JP3438286B2 - ボールねじ装置及びこれを備えたテーブル駆動装置 - Google Patents

ボールねじ装置及びこれを備えたテーブル駆動装置

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JP3438286B2
JP3438286B2 JP00377394A JP377394A JP3438286B2 JP 3438286 B2 JP3438286 B2 JP 3438286B2 JP 00377394 A JP00377394 A JP 00377394A JP 377394 A JP377394 A JP 377394A JP 3438286 B2 JP3438286 B2 JP 3438286B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、長ストロークの作動
が必要でかつ高速作動が要求される半導体のチップマウ
ンタや木工機械等の移送装置に用いられるボールねじ装
置及びテーブル駆動装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】上述のような長ストロークかつ高速作動
が要求されるテーブル等の送り装置としては、油圧シリ
ンダ装置を利用することが考えられる。しかし、油圧シ
リンダ装置では油圧ユニットが必要であり、構造がコン
パクトにならず、また移送精度がそれほど良くない等の
問題がある。
【0003】このため一般にボールねじ装置が使用され
る。ボールねじ装置はコンパクトで移送精度も良好であ
るばかりでなく、摩擦とか発熱等の問題も少ない利点が
ある。そして、このような用途では高速作動のため特に
大リードのボールねじが使用され、ねじ軸を回転させる
ことによってナットを固定した移動テーブルを高速に移
動させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ボール
ねじ装置は、ねじ軸の支持スパンがボールナットの移動
に伴って変化する。すなわち、ねじ軸に対するボールナ
ットの位置によりねじ軸の固有振動数が変わることとな
り、これに応じて危険速度が変化する。長ストロークの
場合は支持スパンが長いため、ねじ軸の危険速度が低い
回転域になり、ねじ軸を高速回転させるとねじ軸の危険
速度を越えた回転となってしまう。危険速度付近の回転
ではねじ軸が共振して大きな振動が発生し作動が不安定
となり、その振動状態が続くとボールねじ装置が損傷し
てしまうような事故も生じるという問題がある。
【0005】このようなねじ軸の振動を避けるため、ね
じ軸を固定し、ボールナットの方を回転させることによ
って移動テーブルを移動させるテーブル駆動装置も提案
されている。しかし、ボールナットを回転させるボール
ねじ装置の場合でも、ねじ軸の支持スパンは長いままで
あるから、ねじ軸の固有振動数自体は低いままであり、
ボールナットの回転によってねじ軸に加わる微小振動の
振動数が危険速度域となる場合には、ねじ軸回転方式の
場合のような偏心質量による振れ回りは生じないにして
も、共振現象が生じて大きな振動が発生してしまうとい
う問題があった。
【0006】このように、ねじ軸に加わるボールナット
の振動は小さいものであっても、共振現象が生じる振動
ではねじ軸に大きな振動を生じさせる。そのため、ボー
ルねじ装置を使用したテーブル駆動装置ではねじ軸の危
険速度より低い回転数で使用することが一般的であり、
大リードボールねじ装置を用いても自ずから律速されて
移送速度はあまり高速とすることができなかった。
【0007】なお、高速化のため大リードボールねじ装
置のねじリードをあまり大きくすると、モータの駆動力
を大きくしなければならないので、移動テーブルの慣性
が増加してしまい、テーブル停止位置精度が確保しにく
くなるという問題もある。そこで、この発明は、上記従
来の問題点に着目してなされたものであり、ねじ軸に伝
わるボールナットの振動を大幅に減衰させることにより
ねじ軸の共振を防止した長ストロークでかつ高速作動の
可能なボールねじ装置及びこれを備えたテーブル駆動装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明のボールねじ装
置は、外周面にボールねじ溝を有する長尺のねじ軸と、
該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内周
面に有するボールナットと、前記ねじ軸のボールねじ溝
と前記ボールナットのボールねじ溝との間に嵌合されて
前記ねじ軸と前記ボールナットとを相対螺旋運動可能と
する多数のボールとを備えたボールねじ装置において、
前記ねじ軸に該ねじ軸の軸方向に貫通する中空穴を設
け、この中空穴に棒状の制振質量体を前記中空穴との間
に間隙が生じるように挿入して前記ねじ軸の振動を前記
制振質量体により減衰するように構成するとともに、前
記中空穴の内面または前記制振質量体の外面に前記制振
質量体と前記中空穴との衝突を緩和するゴム材又は合成
樹脂材を設けたことを特徴とするものである。
【0009】また、この発明のテーブル駆動装置は、両
端部を基台に固定され外周面にボールねじ溝を有する
尺のねじ軸と、該ねじ軸の軸方向と平行に移動自在に前
記基台に支持されたテーブルと、前記ねじ軸のボールね
じ溝と対向するボールねじ溝を内周面に有し前記テーブ
ルに回転自在に支持されたボールナットと、前記ねじ軸
のボールねじ溝と前記ボールナットのボールねじ溝との
間に嵌合されて前記ねじ軸と前記ボールナットとを相対
螺旋運動可能とする多数のボールと、前記テーブルに取
り付けられ前記ボールナットを回転させる駆動手段と
備えたテーブル駆動装置において、前記ねじ軸に該ねじ
軸の軸方向に貫通する中空穴を設け、この中空穴に棒状
の制振質量体を前記中空穴との間に間隙が生じるように
挿入して前記ねじ軸の振動を前記制振質量体により減衰
するように構成するとともに、前記中空穴の内面または
前記制振質量体の外面に前記制振質量体と前記中空穴と
の衝突を緩和するゴム材又は合成樹脂材を設けたことを
特徴とするものである。
【0010】
【作用】この発明によれば、ボールねじ装置のねじ軸を
中空にしてその中空穴に長尺の制振質量体を挿通すると
ともに、その制振質量体の外面とねじ軸中空穴の内面と
の間に両者の直接的な接触を妨げるゴム材又は合成樹脂
材を介在せしめて、ねじ軸の径方向振動に対する減衰効
果を大きくしている。緩衝材として機能するゴム材又は
合成樹脂材は、ばね定数が金属ばねのようにリニアでは
なく、また内部摩擦による振動エネルギー吸収能力も高
いことから、ねじ軸と制振質量体との両者の合成振動が
急激に減衰する。
【0011】さらに、ねじ軸と制振質量体それぞれの固
有振動数は異なるので、それら両部材間に発生する摩擦
によっても間接的に減衰効果が高められる。
【0012】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面を参照して
説明する。図1は、ボールねじ装置を用いたテーブル駆
動装置の第1の実施例の縦断面図、図2はそのII矢視で
示す側面図である。先ず構成を説明すると、図示のテー
ブル駆動装置は、軸方向に長い基台1に沿って移動自在
に支持されたテーブル2をボールねじ装置10で送り駆
動するものである。
【0013】テーブル2は、断面ほぼU字状の基台1の
上に、直線案内軸受(リニアガイド装置)3を介して滑
らかに移動可能に取り付けられている。ボールねじ装置
10は、外周面に螺旋状のボールねじ溝11aを有する
長尺の中空のねじ軸11と、内周面にねじ軸のボールね
じ溝11aに対向したボールねじ溝12aを有するボー
ルナット12と、両ボールねじ溝11a,12aとの間
に嵌合されてねじ軸11とボールナット12とを相対螺
旋運動可能とする多数のボール13とを備えている。
【0014】この実施例にあっては、図示しないが、例
えばボールナット12の胴部に設けた貫通孔に移動する
ボール3を導いて循環させるためのほぼドーナツ状の湾
曲路を有するエンドキャップがナット胴部の両端に装着
され、ねじ軸のボールねじ溝11aから移りその一方の
彎曲路でUターンして貫通孔内を進んだボール3が他方
の彎曲路で逆Uターンしてボールねじ溝11aとボール
ナットのボールねじ溝12aとの間に戻る循環を繰り返
すようにしたエンドキャップ方式を使用している。
【0015】上記ねじ軸11の中空穴11bには、例え
ば長尺の鉄棒からなる制振質量体15が挿通されてい
る。この実施例の場合、外径20mm,内径12mm,
長さ2mでねじリード40mmのねじ軸11に対して、
制振質量体15には直径8mm,長さ1.95mの鉄棒を使
用している。そして、この制振質量体15の外面に、厚
さ1mmのスパイラル状の樹脂テープからなる合成樹脂
材30が全長に及んで巻き付けられている。ねじ軸11
の中空穴11bの両端部には蓋16を取り付けて、制振
質量体15及び合成樹脂材30の脱落を防止している。
【0016】このような構造を有するボールねじ装置1
0のねじ軸11は、基台1の中央の凹部の真上を通して
基台上に配設され、その両端がそれぞれねじ軸固定部材
17を介して回転不能に基台1に固定支持されている。
一方、このねじ軸11に螺合されたボールナット12
は、基台1上を走行するテーブル2の下部に玉軸受18
を介して回転自在に嵌着されている。そのボールナット
12の端面にはプーリ19が一体回転可能に取り付けら
れている。テーブル2の上面には駆動用モータ20が搭
載されていて、そのモータ出力軸に取り付けたプーリ2
1と前記プーリ19とがタイミングベルト22で同期回
転可能に連結されている。
【0017】次に作用を述べる。駆動用モータ20が回
転駆動されると、その駆動トルクがプーリ21,タイミ
ングベルト22,プーリ19と伝達されてボールねじ装
置10のボールナット12が回転する。すると、ねじ軸
11とボールナット12との間に嵌合させたボール13
がねじ軸11及びボールナット12のボールねじ溝11
a,12a間を転動しつつ移動するとともに、図外の循
環路を経てボールナット12内で無限循環を繰り返す。
これにより、ボールナット12が不回転に固定支持され
ているねじ軸11に案内されて軸方向に移動する。同時
に、テーブル2は、リニアガイド装置3に案内されつつ
滑らかに基台1上を軸方向に移動される。
【0018】このとき、ねじ軸11は回転しないため、
軸回転で使用する場合のような偏心質量による振れ回り
振動は生じないが、ボールナット12の回転による微小
振動が加わるため振動を生じる。しかして長尺のねじ軸
11の支持スパンは長くて固有振動数が低いことから、
ボールナット12を高速回転させると前記微小振動の振
動数がねじ軸11の危険速度域となることがある。その
場合、ねじ軸11が一般的な中実軸であれば、容易に共
振現象が生じてねじ軸11に大きな振動が発生してしま
う。
【0019】しかるにこの実施例の場合は、ねじ軸11
を中空にしてその中に長尺の制振質量体15が内在され
るとともに、その制振質量体15の外面とねじ軸内径面
との間に緩衝材として機能する合成樹脂材30が介在さ
せてあり、その合成樹脂材30がねじ軸11と制振質量
体15との直接的な接触を妨げ、ねじ軸11の径方向振
動に対する減衰効果を高めている。しかも、合成樹脂材
30は、ばね定数がリニアではなく、また内部摩擦によ
る振動エネルギー吸収能力も高いことから、ねじ軸11
の振動は急激に減衰される。また、ねじ軸11と制振質
量体15それぞれの固有振動数は異なるので、ボールナ
ット12の回転によりねじ軸11と制振質量体15とが
非同期的に振動する結果、それら両部材11,15と合
成樹脂材30との間で摩擦が発生し、ねじ軸11の振動
エネルギーがその摩擦熱としても消費されてねじ軸11
の振動が減衰される。ちなみに、ねじ軸11の端部の蓋
16を除いて実験したところ、ボールナット12の回転
と反対方向に制振質量体15が回転して合成樹脂材30
を摩擦することが観察されている。
【0020】こうした振動減衰の作用でねじ軸11の共
振が抑制される結果、ボールナット12の高速回転時に
も大きな振動は防止される。上記の制振効果を実験によ
り確かめた結果を、図7ないし図9に基づいて説明す
る。 実験方法:図1の装置を使用して、ボールナット12
の回転によるテーブル2の走行と停止を繰り返した時の
ねじ軸11に振動を記録した。
【0021】ねじ軸として、(イ)中実のもの、(ロ)
中空でその内部に制振質量体15のみを装着したもの、
(ハ)中空でその内部にスパイラル状の樹脂テープから
なる合成樹脂材30が全長に及んで巻き付けられた制振
質量体15を装着した本発明にかかるものの3種を用い
て比較した。 実験データ:ねじ軸サイズは外径20mm、内径12
mm(中空の場合)、長さ2m、ねじリード40mm。
【0022】ボールナットの回転速度は3000rp
m。制振質量体のサイズは径8mm、長さ195cmの
鉄棒。合成樹脂材は厚さ1mmのスパイラル状の樹脂テ
ープ。 実験結果: (イ)のねじ軸の振動状態を図7のグラフに示す。
【0023】(ロ)のねじ軸の振動状態を図8のグラフ
に示す。 (ハ)のねじ軸の振動状態を図9のグラフに示す。各グ
ラフ中において、横軸は時間(1目盛りが500mse
c)、縦軸のAはねじ軸の振動の振幅(1目盛りが20
μm)である。またBは、ボールナットの回転速度の時
間推移を表したもので、ボールナットの往復移動により
上下に反転している。
【0024】各グラフの比較から明らかなように、本実
施例(ハ)のねじ軸11はその他のものに比べて遙に振
動の振幅が小さく、かつ振動減衰時間も顕著に短くなっ
ている。このように、本実施例の場合、ボールねじ装置
10におけるねじ軸11に中空穴11bを設けてその穴
に長尺の制振質量体15を挿通し、かつその制振質量体
15の外面にスパイラル状の樹脂テープからなる合成樹
脂材30を巻いて中空穴内面と制振質量体15との直接
的な接触を妨げるようにするという構成によって、ボー
ルねじ作動時の振動を大幅に低減させることができた。
その結果、一般には危険速度の80%以下に抑制される
ボールねじ装置10の回転速度を危険速度を越える回転
速度にあげて高速運転することが可能となった。
【0025】また、この実施例にあっては、テープ状の
合成樹脂材30をスパイラル状にして制振質量体15に
巻き付けて取り付けるものであるから、長尺の制振質量
体15であっても容易に装着することができる。さら
に、制振質量体15の径寸法を変えた場合にも柔軟に対
応できるという利点もある。
【0026】なお、この実施例においてはスパイラル状
の樹脂テープを用いたが、スパイラル状のゴムテープで
あっても良い。図3に、第2の実施例を示す。この実施
例は、ボールねじ装置10のねじ軸11内に取り付けた
合成樹脂材30として樹脂チューブを用いた点が上記第
1の実施例と異なっている。市販の樹脂チューブをその
まま制振質量体15に被せるのみでよいが、あまり長尺
になると被覆しにくくなることがある。合成樹脂材30
以外の構成は、上記第1の実施例とほぼ同様である。
【0027】図4は図3の実施例を改善した第3の実施
例である。この実施例は、上記図3の実施例における長
尺の制振質量体15を複数(3本)に分割して、その各
々に相当する長さの樹脂チューブ製の合成樹脂材30を
被せたものである。これにより、合成樹脂材30の装着
が容易になると共に、その合成樹脂材を装着した制振質
量体15をねじ軸11の中に装入する作業も容易にな
る。
【0028】なお、上記第2及び第3の実施例において
は樹脂チューブを用いたが、ゴムチューブであっても良
い。図5に更に第4の実施例を示す。この実施例は、中
空のねじ軸11に挿入される長尺の制振質量体15に、
ゴム材又は合成樹脂材30として予め樹脂又はゴムをコ
ーティングしたものである。このコーティングしたゴム
材又は合成樹脂材30により上記各実施例同様の振動減
衰効果が得られるとともに、制振質量体15とゴム材又
は合成樹脂材30とが一体的に接合していて分離したり
ずれたりすることがないからねじ軸11への挿入が容易
になるという利点がある。
【0029】なお、このコーティングは制振質量体15
の外周面ではなく中空ねじ軸11の内周面に施しても良
く、あるいは制振質量体15の外周面とねじ軸の内周面
との双方に施しても良い。図6にまた更に第5の実施例
を示す。この実施例では、長尺の制振質量体15がねじ
軸11の中空穴11b内に樹脂にモールドされている。
そのモールド樹脂は固化する際に多少収縮するから、合
成樹脂材30の外周面と中空穴11bの内周面との間に
は僅かにすき間が生じる。これにより制振質量体15が
ねじ軸11とは別体に振動することが可能で、有効に制
振作用を果たすことができる。モールドされた樹脂は、
上記各実施例の場合と同様にねじ軸11と制振質量体1
5との衝突を緩和し、かつねじ軸11の振動を減衰せし
める。
【0030】なお、この実施例では樹脂によりモールド
したがゴムによってモールドしても良い。また、以上の
各実施例において、ボールナット12の駆動方式はテー
ブル2の上面に設置した駆動モータ20によりベルト駆
動で行うものとしたが、これに限られず、その他例えば
ねじ軸11に挿通した中空モータをテーブル2にブラケ
ットで取り付けて、そのモータ出力部にボールナット1
2を連結して駆動する方式でも良い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のボール
ねじ装置は、ねじ軸を貫通する中空穴を設けて、その中
空穴に長尺の制振質量体及びその制振質量体の外面と中
空穴内面との間に介在されて制振質量体と中空穴との接
触を妨げるゴム材又は合成樹脂材を内蔵させたものとし
たため、ねじ軸を不回転に固定してボールナットを回転
駆動したときこのナットの微小振動がねじ軸に伝達され
て従来であればねじ軸が大きく共振してしまうような場
合にも、ねじ軸とは異なる固有振動数を有する制振質量
体がねじ軸の振動とは別途に動いてねじ軸の振動を減衰
させるとともに、ゴム材又は合成樹脂材がそれ自体の内
部摩擦及び制振質量体,ねじ軸との接触摩擦で振動エネ
ルギーを吸収して急激に振動を減衰せしめ、その結果ね
じ軸の共振を効果的に抑制することができるという効果
を奏する。
【0032】また、この発明のテーブル駆動装置によれ
ば、高い制振作用を有する前記ボールねじ装置を備え、
ねじ軸を固定するとともにテーブルに回転自在にボール
ナットを支持し、そのボールナットをテーブルに取り付
けられた駆動手段で回転駆動させてテーブルを移動させ
るものとした。そのため、長尺のねじ軸を用いて長スト
ロークでテーブルを危険速度を越える高速で移動させて
も、ねじ軸に共振現象で大きな振動が発生してボールね
じ装置が損傷してしまうような事故は防止できる。しか
も、ボールナットの高速回転が可能になったことから、
テーブルの送りを高速化するにあたりボールねじ装置の
ねじリードを殊更に大きくする必要がなくて比較的小さ
いモータで足りることとなり、テーブルの慣性増加によ
る停止位置精度の低下も防止できる。その結果、長スト
ロークでかつ高速作動が可能でかつ位置精度の高いテー
ブル駆動装置を提供することができるという効果が得ら
れる。
【0033】また、上記本発明の効果に加えて、各実施
例につき以下の特有の効果が得られる。第1の実施例に
よれば、ゴム材又は合成樹脂材をスパイラル状としたた
め、制振質量体外周面への装着が容易になり、かつ制振
質量体の径寸法の変化にも柔軟に対応できるという効果
が得られる。
【0034】第2の実施例によれば、ゴム材又は合成樹
脂材としてゴム又は樹脂チューブを用いたため、市販の
ゴム又は樹脂チューブをそのまま利用できるという利点
がある。第3の実施例によれば、制振質量体を複数に分
割してその各々にゴム又は樹脂チューブ製のゴム材又は
合成樹脂材を被せたものとしたため、ゴム材又は合成樹
脂材の装着が容易になると共にそのゴム材又は合成樹脂
材を装着した制振質量体をねじ軸の中に装入する作業も
容易になるという効果が得られる。
【0035】第4の実施例によれば、合成樹脂又はゴム
をねじ軸の内周面又は制振質量体の外周面の少なくとも
いずれか一方に全長に及びコーティングしたものとした
ため、制振質量体とゴム材又は合成樹脂材とが一体的に
接合していて分離したりずれたりすることがなく、ねじ
軸への挿入が容易になるという効果が得られる。第5の
実施例によれば、制振質量体をねじ軸の中空穴にゴム材
又は合成樹脂でモールドしたため、高い強度と耐久性が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の縦断面図である。
【図2】図1のII矢視で示す側面図である。
【図3】この発明の第2の実施例の縦断面図である。
【図4】この発明の第3の実施例の縦断面図である。
【図5】この発明の第4の実施例の縦断面図である。
【図6】この発明の第5の実施例の縦断面図である。
【図7】中実のねじ軸の振動特性を示すグラフである。
【図8】ねじ軸に制振質量体のみを装着した場合の振動
特性を示すグラフである。
【図9】本発明のねじ軸の振動特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
2 テーブル 10 ボールねじ装置 11 ねじ軸 11a ボールねじ溝(ねじ軸の) 11b 中空穴 12 ボールナット 12a ボールねじ溝(ボールナットの) 13 ボール 15 制振質量体 20 駆動手段(駆動モータ) 30 ゴム材又は合成樹脂材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−293659(JP,A) 特開 平2−57717(JP,A) 実開 昭63−44741(JP,U) 実開 昭60−46392(JP,U) 実開 平5−22899(JP,U) 実開 平1−174619(JP,U) 実開 平6−28402(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 25/20 - 25/24 F16F 15/10 B23Q 5/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面にボールねじ溝を有する長尺のね
    じ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ
    溝を内周面に有するボールナットと、前記ねじ軸のボー
    ルねじ溝と前記ボールナットのボールねじ溝との間に嵌
    合されて前記ねじ軸と前記ボールナットとを相対螺旋運
    動可能とする多数のボールとを備えたボールねじ装置に
    おいて、 前記ねじ軸に該ねじ軸の軸方向に貫通する中空穴を設
    け、この中空穴に棒状の制振質量体を前記中空穴との間
    に間隙が生じるように挿入して前記ねじ軸の振動を前記
    制振質量体により減衰するように構成するとともに、前
    記中空穴の内面または前記制振質量体の外面に前記制振
    質量体と前記中空穴との衝突を緩和するゴム材又は合成
    樹脂材を設けた ことを特徴とするボールねじ装置。
  2. 【請求項2】 両端部を基台に固定され外周面にボール
    ねじ溝を有する長尺のねじ軸と、該ねじ軸の軸方向と平
    行に移動自在に前記基台に支持されたテーブルと、前記
    ねじ軸のボールねじ溝と対向するボールねじ溝を内周面
    に有し前記テーブルに回転自在に支持されたボールナッ
    トと、前記ねじ軸のボールねじ溝と前記ボールナットの
    ボールねじ溝との間に嵌合されて前記ねじ軸と前記ボー
    ルナットとを相対螺旋運動可能とする多数のボールと、
    前記テーブルに取り付けられ前記ボールナットを回転さ
    せる駆動手段とを備えたテーブル駆動装置において、 前記ねじ軸に該ねじ軸の軸方向に貫通する中空穴を設
    け、この中空穴に棒状の制振質量体を前記中空穴との間
    に間隙が生じるように挿入して前記ねじ軸の振動を前記
    制振質量体により減衰するように構成するとともに、前
    記中空穴の内面または前記制振質量体の外面に前記制振
    質量体と前記中空穴との衝突を緩和するゴム材又は合成
    樹脂材を設けた ことを特徴とするテーブル駆動装置。
JP00377394A 1994-01-18 1994-01-18 ボールねじ装置及びこれを備えたテーブル駆動装置 Expired - Lifetime JP3438286B2 (ja)

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