JP3438645B2 - ファックスデータ受信システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピ
ュータを利用したファックス受信に用いて好適なファッ
クスデータ受信システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は、ファックスモデムを内蔵したパ
ーソナルコンピュータを使用してファックス受信を行う
ためのシステム構成図である。従来、ファックスモデム
を内蔵したパーソナルコンピュータを使用してファック
スデータの受信を行う場合、パーソナルコンピュータ１
と交換機３とを電話回線６で接続した構成にして、パー
ソナルコンピュータ１の電源を投入し、ファックスモデ
ム２とともにファックス用のアプリケーションを立ち上
げておく。なお、電話機４はパーソナルコンピュータ本
体のモジュラージャックを介してファックスモデム２に
接続される。

【０００３】そして、発信者５側から交換機３、電話回
線６を介してファックス情報が送られてくると、前記フ
ァックス用のアプリケーションソフトウェアにより規定
される所定の手順に従って、ファックスモデム２が受信
可能な状態にあることを示す信号を前記発信者５側のフ
ァックス装置へ送り返し、その後、前記発信者５側のフ
ァックス装置から送られてくるファックスデータをファ
ックスモデム２が受信して、パーソナルコンピュータ１
のメモリへ格納する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のファックスモデ
ムを搭載したパーソナルコンピュータを使用したファッ
クス受信は以上のように行われていたので、パーソナル
コンピュータの電源が投入されており、ファックスモデ
ム２とともにファックス用のアプリケーションが立ち上
がっている状態でなければファックスデータの受信は出
来ない。つまり、常にファックス受信可能とするために
はパーソナルコンピュータの電源を常時投入した状態に
して、パーソナルコンピュータおよびファックスモデム
を立ち上げておく必要がある課題があった。

【０００５】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、本発明の目的は、ファックスモデ
ムおよびデータ処理装置の電源をオフにした状態であっ
てもファックス受信が常時可能であり、さらに前記受信
したファックスデータをユーザの希望に応じていつでも
取り出すことの出来るファックスデータ受信システムを
提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係るファックス
データ受信システムは、着信側のデータ処理装置が立ち
上がっていない状態で通信回線を介して送られてきたフ
ァックスデータを蓄積し、前記データ処理装置が立ち上
がった状態になると、前記蓄積した前記ファックスデー
タを前記データ処理装置へ転送するファックスデータ蓄
積装置と、前記ファックスデータ蓄積装置から転送され
た前記ファックスデータをメモリへ記憶し、前記メモリ
へ記憶した前記ファックスデータをユーザの希望に応じ
て読み出して出力可能なファックスモデムを搭載したデ
ータ処理装置と、前記ファックスモデムへ接続した電話
装置とを備えたことを特徴とする。

【０００７】

【０００８】

【０００９】本発明のファックスデータ受信システム
は、着信側のファックスモデムが立ち上がっていない状
態で、通信回線を介して送られてきたファックスデータ
を蓄積することで、前記ファックスモデムの電源が投入
されていない状態での前記着信側へ送られてきたファッ
クスデータの受信を可能にし、また、前記ファックスモ
デムおよびデータ処理装置の電源が投入されて立ち上が
った状態になると、前記蓄積した前記ファックスデータ
を前記データ処理装置のメモリへ転送して記憶し、前記
メモリへ記憶した前記ファックスデータを前記データ処
理装置側においてユーザの希望に応じていつでも取り出
せるようにする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態につ
いて説明する。本発明のファックスデータ受信システム
は、ファックスモデムを搭載したパーソナルコンピュー
タにおいてファックスの受信を行う場合、前記パーソナ
ルコンピュータの電源がオフであってもファックスデー
タの受信を可能にするものである。

【００１１】図１は、パーソナルコンピュータを用いて
ファックスデータの受信を行う本実施の形態のファック
スデータ受信システムのシステム構成図である。このフ
ァックスデータ受信システムは、ファックスデータの発
信側または着信側となる相手加入者１と、ファックスデ
ータの着信側または発信側となるファックスモデム５を
搭載したパーソナルコンピュータ（データ処理装置）４
と、前記着信側のファックスデータ蓄積装置３と、パー
ソナルコンピュータ４のユーザ側の電話機（電話装置）
６とから構成される。

【００１２】交換機２は、送信先電話番号により加入者
６に接続を行うものである。ファックスデータ蓄積装置
３は、例えば公衆電話回線網の交換機２へ接続された電
話回線に接続されており、ファックスデータを蓄積して
おくためのファックス用メモリ３ａと、受信した発呼信
号がファックスデータの通信を示しているのか、または
通常の通話（音声情報）を示しているのかを判定する判
定手段３ｂと、受信した発呼信号がファックスデータの
通信を示している場合に、送信されてきたファックスデ
ータを受信して前記ファックス用メモリ３ａへ蓄積する
ファックスデータ受信蓄積手段３ｃと、受信した発呼信
号が通常の通話を示している場合、発信側に対しては保
留を行い、着信側にはその電話機６に対し呼び出しを行
う通話情報着信処理手段３ｄと、ファックス用メモリ３
ａのファックスデータの蓄積空き容量がなくなると発信
側へビジー状態を示す信号を送出するビジー信号送出手
段３eと、パーソナルコンピュータ４側が立ち上がって
いる状態を確認した後にメモリ３ａに蓄積してあるファ
ックスデータをパーソナルコンピュータ４側のメモリへ
転送する転送手段３ｆと、前記パーソナルコンピュータ
が立ち上がっている状態にあるか否かを確認する状態判
定手段３ｇとを備えている。

