JP2005051868A - 電力変換器とその制御方法 - Google Patents

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Tomomichi Ito
智道 伊藤
Hiromitsu Sakai
洋満 酒井
Takashi Ikimi
高志 伊君
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Abstract

【課題】電力変換器の出力電圧の差により電力変換器間に流れる横流を、電流検出器の数を増やさずに抑制し、無負荷時の損失を抑制する制御方法と該制御手段を有する電力変換器の提供。
【解決手段】本発明の電力変換器は、電力変換器の出力電流検出器が零近傍の所定の範囲内にあるときは該電流検出器の出力値に定数を乗算した値を電力変換器出力電圧指令値より減算して新たな電圧指令値を算出し、直流送電線に供給する電力または電流に応じて出力電圧指令値を補正する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電圧制御を行う複数の電力変換器が存在する直流送電システムにおいて、前記直流送電システムの電圧制御を行う電力変換器とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の自励式電力変換器の発展に伴い、交流電力を自励式電力変換器により直流電力変換し、1000V以上の直流電圧で送電する技術が開発されている。自励式電力変換器はダイオード整流器やサイリスタ整流器と異なり、力率を1に制御しながら交流電力を直流電力に変換することができるため、省エネルギー化が可能である。この技術の応用先として直流送電、直流配電、鉄道用直流き電などが着目されている。
【0003】
また、二次電池や電気二重層コンデンサ、フライホイールに代表される電力の双方向性を有する直流電源の開発が進んできており、特許文献1には二次電池による車両の回生電力吸収装置が開示されている。
【0004】
特許文献2の図6には自励式電力変換器を用いた従来技術の直流電鉄変電所の構成図が開示されている。特許文献2では、電力変換器と電力変換器は出力電圧を所定の指令値に従い制御する。電力変換器と電力変換器の出力電圧に差がある場合、車両がいなくてもき電線および電力変換器に横流が流れ、電力変換器およびき電線の無負荷時損失が増加する。
【0005】
従来、横流を抑制する方法として、特許文献2記載のように、き電線を流れる電流を検出し、横流を抑制するように各電力変換器の出力電圧を調整する方法が知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−289703号公報
【特許文献2】
特開2002−234365号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術では、き電線電流を検出する電流検出器が必要であり、部品数の増加を引き起こす。また、電力変換器の傍に電流検出器を配置できなくなるため、電流検出器の電源や信号線の配線などが装置の複雑化をもたらす。本発明の目的は、使用する電流検出器を増加させずに横流を低減し、電力変換器の損失を低減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の電力変換器は、接続される電源から電力を受け取る、または電源に電力を供給することにより出力電圧指令値に従って直流出力電圧を制御し、直流送電線に供給する電力または電流に応じて出力電圧指令値を補正する機能を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の詳細を図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施例1)
