JP3442584B2 - 脂肪族系ポリアミド樹脂を最外層とする包装用積層フィルム - Google Patents

脂肪族系ポリアミド樹脂を最外層とする包装用積層フィルム

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JP3442584B2
JP3442584B2 JP23256296A JP23256296A JP3442584B2 JP 3442584 B2 JP3442584 B2 JP 3442584B2 JP 23256296 A JP23256296 A JP 23256296A JP 23256296 A JP23256296 A JP 23256296A JP 3442584 B2 JP3442584 B2 JP 3442584B2
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武雄 大森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の脂肪族系ポ
リアミド樹脂を最外層とし、超低密度ポリエチレン(V
LDPE)からなる層を最内層(シール層)とする包装
用積層フィルムに関する。本発明で提供される包装用積
層フィルムは、ラベル適性、表面光沢、透明性、ガスバ
リヤー性及び成形性に優れると共に、適度な柔軟性を有
し、物品の包装、主として畜肉食品、水産加工品、加工
食品などの包装に用いられる。
【0002】
【発明の背景】食品の包装形態が多種類に渡ってきてい
るが、それぞれの包装形態により用いられるフィルムに
要求される性質は異なるものである。例えば、真空深絞
り包装用フィルムとしては被包装物とフィルムとの間が
密着していることが要求される。 これは、被包装物が
非食品であっても、フィルムが被包装物の形状に沿って
密着していることが包装品の外観を綺麗に見せる点で望
まれる。また食肉などのように液汁分離を起こしやすい
被包装物にあっては、フィルムと被包装物との間の空隙
に液汁が分離し、外観を損ねたり、腐敗の原因となった
りするので密着すること(密着性)が望まれる。さら
に、被包装品が明瞭に見えること(透明性)、一次成
形、二次成形に於いてフィルムに皺が入らないこと(成
形性)、包装品自体が酷使に耐えること(耐ピンホール
性)、包装体の表面に光沢を有すること(表面光沢)、
包装品にラベルが貼り易いこと(ラベル適性)、内容物
を長期に保存できること(ガスバリヤー性)などが望ま
れる。同様の特性は深絞り包装に限らず、ピロー包装、
パウチなどに於いても同様に望まれる。
【0003】これらの要望を満たすべく、従来から多く
の提案がなされている。例えば、特開平7ー1544号
に於いては、最外層を12ナイロン樹脂層又は12ナイ
ロンと6ナイロンとの共重合ポリアミド層、中間層をポ
リオレフィン系接着樹脂層に挟まれたポリアミド樹脂層
または、ポリオレフィン系接着樹脂層に挟まれたポリア
ミド樹脂層とエチレンー酢酸ビニル共重合体鹸化物層、
最内層にシール性樹脂層を配してなり、最外層の厚みが
全体厚みの15%以下である深絞り成形用共押出複合フ
ィルムが開示されている。このフィルムに於いては上記
の多くの要望を満たすのであるが、この先行技術の具体
例と同様な構成である本発明比較例2に示す様に、メル
トフラクチャーを起こしやすい。このようなメルトフラ
クチャーを起こすと、その程度が軽い場合でも偏肉を招
き、フィルムを巻き取ったとき、或いは二次成形をした
ときに皺を生じたり、表面光沢を悪くする等、成型品の
外観を悪くする。また、ひどい場合には穴が空き、いず
れにせよ、通常は製品にならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メル
トフラクチャーを起こしにくく、ラベル適性、表面光
沢、透明性、ガスバリヤー性に優れると共に、適度な柔
軟性を有する包装用多層フィルムを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記先行
技術に於けるガスバリヤー層が特定の樹脂組成物に於い
て上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】即ち、本発明1は、最外層が脂肪族系ポリ
アミド樹脂からなり、酸素バリヤー層が下記(1)又は
(2)の構成、即ち、 (1)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物60〜95
重量%、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオ
ノマー4〜35重量%及びポリアミド1〜30重量%か
なるか、又は (2)ポリアクリロニトリル若しくは不飽和ニトリル系
樹脂からなり、最内層であるシール層が超低密度ポリエ
チレンからなり、最外層を構成するフィルムの23℃の
水中に浸漬した後の飽和吸水率が5.0%以下である包
