JP3438945B2 - Al合金薄膜 - Google Patents

Al合金薄膜

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JP3438945B2 JP10297894A JP10297894A JP3438945B2 JP 3438945 B2 JP3438945 B2 JP 3438945B2 JP 10297894 A JP10297894 A JP 10297894A JP 10297894 A JP10297894 A JP 10297894A JP 3438945 B2 JP3438945 B2 JP 3438945B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はAl合金薄膜アルミニウ
ム合金薄膜に関する。 【0002】 【従来の技術】液晶表示パネル:Liquid Cristal Displ
ay(以降 LCDという)は、従来のブラウン管に比べ、薄
型化・軽量化・低消費電力化がはかれ、しかも高い解像
度の画像が得られる可能性が大きいことから、近年、そ
の用途が拡大しつつある。かかるLCD として最近では、
更に画像品質を高めるために、 LCDのスイッチング素子
として半導体装置である薄膜トランジスター:Thin Fil
m Transister(以降 TFTという)を組み込んだ構造の L
CDが提案され、広く用いられている。 【0003】上記 TFTを搭載した LCD(以降 TFT-LCDと
いう)の配線材料はTFT 製造プロセス中に比較的高温下
(300〜400 ℃程度)にさらされるため、一般の半導体装
置の集積回路の電極・配線材料として多用されている純
AlやAl基合金を LCDの配線として用いると、これらは耐
熱性が不充分であることから、ヒロック(半球状の配線
のふくれ)やボイドといわれる配線表面上の微小凸凹が
生じる。従って、 LCDの配線材料にはTa, Mo, Cr, Ti等
の高融点金属が多用されている。しかし、近年LCDは大
型化・高精細化して、各 TFT素子を結ぶアドレス配線が
増長化し、それに伴って電気抵抗及び容量が増大してい
るため、薄膜状態で約50μΩcm以上(Taで約180 、Moで
約50、Crで約50、Tiで約80μΩcm)の高比抵抗を有する
上記の高融点金属ではアドレスパルスの遅延が起こり、
これらの材料の使用が難しくなってきている。 【0004】現在、かかるアドレスパルスの遅延を起こ
さないためには、 LCDの配線材料の比抵抗としては略30
μΩcm以下であることが望まれ、これを充たす金属種と
してはAu、Cu、Alが挙げられる。しかし、Auはシート状
配線膜の成膜後に所定パターン形状にするのに必要なエ
ッチングの特性が悪いと共に高価であり、Cuは膜の密着
性及び耐食性に問題があり、又、Alは前述の如くヒロッ
ク等を生じるので、いづれも配線材料としての実用が困
難とされている。 【0005】そこで、上記の問題点を解決し得る配線・
電極材料、即ち比抵抗:30μΩcm以下であると共に耐熱
性に優れてヒロック発生等を防止できる配線・電極材料
として、Al-Ta 2元系合金薄膜及びAl-Ti 2元系合金薄
膜が提案され、 LCDの配線材料に使用されるようになっ
てきた。しかし、今後、 LCDが更に大型化・高精細化さ
れた場合、これらの耐熱性低比抵抗材料を用いたとして
も、アドレスパルスの遅延が起こることが予想され、こ
れを解決するには更に10μΩcm以下の程度に低比抵抗化
する必要がある。従って、今後のLCD の大型化・高精細
化に対応するため、上記従来のLCD 用配線・電極材料
(Al-Ta 又はAl-Ti 2元系Al合金薄膜)と同等の優れた
耐熱性を有し、且つ比抵抗:10μΩcm以下であるLCD 用
の新規配線・電極材料(薄膜)の開発が望まれている現
状にある。 【0006】 【0007】 【0008】 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に着目してなされたものであって、その目的は従来のも
のがもつ以上のような問題点を解消し得る高機能の新規
Al合金薄膜、即ち、比抵抗:10μΩcm以下であると共
に、前記従来のLCD 用配線・電極材料(Al-Ta 又はAl-T
i 2元系Al合金薄膜)と同様に、耐熱性に優れてヒロッ
ク等が生じ難く、また、耐食性、膜の密着性およびエッ
チングの特性(所定パターン形状への加工性)に優れ
て、LCD 用配線・電極等として好適に使用し得るAl合金