本実施例について図1を用いて説明する。図1には電力変換器2台と、その出力をつなぐき電線とレールとを示す。符号1、2は電力変換器、10、20は交流系統、11は変圧器、12はPWMコンバータ、13はコンデンサ、14は直流リアクトル、15、25は遮断器、30はき電線、31はレール、100は制御回路、101は交流電圧検出器、102は交流電流検出器、103は出力電流検出器、104は出力電圧検出器、110は有効電流算出器、111は電圧制御器、112、114は定数乗算器、113は電流制御器、115はリミッタ、116、117、119は減算器、118は加算器である。
【0011】
電力変換器1は交流系統10に接続される。電力変換器1の主回路は変圧器11、PWMコンバータ12、コンデンサ13、直流リアクトル14により構成される。PWMコンバータ12は変圧器11を介して交流系統10に接続され、PWMコンバータ12の直流出力端子にはコンデンサ13が並列接続される。PWMコンバータ12のプラス側出力端子には直流リアクトル14が接続される。直流リアクトル14の他端は電力変換器1のプラス側出力端子に接続され、マイナス側の出力端子はPWMコンバータ12のマイナス側出力端子に接続される。電力変換器1のプラス側出力端子は遮断器15に接続され、遮断器15の他端はき電線30に接続される。さらに、電力変換器1のマイナス側出力端子はレール31に接続される。
【0012】
電力変換器2も同様に交流系統20に接続され、プラスの出力端子は遮断器25に接続される。遮断器25の他端はき電線に接続され、マイナスの出力端子はレールに接続される。
【0013】
電力変換器1は検出器として交流電圧検出器101、交流電流検出器102、出力電流検出器103、出力電圧検出器104を備える。交流電圧検出器101と交流電流検出器102は交流系統10と変圧器11との間に設置され、それぞれ変圧器11に入力される交流電圧と、変圧器11に流れ込む交流電流を検出する。出力電流検出器103は直流リアクトル14と遮断器15の間に設置され、出力電流を検出する。出力電圧検出器104は電力変換器1の出力端子に接続され、負荷側の直流リアクトル端子電圧とレール電圧の差である出力電圧を検出する。電力変換器2は電力変換器1と同じ構成を有し、交流系統20、遮断器25、レール31に接続される。
【0014】
電力変換器1は上記検出器の出力に基づき、出力電圧を出力電圧指令値に従って制御する。出力電圧の制御方法を以下に示す。交流系統電圧は交流電圧検出器101により検出され、交流電流は交流電流検出器102により検出される。交流電圧検出器101と交流電流検出器102の出力値は有効電流算出器110に入力される。有効電流算出器110は交流系統から流れ込む電流の有効成分を算出する。一方、出力電圧指令値である減算器116の出力値と出力電圧検出器104の出力値は減算器117に入力され、減算器117の出力値は電圧制御器111に入力される。電圧制御器111は減算器116の出力値と出力電圧検出器104の出力値の偏差を低減すべく有効電流指令値を算出する。出力電流検出器103の出力値が定数倍された値と前記有効電流指令値は加算器118により加算され、減算器117は新たな有効電流指令値を出力する。定数乗算器112の出力を有効電流指令値に加算することにより、PWMコンバータはコンデンサ13の電圧の変動が少ないうちに負荷に要求される電流を供給できる。この制御方法は負荷変動時の電圧制御応答を向上するために用いる。
【0015】
新たに算出された有効電流指令値と有効電流算出器110の出力値は減算器119に入力され、減算器119は有効電流指令値と有効電流算出器110の出力値の差を算出し、その差を電流制御器113に出力する。電流制御器113は有効電流指令値と有効電流の偏差を低減すべくPWMコンバータの電力半導体スイッチング素子であるIGBTのゲート信号を作成する。このようにして、電力変換器は出力電圧を出力電圧指令値に従って制御する。電力変換器2も同様に出力電圧を制御する。
【0016】
電力変換器1、2を起動し、遮断器15、25を投入したとき、出力電圧検出器104の出力電圧に差があるときには、き電線30、レール31を介して横流が流れる。例えば電力変換器1の出力電圧が電力変換器2の出力電圧より高いとき、き電線30には電力変換器1から電力変換器2に向かって横流が流れる。
