JP3441122B2 - 特殊交絡糸 - Google Patents
特殊交絡糸Info
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- JP3441122B2 JP3441122B2 JP26965893A JP26965893A JP3441122B2 JP 3441122 B2 JP3441122 B2 JP 3441122B2 JP 26965893 A JP26965893 A JP 26965893A JP 26965893 A JP26965893 A JP 26965893A JP 3441122 B2 JP3441122 B2 JP 3441122B2
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,製編織すれば,毛羽を
有していないにも関わらず,毛羽感のあるソフトな風合
とドライ感を有する高級シルキー織編物となる特殊交絡
糸に関するものである。
有していないにも関わらず,毛羽感のあるソフトな風合
とドライ感を有する高級シルキー織編物となる特殊交絡
糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に,合成繊維マルチフィラメント糸
はシルクに比較して,毛羽感のあるソフトな風合,軽量
感,嵩高性に欠けると共に,何よりもドライ感に欠けた
特有のヌメリ感を有している。従来より,これら欠点を
解消するために種々の加工を施した提案がなされてい
る。例えば,毛羽感のあるソフトな風合の布帛を得るた
めに,単糸繊度の細いフイラメントを用いて,加工時に
単糸の一部を切断したり,あるいは布帛にした後に起毛
する方法が提案されているが,単糸繊度が細く,かつ,
単糸の一部が切断されているので毛羽感のあるソフトな
風合の布帛は得ることができる。しかしながら,単糸繊
度が細いために濃染化が不可能,ヘタリが生じる,毛羽
部の先端同士が絡まりピリングが発生する,あるいは起
毛した毛羽部が倒れてヌメリ感が強調されるなどおよそ
シルクには程遠い風合となる。
はシルクに比較して,毛羽感のあるソフトな風合,軽量
感,嵩高性に欠けると共に,何よりもドライ感に欠けた
特有のヌメリ感を有している。従来より,これら欠点を
解消するために種々の加工を施した提案がなされてい
る。例えば,毛羽感のあるソフトな風合の布帛を得るた
めに,単糸繊度の細いフイラメントを用いて,加工時に
単糸の一部を切断したり,あるいは布帛にした後に起毛
する方法が提案されているが,単糸繊度が細く,かつ,
単糸の一部が切断されているので毛羽感のあるソフトな
風合の布帛は得ることができる。しかしながら,単糸繊
度が細いために濃染化が不可能,ヘタリが生じる,毛羽
部の先端同士が絡まりピリングが発生する,あるいは起
毛した毛羽部が倒れてヌメリ感が強調されるなどおよそ
シルクには程遠い風合となる。
【0003】また,布帛にドライ感を付与するために,
単糸の一部を太繊度糸で構成した異繊度混繊糸,あるい
は単糸の断面形状を三角や多葉にしたり,さらにドライ
感を強調するために特開昭62-45717号公報,特開平4-6
5506号公報や特開平4-91213号公報で開示されたような
断面をシャープにした異形断面糸が提案されている。こ
れらの糸条を用いて布帛にすれば,単糸断面のエッジ部
がシャープなために従来には見られないドライ感を醸し
出すことができるが,これらの布帛はドライ感があまり
にも強調され過ぎてペーパーライクな風合となり,ソフ
ト感に欠けたものとなる。
単糸の一部を太繊度糸で構成した異繊度混繊糸,あるい
は単糸の断面形状を三角や多葉にしたり,さらにドライ
感を強調するために特開昭62-45717号公報,特開平4-6
5506号公報や特開平4-91213号公報で開示されたような
断面をシャープにした異形断面糸が提案されている。こ
れらの糸条を用いて布帛にすれば,単糸断面のエッジ部
がシャープなために従来には見られないドライ感を醸し
出すことができるが,これらの布帛はドライ感があまり
にも強調され過ぎてペーパーライクな風合となり,ソフ
ト感に欠けたものとなる。
【0004】上記糸条の欠点を補うために,布帛に軽量
感と嵩高性によりソフト感を付与できる糸条と,ドライ
感を付与できる糸条を同時に流体攪乱処理して得られた
ループや絡みを有する嵩高糸が知られている。この嵩高
糸は,噴流によって単糸間に空隙が形成されているの
で,軽量感や嵩高性は向上する。しかしながらこれらの
方法では,流体攪乱処理時に微妙な張力の調整が必要で
あったり,糸条の繊度や断面形状に制限されたりして,
何等工夫することなく単に混繊しただけでは,流体の旋
回によって単糸同士が最密充填され,かえって嵩高性を
損ねたり,どちらか一方の風合が強調され過ぎて,毛羽
感のあるソフトな風合とドライ感という相反する性能が
混然一体となった風合は得られない。
感と嵩高性によりソフト感を付与できる糸条と,ドライ
感を付与できる糸条を同時に流体攪乱処理して得られた
ループや絡みを有する嵩高糸が知られている。この嵩高
糸は,噴流によって単糸間に空隙が形成されているの
で,軽量感や嵩高性は向上する。しかしながらこれらの
方法では,流体攪乱処理時に微妙な張力の調整が必要で