薄膜提供しようとするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るAl合金薄膜は、請求項1記載のAl合
金薄膜としており、それは次のような構成としたもので
ある。即ち、請求項1記載のAl合金薄膜は、液晶表示パ
ネル等でのゲートバスライン或いはソースバスライン用
の薄膜配線、又は、アクティブマトリックス型液晶表示
パネル等のスイッチング素子部での配線或いは電極材料
として用いられるAl合金薄膜において、溶製Al合金スパ
ッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により
形成されたAl合金薄膜であって、合金成分としてIVa, V
a, VIa族の遷移元素のうちの1種又は2種以上を合計で
0.1〜5.0at%含有すると共にSi, Geのうちの1
種又は2種を合計で0.1〜5.0at%含有するAl合
金よりなり、電気抵抗値:10μΩcm以下であることを
特徴とする耐ヒロック性に優れたAl合金薄膜である。 【0011】 【0012】 【0013】 【0014】 【0015】 【0016】 【作用】本発明者等は、Alに種々の元素を添加したAl合
金スパッタリングターゲットを製作し、これらターゲッ
トを使用して、スパッタリング法により種々の組成のAl
合金薄膜を形成し、その組成、及び、耐熱性、耐ヒロッ
ク性、比抵抗、耐食性、密着性及びエッチング特性等の
諸特性を調べた。その結果、IVa, Va, VIa, VIIa族の遷
移元素(以降、IVa 〜VIIa族遷移元素という)、Si, Ge
(以降、Si等という)の添加が上記特性の向上に有効で
あり、これらの元素を添加したAl合金薄膜はLCD 用配線
・電極(LCD 等でのゲートバスライン或いはソースバス
ライン用の薄膜配線、又は、アクティブマトリックス型
LCD 等のスイッチング素子部での配線或いは電極)材料
等としての優れた特性を有することを見出した本発明
はかかる知見に基づき完成するに至ったものである。 【0017】即ち、AlにIVa 〜VIIa族遷移元素のうちの
1種又は2種以上を添加すると、その添加量の増大に伴
って耐熱性及び耐食性が向上するが、比抵抗が高くな
る。従って、この遷移元素含有Al合金では、耐熱性及び
耐食性等は充分であるものの、比抵抗:10μΩcm以下と
いう要件を充たし得ない。しかし、この遷移元素含有合
金に更にSi等を添加し、遷移元素及びSi等含有Al合金に
すると、比抵抗が低下し、耐熱性及び耐食性等の要件を
充たした状態で、比抵抗:10μΩcm以下という要件をも
充たし得ることがわかった。尚、かかる遷移元素及びSi
等の添加により、膜の密着性及びエッチング特性(所定
パターン形状への加工性)が特に低下することはなく、
前記従来のLCD 用配線・電極材料(Al-Ta 又はAl-Ti 2
元系Al合金薄膜)と同様に優れたものであることも確認
された。 【0018】 【0019】このとき、上記遷移元素及びSi等含有Al合
金におけるIVa 〜VIIa族遷移元素のうちの1種又は2種
以上の含有量は合計で0.1〜5.0at%、Si等(S
i, Ge)のうちの1種又は2種の含有量は合計で0.1
〜5.0at%にする必要がある。その理由は次の通り
である。IVa 〜VIIa族遷移元素量:0.1at%未満又
はSi等の量:0.1at%未満では、固溶元素量が少な
過ぎて耐熱性が不充分であり、加熱過程(熱処理)でヒ
ロック発生等の支障が生じ、IVa 〜VIIa族遷移元素量:
5.0at%超又はSi等の量:5.0at%超では、固
溶元素量が多過ぎて加熱過程(熱処理)で金属間化合物
の析出が起こっても、熱処理後の固溶元素の残留量が多
く、そのため比抵抗:10μΩcm以下という要件を充たし
得なくなるからである。 【0020】そこで、本発明に係るAl合金薄膜は、液晶
表示パネル等でのゲートバスライン或いはソースバスラ
イン用の薄膜配線、又は、アクティブマトリックス型液
晶表示パネル等のスイッチング素子部での配線或いは電
極材料として用いられるAl合金薄膜において、溶製Al合
金スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法
により形成されたAl合金薄膜であって、合金成分として
IVa, Va, VIa, VIIa族の遷移元素のうちの1種又は2種
以上を合計で0.1〜5.0at%含有すると共にSi等
(Si, Ge)のうちの1種又は2種を合計で0.1〜5.
