JP4397461B2 - 二軸延伸多層フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂からなる外層を有する二軸延伸多層フィルムに関し、特に耐熱性、レトルト殺菌処理特性、易シール性、成形性、熱収縮性、ガスバリヤー性、水蒸気バリアー性、柔軟性等のバランスに優れた包装用フィルム(特に厚さを限定する意味でなく、より一般的には「シート」と呼ばれる厚さのものをも含む趣旨で「フィルム」の語を用いる)に関する。
【0002】
本発明の二軸延伸多層フィルムは、ソーセージなどの流動体または半流動体状の食品、加工肉やハムなどの固形状の食品等を充填し、包装するためのケーシングフィルム、ピロー包装用フィルム、及び深絞り包装用フィルムとして特に好適である。
【0003】
【従来の技術】
近年、食品包装分野での技術革新はめざましく、常に各食品の包装、保存、輸送などに最適な包装用素材が求められている。また、生産量の増大やコスト低減等を目的として、自動包装システムの開発が進められており、包装用素材には、自動包装機械適性に優れていることが要求されている。
【0004】
ソーセージ等の畜産加工品、魚肉ソーセージ等の水産加工品、、こんにゃく、ういろう等の農産加工品や調理食品などの流動体・半流動体状食品、及び加工肉やハム等の固形状の食品などを充填し、包装するためのケーシングフィルム、ピロー包装用フィルムまたはシート、及び深絞り包装用フィルムの分野では、各種合成樹脂からなる単層または多層のフィルムが汎用されている。例えば、ケーシングフィルムの分野では、ナイロンとポリオレフィン系樹脂との樹脂組成物からなるフィルム、あるいはナイロン層とポリオレフィン系樹脂層とを積層した多層フィルムが多く使用されている。
【0005】
これらの中でも、ナイロン層とポリエチレン層とを積層した多層フィルム(以下、「Ny/PEフィルム」と略記)は、良好なヒートシール性、ガスバリヤー性を有しているため、広く使用されている。しかしながら、このNy/PEフィルムは、柔軟性に欠けるという問題があった。しかも、Ny/PEフィルムは、ポリエチレン層をシール層とした合掌型ヒートシール法(シール面がポリエチレン層同士)を適用することは可能であるが、いわゆる封筒貼り型シール法(シール面がナイロン層とポリエチレン層)を適用することができない。そのため、Ny/PEフィルムを封筒貼り型シール機構を備えた自動充填包装機械に適用することができなかった。
【0006】
単層により、ケーシングフィルムとしての諸特性を満足させるポリアミド系樹脂組成物について、幾つかの提案がなされている。例えば、特開平4−122732号公報には、ナイロン6、及びヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸と、イソフタル酸との重縮合物からなる芳香族コポリアミド(以下、「ナイロン6I/6T」と略記)の混合物から形成されたケーシングフィルムが提案されている。しかしながら、このケーシングフィルムをインフレーション法により製造する場合、インフレーション延伸時のチューブ状パリソンの内部応力が高いため、延伸バブル内のエアー圧が高くなり、バブルの破裂が多発して安定なインフレーション延伸を行うことが困難であった。しかも、このケーシングフィルムに、常法によりソーセージを充填し、ボイルクッキング後、冷却すると製品の表面にしわが発生したり、製品寸法が安定しにくいという問題があった。さらに、このケーシングフィルムは、剛性が高く、シャーリング及び充填性などの作業性が悪い。
【0007】
上記のポリアミド系樹脂組成物において、ナイロン6I/6Tに代えて、アジピン酸とメタキシリレンジアミンからなる芳香族ポリアミド(以下、「ナイロンMXD6」と略記)を用いると、前述の傾向がさらに顕著になる。また、ナイロンMXD6を用いてブロー成形したフィルムまたはシートは、深絞り成形すると、深絞り成形金型の底部コーナーから側壁部に欠けての伸びが均一ではなく、深絞り成形が難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性、レトルト殺菌処理特性、易シール性、成形性、熱収縮性、ガスバリヤー性、水蒸気バリヤー性、柔軟性等のバランスに優れ、包装材料としての使用に適した二軸延伸多層フィルムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、上記のような二軸延伸多層フィルムによりケーシングを形成し、流動体または半流動体状物質を収容してなる包装体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決する手段】