装用積層フィルムを提供する。発明2は、酸素バリヤー
層がエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物60〜95重
量%、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノ
マー4〜35重量%及びポリアミド1〜30重量%から
なる発明1の包装用積層フィルムを提供する。発明3
は、最外層の脂肪族系ポリアミド樹脂がナイロン−1
1、ナイロン−12及びナイロン−6,10の群から選
ばれた少なくとも一種である発明1又は2の包装用積層
フィルムを提供する。発明4は、深絞り成形用である発
明1〜3のいずれかの包装用積層フィルムを提供する。
発明5は、ピロー包装用である発明1〜3のいずれかの
包装用積層フィルムを提供する。発明6は、パウチ用で
ある発明1〜3のいずれかの包装用積層フィルムを提供
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用する最外層は脂肪族
系ポリアミド樹脂からなり、その層を構成するフィルム
は23℃の水中に浸漬した後の飽和吸水率が5.0%以
下好ましくは2.0%以下である。尚、飽和吸水率の測
定はASTM D−570に準じて行った。また、フィ
ルム厚さは最外層フィルムの厚さのままとする。この樹
脂層はラベル適性の向上に寄与し、優れた表面光沢を有
する。また、本発明を構成する他の樹脂層との組み合わ
せに於いて、積層フィルムの透明性にも優れるものであ
る。
【0008】最外層を構成する脂肪族系ポリアミド樹脂
としては、具体的にはポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン−6,10)、ポリウンデカンアミド(ナイ
ロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−1
2)等が挙げられる。
【0009】最外層はフィルムを包装に使用した際、包
装表面となる。この面にラベルが貼着されて商品となる
のであるが、ラベルの裏側には粘着剤が塗布されてい
る。通常、食品包装用のラベルの粘着剤としてはアクリ
ル系粘着剤が使用されている。ポリカプラミド(ナイロ
ン−6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−
6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニ
ウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)のい
ずれを最外層に用いた場合でも、ボイル後に於いてはラ
ベル貼着後のラベルが剥がれやすいのであるが、飽和吸
水率が5.0%以下の脂肪族系ポリアミド樹脂を用いる
ことによりラベルが剥がれ難くなる。さらに、これらの
ポリアミドを用いた場合、包装体の表面光沢が一層改善
される。これらのポリアミドのうち、ナイロン−11と
ナイロン−12が特に好ましい。
【0010】酸素バリヤー層は、下記(1)又は(2)
構成、即ち、 (1)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物60〜95
重量%、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオ
ノマー4〜35重量%及びポリアミド1〜30重量%か
らなるか、又は、 (2)ポリアクリロニトリル若しくは不飽和ニトリル系
樹脂からなる。
【0011】このうち、(1)が特に好適に用いられ
る。(1)において用いられるエチレンー酢酸ビニル共
重合体鹸化物は酸素バリヤー層中、60〜95重量%、
好ましくは70〜95重量%、より一層好ましくは80
〜95重量%が用いられる。95重量%を越えると溶融
挙動が悪く積層される樹脂構成によってはメルトフラク
チャーを起こしやすいので好ましくなく、60重量%未
満では酸素バリヤー性が低下するので好ましくない。
【0012】また、(1)において用いられるエチレン
ー不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーは酸素バリ
ヤー層中、4〜35重量%、好ましくは5〜25重量
%、より一層好ましくは5〜15重量%である。4重量
%未満ではメルトフラクチャーを起こしやすく、35重
量%を越えると酸素バリヤー性が低下する。
【0013】また、(1)において用いられるポリアミ
ドはエチレンー酢酸ビニル共重合体鹸化物とアイオノマ
ーとの混合を均一化させ透明性に寄与する。ポリアミド
を全く含まないと透明性が悪く、また、多すぎるとゲル
化を起こし透明性が劣化する。 従ってポリアミドはガ
スバリヤー層中1〜30重量%、好ましくは1〜25重
量%、より一層好ましくは1〜20重量%である。
【0014】(1)において用いられるエチレンー酢酸
ビニル共重合体鹸化物は、通常エチレン含量20〜60
モル%、鹸化度60モル%以上のものが好ましく、より
好ましくはエチレン含量30〜55モル%、鹸化度70
モル%以上、更に好ましくはエチレ含量40〜50モル
%、鹸化度80〜100モル%のものが用いられる。
【0015】(1)において用いられるエチレンー不飽
和カルボン酸共重合体のアイオノマーにおける、不飽和
カルボン酸は4〜15モル%、中でも5〜12モル%、
特に6〜10モル%が好適に用いられる。4モル%未満
では透明性が低下するためであり、15モル%を越える
とフィルムの強度が低下するためである。
【0016】また、アイオノマーは3元共重合体であっ
てもよい。3元共重合体の場合、前記の共重合体の単量
体に加えて、さらに12モル%以下、好ましくは8モル
%以下の共重合可能な他の単量体を用いることが好まし
い。これら共重合体は高温、高圧下でのラジカル重合に
より得られる。
【0017】不飽和カルボン酸としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、マ
レイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレ
イン酸が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸
が好ましく用いられる。
【0018】共重合可能な他の単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2ーエチル
ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチ
ル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル
及び一酸化炭素等が挙げられる。
【0019】アイオノマーの金属イオンはリチウム、ナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マ
グネシウム等のアルカリ土類金属及び亜鉛等のイオンで
ある。中でも亜鉛イオンが特に好ましい。イオン化度は
5〜100%、好ましくは10〜90%、より一層好ま
しくは30〜70%の範囲が用いられる。
【0020】(1)において用いられるポリアミドとし
ては、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−ア
ミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノ
ナン酸(ナイロン−9)、ポリラウリルラクタム(ナイ
ロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイ
ロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイ
ロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイ
ロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイ
ロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナ
イロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド
(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド
(ナイロン−10,8)、或いはカプロラクタム/ラウ
リルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロ
ラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/
9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウム
アジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリ
ルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート
共重合体(ナイロン−12/6,6)、ヘキサメチレン
ジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロンー2,6
/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモ
ニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバ
ケート共重合体(ナイロン−6,6/6,10)、エチ
レンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアン
モニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセ
バケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,1
0)、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)、ヘ
キサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンイソフ
タルアミド共重合体(ナイロン6I−6T)等が挙げら
れる。これらポリアミドの中でもDSCで求めた融点が
240℃以下、特に230℃以下のものが好適に用いら
れる。
【0021】(1)において用いられるポリアミドとア
イオノマーとの組成物については商品名「ハイミランA
M7926」として三井デュポンポリケミカル(株)か
ら市販されている。
【0022】酸素バリヤー層はこの他、(2)ポリアク
リロニトリル若しくは不飽和ニトリル系樹脂からなるも
のあってもよい。不飽和ニトリル系樹脂としては不飽和
ニトリルを50重量%以上含有するハイニトリル系共重
合体樹脂が包含される。
【0023】また、本発明の包装用積層フィルムには最
外層と最内層の間に酸素バリヤー層以外に中間層を設け
ても良い。この層は積層体に強度を特に要求されない用
途に対しては必要ではない。中間層に用いられる樹脂と
してはポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、リサ
イクル樹脂などが例示される。中でもポリアミド系樹脂
が好ましく用いられる。
【0024】最内層は、VLDPEからなっている。こ
の層はシール層としての機能を有している。本発明で用
いるVLDPEは密度0.87〜0.920g/cm3
で、エチレンを主成分とし、副成分としてプロピレン、
ブテンー1、ペンテンー1,4ーメチルペンテンー1、
ヘキセンー1、オクテンー1等の炭素数10までのα−
オレフィンとの共重合体が含まれる。チーグラー触媒に
より製造されたもの、メタロセン触媒により製造された
ものを問わず用いることが出来る。また、上記の樹脂の
混合物を使用しても差し支えない。VLDPEは、シー
ル性、ホットタック性、透明性がよいので好ましく用い
られる。
【0025】これらのVLDPEはシール層としての機
能を考慮し、好ましくは結晶融点86℃以上、さらには
90〜125℃の範囲のものから選ばれる。また、シー
ル温度範囲を調節するために低融点のものとそれより融
点の高いものとの混合樹脂であっても差し支えない。
【0026】最内層にはアンチブロッキング剤、滑材な
どを添加しても良い。アンチブロッキング剤としては酸
化珪素、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等の粉末
が、滑剤としてはオレイン酸アマイド、パルミチン酸ア
マイド、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド系の
ものが好適に用いられる。これらの添加量は、最内層に
これらのアンチブロッキング剤0.02〜0.8重量
%、好ましくは0.2〜0.6重量%、滑剤は5×10
ー3〜0.2重量%、好ましくは5×10ー2〜0.15重
量%の範囲で含まれることが望ましい。これらアンチブ
ロッキング剤、滑剤を含むマスターバッチを添加する方
法が好適に用いられる。アンチブロッキング剤、滑剤
は、シール層に用いられるVLDPEが大きい粘着性を
有する場合、フィルム巻き取り時にべた付きによるトラ
ブルを防ぐ目的で使用することが望ましい。
【0027】最内層に隣接して、最外層側にポリオレフ
ィンからなるもう一つの中間層を設けても良い。この中
間層は、もう一つの強度付与層となる。この層のポリオ
レフィンとして用いる樹脂は、フィルムの透明性を損な
わない限り限定されない。最内層のVLDPEと同種の
ものであってもよく、異なるものであっても良い。例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンと他の
α−オレフィンとの共重合体、LLDPE,VLDP
E、エチレンー酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
また、最内層に添加したアンチブロッキング剤、滑剤は
成形の過程で散逸し効果が顕著に発現しないことがある
ので、この中間層にこれらの添加剤を添加しておき、最
内層へ移行させて効果を維持させても良い。上記の樹脂
の内、VLDPEが好ましく用いられる。
【0028】各層間の接着をより強くするために接着層
を設けても良い。このうち、酸素バリヤー層の両側に接
着層を設けることにより、フィルム全体の耐ピンホール
性を優れたものとすることが出来る。接着層に用いる樹
脂としては軟化温度の低い熱可塑性重合体及びこれらの
樹脂の不飽和カルボン酸変性物若しくは該酸変性物の金
属変性物など、並びにこれらを含む混合物が好ましい。
例えば、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンとア
クリル酸エチル共重合体、およびマレイン酸、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸又はこれらの無水物など
で変性されたオレフィン共重合体、熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー、これらの1種以上を包含するブレンド
樹脂などである。これらの中でマレイン酸で変性したポ
リオレフィン、例えばマレイン酸で変性したLLDP
E、エチレンー酢酸ビニル共重合体等が好ましく用いら
れる。
【0029】積層体の厚みは特に限定されないが、深絞
り成形用のフィルムとして用いる場合の全層厚みは、好
ましくは100〜250μm、さらに好ましくは120
〜250μmである。最外層の厚みは10〜40μm、
さらに10〜35μmが望ましい。また、最内層の厚み
は、好ましくは10〜80μm、さらには15〜80μ
m程度が望ましい。その他の層の厚さは包装対象物によ
り各層の厚さを適宜選定して良い。
【0030】積層フィルムの製造の際、各樹脂層には必
要により、所望する性質を損なわない範囲で各種添加
剤、安定剤などを添加しても良い。添加剤の配合は公知
の方法により行うことが出来る。各樹脂はそれぞれ別の
押出機で溶融混練され、Tダイ共押出、または円形ダイ
共押出により溶融成形される。本発明の積層フィルムは
延伸されていても、未延伸であっても良い。延伸フィル
ムはTダイ延伸法、インフレーション法などの公知の方
法で延伸される。未延伸の場合はTダイ共押出により通
常、樹脂温度200〜250℃で積層構成の溶融体を成
形する。ついでこの溶融体を規定の厚みになるようにド
ラフト比を設定し、通常40〜60℃のチルロール上で
急冷し、ドラフトして未延伸多層フィルムを得る方法が
好ましく用いられる。積層フィルムを深絞り用に使う場
合は前記の厚み範囲のフィルムを使用するのが好まし
い。この場合はフィルムの最内層が被包装物に接する面
となるように使用する。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。得られたフィルムの評価は以下の方法で行った。 1.光沢(Gloss) ASTM D523に準じて測定した。 2.透明性(Haze) ASTM D1003に準じて測定した。 3.柔軟性(ヤング率) ASTM D882に準じて測定した。 4.飽和吸水率 ASTM D570に準じて測定した。但し、フィルム
の厚さは最外層フィルムの厚さのまま測定した。
【0032】5.ラベル適性 アクリル系粘着剤を使用したラベルを用いて、以下の条
件でラベルしたものの剥離強度を測定した。剥離強度の
測定は5℃、剥離速度200mm/分で180°剥離を
行った。 a)温度5℃の水中に焼豚を充填したフィルムを30分
間浸した後、ラベルを水中に入れ、手でフィルムの最外
層の面にラベルを貼着した。貼着後直ちに剥離強度を測
定した。 b)焼豚を充填した本発明フィルムを30分間、98℃
のボイル水中に浸した後、フィルムを取り出し、最外層
フィルム表面の水滴を拭き取り5℃の雰囲気中に置き、
次いで23℃の空気中に戻してフィルム表面に水滴を結
露させたまま最外層の面にラベルを貼着した。貼着後直
ちに剥離強度を測定した。この条件は実際にユーザーが
行うボイル殺菌後のラベル貼り付け工程に近似する。 c)室温に放置したフィルムの最外層の面にラベルを貼
着した。貼着後直ちに剥離強度を測定した。
【0033】6.メルトフラクチャーの有無 チルロール上で急冷し、ドラフトして巻き取られる前の
フィルムの表面のさざ波の有無で評価した。
【0034】(実施例1)以下の6種の樹脂材料を用い
て7層構成の多層フィルムを製膜した。 (1)最外層:ナイロン−11(東レ(株)の販売に係
る「RILSAN BESN OTL」を使用、密度
1.04g/cm3)相対粘度2.75、融点186
℃)。 (2)酸素バリヤー層:エチレンー酢酸ビニル共重合体
鹸化物(日本合成化学(株)製;ソアノールA4412
B、密度1.14g/cm3、MFR12.0g/10
分[210℃]、融点164℃、エチレン含量44モル
%)と、組成比(重量)が7:3のアイオノマーとポリ
アミドとの組成物(三井デュポンポリケミカル(株)
製、「ハイミランAM7926」密度1.0g/c
3、MFR9.01g/10分[230℃]、融点8
1℃、198℃)を90:10の重量比でブレンドし
た。 (3)接着剤層:マレイン酸変性LLDPE(三井石油
化学(株)製;「アドマー」、密度0.904g/cm
3、MFR9.5g/10分[190℃]、融点104
℃、123℃)。 (4)中間層1:ナイロン−6/6,6(東レ(株)
製;「アミランCM6001XF」密度1.13g/c
3、相対粘度3.2、融点195℃、共重合(重量)
比ナイロン−6:ナイロン6,6=85:15)。 (5)中間層2;エチレンー1ーオクテン共重合体(ザ
ダウ ケミカル カンパニー製;VLDPE、「AF
FINITY FW1650」、密度0.902g/c
3、MFR3.0g/10分[190℃]、融点98
℃)。 (6)最内層;中間層2と同じVLDPEに対しアンチ
ブロッキング剤として酸化珪素0.4重量%、滑剤とし
てエルカ酸アマイド0.1重量%添加したものを用い
た。
【0035】6台の押出機を使用し、上記の6種の樹脂
材料を別々に溶融混練し、Tダイ共押出により樹脂温度
230℃で最外層/接着層/酸素バリヤー層/中間層1
/接着層/中間層2/最内層の7層構成の溶融体を成形
した。ついでこの溶融体を規定の厚みになるようにドラ
フト比を設定し、40℃のチルロール上で急冷し、ドラ
フトして未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィ
ルムの厚みは最外層から順に20μ/10μ/15μ/
40μ/10μ/90μ/15μの計200μmであっ
た。得られた結果は表1に酸素バリヤー層の構成の概略
と共に示した。
【0036】(実施例2)最外層のみを以下のものを用
いた他は、実施例1と同様に行い、7層の積層フィルム
を得た。得られた結果は表1に酸素バリヤー層の構成の
概略と共に示した。 最外層;ナイロン−12(宇部興産(株)製;「宇部ナ
イロン3030XA」、密度1.02g/cm3、相対
粘度2.85、融点180℃)。
【0037】(比較例) 実施例2のガスバリヤー層を実施例2で用いたエチレン
−酢酸ビニル共重合体鹸化物のみとした他は実施例2と
同様に行った。得られた結果は表1に酸素バリヤー層の
構成の概略と共に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の包装用積層フィルムは最外層に
特定な脂肪族系ポリアミドを使用すると共にガスバリヤ
ー層に特定のエチレンー酢酸ビニル共重合体組成物を使
用することによりメルトフラクチャーが起こりにくく、
ラベル適性、表面光沢、透明性、ガスバリヤー性に優れ
ると共に、適度な柔軟性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B65D 1/09 B65D 1/00 B (72)発明者 佐藤 孝 茨城県新治郡玉里村大字上玉里18−13 呉羽化学工業株式会社 樹脂加工技術セ ンター内 (56)参考文献 特開 昭62−7761(JP,A) 国際公開95/033621(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 65/40 B32B 27/28 102 B32B 27/30 B32B 27/32 B32B 27/34 B65D 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最外層が脂肪族系ポリアミド樹脂からな
    り、酸素バリヤー層が下記(1)又は(2)の構成、即
    ち、 (1)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物60〜95
    重量%、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオ
    ノマー4〜35重量%及びポリアミド1〜30重量%か
    なるか、又は (2)ポリアクリロニトリル若しくは不飽和ニトリル系
    樹脂からなり、 最内層であるシール層が超低密度ポリエチレンからな
    り、最外層を構成するフィルムの23℃の水中に浸漬し
    た後の飽和吸水率が5.0%以下である包装用積層フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 酸素バリヤー層がエチレン−酢酸ビニル
    共重合体鹸化物60〜95重量%、エチレン−不飽和カ
    ルボン酸共重合体のアイオノマー4〜35重量%及びポ
    リアミド1〜30重量%からなる請求項1記載の包装用
    積層フィルム。
  3. 【請求項3】 最外層の脂肪族系ポリアミド樹脂がナイ
    ロン−11、ナイロン−12及びナイロン−6,10の
    群から選ばれた少なくとも一種である請求項1または2
    記載の包装用積層フィルム。
  4. 【請求項4】 深絞り成形用である請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の包装用積層フィルム。
  5. 【請求項5】 ピロー包装用である請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の包装用積層フィルム。
  6. 【請求項6】 パウチ用である請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の包装用積層フィルム。
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