなわち定格容量をMVAとすると、上限リミット値ΔIdrefmax=√(MVA−Iqref)−Idrefo、下限リミット値ΔIdrefmin=−√(MVA−Iqref)−Idrefo、という演算によりリミッタ回路41の上下限リミット値を求める。有効電流指令補正値ΔIdref’はこのリミット値で値が制限された後、加算器23で有効電流指令値Idrefoと加算されて最終的な有効電流指令値Idrefが得られる。
(作用)
図20に示す第16実施例を使用した場合、過電圧が発生しておらず有効電流指令補正値ΔIdref’、無効電流指令補正値ΔIqref’がゼロの時は上位制御系や交流電圧制御回路から与えられる電流指令値Idref’、Iqref’がそれぞれ有効電力定格値±0.8pu、無効電力定格値±0.6puで制限され、従来の制御回路と同等に動作する。過電圧が発生し有効電流指令補正値ΔIdref’、無効電流指令補正値ΔIqref’が発生した場合、無効電流指令補正値ΔIqrefは上位制御系から与えられる有効電流指令値に影響を与えず、かつ結果として得られる皮相電流が変換器容量定格値±1.0puを越えない範囲内に制限される。たとえばIdrefo=+0.8pu、Iqrefo=0.5puで運転している状態で、値ΔIqref’=+0.2puが与えられた場合に、Iqref=Iqrefo+ΔIqref’=0.7puとすると皮相電流が1.0puを越えるため、無効電流指令補正値ΔIqrefは+0.1puに制限される。更に有効電流指令補正値ΔIdrefは無効電流指令値の補正を行った上で電流容量に余裕のある範囲内に制限される。たとえば上記のようにIdrefo=+0.8puで補正後の無効電流指令値Iqref=0.6puとなった場合に、ΔIdrefとして正の値が与えられても上限リミット値がゼロになっているため有効電流に対しては補正が行われない。ΔIdrefが負の値であれば皮相電流が低減される方向なので補正が行われる。
(効果)
この第16実施例によれば、通常時は従来の制御装置と同様、有効電流指令値と無効電流指令値はそれぞれ有効電力定格、無効電力定格を逸脱しない範囲の値で、更に皮相電流が変換器定格容量を越えない範囲で運転される。過電圧が発生した場合には、無効電流指令値に対して変換器定格容量を越えず、かつ上位制御系から与えられる有効電流指令値に対しては影響を与えない範囲で補正が行われ、その結果得られた値で有効電流指令値が制限されることで、無効電力出力を優先する運転となり、より効果的に過電圧を抑制することができる。
[第17実施例]
上記第15実施例、第16実施例では、過電圧の発生により有効電流指令値及び無効電流指令値に対する補正を行う場合に、無効電流指令値に対する補正を優先させて変換器定格容量内で運転を行う方法について説明した。
電力変換装置の設置目的や接続される系統(き電系統以外の系統)の特性によっては、有効電流指令値に対する補正を優先させるニーズがある可能性がある。そのようなシステムにおいては、図19及び図20の実施例において、有効電流指令値と無効電流指令値に対するリミッタの構成及びリミット値の演算方法を入れ替えることにより、有効電力出力の補正を優先した運転とすることが可能である。そのような場合は、有効電流指令値に対して変換器定格容量を越えない範囲で補正が行われ、その結果得られた値に基づいて制限値が演算され、無効電流指令値が制限される。
[第18実施例]
図21は本発明の第18実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための回路構成を示すブロック図である。
無効電力補償装置あるいは電力変換装置が接続された単相交流系統の、瞬時電圧検出値V(t)が絶対値検出器42に入力され、その出力を積分器43で基本周波数の1サイクルの間積分する。その結果得られた値を規格化回路44で規格化した値を現時点での交流電圧の大きさ、すなわち交流電圧検出値Vacとする。絶対値検出器42、積分器43、規格化回路44で構成されるブロックは、図29あるいは図30に示される電圧検出器5に対応する。交流電圧検出値Vacは前述したように遅延回路16で設定された遅延時間ΔTdだけ遅延される。差分器17は遅延回路16により遅延された値と交流電圧検出値Vacとの差分を検出し、検出された差分は電圧の短時間変化分として例えば図1のレベル検出器18に供給される。
(作用と効果)
単相交流電圧V(t)を実効値Vac、角周波数ωの正弦波とすると、単相交流電圧V(t)は、
V(t)=√2・Vac・cosωt ・・・・・・・・・・ (1)
と現すことができる。この絶対値を1サイクル間積分すると、積分値Vintは、
Vint=2√2・Vac/ω ・・・・・・・・・・ (2)
であり、係数ω/2√2をかけてやれば実効値電圧Vacが求められる。
