JP3439580B2 - シリコン酸化膜の形成方法および形成装置 - Google Patents

シリコン酸化膜の形成方法および形成装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法に係り、特に、熱酸化処理を用いてシリコン基板の
表面にシリコン酸化膜を形成するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MOS(金属−酸化膜−半導体構造)ト
ランジスタ等の半導体装置を構成するゲート酸化膜とし
ては、従来より、シリコン基板を熱酸化することで形成
したシリコン酸化膜(SiO2 )が用いられているが、
最近のMOS構造素子の微細化、高集積化に伴い、この
シリコン酸化膜の薄膜化が進行している。例えば、0.
35μmプロセス技術を用いた64MDRAMにおいて
は100Å、0.25μmプロセス技術を用いた256
MDRAMにおいては80Åという膜厚の酸化膜が用い
られる。さらに、高性能化を目指すCMOSロジック素
子においては、DRAMよりも一世代早い薄膜化が要求
され、0.25μmプロセス技術を用いたCMOSロジ
ック素子では実に60Åという薄膜が用いられる。この
ような極薄のシリコン酸化膜では、膜中に存在するある
種の欠陥(構造欠陥)の影響が無視できなくなるため、
従来の厚い酸化膜では見られなかった問題が発生し、素
子の信頼性を確保することが困難になっている。
【0003】以下、このようなシリコン酸化膜中の構造
欠陥について説明する。シリコン酸化膜はSi−O4
四面体構造(テトラヘドラ)の短距離秩序をもったアモ
ルファス構造を有する。構造欠陥とは、この短距離秩序
が破壊され四面体構造からずれたことを意味する。この
構造欠陥部では架橋酸素原子の化学結合が切断され、シ
リコンダングリングボンド、Si−Si結合、あるいは
Si−O−H結合等の不完全な結合が存在する。こうし
たダングリングボンド等は、電子のトラップサイトとな
り、特性の経時変化を引き起こして信頼性を低下させる
原因となっている。このような構造欠陥の生成原因は明
らかではないが、酸化前のシリコン酸化膜の表面の欠陥
や不純物等が初期酸化過程においてシリコン酸化膜中に
取り込まれる結果、シリコン酸化膜中の構造欠陥になる
と考えられている。
【0004】したがって、高品質のシリコン酸化膜を形
成するためには、酸化前の洗浄工程および初期酸化が極
めて重要になってくる。従来は、洗浄後のシリコン基板
をそのまま高温酸化性雰囲気中に曝すとシリコンの表面
が粗れて特性を劣化させるため、洗浄の最終工程におい
て溶液酸化を行って本酸化前のシリコン表面に保護酸化
膜を形成し、しかるのち熱酸化による本酸化を行うとい
う方法がとられていた。
【0005】しかしながら、溶液酸化による保護酸化膜
の結合状態は不安定であり、本酸化後もこのような構造
はシリコン酸化膜中に残存するため、シリコン酸化膜を
より薄膜化する場合には、特性への影響が無視できな
い。
【0006】このような問題を解決するため、以下のよ
うな保護酸化膜の改質方法が提案されている。 (1)特開平6−291112号公報に開示されている
ように、溶液酸化膜を非酸化性雰囲気中で熱処理して安
定な結合状態に改質した後に、通常の酸化性雰囲気中に
おいて酸化膜を形成する方法である。 (2)特開平6−244174号公報に開示されている
ように、オゾンを含有する純水中で結合状態が安定な保
護酸化膜を形成する方法である。 (3)特開平6−216117号公報に開示されている
ように、Fe(鉄)またはFeOX (酸化鉄)を含んだ
溶液中で保護酸化膜を形成することにより、シリコンの
水素化合物を含まない保護酸化膜を形成す方法である。 (4)特開平3−248426号公報に開示されている
ように、溶液酸化膜に紫外光またはエックス線を照射し
て溶液酸化膜の膜質を改善する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来提案
されている手法は、本酸化前に保護酸化膜の改質を行っ
たり、保護酸化膜の形成の際にできるだけ良質の膜を形
成しようとする手法である。しかしながら、これらの方
法には以下のような問題があった。すなわち、シリコン
酸化膜において、その電気的特性に影響を与える欠陥
は、キャリアのトラップサイトとなるSi−H結合やS
i−OH結合等の水素結合である。溶液酸化により形成
したシリコン酸化膜には、この種の欠陥が取り込まれや
すく、溶液酸化膜に上記の(1)〜(4)の手法による
処理を施したとしても、完全にこれらの欠陥をなくすこ
とは困難であった。また、溶液酸化では、その酸化過程
において、大気中からの炭化物等による汚染を完全にな
くすことは困難であった。このため、溶液酸化によって
形成したシリコン酸化膜を初期酸化膜として用いること
は好ましくない。
【0008】または保護酸化膜を熱処理する方法は、プ
ロセスの低温化を妨げるという点からも問題である。さ
らに、保護酸化膜の改質に紫外光やエックス線を利用す
る方法は、装置が大掛かりになる点、および紫外光やエ
ックス線の照射によりシリコン酸化膜中に放射損傷が発
生するという点で問題がある。このように、溶液酸化膜
を処理した後にこれをシリコン酸化膜の初期酸化層とし
て用いるという従来提案されている手法はいずれも不十
分なものであった。
【0009】そこで、本発明の目的は、構造欠陥の少な
い初期酸化膜の形成によって高品質のシリコン酸化膜の
形成を可能にするシリコン酸化膜の形成方法、およびそ
の方法を実現するためのシリコン酸化膜形成装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、シリコン基板を薬品により洗浄する洗浄工程の最終
工程において、酸化性の薬品によりシリコン基板の表面
を酸化する洗浄工程と、洗浄後のシリコン基板を圧力1
-9Torr以下の雰囲気において温度800ないし1
000°Cで熱処理する熱処理工程と、熱処理後のシリ
コン基板の表面に、圧力10-6ないし10-7Torrの
酸素プラズマ雰囲気において、酸化膜を形成する初期酸
化膜形成工程と、初期酸化膜形成後のシリコン基板上
に、通常の熱酸化法により酸化膜を形成する本酸化工程
とを行うことで前記目的を達成する。
【0011】この発明では、薬品による洗浄の最終工程
において、酸化性の薬品によるシリコン基板表面の酸化
処理を行って溶液酸化膜を形成することでシリコン基板
表面が安定化する。そして、この溶液酸化膜を次の熱処
理工程において除去してから、改めて初期酸化膜を形成
し、さらに本酸化工程を行うことにより、欠陥の少ない
シリコン酸化膜を形成する。
【0012】請求項2記載の発明では、シリコン基板を
薬品により洗浄する洗浄工程の最終工程において、洗浄
工程中にシリコン基板の表面に形成された自然酸化膜を
フッ酸水溶液により除去する洗浄工程と、洗浄後のシリ
コン基板を圧力10-9Torr以下の雰囲気において温
度700以上で熱処理する熱処理工程と、熱処理後のシ
リコン基板の表面に、圧力10-6ないし10-7Torr
の酸素プラズマ雰囲気において、酸化膜を形成する初期
酸化膜形成工程と、初期酸化膜形成後のシリコン基板上
に通常の熱酸化法により酸化膜を形成する本酸化工程と
を行うことで前記目的を達成する。
【0013】この発明では、薬品による洗浄の最終工程
において、洗浄工程中にシリコン基板の表面に形成され
た自然酸化膜をフッ酸水溶液により除去することで、S
i−H結合による表面終端層が形成されてシリコン基板
表面が安定化する。そして、この表面終端層を次の熱処
理工程において除去してから、改めて初期酸化膜を形成
し、さらに本酸化工程を行うことにより、欠陥の少ない
シリコン酸化膜を形成する。
【0014】請求項3記載の発明では、シリコン基板を
1000°Cまで加熱可能な加熱装置と酸素プラズマを
供給するための酸素プラズマ発生装置とを有する第1の
酸化膜形成炉と、大気圧下の酸素雰囲気でシリコン基板
の熱酸化を行うための第2の酸化膜形成炉と、前記第1
の酸化膜形成炉と前記第2の酸化膜形成炉との間に設け
られ、両炉間の雰囲気を切り離すことができる仕切り弁
と、前記第1の酸化膜形成炉と前記第2の酸化膜形成炉
との間でシリコン基板を搬送する搬送装置と、前記第1
の酸化膜形成炉、前記第2の酸化膜形成炉、仕切り弁お
よび搬送装置を内部に収容し、内部を10-9Torr以
下の高真空雰囲気に排気可能な金属性真空チャンバとを
具備させることで前記目的を達成する。
【0015】この発明では、第1の酸化膜形成炉では、
シリコン基板上に形成された溶液酸化膜または表面終端
層の除去と初期酸化膜の形成とが行われ、第2の酸化膜
形成炉では、本酸化処理が行われて欠陥の少ないシリコ
ン酸化膜が形成される。
【0016】
【実施の形態】以下、図1ないし図3を参照して、本発
明の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発
明の一実施の形態に係るシリコン酸化膜の形成方法を表
す図である。この方法では、まず、シリコン基板101
(図1(a))に対し、通常行われているような酸化性
の薬品による洗浄を行う。例えば、酸化アンモニウムと
過酸化水素水と純水との混合溶液による洗浄、塩酸と過
酸化水素水と純水との混合溶液による洗浄、フッ酸によ
る酸化膜除去という一連の薬品洗浄を行った後、シリコ
ン基板101を過酸化水素水に浸漬する。この洗浄工程
により、同図(b)に示すように、シリコン基板101
の表面には、溶液酸化膜102が形成される。この溶液
酸化膜102は、シリコン基板101の表面状態を安定
化させるために形成するものであり、これがそのまま初
期酸化膜として用いられるのではなく、次の工程で除去
されるべきものである。
【0017】次に、同図(c)に示すように、表面に溶
液酸化膜102が形成されたシリコン基板101を、圧
力10-9Torr以下の高真空雰囲気において800な
いし1000°Cという温度条件下(望ましくは100
0°C)で熱処理することにより、溶液酸化膜102を
除去する。この溶液酸化膜102の除去は、溶液酸化膜
102がSiOとなって気相中に脱離することによって
行われる。続いて、圧力10-9Torr以下の高真空雰
囲気に維持したまま温度を下げ、その後温度を一定に保
つ。このときの一定温度は、300°C以下とするのが
好適である。そして、この状態で、シリコン基板101
を酸素プラズマに曝す。これにより、同図(d)に示す
ように、シリコン基板101の表面に初期酸化膜103
が形成される。次に、表面に初期酸化膜103が形成さ
れたシリコン基板101を大気圧の酸素雰囲気下におい
てRTA処理をし、本酸化を行う。これにより、同図
(e)に示すように、シリコン酸化膜104が形成され
る。
【0018】図2は、本発明の他の実施の形態に係るシ
リコン酸化膜の形成方法を表す図である。この方法で
は、まず、シリコン基板201(図2(a))に対し、
例えば、酸化アンモニウムと過酸化水素水と純水との混
合溶液による洗浄、塩酸と過酸化水素水と純水との混合
溶液による洗浄のような、通常行われている一連の酸化
性の薬品による洗浄を行う。
【0019】次に、フッ酸による酸化膜除去を行う。但
し、純水によるリンスは行わず、そのまま乾燥させる。
この洗浄工程により、シリコン基板201の表面には、
同図(b)に示すようなSi−H結合による表面終端層
202が形成される。この表面終端層202は、シリコ
ン基板201の表面状態を安定化させるために形成する
ものであり、これがそのまま初期酸化膜として用いられ
るのではなく、次の工程で除去されるべきものである。
【0020】次に、同図(c)に示すように、Si−H
結合による表面終端層202が形成されたシリコン基板
201を、圧力10-9Torr以下の高真空雰囲気にお
いて700°C以上という温度条件下で熱処理すること
により、表面終端層202を除去する。この表面終端層
202の除去は、Si−H結合による表面終端層202
の水素原子が気相中に脱離することにより行われる。な
お、熱処理温度をより高温にすると、より短時間で表面
終端層202を除去できるが、700°Cでも表面終端
層202の除去は可能である。
【0021】そして、圧力10-9Torr以下の高真空
雰囲気に維持したまま温度を下げ、その後温度を一定に
保つ。このときの一定温度は、300°C以下とするの
が好適である。そして、この状態で、シリコン基板20
1を酸素プラズマに曝す。これにより、同図(d)に示
すように、シリコン基板201の表面に初期酸化膜20
3が形成される。続いて、表面に初期酸化膜203が形
成されたシリコン基板201を大気圧の酸素雰囲気下に
おいてRTA処理をし、本酸化を行う。これにより、同
図(e)に示すように、シリコン酸化膜204が形成さ
れる。このように、本実施の形態では、シリコン基板表
面の安定化のための終端物質(表面終端層202)の除
去を図1の場合よりも低い温度での熱処理によって行う
ことが可能である。
【0022】次に、図3を参照して本発明の一実施の形
態に係るシリコン酸化膜形成装置について説明する。こ
の図に示すように、この装置は、熱処理工程および初期
酸化膜形成工程を行うための第1の炉301と、本酸化
工程を行うための第2の炉302と、シリコン基板31
1(312)を大気に曝すことなく第1の炉301から
第2の炉302へと搬送するための搬送装置303と、
第1の炉301と第2の炉302との間に設けられ、両
炉間の雰囲気を切り離すことができる仕切り弁304と
を備えている。
【0023】第1の炉301は、熱処理工程を行うため
に圧力10-9Torr以下の高真空雰囲気を保持可能な
金属性の真空チャンバ305と、真空チャンバ305の
内部を10-9Torr以下の高真空に排気可能な高真空
ポンプ306と、シリコン基板311を1000°Cま
で加熱することができる加熱装置307と、初期酸化工
程に用いられる酸素プラズマ発生装置308とを備えて
いる。酸素プラズマ発生装置308は、酸素ガスの導入
路中においてコイルへの高周波電力の印加等により酸素
ガスの放電を発生させ、酸素プラズマを供給する装置で
ある。一方、第2の炉302は、酸素ガス供給系309
とランプアニール装置310とを備えたRTA炉として
構成されている。
【0024】以上のような構成のシリコン酸化膜形成装
置の動作を説明する。ここでは、図1に基づいて説明し
た方法でシリコン酸化膜を形成する場合について説明す
るが、図2の方法の場合も同様である。まず、上記した
ような酸化性の薬品による洗浄によって表面に溶液酸化
膜が形成されたシリコン基板301を、真空チャンバ3
05で構成される第1の炉301内に配置し、その内部
を高真空ポンプ306によって圧力10-9Torr以下
の高真空雰囲気に排気する。そして、加熱装置307に
よってシリコン基板311を800ないし1000°C
という温度条件下(望ましくは1000°C)で熱処理
する。これにより、シリコン基板311から溶液酸化膜
が除去される(図1(b),(c))。
【0025】次に、真空チャンバ305内を圧力10-9
Torr以下の高真空雰囲気に維持したまま温度を30
0°C以下に下げて一定温度を保ち、この状態で、酸素
プラズマ発生装置308によって真空チャンバ305内
に酸素プラズマを供給する。これにより、シリコン基板
301の表面に初期酸化膜が形成される(図1
(d))。
【0026】次に、真空チャンバ305内を大気圧に戻
して仕切り弁304を開き、搬送装置303によって第
1の炉301のシリコン基板311を第2の炉302に
搬送する。そして、仕切り弁304を閉じた後、酸素ガ
ス供給系309によって第2の炉302内に酸素を導入
して大気圧とし、ランプアニール装置310によってシ
リコン基板312を加熱するRTA処理を行い、本酸化
を行う。これにより、シリコン基板311上にシリコン
酸化膜が形成される(図1(e))。なお、第2の炉3
02は、RTA炉でなく通常の電気炉によって構成する
ことも可能である。
【0027】ところで、シリコン基板上の薄いシリコン
酸化膜は、X線光電分光法(XPS)のSi−2pスペ
クトルによってシリコン原子の結合状態を調べることで
評価されることが多い。このSi−2pスペクトルで
は、シリコン基板のSiからのピークとシリコン酸化膜
中のSiからのピークという2つのピークが観測され
る。これらの2つのピークの位置が異なっているのは、
シリコン基板中とシリコン酸化膜中とでは、Siの結合
状態が異なっているためである。この場合の両ピーク間
のシフト量は、シリコン酸化膜中のシリコン原子が完全
にSiO2 になっている状態において約4〜4.3eV
であるといわれている。
【0028】しかしながら、実際には、シリコン酸化膜
中のシリコン原子は完全なSiO2にはなっておらず、
欠陥を有するため、XPSスペクトルは、シリコン基板
のSiからのピークとシリコン酸化膜中のSiからのピ
ークの間の領域にも強度をもっている。特に、シリコン
基板とシリコン酸化膜との界面付近となる初期酸化膜を
XPS計測した場合、通常シリコン基板のSiからのピ
ークが出現する位置にはピークが出現せず、通常シリコ
ン基板のSiからのピークとシリコン酸化膜中のSiか
らのピークの間の領域となる位置に、シリコン酸化膜中
のSiからのピークが出現する。このピークの位置によ
り、初期酸化膜の評価を行うことができる。すなわち、
初期酸化膜のSiからのピークが、完全なSiO2 膜中
のSiにより発生するピーク位置に近いほど、その初期
酸化膜は完全なSiO2 膜に近いことを示している。
【0029】そこで、上記した本実施の形態にかかる方
法(図1、図2)によってシリコン基板上に形成された
初期酸化膜を、このXPSによって分析したところ、こ
の初期酸化膜は従来法により形成された初期酸化膜より
も欠陥が少ないことが明らかとなった。すなわち、シリ
コン基板のSiからのピークとシリコン酸化膜中のSi
からのピークの間のシフト量として、3.7〜3.8e
Vという結果が得られた。
【0030】一方、従来の方法に従い、薬品洗浄の最終
工程において過酸化水素水により形成した初期酸化膜
を、同一膜厚という条件下で計測したところ、シリコン
基板のSiからのピークとシリコン酸化膜中のSiから
のピークの間のシフト量として、3.0eVという結果
が得られた。これは、本実施の形態によって得られる初
期酸化膜が従来方法による初期酸化膜よりも完全なSi
2 膜に近いことを示している。したがって、初期酸化
後における本酸化工程を行った後においても、シリコン
酸化膜中におけるシリコン原子の未結合手やSi−H結
合が少ない高品質のシリコン酸化膜が得られることにな
る。
【0031】
【発明の効果】本発明に係るシリコン酸化膜の形成方法
および形成装置によれば、薬品による洗浄の最終工程に
おいて、溶液酸化膜またはSi−H結合による表面終端
層を形成してシリコン基板表面を安定化させるととも
に、この溶液酸化膜または表面終端層を次の熱処理工程
において除去してから、改めて初期酸化膜を形成し、し
かるのち本酸化工程を行うようにしたので、従来提案さ
れている溶液酸化膜を処理して初期酸化膜とする方法等
に比べて、清浄かつ欠陥の少ない初期酸化膜を得ること
ができる。このため、その後の本酸化工程によって形成
されるシリコン酸化膜が従来よりも高品質のものにな
り、素子としての特性を向上させることができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシリコン酸化膜の
形成方法を表す工程図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係るシリコン酸化膜
の形成方法を表す工程図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るシリコン酸化膜形
成装置の構成を表す図である。
【符号の説明】
101,201,311 シリコン基板 102 溶液酸化膜 103,203 初期酸化膜 104,204 シリコン酸化膜 202 (Si−H結合による)表面終端層 301 第1の炉 302 第2の炉 303 搬送装置 304 仕切り弁 305 真空チャンバ 306 高真空ポンプ 307 加熱装置 308 酸素プラズマ発生装置 309 酸素ガス供給系 310 ランプアニール装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−343394(JP,A) 特開 平5−308070(JP,A) 特開 昭61−124140(JP,A) 特開 平7−147266(JP,A) 特開 平7−45606(JP,A) 特開 昭62−92329(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 H01L 21/316

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板を薬品により洗浄する洗浄
    工程の最終工程において、 酸化性の薬品によりシリコン基板の表面を酸化する洗浄
    工程と、 洗浄後のシリコン基板を圧力10-9Torr以下の雰囲
    気において温度800ないし1000°Cで熱処理する
    熱処理工程と、 熱処理後のシリコン基板の表面に、圧力10-6ないし1
    -7Torrの酸素プラズマ雰囲気において、酸化膜を
    形成する初期酸化膜形成工程と、 初期酸化膜形成後のシリコン基板上に、通常の熱酸化法
    により酸化膜を形成する本酸化工程とを行うことを特徴
    とするシリコン酸化膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 シリコン基板を薬品により洗浄する洗浄
    工程の最終工程において、 洗浄工程中にシリコン基板の表面に形成された自然酸化
    膜をフッ酸水溶液により除去する洗浄工程と、 洗浄後のシリコン基板を圧力10-9Torr以下の雰囲
    気において温度700以上で熱処理する熱処理工程と、 熱処理後のシリコン基板の表面に、圧力10-6ないし1
    -7Torrの酸素プラズマ雰囲気において、酸化膜を
    形成する初期酸化膜形成工程と、 初期酸化膜形成後のシリコン基板上に、通常の熱酸化法
    により酸化膜を形成する本酸化工程とを行うことを特徴
    とするシリコン酸化膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 シリコン基板を1000°Cまで加熱可
    能な加熱装置と酸素プラズマを供給するための酸素プラ
    ズマ発生装置とを有する第1の酸化膜形成炉と、 大気圧下の酸素雰囲気でシリコン基板の熱酸化を行うた
    めの第2の酸化膜形成炉と、 前記第1の酸化膜形成炉と前記第2の酸化膜形成炉との
    間に設けられ、両炉間の雰囲気を切り離すことができる
    仕切り弁と、 前記第1の酸化膜形成炉と前記第2の酸化膜形成炉との
    間でシリコン基板を搬送する搬送装置と、 前記第1の酸化膜形成炉、前記第2の酸化膜形成炉、仕
    切り弁および搬送装置を内部に収容し、内部を10-9
    orr以下の高真空雰囲気に排気可能な金属性真空チャ
    ンバとを備えたことを特徴とするシリコン酸化膜形成装
    置。
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