【0017】
以下、電力変換器1の横流抑制動作を説明する。出力電流検出器103の出力値は定数乗算器114に入力され、定数乗算器114の出力値はリミッタ115に入力される。出力電圧の電圧指令値とリミッタ115の出力値は減算器116に入力され、その差分値を新たな電圧指令値として、減算器117に入力する。電力変換器1はこの電圧指令値に従い、出力電圧を制御する。例えば電力変換器1から電力変換器2に横流が流れると、リミッタ115の出力は正の値になり、電力変換器1の出力電圧指令値が下がり、出力電圧が下がるため、電力変換器1と電力変換器2の出力電圧の差が小さくなり、横流が減る。
【0018】
逆に電力変換器2から電力変換器1に横流が生じると、電力変換器1の電圧指令値は上がり、電力変換器1の出力電圧が上がるため、電力変換器1と電力変換器2の出力電圧の差が小さくなり、横流が減る。これにより、出力電流値に応じて出力電圧を補正することにより無負荷時の出力電流を抑制できる。
【0019】
以下に定数乗算器114のゲイン設計とリミッタ115の上下限値指針を説明する。本実施例の横流抑制制御は電流が流れ出ると出力電圧を下げ、電流が流れ込むと出力電圧を上げる。電力変換器1の出力電圧指令値をV1、電力変換器2の出力電圧指令値をV2、定数乗算器114のゲインをk、き電線インピーダンスをR、横流をI1とし、定数乗算器114の出力がリミッタ115によりリミットされない場合、次の(数1)式が成り立つ。
【0020】
V1−k・I1=R・I1+V2 …(数1)
ここで、(数1)式は(数2)式のように変換できる。
【0021】
I1=(V1−V2)/(k+R) …(数2)
ゆえに、本発明はき電線インピーダンスを増加させることに置き換えることができ、インピーダンスの増加分は定数乗算器114のゲインと等しい。例えばき電線インピーダンスが0.125Ω、定数乗算器114のゲインが0.25V/Aであるとき、横流を1/3に抑制できる。
【0022】
また、電力変換器1の出力電圧の変化幅はき電線を介して並列接続される電力変換器2の無負荷時出力電圧の変動範囲程度に制限するようにリミッタ115の上下限値を設定する。例えば並列接続される電力変換器が自励式電力変換器である場合、無負荷時における電力変換器の出力電圧変動は、出力電圧検出器の精度が一般に1%以下であることから、自電力変換器の出力電圧の変動も考慮し、出力電圧変動幅は出力電圧指令値の±2%程度に制限する。
【0023】
並列接続される電力変換器がダイオード整流器の場合、無負荷時の出力電圧は1500Vき電区間では1590V程度であり、出力電圧は系統電圧に依存して変化する。ダイオード整流器が接続される系統電圧の変動が±5%である場合、無負荷時出力電圧も1590V±5%の範囲で変動するので、出力電圧変動幅は1590V±6%、つまり1495V以上1685V以下の範囲に制限する。
【0024】
リミッタ115の上下限値を上記のように設定することにより、車両が加速または減速した場合でも、電力変換器1の出力電圧は電力変換器2の無負荷時出力電圧変動範囲内で制限されるので、車両へ安定に電力を供給できる。上記2点を考慮し、定数乗算器114のゲインとリミッタ115の上下限値を設計すればよい。
【0025】
電力変換器2は横流抑制機能を有する必要は無いが、電力変換器1と同様に横流抑制を行っても良い。また、電力変換器2は自励式電力変換器だけで無く、サイリスタ整流器やダイオード整流器であっても良い。
【0026】
また、出力電圧指令値の範囲を並列接続される電力変換器の無負荷時出力電圧の変動範囲内に制限することにより、車両の過電圧を引き起こさず、き電線の損失を従来のき電方式より増加させずに横流を抑制できる。
【0027】
電力変換器2も電力変換器1と同様の横流制御機能を有する場合、リミッタ115は、その出力を負の値に制限しても良い。
【0028】
その理由を以下に示す。電力変換器1の出力電圧が電力変換器2の出力電圧より高い場合、電力変換器1から横流が流れる。電力変換器1の出力電圧は変化しないが、電力変換器2の出力電圧は横流が流れ込むので、出力電圧補正値は負の値に設定され、結果的に電力変換器2の出力電圧は上がる。そのため、電力変換器1と電力変換器2の出力電圧の差は小さくなり、横流が抑制される。逆に電力変換器1の出力電圧が電力変換器2の出力電圧よりも低い場合には電力変換器1の出力電圧が上がって横流が抑制される。このように電力変換器1、2の出力電圧の差が低減されるので、横流を抑制できる。この場合、電力変換器から電力を供給する際に出力電圧が下がらないため、き電線で発生する送電損失を低減できる。
【0029】
本実施例によれば、使用する電流検出器を増加させずに電力変換器の出力電圧の差により発生する横流を抑制することができ、無負荷時における電力変換器の損失を低減できる。
【0030】
また、横流抑制のための出力電圧調整幅をき電線を介して並列接続される電力変換器の無負荷時出力電圧変動幅以内に制限するので、電力変換器の出力電圧が過大もしくは過小になることがなく、車両へ安定した電力供給ができる。
【0031】
(実施例2)
本実施例について図2を用いて説明する。図2には電力変換器3台と、その出力をつなぐき電線とレールを示す。本実施例が実施例1と比べて異なる点は、電力変換器1、2、3を制御する出力電圧調整コマンド発生器である制御装置120、220、320を備える点と、制御装置120より発行される出力電圧調整コマンドにより出力電圧指令値の調整を有効・無効に切り替えるスイッチ121、出力電圧指令値調整値を維持する出力維持器123、調整コマンド発行時から所定の時間が経過してから出力維持器へ出力維持信号を発行するタイマ122を備える点である。
【0032】
以下、本実施例の横流抑制方法を説明する。電力変換器1、2、3を起動し、遮断器15、25、35を投入すると、出力電圧に差がある場合、横流が発生する。横流は出力電流検出器103により検出される。
【0033】
制御装置120より出力電圧調整コマンドが発行されるまで、スイッチ121は出力維持器123に零を出力する。タイマ122は出力電圧調整コマンドが発行され、所定の時間が経過するまで出力維持器123には出力維持信号を発行せず、出力維持器123はスイッチ121の出力値を減算器116に出力する。ここで、所定の時間とは出力電圧調整が収束するまでの時間であり、電圧制御応答が100msの場合、その10倍の時間、1s程度が経てば出力電圧は十分安定していると考えられる。
【0034】
制御装置120から出力電圧調整コマンドが発行されるとスイッチ121はリミッタ115の出力値を出力維持器123に出力する。タイマ122は所定の時間が経過するまで出力維持信号を出力維持器123に出力しないため、出力維持器123はスイッチ121の出力値を減算器116に出力する。
【0035】
出力電圧調整コマンドが発行されてから所定の時間が経過したとき、タイマ122は出力維持信号を出力維持器123に、出力電圧調整完了信号を制御装置120に出力する。出力維持器123はそのときのスイッチ121の出力値を保持して減算器116に出力し続ける。
【0036】
制御装置120はタイマ122から出力電圧調整完了信号を受け取ると電力変換器2に出力電圧調整コマンドを発行し、電力変換器1と同様に電力変換器2の出力電圧調整を行う。電力変換器2の出力電圧調整が終了した後、制御装置120は出力電圧調整コマンドを電力変換器3に発行し、電力変換器1と同様に電力変換器の出力電圧調整を行う。
【0037】
このように出力電圧の調整タイミングをずらすことにより、他の電力変換器の出力電圧調整との干渉を避けることができるため、より正確な出力電圧調整が可能となり、横流をより正確に抑制できる。
【0038】
本実施例によれば、使用する電流検出器を増加させずに電力変換器の出力電圧の差により発生する横流を抑制することができ、無負荷時の電力変換器の損失を低減できる。また、変換器ごとに出力電圧調整タイミングをずらすことにより、正確に横流を抑制できる。
【0039】
(実施例3)
本実施例について図3を用いて説明する。図3には電力変換器3台と、その出力をつなぐき電線とレールを示す。本実施例は、リミッタ115の出力がローパスフィルタ124に入力され、該ローパスフィルタの出力値が減算器116に入力される点が実施例1と異なる。
【0040】
電力変換器1、2、3が起動し、遮断器15、25、35が投入され、出力電圧に差があると横流が発生する。本実施例では電圧指令値の調整項となるリミッタ115の出力値を、電力変換器の電圧制御時定数に比べて長い時定数のローパスフィルタ124に入力し、ローパスフィルタ124の出力値を減算器116に入力する。例えば100msの応答時定数に対し、ローパスフィルタの時定数を電圧制御応答時定数の4倍以上の値に設定する。これにより出力電圧指令値の変化を出力電圧制御応答より十分遅く変化させることができるため、電圧制御系の振動を抑制でき、制御系を安定に保ちながら横流を抑制できる。
【0041】
なお、電圧検出器は一般に温度変化の影響を受けるので、ローパスフィルタの時定数上限値は1日の温度変化に追従できる程度(例えば30min)とする。
【0042】
本実施例によれば、使用する電流検出器の数を増加させずに電力変換器の出力電圧の差により発生する横流を抑制でき、無負荷時の電力変換器の損失を低減できる。また、出力電流を電圧制御時定数より長い時定数を有するローパスフィルタを通し、その値を基に出力電圧調整を行うので電圧制御系の振動を抑制でき、制御系を安定に保ちながら横流を抑制し、電力変換器の損失を低減できる。
【0043】
(実施例4)
本実施例について図4を用いて説明する。図4には電力変換器3台と、その出力を繋ぐ、き電線とレールを示す。本実施例は、交流電圧検出器101と交流電流検出器102の出力が交流電力算出器125に入力され、その出力と出力電圧検出器104が除算器126に入力され、その出力が定数乗算器114に入力される点のみが実施例1と異なる。
【0044】
電力変換器1、2、3が起動し、遮断器15、25、35が投入され、出力電圧に差があると横流が発生する。実施例1ではこの横流を出力電流で検出しているが、本実施例は電力変換器1が接続される系統から受け取る交流電力と、出力電圧から出力電流を算出し、その値を基に横流抑制を行う。
【0045】
図4の交流電圧検出器101と交流電流検出器102の出力値は交流電力算出器125に入力される。交流電力算出器125は系統から受け取る電力Pinを算出する。一方、出力電圧検出器104は出力電圧を検出する。交流電力算出器125と出力電圧検出器104の出力は除算器126に入力され、除算器126は系統から受け取る電力Pinを出力電圧で除算した値を出力する。一般に自励式電力変換器の効率は高いため、系統から受け取る電力と直流側に出力する電力はほぼ等しい。ゆえに、除算器126の出力値は出力電流にほぼ等しい。除算器126の出力値は定数乗算器114に入力され、実施例1と同様に電力変換器間の横流を抑制する。
【0046】
本実施例では、直流電流を受電電力と直流電圧から推定しているが、系統電圧がほぼ一定であると考えられる場合は有効電流を用いて、系統から受電する電力を推定しても良い。また、出力電圧の変動も無視して有効電流に、定常状態における系統電圧値を定格出力電圧値で除算した値を乗じることによって直流電流を推定しても良い。
【0047】
本実施例によれば、使用する電流検出器を増加させずに電力変換器の出力電圧の差により発生する横流を抑制でき、無負荷時における電力変換器の損失を低減できる。また、出力電流検出器を有さない場合でも出力電流を算出できるので、本発明を適用できる電力変換器の範囲を拡張できる。
【0048】
(実施例5)
本実施例について図5を用いて説明する。図5は電力変換器2台と、その出力を繋ぐ、き電線とレールを示す。本実施例は、電力変換器4が接続される電源が交流系統ではなく二次電池である点が実施例1と異なる。
【0049】
本実施例に示すような、二次電池や電気二重層コンデンサなどの電力を吸収放出できるような双方向性を持つ直流電源に接続される電力変換器でも横流を抑制できる。本実施例は電力変換器が接続される電源が二次電池の場合を示す。
