JP3438319B2 - 電気絶縁材料 - Google Patents

電気絶縁材料

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JP3438319B2 JP10876494A JP10876494A JP3438319B2 JP 3438319 B2 JP3438319 B2 JP 3438319B2 JP 10876494 A JP10876494 A JP 10876494A JP 10876494 A JP10876494 A JP 10876494A JP 3438319 B2 JP3438319 B2 JP 3438319B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気特性、金属との
接着性等に優れ、特に低誘電率を示す電気絶縁材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】紙や材木のような天然の有機材料及び化
学合成されたプラスチックを初めとするほとんど全ての
有機材料は、優れた絶縁材料として知られているばかり
でなく、加工性や有機溶剤に対する溶解性等の点から電
気部品等の絶縁材料として使用されている。これらの有
機材料は無機材料に比べ軽量で、加工性や成形性の点で
優れており、特殊な分野を除いたほとんどの分野におい
て絶縁材料として利用されている。
【0003】一般に電気絶縁材料は、絶縁性(絶縁抵
抗)、絶縁破壊強度、耐熱性に優れ、誘電率の低い材料
であるのが望ましく、例えば、プリント配線基板等にお
いて誘電率が低いと、誘電損失及び電気抵抗による発熱
が少ないため、電送損失及びエネルギーロスが少なくな
る。更に信号の誤動作も少なくなるので、高周波通信分
野においては、電送損失の低下が強く求められている。
また、電気部品の高度集積化にともなって、単位当たり
の発熱量が増加してくるために、電気絶縁材料の熱的性
質、耐熱性の向上が強く求められている。
【0004】このような電気絶縁性、低誘電性、耐熱性
等の電気特性を有する材料として、通常ポリオレフィ
ン、塩素化塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポ
キシ樹脂等の熱硬化性樹脂が種々提案されている。例え
ば電気絶縁材料として、特開平4−55447号公報に
は酸変性のポリエチレンが、また特開平4−18562
8号公報にはエポキシ樹脂がそれぞれ開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリオ
レフィンは、電気特性として特に絶縁性が優れている
が、金属との接着性が低い等の欠点があり、塩化ビニル
樹脂は、絶縁抵抗が高く、耐薬品性及び難燃性に優れて
いるが、耐熱性が低く、誘電率が低いために、誘電損失
が大きいという欠点がある。また、フッ素系樹脂は電気
絶縁性、耐熱性に優れ、電気絶縁材料としては優れた性
質を有しているが、材料が非常に高価なため汎用性には
適さず、更に塗膜性能がほとんどないため薄膜化が困難
であり、熱加工性がほとんどない等の欠点があるため使
用範囲が限られている。一方、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
は、電気特性や耐熱性に問題はないが、薄膜形成能に乏
しい等の欠点がある。
【0006】この発明は上記従来の問題に着目してなさ
れたものである。その目的とするところは、低誘電率等
の電気特性を有し、かつ優れた金属等との接着性、加工
性及び薄膜形成能を備えた電気絶縁材料を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
研究を重ねた結果、特定の多相構造を示す熱可塑性樹脂
が低誘電率の電気特性を有し、かつ優れた金属との接着
性を有するということを見い出し、この発明を完成させ
るに至った。
【0008】すなわち、第1の発明のプリント配線基板
用の電気絶縁材料は、非極性α−オレフィン系重合体セ
グメントとビニル系重合体セグメントとが化学的に結合
した共重合体であって、一方のセグメントにより形成さ
れた分散相が他方のセグメントにより形成された連続相
中に微細に分散している多相構造を示す熱可塑性樹脂か
らなるものである。第2の発明のプリント配線基板用の
電気絶縁材料は、第1の発明において、非極性α−オレ
フィン系重合体セグメントは、非極性α−オレフィン単
量体の単独重合体または2種類以上の非極性α−オレフ
ィン単量体の共重合体であり、ビニル系重合体セグメン
トは、ビニル芳香族単量体、(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体、シアン化ビニル単量体およびビニルエステル
単量体の1種又は2種以上を重合して得られた重合体又
は共重合体であり、かつ多相構造は一方のセグメントに
より形成された分散相が他方のセグメントにより形成さ
れた連続相中に0.001〜10μmの粒子径で微細に
分散しているものである。第3の発明のプリント配線基
板用の電気絶縁材料は、第2の発明において、非極性α
−オレフィン単量体は、エチレン、プロピレン、ブテン
−1または4−メチルペンテン−1であるものである。
第4の発明のプリント配線基板用の電気絶縁材料は、第
1から第3のいずれかの発明において、共重合体は、非
極性α−オレフィン系重合体100重量部を水に懸濁せ
しめ、別にビニル単量体5〜400重量部に、ラジカル
重合性有機過酸化物を該ビニル単量体100重量部に対
して0.1〜10重量部と、10時間の半減期を得るた
めの分解温度が40〜90℃であるラジカル重合開始剤
をビニル単量体とラジカル重合性有機過酸化物との合計
100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶解せし
めた溶液を加え、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に
起こらない条件で加熱し、ビニル単量体、ラジカル重合
性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤をオレフィン
系重合体に含浸せしめ、この水性懸濁液の温度を上昇せ
しめ、ビニル単量体とラジカル重合性有機過酸化物とを
非極性α−オレフィン共重合体中で共重合せしめて、グ
ラフト化前駆体を得、そのグラフト化前駆体を100〜
300℃の溶融下、混練することにより得られたもので
ある。
【0009】以下に、この発明について詳細に説明す
る。この発明で用いる特定の多相構造を示す熱可塑性樹
脂中のセグメントの一つである非極性α−オレフィン系
重合体は、主として電気絶縁材料の誘電率を低下させ
て、電気絶縁性を向上させるものである。この非極性α
−オレフィン系重合体としては、高圧ラジカル重合、中
低圧イオン重合等で得られる非極性α−オレフィン単量
体の単独重合体または2種類以上の非極性α−オレフィ
ン単量体の共重合体、および非極性α−オレフィン単量
体と極性ビニル系単量体との共重合体が挙げられる。こ
の重合体を形成するための非極性α−オレフィン単量体
としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1類が挙
げられる。これらのなかでもエチレン、プロピレン、ブ
テン−1、4−メチルペンテン−1が、得られる非極性
α−オレフィン系重合体の誘電率が低く、耐熱性に優れ
ているため好ましい。
【0010】上記非極性α−オレフィン重合体の具体例
としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレ
ン、超超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低
分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリ4−メチルペンテン等が挙げられる。また、こ
れらの非極性α−オレフィン重合体は、混合して使用す
ることもできる。
【0011】非極性α−オレフィン単量体と極性ビニル
系単量体とからなる共重合体における極性ビニル単量体
とは、非極性α−オレフィン単量体と共重合可能で極性
を有するビニル基をもった単量体をいう。この極性ビニ
ル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタ
コン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,
3−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カルボン酸および
その金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カ
ルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニル等の
ビニルエステル類、アクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の
不飽和グリシジル基含有単量体等が挙げられる。
【0012】非極性α−オレフィン単量体と極性ビニル
単量体とからなる共重合体の具体例としては、エチレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共
重合体、エチレン−アクリル酸エチル、エチレン−アク
リル酸イソプロピル共重合体、エチレン−アクリル酸n
−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共
重合体、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソプロピル共
重合体、エチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体、
エチレン−メタクリル酸イソブチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン
酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル
酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタク
リル酸グリシジル共重合体、エチレン−メタクリル酸グ
リシジル共重合体等が挙げられる。
【0013】これらの非極性α−オレフィンと極性ビニ
ル系単量体とからなる共重合体は、混合して使用するこ
ともできる。また、非極性α−オレフィン重合体と、非
極性α−オレフィンと極性ビニル系単量体とからなる共
重合体とを混合して使用することもできる。このうち耐
熱性と誘電率の観点から非極性αーオレフィン単量体の
単独重合体または2種類以上の非極性αーオレフィン単
量体の共重合体が好ましく、特にポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテンが好ましい。
【0014】この発明の特定の多相構造を示す熱可塑性
樹脂中のセグメントの一つであるビニル系重合体とは、
金属等の基材との接着性または密着性を発揮させるもの
であり、具体的には、スチレン、核置換スチレン例えば
メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、
イソプロピルスチレン、クロルスチレン、α−置換スチ
レン例えばα−メチルスチレン、α−エチルスチレン等
のビニル芳香族単量体、アクリル酸もしくはメタクリル
酸、アクリル酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜7の
アルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸のメチ
ル−、エチル−、プロピル−、イソプロピル−、ブチル
−、グリシジル−、2−ヒドロキシプロピル−等の(メ
タ)アクリル酸エステル単量体、アクリロニトリルもし
くはメタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル単量
体、アクリルアミド、メタクリルアミド等の(メタ)ア
クリルアミド単量体、無水マレイン酸、フェニルマレイ
ミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、マ
レイン酸のモノ−、ジ−エステル等のビニル単量体の1
種又は2種以上を重合して得られた重合体又は共重合体
をいう。これらの重合体を形成する単量体の中でも成形
性の観点から特に、ビニル芳香族単量体、(メタ)アク
リル酸エステル単量体、シアン化ビニル単量体およびビ
ニルエステル単量体が好ましく使用される。
【0015】この発明の特定の多相構造を示す熱可塑性
樹脂は、オレフィン系重合体セグメントの含有量が5〜
95重量%、好ましくは40〜90重量%、最も好まし
くは55〜80重量%からなるものである。従って、ビ
ニル系重合体セグメントの含有量は95〜5重量%、好
ましくは60〜10重量%、最も好ましくは45〜20
重量%である。オレフィン系重合体セグメントが5重量
%未満であると、誘電率が高く好ましくない。また、オ
レフィン系重合体セグメントが95重量%を超えると、
金属との接着性が低く好ましくない。
【0016】この発明でいう特定の多相構造を示す熱可
塑性樹脂とは、オレフィン系重合体またはビニル系重合
体マトリックス中に、それとは異なる成分であるビニル
系重合体またはオレフィン系重合体が均一に分散してい
るものをいう。分散している重合体の粒子径は0.00
1〜10μm、好ましくは0.01〜5μm、最も好ま
しくは0.01〜1μmである。分散樹脂の粒子径が
0.001μm未満の場合金属との接着性が悪く、また
分散樹脂の粒子径が10μmを越えると誘電率が高くな
り好ましくない。
【0017】この発明の特定の多相構造を示す熱可塑性
樹脂中のセグメントの一つであるビニル系重合体の数平
均重合度は5〜10000、好ましくは10〜500
0、最も好ましくは50〜1000である。数平均重合
度が5未満であると、耐熱性が低下するため好ましくな
い。また、数平均重合度が10000を超えると、溶融
粘度が高く、成形性が低下するために好ましくない。
【0018】オレフィン系重合体セグメントとビニル系
重合体セグメントとが化学的に結合した構造の共重合体
としては、具体的にはブロック共重合体やグラフト共重
合体を例示することができる。これらのなかでも、グラ
フト共重合体は誘電率が低いため特に好ましい。
【0019】この発明の特定の多相構造を示す熱可塑性
樹脂を製造する方法は、グラフト化法として一般によく
知られている連鎖移動法、電離性放射線照射法等いずれ
の方法であってもよいが、最も好ましいのは、下記に示
す方法によるものである。なぜなら、グラフト効率が高
く、熱による二次的凝集が起こらないため、性能の発現
がより効果的であり、また製造方法が簡便であるためで
ある。
【0020】以下、この発明の特定の多相構造を示す熱
可塑性樹脂であるグラフト共重合体の製造方法の例を具
体的に詳述する。すなわち、オレフィン系重合体100
重量部を水に懸濁せしめ、別に少なくとも1種のビニル
単量体5〜400重量部に、下記一般式化1または一般
式化2で表されるラジカル重合性有機過酸化物の1種ま
たは2種以上の混合物を該ビニル単量体100重量部に
対して0.1〜10重量部と、10時間の半減期を得る
ための分解温度が40〜90℃であるラジカル重合開始
剤をビニル単量体とラジカル重合性有機過酸化物との合
計100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶解せ
しめた溶液を加える。次いで、ラジカル重合開始剤の分
解が実質的に起こらない条件で加熱し、ビニル単量体、
ラジカル重合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤
をオレフィン系重合体に含浸せしめ、この水性懸濁液の
温度を上昇せしめ、ビニル単量体とラジカル重合性有機
過酸化物とをオレフィン共重合体中で共重合せしめて、
グラフト化前駆体を得る。
【0021】次いで、グラフト化前駆体を100〜30
0℃の溶融下、混練することにより、この発明のグラフ
ト共重合体を得ることができる。このとき、グラフト化
前駆体に、別にオレフィン系重合体またはビニル系重合
体を混合し、溶融下に混練してもグラフト共重合体を得
ることができる。最も好ましいのはグラフト化前駆体を
混練して得られたグラフト共重合体である。
【0022】
【化1】
【0023】式中、R1 は水素原子または炭素数1〜2
のアルキル基、R2 は水素原子またはメチル基、R3
よびR4 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5
炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置
換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基
を示す。mは1または2である。
【0024】
【化2】
【0025】式中、R6 は水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基、R7 は水素原子またはメチル基、R8
よびR9 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10
炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置
換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基
を示す。nは0、1または2である。
【0026】一般式化1で表されるラジカル重合性有機
過酸化物として、具体的には、t−ブチルペルオキシア
クリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−アミルペルオ
キシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキシ
ルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;
1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシアクリ
ロイロキシエチルカ−ボネ−ト;クミルペルオキシアク
リロイロキシエチルカ−ボネ−ト;p−イソプロピルク
ミルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;
t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボ
ネ−ト;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメ
チルブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボ
ネ−ト;クミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ
−ボネ−ト;p−イソプロピルクミルペルオキシメタク
リロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキ
シメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−アミル
ペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−
ト;t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキシ
エチルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメチルブ
チルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボ
ネ−ト;クミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエ
チルカ−ボネ−ト;p−イソプロピルクミルペルオキシ
アクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブ
チルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカ−
ボネ−ト;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエ
トキシエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメ
タクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;1,
1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;クミルペルオキ
シメタクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;p
−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシエ
トキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシアク
リロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−アミルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;
t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメチルブチルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;
クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボ
ネ−ト;p−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイ
ロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキ
シメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−
アミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−
ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシ
イソプロピルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメ
チルブチルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト;クミルペルオキシメタクリロイロキシイ
ソプロピルカ−ボネ−ト;p−イソプロピルクミルペル
オキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト等
を例示することができる。
【0027】さらに、一般式化2で表されるラジカル重
合性有機過酸化物としては、t−ブチルペルオキシアリ
ルカ−ボネ−ト;t−アミルペルオキシアリルカ−ボネ
−ト;t−ヘキシルペルオキシアリルカ−ボネ−ト;
1、1、3、3−テトラメチルブチルペルオキシアリル
カ−ボネ−ト;p−メンタンペルオキシアリルカ−ボネ
−ト;クミルペルオキシアリルカ−ボネ−ト;t−ブチ
ルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト;t−アミルペルオ
キシメタリルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメ
タリルカ−ボネ−ト;1、1、3、3−テトラメチルブ
チルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト;p−メンタンペ
ルオキシメタリルカ−ボネ−ト;クミルペルオキシメタ
リルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシアリロキシエ
チルカ−ボネ−ト;t−アミルペルオキシアリロキシエ
チルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシアリロキシ
エチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシメタリロキ
シエチルカ−ボネ−ト;t−アミルペルキシメタリロキ
シエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタリ
ロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシアリ
ロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−アミルペルオキ
シアリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−ヘキシル
ペルオキシアリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−
ブチルペルオキシメタリロキシイソプロピルカ−ボネ−
ト;t−アミルペルオキシメタリロキシイソプロピルカ
−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタリロキシイソ
プロピルカ−ボネ−ト等を例示することができる。
【0028】中でも過酸化物の機能等の点から、好まし
くはt−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−
ボネ−ト;t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエ
チルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシアリルカ−ボ
ネ−ト;t−ブチルペルオキシメタリルカ−ボネ−トで
ある。
【0029】一方、この発明の特定の多相構造を示す熱
可塑性樹脂であるブロック共重合体とは、少なくとも1
つのビニル芳香族単量体の重合体と、少なくとも1つの
共役ジエンの重合体とを含むブロック共重合体を挙げる
ことができる。このブロック共重合体は、直鎖型であっ
ても、ラジアル型即ちハードセグメントとソフトセグメ
ントが放射線状に結合したものであってもよい。また、
共役ジエンを含む重合体が少量のビニル芳香族単量体と
のランダム共重合体であってもよく、いわゆるテーパー
型ブロック共重合体即ち1つのブロック内でビニル芳香
族単量体が漸増するものであってもよい。
【0030】ブロック共重合体の構造については特に制
限はなく、(A−B)n 型、(A−B)n −A型または
(A、B)n −C型のいずれであってもよい。式中、A
はビニル芳香族の単量体の重合体、Bは共役ジエンの重
合体、Cはカップリング剤残基、nは1以上の正数を示
す。なお、このブロック共重合体において、共役ジエン
部分が水素添加されたブロック共重合体を使用すること
も可能である。
【0031】この発明の電気絶縁材料は、前記樹脂材料
を熱プレス等により例えば薄膜等の所望形状に成形する
方法等により得ることができる。その他電気絶縁材料
は、剪断力のある、例えばロ−ルミキサ−、バンバリ−
ミキサ−、ニ−ダ−、単軸あるいは二軸の押出成型機等
で、他の熱可塑性樹脂と溶融混合し、所望形状に成形す
る方法等によっても得ることができる。前記他の熱可塑
性樹脂としては、例えばABS系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、
ポリアリーレンサルファイド系樹脂、ポリアリレート系
樹脂等を挙げることができる。前記他の熱可塑性樹脂を
使用する場合の配合割合は、前記特定の多相構造を示す
熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜100重量部
が好ましく、特に5〜40重量部が好ましい。
【0032】
【作用】一般に、非極性α−オレフィン系重合体は低誘
電率で電気絶縁材料として好適であるが、金属などの基
材に対する接着性が劣る。一方、ビニル系共重合体は金
属等との接着性に優れているが、誘電率が高い。この発
明の電気絶縁材料では、非極性α−オレフィン系重合体
セグメントとビニル系重合体セグメントとを化学的に結
合した共重合体を用いているため、誘電率を低くするこ
とができるとともに、金属等との優れた接着性もバラン
ス良く発揮することができる。
【0033】しかも、この発明においては、上記共重合
体は、一方のセグメントにより形成された分散相が他方
のセグメントにより形成された連続相中に微細に分散し
ている多相構造を示す熱可塑性樹脂からなっている。従
って、連続相が非極性α−オレフィン系重合体セグメン
トよりなり、分散相がビニル系重合体セグメントよりな
る場合、連続相によって誘電率を効率的に低下させるこ
とができると同時に、分散相によって金属等との接着性
を発揮させることができる。また、相が逆の場合でも、
同様の機能を発現させることができる。
【0034】ちなみに、この発明の電気絶縁材料は低誘
電率であるため、優れた高周波特性を発揮させることが
できる。
【0035】
【実施例】以下に、実施例及び比較例をあげてこの発明
をさらに具体的に説明する。 (実施例1)容積5リットルのステンレス製オ−トクレ
−ブに、純水2500gを入れ、さらに懸濁剤としてポ
リビニルアルコ−ル2.5gを溶解させた。この中にオ
レフィン系重合体としてポリプロピレン「日石ポリプロ
J150G」(商品名、日本石油化学(株)製)700
gを入れ、攪拌・分散した。別に、ラジカル重合開始剤
としてのベンゾイルペルオキシド「ナイパ−B」(商品
名、日本油脂(株)製)1.5g、ラジカル重合性有機
過酸化物としてt−ブチルペルオキシメタクリロイロキ
シエチルカ−ボネ−ト6gをビニル単量体としてのスチ
レン300gに溶解させ、この溶液を前記オ−トクレ−
ブ中に投入・攪拌した。
【0036】次に、オ−トクレ−ブを60〜65℃に昇
温し、2時間攪拌することによりラジカル重合開始剤及
びラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体をポ
リプロピレン中に含浸させた。次いで、温度を80〜8
5℃に上げ、その温度で7時間維持して重合を完結さ
せ、水洗及び乾燥してグラフト化前駆体(a)を得た。
このグラフト化前駆体(a)中のスチレン重合体を酢酸
エチルで抽出し、GPCにより数平均重合度を測定した
ところ、850であった。
【0037】次いで、このグラフト化前駆体(a)をラ
ボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)
で200℃にて押し出し、グラフト化反応させることに
よりグラフト共重合体(A)を得た。
【0038】このグラフト共重合体(A)を走査型電子
顕微鏡「JEOL JSM T300」(日本電子
(株)製)により観察したところ、粒子径0.3〜0.
5μmの真球状樹脂が均一に分散した多相構造体であっ
た。
【0039】なお、このときスチレン重合体のグラフト
効率は50.1重量%であった。得られた熱可塑性樹脂
(A)を熱プレス成型機(上島機械(株)製)により熱
プレス成形して10cm×10cm×0.1cmの電気絶縁材
料試験片を作製した。得られた試験片を用いて以下の測
定を行い、体積抵抗率、絶縁破壊強さ、誘電率及び金属
との接着性の評価を行った。試験法を以下に示す。
【0040】絶縁抵抗試験(体積抵抗率);JIS K
6911(試験電圧 500V) 絶縁破壊試験(絶縁破壊強さ);JIS C 2110 誘電率試験;JIS L 1094 B法に準拠 金属との接着性;試験片にアルミニウムを真空蒸着した
後、布で軽くこすった際の薄膜の接着性を調べた。
【0041】各試験の結果を表1に示す。なお、表1中
の誘電率は、(誘電体としての試験片の静電容量/真空
の場合の静電容量)を表す。また、金属との接着性は、
○が良好、△が一部剥離、×が全面剥離であることを表
す。 (実施例2)実施例1において、ビニル単量体としての
スチレン単量体300gをスチレン単量体210g、ア
クリロニトリル単量体90gとの混合単量体に、またベ
ンゾイルペルオキシド1.5gをジ−3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルペルオキシド「パ−ロイル355」
(商品名、日本油脂(株)製)3gに変更し、分子量調
整剤としてα−メチルスチレンダイマ−「ノフマ−MS
D」(商品名、日本油脂(株)製)0.3gを使用した
以外は、実施例1を繰り返してグラフト化前駆体(b)
およびグラフト共重合体(B)を得、各評価を行った。
結果を表1に示す。
【0042】なお、このときグラフト共重合体(B)中
のスチレン−アクリロニトリル共重合体の数平均重合度
は1200、グラフト効率は43.8%であった。ま
た、このグラフト共重合体(B)中に分散している樹脂
の平均粒子径は0.3〜0.5μmであった。 (実施例3)実施例1において、ビニル単量体としての
スチレン単量体300gをスチレン単量体210g、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル単量体90gとの混合
単量体に変更した以外は、実施例1を繰り返してグラフ
ト共重合体(C)を得、各評価を行った。その結果を表
1に示す。
【0043】なお、このときグラフト共重合体(C)中
のスチレン−メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合
体の数平均重合度は1000、グラフト効率は50.8
%であった。またこのグラフト共重合体(C)中に分散
している樹脂の平均粒子径は0.3〜0.5μmであっ
た。 (実施例4)実施例1において、ビニル単量体としての
スチレン単量体をメタクリル酸メチル単量体に変更し、
分子量調整剤として1−ドデカンチオ−ル1.5gを使
用した以外は、実施例1を繰り返してグラフト共重合体
(D)を得、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】なお、このときグラフト共重合体(D)中
のメタクリル酸メチル重合体の数平均重合度は700、
グラフト効率は55.9%であった。また、このグラフ
ト共重合体(D)中に分散している樹脂の平均粒子径は
0.3〜0.5μmであった。 (実施例5)実施例2で得たグラフト化前駆体(b)を
60gと、ポリプロピレン「日石ポリプロG150G」
(商品名、日本石油化学(株)製)20g、およびスチ
レン−アクリロニトリル共重合体「サンレックスSAN
−C」(商品名、三菱化成(株)製)20gとをドライ
ブレンドした後、ラボプラストミル一軸押出機で200
℃にて押し出し、グラフト共重合体(E)を得、各評価
を行った。結果を表1に示す。
【0045】なお、このときグラフト共重合体中のスチ
レン−アクリロニトリル共重合体のグラフト効率は3
6.4%であった。このグラフト共重合体(E)中に分
散している樹脂の平均粒子径は0.4〜0.6μmであ
った。 (実施例6)実施例1において、ポリプロピレンをポリ
エチレン「レクスロンW3300」(商品名、日本石油
化学(株)製)に変更した以外は実施例1を繰り返して
グラフト共重合体(F)を得、各評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0046】なお、このときグラフト共重合体(F)中
のスチレン重合体の数平均重合度は900、グラフト効
率は64.3%であった。また、グラフト共重合体
(F)中に分散している樹脂の平均粒子径は0.3〜
0.4μmであった。 (実施例7)実施例1において、ポリプロピレンをエチ
レン−アクリル酸エチル共重合体「レクスロンEEA
A4200」(商品名、日本石油化学(株)製)に変更
した以外は実施例1を繰り返してグラフト共重合体
(G)を得、各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0047】なお、このときグラフト共重合体(G)中
のスチレン重合体の数平均重合度は800、グラフト効
率は68.4%であった。また、グラフト共重合体
(G)中に分散している樹脂の平均粒子径は0.3〜
0.4μmであった。 (実施例8)ブロック共重合体(H)「クレイトンG1
650」(商品名、シェルジャパン(株)製)を用いて
実施例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。 (比較例1〜4)ポリプロピレン(I)「日石ポリプロ
J150G」(商品名、日本石油化学(株)製)、ポリ
エチレン(J)「レクスロンW3300」(商品名、日
本石油化学(株)製)、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体(K)「レクスロンEEAA4200」(商品
名、日本石油化学(株)製)、スチレン−アクリロニト
リル共重合体(L)「サンレックスSAN−C」(商品
名、三菱化成(株)製)を用いて実施例1と同じ評価を
行った。それらの結果を表1に示す。 (比較例5)ポリプロピレン「日石ポリプロJ150
G」(商品名、日本石油化学(株)製)700gとスチ
レン−アクリロニトリル共重合体「サンレックスSAN
−C」(商品名、三菱化成(株)製)500gとをラボ
プラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で
200℃にて押し出し、ブレンド体(M)を得、各評価
を行った。結果を表1に示す。
【0048】なお、このときブレンド体(M)中のスチ
レン−アクリロニトリル共重合体のグラフト効率は0.
1%以下であった。また、このブレンド体(M)中に分
散している樹脂の平均粒子径は15μmであった。 (比較例6)ポリエチレン「レクスロンW3300」
(商品名、日本石油化学(株)製)950g、無水マレ
イン酸50gおよびジクミルペルオキシド「パークミル
D」(商品名、日本油脂(株)製)5gをドライブレン
ドした後、ラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精
機製作所製)で200℃にて押し出し、酸変性ポリエチ
レン(N)を得、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0049】なお、このとき酸変性ポリエチレン(N)
中に分散している樹脂を確認することはできなかった。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果より、実施例1〜8に示した特
定の多相構造を示す熱可塑性樹脂よりなる電気絶縁材料
は、誘電率が低く、かつ金属との接着性に優れているこ
とがわかる。しかも、体積固有抵抗率や絶縁破壊強さは
所要値に維持される。例えば、非極性α−オレフィン系
重合体とビニル系重合体とのグラフト共重合体を用いた
場合(実施例1又は2)と非極性α−オレフィン系重合
体のみを用いた場合(比較例1)とを比較すると、実施
例1又は2では電気特性を保持しつつ、金属との接着性
が向上する。また、上記グラフト共重合体を用いた場合
(実施例2)とビニル系重合体を用いた場合(比較例
4)とを比較すると、実施例2では金属との接着性を維
持しながら誘電率を低下させることができる。
【0052】加えて、実施例1〜8の場合、エポキシ樹
脂などの熱硬化性樹脂を使用せず、非極性α−オレフィ
ン系重合体などの熱可塑性樹脂を使用しているため、加
工性や薄膜形成能は優れている。
【0053】なお、前記実施態様より把握される請求項
以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記
載する。 (1)非極性α−オレフィン系重合体セグメントの含有
量が55〜80重量%でビニル系重合体セグメントの含
有量が45〜20重量%である請求項1に記載の電気絶
縁材料。この構成により、電気絶縁材料の誘電率の低下
と、金属との接着性の向上とをバランス良く達成するこ
とができる。 (2)多相構造を示す熱可塑性樹脂が非極性α−オレフ
ィン系重合体セグメントとビニル系重合体セグメントと
のグラフト共重合体である請求項1に記載の電気絶縁材
料。この構成により、電気絶縁材料の誘電率を効果的に
低下させることができる。 (3)連続相中に分散している分散樹脂の粒子径が0.
01〜1μmである請求項1に記載の電気絶縁材料。こ
の構成によって、電気絶縁材料の誘電率の低下と金属等
に対する接着性の向上をバランス良く達成することがで
きる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、第1の発明の電気
絶縁材料は、低誘電率等の優れた電気特性を有し、かつ
金属等との優れた接着性、加工性及び薄膜形成能を備え
ているという効果を奏する。従って、第1の発明の電気
絶縁材料は、プリント配線基板やコンピュ−タ部品等の
特に電気絶縁性や機械的物性が要求される用途に有用で
ある。第2の発明の電気絶縁材料によれば、第1の発明
の効果を高めることができる。第3の発明の電気絶縁材
料によれば、第2の発明の効果に加え、誘電率を低く、
また耐熱性を向上させることができる。第4の発明の電
気絶縁材料によれば、第3の発明の効果に加え、性能の
発現がより効果的であり、また共重合体の製造方法が簡
便である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 255/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非極性α−オレフィン系重合体セグメン
    トとビニル系重合体セグメントとが化学的に結合した共
    重合体であって、一方のセグメントにより形成された分
    散相が他方のセグメントにより形成された連続相中に微
    細に分散している多相構造を示す熱可塑性樹脂からなる
    プリント配線基板用の電気絶縁材料。
  2. 【請求項2】 非極性α−オレフィン系重合体セグメン
    トは、非極性α−オレフィン単量体の単独重合体または
    2種類以上の非極性α−オレフィン単量体の共重合体で
    あり、ビニル系重合体セグメントは、ビニル芳香族単量
    体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、シアン化ビニ
    ル単量体およびビニルエステル単量体の1種又は2種以
    上を重合して得られた重合体又は共重合体であり、かつ
    多相構造は一方のセグメントにより形成された分散相が
    他方のセグメントにより形成された連続相中に0.00
    1〜10μmの粒子径で微細に分散しているものである
    請求項1に記載のプリント配線基板用の電気絶縁材料。
  3. 【請求項3】 非極性α−オレフィン単量体は、エチレ
    ン、プロピレン、ブテン−1または4−メチルペンテン
    −1である請求項2に記載のプリント配線基板用の電気
    絶縁材料。
  4. 【請求項4】 共重合体は、非極性α−オレフィン系重
    合体100重量部を水に懸濁せしめ、別にビニル単量体
    5〜400重量部に、ラジカル重合性有機過酸化物を該
    ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部
    と、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜9
    0℃であるラジカル重合開始剤をビニル単量体とラジカ
    ル重合性有機過酸化物との合計100重量部に対して
    0.01〜5重量部とを溶解せしめた溶液を加え、ラジ
    カル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱
    し、ビニル単量体、ラジカル重合性有機過酸化物および
    ラジカル重合開始剤をオレフィン系重合体に含浸せし
    め、この水性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体
    とラジカル重合性有機過酸化物とを非極性α−オレフィ
    ン共重合体中で共重合せしめて、グラフト化前駆体を
    得、そのグラフト化前駆体を100〜300℃の溶融
    下、混練することにより得られたものである請求項1か
    ら請求項3のいずれか一項に記載のプリント配線基板用
    電気絶縁材料。
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