JP3442498B2 - 化合物半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

化合物半導体装置及びその製造方法

Info

Publication number
JP3442498B2
JP3442498B2 JP22057694A JP22057694A JP3442498B2 JP 3442498 B2 JP3442498 B2 JP 3442498B2 JP 22057694 A JP22057694 A JP 22057694A JP 22057694 A JP22057694 A JP 22057694A JP 3442498 B2 JP3442498 B2 JP 3442498B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound semiconductor
gaas
region
high resistance
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22057694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0883889A (ja
Inventor
祐二 粟野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP22057694A priority Critical patent/JP3442498B2/ja
Publication of JPH0883889A publication Critical patent/JPH0883889A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3442498B2 publication Critical patent/JP3442498B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体装置およ
びその製造方法に関し、より詳しくは、複数の半導体素
子を有する化合物半導体装置及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体集積回路の素子分離法とし
て、初期にはGaAsなどの半絶縁性基板にトランジスタな
どの素子を直接作り込んでいた。この構造は、図5に示
したように、GaAsの半絶縁性基板101にn型不純物な
どを直接イオン注入し、n-GaAsの動作領域102とn+
- GaAsのソース/ドレイン領域103s ,d を形成し、
それぞれの上にアルミニウムよりなるゲート電極104
g、金よりなるソース/ドレイン電極104s,dを形
成してMESFET(Metal Semiconductor Field Effe
ct Transistor )を構成したものである。隣接した2つ
のMESFET105,106の素子は、半絶縁性基板
101自体の抵抗による絶縁性によって電気的に分離さ
れている。
【0003】また、図6に示した化合物半導体装置で
は、GaAsの半絶縁性基板111にGaAsのノンドープ半導
体層112とn-GaAsの薄い動作層113がエピタキシャ
ル成長されている。また動作層113には、イオン注入
によりn+ - GaAsからなるゲート/ドレイン領域114
s,dが設けられ、ゲート/ドレイン領域114s,d
上にはオーミック電極115s,dが形成され、それら
の間の領域の動作領域113上にはショットキー電極1
15gが形成され、これらにより2つのMESFET1
17,118が構成されている。
【0004】この2つMESFET117,118の周
囲にはそれぞれ、プロトンや酸素イオンを注入した素子
分離領域116が半絶縁性基板111まで達するように
形成され、これによりMESFET117,118が互
いに電気的に絶縁される。この素子分離領域116によ
れば、素子の横方向は十分に絶縁されるので、素子のサ
イドゲート効果が抑制される。サイドゲート効果とは、
隣接する素子同士、隣接する配線同士または隣接する素
子と配線での電圧や信号などが互いに影響し合って、素
子特性に悪影響を与えるものである。これと同様に、基
板電位が素子に悪影響を与えるバックゲート効果もあ
る。
【0005】サイドゲート効果、バックゲート効果はい
ずれも回路の動作を狂わせるため、何らかの対策が必要
である。そこで、図7に示すように、図6に示す半導体
装置においてノンドープ半導体層112と半絶縁性基板
111の間に高抵抗層119を形成してサイドゲート効
果、バックゲート効果を抑制することが知られている。
【0006】この高抵抗層119は、例えば低温の分子
線エピタキシャル成長法(MBE法)によって成長させ
たGaAs層(以下、LT−GaAs(Low Temperature GaAs)層
と呼ぶ)を、特定の温度で加熱すると極めて高い抵抗値
を示すことを利用して形成されている。具体的には、LT
−GaAs層は、450℃以下の温度、好ましくは200℃
程度のMBE法によって成長させたもので、砒素を本来
の化学量論比よりも数%過剰に含んだ単結晶GaAsであ
る。また、このLT-GaAs 層は成長後に、約600℃の温
度で加熱すると高抵抗の性質に変化するという性質があ
る。
【0007】このLT-GaAs 層が約600℃の温度の加熱
によって高抵抗化するのは、次にような理由によるもの
と考えられる。約600℃の温度に加熱されることによ
って、LT-GaAs 層に過剰に含まれている砒素が、数十オ
ングストローム程度の砒素凝結粒として析出し、砒素凝
結粒とその周囲のGaAsとの間にショットキー障壁が発生
する。砒素凝結粒の量が増えると、金属−半導体のショ
ットキー障壁が三次元的に密に分布するため、多数の砒
素凝結粒の周囲の空乏層がつながって抵抗が高くなる。
【0008】図7に示した化合物半導体装置に形成した
MESFET117,118は、横方向には素子分離領
域116で分離され、厚さ方向には高抵抗層119で基
板から分離されるため、サイドゲート効果による影響と
バックゲート効果による影響の両方を少なくすることが
できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の化合物半導体装置には次のような問題点があった。
例えば、図5に示したような半絶縁性基板に直接素子を
作り込む構造では、製造工程は簡単であるが、素子分離
が絶縁性のあまり高くない半導体材料によって行われる
ため、素子特性が隣接素子の影響や基板電位の影響を受
け易い。
【0010】また、図6のように素子周囲に素子分離領
域を設けると、サイドゲート効果による影響は遮断する
ことができるが、素子の下方向には絶縁が不十分なた
め、バックゲート効果の影響が十分に遮断できないとい
う欠点があった。また、図7に示したように素子分離領
域と高抵抗層を両方設ける構造では、素子の横方向と下
方向が完全に電気的に分離されるため、サイドゲート効
果による影響もバックゲート効果による影響も両方とも
遮断することができる。しかし、基板中にLT-GaAs より
なる高抵抗層を設け、さらに素子周囲に素子分離領域を
設けるためには、製造工程が複雑でかつ長くなるという
欠点があった。
【0011】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、サイドゲート効果及びバックゲート効
果の影響を低減した化合物半導体装置を提供し、かつそ
のような化合物半導体装置の簡略化した製造方法を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、図1に
例示するように、V族元素が化学量論比からずれて過剰
に含有したIII-V族化合物半導体層よりなる高抵抗領域
2aと、前記高抵抗領域内の上層部に局所的に形成さ
れ、且つ前記高抵抗領域よりも低抵抗の活性領域2bと
を有することを特徴とする化合物半導体装置により解決
する。
【0013】または、前記III-V族化合物半導体層が、
GaAs、AlGaAs、InGaAs、AlInAsおよびInGaP のうちの少
なくとも1つを含むことを特徴とする化合物半導体装置
により解決する。または、図2に例示するように、V族
元素が化学量論比からずれて過剰に含有したIII-V族化
合物半導体層2を形成する工程と、前記III-V族半導体
層2を第1の温度に加熱して高抵抗化した高抵抗領域2
aを形成する工程と、レーザ又は電子ビームのいずれか
を前記高抵抗領域2aに照射して、前記第1の温度より
も高い第2の温度で前記高抵抗領域2aを局所的に加熱
して抵抗が前記高抵抗領域よりも低い活性領域2bを形
成する工程とを有することを特徴とする化合物半導体装
置の製造方法より解決する。
【0014】または、前記III-V族化合物半導体層には
ドーナ又はアクセプタとなる不純物が含まれていること
を特徴とする化合物半導体装置の製造方法より解決す
る。または、前記第1の温度が、ほぼ600℃であるこ
とを特徴とする化合物半導体装置の製造方法より解決す
る。または、前記III-V族化合物半導体層が、GaAs、Al
GaAs、InGaAs、AlInAsおよびInGaP のうちの少なくとも
1つを含むことを特徴とする化合物半導体装置の製造方
法により解決する。
【0015】
【作 用】本発明によれば、化学量論比からずれて過剰
にAsなどのV族元素を含んだGaAsなどのIII-V族化合物
半導体層を、例えば約600℃の温度に加熱して高抵抗
化した高抵抗領域と、この高抵抗領域を電子ビームなど
によって局所的に例えば600℃よりも高い温度に加熱
して抵抗を低減した活性領域とを有する化合物半導体装
置を構成している。
【0016】この構造によれば、活性領域の周囲および
下方が高抵抗の高抵抗領域で囲まれるため、活性領域を
電気的に十分分離することができる。したがって、活性
領域に形成した素子へのサイドゲート効果およびバック
ゲート効果による影響が大幅に低減され、素子の特性が
大幅に安定化しかつ向上する。また、III-V族化合物半
導体層に予めドナー又はアクセプタとなる不純物を含有
させれば、電子ビームなどにより形成した活性領域で不
純物は活性化し、不純物注入を別に行う手間が省ける。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。 (第1の実施例の説明)図1は、本発明の第1の実施例
に係る化合物半導体装置の構造を概略的に示す断面図で
あり、2つのMESFET素子が形成されている。
【0018】GaAsからなる半絶縁性半導体基板1上に、
低温のMBE法で成長させたLT-GaAs 層2が形成されて
いる。このLT-GaAs 層2は、高抵抗の高抵抗領域2aと
低抵抗の第一の活性領域2bとその周囲の第二の活性領
域2cからなる。高抵抗領域2aは、図7と関連して説
明したようにLT-GaAs 層2を約600℃の温度で加熱し
て高抵抗化した領域であり、第一及び第二の活性領域2
b、2cは、高抵抗化したLT-GaAs 層2をさらに高い温
度で加熱することによって砒素凝結粒を減少させて低抵
抗化させた領域である。製造方法については後で詳しく
説明するが、第一及び第二の活性領域2b、2cは電子
ビームなどで局所的に加熱することによって形成され
る。
【0019】第二の活性領域2cは第一の活性領域2b
の周囲に存在し、電子ビーム照射領域から伝導した熱に
より低抵抗化した領域であり、第一の活性領域2bほど
低抵抗化はされていない。活性領域2cは半絶縁性基板
1に達しないように形成されている。LT-GaAs 層2の2
つの第一の活性領域2bにはそれぞれ、n-GaAsのチャネ
ル領域3とその両側にn+ -GaAs のソース/ドレイン領
域4s,4dが形成されている。またそれぞれのチャネ
ル領域3の上にはアルミニウムからなるゲート電極5g
が形成され、ソース/ドレイン領域4s,4d上には金
ゲルマニウム/金などからなるソース/ドレイン電極5
s,5d形成されている。以上により2つのMESFE
T6,7が構成されている。
【0020】このような構成によれば、活性領域2b、
2cの横方向と下方向が高抵抗領域2aによって囲まれ
ているため、活性領域2bは横方向にも下方向にも絶縁
される。したがって、活性領域2b内に形成されたME
SFET素子は、サイドゲート効果およびバックゲート
効果による影響が極めて少なくなる。次に、本発明の化
合物半導体装置の製造方法を説明する。
【0021】図2は、第1の実施例で説明したMESF
ETを含む化合物半導体装置の1つのMESFETを含
む部分だけの製造方法を示し、図2(a) 〜(c) はそれぞ
れ各工程を概略的に示した断面図である。まず図2(a)
の工程では、GaAsからなる半絶縁性基板1に、LT-GaAs
層2を450℃以下の低温のMBE法により成長させ
る。この成長は通常、温度200℃、成長速度1μm/
時間で成長させることが好ましい。つづいて、LT-GaAs
層2を成長した後、600℃の温度で熱処理を行う。こ
の1回目の熱処理により、LT-GaAs 層2全体が高抵抗化
する。
【0022】次に図2(b) に示すように、LT-GaAs 層2
のMESFET形成予定領域に電子ビーム9を照射し局
所的にアニールして2回目の熱処理を行い、低抵抗化し
た第一の活性領域2bとその周囲の第二の活性領域2c
を形成する。このとき、第一の活性領域2bが600℃
よりも高い温度、好ましくは750℃以上の温度になる
ように加熱する。第一の活性領域2bの温度は、電子ビ
ームの出力と照射時間によって決まり、0.2W/μm,
50μsecの照射を行う。
【0023】低温のMBE法で成長させたLT-GaAs 層
は、約600℃の温度で加熱すると砒素凝結粒が生じて
高抵抗化するが、この高抵抗化したLT-GaAs 層をさらに
高い温度で加熱すると高抵抗の性質が失われる。これ
は、より高い温度で加熱することによって砒素が拡散し
て凝結粒の密度が小さくなるからと考えられる。第一の
活性領域2bは電子ビームの照射によって素子形成に十
分に低抵抗化した領域であり、第二の活性領域2cは第
一の活性領域2bからの熱伝導によって低抵抗化してい
るが素子形成には不十分である。
【0024】第一及び第二の活性領域2b,2cは、半
絶縁性基板1まで達しない深さに形成しなければならな
い。第二の活性領域2cが半絶縁性基板1に達すると半
絶縁性基板1と電気的に導通し、バックゲート効果の原
因となる。また同様に、LT-GaAs 層2に第一及び第二の
活性領域2b,2cを複数個形成する場合は、第二の活
性領域2c同士が交わるとサイドゲート効果の原因とな
るので、活性領域は互いに交わらないように形成する必
要がある。
【0025】なお、LT-GaAs 層を局所的に加熱する手段
は、電子ビームの他、レーザなどでもよい。次に、図2
(c) に示すように、第一の活性領域2bにシリコン等の
n型不純物をイオン注入してn型のチャネル領域3とn
+ 型のソース/ドレイン領域4s,4dを形成する。そ
して、チャネル領域3上にショットキー接触するゲート
電極5gと、ソース/ドレイン領域4s.4dにオーミ
ック接触するソース/ドレイン電極5s,5dを形成
し、これによりMESFETが完成する。
【0026】このように、半絶縁性基板1上にLT-GaAs
層を1層成長させ、そのLT-GaAs 層を加熱温と加熱領域
を変化させて2回の熱処理を行うことによって、素子分
離のための高抵抗領域と素子形成のための低抵抗な活性
領域を形成する。したがって、サイドゲート効果および
バックゲート効果による影響が少ない優れたMESFE
Tの製造工程を大幅に簡略化する。 (第2実施例)第1の実施例の製造方法では、LT-GaAs
層2に活性領域2bを形成してから不純物をイオン注入
して素子を形成しているが、不純物を含むLT-GaAs 層2
を形成しておき、LT-GaAs 層に電子ビーム等で加熱して
低抵抗の第一の活性領域2bを形成するとともに、その
中に含まれているキャリア密度を大きくしてもよい。
【0027】例えば、LT-GaAs 層2のキャリア密度が1
×1018/cm3 となる程度にシリコン(不純物)をドー
プした後に、第一の活性領域2bとなる領域を850℃
の温度で20秒間加熱してチャネル領域3を形成し、そ
の両側を950℃で20秒間加熱してソース/ドレイン
領域4s,4dを形成してもよい。これによれば、不純
物を注入する工程が省け、活性領域とチャネル領域とソ
ース/ドレイン領域の形成工程が簡素化される。これら
の加熱は、電子又はレーザビームを用いて相当する条件
で行なう。
【0028】これは図3に示す技術を応用したものであ
る。図3は、シリコン等のドナーを入れて低温成長させ
たLT-GaAs 層を様々な温度でアニールしたときのキャリ
ア密度回復特性を示したものである(W.Schaff etal. M
RS Proc. vol.241, p51から引用)。この図において、
横軸はLT-GaAs 層中のSiドナーのドーピング密度、縦軸
はアニールによって現れたキャリアの密度を示す。
【0029】図3に描かれた線のうち、実線Aは、LT-G
aAs 層を低温成長した直後のキャリア密度、実線Bは、
LTGaAs層中のドナーがすべてキャリアになったときのキ
ャリア密度、実線C、実線D、実線Eはそれぞれ750
℃、850℃、950℃の温度で20秒間高速アニール
(rapid thermal annealing)したときのキャリア密度を
示す。
【0030】図3からわかるとおり、750℃以上の温
度で20秒間以上アニールすることによって、高抵抗化
していたLT-GaAs 層のキャリア密度が大きくなり活性化
することがわかるつまり、450℃以下の低い温度のM
BE法で成長させたLT-GaAs層は、約600℃の温度の
加熱で高抵抗化し、600℃以上の温度、好ましくは7
50℃以上のアニールによりキャリア密度が高くなって
活性化する。 (第3の実施例の説明)図4は、本発明の第2の実施例
に係る化合物半導体装置の構造を概略的に示した断面図
であり、HEMT(high electron mobility transisto
r )素子が2つ隣接して形成されている。
【0031】本実施例では、GaAsの半絶縁性基板11上
に、LT-GaAs 層12とn 型のLT-AlGaAs 層1が低温のM
BE法で連続的に成長されている。LT-GaAs 層12とLT
-AlGaAs 層13はれぞれ第1の実施例と同じように約6
00℃で加熱されて高抵抗化されている。これにより、
LT-GaAs 層13の2つの素子形成領域には、第1実施例
と同様に低抵抗な第一の活性領域12b,13bが形成
され、その周囲には第一の活性領域12b,13bより
も高抵抗の第二の活性領域12c,13cが形成されて
いる。
【0032】ここで、第一の活性領域12b,13b
は、第1の実施例と同様に、電子ビームによりキャリア
が十分に活性化されている領域であり、その周囲の第二
の活性領域12c,13cは活性領域12b,13bか
ら熱が伝導して高抵抗の性質が失われた領域である。こ
のLT-AlGaAs 層13の第一の活性領域13bは、LT-GaA
s 層12の第一の活性領域12bとの間で-AlGaAs /Ga
Asヘテロ構造となっており、活性領域12bの活性領域
13b側には、高い電子移動度を持つ二次元電子ガス領
域16が形成されている。そして、LT-AlGaAs 層13の
第一の活性領域13bの上には、ショットキー接触する
材料よりなるゲート電極17gが形成され、その両側に
はオーミック接触するソース電極17sとドレイン電極
17dが形成されている。ソース/ドレイン電極17
s,17dの下にはソース/ドレイン領域15s,15
dが形成されている。
【0033】これにより2つの素子形成領域にはそれぞ
れHEMT素子18,19が形成されている。このよう
な構造により、第一の活性領域12b,13bは、高抵
抗なLT-GaAs層12とLT-AlGaAs 層13によって基板平
面方向と厚さ方向に電気的に分離されているので、第一
の活性領域12b,13bに形成されたHEMT素子の
サイドゲート効果およびバックゲート効果による影響は
大幅に低減される。 (その他の実施例)上記実施例では砒素を過剰に含んだ
GaAsについて説明したが、その他にAlGaAs、InGaAs、Al
InAsなどの砒素を含むIII-V族化合物半導体でも同じ作
用、効果がある。また、砒素が化学量子論比からずれて
過剰に含有される元素は砒素だけではなく、III-V族化
合物半導体中で過剰に含んだV族元素であればよい。そ
のようなIII-V族化合物半導体として例えばリンを過剰
に含んだInGaP がある。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、化学
量論比からずれて過剰にAsなどのV族元素を含んだGaAs
などのIII-V族化合物半導体層を、例えば約600℃の
温度に加熱して高抵抗化した高抵抗領域と、この高抵抗
領域を電子ビームなどによって局所的に、600℃より
も高い温度に加熱して抵抗を低減した活性領域とを有す
る化合物半導体装置を構成しているので、これによれ
ば、活性領域の周囲および下方が高抵抗の高抵抗領域で
囲まれるため、活性領域を電気的に十分分離することが
できる。したがって、活性領域に形成した素子へのサイ
ドゲート効果およびバックゲート効果による影響を大幅
に低減し、素子の特性を大幅に安定化しかつ向上するこ
とができる。
【0035】また、III-V族化合物半導体層に予めドナ
ー又はアクセプタとなる不純物を含有させれば、電子ビ
ームなどにより形成した活性領域で不純物は活性化し、
不純物注入を別に行う手間が省ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る化合物半導体装置
の概略的な構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の化合物半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【図3】ドーピングされたGaAsを様々な温度で加熱する
ときの、ドナー濃度を示す特性図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係る化合物半導体装置
の概略的な構造を示す断面図である。
【図5】従来の化合物半導体装置の素子分離構造を示す
概略的な断面図である。
【図6】従来の化合物半導体装置の素子分離構造を示す
概略的な断面図である。
【図7】従来の化合物半導体装置の素子分離構造を示す
概略的な断面図である。度と加熱により発生するキャリ
アの密度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、11 半絶縁性基板 2、12 LT-GaAs 層 2b、2c、12b、12c、13b、13c 活性
領域 3 チャネル領域 4、15 ソース・ドレイン領域 5、17 電極 6、7 MESFET 13 LT-AlGaAs層 16 二次電子ガス層 18、19 HEMT
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 29/778 H01L 27/095 H01L 29/80 - 29/812 H01L 21/18 - 21/20 H01L 21/76

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】V族元素が化学量論比からずれて過剰に含
    有したIII-V族化合物半導体層よりなる高抵抗領域と、
    前記高抵抗領域内の上層部に局所的に形成され、且つ前
    記高抵抗領域よりも低抵抗の活性領域とを有し、 前記高
    抵抗領域よりも前記活性領域の方が砒素凝結粒の密度が
    小さいことを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 【請求項2】前記III-V族化合物半導体層が、GaAs、Al
    GaAs、InGaAs、AlInAsおよびInGaP のうちの少なくとも
    1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の化合物半
    導体装置。
  3. 【請求項3】V族元素が化学量論比からずれて過剰に含
    有したIII-V族化合物半導体層を形成する工程と、前記
    III-V族半導体層を第1の温度に加熱して高抵抗化した
    高抵抗領域を形成する工程と、レーザ又は電子ビームの
    いずれかを前記高抵抗領域に照射して、前記第1の温度
    よりも高い第2の温度で前記高抵抗領域を局所的に加熱
    して抵抗が前記高抵抗領域よりも低い活性領域を形成す
    る工程とを有することを特徴とする化合物半導体装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記III-V族化合物半導体層にはドナー
    はアクセプタとなる不純物が含まれていることを特徴と
    する請求項3記載の化合物半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記III-V族化合物半導体層が、GaAs、Al
    GaAs、InGaAs、AlInAsおよびInGaP のうちの少なくとも
    1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の化合物半
    導体装置の製造方法。
JP22057694A 1994-09-14 1994-09-14 化合物半導体装置及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3442498B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22057694A JP3442498B2 (ja) 1994-09-14 1994-09-14 化合物半導体装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22057694A JP3442498B2 (ja) 1994-09-14 1994-09-14 化合物半導体装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0883889A JPH0883889A (ja) 1996-03-26
JP3442498B2 true JP3442498B2 (ja) 2003-09-02

Family

ID=16753152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22057694A Expired - Fee Related JP3442498B2 (ja) 1994-09-14 1994-09-14 化合物半導体装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3442498B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2393037B (en) * 2002-09-11 2007-05-23 Tera View Ltd Method of enhancing the photoconductive properties of a semiconductor and method of producing a seminconductor with enhanced photoconductive properties

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0883889A (ja) 1996-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4662058A (en) Self-aligned gate process for ICS based on modulation doped (Al,Ga) As/GaAs FETs
US4603469A (en) Fabrication of complementary modulation-doped filed effect transistors
US4559547A (en) Semiconductor device
JPH0260063B2 (ja)
JP2679333B2 (ja) ショットキー障壁接合ゲート型電界効果トランジスタ
JP3442498B2 (ja) 化合物半導体装置及びその製造方法
JPS5932173A (ja) 電界効果トランジスタの製造方法
JPS5851575A (ja) 半導体装置の製造方法
JPS5932174A (ja) 電界効果トランジスタの製造方法
JPH07111976B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2688678B2 (ja) 電界効果トランジスタおよびその製造方法
KR910006698B1 (ko) 반도체 장치
JP3024172B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPS63115384A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0243765A (ja) 化合物半導体装置の製造方法
JP2503594B2 (ja) 半導体集積装置及びその製造方法
JPS59207669A (ja) 電界効果トランジスタの製造方法
JPS61274370A (ja) 接合形電界効果トランジスタ
JPH07283402A (ja) 半導体装置とその製造方法
JPS6353708B2 (ja)
JP2616032B2 (ja) 電界効果トランジスタの製造方法
JPS63226967A (ja) 化合物半導体接合型電界効果トランジスタ及びその製造方法
JPH01286308A (ja) GaAs電界効果トランジスタの製造方法
JPS6249671A (ja) ガリウムひ素電界効果トランジスタおよびその製作方法
JPS62171165A (ja) 電界効果トランジスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030610

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees