JP3442940B2 - 25Cr肉盛溶接用被覆アーク溶接棒 - Google Patents
25Cr肉盛溶接用被覆アーク溶接棒Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業用回収ボイラ
(製紙工程で生じる有用な薬品、溶液を回収するボイ
ラ)の火炉管、火炉壁パネル等の耐食、耐磨耗などの目
的で肉盛溶接を行う際に使用する被覆アーク溶接棒に関
する。 【0002】 【従来の技術】産業用の回収ボイラにおいて、高温での
スメルトによる腐食環境下で耐食性、耐磨耗性の観点か
ら、炭素鋼管が複数組み合わさった火炉管パネルの肉盛
溶接を行うべき部材表面に18%Crの肉盛溶接材料が
用いられている。しかし近年、回収ボイラでは高濃度、
高温度化のため、ますます厳しい腐食環境にある。現状
の18%Cr肉盛溶接部ではスメルトによる腐食、磨耗
によって、火炉管の減肉が激しいため、より耐食性に優
れた肉盛溶接材料の開発が必要となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】肉盛溶接金属部は母材
との希釈によりCr量が低下する。これまでの腐食環境
下では溶接金属部で13%以上のCr量を必要としてい
た。しかし腐食環境の厳しくなった現在の状況では、耐
食性を向上させるためさらに肉盛溶接金属部でのCr量
を増加させる必要がある。また、複数の炭素鋼管を組み
合わせたパネルに溶接する場合には火炉壁内面側にのみ
肉盛溶接を行うため、溶接後のパネルには応力除去焼鈍
(600〜650℃)が行われる。しかし工場内での搬
送及び一部加工による曲げ応力を考慮すれば、応力除去
焼鈍後の曲げ延性の他に溶接のままでの曲げ延性の良好
な溶接材料の開発が必要である。また、被覆アーク溶接
棒は自動溶接に比べ、溶接施工者の技能によるところが
大きい。したがってCr増加により溶接作業性が低下す
ることが予想できるので、実用上18Cr肉盛溶接材料
と同等もしくはそれ以上の溶接作業性を有する25Cr
肉盛溶接材料が必要となる。 【0004】本発明は上記技術水準及び要望に鑑み、耐
食性及び耐曲げ延性の優れ、溶接金属部で20%以上の
Cr量を含有する25Cr肉盛溶接用被覆アーク溶接棒
を提供しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は全溶着金属が重
量比で、C:0.06〜0.13%、Si:0.3〜1
%、Mn:0.3〜1%、Cr:23〜30%、Nb:
0.8〜1.2%、Ni:0.5%以下を含み、残部が
Fe及び不可避的不純物からなることを特徴とする製紙
工程で生じる有用な薬品、薬液を回収するボイラの炭素
鋼製の火炉管、火炉壁パネルに使用される25Cr肉盛
溶接用被覆アーク溶接棒である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明に係わる被覆アーク溶接棒
によってもたらされる全溶着金属の化学組成とその限定
理由について説明する。以下の説明における%は重量%
を意味する。 【0007】C:Cは適当な強度を得るための不可避的
な元素であり、0.06%未満では溶着金属の強度が乏
しくなる。しかし、多すぎると溶接金属組織が著しく硬
化するので0.13%以下に抑えなければならない。そ
のため、Cは0.006〜0.13%にすべきである
が、特に好ましくはC:0.06〜0.11%である。 【0008】Si:Siは脱酸の目的で含有される元素
であり、0.3%未満では十分な脱酸効果が得られな
い。しかし、多すぎると溶着金属の靱性を劣化させるの
で1%以下に抑える必要がある。そのため、Siは0.
3〜1%にすべきであるが、特に好ましくはSi:0.