本発明に従い、一対の熱可塑性樹脂からなる外層の間に中間層を挾持した少なくとも三層からなる積層フィルムを二軸延伸してなる二軸延伸多層フィルムであって、中間層が芳香族系ジアミン重合体と芳香族系ジアミン共重合体の混合物を含むガスバリヤ性樹脂からなり、少なくとも一つの外層がポリプロピレン系樹脂からなり、中間層と外層の間に接着層を有し、接着層はポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との重量基準での混合割合が80/20〜20/80であり、且つポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂の少なくとも一つが官能基を含むものである混合樹脂からなる二軸延伸多層フィルムが提供される
【0011】
また本発明の別の好ましい態様によれば、上記一対の外層のうち加工肉食品に接する外層がポリプロピレン系樹脂90〜80重量%とポリエチレン系樹脂10〜20重量%を含む樹脂であり、コロナ処理されている
【0013】
本発明の更に別の観点に従えば、上記二軸延伸多層フィルムによりケーシングを形成し、流動体または半流動体状物質を収容してなる包装体が提供される。
【0014】
本発明は、国際公開公報WO98/29250号にかかる発明の選択発明に相当するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(ポリプロピレン系樹脂)
本発明の二軸延伸多層フィルムは、一対の熱可塑性樹脂からなる外層の少なくとも一方がポリプロピレン系樹脂からなることを一つの主要な特徴とする。
【0016】
ポリプロピレン系樹脂には、プロピレン単独重合体(ポリプロピレン)あるいは、プロピレン含量が90重量%以上であるプロピレンと炭素数が4以下の他のオレフィンとの共重合体が含まれ、これらポリプロピレン系樹脂は単独で、あるいはポリプロピレン系樹脂を50重量%以上、好ましくは60重量%以上、含むポリプロピレン系樹脂と他の熱可塑性樹脂との混合物の形態で用いられる。
【0017】
ポリプロピレン系樹脂の好ましい例としては、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体があり、より好ましくは樹脂融点が130〜155℃、特に130−140℃を有するものが挙げられる。
【0018】
(他の熱可塑性樹脂)
他の熱可塑性樹脂の好ましい例としては、エチレン単独重合体(ポリエチレン)あるいはエチレン含量が75重量%以上、より好ましくは90重量%以上であるエチレンと炭素数が8以下の他のオレフィンとの共重合体からなるポリエチレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂の好ましい例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などのホモポリマー;直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)などのエチレン・α−オレフィン共重合体(ダウケミカル社から市販される商品名「アフィニティー」、「エリート」などメタロセン触媒を用いて得られる共重合体、特に密度0.900g/cm3以上のものが好ましい)が挙げられる。
【0019】
他の熱可塑性樹脂のポリエチレン系樹脂以外の好ましい例としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー等の極性基を含むエチレン系共重合体等が挙げられる。
【0020】
(外層)
外層を構成するポリプロピレン系樹脂中プロピレン含量が90重量%未満あるいは、外層中のポリプロピレン系樹脂含量が50重量%未満では、外層にポリプロピレン系樹脂を用いることに伴う耐熱性、レトルト殺菌処理適性等の向上効果が乏しくなる。
【0021】
特に好ましい外層の構成は、ポリプロピレン系樹脂95〜70重量%、特に90〜80重量%、とポリエチレン系樹脂5〜30重量%、特に10〜20重量%との混合物を用いることである。これにより外層にコロナ処理をした際に、著しく高い肉密着性の改善が得られる。特に魚肉ソーセージなど肉密着のし難い加工食品の場合、コロナ処理が有効であり、ポリプロピレン系樹脂が95重量%を超えると、コロナ処理の効果が不十分となり易い。他方、ポリエチレン系樹脂が多過ぎると中間層のポリアミド系樹脂組成物との延伸性がやや低下し、また、レトルト適性が不十分となり易い。
【0022】
(他の外層)
一対の外層は、ともにポリプロピレン系樹脂あるいはこれを50重量%以上含む熱可塑性樹脂組成物により構成することが、封筒貼り型シール適性およびレトルト殺菌処理適性を向上する観点で好ましい。しかし、一対の外層の一方は、ポリプロピレン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂で構成することもできる。この際の熱可塑性樹脂としては上記(他の熱可塑性樹脂)の項に例示したものが好ましく用いられるほか、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂も好ましく用いられる。
