JP3441103B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3441103B2 JP06842293A JP6842293A JP3441103B2 JP 3441103 B2 JP3441103 B2 JP 3441103B2 JP 06842293 A JP06842293 A JP 06842293A JP 6842293 A JP6842293 A JP 6842293A JP 3441103 B2 JP3441103 B2 JP 3441103B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン−ビニルアル
コール共重合体とポリアミド樹脂とさらに第三成分の混
合物からなる樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−ビニルアルコール共重合体
(EVOH)は、溶融成形性、ガスバリヤー性、保香
性、耐油・耐溶剤性、帯電防止性に優れ、又ポリアミド
樹脂は熱耐衝撃性、柔軟性、に優れることから、従来よ
り両者を混合した組成物からなる成形物は食品包装用、
医薬用、農業用のフイルム、シート、ボトルとしての利
用が提案されてきた。
【0003】しかしながらよく知られているように、E
VOH、ポリアミド樹脂ともに熱安定性が悪く長時間成
形を続けるとゲル発生の問題があるが、EVOHとポリ
アミド樹脂との混合物では更にこれが加速されて、成形
開始数時間後からゲルの発生を見ることがある。更にE
VOHとポリアミド樹脂との混合物をポリオレフィン系
樹脂とを組み合わせてインフレーション法で共押出製膜
するときには、ブローアップレシオ(=製品フイルム直
径/ダイ直径)を大きくとることができず、採取フイル
ムの膜幅が狭い範囲に限定される問題を有しており、改
善が要望されている。
【0004】熱安定性の改良法としては、ポリアミドの
末端のカルボキシル基とアミノ基の比率をカルボキシル
基過多にする提案が為されているが、ポリアミドの生産
においてカルボキシル基の比率を十分に高めることが困
難で、必要な熱安定性改善効果を得るまでに至っていな
い。熱安定性の改良法の別法としては、EVOHとポリ
アミド樹脂との混合物に芳香族酸アミド、芳香族酸エス
テルまたはポリオレフィン系エラストマーを混合する方
法も提案されているが、この方法は熱安定性の改善には
効果があるが、極長時間の連続運転性については不十分
である。一方、ブローアップレシオの改善技術について
は全く知られていない。
【0005】さらに、特開昭60−161453号には
EVOHにポリアミド、ポリエーテルブロック共重合体
を配合することによりゲルの発生なく、ロングラン性が
改善されることが記載されているが、この組成物では、
後述する比較例3からも明らかなように耐高温湿熱性に
劣っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにEVOH
とポリアミド樹脂との混合についての従来の技術は熱安
定性の解決が十分でなく、また、ポリオレフィン樹脂と
組み合わせた共押出製膜時のブローアップレシオが小さ
く、これらの問題の解決が望まれていた。また、併せて
耐高温湿熱性の改善も望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題点
の解決をすべく、EVOHとポリアミド樹脂との混合に
ついて鋭意検討の結果、EVOHとポリアミド樹脂にさ
らに特定の第三成分を混合することにより問題点を解決
できることを見出し本発明を完成するに至った。すなわ
ち本発明は、(A)EVOH、(B)ポリアミド樹脂お
よび(C)ポリエステル−ポリエーテル共重合体および
ポリアミド−ポリエステル−ポリエーテル共重合体から
なる群より選ばれる少なくとも1種の共重合体からなる
樹脂組成物である。
【0008】本発明に用いるEVOHはエチレン含有率
20〜70モル%、けん化度95モル%以上が好適であ
る。エチレン含有率が20モル%未満では高湿時のガス
バリヤー性が低下し、70モル%を越えるとやはりガス
バリヤー性の低下が起こる。またけん化度が95モル%
未満でもガスバリヤー性が低下する。本発明のポリアミ
ド樹脂としてはナイロン6、ナイロン10、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6・6、ナイロン6・9、
ナイロン6・10、ナイロン6・11、ナイロン6・1
2、ナイロン6/6・6、ナイロン12・12等から選
ばれた一種または二種以上の混合物が使用できる。
【0009】本発明におけるEVOHとポリアミド樹脂
の混合比率は重量比で90/5〜10/90が好適で、
より好適には90/10〜30/70である。EVOH
の混合比率が10%未満ではガス遮断性が不足する。一
方ナイロン樹脂の混合比率が5%未満では耐高温湿熱
性、耐衝撃性、柔軟性が不足する。
【0010】本発明において第三成分としてポリエステ
ル−ポリエーテル共重合体およびポリアミド−ポリエス
テル−ポリエーテル共重合体からなる群より選ばれる
なくとも1種の共重合体を混合使用することは重要で、
これらの第三成分の混合により、はじめてEVOHとポ
リアミド樹脂の混合物の熱安定性不良およびポリオレフ
ィン樹脂との共押出時のブローアップレシオの増大が可
能となる。
【0011】本発明において使用するポリエステル−ポ
リエーテル共重合体とはポリエーテル・ジオールブロッ
クとジカルボン酸型ポリエステルブロックとを縮合させ
たものであり、また、ポリアミド−ポリエステル−ポリ
エーテル共重合体とはポリエーテル・ジオールブロック
とジカルボン酸型ポリアミドブロックとジカルボン酸型
ポリエステルブロックまたはジオール型ポリエステルブ
ロックを共縮合させたものである。
【0012】上記のポリエステル−ポリエーテル共重合
体およびポリアミド−ポリエステル−ポリエーテル共重
合体におけるポリアミドブロックとしてはナイロン6、
ナイロン6・6、ナイロン6/6・6、ナイロン6・
9、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン1
1、ナイロン12などが、ポリエステルブロックとして
は各種脂肪族ポリエステル類および芳香族ポリエステル
類が、そして、ポリエーテルブロックとしてはポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの
ポリアルキレングリコールが好適に使用される。これら
の共重合体中に占めるポリエーテルブロックの含有量は
5〜95モル%が好ましく、さらに好適には20〜80
モル%である。
【0013】本発明における(A)EVOHと(B)ポ
リアミド樹脂の合計重量に対する(C)第三成分の重量
比は{(A)+(B)}/(C)=100/5〜100
/70が好適で、より好適には100/10〜100/
50である。第三成分の重量比が5/100未満では、
熱安定性およびブローアップレシオの改善が不十分であ
り、また重量比が70/100を越すとバリヤー性ある
いは強度が不十分になる。これらの第三成分の混合がE
VOHとポリアミド樹脂の混合物の熱安定性とブローア
ップレシオを向上させることができ、さらに耐高温湿熱
性をも付与することができることは驚くべきことであ
る。本発明によればブローアップレシオ1.8以上、さ
らには2以上にすることができる。
【0014】本発明の樹脂組成物を溶融成形する方法と
しては、押出インフレ製膜、押出キャスト製膜、Tダイ
シート成形、チューブ成形、圧縮成形、射出成形、トラ
ンスファー成形など、の方法が使用できる。(A)EV
OHと(B)ポリアミド樹脂と(C)第三成分の混合に
ついては、成形に先立って3成分が混合されるかぎりど
のような方法でも採用できるが、(A)+(B)+
(C)を溶融混合ペレット化した後成形するか、(A)
+(C)の溶融混合ペレットと(B)のペレットを混合
した後成形するか、あるいは(B)+(C)の溶融混合
ペレットと(A)のペレットを混合したのち成形するこ
とが好ましい。
【0015】成形温度は180〜280℃が良好で、好
適には200〜260℃である。本発明の組成物に必要
に応じて、ガスバリヤー性あるいは強度を阻害しない範
囲で、カルボン酸変性ポリオレフィン、酢酸ビニル含有
量3〜40重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)、EVA鹸化物などを加えてもよい。本発明の樹脂
組成物からなる成形物はカスバリヤー性、柔軟性、耐高
温湿熱性、耐衝撃性、保温性に優れており、シート、フ
イルム、チューブ、ボトル、容器、各種成形品として、
単独あるいは他樹脂との複層で、食品、薬品、工業用品
などの分野で使用できる。また、本発明の樹脂組成物は
ポリオレフィン樹脂との共押出インフレフイルム製膜に
おいて、ブローアップレシオが増大するので、農業用フ
イルムなどの広幅フイルムの製造に好適に使用できる。
【0016】
【実施例】次に例をあげて本発明の樹脂組成物を更に説
明する。実施例1 エチレン含有率48モル%、けん化度99.6モル%の
EVOH20重量部、12−ナイロン80重量部および
ポリエーテル成分60モル%の芳香族ポリエステル−ポ
リエチレングリコール共重合体30重量部からなる溶融
混合ペレットを用いて、押出機(スクリュー直径=25
mmφ、スクリュー長さ/スクリュー直径=25)、T
ダイ、引取機からなるフイルム成形機を用いて、押出温
度230℃で、厚み30μmのフイルムを連続製膜し
た。連続製膜7日後もゲル発生はなく順調に製膜でき
た。
【0017】比較例1 エチレン含有率32モル%、けん化度99.6モル%の
EVOH70重量部と6−ナイロン30重量部とからな
る溶融混合ペレットを実施例1と同じフイルム成形機
で、押出温度260℃で、厚み30μmのフイルムを連
続製膜した。連続運転17時間後にゲル発生が認めら
れ、以後ゲル発生が断続的に続いた。
【0018】比較例2 スクリュー直径が40mmの3台の押出機、ダイリップ
直径15cmの3種5層用円形ダイ、および引取機から
なるインフレーション法製膜装置を用いて、外層および
内層にLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を、中
央層に比較例1と同じ溶融混合ペレットを、そして、外
層と中央層の中間層および内層と中央層の両中間層にE
VA系接着性樹脂を使用して、ダイ温度260℃で、外
層30μm、中間層10μm、中央層30μm、中間層
10μm、内層30μm、総厚み110μmのフイルム
を作成した。この構成において実質的に均一な厚み分布
を有するフイルムを採取できるブローアップレシオは
1.6であった。
【0019】比較例3 エチレン含有率32モル%、けん化度99.6モル%の
EVOH70重量部とポリエーテル成分60モル%の6
ナイロン−ポリエチレングリコール共重合体20重量部
とからなる溶融混合ペレットを用いて、実施例1と同様
に厚み30μmのフイルムを作成した。得られたフイル
ムを100℃の熱水に浸漬したところ、フイルムの形態
は全く消失し、溶融物状になった。
【0020】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を用いれば、ガスバ
リヤー性、耐衝撃性、耐高温湿熱性、保温性、柔軟性に
優れたシート、フイルム、チューブ、ボトル、容器、各
種成形品の提供が可能となる。また、本発明の樹脂組成
物はポリオレフィン樹脂との共押出インフレフイルム製
膜において、ブローアップレシオが増大するので、農業
用フイルムなどの広幅フイルムの製造に好適に使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29L 7:00 B29L 7:00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン−ビニルアルコール共重
    合体、(B)ポリアミド樹脂および(C)ポリエステル
    −ポリエーテル共重合体およびポリアミド−ポリエステ
    ル−ポリエーテル共重合体からなる群より選ばれる少な
    くとも1種の共重合体からなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(A)と前記(B)の重量比(A)
    /(B)が90/5〜10/90であり、かつ(A)と
    (B)の合計重量に対する前記(C)の重量比{(A)
    +(B)}/(C)が100/5〜100/70である
    請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の樹脂組成物から
    なるフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の樹脂組成物を成
    形温度180〜280℃で成形して得られる成形品の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の樹脂組成物を成
    形温度180〜280℃でインフレーション法にて製膜
    する、フィルムの製造方法。
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