4〜0.8%である。 【0009】Mn:Mnは脱酸、強度確保、靱性改善等
の諸機能を有しており、0.3%未満では脱酸の効果が
得られない。また、多すぎると組織が硬化し靱性が低下
するので1%以下に抑えなければならない。そのため、
Mnは0.3〜1%にすべきであるが、特に好ましくは
Mn:0.4〜0.8%である。 【0010】Cr:Crは耐食性と高温強度を確保する
ための基本成分であって、母材との希釈も考慮して23
%以上が必要である。耐食性の観点からは30%以上の
Crを含んでもよいが、溶接金属は著しく靱性が低下す
るので、Crは23〜30%にすべきであるが、特に好
ましくはCr:24.5〜30%である。 【0011】Nb:NbはCと結びついて微細かつ安定
な析出物を形成し、溶接金属の結晶粒を微細化する。結
晶粒の微細化により良好な曲げ延性、靱性を得ることが
できる。Nbが0.8%未満の場合、溶接金属の結晶粒
が微細化できず、良好な曲げ延性、靱性を得ることがで
きない。また、1.2%を超えるNbを添加すると、多
くのCが炭化物として析出してしまうため、溶接金属中
のCが減少し、溶接金属の強度が乏しくなる。またCと
結びつかなかった余剰のNbが溶接金属中に存在するこ
とになり、良好な曲げ延性が得られない。また、Nbは
溶接作業性と大きく関与しており、1.2%を超える量
を添加した場合には著しく溶接作業性が低下する。した
がって、これらの作用を有効に発揮させるため、0.8
〜1.2%とすべきである。 【0012】Ni:NiはC,Mnと同様にオーステナ
イト生成元素であり、Cr:23〜30%の範囲ではN
iを過剰に加えるとマルテンサイト組織が生じ、組織が
硬化して曲げ加工性が得られない。よって0.5%以下
に抑えなければならない。 【0013】 【実施例】以下、本発明の具体的な実施例をあげ、本発
明の効果を明らかにする。 【0014】(実施例1)表1の化学成分を有する径:
3.2mmの被覆アーク溶接棒を作成し、表2に示す溶
接条件で炭素鋼管(STB410)上に肉盛溶接を行っ
た。肉盛溶接の状況の斜視図を図1(a)に、その断面
図を図1(b)に示す。また、表1にはあわせて1層肉
盛溶接後のJIS Z2248(金属材料曲げ試験法)
による表曲げ試験及び溶接性評価試験の結果を示す。こ
こでは溶接後の熱応力、火炉管パネル搬送時の曲げ応
力、さらに火炉底部でのパネルの曲げ加工等を考慮し
て、溶接のままで表曲げ60°以上を合格とした。ま
た、溶接性の評価は現用材である18Cr被覆アーク溶
接棒と比べて、同等もしくはそれ以上の良好な溶接作業
性を持つ場合を○、それ以外の良好でない場合を×とし
た。さらに表1には母材との希釈による1層肉盛溶接金
属中のCr濃度を示す。図2に希釈率の求め方を示す。
溶接条件によって母材との希釈率は異なり、そのため1
層肉盛溶接金属中のCr濃度は変化する。表2の溶接条
件で図1のように炭素鋼管に溶接した場合の希釈率は1
0〜25%程度である。 【0015】 【表1】【0016】 【表2】 【0017】本発明例No. 1〜18の供試材は規定要
件を満たす実施例とした。曲げ加工性及び溶接作業性と
もに良好な結果が得られている。これに対しNo.19
〜30はいずれかの規定要件を欠く比較例である。 【0018】No.19はCが0.14%であり、溶接
金属組織が著しく硬化しており、曲げ加工性が乏しい。
No.20はCが0.05%と低いため、曲げに対して
適当な強度が得られず、曲げ角度60°以上を満足しな
い。 【0019】No.21はSiが本発明の範囲の下限
(0.3%)を下回っており、十分な脱酸の効果が得ら
れないため、溶接作業性が著しく悪い。No.22はS
iが本発明の範囲の上限(1%)を超えているため、靱
性が低下し曲げ加工性は良好でない。 【0020】No.23はMnが本発明の範囲の下限
(0.3%)を下回っており、十分な脱酸の効果が得ら
れないため、溶接作業性が著しく悪い。No.24はM
nが本発明の範囲の上限(1%)を超えているため、溶
接金属組織が硬化し靱性は低下するので、曲げ加工性は
良好でない。 【0021】No.25は供試材のCrが本発明の下限
(23%)より低いので、1層肉盛溶接中のCrが目標
の20%以上を満足しない。No.26はCrが本発明
の範囲の上限(30%)を超えているので、著しく靱性
は低下し、曲げ加工性が良好でなく、また溶接作業性も
良好でない。 【0022】No.27及びNo.28はNiが本発明
の範囲の上限(0.5%)を超えており、組織が著しく
硬化し、良好な曲げ加工性を有しない。 【0023】No.29はNbが本発明の範囲の上限
(1.2%)を超えており、溶接中のヒュームが大量に
発生するとともに溶接作業性は著しく低下する。No.
