JP2003211605A - 深絞り成形用多層フィルム - Google Patents

深絞り成形用多層フィルム

Info

Publication number
JP2003211605A
JP2003211605A JP2002009185A JP2002009185A JP2003211605A JP 2003211605 A JP2003211605 A JP 2003211605A JP 2002009185 A JP2002009185 A JP 2002009185A JP 2002009185 A JP2002009185 A JP 2002009185A JP 2003211605 A JP2003211605 A JP 2003211605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
nylon
multilayer film
deep drawing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002009185A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Omori
武雄 大森
Tsutomu Uehara
務 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kureha Corp filed Critical Kureha Corp
Priority to JP2002009185A priority Critical patent/JP2003211605A/ja
Publication of JP2003211605A publication Critical patent/JP2003211605A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 深絞り成形し内容物を充填し、蓋材とのヒー
トシールによる包装後に、ボイル適性を有し、かつ耐ピ
ンホール性が良好で、柔軟性を有し、生産性が良好な、
深絞り成形用多層フィルムを(底材用フィルム)を提供
すること。 【解決手段】 飽和吸水率が5%未満のポリアミド樹脂
10〜40重量%と飽和吸水率が5%以上の脂肪族ポリ
アミド樹脂60〜90重量%を含む一方の外層(A)
と、ヒートシール層である他方の外層(C)からなる深
絞り成形用多層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、特定樹脂からなる一方の外層と
少なくともヒートシール層である他方の外層からなる深
絞り成形用多層フィルムに関する。より詳しくは、特定
のポリアミド樹脂からなる一方の外層、好ましくはガス
バリア性樹脂層及び/又は補強・成形性補助樹脂層を含
む中間層、ヒートシール層である他方の外層から構成さ
れたラベル適性に優れた深絞り用多層フィルムに関す
る。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】深絞り成形用の底材用包装材料には、深
絞り成形性、耐熱性、耐ピンホール性、ラベル適性、蓋
材とのシール性等が求められ、特にボイル殺菌用にはボ
イル前後の包装体の光沢、透明性、及びシール強度が要
求されると共に、ラベルが剥がれないと云うラベル適性
が求められる。また、被包装物の種類により、蓋材との
イージーピール性を要求される場合もある。これらの要
求を満たすべく種々の包装材料が提案されている。特開
平3−126554号公報は、外層より、ポリアミド樹
脂層(A)、緩衝材層となる接着用樹脂層(B)、ポリ
アミド樹脂層(C)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物樹脂層(D)、接着用樹脂層(E)、シーラント
樹脂層(F)の順で積層された複合フィルムを用いた、
ピロー型包装機等の製袋充填型包装機用で耐ピンホール
性、衝撃強度、柔軟性、ガスバリア性、及び透明性等に
優れた多層複合フィルムによる袋詰め包装体を開示して
いる。特開平3−126556号公報は、外層より、ポ
リアミド樹脂層(A)、緩衝材層となる接着用樹脂層
(B)、ポリアミド樹脂層(C)、接着用樹脂層
(D)、シーラント樹脂層(E)の順で積層された複合
フィルムを用いた、ピロー型包装機等の製袋充填型包装
機用の多層複合フィルムによる袋詰め包装体を開示して
いる。特公平5−75584号公報は、ポリアミド樹脂
層を多層に分け、ポリアミド樹脂層の間に緩衝材として
接着剤を入れた層をA層とし、A層、接着層、シーラン
ト層の順で積層し、ポリアミド樹脂層を多層に分けるこ
とにより柔軟性及び衝撃強度、耐ピンホール性を改良し
たガス遮断性複合フィルムを開示している。特開平8−
174779号公報は、外層(A)が6ナイロン又は1
2ナイロンであり、中間層(B)が6・66ナイロン又
は6・12ナイロンであり、ガスバリア層(C)、接着
性樹脂層(D)、及びシーラント層(E)を(A)−
(C)−(B)−(D)−(E)の順で積層し、耐ピン
ホール性を改良したガスバリア性多層フィルムを開示し
ている。しかしながら、例えば、ナイロン6、ナイロン
6−66のような飽和含水率が5%以上である脂肪族ポ
リアミド樹脂を外層に用いた際には、ポリアミド樹脂の
吸湿性に由来し、ラベル適性に問題を生ずることが認め
られている。また、特開平7−1544号公報には、最
外層に12ナイロン樹脂層又は12ナイロンと6ナイロ
ンとの共重合ポリアミド樹脂を配した深絞成型用共押出
複合フィルムが開示されており、実施例1、2、3に最
外層が12ナイロン樹脂層を用いた例が記載されてい
る。特開平10−35720号公報には、最外層が脂肪
族アミドであって、かつ、飽和含水率が5%以下である
包装用積層フィルムが開示されており、実施例1には最
外層に11ナイロンを用いた例が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが本発明者によ
り、11ナイロンや12ナイロンを最外層に配した場合
にも以下のような問題があることが分かった。即ち、飽
和吸水率が5.0%未満のポリアミド樹脂、例えば、ナ
イロン11、ナイロン12を単体(100%)で一方の
外層(A)に使用してT−ダイ法で製膜した場合、フィ
ルム製膜開始後、フィルム巻き取り速度10〜30m/
分で製膜した場合、約3時間程度は透明性、光沢の光学
的特性が優れており、ラベル適性が優れたフィルムが得
られる。しかし、約3時間以上連続運転するとロール付
着物がフィルムに転写することにより、透明性、光沢の
悪化が生じる問題がある。これは、ナイロン11、ナイ
ロン12等は他のナイロンに比べ、特に低分子成分が多
く存在するため、ダイスから押し出されたときに、低分
子成分が揮発しロールに付着し、約3時間以降にはロー
ルに付着したナイロン11、ナイロン12の低分子成分
がフィルムに転写することによる。ロールに付着した低
分子成分を拭き取ることにより、フィルム外観は優れた
レベルに戻るが、生産効率が低下する。このようにラベ
ル適性と生産性の両方を満たす深絞り成形用多層フィル
ムは従来なかったのである。本発明の目的は、深絞り成
形し内容物を充填し、蓋材とのヒートシールによる包装
後に、ボイル適性を有し、かつ耐ピンホール性が良好
で、柔軟性を有し、生産性が良好な、深絞り成形用多層
フィルムを(底材用フィルム)を提供することにある。
ここで、ボイル適性を有するとは、ボイル処理後に、包
装体のラベルが剥がれ難いこと(ラベル適性を有するこ
と)、透明性及び光沢が維持されることを云う。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のポ
リアミド樹脂からなる一方の外層、エチレン酢酸ビニル
共重合体ケン化物からなる層、及び/又はポリアミド樹
脂からなる層を含む中間層、ヒートシール層である他の
外層で構成された深絞り用多層フィルムがかかる問題点
を解決し得ることを見い出した。即ち、前記特定のポリ
アミド樹脂とは、吸湿性の低いポリアミド樹脂と吸湿性
の高いポリアミド樹脂を適切な割合で配合した樹脂であ
り、その樹脂を用いて一方の外層を形成したフィルム
は、ラベル適性を損なうことなく、また、Tダイ法によ
るフィルム生産時に、チルロールへの付着物が極めて少
なく長期間の連続生産が可能であると云う予期せぬ効果
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、飽和吸水率が5%未満
のポリアミド樹脂10〜40重量%と飽和吸水率が5%
以上の脂肪族ポリアミド樹脂60〜90重量%を含む一
方の外層(A)と、ヒートシール層である他方の外層
(C)からなる深絞り成形用多層フィルムを提供する。
一方の外層(A)が飽和吸水率が5%未満のポリアミド
樹脂と飽和吸水率が5%以上の脂肪族ポリアミド樹脂の
みからなる前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供
する。一方の外層(A)を構成する樹脂の融点が110
〜270℃である前記発明の深絞り成形用多層フィルム
を提供する。飽和吸水率が5%未満のポリアミド樹脂が
ナイロン11又はナイロン12から選ばれる少なくとも
1種である前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供
する。飽和吸水率が5%以上の脂肪族ポリアミド樹脂が
ナイロン6、ナイロン6−66共重合体又はナイロン6
−12共重合体から選ばれる少なくとも1種である前記
発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。本発明
は、一方の外層(A)とヒートシール層である他方の外
層(C)の間に中間層(B)を有する前記発明の深絞り
成形用多層フィルムを提供する。前記発明において中間
層(B)がガスバリア性樹脂層及び/又は補強・成形性
補助樹脂層を含む深絞り成形用多層フィルムを提供す
る。一方の外層(A)と中間層(B)の間及び/又は中
間層(B)とヒートシール層である他の外層(C)の間
に接着性樹脂層を有する前記発明の深絞り成形用多層フ
ィルムを提供する。本発明は、更に、ボイル殺菌用であ
る前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の深絞り成形用多層フィルムを構成する一
方の外層(A)(以後、外層(A)と略称する。)は、
少なくともASTM D−570に準ずる吸水率測定法
で測定した23℃の水中に浸漬した後の飽和吸水率が
5.0%未満のポリアミド樹脂と飽和吸水率が5%以上
の脂肪族ポリアミド樹脂との特定割合の混合樹脂からな
っている。この外層(A)は、最も外側の層であり、ボ
イル殺菌用では、熱水に直接接する層である。
【0007】飽和吸水率が5.0%未満、好ましくは
3.0%未満であるポリアミド樹脂としては、例えば、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロ
ン612等の脂肪族ポリアミド(共)重合体を挙げるこ
とができる。また、ナイロン61−6T、ナイロンMX
D6等の芳香族ポリアミド共重合体、非晶性ナイロン等
を挙げることができる。これらのポリアミド樹脂のう
ち、押出加工性及び他のナイロンとの相溶性の観点から
ナイロン11、ナイロン12の脂肪族ポリアミド樹脂が
好ましく用いられる。飽和吸水率が5.0%以上の脂肪
族ポリアミド樹脂は、例えば、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン6−66、ナイロン6−12、ナイロン6
−9、ナイロン66−610、ナイロン6−66−61
0等の脂肪族ポリアミド(共)重合体を挙げることがで
きる。これらのうち、押出加工性、深絞り成形性、成形
物の透明性、光沢、強度の観点からナイロン6、ナイロ