あったり,糸条の繊度や断面形状に制限されたりして,
何等工夫することなく単に混繊しただけでは,流体の旋
回によって単糸同士が最密充填され,かえって嵩高性を
損ねたり,どちらか一方の風合が強調され過ぎて,毛羽
感のあるソフトな風合とドライ感という相反する性能が
混然一体となった風合は得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上述した従
来のシルキー織編物の欠点を解消し,毛羽感のあるソフ
トな風合とドライ感という相反する風合が混然一体とな
った,シルキー織編物を得るのに好適な特殊交絡糸を提
供することを技術的な課題とするものである。
来のシルキー織編物の欠点を解消し,毛羽感のあるソフ
トな風合とドライ感という相反する風合が混然一体とな
った,シルキー織編物を得るのに好適な特殊交絡糸を提
供することを技術的な課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上述の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果,布帛上で指
を滑らせたり,着用時に皮膚に接触した時の摩擦によっ
て生じる接触部の繊維の変形と転がりがソフトな風合と
ドライ感に影響することを見い出して本発明に到達し
た。
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果,布帛上で指
を滑らせたり,着用時に皮膚に接触した時の摩擦によっ
て生じる接触部の繊維の変形と転がりがソフトな風合と
ドライ感に影響することを見い出して本発明に到達し
た。
【0007】すなわち,本発明は,繊維表面に突起部と
細溝を交互に, 略一様に分布させた異形断面繊維で構成
された単糸群Aと他の単糸群Bが混繊されたループやた
るみを有する交絡糸であって,単糸群Aは前記交絡糸の
30〜70重量%を占め, かつ,前記異形断面繊維は突起部
と細溝の断面が長方形ないし略台形状を呈し,突起部の
数と寸法が下記〜式を満足することを特徴とする特
殊交絡糸を要旨とするものである。 15≦N≦35 ──── 0.3≦W≦1 ──── 1.5W≦H≦3W ──── ただし,Nは突起部の数,Wは突起部の幅(μm),Hは
突起部の高さ(μm)である。
細溝を交互に, 略一様に分布させた異形断面繊維で構成
された単糸群Aと他の単糸群Bが混繊されたループやた
るみを有する交絡糸であって,単糸群Aは前記交絡糸の
30〜70重量%を占め, かつ,前記異形断面繊維は突起部
と細溝の断面が長方形ないし略台形状を呈し,突起部の
数と寸法が下記〜式を満足することを特徴とする特
殊交絡糸を要旨とするものである。 15≦N≦35 ──── 0.3≦W≦1 ──── 1.5W≦H≦3W ──── ただし,Nは突起部の数,Wは突起部の幅(μm),Hは
突起部の高さ(μm)である。
【0008】以下,本発明について詳細に説明する。
【0009】本発明の特殊交絡糸は,繊維表面に突起部
と細溝を交互に, 略一様に分布させた異形断面繊維で構
成された単糸群Aと,他の単糸群Bが混繊されたもので
あるが,製編織して得られる布帛にソフトな風合とドラ
イ感のあるシルキー風合を付与するためには,単糸群A
を構成する異形断面繊維の形状が重要である。
と細溝を交互に, 略一様に分布させた異形断面繊維で構
成された単糸群Aと,他の単糸群Bが混繊されたもので
あるが,製編織して得られる布帛にソフトな風合とドラ
イ感のあるシルキー風合を付与するためには,単糸群A
を構成する異形断面繊維の形状が重要である。
【0010】単糸群Aを構成する異形断面繊維は,図1
で示したように繊維1の表面に繊維軸方向に連続した複
数(図1では20個)の突起部2を有しており,隣接する
突起部2,2の間には細溝3が突起部2の数と同数存在
している。
で示したように繊維1の表面に繊維軸方向に連続した複
数(図1では20個)の突起部2を有しており,隣接する
突起部2,2の間には細溝3が突起部2の数と同数存在
している。
【0011】本発明において,突起部と細溝の断面形状
は,長方形ないし略台形形状とする必要がある。細溝の
形状が三角のV形状になると,突起部は底面の幅が上面
の幅より広くなるので,摩擦に対して安定感が増し,こ
のため,布帛を指で滑らせた時の摩擦,あるいは曲げに
対して変形が生じ難くなり,ソフトな風合が損なわれた
り,粗硬な風合となる。
は,長方形ないし略台形形状とする必要がある。細溝の
形状が三角のV形状になると,突起部は底面の幅が上面
の幅より広くなるので,摩擦に対して安定感が増し,こ
のため,布帛を指で滑らせた時の摩擦,あるいは曲げに
対して変形が生じ難くなり,ソフトな風合が損なわれた
り,粗硬な風合となる。
【0012】上記の形状を有し,かつ,前記式〜を
満足する異形断面繊維を含有する糸条で構成された布帛
は,繊維軸方向に指を滑らせた時に,突起部の各々一片
は細く変形し易いために,ソフトな風合となる。また,
摩擦に対して突起部が独立の動きをするので,毛羽が存
在しないにも関わらず,あたかも毛羽を有しているよう
な風合となる。さらに,繊維軸に対して直角方向に指を
滑らせた時に,突起部のギア効果によって単糸に転がり
が生じたり,凹凸の効果によってドライ感を醸しだすこ
とができる。