30はNbが本発明の範囲の下限(0.8%)を下回っ
ており、結晶粒が著しく粗大化し、良好な曲げ加工性が
得られない。 【0024】(実施例2)表3は表1の供試材の1層肉
盛溶接金属の成分及び腐食減量を示したものである。本
発明例No.1,5,9,10,14及び18において
は、腐食重量減が比較例33のSUS304よりも少な
く、良好な耐食性をもつことがわかる。また、比較例N
o.31,32(現状18Cr肉盛材料として市販され
ている溶接材料の全溶着金属の化学成分)に示すように
1層溶接金属部のCrが20%を下回っているため、本
発明例No.1,5,9,10,14及び18と比べ、
腐食重量減が大きく耐食性が劣る。 【0025】 【表3】 【0026】 【発明の効果】本発明は前述のように被覆アーク溶接棒
によってもたらされる全容着金属の化学成分を特定する
ことにより、良好な溶接作業性のもとで、優れた耐食
性、曲げ性能を有することがわかった。
(製紙工程で生じる有用な薬品、溶液を回収するボイ
ラ)の火炉管、火炉壁パネル等の耐食、耐磨耗などの目
的で肉盛溶接を行う際に使用する被覆アーク溶接棒に関
する。 【0002】 【従来の技術】産業用の回収ボイラにおいて、高温での
スメルトによる腐食環境下で耐食性、耐磨耗性の観点か
ら、炭素鋼管が複数組み合わさった火炉管パネルの肉盛
溶接を行うべき部材表面に18%Crの肉盛溶接材料が
用いられている。しかし近年、回収ボイラでは高濃度、
高温度化のため、ますます厳しい腐食環境にある。現状
の18%Cr肉盛溶接部ではスメルトによる腐食、磨耗
によって、火炉管の減肉が激しいため、より耐食性に優
れた肉盛溶接材料の開発が必要となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】肉盛溶接金属部は母材
との希釈によりCr量が低下する。これまでの腐食環境
下では溶接金属部で13%以上のCr量を必要としてい
た。しかし腐食環境の厳しくなった現在の状況では、耐
食性を向上させるためさらに肉盛溶接金属部でのCr量
を増加させる必要がある。また、複数の炭素鋼管を組み
合わせたパネルに溶接する場合には火炉壁内面側にのみ
肉盛溶接を行うため、溶接後のパネルには応力除去焼鈍
(600〜650℃)が行われる。しかし工場内での搬
送及び一部加工による曲げ応力を考慮すれば、応力除去
焼鈍後の曲げ延性の他に溶接のままでの曲げ延性の良好
な溶接材料の開発が必要である。また、被覆アーク溶接
棒は自動溶接に比べ、溶接施工者の技能によるところが
大きい。したがってCr増加により溶接作業性が低下す
ることが予想できるので、実用上18Cr肉盛溶接材料
と同等もしくはそれ以上の溶接作業性を有する25Cr
肉盛溶接材料が必要となる。 【0004】本発明は上記技術水準及び要望に鑑み、耐
食性及び耐曲げ延性の優れ、溶接金属部で20%以上の
Cr量を含有する25Cr肉盛溶接用被覆アーク溶接棒
を提供しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は全溶着金属が重
量比で、C:0.06〜0.13%、Si:0.3〜1
%、Mn:0.3〜1%、Cr:23〜30%、Nb:
0.8〜1.2%、Ni:0.5%以下を含み、残部が
Fe及び不可避的不純物からなることを特徴とする製紙
工程で生じる有用な薬品、薬液を回収するボイラの炭素
鋼製の火炉管、火炉壁パネルに使用される25Cr肉盛
溶接用被覆アーク溶接棒である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明に係わる被覆アーク溶接棒
によってもたらされる全溶着金属の化学組成とその限定
理由について説明する。以下の説明における%は重量%
を意味する。 【0007】C:Cは適当な強度を得るための不可避的
な元素であり、0.06%未満では溶着金属の強度が乏
しくなる。しかし、多すぎると溶接金属組織が著しく硬
化するので0.13%以下に抑えなければならない。そ
のため、Cは0.006〜0.13%にすべきである
が、特に好ましくはC:0.06〜0.11%である。 【0008】Si:Siは脱酸の目的で含有される元素
であり、0.3%未満では十分な脱酸効果が得られな
い。しかし、多すぎると溶着金属の靱性を劣化させるの
で1%以下に抑える必要がある。そのため、Siは0.
3〜1%にすべきであるが、特に好ましくはSi:0.
4〜0.8%である。 【0009】Mn:Mnは脱酸、強度確保、靱性改善等
の諸機能を有しており、0.3%未満では脱酸の効果が
得られない。また、多すぎると組織が硬化し靱性が低下
するので1%以下に抑えなければならない。そのため、
Mnは0.3〜1%にすべきであるが、特に好ましくは
Mn:0.4〜0.8%である。 【0010】Cr:Crは耐食性と高温強度を確保する
ための基本成分であって、母材との希釈も考慮して23
%以上が必要である。耐食性の観点からは30%以上の
Crを含んでもよいが、溶接金属は著しく靱性が低下す
るので、Crは23〜30%にすべきであるが、特に好
ましくはCr:24.5〜30%である。 【0011】Nb:NbはCと結びついて微細かつ安定
な析出物を形成し、溶接金属の結晶粒を微細化する。結
晶粒の微細化により良好な曲げ延性、靱性を得ることが
できる。Nbが0.8%未満の場合、溶接金属の結晶粒
が微細化できず、良好な曲げ延性、靱性を得ることがで
きない。また、1.2%を超えるNbを添加すると、多
くのCが炭化物として析出してしまうため、溶接金属中
のCが減少し、溶接金属の強度が乏しくなる。またCと
結びつかなかった余剰のNbが溶接金属中に存在するこ
とになり、良好な曲げ延性が得られない。また、Nbは
溶接作業性と大きく関与しており、1.2%を超える量
を添加した場合には著しく溶接作業性が低下する。した
がって、これらの作用を有効に発揮させるため、0.8
〜1.2%とすべきである。 【0012】Ni:NiはC,Mnと同様にオーステナ
イト生成元素であり、Cr:23〜30%の範囲ではN
iを過剰に加えるとマルテンサイト組織が生じ、組織が
硬化して曲げ加工性が得られない。よって0.5%以下
に抑えなければならない。 【0013】 【実施例】以下、本発明の具体的な実施例をあげ、本発
明の効果を明らかにする。 【0014】(実施例1)表1の化学成分を有する径:
3.2mmの被覆アーク溶接棒を作成し、表2に示す溶
接条件で炭素鋼管(STB410)上に肉盛溶接を行っ
た。肉盛溶接の状況の斜視図を図1(a)に、その断面
図を図1(b)に示す。また、表1にはあわせて1層肉
盛溶接後のJIS Z2248(金属材料曲げ試験法)
による表曲げ試験及び溶接性評価試験の結果を示す。こ
こでは溶接後の熱応力、火炉管パネル搬送時の曲げ応
力、さらに火炉底部でのパネルの曲げ加工等を考慮し
て、溶接のままで表曲げ60°以上を合格とした。ま
た、溶接性の評価は現用材である18Cr被覆アーク溶
接棒と比べて、同等もしくはそれ以上の良好な溶接作業
性を持つ場合を○、それ以外の良好でない場合を×とし
た。さらに表1には母材との希釈による1層肉盛溶接金
属中のCr濃度を示す。図2に希釈率の求め方を示す。
溶接条件によって母材との希釈率は異なり、そのため1
層肉盛溶接金属中のCr濃度は変化する。表2の溶接条
件で図1のように炭素鋼管に溶接した場合の希釈率は1
0〜25%程度である。 【0015】 【表1】【0016】 【表2】 【0017】本発明例No. 1〜18の供試材は規定要
件を満たす実施例とした。曲げ加工性及び溶接作業性と
もに良好な結果が得られている。これに対しNo.19
〜30はいずれかの規定要件を欠く比較例である。 【0018】No.19はCが0.14%であり、溶接
金属組織が著しく硬化しており、曲げ加工性が乏しい。
No.20はCが0.05%と低いため、曲げに対して
適当な強度が得られず、曲げ角度60°以上を満足しな
い。 【0019】No.21はSiが本発明の範囲の下限
(0.3%)を下回っており、十分な脱酸の効果が得ら
れないため、溶接作業性が著しく悪い。No.22はS
iが本発明の範囲の上限(1%)を超えているため、靱
性が低下し曲げ加工性は良好でない。 【0020】No.23はMnが本発明の範囲の下限
(0.3%)を下回っており、十分な脱酸の効果が得ら
れないため、溶接作業性が著しく悪い。No.24はM
nが本発明の範囲の上限(1%)を超えているため、溶
接金属組織が硬化し靱性は低下するので、曲げ加工性は
良好でない。 【0021】No.25は供試材のCrが本発明の下限
(23%)より低いので、1層肉盛溶接中のCrが目標
の20%以上を満足しない。No.26はCrが本発明
の範囲の上限(30%)を超えているので、著しく靱性
は低下し、曲げ加工性が良好でなく、また溶接作業性も
良好でない。 【0022】No.27及びNo.28はNiが本発明
の範囲の上限(0.5%)を超えており、組織が著しく
硬化し、良好な曲げ加工性を有しない。 【0023】No.29はNbが本発明の範囲の上限
(1.2%)を超えており、溶接中のヒュームが大量に
発生するとともに溶接作業性は著しく低下する。No.