0at%含有するAl合金よりなり、電気抵抗値:10μ
Ωcm以下であることを特徴とする耐ヒロック性に優れた
Al合金薄膜としており、従って、比抵抗:10μΩcm以
下であると共に、耐熱性に優れてヒロック等が生じ難
く、また、耐食性、膜の密着性及びエッチング特性(所
定パターン形状への加工性)に優れたものである。 【0021】このように本発明に係るAl合金薄膜は優れ
た特性を有するので、LCD 等でのゲートバスラインある
いはソースバスライン用薄膜配線、または、アクティブ
マトリックス型LCD 等のスイッチング素子部での配線あ
るいは電極材料として好適に用いることができる 【0022】前記本発明に係るAl合金薄膜はスパッタリ
ング法により形成されていることとしており、その理由
は下記の通りである。即ち、IVa 〜VIIa族遷移元素は平
衡状態ではAlに対する固溶限が極めて小さいが、スパッ
タリング法により形成されたAl合金薄膜では、スパッタ
リング法固有の気相急冷によって非平衡固溶が可能にな
ることから、その他の通常の薄膜形成法により形成され
るAl合金薄膜と比較して、より耐熱性及び耐食性を著し
く向上し得るからである。 【0023】 【0024】 【0025】上記Al合金薄膜の形成をスパッタリング法
により行う、そのスパッタリングターゲットとして
は、IVa 〜VIIa族遷移元素の1種又は2種以上とSi等
(Si, Ge)の1種又は2種以上とを含有するAl合金より
なるものを使用する。かかるAl合金製ターゲット(即
ち、溶製Al合金スパッタリングターゲット)は、複合タ
ーゲット等に比し、形成されるAl合金薄膜の組成が安定
し易く、又、酸素量を低くし得る等の利点を有している
からである。 【0026】 【0027】 【0028】 【0029】 【0030】 【0031】なお、IVa 族の元素はTi,Zr,Hf、Va族の
元素はV,Nb,Ta、 VIa族の元素はCr,Mo,W、VIIa族
の元素はMn,Tc,Reである。 【0032】 【実施例】(実施例1)Ta およびSiあるいはGeを所定量含有する溶製Al合金スパ
ッタリングターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッ
タリング法により、厚さ:0.5mmのガラス基板上に
厚さ:3000ÅのAl-Ta-Si3元系Al合金薄膜、Al-Ta-
Ge3元系Al合金薄膜を形成した。次いで、該薄膜をフォ
トリソグラフィ、ウェットエッチングにより幅100μ
m,長さ10mmのストライプパターン形状に加工した
後、所定温度(100, 200, 300, 400, 500 ℃)で1時間
加熱する真空熱処理を施した。 【0033】そして、上記薄膜について4端子(探針)
法により比抵抗値を室温にて測定した。その結果を真空
熱処理温度と比抵抗との関係にして図1に示す。Al-Ta-
Si3元系Al合金薄膜及びAl-Ta-Ge3元系Al合金薄膜の比
抵抗は、Al-Ta 2元系Al合金薄膜の比抵抗と比較して低
く、比抵抗が低下していることがわかる。Al-Ta-Si3元
系Al合金薄膜とAl-Ta-Ge3元系Al合金薄膜とを比較する
と、前者の方が比抵抗が低く、GeよりSiの方が比抵抗を
低下させる効果が大きいことがわかる。 【0034】(実施例2) 実施例1と同様の方法により同様のAl-Ta-Si3元系Al合
金薄膜を同様のガラス基板上に形成し、次いで同様の方
法により幅10μm のストライプパターン形状に加工した
後、同様の条件で真空熱処理をした。そして、耐熱性を
評価するため、上記熱処理の後、ストライプパターン表
面上に発生するヒロック(半球状の突起物)数を測定
し、ヒロック密度(単位面積当りのヒロック数)を求め
た。その結果を熱処理温度とヒロック密度との関係図に
して図2に示す。Al-Ta-Si3元系Al合金薄膜は、Al-Ta
2元系Al合金薄膜と比較して、ヒロック密度が小さく、
従って耐熱性に優れていることがわかる。更に、Si添加
量が多いほどヒロック密度が小さく、耐熱性に優れてい
ることがわかる。 【0035】(実施例3) 実施例1でのTaに代えてMn(VIIa族遷移元素)を用い、
Si或いはGeをGeとし、その点を除き実施例1と同様のタ
ーゲットを用いて、同様の方法により同様厚みのAl-Mn-
Ge3元系Al合金薄膜を同様のガラス基板上に形成した。
次いで、実施例1と同様の方法により同様のストライプ
パターン形状に加工した後、同様の条件で真空熱処理を
した。そして実施例1と同様の方法により比抵抗値を測
定した。その結果を図3に示す。Al-Mn-Ge3元系Al合金
薄膜は、Al-Mn 2元系Al合金薄膜に比して比抵抗が低
く、又、Ge添加量が多いほど比抵抗が低いことがわか
る。 【0036】(実施例4) 実施例3と同様の方法により同様のAl-Mn-Ge3元系Al合
金薄膜を同様のガラス基板上に形成し、次いで同様の方
法により幅10μm のストライプパターン形状に加工した
後、同様の条件で真空熱処理をした。そして、実施例2
と同様の方法によりヒロック密度を求めた。その結果を
図4に示す。Al-Mn-Ge3元系Al合金薄膜は、Al-Mn 2元
系Al合金薄膜と比較してヒロック密度が小さく、耐熱性
に優れており、又、Si添加量が多いほどヒロック密度が
小さく、耐熱性に優れていることがわかる。 【0037】(実施例5) 実施例1でのTaに代えてTi(IVa 族遷移元素)、Si或い
はGeに代えてSiを用いた。かかる点を除き実施例1と同
様のターゲットを用い、同様法により同様厚みのAl-Ti-
Si3元系Al合金薄膜を形成した後、同様法により同様の
ストライプパターン形状に加工した後、同様条件の真空
熱処理をした。そして実施例1と同様法により比抵抗値
を測定した。その結果を図5に示す。Al-Ti-Si3元系Al
合金薄膜は、Al-Ti 2元系Al合金薄膜に比して比抵抗が
低く、又、Si添加量が多いほど比抵抗が低いことがわか
る。 【0038】尚、以上の実施例では合金成分としてIVa
〜VIIa族遷移元素の1種及びSi等の1種を添加してお
り、上述の如き効果が得られているが、このような効果
はIVa〜VIIa族遷移元素の2種以上及びSi等の2種を添
加した場合も得られる。 【0039】(実施例6) 溶製Al合金スパッタリングターゲットを用いて、DCマグ
ネトロンスパッタリング法により、SiO2(厚さ:100nm)
/Si(厚さ:0.25mm)基板上に、Ta量:1.5at%及びSi量:
3.0at%を含有する膜厚:0.5μm のAl合金薄膜A1(本発明
例)を形成し、又、膜厚:0.5μm のAl薄膜R1(比較例)
を形成した。これら薄膜について、5℃/min の速度で
25℃から500 ℃まで昇温し、次いで500 ℃から25℃まで
降温する加熱冷却過程において、各温度における膜応力
を測定した。ここで、膜応力は基板の反り量をレーザー
で測ることによって求めた。その結果を図6に示す。昇
温時に比較例R1が200 ℃で降伏するのに対して、本発明
例A1は400 ℃で降伏する。降伏点以上の温度域で膜は塑
性変形をするので、本発明例A1の方が塑性変形量が少な
い。このため、降温時に生じる引張応力(金属配線膜と
層間絶縁膜との熱膨張差に起因)は本発明例A1の方が小
さく、SM(ストレスマイグレーション)が起こり難いこ
と(即ち耐SM性に優れていること)がわかる。 【0040】(実施例7) 前記Al合金薄膜AでのTa量を0.1, 0.8, 1.5, 2.3, 3.0a
t%、Si量を0.1, 1.5,3.0, 4.5, 6.0at%に変化させたも
のA2例A 2 )、又、Ta量を0.08,3.2at%、Si量を0.08,
6.5at%に変化させたものR2例R 2 )について、実施例6
と同様の試験を行った。その結果、例A 2 は比較例R1
R 2 に比較して耐SM性に優れていることが確認された。 【0041】(実施例8) 実施例6と同様の方法により、SiO2(厚さ:100nm)/Si
(厚さ:0.25mm)基板上に、実施例6と同様組成、同様膜
厚のAl合金薄膜A1(本発明例)、R1(比較例)を形成し
た。次に、これら薄膜について、400 ℃で60分間加熱す
る熱処理を行った後、フォトリソグラフィ及びエッチン
グにより所定テストパターン形状(幅1μm,長さ3mmの
直線パターン)に加工した。しかる後、この薄膜を200
℃に加熱し、5×106 A/cm2 の定電流を流す通電試験
を行い、故障時間(断線が起こるまでの時間)を測定し
た。この結果を、故障時間と累積故障率(ある時間まで
に故障したサンプルの全体に対する割合)との関係にし
て図7に示す。本発明例のものA1は、比較例のものR1
比較し、平均故障時間(累積故障率が50%となる時間)
が約10倍長く、従って耐EM性(耐エレクトロマイグレー
ション性)に優れていることがわかる。 【0042】又、上記熱処理条件を400 ℃×60分間に代
えて 200℃×30分間、200 ℃×60分間、300 ℃×30分
間、300 ℃×60分間、400 ℃×30分間、600 ℃×30分
間、600℃×60分間としたものについて、上記と同様の
加工及び通電試験を行った。その結果、本発明例のもの
A1において、これらの熱処理を施したものはいづれも比
較例のものR1に比較して耐EM性に優れていることが確認
された。 【0043】(実施例9) 実施例6の本発明例A1でのTaに代えて他のIVa, Va, VIa
族の元素を用いたものA3(本発明例)、更にSiに代えて
Geを用いたものA4(本発明例)について、実施例6、8
と同様の試験を行った。その結果、実施例6、8と同様
の傾向が得られ、本発明例のものA3及びA4は比較例R1
比較し、耐SM性及び耐EM性に優れていた。又、本発明例
A3,A4において、IVa, Va, VIa族の元素の種類により、
耐SM性及び耐EM性はあまり異ならないが、特には IVa,
Va族の場合に優れ、その中でもVa族の場合に優れてい
た。 【0044】上記実施例6〜9では合金成分としてIVa,
Va, VIa族元素の1種及びSi等の1種を用いており、上
述の如き効果が得られているが、このような効果はIVa,
Va,VIa 族元素の2種以上及び/又はSi等の2種を添加
した場合も得られる。 【0045】 【発明の効果】本発明は以上の如き構成を有し作用をな
すものであって、本発明に係るAl合金薄膜は、比抵抗が
10μΩcm以下であると共に、従来のLCD 用配線・電極
材料(Al-Ta 又はAl-Ti 2元系Al合金薄膜)と同様に、
耐熱性に優れてヒロック等が生じ難く、又、耐食性、膜
の密着性及びエッチング特性(所定パターン形状への加
工性)に優れている。そのため、液晶表示パネル(LCD)
等でのゲートバスラインあるいはソースバスライン用の
薄膜配線、アクティブマトリックス型LCD 等のスイッチ
ング素子部での配線或いは電極材料として好適に用いる
ことができ、従って、これら各機器の高機能化及び品質
向上を図ることができるようになるという効果を奏し、
更に、今後のLCD の大型化・高精細化に対応し得、それ
に寄与し得るようになるという効果を奏する。 【0046】 【0047】
【図面の簡単な説明】 【図1】 実施例1に係るAl合金薄膜についての熱処理
温度と比抵抗との関係を示す図である。 【図2】 実施例2に係るAl合金薄膜についての熱処理
温度とヒロック密度との関係を示す図である。 【図3】 実施例3に係るAl合金薄膜についての熱処理
温度と比抵抗との関係を示す図である。 【図4】 実施例4に係るAl合金薄膜についての熱処理
温度とヒロック密度との関係を示す図である。 【図5】 実施例5に係るAl合金薄膜についての熱処理
温度と比抵抗との関係を示す図である。 【図6】 実施例6に係るAl合金薄膜についての加熱冷
却時の温度と膜応力との関係を示す図である。 【図7】 実施例8に係るAl合金薄膜についての故障時
間と累積故障率との関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 大西 隆 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 岩村 栄治 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 山本 正剛 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 吉川 一男 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (56)参考文献 特開 昭61−13644(JP,A) 特公 昭63−48946(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 液晶表示パネル等でのゲートバスライン
    或いはソースバスライン用の薄膜配線、又は、アクティ
    ブマトリックス型液晶表示パネル等のスイッチング素子
    部での配線或いは電極材料として用いられるAl合金薄膜
    において、溶製Al合金スパッタリングターゲットを用い
    たスパッタリング法により形成されたAl合金薄膜であっ
    て、合金成分としてIVa, Va, VIa族の遷移元素のうちの
    1種又は2種以上を合計で0.1〜5.0at%含有す
    ると共にSi, Geのうちの1種又は2種を合計で0.1〜
    5.0at%含有するAl合金よりなり、電気抵抗値:1
    0μΩcm以下であることを特徴とする耐ヒロック性に優
    れたAl合金薄膜。
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