ン6−66共重合体、ナイロン6−12共重合体、或い
はこれらの混合物から選ぶことが好ましい。
【0008】外層(A)には、多層フィルムに成形さ
れ、被包装物の充填が行われ、ボイル処理の前、或いは
後にラベルが貼着される。外層(A)は、ボイル前や後
で貼着されたラベルの剥がれ難さ(ラベル適性)及び優
れた表面光沢の観点から、23℃の水中に浸漬した後の
飽和吸水率が5.0%未満のポリアミド樹脂10〜40
重量%、好ましくは20〜30重量%と飽和吸水率が5
%以上である脂肪族ポリアミド樹脂60〜90重量%、
好ましくは70〜80重量%を含んでなることが必要で
ある。好ましくは飽和吸水率が5%未満のポリアミド樹
脂と飽和吸水率が5%以上の脂肪族ポリアミド樹脂のみ
からなる組成物が用いられるが、本発明の趣旨を損なわ
ない限度で、シリカ、タルク、ゼオライトなどのアンチ
ブロッキング剤、エチレンビスアマイドなどのスリップ
剤、他の樹脂が含まれていてもよい。尚、ここでは、二
種類のポリアミド樹脂及びもともとポリアミド樹脂に含
まれている添加剤以外の添加剤や他の樹脂を含めた外層
(A)を構成する全成分の合計は100重量%である。
飽和吸水率が5.0%未満のポリアミド樹脂が10重量
%未満であると、ボイル処理の前、或いは後に貼着した
ラベルと外層(A)のフィルム表面との接着力が低下
し、ラベル剥がれの問題が生じることがある。また、飽
和吸水率が5.0%未満のポリアミド樹脂が40重量%
より多いと、ラベル剥がれの問題はないが、各々の樹脂
の分散不良が生じ、低分子成分がフィルムに転写して透
明性、光沢等の外観不良が生じることがある。外層
(A)の厚さは3〜40μm、更には10〜30μmが
好ましい。3μm未満では押出製膜が不安定になり易
く、厚み斑が生じ易くなる。40μmを越えると深絞り
成形性や強度が落ちることがある。
【0009】多層フィルムをボイル殺菌用に用いる場
合、外層(A)は70℃〜沸騰水(98℃)でボイル時
間40分間程度のボイル処理或いはスチームフラッシュ
を受けるので、これに耐える耐熱性を有することが好ま
しい。即ち、外層(A)を構成する樹脂の融点は110
℃〜270℃であることが望ましいが、好ましくは15
0〜240℃である。融点が低すぎると、ボイル時に外
層(A)の軟化が起き、包装品(パック品)の表面同士
が接触したときにブロッキングを生じ易い。また、融点
が高すぎると深絞り成形性が低下する。また、フィルム
成形時の押出温度を高くする必要があり、他の積層樹脂
の分解を招く等の押出性に問題を生じる。
【0010】本発明の多層フィルムは、外層(A)とヒ
ートシール層である他の外層(C)(以後、外層(C)
と略称する。)の間に中間層(B)を設けてもよい。中
間層(B)を設けることにより、多層フィルムにガスバ
リア性、フィルム全体としての一層の強度、深絞り成形
性を付与することができ、必要に応じてこれらの機能を
有する樹脂材料を適宜選択し、用いることができる。中
間層(B)に用いる樹脂としては、特に制限はないが、
ガスバリア性を付与する樹脂、フィルム強度、深絞り成
形性を付与する樹脂(補強・成形性補助樹脂)が実用性
の観点から好ましく用いられる。
【0011】ガスバリア性樹脂層に用いられる樹脂とし
ては、例えば、エチレン含有量30〜60モル%、ケン
化度95%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体(以
後、EVOHと略称することがある)、ナイロンMXD
6、ナイロン6I−6Tなどの芳香族ポリアミド樹脂、
塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル若しくは
不飽和ニトリル系樹脂などが用いられる。芳香族ポリア
ミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂と混合して用いられ
ることが多い。これらのうち、深絞り成形性、共押出加
工性の観点からEVOHを用いることが好ましい。ま
た、中間層(B)は、ガスバリア性樹脂層以外に、更に
次のような補強・成形性補助樹脂層を含むことができ
る。なお、該補強・成形性補助樹脂層も単独で用いるこ
とができる。
【0012】補強・成形性補助樹脂層に用いられる樹脂
としては、特に制限はないが、本発明においてはポリア
ミド樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、前記の
ポリアミド樹脂を用いてもよい。即ち、ナイロン6、ナ
イロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン6
10、ナイロン612、或いは共重合ポリアミドのナイ
ロン6−12、ナイロン6−69、ナイロン6−66、
ナイロン66−610、ナイロン6−66−610等が
挙げられる。これらポリアミドの中でもDSCで求めた
融点が240℃以下、特に230℃以下のものが好適に
用いられる。これらのポリアミド樹脂を主体とする混合
物であってもよい。ナイロンMXD6、ナイロン(6I
−6T)等の芳香族ポリアミド樹脂も使用できるが、通
常は脂肪族ポリアミド樹脂との混合系で用いる。中間層
(B)の補強・成形性補助樹脂層に用いる樹脂として
は、ナイロン6−66及びナイロン6−12の少なくと
も1種が好ましい。中間層(B)は、ガスバリア層がポ
リアミド系樹脂層にサンドイッチされた形態をとっても
よい。尚、中間層(B)の厚さは、10〜100μm、
更には25〜65μmが好ましい。
【0013】本発明の多層フィルムを構成するヒートシ
ール層である外層(C)は、この多層フィルムを用いて
底材を成形したときの底材の内側の層を形成する。即
ち、外層(C)のヒートシール層は充填内容物に直接接
し、且つ蓋材とも接する層となる。ヒートシール層であ
る外層(C)は、単層であっても、複数層で構成されて
いてもよい。複数層で構成される場合、被包装物に接す
るヒートシール層(C1)とそれに隣接する内側層(C
2)から構成される。ヒートシール層(C1)は、外層
(A)の反対側のもう一つの外層となる。ヒートシール
層(C1)を構成する樹脂としては、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、エチレン−α−オレフィン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−
アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル
酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸メチル
共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重
合体(EEA)、アイオノマー(IO)等のエチレン系
共重合体から選ばれた少なくとも1種の樹脂を主成分と
する。ここで、「主成分とする」とは、ヒートシール層
(C1)を構成する樹脂中、これらの樹脂の合計が50
重量%を越える量含有されていることを意味する。ヒー
トシール層(C1)を構成する樹脂の融点は、それに隣
接する内側層(C2)を構成する樹脂の融点より低く設
定することが好ましい。更に、ヒートシール層(C1)
を構成する樹脂は、前記の樹脂から融点が85〜120
℃未満の範囲の樹脂、更には100〜120℃未満の樹
脂を選ぶことが好ましい。この範囲の融点を有する樹脂
をヒートシール層(C1)として選ぶことにより、深絞
り成形時に樹脂が熱板に接触したとき、熱板に付着して
熱板の跡が付きフィルムの外観を悪化させることなく、
一方樹脂の融点が高すぎて、シール性を得るために高い
シール温度の設定が必要になり包装物への影響を考慮す
ることなく操作できる。
【0014】ヒートシール層(C1)を構成する好まし
い樹脂として、エチレン−α−オレフィン共重合体を挙
げることができる。エチレン−α−オレフィン共重合体
としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、
超低密度ポリエチレン(VLDPE)、シングルサイト
触媒系超低密度ポリエチレン(SSC−VLDPE)、
及びシングルサイト触媒系直鎖状低密度ポリエチレン
(SSC−LLDPE)を挙げることができる。
【0015】また、ヒートシール層(C1)に、イージ
ーピールの機能を付与するときは、ヒートシール層(C
1)を形成する主成分の樹脂の他に、更にポリエチレン
系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、例えば、エチレン−プ
ロピレン共重合体(PP−Et)等から選ばれた少なく
とも1種の樹脂を含ませることが好ましい。これらの樹
脂を添加することにより、ヒートシール層(C1)はよ
り易剥離性を有する層となる。これらの樹脂と主成分樹
脂との配合割合は、重量比で5/95〜50/50、更
には10/90〜30/70が好ましい。これらの中、
PP−Et/EMAA、PP−Et/IO、PP−Et
/EVAの配合割合15/85〜30/70が好まし
い。
【0016】ヒートシール層(C1)に隣接する内側層
(C2)を構成する樹脂は、前記のエチレン−α−オレ
フィン共重合体の中から選ぶことができる。隣接する内
側層(C2)を構成する樹脂の融点が120〜135℃
の範囲の樹脂を選ぶことが好ましい。深絞り成形時の絞
り体積に対し、内容物が不定形で小さい場合、絞られ薄
膜化したフィルム部分は、内容物に接するばかりでな
く、蓋材とのシール部分のフランジ部まで高さが達す
る。そのフィルム部分は成形時にある程度延伸されてい
るので、ボイル処理時にフィルムの収縮が生じる。収縮
力が大きいと蓋材を折り曲げ皺を発生し、この結果パッ
ク品の外観を悪化させ、場合によっては破袋を起こすこ
ともある。このとき隣接する内側層(C2)は、収縮応
力を吸収する作用を有している。隣接する内側層(C
2)の樹脂の融点が120〜135℃、更には120〜
130℃の直鎖状低密度ポリエチレン、或いは他のエチ
レン−α−オレフィン共重合体であることが、この現象
を抑制するのに好ましい。内側層(C2)とヒートシー
ル層(C1)の樹脂融点を上記の範囲にすることによ
り、薄膜化したフィルム部分の収縮が起きても蓋材との
ズレが生じ難くなるのである。前記の不都合な現象は、
深絞り成形温度に対してボイル温度が高い場合に起こり
易い。
【0017】更に隣接する内側層(C2)の厚さを、ヒ
ートシール層(C1)の厚さより大きくすることによっ
ても、前記のような皺発生現象の抑制に寄与することが
できる。ヒートシール層(C1)の厚さは5〜30μ
m、更には7〜20μmが好ましい。ヒートシール層
(C1)の厚さが、小さすぎると製膜時の外観や、シー
ル安定性を損なうことがある。又、イージーピールタイ
プの場合は、この厚みの範囲内であることにより、切れ
残り、糸引き発生等のイージーピール剥離面の外観を悪
くする要因が少なくなる。従って、この範囲にあること
が好ましい。隣接する内側層(C2)の厚さは20〜1
50μm、更には40〜90μmが好ましい。隣接する
内側層(C2)の厚さが小さすぎるとボイル後の皺発生
抑制効果が発現し難く、厚さが大きすぎると多層フィル
ム全体に対する内側層(C2)の厚さの比率が大きくな
り多層フィルムとしての強度不足を生じることがあるの
で、この厚さの範囲にあることが好ましい。ヒートシー
ル層(C1)の厚さ/隣接する内側層(C2)の厚さの
比は1/2〜1/15、更には1/3〜1/10の範囲
にあることが望ましい。また、ヒートシール層である外
層(C)の厚さは25〜150μm、更には40〜10
0μmが好ましい。また、全層厚みに対してヒートシー
ル層である外層(C)の厚さの割合は、1/3〜3/4
であることが好ましい。
【0018】また、本発明の目的とする性質を阻害しな
い範囲でヒートシール層(C1)に滑剤を適量添加して