30はNbが本発明の範囲の下限(0.8%)を下回っ
ており、結晶粒が著しく粗大化し、良好な曲げ加工性が
得られない。 【0024】(実施例2)表3は表1の供試材の1層肉
盛溶接金属の成分及び腐食減量を示したものである。本
発明例No.1,5,9,10,14及び18において
は、腐食重量減が比較例33のSUS304よりも少な
く、良好な耐食性をもつことがわかる。また、比較例N
o.31,32(現状18Cr肉盛材料として市販され
ている溶接材料の全溶着金属の化学成分)に示すように
1層溶接金属部のCrが20%を下回っているため、本
発明例No.1,5,9,10,14及び18と比べ、
腐食重量減が大きく耐食性が劣る。 【0025】 【表3】 【0026】 【発明の効果】本発明は前述のように被覆アーク溶接棒
によってもたらされる全容着金属の化学成分を特定する
ことにより、良好な溶接作業性のもとで、優れた耐食
性、曲げ性能を有することがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の肉盛溶接状況を示した説明
図。 【図2】本発明の供試材と母材との希釈率を示した説明
図。
図。 【図2】本発明の供試材と母材との希釈率を示した説明
図。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 前田 隆之
長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重
工業株式会社長崎造船所内
(72)発明者 石原 岩見
長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重
工業株式会社長崎造船所内
(56)参考文献 特開 平2−112894(JP,A)
特開 平9−225680(JP,A)
特開 平7−132393(JP,A)
特開 平7−60480(JP,A)
特開 昭52−123944(JP,A)
特公 平3−2596(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B23K 35/30
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 全溶着金属が重量比で、C:0.06〜
0.13%、Si:0.3〜1%、Mn:0.3〜1
%、Cr:23〜30%、Nb:0.8〜1.2%、N
i:0.5%以下を含み、残部がFe及び不可避的不純
物からなることを特徴とする製紙工程で生じる有用な薬
品、薬液を回収するボイラの炭素鋼製の火炉管、火炉壁
パネルに使用される25Cr肉盛溶接用被覆アーク溶接
棒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25587696A JP3442940B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 25Cr肉盛溶接用被覆アーク溶接棒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25587696A JP3442940B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 25Cr肉盛溶接用被覆アーク溶接棒 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1099990A JPH1099990A (ja) | 1998-04-21 |
JP3442940B2 true JP3442940B2 (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=17284803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25587696A Expired - Fee Related JP3442940B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 25Cr肉盛溶接用被覆アーク溶接棒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3442940B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3900230B2 (ja) * | 1998-10-13 | 2007-04-04 | 三菱重工業株式会社 | 粉体プラズマ肉盛溶接用粉末材料及び粉体プラズマ肉盛溶接金属 |
JP4633748B2 (ja) * | 2007-01-25 | 2011-02-16 | 株式会社大同キャスティングス | ごみ焼却炉用の高耐食ボイラ肉盛管の製造方法及びこれに用いる粉末肉盛材料 |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP25587696A patent/JP3442940B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1099990A (ja) | 1998-04-21 |
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