満足する異形断面繊維を含有する糸条で構成された布帛
は,繊維軸方向に指を滑らせた時に,突起部の各々一片
は細く変形し易いために,ソフトな風合となる。また,
摩擦に対して突起部が独立の動きをするので,毛羽が存
在しないにも関わらず,あたかも毛羽を有しているよう
な風合となる。さらに,繊維軸に対して直角方向に指を
滑らせた時に,突起部のギア効果によって単糸に転がり
が生じたり,凹凸の効果によってドライ感を醸しだすこ
とができる。
【0013】本発明の目的とするソフトな風合とドライ
感のあるシルキー風合を得るには,異形断面繊維の突起
部の数(N)は繊維の周上に15〜35個, 好ましくは16〜
25個存在する必要がある。繊維周上に位置する細溝部の
幅を一定とすると,突起部の数が15個未満では突起部一
片当りの皮膚への接触面積が大きくなるため,ヌメリ感
やまつわりが発生する。また, 36個以上では,必然的に
突起部の幅が薄くなり,加工時や着用時に突起部が脱落
したり,フィブリル化して布帛に白ぼけが発生する。ま
た, 風合面では毛羽感が過度に進み,スエードやピーチ
フェイスタッチのヌメリ感が強調され,目的とする風合
が得られない。
感のあるシルキー風合を得るには,異形断面繊維の突起
部の数(N)は繊維の周上に15〜35個, 好ましくは16〜
25個存在する必要がある。繊維周上に位置する細溝部の
幅を一定とすると,突起部の数が15個未満では突起部一
片当りの皮膚への接触面積が大きくなるため,ヌメリ感
やまつわりが発生する。また, 36個以上では,必然的に
突起部の幅が薄くなり,加工時や着用時に突起部が脱落
したり,フィブリル化して布帛に白ぼけが発生する。ま
た, 風合面では毛羽感が過度に進み,スエードやピーチ
フェイスタッチのヌメリ感が強調され,目的とする風合
が得られない。
【0014】次に,単糸群Aを構成する異形断面繊維の
突起部の幅Wと高さHとの関係について, 異形断面繊維
の部分拡大断面図である図3を用いて説明する。図3に
おいて, 突起部側面の線を延長し,突起部の頂点の外接
円の交点をA,B,とし,細溝部の最深部の内接円の交
点をA’,B’とする。また,線分A−B及び線分A’
−B’の中点をD,D’とする。 (a)突起部の幅W 線分A−Bの長さとする。 (b)突起部の高さH 線分D−D’の長さとする。
突起部の幅Wと高さHとの関係について, 異形断面繊維
の部分拡大断面図である図3を用いて説明する。図3に
おいて, 突起部側面の線を延長し,突起部の頂点の外接
円の交点をA,B,とし,細溝部の最深部の内接円の交
点をA’,B’とする。また,線分A−B及び線分A’
−B’の中点をD,D’とする。 (a)突起部の幅W 線分A−Bの長さとする。 (b)突起部の高さH 線分D−D’の長さとする。
【0015】まず,突起部の寸法は,幅Wは0.3〜1μ
mの範囲とする必要がある。突起部の幅Wが0.3μm未
満の場合,突起部の数が多くなったと同様にフィブリル
化しやくなり,ヌメリ感が強調される。また,1μmを
超えると,突起部の幅が広くくなり,ガサツキ感や粗硬
感が生じるので,好ましくない。
mの範囲とする必要がある。突起部の幅Wが0.3μm未
満の場合,突起部の数が多くなったと同様にフィブリル
化しやくなり,ヌメリ感が強調される。また,1μmを
超えると,突起部の幅が広くくなり,ガサツキ感や粗硬
感が生じるので,好ましくない。
【0016】次に,突起部の高さHは,突起部の幅Wと
関連があり,突起部の幅Wの1.5〜3倍の範囲にする必
要がある。突起部の高さHが幅Wの1.5倍未満になる
と,必然的に凹凸が乏しくなって, 布帛の表面を指で滑
らせた時,通常の丸断面糸や多葉断面糸と変わらなくな
り,本発明でいう,突起部を指で滑らせた時に感ずる毛
羽感のあるソフトな風合とはならない。また,3倍を超
えた場合は必然的に凹凸が大きくなり,単糸同士が堅固
に充填されて単糸が拘束されるので,布帛にした時に単
糸の転がりがなくなり,ドライ感が欠けたり,凹凸が強
調され過ぎてガサツキが発生したり,あるいは布帛をハ
ンガーに釣り下げた時に落ちが悪くなり品位を低下させ
るので好ましくない。
関連があり,突起部の幅Wの1.5〜3倍の範囲にする必
要がある。突起部の高さHが幅Wの1.5倍未満になる
と,必然的に凹凸が乏しくなって, 布帛の表面を指で滑
らせた時,通常の丸断面糸や多葉断面糸と変わらなくな
り,本発明でいう,突起部を指で滑らせた時に感ずる毛
羽感のあるソフトな風合とはならない。また,3倍を超
えた場合は必然的に凹凸が大きくなり,単糸同士が堅固
に充填されて単糸が拘束されるので,布帛にした時に単
糸の転がりがなくなり,ドライ感が欠けたり,凹凸が強
調され過ぎてガサツキが発生したり,あるいは布帛をハ
ンガーに釣り下げた時に落ちが悪くなり品位を低下させ
るので好ましくない。
【0017】本発明の特殊交絡糸は,上記した異形断面
繊維で構成された単糸群Aと,他の単糸群Bが混繊され
たものであるが,単糸群Aが交絡糸の30〜70重量%を占
める必要がある。この比率が30重量%未満になると, 他
の単糸群Bの影響が強くなって目的とする風合を得るこ
とができない。また,70重量%を超えると,異形断面繊
維の突起部の幅や高さを調整しても, ギア効果によって
単糸同士が最密充填して単糸間に空隙部が少なくなり,