もよい。好ましい滑剤としては、例えば、ベヘニン酸ア
ミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の有機系滑
剤、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機系滑
剤を挙げることができる。添加量は0.2〜2重量%が
好ましい。滑剤は、通常マスターバッチの形で加える。
例えば、滑剤20重量%含有マスターバッチを1〜10
重量%添加することにより前記添加量が得られる。
【0019】前記の外層(A)、必要に応じ設ける中間
層(B)、ヒートシール層である外層(C)及びそれら
が複数層の場合には、各層間の接着を強くするために接
着性樹脂層を必要に応じて設けることができる。例え
ば、外層(A)/接着性樹脂層/ヒートシール層である
外層(C)、外層(A)/中間層(B)/接着性樹脂層
/ヒートシール層である外層(C)、外層(A)/接着
性樹脂層/中間層(B)/接着性樹脂層/ヒートシール
層である外層(C)などの層構成を挙げることができ
る。外層(A)と中間層の間及び/又は中間層(B)と
ヒートシール層である外層(C)の間に接着性樹脂層を
設けることは両者の接着性を高める意味で好ましい。接
着性樹脂層に用いる樹脂としては、軟化温度の低い熱可
塑性重合体及びこれらの樹脂の不飽和カルボン酸変性
物、又は該酸変性物の金属変性物等、並びにこれらを含
む混合物が好ましい。例えば、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレンとアクリル酸エチル共重合体、及びマ
レイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸又は
これらの無水物などで変性されたオレフィン共重合体、
熱可塑性ポリウレタンエラストマーのブレンド樹脂など
がある。これらの中でマレイン酸で変性したポリオレフ
ィン、例えばマレイン酸変性LLDPE、VLDPE、
EVAなどが好ましく用いられる。
【0020】本発明の深絞り成形用多層フィルムの製造
の際、各樹脂層には必要により、所望する性質を損なわ
ない範囲で各種添加剤、安定剤などを添加してもよい。
添加剤の配合は公知の方法により行うことができる。各
樹脂はそれぞれ別の押出機で溶融混練され、Tダイ共押
出、又は円形ダイにより溶融成形される。本発明の多層
フィルムは延伸されていても、未延伸であってもよい。
延伸フィルムはTダイ延伸法、インフレーション法など
の公知の方法で延伸される。未延伸の場合はTダイ共押
出しにより樹脂温度200〜270℃で積層構成の溶融
パリソンを成形する。次いでこのパリソンを規定の厚み
になるようにドラフト比を設定し、40〜60℃のチル
ロール上で急冷し、フィルムの表面光沢をより発現させ
るために、チルロールに外層(A)が接触するように急
冷し、ドラフトして未延伸多層フィルムを得る。積層フ
ィルムを深絞り用に使う場合は前記の厚み範囲のフィル
ムを使用することが好ましい。この場合はフィルムのヒ
ートシール層(C1)が被包装物に接する面となるよう
に使用することにより、耐ピンホール性、透明性に優
れ、柔軟性に富んでいるため被包装物の形状に密着した
包装体を与え、且つ、包装体表面へのラベル貼着性(ラ
ベル適性)も優れたものとなる。尚、本発明の多層フィ
ルム全体の厚さは、50〜400μm、更には70〜3
00μmの範囲であることが深絞り成形性及び耐ピンホ
ール性の観点から好ましい。本発明により得られる多層
フィルムは深絞り成形用の底材用包装材料として特にハ
ム、焼き豚、ソーセージ等の畜肉加工品、練り物などの
水産加工品等のボイル殺菌用の包装に好適に用いられ、
更には、非ボイル殺菌用にも用いられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、
評価は以下の方法で行った。 1.深絞り性・ボイル適性 深絞り成形用多層フィルムを外層(A)に相当する層が
下になるように設定して、深絞り包装機械(大森機械
(株)社製、FV603)を用いて成形温度85℃、成
形時間2秒の条件で直方体容器(機械方向150mm×
横方向100mm×深さ80mm)を成形した。深絞り
性の評価は、絞り型への忠実性、コーナー部の白化が認
められないものを表2で○印とした。また、前記成形条
件で成形し、長さ100mm×直径80mmのブロック
状焼豚を充填し、延伸ポリプロピレンフィルム30μm
とEVOH層/接着性樹脂層/ナイロン6−66樹脂層
/VLDPE樹脂層(各層厚さ:20/5/5/20μ
m)の50μmの共押出フィルムをドライラミネートし
た積層フィルムを蓋材とし、130℃、5kg/c
2、1.5秒の条件で充填し、包装体(パック)を作
製した。その包装体の外層(A)側にアクリル系粘着剤
を使用したラベルを手で貼り付け、市販の食器洗い用ス
ポンジで軽く押さえた。次いで、焼き豚を充填した包装
体を95℃のウォーターバスの中で20分間浸漬しボイ
ル処理(殺菌)を行った。表2のボイル適性の評価は、
以下の通りである。なお、ボイル適性とは、前記のよう
にボイル処理後のラベル適性、透明性、及び光沢を云
う。ボイル処理後パック品を取り出し、水道水で5分間
冷却した。冷却後、ラベルの剥離強度を測定した。単位
はgf/15mmである。表2のラベル適性の評価は、
以下の通りである。 ◎:剥離強度が高く、800gf/15mm以上で、問
題ない。 ○:剥離強度が、600〜800gf/15mmで、実
用上問題ない。 △:著しい虐待を受けた場合、ラベルが剥離してしまう
可能性のある300〜600gf/15mmである。 ×:静置していてもラベルが剥離してしまう可能性のあ
る300gf/15mm以下であることを意味する。
【0022】2.耐ピンホール性(六角回転テスト) ラベルを貼り、ボイル処理した前記のパック品を5℃の
冷蔵庫に8時間以上放置し、試料として20個をランダ
ムに入れた箱体を回転させて、経過時間毎に取り出して
ピンホール(破袋)が発生している試料の数を求めた。
箱体は硬質塩化ビニル樹脂製であり、縦断面が正六角形
の筒状体である。箱体の回転軸は正六角形の中心線であ
る。箱体の正六角形の一辺の長さは20cmであり、筒
の長さは61.5cmであり、箱体を構成する樹脂板の
厚さは0.5cmである。筒の中には3枚の長方形の邪
魔板があり、各々の邪魔板は正六角形6頂点のうちの一
つ置きに指定した3頂点から箱体の回転軸に向かって設
けられている。その回転軸に向かって伸びる辺の長さは
7.8cmであり、他方の辺の長さは箱体の長さと同じ
であり、邪魔板の厚みは0.5cmである。邪魔板も硬
質塩化ビニル樹脂製であり、箱体を5℃の温度雰囲気で
30回転/分の条件で5分間回転させた。表中の記号は
以下のことを意味する。 ◎:20個総てピンホールの発生、或いは破袋が起きな
い。 ○:20個中ピンホール、或いは破袋の発生が1〜2個
ある。 △:20個中ピンホール、或いは破袋の発生が3〜5個
ある。 ×:20個中ピンホール、或いは破袋の発生が6個以上
であり、実用に耐えないことを意味する。
【0023】3.ボイル処理後の透明性(曇価) ボイル処理した前記パック品の中身を取り出し水で洗
い、底材多層フィルムについて、JIS K−7136
に準じて、日本電色工業社製濁度計NDH−2000に
より曇価(Haze、単位%)を測定した。表中の記号は以
下の通りである。 ○:曇価20%未満の優れた透明性を有する。 △:曇価20〜30%のやや曇ったレベルである。 ×:曇価30%以上の劣った透明性でありパック品の見
栄えを悪くし、実用上問題あるレベルであることを意味
する。 4.ボイル処理後の光沢 前記パック品の中身を取り出し水で洗い、底材多層フィ
ルムについて、JISK−7105に準じて、日本電色
工業社製濁度計VG−2000により光沢(Gloss、単
位%)を測定した。表中の記号は以下の通りである。 ○:光沢80%以上の優れた光沢を有する。 △:光沢70〜80%未満のやや艶のないレベルであ
る。 ×:光沢70%未満の劣った光沢でありパック品の見栄
えを悪くし、実用上問題あるレベルであることを意味す
る。 5.生産性(生産効率) T−ダイ法によるフィルムの生産性を以下の基準で判断
した。フィルム巻き取り速度は20m/分で実施した。 ○:生産開始後8時間を越えチルロールの清掃を行わな
くても、生産開始時のフィルムの透明性及び光沢を保て
る。 △:生産開始後3〜8時間以内にチルロールの清掃を行
わなければ、生産開始時のフィルムの透明性及び光沢を
保てない。 ×:生産開始後3時間以内にチルロールの清掃を行わな
ければ、生産開始時のフィルムの透明性及び光沢を保て
ない。
【0024】(実施例1)以下の4種類の樹脂材料を用
いて3層構成の多層フィルムを製膜した。 (1)第1層(外層(A))としてナイロン6(東レ
(株)社製「アミランCM1021FS」、密度:1.
13g/cm3、相対粘度:3.4、融点:223℃、
飽和吸水率:10.7%)70重量%とナイロン11
(アトケム社製、「リルサンBMN−OD」、密度:
1.04g/cm3、融点:186℃、飽和吸水率:
1.9%)30重量%の比率で事前に2軸押出機で溶融
混練押出を行い、リペレットした混合樹脂、(2)第2
層(接着性樹脂層)として、マレイン酸変性直鎖状低密
度ポリエチレン「酸変性LLDPE樹脂」(三井化学株
式会社製、「アドマーNF517」、密度:0.911
g/cm3、MFR=10.0g/10分(190
℃))、(3)第3層(ヒートシール層である外層
(C))として、直鎖状低密度ポリエチレン「LLDP
E」(出光石油化学(株)製、「モアテック0438C
N」、密度:0.920g/cm3、MFR=4.0g
/10分(190℃)、融点:122℃)、LLDPE
100重量部に対しアンチブロッキング剤として酸化珪
素0.4重量部、滑剤としてエルカ酸アマイド0.1重
量部を添加した樹脂を使用した。多層フィルムは3台の
押出機を使用した。3種の樹脂材料を別々に溶融混練
し、Tダイ共押出により樹脂温度260℃で第1層/第
2層/第3層をドラフトして未延伸多層フィルムを得
た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に60
/10/130μm(合計200μm)であった。
【0025】(実施例2)層構成を表1に示した以外は
実施例1と同様な押出製膜法により5層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第3層をナイロン6−66共重合体
「Ny6−66」(東レ(株)社製、「アミランCM6
001FS」、密度:1.13g/cm3、相対粘度:
3.2、融点:195℃、共重合比(重量)Ny6:N
y66=85:15、飽和吸水率:10%)、第2層と
第4層(接着性樹脂層)は実施例1の第2層と同じ酸変
性LLDPE樹脂、第5層は実施例1の第3層と同じL
LDPEを用いた。得られた多層フィルムの厚みは第1
層から順に20/10/45/10/115μm(合計
200μm)であった。
【0026】(実施例3)層構成を表1に示した以外は
実施例2と同様な押出製膜法により4層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第2層を実施例2のNy6−66、
第3層を実施例2の第2層及び第4層で用いた酸変性L
LDPE樹脂、第4層は実施例2の第5層と同じLLD
PEを用いた。得られた多層フィルムの厚みは第1層か
ら順に20/45/10/115μm(合計200μ
m)であった。
【0027】(実施例4)層構成を表1に示した以外は
実施例2と同様な押出製膜法により5層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第3層はEVOH(日本合成化学
(株)社製、「ソアノールA4412B」、密度:1.
14g/cm3、MFR=12.0g/10分(210
℃)、融点:164℃、エチレン含有量44モル%)を
用いた。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に
50/10/15/10/115μm(合計200μ
m)であった。
【0028】(実施例5)以下の6種の樹脂材料を用い
て7層構成の多層フィルムを製膜した。 (1)第1層(外層(A))として、実施例1で用いた
Ny6とNy11を混合重量比90/10とした混合樹
脂、(2)第2層(接着性樹脂層)として、実施例1の
第2層に用いた酸変性LLDPE樹脂、(3)第3層
(中間層(B))として、実施例4で用いたEVOH、
(4)第4層(中間層(B))として、実施例2で用い
たNy6−66、(5)第5層(接着性樹脂層)は第2
層と同じ酸変性LLDPE樹脂、(6)第6層(ヒート
シール層(C2))として、実施例1で用いたLLDP
E、(7)第7層(ヒートシール層(C1))として、
超低密度ポリエチレン「VLDPE」(出光石油化学
(株)社製、「モアテックV−0398CN」、密度:
0.907g/cm3、MFR=3.3g/10分(1
90℃)、融点:119℃)、VLDPE100重量部
に対してアンチブロッキング剤として酸化珪素0.4重
量部、滑剤としてエルカ酸アマイド0.1重量部を添加
した樹脂を使用した。多層フィルムは6台の押出機を使
用した。6種の樹脂材料を別々に溶融混練し、Tダイ共
押出により樹脂温度260℃で第1層/第2層/第3層
/第4層/第5層/第6層/第7層をドラフトして未延
伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルの厚みは第
1層から順に20/10/15/45/15/10/8
5/15μm(合計200μm)であった。
【0029】(実施例6)層構成を表1に示した以外は
実施例5と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第3層を実施例5の第4層に用いた
Ny6−66、第4層を実施例5の第3層に用いたEV
OHを使用した。得られた多層フィルの厚みは第1層か
ら順に20/10/45/15/10/85/15μm
(合計200μm)であった。
【0030】(実施例7)層構成を表1に示した以外は
実施例5と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第1層として実施例5で用いたNy
6とNy11の混合重量比を80/20とした混合樹脂
を使用した。得られた多層フィルの厚みは第1層から順
に20/10/15/45/10/85/15μm(合
計200μm)であった。
【0031】(実施例8)層構成を表1に示した以外は
実施例5と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第1層として実施例5で用いたNy
6とNy11の混合重量比を70/30とした混合樹脂
を使用した。得られた多層フィルの厚みは第1層から順
に20/10/15/45/10/85/15μm(合
計200μm)であった。
【0032】(実施例9)層構成を表1に示した以外は
実施例5と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第1層として実施例5で用いたNy
6とNy12(宇部興産(株)社製、「UBEナイロン
3030B」、密度:1.02g/cm3、相対粘度
2.9、融点:178℃、飽和吸水率:1.5%)の混
合重量比を70/30とした混合樹脂を使用し、事前に
2軸押出機溶融混練押出しを行い、リペレットとした樹
脂を用いた。得られた多層フィルの厚みは第1層から順
に20/10/15/45/10/85/15μm(合
計200μm)であった。
【0033】(実施例10)層構成を以下の通り変えた
以外は実施例5と同様な押出製膜法により7層構成の多
層フィルムを得た。即ち、第7層(ヒートシール層(C
1))の樹脂として、エチレン−メタクリル酸共重合体
EMAA(三井デュポンポリケミカル(株)社製、「ニ
ュクレル N0903HC」、密度:0.93g/cm
3、MFR=3.0g/10分(190℃)、融点:9
8℃、メタクリル酸含有量=9重量%)とエチレン−ポ
リプロピレン共重合体(PP−Et)(日本ポリケム社
製、「ノバテック EG7HT」、密度:0.91g/
cm3、MFR=1.7g/10分(230℃)、融
点:149℃、エチレン含有量=3重量%)を70/3
0の重量比で、事前に2軸押出溶融混練押出しを行い、
リペレットした樹脂を用いた。得られた多層フィルの厚
みは第1層から順に20/10/15/45/10/8
5/15μm(合計200μm)であった。
【0034】(比較例1)層構成を表1に示した以外は
実施例5と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第1層を実施例1で用いたNy6単
体(100%)のみの樹脂とした。得られた多層フィル
の厚みは第1層から順に20/10/15/45/10
/85/15μm(合計200μm)であった。
【0035】(比較例2)層構成を表1に示した以外は
実施例5と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第1層の樹脂として、実施例5で用
いたNy6とNy11の混合重量比を95/5とした混
合樹脂を使用した。得られた多層フィルの厚みは第1層
から順に20/10/15/45/10/85/15μ
m(合計200μm)であった。
【0036】(比較例3)層構成を表1に示した以外は
実施例5と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第1層の樹脂として、実施例5で用
いたNy6とNy11の混合重量比を50/50とした
混合樹脂を使用した。得られた多層フィルの厚みは第1
層から順に20/10/15/45/10/85/15
μm(合計200μm)であった。
【0037】(比較例4)層構成を表1に示した以外は
実施例5と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィ
ルムを得た。即ち、第1層としてNy11単体(100
%)(アトケム社製、「リルサンBESVOAFD
A」、密度:1.04g/cm3、融点:188℃、飽
和吸水率:1.9%)のみを用いた。得られた多層フィ
ルの厚みは第1層から順に20/10/15/45/1
0/85/15μm(合計200μm)であった。 (比較例5)比較例4において第1層のNy11をNy
12に替えた以外は、比較例と同様にしてフィルムを得
た。得られたフィルムの厚みは、前記実施例及び比較例
で得た多層フィルムのボイル適性、深絞り成形性、ラベ
ル適性、透明性、光沢、耐ピンホール性、及び生産性の
評価結果を表2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、深絞り成形、内容物を
充填、ヒートシールし包装後に、ボイル適性を有し、ボ
イル後の透明性が維持され、ラベル適性、耐ピンホール
性が良好で、柔軟性を有し、生産性良好な、特にボイル
処理前、或いはボイル処理、冷却後にラベルを貼り合わ
せても剥がれ難い、外観の優れた包装体を与える。従っ
て本発明の多層フィルムは、特にボイル殺菌用の包装材
に使用される場合に好ましいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 務 茨城県新治郡玉里村大字上玉里18−13 呉 羽化学工業株式会社樹脂加工技術センター 内 Fターム(参考) 3E086 AB01 BA04 BA15 BB01 BB51 BB71 BB90 CA01 4F100 AK01B AK01C AK06 AK46A AK48A AK48B AK69B BA03 BA10A BA10C GB15 GB16 GB23 JA04A JD02B JD15A JK01B JL12C YY00A 4F208 AA10 AA29 AC03 AG03 AG07 AH55 MA05 MA06 MB01 MC03 MG04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】飽和吸水率が5%未満のポリアミド樹脂1
    0〜40重量%と飽和吸水率が5%以上の脂肪族ポリア
    ミド樹脂60〜90重量%を含む一方の外層(A)と、
    ヒートシール層である他方の外層(C)からなる深絞り
    成形用多層フィルム。
  2. 【請求項2】一方の外層(A)が飽和吸水率が5%未満
    のポリアミド樹脂と飽和吸水率が5%以上の脂肪族ポリ
    アミド樹脂のみからなる請求項1記載の深絞り成形用多
    層フィルム。
  3. 【請求項3】一方の外層(A)を構成する樹脂の融点が
    110〜270℃である請求項1又は2記載の深絞り成
    形用多層フィルム。
  4. 【請求項4】飽和吸水率が5%未満のポリアミド樹脂が
    ナイロン11又はナイロン12から選ばれる少なくとも
    1種である請求項1〜3のいずれかに記載の深絞り成形
    用多層フィルム。
  5. 【請求項5】飽和吸水率が5%以上の脂肪族ポリアミド
    樹脂がナイロン6、ナイロン6−66共重合体又はナイ
    ロン6−12共重合体から選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の深絞り成形用多層フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】一方の外層(A)とヒートシール層である
    他方の外層(C)の間に中間層(B)を有する請求項1
    〜5のいずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
  7. 【請求項7】中間層(B)がガスバリア性樹脂層及び/
    又は補強・成形性補助樹脂層を含む請求項6記載の深絞
    り成形用多層フィルム。
  8. 【請求項8】中間層(B)のガスバリア性樹脂層がエチ
    レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなる請求項7記
    載の深絞り成形用多層フィルム。
  9. 【請求項9】中間層(B)の補強・成形性補助樹脂層が
    ナイロン6−66又はナイロン6−12の少なくとも1
    種からなる請求項7又は8に記載の深絞り成形用多層フ
    ィルム。
  10. 【請求項10】一方の外層(A)と中間層(B)の間及
    び/又は中間層(B)とヒートシール層である他の外層
    (C)の間に接着性樹脂層を有する請求項6〜9のいず
    れかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
  11. 【請求項11】ボイル殺菌用である請求項1〜10のい
    ずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
JP2002009185A 2002-01-17 2002-01-17 深絞り成形用多層フィルム Pending JP2003211605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002009185A JP2003211605A (ja) 2002-01-17 2002-01-17 深絞り成形用多層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002009185A JP2003211605A (ja) 2002-01-17 2002-01-17 深絞り成形用多層フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003211605A true JP2003211605A (ja) 2003-07-29

Family

ID=27647254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002009185A Pending JP2003211605A (ja) 2002-01-17 2002-01-17 深絞り成形用多層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003211605A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2236285A4 (en) * 2007-12-17 2013-11-20 Kureha Corp HEAT-SHRINKABLE LAMINATE FILM FOR DEEP STACKING, PACKAGED ARTICLE AND METHOD FOR PACKING CHEESE
WO2021070500A1 (ja) 2019-10-09 2021-04-15 東洋紡株式会社 二軸延伸ポリアミドフィルム及び積層体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2236285A4 (en) * 2007-12-17 2013-11-20 Kureha Corp HEAT-SHRINKABLE LAMINATE FILM FOR DEEP STACKING, PACKAGED ARTICLE AND METHOD FOR PACKING CHEESE
US9566768B2 (en) 2007-12-17 2017-02-14 Kureha Corporation Thermally shrinkable laminate film for deep drawing, packaged article, and method for packaging of cheese
WO2021070500A1 (ja) 2019-10-09 2021-04-15 東洋紡株式会社 二軸延伸ポリアミドフィルム及び積層体
CN114555365A (zh) * 2019-10-09 2022-05-27 东洋纺株式会社 双轴拉伸聚酰胺膜和层叠体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6416832B1 (en) Packaging film or sheet
US7939150B2 (en) Lid stock using oriented fluoropolymers
JP2006281675A (ja) 易開封性共押出フィルムならびに該フィルムを用いた蓋材および深絞り成形容器
JP4553482B2 (ja) 深絞り成形用フィルム
JP2836943B2 (ja) 樹脂組成物および多層構造体
JP4242749B2 (ja) 深絞り成形用共押出積層フィルム
JPH09314772A (ja) ポリプロピレン系樹脂を最外層とする包装用積層フィルム
JP5396797B2 (ja) 共押出多層フィルム
WO2005061224A1 (ja) 積層体
JP4769602B2 (ja) 蓋材
EP0967073A2 (en) Biaxially stretched multilayer film
JP4132083B2 (ja) 包装用フィルムまたはシート
JP3626591B2 (ja) 樹脂組成物
JP4383847B2 (ja) 易開封性複合フィルム
JP2003211605A (ja) 深絞り成形用多層フィルム
JP2012045885A (ja) 共押出多層フィルム、その製造方法及びこれを用いる蓋材
JP2000128112A (ja) 軟質多層フィルム
JP7419802B2 (ja) 積層フィルム及び包装材
JP2000079669A (ja) 二軸延伸多層フィルム
JP3442584B2 (ja) 脂肪族系ポリアミド樹脂を最外層とする包装用積層フィルム
JP4133997B2 (ja) スクラップ回収法および多層構造体
JP4868659B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JP4381865B2 (ja) 深絞り包装体
JP2001151972A (ja) 樹脂組成物および多層構造体
JP2000248136A (ja) 柔軟性に優れたエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物