【0023】
上記他の外層は、(半)流動体状物質等からなる内容物と接する外層(いわゆる内表面層)とは逆の外層(外表面層)を構成することが好ましい。この外層中には、例えば粒径が10μm以下のシリカ粒子等からなる粒状潤滑剤を1000ppm以下、好ましくは200〜800ppmの割合で含ませて、得られる多層フィルムの滑り性を向上し、ピロー包装適性を向上することも好ましい。
【0024】
(中間層)
中間層は、高温度下あるいはレトルト中のガスバリヤ性、延伸加工性、包装体の落下あるいは突刺し、あるいはシャッタリング時の強度を適切に設定するために芳香族系ジアミン共重合体と、芳香族系ジアミン重合体とを含むポリアミド系樹脂により構成することが好ましい。
【0025】
(芳香族系ジアミン)
芳香族ジアミンとしては、キシリレンジアミンが好ましく、特にメタキシリレンジアミン単独、またはメタキシリレンジアミン60重量%以上、好ましくは70重量%以上と、パラキシリレンジアミン40重量%以下、好ましくは30重量%以下とのジアミン混合物、が好ましく用いられる。
【0026】
(芳香族系ジアミン重合体)
芳香族系ジアミン重合体としては、上記した芳香族系ジアミンと、芳香族または脂肪族ジカルボン酸、好ましくは脂肪族ジカルボン酸、更に好ましくは、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸、例えば、アジピン酸、セバチン酸、スベリン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等との重縮合反応により合成されるポリアミド樹脂が用いられる。より具体的には、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスベラミド等の単独重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド/セバカミド共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)が特に好ましい。これら芳香族系ジアミン重合体は、本発明の二軸延伸多層フィルムにガスバリアー性等の性質を付与する。
【0027】
(芳香族系ジアミン共重合体)
また芳香族系ジアミン共重合体としては、上記した芳香族系ジアミン重合体を構成する縮合単位(例えばメタキシリレンアジパミド)と、他のポリアミド、好ましくは脂肪族ポリアミド、例えばナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、などの縮合単位の一種以上との共縮重合体が挙げられ、芳香族系ジアミン共重合体中の芳香族ジアミン重合体縮合単位含量は4〜40重量%の範囲であることが好ましい。4重量%未満では、製品多層フィルムの酸素ガスバリアー性が低下し、40重量%を超えると得られる多層フィルムの剛性が大きくなり過ぎ、成形性、熱収縮性、柔軟性が劣る傾向にある。芳香族系ジアミン共重合体の好ましい例としては、ナイロン6/12/MXD6、ナイロン610/MXD6、ナイロン66/610/MXD6などが挙げられる。
【0028】
芳香族系ジアミン共重合体は、芳香族系ジアミン重合体を主要成分とする結晶性ポリアミド系樹脂組成物の結晶化速度を遅くして加熱延伸操作を容易にすることができる。すなわち、芳香族系ジアミン共重合体は、延伸性、製膜性、高周波シール性の改善に寄与する。また、この芳香族系ジアミン共重合体は、フィルムまたはシートの柔軟性を向上させ、それによって、ソーセージ等の充填性を改善し、さらには、シャーリング適性、リング加工性、フィルム切断性、ピロー包装機械適性、深絞り成形性などの二次加工性を改善する。この芳香族系ジアミン共重合体は、フィルムまたはシートのガスバリヤー性をある程度向上させる。共重合体ではなく、例えば、ナイロン6などの脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドとのブレンド物では、これらの特徴のバランスが取れない。
【0029】
中間層を層構成するポリアミド系樹脂組成物は、上記した、芳香族系ジアミン重合体を50〜99重量%、特に60〜95重量%、芳香族系ジアミン共重合体を1〜50重量%、特に5〜40重量%の割合で混合して形成することが好ましい。芳香族系ジアミン共重合体の配合割合が小さすぎると、ポリアミド系樹脂組成物の結晶化速度の遅延効果が小さくなり、逆に、大きすぎるとフィルムが柔らかくなりすぎて、フィルムからなるケーシングフィルムにソーセージ等を充填する際に、充填圧によりフィルムが伸びてしまい、製品の寸法が一定とならず、形状にばらつきが生じ、寸法安定性及び形状安定性が損われる。
【0030】
(他のポリアミド等)