嵩高性に乏しい布帛となるので好ましくない。
繊維で構成された単糸群Aと,他の単糸群Bが混繊され
たものであるが,単糸群Aが交絡糸の30〜70重量%を占
める必要がある。この比率が30重量%未満になると, 他
の単糸群Bの影響が強くなって目的とする風合を得るこ
とができない。また,70重量%を超えると,異形断面繊
維の突起部の幅や高さを調整しても, ギア効果によって
単糸同士が最密充填して単糸間に空隙部が少なくなり,
嵩高性に乏しい布帛となるので好ましくない。
【0018】また,本発明の特殊交絡糸を構成する単糸
群Aと他の単糸群Bの両方をそれぞれ熱収縮率差が5%
以上の異収縮混繊糸とすれば,製編織して得られる布帛
の嵩高性を一層向上させることができる。
群Aと他の単糸群Bの両方をそれぞれ熱収縮率差が5%
以上の異収縮混繊糸とすれば,製編織して得られる布帛
の嵩高性を一層向上させることができる。
【0019】単糸群Bを構成する単糸の断面形状や繊度
は特に限定されるものではないが,交絡処理で単糸間に
空隙を形成して,軽量感と嵩高性に富んだ布帛を得るた
めには,三角断面糸に代表される異形断面糸が好適であ
り,さらに好ましくは,単糸繊度2.5デニール以上で,
かつ,図4で示したような断面形状が実質的に直線上の
偏平幹部と,突起部とを持つ非回転対称形状を呈した異
形断面糸を25重量%以上含有する異繊度混繊糸を用いる
ことが好ましい。
は特に限定されるものではないが,交絡処理で単糸間に
空隙を形成して,軽量感と嵩高性に富んだ布帛を得るた
めには,三角断面糸に代表される異形断面糸が好適であ
り,さらに好ましくは,単糸繊度2.5デニール以上で,
かつ,図4で示したような断面形状が実質的に直線上の
偏平幹部と,突起部とを持つ非回転対称形状を呈した異
形断面糸を25重量%以上含有する異繊度混繊糸を用いる
ことが好ましい。
【0020】本発明の特殊交絡糸は,ポリエステル,ポ
リアミド,ポリアクリル等の繊維に適用できるが,中で
もポリエステル繊維が好ましい。ポリエステルとしては
ホモポリエステルはもちろんのこと,通常の共重合ポリ
エステルでもよく,さらに,一般的に使用されている添
加剤,艶消し剤,制電剤,酸化防止剤等を添加したもの
でもよい。
リアミド,ポリアクリル等の繊維に適用できるが,中で
もポリエステル繊維が好ましい。ポリエステルとしては
ホモポリエステルはもちろんのこと,通常の共重合ポリ
エステルでもよく,さらに,一般的に使用されている添
加剤,艶消し剤,制電剤,酸化防止剤等を添加したもの
でもよい。
【0021】次に,本発明の特殊交絡糸の製造法につい
て説明する。
て説明する。
【0022】本発明の特殊交絡糸の一部を構成する単糸
群Aは,図1で示した異形断面繊維と似た紡糸孔を有す
る紡糸口金から紡糸して得ることも考えられるが,吐出
糸条の形状保持性や,シャープな突起部を得難いことを
考慮すれば,この方法は好ましくない。
群Aは,図1で示した異形断面繊維と似た紡糸孔を有す
る紡糸口金から紡糸して得ることも考えられるが,吐出
糸条の形状保持性や,シャープな突起部を得難いことを
考慮すれば,この方法は好ましくない。
【0023】断面の形状保持,あるいは突起部のシャー
プさを向上させるためには,例えば複合紡糸法によって
単糸断面が異ポリマーで分割した繊維を紡糸し,後工程
で単糸を構成するポリマーの溶解速度や分解速度の違い
を利用して一成分を除去して異形化する方法が好適に用
いられる。
プさを向上させるためには,例えば複合紡糸法によって
単糸断面が異ポリマーで分割した繊維を紡糸し,後工程
で単糸を構成するポリマーの溶解速度や分解速度の違い
を利用して一成分を除去して異形化する方法が好適に用
いられる。
【0024】この方法においては,まず,アルカリ等の
溶剤に対する溶解性の異なるポリマーである易溶出成分
αと難溶出成分βの2成分を複合紡糸し,次いで,延伸
して,図2で示したような難溶出成分βが芯成分,易溶
出成分αが鞘成分となり,芯成分,鞘成分ともに15〜35
個 (図2では20個) のU字状部を有している複合繊維で
構成された糸条を得る。次いで,得られた糸条をアルカ
リ等の溶剤で処理して易溶出成分αを溶出させ,図1に
示したような,それぞれ15〜35個 (図1では20個) の突
起部と細溝部を有する異形断面繊維で構成された単糸群
Aを得る。
溶剤に対する溶解性の異なるポリマーである易溶出成分
αと難溶出成分βの2成分を複合紡糸し,次いで,延伸
して,図2で示したような難溶出成分βが芯成分,易溶
出成分αが鞘成分となり,芯成分,鞘成分ともに15〜35
個 (図2では20個) のU字状部を有している複合繊維で
構成された糸条を得る。次いで,得られた糸条をアルカ
リ等の溶剤で処理して易溶出成分αを溶出させ,図1に
示したような,それぞれ15〜35個 (図1では20個) の突
起部と細溝部を有する異形断面繊維で構成された単糸群
Aを得る。
【0025】上記で得られた単糸群Aと他の単糸群Bと
を合糸して流体噴射ノズル(例えば特公昭35−1673号公
報記載)に供給し, 流体攪乱処理を施すことによって糸
条群A, Bを構成する各単糸を混繊交絡させ,ループや
たるみを有する本発明の特殊交絡糸を得る。
を合糸して流体噴射ノズル(例えば特公昭35−1673号公
報記載)に供給し, 流体攪乱処理を施すことによって糸
条群A, Bを構成する各単糸を混繊交絡させ,ループや
たるみを有する本発明の特殊交絡糸を得る。
【0026】図5は,本発明の特殊交絡糸の製法例を示
す概略工程図である。図5において,単糸群Aと他の単
糸群Bは,フィードローラ4で流体噴射ノズル5に供給
され,流体噴射ノズル5で流体攪乱処理が施された後,
デリベリローラ6を経て捲取りローラで7でパッケージ
8に捲き取られる。
す概略工程図である。図5において,単糸群Aと他の単
糸群Bは,フィードローラ4で流体噴射ノズル5に供給
され,流体噴射ノズル5で流体攪乱処理が施された後,
デリベリローラ6を経て捲取りローラで7でパッケージ
8に捲き取られる。
【0027】上記で使用する易溶出成分αは,アルカリ
水溶液に対する溶解速度が,難溶出成分βよりも5倍以
上速いものが好ましい。そのため,例えばポリエステル
繊維の場合,難溶出成分βとしてポリエチレンテレフタ
レート(PET)を用い,易溶出成分αとしてスルホン
酸金属塩を2.5モル%以上共重合したPETや,スル
ホン酸金属塩と比較的高分子量のポリアルキレングリコ
ールを所定量共重合したPET等を使用するのが好まし
い。
水溶液に対する溶解速度が,難溶出成分βよりも5倍以
上速いものが好ましい。そのため,例えばポリエステル
繊維の場合,難溶出成分βとしてポリエチレンテレフタ
レート(PET)を用い,易溶出成分αとしてスルホン
酸金属塩を2.5モル%以上共重合したPETや,スル
ホン酸金属塩と比較的高分子量のポリアルキレングリコ
ールを所定量共重合したPET等を使用するのが好まし
い。
【0028】上記の製法例では,複合繊維をあらかじめ
溶剤で処理して図1に示したような異形断面繊維で構成
された単糸群Aとした後,他の単糸群Bと流体攪乱処理
して本発明の特殊交絡糸としたが,溶剤で処理する前の
複合繊維群と他の単糸群Bとを流体攪乱処理して交絡糸
とし,次いで,製編織した後,布帛の状態で溶剤で処理
して図1に示したような異形断面繊維で構成された単糸
群Aとしてもよい。
溶剤で処理して図1に示したような異形断面繊維で構成
された単糸群Aとした後,他の単糸群Bと流体攪乱処理
して本発明の特殊交絡糸としたが,溶剤で処理する前の
複合繊維群と他の単糸群Bとを流体攪乱処理して交絡糸
とし,次いで,製編織した後,布帛の状態で溶剤で処理
して図1に示したような異形断面繊維で構成された単糸
群Aとしてもよい。
【0029】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお,実施例における各評価は次の方法で行った。 (1) 相対粘度 フェノールと四塩化エタンの等重量混合溶媒を用い,濃
度0.5g/dl,温度20℃で測定した。 (2) 突起部の寸法 糸条を筒編みし,NaOH濃度0.5%,処理温度95℃,
処理時間30分の条件でアルカリ減量して易溶出成分を完
全に除去した後,水洗乾燥した筒編地を解編し, 得られ
た糸条を構成する異形断面繊維を走査型電子顕微鏡で写
真に撮り, 写真上で測定した。 (3) 風合評価 織,編,染色技術者からなるパネラー10人を選定し,触
感での官能検査方法により,布帛について,毛羽感,ソ
フト感,ドライ感を中心にし,さらに軽量感,ドライ感
を加味して1人ずつ7段階で評価させ,さらに総合的な
シルキー感覚について3段階で評価させ, 本発明の目的
に近い風合の布帛ほど高得点とし,両者の得点の合計点
で評価した。 (最高点:100点) 布帛の合否基準としては,合計点が75点以上を目的とす
る風合と同等,あるいはそれ以上のものとした。なお,
実施例において,単糸群A用の繊維の繊度は,易溶出成
分を除去する前も,易溶出成分を除去した後の繊度で示
す。
る。なお,実施例における各評価は次の方法で行った。 (1) 相対粘度 フェノールと四塩化エタンの等重量混合溶媒を用い,濃
度0.5g/dl,温度20℃で測定した。 (2) 突起部の寸法 糸条を筒編みし,NaOH濃度0.5%,処理温度95℃,
処理時間30分の条件でアルカリ減量して易溶出成分を完
全に除去した後,水洗乾燥した筒編地を解編し, 得られ
た糸条を構成する異形断面繊維を走査型電子顕微鏡で写
真に撮り, 写真上で測定した。 (3) 風合評価 織,編,染色技術者からなるパネラー10人を選定し,触
感での官能検査方法により,布帛について,毛羽感,ソ
フト感,ドライ感を中心にし,さらに軽量感,ドライ感
を加味して1人ずつ7段階で評価させ,さらに総合的な
シルキー感覚について3段階で評価させ, 本発明の目的
に近い風合の布帛ほど高得点とし,両者の得点の合計点
で評価した。 (最高点:100点) 布帛の合否基準としては,合計点が75点以上を目的とす
る風合と同等,あるいはそれ以上のものとした。なお,
実施例において,単糸群A用の繊維の繊度は,易溶出成
分を除去する前も,易溶出成分を除去した後の繊度で示
す。
【0030】実施例1〜5,比較例1〜4
難溶出成分として相対粘度が1.38のPETを,易溶出成
分として5ーナトリウムスルホイソフタル酸を2.5モル
%と,平均分子量が7000のポリエチレングリコールを12
重量%共重合した,相対粘度が1.55のPETを用いた。
分として5ーナトリウムスルホイソフタル酸を2.5モル
