JP3438439B2 - 湿式クラッチ装置 - Google Patents

湿式クラッチ装置

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    • F16H2045/0273Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
    • F16H2045/0294Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧によって動作
される湿式クラッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のクラッチは、ピストンが、該ピ
ストンに対向する面に対して前後動可能に配置されると
共に、前記ピストンを挟む前後方向両側に第1油室と第
2油室の2つの油室が形成され、この両油室の圧力差に
よって、前記ピストンが前記対向する面に向かって前進
し、該対向する面と面接触することにより、摩擦係合力
を発生させ、トルクの伝達を行うものである。
【0003】このとき、前記ピストン又は前記対向する
面には、必要に応じて摩擦材を添付した摩擦面が形成さ
れる。
【0004】従来、このような湿式クラッチの例とし
て、トルクコンバータのロックアップクラッチが知られ
ている。
【0005】図11に、従来のロックアップクラッチを
備えたトルクコンバータを示す。
【0006】図11において、トルクコンバータ1は、
フロントカバー2とポンプ3のポンプカバー3aとで全
体が囲まれており、その内部に油液(例えばオートマチ
ックオイル:ATF)が充填され、タービン4とステー
タ5とロックアップクラッチ6のピストン7とが配設さ
れている。
【0007】又、ピストン7の周縁部で、フロントカバ
ー2の該ピストン7に対向する面Sと接触する部分には
摩擦材8が貼付されている。ピストン7を挟んで、フロ
ントカバー2側には第1油室9が、又タービン4側には
第2油室10がそれぞれ形成されている。
【0008】ロックアップクラッチ6を係合させる場合
には、第2油室10に油液を供給すると共に、第1油室
9から排油する。その結果、第2油室10の内圧が第1
油室9内の圧力より高くなるので、ピストン7がフロン
トカバー2側に押され、フロントカバー2に向かって前
進し、ピストン7に貼付された摩擦材8がフロントカバ
ー2に押し付けられる。
【0009】この結果、第1、第2油室9、10は該摩
擦材8によってシールされ、両油室9、10の圧力差に
より、ピストン7の摩擦材8がフロントカバー2に圧接
される。この圧接によって発生する摩擦係合力によりロ
ックアップクラッチ6が係合し、エンジントルクがフロ
ントカバー2からピストン7を介して直接的に変速装置
入力軸(図示せず)に伝達される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
変速ショック防止のための油液の摩擦係数の低下や、ス
リップ制御対応のためのクラッチの構造変更あるいは内
燃機関の出力トルク増加等の種々の要因により、クラッ
チの伝達トルク容量が不十分となってきた。クラッチの
伝達トルク容量を大きくするには、クラッチの径方向の
サイズを大きくすることが考えられるが、一方近年トル
クコンバータ部分の性能向上が目覚ましく、該トルクコ
ンバータ部分が小型化しつつあり、その結果、図11に
示すように、ロックアップクラッチ6とトルクコンバー
タ部分とのサイズの差ΔDが増大してしまい、トルクコ
ンバータ部分の径は小さいにも拘らずロックアップクラ
ッチ6の径が大きいため、全体としてのトルクコンバー
タ1の車載性が悪化しているという問題がある。
【0011】本発明は、前記従来の問題を解決するべく
なされたもので、車載性を悪化させることなく、クラッ
チの伝達トルク容量の増大を図った湿式クラッチ装置を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ピストンが、
該ピストンに対向する面に対して前後動可能に配置され
ると共に、前記ピストンを挟む前後方向両側に第1油室
と第2油室が形成され、該第1、第2油室の圧力差によ
って前記ピストンが前後方向に移動して前記対向する面
と接触し、該対向する面との間に摩擦係合力を発生させ
得るように構成した湿式クラッチ装置に補助押圧力発生
手段を備えたことにより、前記目的を達成したものであ
る。特に請求項1では、ピストンが、該ピストンに対向