中間層を構成するポリアミド系樹脂組成物中には、上記芳香族系ジアミン重合体および芳香族系ジアミン共重合体以外に、20重量%までの脂肪族ポリアミド、20重量%までの非晶質ポリアミド、30重量%までのポリオレフィン系樹脂などの任意成分を合計量で30重量%まで含めることもできる。
【0031】
脂肪族ポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロン6/12などを挙げることができる。
【0032】
非晶質ポリアミドは、主鎖及び/または側鎖に芳香族環を有し結晶性がないか、結晶性が非常に乏しいポリアミドである。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸と、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンとの重縮合物、またはこれらの共重合体を挙げることができる。例えば、テレフタル酸10〜50重量%とイソフタル酸90〜50重量%とからなるジカルボン酸と、ヘキサメチレンジアミンとを重縮合して得られるポリアミド(ナイロン6I/6T)が挙げられる。
【0033】
中間層に混入されるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのエチレンやα−オレフィンのホモポリマー;線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)などのエチレンとα−オレフィンとの共重合体(商品名アフィニティーなどメタロセン触媒を用いて得られる共重合体など);アイオノマー樹脂、ポリアミド変性アイオノマー樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体などを挙げることができる。これらのポリオレフィン系樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】
ポリアミド系樹脂組成物中に混合するポリオレフィン系樹脂は、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体などのエチレン系共重合体、及びポリアミド変性アイオノマー樹脂が、各ポリアミド成分との混和性の観点から好ましい。
【0035】
ポリアミド変性アイオノマー樹脂とは、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体を、亜鉛、リチウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム等の金属イオンでイオン化したアイオノマーに、ポリアミドを添加・混合し、200〜350℃の高温で溶融混練し、変性させることにより得られる樹脂である。ここで用いられるポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロン11、ナイロン12、及びこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。これらの中でも、ナイロン6とその共重合体が好ましい。
【0036】
これらポリオレフィン系樹脂を含めることは、中間層、従って製品多層フィルム、の透水性を低減し、包装製品の貯蔵中に、包装フィルムを通じてソーセージ等の内容物の重量損失が起るのを、防止するのに有効である。ポリオレフィン系樹脂の配合割合は、ポリアミド系樹脂組成物中、通常、10〜30重量%である。この配合割合が小さすぎると、フィルムの透湿度が大きくなりすぎて、ソーセージ等を包装して保存する際に、内容物の目減りが大きくなる。この配合割合が大きすぎると、延伸性が悪くなることに加えて、酸素透過度が増大し、内容物の酸化劣化による腐敗が起こりやすくなる。
【0037】
(ポリアミド系樹脂組成物)
中間層を構成するポリアミド系樹脂組成物は、各成分を公知の方法により混合して調製することができる。例えば、押出成形時に、各ポリマーのペレット、顆粒、粉末などの原料を混合することにより、均一な組成物とすることができる。ポリアミド系樹脂組成物には、所望により、フィルムの特性を損なわない範囲内で、可塑剤、安定剤、滑剤、抗酸化剤、顔料、染料等の各種添加剤を配合することができる。
【0038】
(接着性樹脂層)
本発明の多層フィルムは、少なくとも上記した一対の外層および中間層からなり、これら層間に接着性樹脂層を介在させて、各層間密着性の良好な多層フィルムを形成する
【0040】
特に、少なくとも一方がマレイン酸、フマル酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸または酸無水物、エステルをグラフト共重合することにより官能基を導入して変性したポリプロピレン系樹脂20〜80重量%およびポリエチレン系樹脂80〜20重量%の混合物からなる接着性樹脂層は、強い接着力を示し、またレトルト殺菌処理等においても強い耐熱性を示すので、特に好ましく用いられる。(変性した)ポリプロピレン系樹脂の混合割合が多過ぎるとケーシングの折り目やシャーリング時の折り目でポリプロピレン系樹脂層とポリアミド系樹脂組成物層で剥離が生じ易くなる。一方(変性した)ポリエチレン系樹脂の混合割合が多過ぎると延伸加工時に層間剥離を生じ、ポリプロピレン系樹脂層やポリアミド系樹脂層に微少なキレツが発生し、破裂するおそれがある。
【0041】
(他の樹脂層)
本発明の多層フィルムには、上記以外にもその他の樹脂層や付加的な樹脂層として、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(EVOH)層、ナイロンMXD6などのガスバリヤー性樹脂層などを、例えば上記中間層に、必要に応じて接着性樹脂層を介して隣接させることもできる。
【0042】
(フィルム製造)
本発明の多層フィルムの製膜法は、特に限定されないが、共押出またはラミネート法により多層フィルムとして形成される。
【0043】
製膜法は、特に限定されず、例えば、Tダイ法、インフレーション法などを採用することができる。通常は、インフレーション法が用いられる。樹脂の溶融温度は、各層を構成するポリプロピレン系樹脂については、通常160〜220℃、好ましくは180〜200℃であり、また中間層を構成するポリアミド系樹脂については、通常、300℃以下で、好ましくは240〜280℃、より好ましくは250〜270℃である。Tダイ法により得られた未延伸フィルムは、通常、ポリプロピレン系樹脂の樹脂融点以下(例えば130℃以下)の延伸温度で、テンター法により、同時または逐次に2軸延伸される。インフレーション法により得られたチューブ状のパリソンは、ポリプロピレン系樹脂の樹脂融点以下(例えば130℃以下)の延伸温度で、空気を吹き込んで膨張させて2軸延伸される。延伸倍率は、通常、縦横両方向とも各々2.0〜10.0倍、好ましくは2.2〜8.0倍、2.2〜6.0倍がさらに好ましい。延伸により、適度な熱収縮性とクリープ特性などの寸法安定性が得られる。
【0044】
(積層構成)
上記製法を通じて、本発明の二軸延伸多層フィルムは、任意層を含めて以下のような厚み構成の単層を含み、合計厚さが10〜250μm、好ましくは15〜200μmの多層フィルムとして形成される:
第1外層(筒状態の場合の外表面層):5〜100μm、好ましくは5〜80μm
中間層:2〜50μm、好ましくは2〜20μm
ガスバリアー層(任意):1〜20μm、好ましくは2〜10μm
第2外層(筒状体の場合の内表面層):5〜100μm、好ましくは5〜80μm
接着性樹脂層(任意):0.5〜30μm、好ましくは1〜20μm
【0045】
(特性)
食肉加工品の包装においては、商品美観の見地から、ソーセージ等の包装品にしわが発生することを嫌う。しわの発生を防ぐには、ボイルクッキングまたは殺菌処理に際し、熱によりフィルムが収縮し、張りのある状態を保つことが必要である。本発明の延伸フィルムは、80℃の熱水中に浸漬した場合、通常、縦横各々5%以上、好ましくは8%以上、より好ましくは10%以上の収縮率(熱水収縮率)を有する。
【0046】
本発明のケーシングフィルムにおいて、80℃での熱水収縮率が5%未満であると、例えば、流動体または半流動体のソーセージを充填し、クッキングした後に、製品表面にしわが発生するので好ましくない。
【0047】
フィルムの寸法安定性の評価基準として、80℃、10秒間での熱水クリープを採用することができる。本発明の延伸フィルムの熱水クリープは、20%以下が好ましく、より好ましくは18%以下である。熱水クリープが大きすぎると、例えば、ソーセージを充填し、クッキングした後に、製品寸法のばらつきが大きくなりすぎるため好ましくない。熱水クリープは、試幅20mm、試長100mmのフィルムに、荷重1kg/mm2をかけ、80℃の温水に10秒間浸漬したときの、元のフィルム試長に対する伸び率として測定される。
【0048】
本発明のフィルムは、曇度(ヘイズ)が好ましくは20%以下である。曇度が小さいことにより、ソーセージ等の内容物が包装フィルムの外側から目視することができる。
【0049】
本発明のフィルムまたはシートは、30℃、80%RH(相対湿度)の条件下で測定した酸素透過度が200cm3(NTP)/m2・day・atm以下、より好ましくは135cm3(NTP)/m2・day・atm以下であり、40℃、90%RHで測定した透湿度は、好ましくは70g/m2・day以下であり、包装した食品の長期保存の際、内容物の酸素による腐敗や水分の目減りを抑え、また、内容物の香味を保持することができる。
【0050】
本発明のフィルムは、優れた高周波シール性を有する。従来より、ポリアミドとポリオレフィン系樹脂等との樹脂組成物からなるフィルムは数多く提案され使用されているが、高周波シールについて特に言及しているものはない。本発明者らは、このシール性について鋭意検討した結果、ポリアミド単体からなるフィルム、例えばナイロン6フィルムは自動充填包装機(呉羽化学社製ソーセージ等の自動充填包装機械KAP)にて高周波シールを行うと、シール部で放電が発生し、良好なシール性が得られなかった。これに対して、本発明のポリプロピレン系樹脂からなる外層とポリアミド系樹脂組成物からなる中間層を有するフィルムは、高周波シール機構を有する自動充填包装機を用いて高周波シールを行っても、放電のない安定した連続シールが可能である。本発明のフィルムは、高周波シールのみならずヒートシール、超音波シール等のシール性も良好である。
【0051】
本発明の多層フィルムは、ケーシングフィルムとして好適に使用することができる。本発明の多層フィルムはフィルム製造時の製膜性および延伸性が良好であり、しかも適度の柔軟性、熱水収縮率、クリープ性、強靭性、ガスバリヤー性、寸法安定性、自動包装機械適性などの特性を有するので、ハム、ソーセージなどの畜産加工品、魚肉ソーセージなどの水産加工品、こんにゃく、ういろうなどの農産加工品や調理食品などの流動体・半流動体状の食品等を充填し包装するケーシングフィルムとして特に好適である。
【0052】
特にソーセージ、ハム等の加工肉製品からなる内容物を充填するに先立っては、内容物と接する外層面をコロナ処理して、いわゆるフィルムの肉密着性を改善し、フィルムと内容物界面での液溜りの形成を防止することが包装体製品の外観のみならず内容物の品質を維持する観点で好ましい。
【0053】
コロナ処理は、一般的に高周波発信器、高圧トランスを設けた高周波電源を有するコロナ発生装置を用い、例えば出力性能として18kV以下の電圧、4kW以下の電力、5〜120kHzの周波数、波形、好ましくは正弦波電圧および電流にて、処理ロール(シリコン被膜)面にフィルムを配して、放電電極〜処理ロール間にてコロナ放電せしめフィルム表面を処理することにより、処理面の表面張力を34dyne/cm2以上、特に36dyne/cm2以上とすることが好ましい。
【0054】
本発明の多層フィルムは、バックシール(一対の外層が互いに接触するように端縁を重ね合わせたいわゆる封筒貼り型シール)により、ケーシングを形成する態様にも適している。例えば、バックシールにより折り幅が260mm以下、好ましくは15〜160mmでシール巾が0.1〜15mmの筒状ケーシングが形成され、(半)流動体製品を自動包装により、充填後、両端を熱シールにより密封することにより製品包装体が形成される。
【0055】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、より具体的に本発明を説明する。なお、各物性測定は以下のとおりである。
【0056】
(1)酸素透過度
ASTM D3985−81に従い、MODERN CONTROL社製 MOCON OXTRAN−2/20型を用い、30℃、80%RHの条件で測定した。
【0057】
(2)透湿度
MODERN CONTROL社製 PERMATRAN−W3/31を用い、ASTM F372−73に従い、40℃、90%RHの条件で測定した。
【0058】
(3)層間接着力
TOYO BALDWIN社製、TENSILON RTM−100型を用い、フィルムを試巾15mm、試長100mmの試験片を準備し、カッターの刃先にて外層//芯層間あるいは内層//芯層間の一部を剥離し、該剥離端を利用して、一試料について、外層//芯層間および内層//芯層間のT−剥離力をそれぞれ測定した。
【0059】
(4)収縮率
フィルムを80℃の熱水中に3秒間浸漬した後、縦方向及び横方向の収縮率を測定した。
【0060】
(5)引張弾性率
TOYO BALDWIN社製、TENSILON RTM−100型を用い、フィルムを試巾20mm、試長100mmの試験片とし、10mm/minの引張速度にて、1%引張歪時の応力を算出し、縦方向/横方向の引張弾性率を測定した。
【0061】
(6)肉密着、フィルム剥離力
レオテック社製、FUDOH RHEO METERを用い、ソーセージの長さ方向に直角に巾3cmに切り出した試験片の一部にソーセージの長さ方向に切り込みを入れ、フィルムを予め約2cm剥離してその部分をチャッキングし、またソーセージの円周の中心に棒状軸を挿入し、測定時にソーセージが回転しフィルム剥離測定時に引張り剥離方向が常に垂直となるように6cm/minの速度で約3cm長さを剥離する。その剥離力の平均値をフィルム剥離力とした。
【0062】
(7)結晶融点(Tm)
結晶融点は、パーキンエルマー社製DSC7を用いて測定した。測定条件は、サンプル5〜10mgを秤量し、一度樹脂を溶融させ、その時の融点より40℃高い温度で2分間保持後、200℃/分で0℃まで急冷し2分間保持した。その後、20℃/分で昇温し、その過程での溶解ピーク温度を結晶融点とした。