【００１３】次に、動作について説明する。ファックス
データ蓄積装置３は、例えば一般家庭の電話線のモジュ
ラージャックとパーソナルコンピュータ４との間に設置
されており、電話回線を介して発呼信号が送られてくる
と、この発呼信号が通常の通話の音声情報なのか、ファ
ックス情報なのかを判定手段３ｂにより判断する。通常
の通話の場合は、そのまま着信側の電話機６に接続し、
呼び出しを行う。

【００１４】一方、発呼信号がファックス情報の場合
は、状態判定手段３ｇによりパーソナルコンピュータ４
が立ち上がった状態にあるか否かを判定し、パーソナル
コンピュータ４の電源が投入されておらず立ち上がった
状態になければ、受信可能の信号を発信者側へ返すとと
もに、ファックスデータ受信蓄積手段３ｃにより前記フ
ァックスデータを受信してファックス用メモリ３ａへ蓄
積する。

【００１５】また、ファックスデータ蓄積装置３のファ
ックス用メモリ３ａへ蓄積したファックスデータを受信
側で出力するには、パーソナルコンピュータ４と、その
パーソナルコンピュータ４に搭載されたＦＡＸモデム５
およびそのファックス用のアプリケーションを立ち上
げ、ファックスデータ蓄積装置３のファックス用メモリ
３ａに蓄積されているファックスデータを転送手段３ｆ
によりパーソナルコンピュータ４へ転送させ、パーソナ
ルコンピュータ４のメモリへ格納する。そして、ファッ
クスデータのパーソナルコンピュータ４の前記メモリへ
の格納が完了したら、ユーザはパーソナルコンピュータ
４の前記メモリからファックスデータを取り出す。

【００１６】なお、ユーザ側から電話機６による通常の
音声情報による通話を行う場合や、ファックスデータを
発信したい場合は、ファックスデータ蓄積装置は何も処
理を行わず通常の通信となる。

【００１７】図２は、パーソナルコンピュータ４の電源
が投入されておらず立ち上がっていない状態における加
入者１と電話機６の加入者との間の通信処理を示すシー
ケンス図である。図３は、パーソナルコンピュータ４お
よびファックスモデム５の電源が投入され立ち上がった
状態でのパーソナルコンピュータ４のメモリへ格納され
たファックスデータの出力処理などを示すシーケンス図
である。以下、これらシーケンス図にもとずいて動作に
ついて説明する。

【００１８】通常の通話（音声情報）における着信の場
合、先ず加入者１から電話機６の加入者に発呼が行われ
る（ステップＳ１）。ファックスデータ蓄積装置３は発
呼信号を受け取ると、その発呼信号がファックス情報な
のか、通常の通話（音声情報）なのかを判定手段３ｂに
より判断する（ステップＳ２）。この結果、通常の通話
と判断した場合、ファックスデータ蓄積装置３は通話情
報着信処理手段３ｄにより加入者１に対しては保留を
（ステップＳ３）、加入者６に対しては呼び出しを行う
（ステップＳ４）。そして、加入者１と電話機６の加入
者との間で通話が行われる（ステップＳ５）。

【００１９】一方、ファックス着信の場合、先ず、通常
の通話と同様に加入者１から電話機６の加入者に発呼が
行われる（ステップＳ１１）。次に、ファックスデータ
蓄積装置３は、受信した発呼信号がファックス情報であ
ると判定手段３ｂにより判断し（ステップＳ１２）、加
入者１に対してファックス受信可能の通知を送信する
（ステップＳ１３）。受信可能の通知を受信した加入者
１はファックスデータの送信を開始する（ステップＳ１
４）。ファックスデータ蓄積装置３は送信されてきたこ
のファックスデータをファックスデータ受信蓄積手段３
ｃによりファックス用メモリ３ａに保存、蓄積しておく
（ステップＳ１５）。

【００２０】その後、さらにファックス通信によりファ
ックスデータが送られてきた場合には、同様の手順によ
り随時ファックスデータの蓄積を行う（ステップＳ２１
〜ステップＳ２５）。

【００２１】そして、ファックスデータ蓄積装置３のフ
ァックス用メモリ３ａに空き容量がない状態になり（ス
テップＳ３１）、この状態でファックス通信があった場
合、ファックスデータ蓄積装置３はビジー信号送出手段
３ｅにより発信側へビジー信号の送出を行う（ステップ
Ｓ３２）。

【００２２】なお、以上の説明はファックスモデムを搭
載したパーソナルコンピュータの電源が投入されていな
い状態におけるファックス受信についてであったが、前
記パーソナルコンピュータの電源が投入されファックス
モデムおよびパーソナルコンピュータが立ち上がった状
態では、前記ファックスモデムおよび前記パーソナルコ
ンピュータのファックス用のアプリケーションによる通
常通りの手順でファックス受信が可能である。

【００２３】ファックスデータ蓄積装置３のファックス
用メモリ３ａに蓄積されたファックスデータの出力は次
のように行う。先ず、図３に示すようにパーソナルコン
ピュータ４およびＦＡＸモデム５を立ち上げる（ステッ
プＳ４１）。そして、パーソナルコンピュータ４の準備
が完了したらファックスデータ蓄積装置３は転送手段３
ｆによりファックス用メモリ３ａに蓄積されているファ
ックスデータをパーソナルコンピュータ４のメモリへ転
送する（ステップＳ４２）。ファックスデータの転送が
完了したら、ユーザはパーソナルコンピュータ４からフ
ァックスデータを取り出す（ステップＳ４３）。

【００２４】また、電話機６の加入者からの発信（音声
情報、ファックス情報、ファックスデータ）に対して
は、第３図に示すようにファックスデータ蓄積装置３は
何も処理を行わず、通常の通信となる（ステップＳ５１
〜ステップＳ５４）。

【００２５】以上のように、この実施の形態によれば、
パーソナルコンピュータを使用したファックス受信が常
時可能になり、パーソナルコンピュータの電源を切った
状態にしておいてもファックスデータの受信が出来る。
さらに、受信したファックスデータは、ユーザのパーソ
ナルコンピュータおよびファックスモデムの電源が投入
され、前記パーソナルコンピュータが立ち上がった状態
においてユーザが希望するときに取り出すことが出来
る。

【００２６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、着信側
のデータ処理装置が立ち上がっていない状態で通信回線
を介して送られてきたファックスデータを蓄積し、前記
データ処理装置が立ち上がった状態になると、前記蓄積
した前記ファックスデータを前記データ処理装置へ転送
するファックスデータ蓄積装置と、前記ファックスデー
タ蓄積装置から転送された前記ファックスデータをメモ
リへ記憶し、前記メモリへ記憶した前記ファックスデー
タをユーザの希望に応じて読み出して出力可能なファッ
クスモデムを搭載したデータ処理装置と、前記ファック
スモデムへ接続した電話装置とを備えるように構成した
ので、前記ファックスモデムおよび前記データ処理装置
の電源をオフにした状態であってもファックス受信が常
時可能になり、また、受信したファックスデータをユー
ザの希望に応じていつでも前記データ処理装置において
取り出すことが出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態のファックスデータ受信
システムのシステム構成図である。

【図２】本発明の実施の一形態のファックスデータ受信
システムにおけるパーソナルコンピュータの電源が投入
されていない状態の送信側と着信側との間の通信処理を
示すシーケンス図である。

【図３】本発明の実施の一形態のファックスデータ受信
システムにおけるパーソナルコンピュータのメモリへ格
納されたファックスデータの出力処理などを示すシーケ
ンス図である。

【図４】ファックスモデムを内蔵したパーソナルコンピ
ュータを使用してファックス受信を行うための従来のシ
ステム構成図である。

【符号の説明】

３……ファックスデータ蓄積装置、３ａ……ファックス
用メモリ、３ｂ……判定手段、３ｃ……ファックスデー
タ受信蓄積手段、３ｄ……通話情報着信処理手段、３ｅ
……ビジー信号送出手段、３ｆ……転送手段、３ｇ……
状態判定手段、４……パーソナルコンピュータ（データ
処理装置）、５……ファックスモデム、６……電話機
（電話装置）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ Ｈ０４Ｎ 1/32 Ｈ０４Ｎ 1/32 Ｚ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着信側のデータ処理装置が立ち上がって
   いない状態で通信回線を介して送られてきたファックス
   データを蓄積し、前記データ処理装置が立ち上がった状
   態になると、前記蓄積した前記ファックスデータを前記
   データ処理装置へ転送するファックスデータ蓄積装置
   と、 前記ファックスデータ蓄積装置から転送された前記ファ
   ックスデータをメモリへ記憶し、前記メモリへ記憶した
   前記ファックスデータをユーザの希望に応じて読み出し
   て出力可能なファックスモデムを搭載したデータ処理装
   置と、 前記ファックスモデムへ接続した電話装置と、 を備えたことを特徴とするファックスデータ受信システ
   ム。
2. 【請求項２】 前記ファックスデータ蓄積装置は、通信
   回線を介して送られてきたファックスデータの蓄積空き
   容量がなくなると、その後ファックスデータを送ってく
   る発信側へビジー信号を出力することを特徴とする請求
   項１記載のファックスデータ受信システム。
3. 【請求項３】 前記ファックスデータ蓄積装置は、前記
   データ処理装置で生成され送信されるファックスデータ
   については、何の処理も行わず通信回線へ出力すること
   を特徴とする請求項１または２記載のファックスデータ
   受信システム。