する面に対して前後動可能に配置されると共に、前記ピ
ストンを挟む前後方向両側に第1油室と第2油室が形成
され、該第1、第2油室の圧力差によって前記ピストン
が前後方向に移動して前記対向する面と接触し、該対向
する面との間に摩擦係合力を発生させ得るように構成し
た湿式クラッチ装置において、前記ピストンが、該ピス
トンと連結される伝達部材と係合部を介して連結され、
かつ、前記ピストンの移動によって摩擦係合力を補助す
る押圧力を発生させるように、該係合部においてピスト
ン側部材と伝達部材とが、該ピストンに前後方向の分力
がかかるような所定角度の傾きをもって接触する構成と
された補助押圧力発生手段を備えた湿式クラッチ装置で
ある。さらに、請求項2は、請求項1の構成に加えて、
前記補助押圧力が発生したときに、その反力を受けて前
記対向する面とは別の部位にて更に摩擦係合力を発生さ
せ得る第2摩擦力発生手段を備えた湿式クラッチ装置で
ある。また、請求項3は、請求項1または2の構成に加
えて、前記補助押圧力発生手段が、正転時と逆転時とで
相違する補助押圧力を発生させる湿式クラッチ装置であ
る。また、請求項4は、ピストンが、該ピストンに対向
する面に対して前後動可能に配置されると共に、前記ピ
ストンを挟む前後方向両側に第1油室と第2油室が形成
され、該第1、第2油室の圧力差によって前記ピストン
が前後方向に移動して前記対向する面と接触し、該対向
する面との間に摩擦係合力を発生させ得るように構成し
た湿式クラッチ装置において、前記ピストンの移動によ
る摩擦係合力を補助する押圧力を発生させる補助押圧力
発生手段を備えるとともに、前記補助 押圧力が発生した
ときに、その反力を受けて前記対向する面とは別の部位
にて更に摩擦係合力を発生させ得る第2摩擦力発生手段
を備えた湿式クラッチ装置である。さらに、請求項5
は、請求項4の構成に加えて、前記補助押圧力発生手段
が、正転時と逆転時とで相違する補助押圧力を発生させ
る湿式クラッチ装置である。
【0013】即ち、本発明によれば、前記第1及び第2
油室の圧力差によって、ピストンを該ピストンに対向す
る面に向かって前進移動し、該対向する面に接触させ、
摩擦係合力を発生させる際に、補助押圧力発生手段によ
り押圧力を発生し、前記摩擦係合力を補助するようにし
たため、ピストンに対向する面とピストンとの間の摩擦
係合力が増加し、クラッチの伝達トルク容量をピストン
径を大きくすることなく増大させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】好ましい実施の形態は、前記ピス
トンは、該ピストンと連結される伝達部材と係合部を介
して連結されており、且つ、前記補助押圧力発生手段
が、該係合部においてピストン側部材と伝達部材とが、
該ピストンに前後方向の分力がかかるような所定角度の
傾きをもって接触する構成とされることである。これに
より、従来の部品の小改良で伝達トルク容量の増大を図
ることができる。
【0015】他の好ましい実施の形態は、前記補助押圧
力が発生したときに、その反力を受けて前記対向する面
とは別の部位にて更に摩擦係合力を発生させ得る第2摩
擦力発生手段を備えることである。これにより、より一
層前記摩擦係合力が増すため、伝達トルク容量を更に増
大させることができる。
【0016】更に他の好ましい実施の形態は、前記補助
押圧力発生手段は、正転時と逆転時とで相違する補助押
圧力を発生するようにすることである。これにより、エ
ンジンブレーキ時等ではクラッチを係合させる押圧力を
小さくできるので、ゲインが小(実際の油液による差圧
の変化に対して摩擦係合力の変化が小)となりクラッチ
制御の精度を向上させることができる。
【0017】以下図面を参照して、本発明のより具体的
な実施の形態の例を詳細に説明する。
【0018】まず、本発明の第1実施形態について説明
する。本第1実施形態は、ほぼ現状の装置構成のまま
で、これに小変更を加えるのみでクラッチのトルク伝達
容量を増加させるものである。
【0019】図1に第1実施形態に係るロックアップク
ラッチ(湿式クラッチ装置)付トルクコンバータの縦断
面図を示す。
【0020】図1において、トルクコンバータ12は主
にポンプ16、タービン18及びステータ20からな
る。又、ロックアップクラッチ(湿式クラッチ装置)2
2は、主に摩擦材24を貼付したピストン26とピスト
ンに対向する面を構成するフロントカバー14とからな
り、ピストン26下部のフランジ部28は、タービンハ
ブ30の軸受部32上に軸方向(前後方向:図の左右方
向)Xに摺動可能に取り付けられ、シール34によって
封止されている。
【0021】又、ピストン26の前後方向Xの両側には
第1油室36及び第2油室38が形成されており、この
両油室36、38の圧力差によってピストン26は前後
方向Xに移動する。第2油室38の圧力の方が高いと、
ピストン26は前進し、摩擦材24がフロントカバー1
4に接触し、摩擦係合力が発生する。これにより、エン
ジン(図示省略)のトルクがロックアップクラッチ22
を介してタービンハブ30に直接伝達されるトルク伝達
状態となる。
【0022】具体的にはこのとき、トルクはピストン2
6と係合したスプリングロケーション(伝達部材)40
を通じ、第1、第2ダンパスプリング42、43を介し
て保持カバー44へと伝達される。保持カバー44の内
周側はリベット46でタービンハブ30に固定されてお
り、タービンハブ30の内周側にはスプライン48が設
けられ、図示しない変速機構への入力軸に係合してい
る。タービンハブ30に伝達されたトルクは、ここから
前記変速機構へと出力される。
【0023】図1におけるII−II線に沿った拡大断面図
を図2に示す。図2において、ピストン26は係合部2
6aにおいて前述したスプリングロケーション40と連
結し、トルク伝達を行う。
【0024】本第1実施形態は、この係合部26a及び
スプリングロケーション40の形状を工夫し、補助圧力
発生手段を形成している。
【0025】比較のために、この部分の従来の形状を図
12に示す。なお、従来のトルクコンバータ全体の縦断
面図は図1と同様であるため、図1中の符号に′記号を
付けて引用する。従来は図12に示すように、係合部2
6a′は水平に形成されていた。従って、係合部26
a′はスプリングロケーション40′をエンジン回転方
向と同一の方向にのみ押し、これ以外の方向の力は発生
しない。その結果、ピストン26′をフロントカバー1
4′へ押し付ける押圧力Fs′は、第2油室38′と第
1油室36′との圧力差によってのみ発生される。
【0026】又、ピストン26′が有効に働くのは図1
において半径RiからRoの間の部分であるとすると、
ピストン26′の有効面積Sp′は、Sp′=π(Ro
2 −Ri2 )となる。このとき、圧力差をPs′とする
とピストン26′の押圧力Fs′は、油圧のみによる力
Fs′=Sp′×Ps′となる。従って、従来のロック
アップクラッチ22′の伝達トルク容量Tco′は、摩
擦材24′の摩擦係数をμ、摩擦面有効半径をRcとす
るとTco′=μ×Rc×Fs′となる。
【0027】これに対して、本実施形態では、図2に示
すように、係合部26aは水平ではなく所定角度θを有
しており、スプリングロケーション40はこれに合わせ
た形状をしている。このように、所定角度θの傾きが形
成された係合部26a及びスプリングロケーション40
により、ピストン26の摩擦係合力を補助する押圧力を
発生させる補助押圧力発生手段を構成し、これによって
ロックアップクラッチ22の伝達トルク容量を増大させ
る。これを以下に詳細に説明する。
【0028】係合部26aとスプリングロケーション4
0の間に働く力の様子を拡大して図3に示す。第1油室
36より第2油室38の油圧の方が大きい場合に、その
圧力差によってピストン26がフロントカバー14側へ
押圧され、摩擦材24がフロントカバー14に接触す
る。更にピストン26に押圧力(摩擦係合力)が加わる
と、完全にロックアップクラッチ22が係合し、ピスト
ン26がフロントカバー14と一体となってエンジンの
回転と同方向に回転する。図2に示す方向にエンジンが
回転すると、図3で、係合部26aはスプリングロケー
ション40をエンジン回転方向と同方向(図の上方向)
に力Faで押す。この力Faの大きさは、係合部26a
の半径を図1に示すようにRaとすると、上で述べた伝
達トルク容量Tco′を用いてFa=Tco′/Raと
表わせる。従って、図3において、右方向にFb=Fa
/tan θという力が働き、この反力としてFbの大きさ
の力でスプリングロケーション40が係合部26aを左
方向へ押すこととなり、ピストン26の押圧力Fsは、
上記油圧のみによる押圧力Fs′とこの反力Fbとの合
力となる。即ち、以下のような式で表わされる。
【0029】 Fs=Fs′+Fb=Fs′+Fa/tan θ =Fs′+(Tco′/Ra)/tan θ =Fs′+(μ×Rc×Fs′)/(Ra×tan θ) ={1+(μ×Rc)/(tan θ×Ra)}×Fs′
【0030】これより、本実施形態における伝達トルク
容量Tcは、次の式で表わされる。
【0031】 Tc=μ×Rc×Fs =μ×Rc×{1+(μ×Rc)/(tan θ×Ra)}×Fs′
【0032】従って、本実施形態によれば、(μ×R
c)/(tan θ×Ra)の分だけ伝達トルク容量が増大
する。即ち、本実施形態によれば、今までの装置構成を
ほとんど変えることなく一部分の小変更によって伝達ト
ルク容量を増大させることができる。
【0033】又、スプリングロケーション40の形状に
ついてはいろいろのものが考えられる。図2に示すよう
な形状の場合には、係合部26aと接する面が係合部2
6aの接触面と同じ所定角度θの傾斜をもっているた
め、接触時の面当たりがよくなる。又、例えば図4に示
すような従来と同様の形状のスプリングロケーション4
0aの場合には、従来と同様の簡易なプレス成形で製造
できる。あるいは図5に示すように、スプリングロケー
ション40bが係合部26aと接触する面を円弧状の曲
面にした場合には、確実に角度θを出せるという利点が
ある。スプリングロケーション40の形状はこれらに限
定されるものではなく、いろいろのものが考えられる。
更に、これらの形状を係合部26aの方に適用してもよ
い。いろいろな形状の組合せが有り得るが、いずれにし
ても、要はピストン26を前後方向Xに押す分力Fbを
発生させることができるようなものであればよい。
【0034】次に本発明の第2実施形態について説明す
る。
【0035】図6に第2実施形態に係るロックアップク
ラッチ付トルクコンバータの縦断面図を示す。
【0036】第2実施形態は、図1に示す第1実施形態
のロックアップクラッチ付トルクコンバータに対し反力
部材150を新たに設け、これとポンプカバー160と
で第2摩擦力発生手段を形成し、反力部材150をポン
プカバー160に押し付けて反力を発生するようにした
ものである。反力部材150は、プレート152に摩擦
材154を貼付して構成され、ピストン126と同一回
転し、軸方向Xには摺動可能である。又、反力部材15
0を設けたことに伴い、ピストン126及びスプリング
ロケーション140の形状も多少変更されているが、こ
れら以外の部材については第1実施形態と同じであり、
図6において、同様な部位に下2桁が図1と同じ符号を
付している。
【0037】ピストン126及びスプリングロケーショ
ン140の形状を明らかにするため、図6におけるVII
−VII 線に沿った拡大断面図を図7に示す。
【0038】第1実施形態と同様に、第1及び第2油室
136、138の圧力差によりロックアップクラッチ1
22が係合すると、ピストン126はフロントカバー1
14と一体となってエンジン回転方向と同方向に回転す
る。図7に示すように、係合部126aはスプリングロ
ケーション140をエンジン回転方向と同方向(図の上
方向)に力Faで押す。本実施形態では、スプリングロ
ケーション140が係合部126aに接する部分に所定
角θの傾斜が設けてあり、第1実施形態と同様にして軸
方向の分力Fbが発生する。ここまでの原理は第1実施
形態と同じであるが、本実施形態ではスプリングロケー
ション140がこの軸方向の分力Fbで反力部材150
を図の右方向へ押圧する。押圧された反力部材150は
フロントカバー114と一体のポンプカバー160に接
触し、摩擦材154により係合し、全て一体となって回
転する。即ち、反力部材150は反力Fbで摩擦材15
4を介して(フロントカバー114と一体の)ポンプカ
バー160と係合するため、先に述べたスプリングロケ
ーション140と係合部126aの間で生じる力Fbと
共にここでもこの反力F6によってピストン126の押
圧力を補助する力を得ることができる。従って、本実施
形態ではピストン126には圧力差による力Fsの他
に、2×Fbという補助力が作用する。
【0039】反力部材150の摩擦材154の有効摩擦
面半径をRc1とすると、(第1実施形態と同様、摩擦
材124の有効摩擦面半径はRc、摩擦係数はμ)この
場合の伝達トルク容量Tc1は次の式のように表わされ
る。
【0040】Tc1=μ×Rc×Fs+μ×Rc×Fb
+μ×Rc1×Fb
【0041】ここでRc=Rc1とすると、次の(1)
式のようになる。
【0042】 Tc1=μ×Rc×(Fs+2×Fb) =μ×Rc×{1+2×(μ×Rc)/(tan θ×Ra)}×Fs …(1)
【0043】従って、本実施形態においては、2×(μ
×Rc)/(tan θ×Ra)の分だけ伝達トルク容量が
増大する。
【0044】第1実施形態では、軸方向の分力Fsをス
プリングロケーション40のみで受けていたのである
が、上に述べたように本実施形態では反力部材150を
介して、ポンプカバー160で受けるようにしている。
その結果、スプリングロケーション140に作用する軸
方向力は平衡が取れるため、ダンパとしてのフリクショ
ンが減少し、こもり音が減少するという効果がある。
又、摩擦面が拡大したため、ロックアップクラッチ12
2の耐久性も向上する。
【0045】なお、スプリングロケーション140の形
状は、図7のものに限定されるものではなく、図8に示
すような左右対称形状のもの等、正のスラスト力を発生
させられるものであればよい。
【0046】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。
【0047】第3実施形態は、第2実施形態において、
スプリングロケーション140の形状を変え、又それに
合わせてピストン126及び反力部材150の形状を変
えて正転時と逆転時とで相違する押圧力を発生させるよ
うにしたものである。従って、第3実施形態のトルクコ
ンバータ装置全体を示す縦断面図は図6と同じである。
スプリングロケーション140等の形状を示す図7に対
応する断面図を図9に示す。
【0048】図9に示すように、本実施形態におけるス
プリングロケーション240は左右対称形をしており、
ピストン226の係合部226aと接する部分が所定角
θの傾斜面240aを有すると共に、反力部材250の
プレート252と接する部分は前記傾斜面240aと逆
の傾斜面240bを有している。又、各傾斜面240a
及び240bの反対側の面240a′及び240b′
は、それぞれ傾斜面240a及び240bに平行な面を
なしている。
【0049】図9において、エンジン駆動時(正転時)
において油圧(差圧)によって発生された力Fsにより
ピストン226がフロントカバー214と接触して該フ
ロントカバー214と一体的に回転すると、ピストン2
26の係合部226aがスプリングロケーション240
の傾斜面240aに当たり、前の実施形態と同様、図の
上方向に力Fa、右方向に力Fbが働き、スプリングロ
ケーション240は図で右方向へ移動する。フロントカ
バー214とポンプカバー260は一体的に回転してお
り、ピストン226と反力部材250のプレート252
も一体的に回転している。そのため(図のP1側にのみ
油圧による力Fsが働くが)補助力Fbの発生に関して
は、図のP1側とP2側はセンタ0を中心として全く対
称となる。
【0050】従って、スプリングロケーション240は
図に矢印で示すように、ピストン226に対し左へ、又
反力部材250に対して右へ、それぞれを外側へ押出す
ようにFbの大きさの力を及ぼす。その結果、摩擦材2
24の側は油圧によるFsに対しFb分だけ摩擦係合力
が増加する。又、摩擦材254の側には摩擦係合力Fb
が発生する。よって、第2実施形態のようにRc=Rc
1とすると、この場合の伝達トルク容量Tc2も第2実
施形態と同じ(1)式で表わされ、伝達トルク容量が増
大される。
【0051】次に、エンジンブレーキ時(逆転時)にお
いて、エンジンが被駆動状態となり、図10に矢印で示
すようにエンジンとピストン226との相対回転が逆に
なった場合には、全く逆のプロセスによりピストン22
6の係合部226aがスプリングロケーション240の
傾斜面240a′に当たり、又、プレート252の係合
部252aはスプリングロケーション240の傾斜面2
40b′に当たる。その結果フロントカバー214、ピ
ストン226、スプリングロケーション240が一体と
なって回転する。そのため、図に示すような2つの力F
bが発生する。
【0052】この場合には正転時とは逆の方向に力Fb
が作用するため、ピストン226及び反力部材250は
共に内側に引張られ、各摩擦材224、254の摩擦係
合力はそれぞれ力Fbの分だけ弱められる。よって、こ
の場合の伝達トルク容量Tc3は次の式で表わされるよ
うになる。
【0053】Tc3=μ×Rc×Fs×{1−(2×μ
×Rc)/(tan θ×Ra)}×Fs
【0054】即ち、(2×μ×Rc)/(tan θ×R
a)の分だけ伝達トルク容量は減少する。
【0055】このように、本実施形態によれば、正転時
には伝達トルク容量を増加させ、逆転時には伝達トルク
容量を減少させるように、相違する押圧力を発生させる
ことができる。従って、特にエンジンブレーキ時等にお
いては、クラッチを係合させる押圧力を小さくすること
ができ、ゲインが小さい(油圧の増減に対する摩擦係合
力の増減が小さい)ためクラッチ制御の精度が向上す
る。
【0056】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
部材を小変更するだけで湿式クラッチの伝達トルク容量
の増加を図ることができ、その結果、より小型化するこ
とが可能となり、車載性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るロックアップクラ
ッチ付トルクコンバータを示す縦断面図
【図2】図1のII−II線に沿った拡大断面図
【図3】係合部における力の働きを示す説明図
【図4】係合部とスプリングロケーションの形状を示す
説明図
【図5】同じく係合部とスプリングロケーションの形状
を示す説明図
【図6】本発明の第2実施形態に係るロックアップクラ
ッチ付トルクコンバータを示す縦断面図
【図7】図6におけるVII −VII 線に沿った拡大断面図
【図8】スプリングロケーションの他の形状を示す説明
【図9】本発明の第3実施形態に係るスプリングロケー
ションを示す図7に対応する拡大断面図
【図10】同じくエンジン逆転時の状態を示す図7に対
応する拡大断面図
【図11】従来のロックアップクラッチ付トルクコンバ
ータを示す縦断面図
【図12】従来の係合部及びスプリングロケーションの
形状を示す断面図
【符号の説明】
12、112…トルクコンバータ 14、114、214…フロントカバー 16、116…ポンプ 18、118…タービン 20、120…ステータ 22、122、222…ロックアップクラッチ 24、124、224…摩擦材 26、126、226…ピストン 36、136…第1油室 38、138…第2油室 40、140、240…スプリングロケーション 150、250…反力部材 160、260…ポンプカバー

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンが、該ピストンに対向する面に対
    して前後動可能に配置されると共に、前記ピストンを挟
    む前後方向両側に第1油室と第2油室が形成され、該第
    1、第2油室の圧力差によって前記ピストンが前後方向
    に移動して前記対向する面と接触し、該対向する面との
    間に摩擦係合力を発生させ得るように構成した湿式クラ
    ッチ装置において、 前記ピストンが、該ピストンと連結される伝達部材と係
    合部を介して連結され、かつ、前記ピストンの移動によ
    って摩擦係合力を補助する押圧力を発生させるように、
    該係合部においてピストン側部材と伝達部材とが、該ピ
    ストンに前後方向の分力がかかるような所定角度の傾き
    をもって接触する構成とされた補助押圧力発生手段を備
    えたことを特徴とする湿式クラッチ装置。
  2. 【請求項2】前記補助押圧力が発生したときに、その反
    力を受けて前記対向する面とは別の部位にて更に摩擦係
    合力を発生させ得る第2摩擦力発生手段を備えたことを
    特徴とする請求項1に記載の湿式クラッチ装置。
  3. 【請求項3】前記補助押圧力発生手段は、正転時と逆転
    時とで相違する補助押圧力を発生させることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の湿式クラッチ装置。
  4. 【請求項4】ピストンが、該ピストンに対向する面に対
    して前後動可能に配置されると共に、前記ピストンを挟
    む前後方向両側に第1油室と第2油室が形成され、該第
    1、第2油室の圧力差によって前記ピストンが前後方向
    に移動して前記対向する面と接触し、該対向する面との
    間に摩擦係合力を発生させ得るように構成した湿式クラ
    ッチ装置において、 前記ピストンの移動による摩擦係合力を補助する押圧力
    を発生させる補助押圧力発生手段を備えるとともに、前
    記補助押圧力が発生したときに、その反力を受けて前記
    対向する面とは別の部位にて更に摩擦係合力を発生させ
    得る第2摩擦力発生手段を備えたことを特徴とする湿式
    クラッチ装置。
  5. 【請求項5】前記補助押圧力発生手段は、正転時と逆転
    時とで相違する補助押圧力を発生させることを特徴とす
    る請求項4に記載の湿式クラッチ装置。
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