【0063】
(実施例1)
多層フィルムの構成として、外層/接着層/芯層/接着層/内層の5層積層フィルムにおいて、芯層としてナイロンMXD6(三菱化学製ポリアミドMXD6#6007、融点(Tm)=240℃、ガラス転移点(Tg)=75℃、密度(d)=1.22)95重量%とナイロン66/610/MXD6(エムスケミカル社製、グリロンBM−18SBH、Tm=181℃、Tg=57℃、d=1.12)5重量%の比率の混合物を用い、接着層としてPP系接着樹脂(三菱化学社製、モディックP504V、Tm=140℃、d=0.89、MI=4g/10min、ビカット軟化点(Tv)=100℃)50重量%とLLDPE系接着樹脂(三菱化学社製、モディックOM−101、Tm=120℃、d=0.93、MI=3.2g/10min、Tv=56℃)50重量%の混合樹脂層とし、外層及び内層としてプロピレン 93重量%、エチレン 2重量%およびブテン−1 5重量%からなるエチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体(住友化学製、住友ノブレン、FL851、Tm=139℃、d=0.90、MI=6g/10min、Tv=128℃)90重量%とSSC系ポリエチレン(ダウケミカル社製、エリート5100、Tm=121℃、d=0.92、MI=0.85g/10min、Tv=107℃)10重量%の混合樹脂を用い、4台の押出機(外層、内層、芯層;40φ、接着層;30φ)及び4種5層の環状ダイを用いて、樹脂温度250℃で環状に共押出して10℃の水シャワリングで冷却し、厚み850μm、折幅70mmのパリソンを得た。
次いで、該パリソンを遠赤外ヒーターにて表面温度150℃に再加熱して、インフレーション法により縦/横4.5/4.5倍に延伸し、厚み構成15/2/8/2/15μm(総厚み42μm)のフィルムを得た。次いで、本延伸フィルムの表面を赤外温度計にて測定し140℃で熱処理を行い本発明のフィルムを作成した。
得られた多層フィルムの積層樹脂ならび厚み構成を下記に示す。
【0064】
【数1】
Figure 0004397461
【0065】
得られたフィルムの酸素透過度、透湿度、層間接着力、収縮率、引張弾性率をそれぞれ上記方法で測定して下記実施例および比較例の結果とともに後記表1に示した。
【0066】
(実施例2および3)
芯層樹脂の混合比を下記のように変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明の二軸延伸多層フィルムを得た。
【0067】
【数2】
Figure 0004397461
【0068】
(参考例)
樹脂構成PP/Ad/MXD6+M−PA/Ad/PPの5層フィルムにおいて、接着樹脂(Ad)をPP系接着樹脂(三菱化学製、モディックP504V)として、それ以外は実施例1と同様な製造方法にて、延伸多層フィルムの作成を試みた。
【0069】
(実施例5)
樹脂構成PP/Ad/MXD6/Ad/PPの5層フィルムにおいて、接着樹脂(Ad)をPP系接着樹脂(三菱化学製、モディックP504V)50重量%とLLDPE系接着樹脂(三菱化学製、モディックOM−101)50重量%の混合樹脂として、それ以外は実施例1と同様な製造方法にて、延伸多層フィルムの作成を試みた。
【0070】
(比較例1〜2)
樹脂構成PP/Ad/MXD6/Ad/PPの5層積層フィルムにおいて、接着樹脂(Ad)をそれぞれPP系接着樹脂(三菱化学社製、モディックP504V)(比較例1)、LLDPE系接着樹脂(三菱化学社製、モディックOM−101)(比較例2)として、それ以外は実施例1と同様な製造方法にて、延伸多層フィルムの作成を試みた。
【0071】
比較例1は多層フィルムが得られたが、比較例2はインフレーション延伸時に層間の部分剥離を生じバブルが破裂して多層フィルムが得られなかった。
【0072】
比較例1のフィルムについてのみ、得られた測定値を表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0004397461
【0074】
(実施例6)
実施例3のフィルムを用いて、ペースト状の畜肉ソーセージを、フィルムの封筒貼りによるケーシング化工程を含む自動充填包装機械(呉羽化学社製、KAP2000型)により得られるケーシングに充填し、更に120℃、15分、スチーム圧力2kg/cm2(ゲージ)の条件下にてレトルト殺菌処理を行い、砲弾型のソーセージ包装体(寸法:約22φ×140mm長、重量:約55g/本)を100本作成した。このレトルト殺菌処理時の包装体のパンク発生率は0%、常温2週間保存後のソーセージの腐敗は無く良好で、目減り量も0.18%と低値であった。
【0075】
(参考例)
4のフィルムを用い、実施例6と同様な方法にて、ケーシングを形成し、畜肉ソーセージを充填し、レトルト殺菌処理を行った。包装体のパンク発生率は0%、常温2週間保存後のソーセージの腐敗は無く良好で、目減り量も0.17%と低値であった。