従って、1サイクル積分器43により現時点から1サイクル(交流電圧が例えば50Hzの場合は0.02秒固定値)前までの瞬時電圧の絶対値を積分し、得られた積分値に対して、規格化回路44で上記係数ω/2√2を乗算することで、連続的に実効値電圧すなわち単相交流電圧の大きさVacを提供することができる。更にその値を一定時間前の値と比較することで、単相の交流電圧の大きさの短時間の変化分を検出することができる。
[第19実施例]
図22は本発明の第19実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための他の回路構成を示すブロック図である。
図22の回路が図21と異なる点は、位相検出器45が設けられており、単相交流電圧の瞬時検出値V(t)がこの位相検出器45に入力され、得られた位相信号が積分器43に与えられている点である。積分器43は基本周波数の1サイクル間の積分を連続的に行う。図21の構成の場合、たとえば50Hz系統であれば現時点から0.02秒前までの入力信号が積分されるが、系統の周波数が変動した場合には固定の時間だけ積分すると、検出した電圧の大きさに誤差が生じる。図22の実施例では位相検出器45により実際の電圧の1サイクルを正確に検出してその期間の積分を行うことで、より精度よく電圧の大きさ及びその変化分を検出することができる。
[第20実施例]
図23は本発明の第20実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための回路構成を示すブロック図である。
図23の回路が図21と異なる点は、絶対値検出器42のかわりに二乗演算回路46が設けられており、単相交流電圧瞬時検出値V(t)がこの二乗演算回路に入力されてV(t)の演算が行われ、得られた値が積分器43に与えられている点である。更に積分器43の出力に対して平方根演算回路47で平方根が演算され規格化回路44に与えられる。
(作用と効果)
(1)式で得られる単相交流電圧V(t)を二乗して1サイクル間積分すると、
Vint=2π・Vac/ω ・・・・・・・・・・ (3)
であり、この平方根をとって係数√(ω/2π)をかけてやれば実効値電圧Vacが求められる。従って図23の回路を用いることで図21の実施例と同様に、連続的に実効値電圧すなわち単相交流電圧の大きさを提供できる。更にその値を一定時間前の値と比較することで、単相の交流電圧の大きさの短時間の変化分を検出することができる。
また図21の第18実施例に対する図22の第19実施例と同様、図23の第20実施例に対しても位相検出器を設けて実際の電圧の1サイクルを検出してその期間の積分を行うことで、より精度よく電圧の大きさ及びその変化分を検出することができる。
[その他の実施例]
図21〜図23で説明した第18実施例〜第20実施例では、瞬時電圧信号の絶対値あるいは二乗値に対して基本周波数の1サイクル間の積分を行う構成としたが、これを半サイクル間の積分とし、規格化回路44の係数を2倍しても同様に単相電圧の大きさを検出できる。半サイクル積分とした場合、検出対象の正弦波電圧信号の正側と負側の大きさが非対称であると、検出した電圧の大きさに脈動が重畳する可能性があるが、1サイクル積分に比べて電圧変動をより高速に検出できるというメリットもある。適用する系統の特性や装置を、設置する目的に応じて1サイクル積分または半サイクル積分を選択すればよい。
[第21実施例]
図24は本発明の第21実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための他の回路構成を示すブロック図である。
無効電力補償装置あるいは電力変換装置が接続された単相交流系統の、瞬時電圧検出値V(t)が遅延回路48及び演算回路49に入力される。遅延回路48では入力信号を基本周波数の1/4サイクルすなわち90°遅延させV(t−90°)の信号を得る。演算回路49では瞬時電圧検出値V(t)と90°遅延されたV(t−90°)を使用し、
V=√(V(t)+V(t−90°)) ・・・・・・ (4)
の演算を行う。単相交流電圧V(t)が(1)式で得られる信号の場合、その90°遅れの信号は、
V(t−90°)=√2・Vac・cos(ωt−90°)=√2・Vac・sinωt ・・・・・ (5)
であり、(1)式と(5)式を(4)式に代入すると、
V=√2・Vac・√(cosωt+sinωt)=√2・Vac ・・・・・ (6)
であり、1/√2倍すれば実効値電圧すなわち単相交流電圧の大きさを検出することができる。更にその値を一定時間前の値と比較することで、単相の交流電圧の大きさの短時間の変化分を検出することができる。
[第22実施例]
図25は本発明の第22実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための他の回路構成を示すブロック図である。
図25の回路が図24と異なる点は、帯域通過フィルタ(BPF)50が設けられており、単相交流電圧瞬時検出値V(t)がこの帯域通過フィルタ50に入力され、得られた信号が遅延回路48及び演算回路49に与えられている点である。帯域通過フィルタ50は入力信号の基本周波数成分を出力する特性を持っている。図21〜図23で説明した各実施形態は、電圧の瞬時検出値を積分して大きさを求めているため、電圧信号に高調波歪みが重畳しても影響を受けにくい。しかし、図24に示す第21実施例では瞬時電圧検出値及びその遅延信号をそのまま使用して電圧の大きさVacを求めているため、電圧変動に対する応答が速い反面、高調波歪みの影響を受けやすいという短所がある。図25に示す第22実施例では、瞬時検出信号に対して基本周波数を通過させる帯域通過フィルタ50による処理を行うことで、高調波歪みの影響を受けにくい安定した検出信号を得ることができる。
[第23実施例]
図26は本発明の第23実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための回路構成を示すブロック図であって、その出力信号は例えば図1のレベル検出器8に供給される。
無効電力補償装置あるいは電力変換装置が接続された単相交流系統の、瞬時電圧検出値V(t)が絶対値検出回路42に入力されて絶対値が出力される。その値がメモリ回路51に入力され、メモリ回路51では現時点から3/4サイクル前から1/4サイクル前までの値を記憶し、最大値選択回路52ではメモリ回路51に蓄えられた値の中で最大の値を選択して出力する。絶対値検出器42の出力と最大値選択回路52の出力が差分器53で突き合わされ、その差分が電圧の短時間上昇分として出力されてレベル検出器18に与えられる。
(作用と効果)
図26の(第23実施例)を使用した場合の、各信号の動作例を図27に示す。単相交流電圧の波高値が、1.0、1.0、1.1、0.9、1.4・・・と変化した場合、絶対値検出器42の出力信号は図27(a)のように変化する。これに対して3/4サイクル前〜1/4サイクル前の間の最大値を選択すると、図27(b)のような波形が得られる。これが最大値選択回路52の出力信号となる。図27(a)の信号すなわち絶対値検出器42の出力と図27(b)の信号すなわち最大値選択回路52の差分を求めると図27(c)の信号が得られる。これが加算器53の出力となる。この値がレベル検出器18の動作レベル値より大きくなるとレベル検出器が動作する。すなわち瞬時電圧がその1サイクル程度前の電圧波高値に比べて一定値以上大きくなった場合に、短時間過電圧が発生したと判断される。これにより、単相交流電圧の急激な電圧上昇を検出することができる。
以上の説明はこの発明の実施の形態であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができるものである。
本発明の第1実施例に係る無効電力補償装置の交流電圧制御ブロックの構成を示す図である。 図1の無効電流指令値補正回路の出力信号波形の一例を示す図である。 従来の無効電力補償装置を適用した場合の動作シミュレーション結果を示す図である。 図1の交流電圧制御ブロックを無効電力補償装置に適用した場合の動作シミュレーション結果を示す図である。 本発明の第4実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロックの構成を示す図である。 図4の有効電流指令値補正回路及び無効電流指令値補正回路の出力信号波形の例を示す図である。 本発明の第5実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の第6実施例に係る電力変換装置の交流電圧の制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の第7実施例に係る電力変換装置の交流電圧の制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の第8実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。 図9の無効電流指令値補正回路、及び最大値選択回路の出力信号波形の例を示す図である。 本発明の第9実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、有効電流指令補正値ΔIdref及び無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の第10実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、有効電流指令補正値ΔIdref及び無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の第11実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の第12実施例に係る電力変換装置の制御回路中の、有効電流指令補正値ΔIdref、及び無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。 図7に示す第6実施例に対して、交流電圧検出値に対するレベル検出器と論理積回路を追加した構成を示す図である。 本発明の第13実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。 本発明の第14実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の有効電流指令補正値ΔIdref、及び無効電流指令補正値ΔIqrefを生成する制御ブロックの構成を示す図である。 図7に示す第6実施例に対して、交流電圧検出値Vacに対するレベル検出器32と論理和回路34を追加した構成を示す図である。 本発明の第15実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の、有効電流指令値及び無効電流指令値に対する出力リミッタの構成を示す制御ブロック図である。 本発明の第16実施例に係る電力変換装置の交流電圧制御ブロック中の有効電流指令値と無効電流指令値に対する出力リミッタの構成を示す制御ブロック図である。 本発明の第18実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための回路構成を示すブロック図である。 本発明の第19実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための他の回路構成を示すブロック図である。 本発明の第20実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための回路構成を示すブロック図である。 本発明の第21実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための他の回路構成を示すブロック図である。 本発明の第22実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための他の回路構成を示すブロック図である。 本発明の第23実施例に係る無効電力補償装置あるいは電力変換装置が単相交流系統に接続されている場合において、その単相交流電圧の短時間の変化の大きさを検出するための回路構成を示すブロック図である。 図26の絶対値検出器、最大値選択回路、及び加算器の出力信号波形の例を示す図である。 き電系統に無効電力補償装置あるいは電力変換装置が接続されたシステムの構成を示す図である。 一般的な交流電圧制御を適用した無効電力補償装置(SVC)の構成を示す図である。 一般的な交流電圧制御を適用した電力変換装置のシステム構成を示す図である。
符号の説明
1…交流母線、2…変圧器、3…サイリスタ制御リアクトル、4…電力用コンデンサ、5…電圧検出器、6…交流電圧制御回路、7…出力電流制御回路、8…パルス発生回路、9…変圧器、10…自励式変換器、11…直流電源、12…交流電圧制御回路、13…電流検出器14…出力電流制御回路、15…パルス発生回路、16…遅延回路、17…加算器、18…レベル検出器、19…無効電流指令値補正回路、20…加算器、21…リミッタ回路、22…有効電流指令値補正回路、23…加算器、24…差分器、25…電流指令値補正回路、26…増幅器、27…増幅器、28…増幅器、29…増幅器、30…最大値選択回路、31…最大値選択回路、32…レベル検出器、33…論理積(AND)回路、34…論理和(OR)回路、35…リミッタ回路、36…リミッタ回路、37…リミット値演算回路、38…リミット値演算回路、39…リミッタ回路、40…リミット値演算回路、41…リミッタ回路、42…絶対値検出器、43…積分器、44…規格化回路、45…位相検出回路、46…二乗演算回路、47…平方根演算回路、48…遅延回路、49…演算回路、50…帯域通過フィルタ、51…メモリ回路、52…最大値選択回路、53…加算器、54…差分器、55…差分器、56…リミッタ回路、100…き電変電所、101…電力系統、102…系統インピーダンス、103…き電変圧器、104…き電線路、105…無効電力補償装置あるいは電力変換装置、106…列車負荷。

Claims (11)

  1. 無効電力を入出力することによって、交流系統に供給される交流電圧の大きさを調整する無効電力補償装置における交流電圧制御方法において、
    前記無効電力補償装置が接続された前記交流系統の電圧検出値の大きさと、所定の電圧指令値の差分が、零に近づくように無効電流指令値を発生する工程と、
    前記交流電圧の基本周波数の所定サイクル数以内の短時間における前記電圧検出値の変化量が第1所定値を超えたか否か判断し、前記変化量が第1所定値を超えた場合に動作指令信号を提供する工程と、
    前記動作指令信号が提供された場合、第2所定値の大きさで第1所定時間継続し、その後徐々に減少してゼロとなる信号を前記無効電流指令値に付加して前記無効電流指令値を補正する工程と、
    前記無効電力補償装置の無効電流出力が前記補正された無効電流指令値に追従するよう制御を行う工程と、
    を具備することを特徴とする交流電圧制御方法。
  2. 有効電力及び無効電力を入出力することによって、交流系統に供給される交流電圧の大きさを調整する電力変換装置における交流電圧制御方法において、
    前記電力変換装置が接続された前記交流系統の電圧検出値の大きさと、所定の電圧指令値の差分が、零に近づくように無効電流指令値及び有効電流補正値を発生する工程と、
    前記交流電圧の基本周波数の所定サイクル数以内の時間における前記電圧検出値の変化量が第1所定値を超えたか否か判断し、前記変化量が第1所定値を超えた場合に動作指令信号を提供する工程と、
    前記動作指令信号が提供された場合、第2所定値の大きさで第1所定時間継続し、その後徐々に減少してゼロとなる信号を前記無効電流指令値に付加して前記無効電流指令値を補正する工程と、
    前記動作指令信号が提供された場合、第3所定値の大きさで第2所定時間継続し、その後徐々に減少してゼロとなる信号を前記有効電流指令値に付加して前記有効電流指令値を補正する工程と、
    前記電力変換装置の出力電流が前記補正された無効電流指令値及び前記補正された有効電流補正値に追従するよう制御を行う工程と、
    を具備することを特徴とする交流電圧制御方法。
  3. 前記無効電流指令値を補正する工程は、前記第2所定値及び前記第1所定時間の一方あるいは両方を前記差分の大きさに応じた値に設定し、前記無効電流指令値を補正することを特徴とする請求項1または2記載の交流電圧制御方法。
  4. 前記無効電流指令値を補正する工程は、前記第2所定値及び前記第1所定時間の一方あるいは両方を前記差分の大きさに応じた値に設定し、前記無効電流指令値を補正し、
    前記有効電流指令値を補正する工程は、前記第3所定値及び前記第2所定時間の一方あるいは両方を前記差分の大きさに応じた値に設定し、前記有効電流指令値を補正することを特徴とする請求項2記載の交流電圧制御方法。
  5. 前記動作指令信号を提供する工程は、前記短時間における前記電圧検出値の変化量が前記第1所定値を超え、かつ前記電圧検出値の大きさが第4所定値を超えた場合、前記動作指令信号を提供することを特徴とする請求項1または2記載の交流電圧制御方法。
  6. 動作指令信号を提供する工程は、前記短時間における前記電圧検出値の変化量が前記第1所定値を超えた場合、または前記電圧検出値の大きさが第4所定値を超えた場合、前記動作指令信号を提供することを特徴とする請求項1または2記載の交流電圧制御方法。
  7. 前記補正を行った後の有効電流指令値と無効電流指令値により得られる電流絶対値(皮相電力値)が一定の値を超える場合には、有効電流指令値に対する補正量、あるいは最終的な有効電流指令値の絶対値を低減する工程を具備することを特徴とする請求項2、4〜6のうち1項記載の交流電圧制御方法。
  8. 前記補正を行った後の有効電流指令値と無効電流指令値により得られる電流絶対値(皮相電力値)が一定の値を超える場合には、無効電流指令値に対する補正量、あるいは最終的な無効電流指令値の絶対値を低減する工程を具備することを特徴とする請求項2、4〜6のうち1項記載の交流電圧制御方法。
  9. 前記交流電圧は単相交流電圧であって、前記電圧検出値は、瞬時交流電圧の絶対値を1サイクル積分または半サイクル積分することにより得られる値、または瞬時交流電圧の二乗を1サイクル積分または半サイクル積分した値の平方根をとることにより得られる値であって、現時点での電圧検出値と一定時間前の電圧検出値の差分を前記検出値の変化量として使用することを特徴とする請求項1乃至8のうち1項記載の交流電圧制御方法。
  10. 前記交流電圧は単相交流電圧であって、前記電圧検出値は、瞬時交流電圧検出値の二乗と1/4サイクル前の瞬時交流電圧検出値の二乗との和の平方根を演算することで得られ、現時点での前記検出電圧と一定時間前の検出値の差分を、前記検出値の前記変化量として使用することを特徴とする請求項1乃至8のうち1項記載の交流電圧制御方法。
  11. 前記交流電圧は単相交流電圧であって、瞬時交流電圧検出値の絶対値と、現時点から一定時間前までの特定の期間内における瞬時電圧絶対値の最大値との差分を、前記検出値の変化量として使用することを特徴とする請求項1乃至8のうち1項記載の交流電圧制御方法。
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