【0050】
本実施例の電力変換器のように電力貯蔵機能を持つ電力変換器を直流き電区間に設置すると、該電力変換器は車両減速時の回生エネルギーを貯蔵し、車両加速時にき電線に電力を供給するため、車両の回生エネルギーを有効に利用できるので、き電システムの効率が上がる。
【0051】
図5で、符号2、4は電力変換器、16は二次電池、18は双方向チョッパ、13はコンデンサ、14、17は直流リアクトル、15、25は遮断器、20は交流系統、30はき電線、31はレール、100は制御回路、103は出力電流検出器、104は出力電圧検出器、105は入力電流検出器、111は電圧制御器、112、114は定数乗算器、113は電流制御器、115はリミッタ、116、117、119は減算器、118は加算器である。電力変換器2は実施例1と同様である。
【0052】
図5に示すように、電力変換器4は二次電池16に接続されている。電力変換器4の主回路は直流リアクトル17、双方向チョッパ18、コンデンサ13、直流リアクトル14により構成される。双方向チョッパ18は二次電池16に接続され、双方向チョッパ18の直流出力端子にはコンデンサ13が並列接続される。双方向チョッパ18のプラス側出力端子には直流リアクトル14が接続される。直流リアクトル14の他端は電力変換器4のプラス側出力端子に接続され、マイナス側の出力端子は双方向チョッパ18のマイナス側出力端子に接続される。電力変換器4のプラス側出力端子は遮断器15に接続され、遮断器15の他端はき電線30に接続される。電力変換器4のマイナス側出力端子はレール31に接続される。
【0053】
電力変換器4は検出器として入力電流検出器105、出力電流検出器103、出力電圧検出器104を備える。入力電流検出器105は直流リアクトル17と双方向チョッパ18の間に設置され、入力電流を検出する。出力電流検出器103は直流リアクトル14と遮断器15の間に設置され、出力電流を検出する。出力電圧検出器104は電力変換器4の出力端子に接続され、負荷側の直流リアクトル端子電圧とレール電圧の差である出力電圧を検出する。電力変換器2は交流系統20、遮断器25、レール31に接続される。
【0054】
電力変換器4は上記検出器の出力に基づき、出力電圧を出力電圧指令値に従って制御する。出力電圧の制御方法を以下に示す。入力電流検出器105は入力電流検出値を減算器119に入力する。一方、出力電圧指令値である減算器116の出力値と出力電圧検出器104の出力値は減算器117に入力され、減算器117の出力値は電圧制御器111に入力される。電圧制御器111は出力電圧指令値である減算器116の出力値と出力電圧検出器104の出力値の偏差を低減すべく入力電流指令値を算出する。出力電流検出器103の出力値が定数倍された値と前記入力電流指令値は加算器118により加算され、減算器117は新たな入力電流指令値を出力する。定数乗算器112の出力を入力電流指令値に加算して、双方向チョッパ18はコンデンサ13の電圧の変動が少ないうちに負荷に要求される電流を供給できる。この制御方法によれば負荷変動時の電圧制御応答を向上できる。
【0055】
新たに算出された入力電流指令値と入力電流検出値は減算器119に入力され、減算器119は入力電流指令値と入力電流検出値の差を算出し、その差を電流制御器113に出力する。電流制御器113は入力電流指令値と入力電流の偏差を低減すべく双方向チョッパのゲート信号を作成する。
【0056】
以上の方法で電力変換器は出力電圧を出力電圧指令値に従って制御する。電力変換器4、2を起動し、遮断器15、25を投入したとき、出力電圧に差があるときにはき電線30、レール31を介して横流が流れる。例えば電力変換器4の出力電圧が電力変換器2の出力電圧より高い場合、き電線30には電力変換器4から電力変換器2に向かって横流が流れる。
【0057】
以下、電力変換器4の横流抑制動作を説明する。出力電流検出器103の出力値は定数乗算器114に入力され、定数乗算器114の出力値はリミッタ115に入力される。出力電圧の電圧指令値とリミッタ115の出力値は減算器116に入力され、その差分値を新たな電圧指令値にして、減算器117に入力する。電力変換器4はこの電圧指令値に従い、出力電圧を制御する。
【0058】
例えば電力変換器4から電力変換器2に横流が流れるとき、リミッタ115の出力は正の値になり、電力変換器4の出力電圧指令値が下がり、出力電圧が下がるため、電力変換器4と電力変換器2の出力電圧の差が小さくなり、横流が減る。逆に電力変換器2から電力変換器4に横流が流れるとき、電力変換器4の電圧指令値は上がり、電力変換器4の出力電圧が上がるため、電力変換器4と電力変換器2の出力電圧の差が小さくなり、横流が減る。これにより、出力電流値に応じて出力電圧を補正することにより横流を抑制できる。また、横流を抑制することにより、二次電池の不必要な充放電を抑制できるので、二次電池の利用率が向上する。
【0059】
本実施例では電力変換器の電源として二次電池を使用しているが、電気二重層キャパシタやフライホイール発電機を使用しても同様の効果を奏する。本実施例によれば、使用する電流検出器を増加させずに電力変換器の出力電圧の差により発生する横流を抑制することができ、無負荷時における電力変換器の損失を低減できる。また、電力変換器の電源が二次電池のような直流電源であっても、使用する電流検出器を増加させずに横流を抑制でき、直流電源の利用率を向上できる。
【0060】
本実施例によれば、接続される電源は交流系統に限らず、接続される電源から電力を受け取る、あるいは電源に電力を供給することにより出力電圧指令値に従って直流出力電圧を制御する電力変換器が送電線を介して並列に接続されている送電システムにも適用できる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、電力変換器の出力電圧の差により発生する横流を既存の電流検出器を用いて容易に抑制でき、電力変換器の無負荷時の損失を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電力変換器の説明図である。
【図2】実施例2の電力変換器の説明図である。
【図3】実施例3の電力変換器の説明図である。
【図4】実施例4の電力変換器の説明図である。
【図5】実施例5の電力変換器の説明図である。
【符号の説明】
1、2、3、4…電力変換器、10、20…交流系統、11…変圧器、12…PWMコンバータ、13…コンデンサ、14、17…直流リアクトル、15、25、35…遮断器、16…二次電池、18…双方向チョッパ、30…き電線、100…制御回路、101…交流電圧検出器、102…交流電流検出器、103…出力電流検出器、104…出力電圧検出器、105…入力電流検出器、110…有効電流算出器、111…電圧制御器、112、114…定数乗算器、113…電流制御器、115…リミッタ、116、117、119…減算器、118…加算器、120、220、320…制御装置、121…スイッチ、122…タイマ、123…出力維持器、124…ローパスフィルタ、125…交流電力算出器、126…除算器。

Claims (18)

  1. 接続される電源から電力を受け取る、または該電源に電力を供給することにより出力電圧指令値に従って直流出力電圧を制御する電力変換器であって、出力電圧指令値を補正する機能を有し、直流送電線に供給する電力または電流に応じて出力電圧指令値を補正することを特徴とする電力変換器。
  2. 接続される電源から電力を受け取る、または該電源に電力を供給することにより出力電圧指令値に従って直流出力電圧を制御する電力変換器であって、直流送電線から電流が流れ込むと出力電圧指令値を上げ、直流送電線に電流が流出すると出力電圧を下げることを特徴とする電力変換器。
  3. 接続される電源から電力を受け取る、または該電源に電力を供給することにより出力電圧指令値に従って直流出力電圧を制御する電力変換器であって、直流送電線に供給する電力または電流を検出する検出器を備え、該検出器の出力に応じて直流電圧指令値を変化させる電圧指令値補正器を有することを特徴とする電力変換器。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載の電力変換器において、出力電流検出値に定数を乗算した値を出力電圧補正値とし、該補正値を前記電力変換器の出力電圧指令値から減算して新たな出力電圧指令値とすることを特徴とする電力変換器。