【0076】
(実施例8)
実施例5のフィルムを用い、実施例6と同様な方法にて、ケーシングを作成し、畜肉ソーセージを充填し、レトルト殺菌処理を行った。包装体のパンク発生率は5%、常温2週間保存後のソーセージの腐敗は無く良好で、目減り量も0.17%と低値であった。
【0077】
(比較例3)
比較例1のフィルムを用い、実施例6と同様な方法にて、ケーシングを作成し、畜肉ソーセージを充填し、レトルト殺菌処理を行った。包装体のパンク発生率を評価した結果、40%のパンク率であった。
【0078】
(実施例9)
実施例3のフィルムを用い、ソーセージ包装体のソーセージと接触する面を、予めコロナ処理を行い、処理面の表面張力が36dyne/cm2のフィルムを得た。本フィルムを用い、実施例6と同様な方法で、ケーシングを形成し、魚肉ソーセージを充填し、レトルト殺菌処理を行い、魚肉ソーセージ包装体を得た。得られた包装体はレトルト殺菌時のパンク発生率は0%、常温2週間保存後のソーセージ腐敗は無く、目減り量は0.15%と低値であり、肉密着性も良好(フィルム剥離力;100g/3cm巾、剥離速度;6cm/分)であった。
【0079】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、成形性、熱収縮性、易シール性、ガスバリアー性、水蒸気バリアー性、柔軟性等のバランスに優れるだけでなく、特にレトルト殺菌に適した優れた耐熱性を示す二軸延伸多層フィルムが得られ、特にこれをケーシングとして用い魚肉、畜肉、あるいはこれらの加工品等の(半)流動体状食品を充填することにより外観、強度ともに優れた包装体を得ることができる。

Claims (14)

  1. 一対の熱可塑性樹脂からなる外層の間に中間層を挾持した少なくとも三層からなる積層フィルムを二軸延伸してなる二軸延伸多層フィルムであって、中間層が芳香族系ジアミン重合体と芳香族系ジアミン重合体と同重量以下の芳香族系ジアミン共重合体との混合物を含むガスバリヤ性樹脂からなり、少なくとも一つの外層がポリプロピレン系樹脂からなり、中間層と外層の間に接着層を有し、接着層はポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との重量基準での混合割合が80/20〜20/80であり、且つポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂の少なくとも一つが官能基を含むものである混合樹脂からなる二軸延伸多層フィルム。
  2. 中間層が芳香族系ジアミン共重合体と、芳香族系ジアミン重合体とを含むポリアミド系樹脂組成物からなる請求項1に記載の二軸延伸多層フィルム。
  3. ポリアミド系樹脂組成物が芳香族系ジアミン共重合体1〜50重量%と芳香族系ジアミン重合体99〜50重量%を含む請求項2に記載の二軸延伸多層フィルム。
  4. 芳香族系ジアミン共重合体および芳香族系ジアミン重合体がともにキシリレン系ジアミンの共重合体である請求項3に記載の二軸延伸多層フィルム。
  5. 一対の外層の熱可塑性樹脂がともにポリプロピレン系樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の二軸延伸多層フィルム。
  6. 少なくとも一つの外層がポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の混合物からなる請求項1〜4のいずれかに記載の二軸延伸多層フィルム。
  7. 少なくとも一つの外層を構成する該混合物がポリエチレン系樹脂5〜30重量%を含んでいる請求項6に記載の二軸延伸多層フィルム。
  8. 一対の外層のうち加工肉食品に接する外層がポリプロピレン系樹脂90〜80重量%とポリエチレン系樹脂10〜20重量%を含む樹脂であり、その外表面が、コロナ処理されている請求項1〜4のいずれかに記載の二軸延伸多層フィルム。
  9. 熱収縮性である請求項1〜8のいずれかに記載の二軸延伸多層フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載の二軸延伸多層フィルムによりケーシングを形成し、流動体または半流動体状物質を収容してなる包装体。
  11. ケーシングがバックシールされている請求項10記載の包装体。
  12. ケーシングの両端が密封された請求項11記載の包装体。
  13. 流動体または半流動体状物質が包装機械で自動充填された請求項12記載の包装体。
  14. バックシールされたケーシングの折り幅が15〜160mmである請求項11〜13のいずれかに記載の包装体。
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