%と,平均分子量が7000のポリエチレングリコールを12
重量%共重合した,相対粘度が1.55のPETを用いた。
【0031】単糸の断面形状が,図2に示すように繊維
の円周上に易溶出性成分が難溶出性成分をギア形状に複
数分割した芯鞘構造糸になるように設計した紡糸口金と
複合紡糸装置を用いて,易溶出成分をアルカリ水溶液等
の溶剤で除去した後の難溶出成分のみの延伸糸繊度が,
約80デニールとなるように紡糸時の吐出量を設定し,突
起部の数と幅及び高さを種々変更するために易溶出成分
の吐出量や紡糸の口金装置を変更して紡糸した。
の円周上に易溶出性成分が難溶出性成分をギア形状に複
数分割した芯鞘構造糸になるように設計した紡糸口金と
複合紡糸装置を用いて,易溶出成分をアルカリ水溶液等
の溶剤で除去した後の難溶出成分のみの延伸糸繊度が,
約80デニールとなるように紡糸時の吐出量を設定し,突
起部の数と幅及び高さを種々変更するために易溶出成分
の吐出量や紡糸の口金装置を変更して紡糸した。
【0032】引続いて延伸処理を施して,突起部の数,
幅,及び高さの異なる48フィラメントの延伸糸を得た。
得られた延伸糸を筒編みし,NaOH濃度0.5%,処理
温度95℃,処理時間30分の条件で処理して易溶出成分を
完全に除去した後, 突起部の幅と高さの測定を行ったと
ころ,表1,2に示すような突起部を有する異形断面繊
維であった。
幅,及び高さの異なる48フィラメントの延伸糸を得た。
得られた延伸糸を筒編みし,NaOH濃度0.5%,処理
温度95℃,処理時間30分の条件で処理して易溶出成分を
完全に除去した後, 突起部の幅と高さの測定を行ったと
ころ,表1,2に示すような突起部を有する異形断面繊
維であった。
【0033】次に,これらの延伸糸(溶出処理前)と三
角断面形状で75d/48f のPETフィラメント糸を使用し
て,図5に示す工程に従い,糸速250m/min,オーバーフ
イード率20%,空気圧力6Kg/cm2 で流体攪乱処理を行
い,繊維の突起部数,幅及び高さの異なるループとたる
みを有した交絡糸を得た。
角断面形状で75d/48f のPETフィラメント糸を使用し
て,図5に示す工程に従い,糸速250m/min,オーバーフ
イード率20%,空気圧力6Kg/cm2 で流体攪乱処理を行
い,繊維の突起部数,幅及び高さの異なるループとたる
みを有した交絡糸を得た。
【0034】得られた交絡糸を経糸と緯糸に用い,経糸
密度85本/2.54cm, 緯糸密度72本/2.54cmで平織に製織
し,得られた織物をNaOH濃度4%,処理温度95℃,
処理時間40分の条件で布帛全体の略32%のアルカリ減量
と染色等の一連の後加工を施した。得られた織物の風合
をパネラーに評価させ,表1,2に示す結果を得た。
密度85本/2.54cm, 緯糸密度72本/2.54cmで平織に製織
し,得られた織物をNaOH濃度4%,処理温度95℃,
処理時間40分の条件で布帛全体の略32%のアルカリ減量
と染色等の一連の後加工を施した。得られた織物の風合
をパネラーに評価させ,表1,2に示す結果を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1,2から明らかなように,実施例1,
2に示した突起部の数が18の異形断面繊維を含有する特
殊交絡糸を用いた布帛は,突起部の幅と高さを本発明の
範囲内で変更しても評価点はほぼ同等で良好な風合が得
られた。また,実施例3〜5では,突起部の数を順次増
加させたが,本発明で規定した範囲内であれば, 高い得
点の風合評価を得ることができた。
2に示した突起部の数が18の異形断面繊維を含有する特
殊交絡糸を用いた布帛は,突起部の幅と高さを本発明の
範囲内で変更しても評価点はほぼ同等で良好な風合が得
られた。また,実施例3〜5では,突起部の数を順次増
加させたが,本発明で規定した範囲内であれば, 高い得
点の風合評価を得ることができた。
【0038】一方,交絡糸を構成する異形断面繊維の突
起部の数が本発明より少ない比較例1や,多い比較例4
の布帛は, 突起部の幅と高さが本発明を満足しているに
もかかわらずガサツキやヌメリが強調されて評価点の低
いもので,目的とするシルキー風合は得られなかった。
また,比較例2と3は,突起部の高さが3.0Wを超えた
ものと,幅が1.0μm を超えた異形断面繊維を含有する
ものであるが,得られた布帛は,目的とする風合が得ら
れなかった。
起部の数が本発明より少ない比較例1や,多い比較例4
の布帛は, 突起部の幅と高さが本発明を満足しているに
もかかわらずガサツキやヌメリが強調されて評価点の低
いもので,目的とするシルキー風合は得られなかった。
また,比較例2と3は,突起部の高さが3.0Wを超えた
ものと,幅が1.0μm を超えた異形断面繊維を含有する
ものであるが,得られた布帛は,目的とする風合が得ら
れなかった。
【0039】実施例6
単糸群A用として,実施例1と同じポリマーと紡糸装置
を用い,突起部の数が20個になるようにした48孔の紡糸
口金装置を用いて,難溶出成分と易溶出成分が重量比率
で80/20の複合比率となるように紡糸した。次いで,延
伸工程で48マルチフィラメントの内,24フィラメントを
185℃の熱板に接触させて熱処理して沸水収縮率が5.5
%の低収縮率単糸群,残りの24フィラメントは熱処理を
施さずに沸水収縮率が16.8%の高収縮率単糸群とし,こ
れらの単糸群からなる異収縮混繊糸を得た。
を用い,突起部の数が20個になるようにした48孔の紡糸
口金装置を用いて,難溶出成分と易溶出成分が重量比率
で80/20の複合比率となるように紡糸した。次いで,延
伸工程で48マルチフィラメントの内,24フィラメントを
185℃の熱板に接触させて熱処理して沸水収縮率が5.5
%の低収縮率単糸群,残りの24フィラメントは熱処理を
施さずに沸水収縮率が16.8%の高収縮率単糸群とし,こ
れらの単糸群からなる異収縮混繊糸を得た。
【0040】上記で得られた突起部の数が20個で,100d
/48fの異収縮混繊糸を筒編し,次いで,NaOH濃度0.
5%,処理温度95℃,処理時間30分の条件で22%アルカ
リ減量して易溶解成分を完全に除去し,突起部の幅が0.
7μm で高さが2.0Wの延伸糸を得た。
/48fの異収縮混繊糸を筒編し,次いで,NaOH濃度0.
5%,処理温度95℃,処理時間30分の条件で22%アルカ
リ減量して易溶解成分を完全に除去し,突起部の幅が0.
7μm で高さが2.0Wの延伸糸を得た。
【0041】一方,単糸群Bとして,延伸工程で収縮率
差を付与した沸水収縮率が5.5%の低収縮率単糸群と,
沸水収縮率が16.8%の高収縮率単糸群とで構成された75
d/48fのPET異収縮混繊糸を得た。
差を付与した沸水収縮率が5.5%の低収縮率単糸群と,
沸水収縮率が16.8%の高収縮率単糸群とで構成された75
d/48fのPET異収縮混繊糸を得た。
【0042】上記で得られた単糸群A用の糸条(アルカ
リ処理前)と単糸群Bとを供給糸とし,流体攪乱処理を
施してループとたるみを有する交絡糸を得た。得られた
交絡糸を用い,実施例1と同様の平織に製織し,得られ
た織物をNaOH濃度4%,処理温度95℃,処理時間40
分の条件で布帛全体の略36%をアルカリ減量した。
リ処理前)と単糸群Bとを供給糸とし,流体攪乱処理を
施してループとたるみを有する交絡糸を得た。得られた
交絡糸を用い,実施例1と同様の平織に製織し,得られ
た織物をNaOH濃度4%,処理温度95℃,処理時間40
分の条件で布帛全体の略36%をアルカリ減量した。
【0043】染色等の一連の後加工を施した後,得られ
た織物について,パネラーに風合の評価をさせた。その
結果,異収縮混繊糸の効果によってさらに嵩高性が増し
ており,軽くて毛羽感のあるソフトな風合が得られ,パ
ネラーの総合評価は89点と良好であった。
た織物について,パネラーに風合の評価をさせた。その
結果,異収縮混繊糸の効果によってさらに嵩高性が増し
ており,軽くて毛羽感のあるソフトな風合が得られ,パ
ネラーの総合評価は89点と良好であった。
【0044】実施例7
単糸群A用として実施例6と同様の突起部の数が20個の
異収縮混繊糸を用い,単糸群Bとして,PETで構成さ
れた48フィラメントの内,単糸繊度が2.5〜5.4 デニー
ルの範囲に分布している図5に示すような断面形状が実
質的に直線上の偏平幹部と,突起部とを持つ非回転対称
形状をした特殊異形断面糸を糸全体の32重量%含有した
異繊度で,かつ,48マルチフィラメントの内,24フィラ
メントが沸水収縮率5.5%の低収縮率単糸群,残りの24
フィラメントが沸水収縮率が23.9%の高収縮率単糸群で
ある異収縮混繊糸88d/48f を用いた。
異収縮混繊糸を用い,単糸群Bとして,PETで構成さ
れた48フィラメントの内,単糸繊度が2.5〜5.4 デニー
ルの範囲に分布している図5に示すような断面形状が実
質的に直線上の偏平幹部と,突起部とを持つ非回転対称
形状をした特殊異形断面糸を糸全体の32重量%含有した
異繊度で,かつ,48マルチフィラメントの内,24フィラ
メントが沸水収縮率5.5%の低収縮率単糸群,残りの24
フィラメントが沸水収縮率が23.9%の高収縮率単糸群で
ある異収縮混繊糸88d/48f を用いた。
【0045】これら2種の延伸糸を実施例1と同様にし
て流体攪乱処理し,交絡糸を得た。得られた交絡糸を経
糸と緯糸に用い,経糸密度71本/2.54cm, 緯糸密度66本
/2.54cmで平織に製織し,得られた織物をNaOH濃度
4%,処理温度95℃,処理時間43分の条件で布帛全体の
略38%のアルカリ減量と染色等の一連の後加工を施し
た。
て流体攪乱処理し,交絡糸を得た。得られた交絡糸を経
糸と緯糸に用い,経糸密度71本/2.54cm, 緯糸密度66本
/2.54cmで平織に製織し,得られた織物をNaOH濃度
4%,処理温度95℃,処理時間43分の条件で布帛全体の
略38%のアルカリ減量と染色等の一連の後加工を施し
た。
【0046】得られた織物は,異収縮混繊糸の効果と,
特殊異形断面糸の存在による圧縮流体の旋回による単糸
同士の最密充填が抑制される効果の相乗作用によって,
布帛の内部に空隙部を多く取り入れることができた。ま
た,特殊断面糸に起因するドライ感がさらに強調され,
軽くて毛羽感のあるソフトな風合とドライ感が混然一体
となった布帛が得られ,パネラーの総合評価は96点と極
めて良好であった。
特殊異形断面糸の存在による圧縮流体の旋回による単糸
同士の最密充填が抑制される効果の相乗作用によって,
布帛の内部に空隙部を多く取り入れることができた。ま