  5. 請求項4に記載の電力変換器において、出力電流検出値による出力電圧補正値を所定の範囲に制限することを特徴とする電力変換器。
  6. 請求項4記載の電力変換器において、出力電圧検出値による出力電圧補正値を零以下に制限することを特徴とする電力変換器。
  7. 請求項4から請求項6の何れかに記載の電力変換器において、複数台の前記電力変換器を制御する制御装置から出力電圧調整命令が発行されると、その時刻において出力電流が零または零に近い値になるように出力電圧を補正し、その出力電圧補正値を保持することを特徴とする電力変換器。
  8. 請求項5から請求項7の何れかに記載の電力変換器において、電力変換器の出力電圧制御の応答時定数より長い時定数のローパスフィルタを備え、出力電圧補正値を前記ローパスフィルタに入力し、該ローパスフィルタの出力値を新たな出力電圧補正値とし、前記電力変換器の出力電圧指令値から減算して新たな出力電圧指令値を算出することを特徴とする電力変換器。
  9. 請求項7または請求項8の何れかに記載の電力変換器において、複数台の電力変換器を制御する制御装置から出力電圧調整命令が発行されると出力電圧の調整を行い、調整を終了して出力電圧補正値を固定した後に前記制御装置に出力電圧調整完了信号を出力し、出力電圧調整が終了したことを通知する機能を有することを特徴とする電力変換器。
  10. 請求項9に記載の電力変換器において、複数台の電力変換器を制御する前記制御装置が、第一の電力変換器に出力電圧調整命令を発行し、該第一の電力変換器より出力電圧調整完了信号を受け取ると第二の電力変換器に出力電圧調整命令を発行し、順次電力変換器の出力電圧を調整することを特徴とする電力変換器。
  11. 請求項1から請求項9の何れかに記載の電力変換器において、前記電力変換器に接続される電源が交流系統であることを特徴とする電力変換器。
  12. 請求項1から請求項9の何れかに記載の電力変換器において、前記電力変換器に接続される電源が二次電池であることを特徴とする電力変換器。
  13. 請求項1から請求項9の何れかに記載の電力変換器において、前記電力変換器に接続される電源が電気二重層コンデンサであることを特徴とする電力変換器。
  14. 請求項1から請求項9の何れかに記載の電力変換器において、前記電力変換器に接続される電源がフライホイール発電機であることを特徴とする電力変換器。
  15. 接続される電源から電力を受け取る、または該電源に電力を供給することにより出力電圧指令値に従って直流出力電圧を制御する電力変換器の制御方法において、直流送電線に供給する電力値または電流値を定数で乗算した値を電力変換器の出力電圧補正値とし、該補正値を出力電圧指令値から減算して新たな出力電圧指令値を作成し、電力変換器間の横流を抑制することを特徴とする電力変換器の制御方法。
  16. 請求項15記載の電力変換器の制御方法において、出力電圧補正値にリミットを設け、出力電圧指令値変化幅を制限することを特徴とする電力変換器の制御方法。
  17. 請求項16記載の電力変換器の制御方法において、出力電圧補正値を零以下に制限することを特徴とする電力変換器の制御方法。
  18. 請求項15から請求項17の何れかに記載の電力変換器の制御方法において、電力変換器の出力電圧制御の応答時定数より長い時定数のローパスフィルタを備え、出力電圧補正値を前記ローパスフィルタに入力し、該ローパスフィルタの出力値を新たな出力電圧補正値とし、該補正値を電力変換器出力電圧指令値から減算して新たな出力電圧指令値を作成し、電力変換器間を流れる横流を抑制することを特徴とする電力変換器の制御方法。
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