JP3438738B2 - 光学部材、及び光学部品 - Google Patents
光学部材、及び光学部品Info
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Description
に関し、さらに詳しくは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
から成り光学膜を密着して積層できる光学部材、及び該
光学部材に光学膜を積層した光学部品に関する。
が使用されてきたが、量産性、価格等の観点からアクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂光学材
料製品に変わりつつある。これは、ガラス成形品に比べ
て熱可塑性樹脂光学材料成形品は軽量、且つ、非球面形
状等の複雑な形状の成形品を容易に成形することが出来
るからである。
誘電体多層膜を形成して用いることがあった。例えば、
レンズのように光を透過させる光学部品の場合には、誘
電体多層膜である反射防止膜を形成して使用される事が
多い。これは、基材の屈折率と光の入射媒質である空気
との屈折率の差に起因して、基材表面で入射光が一部反
射し、さらに、基材からの出射界面で反射しやすいた
め、光の透過性を高められないためであり、反射防止膜
を設けることにより、入射、出射界面での反射損失を低
減させることができる。
一般的に、誘電体多層膜を形成する際に基材に熱をかけ
ると変形しやすいため、誘電体多層膜と基材が密着でき
なかったり、また、基材が積層する金属材料に比較して
熱膨張率が大きいために温度変化のある環境下では誘電
体多層膜にマイクロクラックが発生したり、さらには誘
電体多層膜が基材から剥離を起こすなど、誘電体多層膜
と基材の密着性の点で問題があった。
を有する光学部品の場合にも、同様に反射層と基材の密
着性の問題がある。
によるアンダーコート処理を行ったり、基材上の第一層
(基材と接する層)の材料をSiO、SiO2、Ce
O2、Ta2O5等を使用することにより、これらの問題
が改善されることが知られている(特開平1−2807
01号公報、特開昭50−35211号公報、特開昭6
3−5723号公報、特開昭63−81402号公報、
特開昭63−81403号公報、特開昭63−8140
4号公報等)。
性、耐水性、耐熱性などに優れた光学材料として注目さ
れている。しかし、熱可塑性ノルボルネン系樹脂成形品
においては、従来用いられているシリコン系樹脂による
アンダーコート処理をしてもアンダーコートが剥離しや
すく、さらに非球面レンズ等の精密成形した光学部品で
はアンダーコートにより形状が変化してしまうという問
題があった。また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂成形品
にSiO、SiO2、CeO2を真空蒸着させても密着性
が不十分であり、温度変化のある環境下で使用すると積
層した光学膜にマイクロクラックが生じたりするという
問題があった。その結果、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
から成る基材上に光学膜を密着性よく形成した光学部品
を得ることは困難であった。
性飽和ノルボルンネン系樹脂成形品を基材として密着性
よく光学膜を積層した光学部品を開発すべく鋭意研究の
結果、Ta2O5を主成分とする層を基材上に形成するこ
とにより、基材と光学膜の密着性に優れた光学部品が得
られることを見いだし、本発明を完成させた。
と、熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成る基材表面上に
Ta2O5を主成分とする層を有する光学部材、該光学部
材に光学膜を積層して成る光学部品が提供される。
用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、特開平3−14
882号や特開平3−122137号、特開平4−63
807号などで公知の樹脂であり、具体的には、ノルボ
ルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノルボ
ルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体
とオレフィンの付加型重合体、これらの重合体の変性物
などが挙げられる。
平2−227424号、特開平2−276842号など
で公知の単量体であって、例えば、ノルボルネン、その
アルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれ
ら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、
エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミ
ド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2−ノルボ
ルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメ
チル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネ
ン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノル
ボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル
−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フ
ェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル
−2−ノルボルネン等; シクロペンタジエンの多量
体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシク
ロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエ
ン、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノナフタ
レン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,
2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,1
0a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペンタジエノアン
トラセン等; シクロペンタジエンとテトラヒドロイン
デン等との付加物、その上記と同様の誘導体や置換体、
例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,
8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン等; 等
が挙げられる。
でよく、必要に応じて、他の共重合可能な単量体と共重
合したり、水素添加することにより熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系樹脂である熱可塑性ノルボルネン系重合体水素
添加物とすることができる。また、重合体や重合体水素
添加物を特開平3−95235号などで公知の方法によ
り、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導
体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合およ
び加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エ
ポキシ単量体を用いて変性させてもよい。なお、耐湿
性、耐薬品性に優れたものを得るためには、極性基を含
有しない熱可塑性ノルボルネン系樹脂が好ましい。
C(ゲル・パーミエション・クロマトグラフィー)分析
により測定した数平均分子量で1〜20万が適当であ
る。また、水素添加する場合、耐光劣化性や耐候劣化性
を向上させるために、水素添加率は90%以上、好まし
くは95%以上、より好ましくは99%以上である。
系樹脂には、所望により、フェノール系やリン系などの
老化防止剤; フェノール系などの熱劣化防止剤; ベ
ンゾフェノン系などの紫外線安定剤; アミン系などの
帯電防止剤; 脂肪族アルコールのエステル、多価アル
コールの部分エステル及び部分エーテルなどの滑剤;な
どの各種添加剤を添加してもよい。また、本発明の目的
を損なわない範囲で、他の樹脂などを混合して用いるこ
ともできる。
層して本発明の光学部材とする基材は、熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂の成形品であり、それ自体、レンズ、プリ
ズム等の光学部品として使用できるものや、液晶基板、
各種フィルター、鏡、光学ディスク等の光学部品の基板
となるものである。熱可塑性ノルボルネン系樹脂を成形
する方法は、特に限定されない。射出成形、溶融押し出
し、熱プレス、溶剤キャスト、インフレーション等の熱
可塑性樹脂の一般の成形方法を用いることができる。
は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂成形品である基材上
に、Ta2O5を主成分とする層を形成して光学部材を製
造する。形成する方法は、真空蒸着法、反射蒸着法、イ
オンプレーティング法、スパッタリング法、イオンビー
ムアシステッド法等が用いられ、一般に真空蒸着法が用
いられる。蒸着の条件は蒸着時の基材温度以外は特に限
定されない。蒸着時の基材温度は、使用する熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂の熱変形温度以下であることが必要で
あり、一般に120℃以下、好ましくは80℃以下、さ
らにより好ましくは60℃以下である。
を形成する場合に、表面に付着している汚れや塵を除去
するために前処理として洗浄することが好ましい。基材
の洗浄方法は、公知の方法がよく、例えば、界面活性剤
を使用した水系洗浄を行い、純水での濯ぎ、温純水での
引き上げ、最後に温風乾燥する方法、イソプロピルアル
コール、フロン113、有機珪素化合物等の有機化合物
での水切り後、最後にフロン113またはポリフルオロ
カーボン等の溶剤での蒸気乾燥する方法がある。また、
蒸着前の基材の前処理として、イオンビームを利用して
活性ガスイオン、あるいは不活性ガスイオンでスパッタ
クリーニングを行うことが好ましい。これらの前処理に
より、Ta2O5を主成分とする層と基材の密着性は向上
する。
上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重
量%以上、特に好ましくは95重量%以上含有する。含
有量が低いと密着性が低下する。光学部品の目的によっ
ては、Ta2O5を主成分とする層は透明であることが必
要であり、そのためからも、Ta2O5以外の成分の含量
は低いことが好ましい。また、Ta2O5以外の成分とし
ては、ZrO2、CeO2 、Y2O3、TiO2、Ti
3O5、SiO、Nb2O5等が好ましい。また、後述の製
造法に由来する着色防止の理由により、Zr2O5が特に
好ましい。
る蒸発源を電子銃や抵抗加熱等で蒸発させて、基材表面
に蒸着させる。蒸着の諸条件は、特に限定されず、一般
の蒸着の際に用いられる方法でよい。ただし、Ta2O5
のみを蒸発源として電子銃や抵抗加熱等で蒸発させた場
合には、蒸発したTa2O5中に酸素原子が不足したもの
も生じる場合があり、そのため、蒸着により形成された
層は着色し、光を吸収することがある。前述のようにこ
の層が透明であることが必要な場合は、着色したものは
用いることができない。このような不良品の発生は、蒸
発時に酸素を付加して2×10-5〜5×10-3Torr
程度の圧力で蒸着させることにより、ある程度低下する
こともできる。
2含量が3〜50重量%、より好ましくは10〜40重
量%、特に好ましくは20〜35重量%のTa2O5とZ
rO2 の混合物を用いると、蒸着膜が着色することがな
く、透明なものが安定して得られる。なお、この際、蒸
着膜中のZrO2の含量は蒸発源中の含量より大きく低
下し、Zr含量も極微量であり、通常Ta2O5含量が9
0重量%以上、好ましくは95重量%以上のものを容易
に得ることができる。
性ノルボルネン系樹脂成形品である基材上にTa2O5を
主成分とする層が形成されている。この層の厚さは、こ
の層を多層膜の一部として使用するかどうかによっても
異なるが、一般には、400〜1000nmの波長の光
線を対象とする光学部品に用いる場合、1nm〜600
nm程度、好ましくは2nm〜500nm程度である。
薄すぎるとTa2O5を主成分とする層に積層される層と
基板との密着性に劣り、厚すぎると、光学膜の光学特性
を調整することが困難である。
の光学部材に光学膜を積層して成り、具体的には、反射
防止多層膜を形成して成るレンズ、光ディスク基板、位
相差板、回折格子板等; 半透明多層膜を形成して成る
ビームスプリッター等; 単色フィルター多層膜を積層
して成る単色フィルター等; 帯域フィルター多層膜を
積層して成る帯域フィルター等; 多層反射膜を形成し
て成る光ディスク基板等; 金属反射膜を形成して成る
自動車用ルームミラー、光ディスク基板、ポリゴンミラ
ー等; 金属反透明膜を形成して成るハーフミラー等;
等が例示される。
される誘電体多層膜としては、反射防止多層膜、半透明
多層膜、単色フィルター多層膜、帯域フィルター多層
膜、反射多層膜などがある。
として、高屈折率誘電体層である光学部材のTa2O5を
主成分とする層を用いる以外は、特開昭63−8140
2号公報、特開昭63−81403号公報、特開昭63
−81404号公報、特開平1−273001号公報、
特開平4−137234号公報等で公知の反射防止多層
膜と同じである。反射防止多層膜はVコート膜(特定波
長反射防止膜)、マルチコート膜(広帯域反射防止膜)
でもよい。2層構造のもの、3層構造のもの、4層構造
のものでもよい。また、光学部材のTa2O5を主成分と
する層の厚みを薄くすることにより、実質的に反射多層
膜の一部として機能させずに、その層の上に形成する他
の層を反射防止多層膜の第1層として機能させることも
できる。
増補改訂版」(オプトロニクス社、編集部編、平成4
年8月発行、第298〜301頁)、「光学薄膜」
(H.A.Macleod著、日刊工業新聞社、198
9年11月発行、原題『THINFILM OPTIC
AL FILTERS』、第176〜180頁)等で公
知のものであり、特定波長の光線を一部を透過し、一部
を反射する。その構成は、目的波長、目的波長での透過
率、反射率等の設計に応じて各層に用いる誘電体、各層
の厚さなどが決まる。半透明多層膜は、本発明の光学部
材上に第1層を積層して形成しても、光学部材上のTa
2O5を主成分とする層を第1層として形成してもよい。
で公知のものであり、目的波長付近の光線のみを反射
し、その他の光線を透過する。多層反射膜は目的波長の
1/4の厚さで、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層
を交互に積層して構成される。多層反射膜も本発明の光
学部材上に第1層を積層して形成しても、光学部材上の
Ta2O5を主成分とする層を第1層として形成してもよ
い。
「光・薄膜技術マニュアル」(前述、第284〜289
頁)、「光学薄膜」(藤原史郎編、共立出版、1985
年2月発行、第110〜123頁)等で公知のものであ
り、単色フィルター多層膜は特定波長付近の光線のみを
透過し、帯域フィルターは特定領域の光線を透過する。
これらのフィルター多層膜の構成も公知のものであり、
本発明の光学部材上に第1層を積層して形成しても、光
学部材上のTa2O5を主成分とする層を第1層として形
成してもよい。
Ta2O5を主成分とする層の上に、誘電体から成る各層
を順番に積層する。積層する方法としては、一般に、真
空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法
等の方法が適用できる。また、各層の厚さは、反射防止
の目的の光線の波長、用いる材料の屈折率などに応じて
決定する。
真空蒸着法は、油回転ポンプ、油拡散ポンプあるいはク
ライオポンプ等を使用して真空チャンバー内を10-6〜
10-4Torr程度まで真空排気した後、必要に応じて
酸素ガスを2×10-5〜5×10-3Torr程度真空チ
ャンバー内に導入して酸素雰囲気で蒸着を実施する。
のいずれの方法も採用することができる。蒸着時の温度
は、基材の熱変形温度以下であることが必要で、120
℃以下、好ましくは80℃以下、さらにより好ましくは
60℃以下である。
以外に使用する高屈折率の蒸着材料である誘電体として
は、ZrO2、TiO2、Ti3O5、SiO、Ta2O5、
Y2O3、PrO2、ZnS、Nb2O5等、あるいはこれ
らの蒸着材料から選ばれる混合物も使用される。中間屈
折率物質である誘電体としてはAl2O3、CeF3等が
使用でき、低屈折率物質である誘電体としてはMg
F2、Al2O3等が使用できる。
金属膜は、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ロジウ
ム、クロム、等の全光線反射性の金属反射膜や、その厚
さを調節することにより得られる半透明膜等である。こ
れらは、「光学薄膜」(前述の日刊工業新聞社刊のも
の、第159〜172頁)、「光学薄膜ユーザーズ・ハ
ンドブック」(J.D.Rancourt著、日刊工業
新聞社、1991年10月刊、原題『OPTICAL
THIN FILMS USERS’ HANDBOO
K』、第111〜118頁)などで公知のものである。
されず、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法等をはじめ、公知の方法が用いられる。ま
た、この金属表面に保護膜を設けて、金属膜を傷つきに
くくしてもよい。
は、光学部品の表面で光線を反射し、基材を光線が通過
する必要がない場合がある。そのような場合は、前述の
ようにTa2O5を主成分とする層が着色した光学部材で
あっても、反射膜を有する本発明の光学部品の材料とし
て使用することができる。その場合、金属膜上に増反射
膜を形成することもできる。
本発明を具体的に説明する。なお、反射率、透過率は分
光光度計(U−4000型、日立製)を用いて、光学膜
側から光を当てて測定し、測定した光線の波長は特に記
載がない限り550nmである。膜密着性は基材成形品
に形成された多層膜の上からカッターにより1mm間隔
で縦横互いに直角に交わる各11本の切れ目を入れ、1
mm四方の碁盤目を100個作り、セロハン粘着テープ
(積水化学製)を貼り、粘着テープを表面に対して垂直
芳香に引っ張ってはがし、100目中の剥離しなかった
目の数で表した。高温試験は得られた光学部品を80℃
のオーブン中に96時間放置した後、室温に戻して積層
した膜の状態を目視観察し、ヒートサイクル試験は、得
られた光学部品を−30℃30分、80℃30分、昇
温、降温は1定速度で各30分の1サイクル2時間のヒ
ートサイクル試験を24サイクル(2日間)実施後の積
層された膜のマイクロクラックの発生の有無を光学顕微
鏡で観察した。
日本ゼオン製、分子量約28,000、ガラス転移温度
140℃、水素添加率99.7%以上)を樹脂温度30
0℃、金型温度100℃で射出成形して、厚さ2mm、
50mm四方の平板を作製した。この平板を、アルカリ
性洗剤(SE−10、ソニックフェロー社製)3%水溶
液中で、1200W、26kHzの超音波洗浄を60秒
行い、純水中で600W、26kHzの超音波洗浄によ
り60秒間すすぎ、再度アルカリ性洗剤(SE−10)
3%水溶液中で、1200W、26kHzの超音波洗浄
を60秒行った後、純水中で600W、26kHzの超
音波洗浄による60秒間のすすぎを4回繰り返した後、
2回純水中に漬けてすすぎ、さらに温純水中に漬けてす
すいだ後、温風で乾燥させた。
量%、ZrO225重量%から成る混合物を使用し、酸
素ガスを導入してチャンバー内の圧力6×10-5Tor
rにし、真空蒸着法により蒸着膜を形成して本発明の光
学部材を得た。蒸着膜の屈折率は2.04、厚さは約2
7.5nm、すなわち、波長550nm(以下、λ0と
する)の光線に対する光学的膜厚は約0.10λ0であ
った。この蒸着膜をX線マイクロアナライザーにより分
析した(分析精度約1%)が、ZrO5は検出できなか
った。
て、屈折率1.46、光学的膜厚0.08λ0のSiO2
の層を蒸着により形成し、第3層として、屈折率2.0
4、光学的膜厚0.20λ0のTa2O5の層を蒸着によ
り形成し、第4層として、屈折率2.04、光学的膜厚
0.25λ0のSiO2の層を蒸着により形成して、4層
から成る反射防止膜を有する本発明の光学部品を得た。
0、高温試験で異常は認められず、ヒートサイクル試験
でもマイクロクラックの発生は認められなかった。
6)を用いる以外は実施例1と同様にして反射防止膜を
有する光学部品を得た。反射率は0.4%、膜密着性は
14/100、高温試験では一部が剥離し、ヒートサイ
クル試験でもマイクロクラックの発生が認められた。
する以外は、実施例1と同様にして、本発明の光学部材
を得た。このTa2O5の層の上にアルミニウムを100
nmの厚さに蒸着し、さらに、その上にCeF3(蒸着
後の屈折率1.56)を光学的膜厚が0.25λ0にな
るように蒸着し、金属反射膜を有する本発明の光学部品
を得た。反射率は95.9%、膜密着性は98/100
であった。
5)を用いる以外は実施例1と同様にして反射防止膜を
有する光学部品を得た。反射率は95.8%、膜密着性
は8/100であった。
て、屈折率1.45、光学的膜厚0.29λ0のSiO2
の層を蒸着により形成し、第3層として、屈折率1.9
5、光学的膜厚0.225λ0のCeO2の層を蒸着によ
り形成し、第4層として、光学的膜厚0.25λ0のS
iO2の層を蒸着により形成して、第5層として、光学
的膜厚0.158λ0のCeO2の層を蒸着により形成し
て、第6層として、光学的膜厚0.25λ0のSiO2の
層を蒸着により形成して、6層からなる半透明多層膜を
有する本発明の光学部品を得た。
性は95/100であった。
5)を用いる以外は実施例1と同様にして反射防止膜を
有する光学部品を得た。反射率は28%、透過率72
%、膜密着性は8/100であった。
にする以外は、実施例1と同様にして、本発明の光学部
材を得た。このTa2O5の層の上に実施例1で得た光学
部材のTa2O5上に、第2層として、屈折率1.45、
光学的膜厚0.29λ0のSiO2の層を蒸着により形成
し、第3層として、屈折率1.95、光学的膜厚0.2
5λ0のCeO2の層を蒸着により形成し、第4層とし
て、光学的膜厚0.25λ0のSiO2の層を蒸着により
形成して、第5層として、光学的膜厚0.25λ0のC
eO2の層を蒸着により形成して、第6層として、光学
的膜厚0.25λ0のSiO2の層を蒸着により形成し
て、第7層として、光学的膜厚0.25λ0のCeO2の
層を蒸着により形成して、7層からなる帯域フィルター
多層膜を有する本発明の光学部品を得た。
の透過率は95%、膜密着性は93/100であった。
5)を用いる以外は実施例1と同様にして反射防止膜を
有する光学部品を得た。550nmの透過率は41%、
650nmの透過率は94%、膜密着性は7/100で
あった。
学膜を有する光学部品は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
から成る成形品基材と光学膜との密着性に優れ、光学膜
が剥離し難く、温度変化のある環境下での使用などにお
いても、マイクロクラック等が発生しにくい。
Claims (6)
- 【請求項1】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂から成る基
材表面上にTa2O5を90重量%以上含有する層を有
する光学部材。 - 【請求項2】 Ta 2 O 5 を含有する層が、Ta 2 O 5
とZrO 2 との混合物を蒸発源として真空蒸着してなる
ものである請求項1記載の光学部材。 - 【請求項3】 Ta 2 O 5 を含有する層が、酸素を付加
して真空蒸着してなるものである請求項1記載の光学部
材。 - 【請求項4】 請求項1記載の光学部材に光学膜を積層
して成る光学部品。 - 【請求項5】 光学膜が誘電体多層膜である請求項4記
載の光学部品。 - 【請求項6】 光学膜が金属膜である請求項4記載の光
学部品。
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