た,特殊断面糸に起因するドライ感がさらに強調され,
軽くて毛羽感のあるソフトな風合とドライ感が混然一体
となった布帛が得られ,パネラーの総合評価は96点と極
めて良好であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の特殊交絡糸は,繊維の外周部に
特定の突起部と細溝を交互に形成した異形断面繊維を含
有するので,製編織すれば,毛羽感のあるソフトな風合
とドライ感に富んだ風合を有する布帛を得ることが可能
であり,また,突起部の存在によって繊維間の摩擦力が
高まり,このため,布帛の有する欠点の一つである目ず
れの防止に大きい効果を奏することができる。
特定の突起部と細溝を交互に形成した異形断面繊維を含
有するので,製編織すれば,毛羽感のあるソフトな風合
とドライ感に富んだ風合を有する布帛を得ることが可能
であり,また,突起部の存在によって繊維間の摩擦力が
高まり,このため,布帛の有する欠点の一つである目ず
れの防止に大きい効果を奏することができる。
【図1】本発明の特殊交絡糸の単糸群Aを構成する異形
断面繊維の一実施態様を示す横断面模式図である。
断面繊維の一実施態様を示す横断面模式図である。
【図2】上記の異形断面繊維を得るための, アルカリ減
量処理前の繊維の一実施態様を示す横断面模式図であ
る。
量処理前の繊維の一実施態様を示す横断面模式図であ
る。
【図3】図1の部分拡大模式図である。
【図4】本発明の特殊交絡糸の単糸群Bを構成する偏平
幹部と,突起部とを有する特殊異形断面糸の横断面模式
図である。
幹部と,突起部とを有する特殊異形断面糸の横断面模式
図である。
【図5】本発明の特殊交絡糸の製法例を示す概略工程図
である。
である。
1 繊維
2 突起部
3 細溝部
α 易溶出成分
β 難溶出成分
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
D02G 1/00 - 3/48
D02J 1/00 - 13/00
Claims (3)
- 【請求項1】 繊維表面に突起部と細溝を交互に, 略一
様に分布させた異形断面繊維で構成された単糸群Aと他
の単糸群Bが混繊されたループやたるみを有する交絡糸
であって,単糸群Aは前記交絡糸の30〜70重量%を占
め, かつ,前記異形断面繊維は突起部と細溝の断面が長
方形ないし略台形状を呈し,突起部の数と寸法が下記
〜式を満足することを特徴とする特殊交絡糸。 15≦N≦35 ──── 0.3≦W≦1 ──── 1.5W≦H≦3W ──── ただし,Nは突起部の数,Wは突起部の幅(μm),Hは
突起部の高さ(μm)である。 - 【請求項2】 単糸群Aと単糸群Bのいずれもが沸水収
縮率差5%以上の異収縮混繊糸である請求項1記載の特
殊交絡糸。 - 【請求項3】 単糸群Bを構成する単糸の25重量%以上
が,繊度2.5デニール以上で,断面形状が実質的に直線
上の偏平幹部と,突起部とを持つ非回転対称形状を呈し
た異形断面糸である請求項1又は請求項2記載の特殊交
絡糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26965893A JP3441122B2 (ja) | 1993-10-01 | 1993-10-01 | 特殊交絡糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26965893A JP3441122B2 (ja) | 1993-10-01 | 1993-10-01 | 特殊交絡糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07102438A JPH07102438A (ja) | 1995-04-18 |
JP3441122B2 true JP3441122B2 (ja) | 2003-08-25 |
Family
ID=17475419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26965893A Expired - Fee Related JP3441122B2 (ja) | 1993-10-01 | 1993-10-01 | 特殊交絡糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3441122B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10745829B2 (en) | 2015-02-13 | 2020-08-18 | Toray Industries, Inc. | Core-sheath conjugated fiber, slit fiber, and method of manufacturing such fibers |
-
1993
- 1993-10-01 JP JP26965893A patent/JP3441122B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07102438A (ja) | 1995-04-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |